説明

釣銭補充管理システム

【課題】レジユニットを複数設置する場合であっても、棒金管理装置の導入コストを低減することができる釣銭補充管理システムを提供する。
【解決手段】釣銭補充管理システムは、複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金管理装置20と、この棒金管理装置20の近傍において、1つの棒金管理装置20に対して複数配設され、少なくとも釣銭機14またはドロアを有するレジユニット10とを備えている。棒金管理装置20は、この棒金管理装置20に設けられた棒金ドロア23、24、25に収納される棒金硬貨の在高を検知する棒金硬貨在高検知手段22aを有しており、各レジユニット10は、当該レジユニット10の釣銭機14またはドロアへの硬貨の補充情報を検知する硬貨補充情報検知手段14cを有している。各レジユニット10は棒金管理装置20にそれぞれ通信接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金管理装置と、この棒金管理装置の近傍において1つの棒金管理装置に対して複数配設されたレジユニットとを備えた釣銭補充管理システムに関し、とりわけ、レジユニットを複数設置する場合であっても、棒金管理装置の導入コストを低減することができる棒金補充管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数金種の棒金硬貨(同一金種の硬貨を一定枚数だけ棒状にまとめて包装したもの)を収納可能な棒金管理装置と、この棒金管理装置の近傍に配設され当該棒金管理装置と通信接続されたレジユニットとを備えた釣銭補充管理システムが知られている(例えば、特許文献1等参照)。棒金管理装置は、例えば、筐体(収納庫本体)と、この筐体に対して引き出し自在に設けられ、棒金硬貨をそれぞれ1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部が設けられた棒金ドロアと、棒金ドロアに収納される棒金硬貨の在高を検知する棒金硬貨在高検知手段と、を有するものとなっている。一方、レジユニットは、例えば、レジスター、ドロアおよび硬貨釣銭機を有するものとなっている。
【0003】
特許文献1に示すような従来の釣銭補充管理システムにおいては、1つの棒金管理装置に対して1つのレジユニットが設けられており、この1つの棒金管理装置は、対応するレジユニットに1対1で通信接続されている(特許文献1の図1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−85332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すような従来の釣銭補充管理システムにおいては、棒金管理装置が対応するレジユニットに1対1で通信接続されるようになっているため、1つのレジユニットを設置するにあたり1つの棒金管理装置を設置しなければならず、レジユニットを複数設置する場合には棒金管理装置もレジユニットと同数分設置する必要があり、棒金管理装置の導入コストが大きくなってしまうという問題がある。また、1つの棒金管理装置から1つのレジユニットに釣銭が補充されるので、レジユニットを複数設置する場合、各棒金管理装置は、それぞれ対応する各レジユニットにおいて釣銭不足が発生しないよう十分な量の棒金硬貨を収納しておかなければならず、複数の棒金管理装置に収納される棒金硬貨の合計量が多くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、レジユニットを複数設置する場合であっても、棒金管理装置の導入コストを低減することができ、また、レジユニットに対して1対1で棒金管理装置を設けた場合と比較して、棒金管理装置に収納される棒金硬貨の合計量を少なくすることができ、さらに、複数のレジユニットのうちある一部のレジユニットで特定の金種の釣銭が多く出金される場合であっても、このような出金される釣銭の金種の偏りの影響を受けることを抑制することができる釣銭補充管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の釣銭補充管理システムは、複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金管理装置と、前記棒金管理装置の近傍において、1つの棒金管理装置に対して複数配設され、少なくとも釣銭機またはドロアを有するレジユニットと、を備え、前記棒金管理装置は、収納庫本体と、この収納庫本体に対して引き出し自在に設けられ、棒金硬貨をそれぞれ1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部が設けられた棒金ドロアと、前記棒金ドロアに収納される棒金硬貨の在高を検知する棒金硬貨在高検知手段と、を有し、前記各レジユニットは、当該レジユニットの釣銭機またはドロアへの硬貨の補充情報を検知する硬貨補充情報検知手段を有し、前記各レジユニットは前記棒金管理装置にそれぞれ通信接続されていることを特徴とする。
【0008】
このような釣銭補充管理システムによれば、複数のレジユニットに対して設置される棒金管理装置の数をレジユニットの数よりも少なくすることができるので(例えば、棒金管理装置の数を1つとすることができるので)、レジユニットを複数設置する場合であっても、対応する数の棒金管理装置を設置する必要はなく、棒金管理装置の導入コストを低減することができる。また、1つの棒金管理装置から複数のレジユニットに釣銭が補充されるので、レジユニットに対して1対1で棒金管理装置を設けた場合と比較して、棒金管理装置に収納される棒金硬貨の合計量を少なくすることができ、さらに、複数のレジユニットのうち、ある一部のレジユニットで特定の金種の釣銭が多く出金される場合であっても、1つの棒金管理装置が複数のレジユニットに対して共用で用いられるので、このようなレジユニットから出金される釣銭の金種の偏りの影響を受けることを抑制することができる。
【0009】
本発明の釣銭補充管理システムにおいては、前記棒金管理装置、ならびに前記各レジユニットのうち少なくとも1つのものには制御手段が設けられており、前記制御手段には、前記棒金硬貨在高検知手段により検知された棒金硬貨の在高に係る情報および前記硬貨補充情報検知手段により検知された硬貨の補充情報がそれぞれ送られるようになっており、当該制御手段は、前記棒金管理装置における棒金硬貨の在高、および前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへの硬貨の補充情報の両者を照合するようになっていることが好ましい。
【0010】
上述の釣銭補充管理システムにおいては、前記制御手段は、前記棒金管理装置において減少した棒金硬貨の在高と、前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへ補充された硬貨の在高とを比較し、両者の在高が一致していれば前記棒金管理装置から前記各レジユニットへの硬貨の補充が問題なく行われたと判断するようになっていることがより好ましい。また、前記制御手段は、前記棒金管理装置において減少した棒金硬貨の在高と、前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへ補充された硬貨の在高とを比較するようになっており、両者の在高が一致しなかった場合にこのことを報知する報知手段を更に備えたことがより好ましい。
【0011】
上述の釣銭補充管理システムにおいては、前記各レジユニットは前記棒金管理装置にそれぞれ直接的に通信接続されていることが好ましい。あるいは、前記各レジユニット同士が通信接続されており、前記棒金管理装置は少なくとも1つのレジユニットに通信接続されていることが好ましい。
【0012】
上述の釣銭補充管理システムにおいては、前記棒金管理装置は複数設けられており、前記各レジユニットは前記複数の棒金管理装置にそれぞれ通信接続されていることが好ましい。
【0013】
本発明の釣銭補充管理システムにおいては、前記棒金管理装置に通信接続されるとともに、前記各レジユニットに通信接続されるPOSシステム本体であって、制御手段を有するようなPOSシステム本体を更に備え、前記制御手段には、前記棒金硬貨在高検知手段により検知された棒金硬貨の在高に係る情報および前記硬貨補充情報検知手段により検知された硬貨の補充情報がそれぞれ送られるようになっており、当該制御手段は、前記棒金管理装置における棒金硬貨の在高、および前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへの硬貨の補充情報の両者を照合するようになっていることが好ましい。
【0014】
上述の釣銭補充管理システムにおいては、前記制御手段は、前記棒金管理装置において減少した棒金硬貨の在高と、前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへ補充された硬貨の在高とを比較し、両者の在高が一致していれば前記棒金管理装置から前記各レジユニットへの硬貨の補充が問題なく行われたと判断するようになっていることが更に好ましい。また、前記制御手段は、前記棒金管理装置において減少した棒金硬貨の在高と、前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへ補充された硬貨の在高とを比較するようになっており、両者の在高が一致しなかった場合にこのことを報知する報知手段を更に備えたことが更に好ましい。
【0015】
上述の釣銭補充管理システムにおいては、前記棒金管理装置、前記各レジユニット、ならびに前記POSシステム本体のうち少なくとも1つのものに設けられた前記制御手段は、前記複数のレジユニットのうち一のレジユニットへの前記棒金管理装置からの硬貨の補充が行われている間は、他のレジユニットから送信される信号を受け付けないようになっていることが好ましい。
【0016】
ここで、前記棒金管理装置において、一のレジユニットへ補充されるべき棒金硬貨が前記棒金ドロアから引き抜かれたことが前記棒金硬貨在高検知手段により検知されたときに、前記制御手段は、他のレジユニットから送信される信号を受け付けるようになることがより好ましい。また、前記制御手段は、前記複数のレジユニットのうち一のレジユニットへの前記棒金管理装置からの硬貨の補充が行われるべき期間において、この一のレジユニットへ補充されるべき棒金硬貨が、一定期間の間、前記棒金ドロアから引き抜かれなかったときに、一のレジユニットへの前記棒金管理装置からの硬貨の補充をキャンセルすることがより好ましい。
【0017】
あるいは、上述の釣銭補充管理システムにおいては、前記棒金管理装置、前記各レジユニット、ならびに前記POSシステム本体のうち少なくとも1つのものに設けられた前記制御手段は、前記棒金管理装置から複数のレジユニットへの硬貨の補充を並行して監視するようになっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の釣銭補充管理システムによれば、レジユニットを複数設置する場合であっても、棒金管理装置の導入コストを低減することができ、また、レジユニットに対して1対1で棒金管理装置を設けた場合と比較して、棒金管理装置に収納される棒金硬貨の合計量を少なくすることができる。さらに、複数のレジユニットのうち、ある一部のレジユニットで特定の金種の釣銭が多く出金される場合であっても、このような出金される釣銭の金種の偏りの影響を受けることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図11は、本発明による釣銭補充管理システムの一の実施の形態を示す図である。
このうち、図1は、本発明の一の実施の形態における釣銭補充管理システムの一の構成を示す概略構成図であり、図2は、本発明の一の実施の形態における釣銭補充管理システムの他の構成を示す概略構成図である。また、図3乃至図5および図12は、それぞれ、本発明の一の実施の形態における釣銭補充管理システムの更に他の構成を示す概略構成図である。また、図6は、図1乃至図5に示す釣銭補充管理システムにおけるレジユニットの構成の詳細を示す構成図であり、図7は、図1乃至図5に示す釣銭補充管理システムにおける棒金管理装置の構成の詳細を示す構成図である。また、図8は、図7に示す棒金管理装置の斜視図であり、図9(a)は、図8に示す棒金管理装置の内部構造を示す上側斜視図であり、図9(b)は、図8に示す棒金管理装置の内部構造を示す下側斜視図である。また、図10は、図9に示す棒金管理装置におけるエンコーダおよびセンサの出力信号の例を示す図である。さらに、図11は、図1に示す釣銭補充管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態における釣銭補充管理システムは、複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金管理装置20と、棒金管理装置20の近傍に設けられたレジユニット10とを備えている。図1に示すように、このような釣銭補充管理システムにおいて、1つの棒金管理装置20に対してレジユニット10は2つ設けられている。そして、棒金管理装置20は、2つのレジユニット10にそれぞれ通信接続されている。
【0021】
以下、このようなレジユニット10および棒金管理装置20の構成の詳細について、図6乃至図10を用いて説明する。
【0022】
まず、レジユニット10の構成について図1および図6を用いて説明する。
図1および図6に示すように、各々のレジユニット10は、それぞれ、キャッシュレジスター12と、硬貨釣銭機14とを備えている。キャッシュレジスター12には、当該キャッシュレジスター12の制御を行う制御部12aが設けられている。一方、硬貨釣銭機14には、当該硬貨釣銭機14の制御を行う制御部14aが設けられている。そして、キャッシュレジスター12の制御部12aと硬貨釣銭機14の制御部14aとは例えば通信ケーブル等により通信接続されている。
【0023】
キャッシュレジスター12は、店舗において顧客が店員に金銭の支払いを行うときに店員が操作するものであり、例えば電子キャッシュレジスター(ECR)から構成されている。顧客が商品の購入を行う際に、顧客が店員に金銭の支払いを行ったら、店員はキャッシュレジスター12に対して顧客からの預かり金額を手入力するようになっている。
【0024】
硬貨釣銭機14は、図6に示すように、硬貨(バラ硬貨)の投入口14b、硬貨の識別部14c、硬貨の金種の選別部14d、硬貨の金種別収納部14e、および硬貨の払出口14fを有している。具体的には、投入口14bより硬貨釣銭機14の筐体の内部に送られたバラ硬貨は、まず識別部14cによりその金種および枚数が識別されるようになっている。そして、選別部14dにより、識別部14cによって識別されたバラ硬貨は金種ごとに選別されるようになっている。金種別収納部14eは、選別部14dによって選別されたバラ硬貨を金種別に収納するよう構成されている。
【0025】
そして、硬貨釣銭機14は、金種別収納部14eに収納されているバラ硬貨を、釣銭の払い出し等の必要に応じて払出口14fに払い出すようになっている。ここで、硬貨釣銭機14の投入口14bに投入されるバラ硬貨は、顧客から支払われた硬貨、ならびに後述する棒金管理装置20から取り出された棒金硬貨の包装を解いて得られる、釣銭用の硬貨である。
【0026】
硬貨釣銭機14において、識別部14cは制御部14aに通信接続されている。そして、識別部14cにより検知される、硬貨釣銭機14への硬貨の補充情報は制御部14aに送られるようになっている。すなわち、識別部14cは、硬貨釣銭機14への硬貨の補充情報を検知する硬貨補充情報検知手段として機能するようになっている。なお、硬貨補充情報検知手段としては、上述のような、硬貨を自動的に識別する識別部14cに限定されることはなく、例えば使用者が手動で硬貨釣銭機14への入金額をキャッシュレジスター12に入力し、この情報が制御部12aから制御部14aに送られることにより、制御部14aにおいて硬貨の補充情報が検知されるような態様となっていてもよい。
【0027】
次に、棒金管理装置20の構成について図1および図7乃至図10を用いて説明する。
図1および図7に示すように、棒金管理装置20は、筐体(収納庫本体)21と、筐体21に対して前方に引き出し自在に設けられた3つの棒金ドロア23、24、25と、棒金ドロア23、24、25に収納される棒金硬貨の在高を検知する棒金硬貨在高検知部22aとを有している。ここで、各棒金ドロア23、24、25には、それぞれ、特定金種の棒金硬貨を各金種それぞれ少なくとも1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部26(図8参照)が設けられている。また、棒金管理装置20には、当該棒金管理装置20を制御する制御部22が設けられており、図7に示すように、この制御部22は棒金硬貨在高検知部22aに通信接続されている。
【0028】
このような棒金管理装置20の構成について図8乃至図10を用いてより具体的に説明する。例えば、上段/中段/下段の各棒金ドロア23、24、25には、1円/10円/100円の棒金硬貨用の棒金収納部26が8つずつ、ならびに、5円/50円/500円の棒金硬貨用の棒金収納部26が2つずつ、それぞれ設けられている。なお、各棒金収納部26における棒金硬貨の収納姿勢は、棒金硬貨の軸線が棒金ドロア23、24、25の引き出し方向と直交するような、横向きの水平姿勢である。ここで、棒金管理装置20の各棒金ドロア23、24、25は通常は筐体21内にロックされており、通常時は筐体21からこれらの棒金ドロア23、24、25を引き出すことができないようになっている。そして、制御部22からロック解除の信号が送られたときのみ、各棒金ドロア23、24、25を筐体21から引き出すことができるようになっている。
【0029】
棒金硬貨在高検知部22aは、各棒金ドロア23、24、25の各々の棒金収納部26ごとに棒金硬貨の有無を検知するようになっている。そして、棒金硬貨在高検知部22aは、この検知された棒金硬貨の在高に係る情報を制御部22に送るようになっている。また、棒金管理装置20の筐体21の前面には、棒金硬貨在高検知部22aによる検知結果に基づいて各金種の棒金硬貨のFULL(満杯)/EMPTY(品切)等の状態を表示する表示パネル21aが設けられている。
【0030】
図9(a)(b)を用いて棒金硬貨在高検知部22aの具体的な構成について説明する。図9(a)(b)には、棒金管理装置20の筐体21の内部に設けられたフレームFが示されている。このフレームFは、各棒金ドロア23、24、25を前後方向へスライド可能に保持している。フレームFの前部には、上下1対の棒金径センサ(発光/受光ユニット)S1、左右3対の棒金孔センサ(発光/受光ユニット)S2および上下2対の棒金幅センサ(発光/受光ユニット)S3が設けられている。また、フレームFの前方左側には、各棒金ドロア23、24、25に対応して、合計3つの2相エンコーダEが設けられている。
【0031】
そして、引き出されていた棒金ドロア23、24、25がフレームFに対して手動で押し込まれる際に、あるいはフレームFに収納されていた棒金ドロア23、24、25が手動により引き出される際に、対応する2相エンコーダE、棒金径センサS1および棒金孔センサS2が、それぞれ図10に示すような信号27、28および29を出力するようになっている。これらの出力信号のうち、2相エンコーダEの信号27によって、対応する棒金ドロア23、24、25のセンサS1、S2に対する押込み方向の変位が特定される。また、各センサS1、S2の信号28、29によって、棒金硬貨B(図9(a)参照)の外縁および内縁(中心孔のある5円および50円の場合)による透光/遮光の遷移が特定される。
【0032】
これにより、対応する棒金ドロア23、24、25の各棒金収納部26ごとに、棒金硬貨の有無だけでなく、収納される棒金硬貨の直径および中心孔の有無も特定することが可能となる。すなわち、各棒金収納部26に存在する棒金硬貨が、本来収納すべき金種の棒金硬貨であるか否かをも検知できるようになっている。なお、上述の棒金幅センサS3を用いることで、各棒金収納部26ごとに棒金硬貨の幅(軸線方向長さ)を検知することもできるが、通常は棒金硬貨の直径と中心孔の有無だけで金種の特定が十分に可能である。このため、棒金幅センサS3は予備的に設けられたものとなっている。
【0033】
以上のように、棒金硬貨在高検知部22aは、3つの2相エンコーダE、上下1対の棒金径センサ(発光/受光ユニット)S1、左右3対の棒金孔センサ(発光/受光ユニット)S2および上下2対の棒金幅センサ(発光/受光ユニット)S3から構成されている。なお、棒金硬貨在高検知部22aは上述のような構成のものに限定されることはなく、各棒金ドロア23、24、25に収納される棒金硬貨の在高を検知するものであれば、様々な種類のものを使用することができる。
【0034】
図1に示すように、各レジユニット10の硬貨釣銭機14に設けられた各々の制御部14aと、棒金管理装置20に設けられた制御部22は、通信ケーブル等の有線または無線により通信接続されている。そして、キャッシュレジスター12の制御部12a、硬貨釣銭機14の制御部14a、または棒金管理装置20の制御部22のうちいずれかの制御部に、棒金管理装置20の棒金硬貨在高検知部22aにより検知された棒金硬貨の在高に係る情報、および各硬貨釣銭機14の識別部14cにより検知された硬貨の補充情報がそれぞれ送られるようになっている。以下、棒金管理装置20の制御部22にこのような情報が送られた場合について説明するが、当然のことながら、制御部12aや制御部14aが
制御部22の代わりに以下のような制御を行うようになっていてもよい。
【0035】
制御部22に対して、棒金管理装置20の棒金硬貨在高検知部22aにより検知された棒金硬貨の在高に係る情報、および各硬貨釣銭機14の識別部14cにより検知された硬貨の補充情報がそれぞれ送られたら、この制御部22は、棒金管理装置20における棒金硬貨の在高、および各レジユニット10の硬貨釣銭機14への硬貨の補充情報の両者を照合する。
【0036】
具体的には、制御部22は、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、各レジユニット10の硬貨釣銭機14へ補充された硬貨の在高とを比較し、両者の在高が一致していれば棒金管理装置20から各レジユニット10への硬貨の補充が問題なく行われたと判断する。この場合にはレジユニット10や棒金管理装置20は特に何らかの動作を行うことはない。
【0037】
一方、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、各レジユニット10の硬貨釣銭機14へ補充された硬貨の在高とが一致しなかった場合には、例えば棒金管理装置20の表示パネル21aに「ERROR」が表示され、釣銭補充管理システムの使用者や管理者にこのことが報知されるようになっている。なお、使用者や管理者への報知手段としては、棒金管理装置20の表示パネル21aにおける表示に限定されることはなく、棒金管理装置20側で光や音等により使用者や管理者に報知したり、またはレジユニット10側で光や音、または表示等により使用者や管理者に報知したりするようになっていてもよい。更に他の報知手段としては、釣銭補充管理システムの管理者の携帯端末等に通知するようになっていてもよい。
【0038】
次に、このような構成からなる釣銭補充管理システムの動作について図11のフローチャートを用いて説明する。
【0039】
複数のレジユニット10のうち、あるレジユニット10の硬貨釣銭機14において、ある金種の硬貨が不足した場合には、この硬貨釣銭機14の制御部14aから、当該硬貨釣銭機14に収納される釣銭用硬貨が不足しているという信号(以下、釣銭硬貨不足に係る信号という)が、棒金管理装置20の制御部22に送られる(Step1)。制御部22は、このような釣銭硬貨不足に係る信号が送られると、棒金管理装置20の各棒金ドロア23、24、25のロックを解除する(Step2)。このことにより、使用者は棒金ドロア23、24、25を筐体21から引き出し、引き出された棒金ドロア23、24、25から棒金硬貨を取り出して、この棒金硬貨の包装を解くことにより得られるバラ硬貨を硬貨釣銭機14に補充する(Step3)。その後、棒金ドロア23、24、25を筐体21に戻すと、この棒金ドロア23、24、25は再びロックされる(Step4)。
【0040】
この際に、棒金管理装置20の棒金硬貨在高検知部22aにより、棒金硬貨を取り出す前と取り出した後の各棒金ドロア23、24、25における棒金硬貨の在高がそれぞれ検知される。このことにより、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高が制御部22に送られる(Step5)。一方、レジユニット10の硬貨釣銭機14に投入されるバラ硬貨の補充情報が識別部14cにおいて検知され、このバラ硬貨の補充情報は制御部14aを介して制御部22に送られる(Step6)。
【0041】
このようにして、制御部22には、棒金硬貨在高検知部22aにより検知された棒金硬貨の在高に係る情報および識別部14cにより検知された硬貨の補充情報が送られ、この制御部22は、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、各レジユニット10の硬貨釣銭機14へ補充された硬貨の在高とを比較する(Step7)。ここで、両者の在高が一致している場合には、制御部22は、釣銭補充管理システムにおいて、棒金管理装置20から取り出された棒金硬貨についてレジユニット10の硬貨釣銭機14への補充が適切になされたと判断する(Step8)。この場合、レジユニット10や棒金管理装置20は特に何らかの動作を行うことはない。一方、両者の在高が一致しない場合には、棒金管理装置20から取り出された棒金硬貨についてレジユニット10の硬貨釣銭機14への補充に何らかの問題が発生したと制御部22は判断し、例えば棒金管理装置20の表示パネル21aに「ERROR」が表示され、使用者や管理者への報知がなされる(Step9)。なお、前述のように、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、各レジユニット10の硬貨釣銭機14へ補充された硬貨の在高とが一致しなかった場合の使用者や管理者への報知手段としては、棒金管理装置20の表示パネル21aによる表示に限定されることはなく、レジユニット10側や棒金管理装置20側での光、音、あるいは表示による報知、もしくは、釣銭補充管理システムの管理者の携帯端末等への通知であってもよい。
【0042】
以上のように本実施の形態の釣銭補充管理システムによれば、1つの棒金管理装置20に対してレジユニット10を複数配設し、各レジユニット10は棒金管理装置20にそれぞれ通信接続されるようになっている。このように、複数のレジユニット10に対して設置される棒金管理装置20の数を1つとすることができるので、レジユニット10を複数設置する場合であっても、対応する数の棒金管理装置20を設置する必要はなく、棒金管理装置20の導入コストを低減することができる。また、1つの棒金管理装置20から複数のレジユニット10に釣銭が補充されるので、レジユニット10に対して1対1で棒金管理装置20を設けた場合と比較して、棒金管理装置20に収納される棒金硬貨の合計量を少なくすることができる。なぜならば、レジユニット10に対して1対1で棒金管理装置20を設けた場合には、各棒金管理装置20において、収納される棒金硬貨の量に余裕をそれぞれ持たせる必要があり、各棒金管理装置20に収納される棒金硬貨の合計量が必要以上に大きくなってしまうからである。さらに、複数のレジユニット10のうち、ある一部のレジユニット10で特定の金種の釣銭が多く出金される場合であっても、1つの棒金管理装置20が複数のレジユニット10に対して共用で用いられるので、このような出金される釣銭の金種の偏りの影響を受けることを抑制することができる。
【0043】
なお、本発明による釣銭補充管理システムは、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
【0044】
例えば、レジユニット10は、キャッシュレジスター12と硬貨釣銭機14とを有するものに限定されることはなく、例えば、キャッシュレジスター12とドロア(図示せず)とを有するものであってもよい。この場合、ドロアには制御部が設置されることはなく、キャッシュレジスター12の制御部12aと棒金管理装置20の制御部22とが通信接続されることとなる。そして、ドロアに補充されるバラ硬貨の金額が使用者によりキャッシュレジスター12に手入力され、このキャッシュレジスター12に手入力された硬貨の補充情報、および棒金硬貨在高検知部22aにより検知された棒金管理装置20の棒金硬貨の在高に係る情報が、制御部12aまたは制御部22に送られることとなる。そして、制御部12aまたは制御部22において、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、各レジユニット10のドロアへ補充された硬貨の在高とが比較されることとなる。
【0045】
また、レジユニット10の更に他の構成としては、キャッシュレジスター12と紙幣釣銭機と硬貨釣銭機14とを有するもの、またはキャッシュレジスター12とドロアと硬貨釣銭機14とを有するもの、等を用いることができる。このように、レジユニット10は、少なくとも釣銭機またはドロアを有するものであれば、その態様は上述のものに限定されることはない。
【0046】
また、釣銭補充管理システムに配設されるレジユニット10の数は2つに限定されることはなく、1つの棒金管理装置20に対して3つ以上のレジユニット10が配設されるようになっていてもよい。
【0047】
また、釣銭補充管理システムに配設される棒金管理装置20の数は1つに限定されることはなく、図2に示すように、棒金管理装置20が2つ設けられるとともにレジユニット10が3つ設けられるようにしてもよい。この場合、各棒金管理装置20の制御部22は、各々、3つのレジユニット10の硬貨釣銭機14の制御部14aにそれぞれ通信接続されるようになっている。この場合でも、各棒金管理装置20において、1つの棒金管理装置20に対して複数のレジユニット10が通信接続されることとなるので、レジユニット10と棒金管理装置20とを1対1で配設した場合と比較して、棒金管理装置20の数をレジユニット10の数よりも少なくすることができるので、棒金管理装置20の導入コストを低減することができる。当然のことながら、棒金管理装置20を3つ以上配設し、各々の棒金管理装置20に対して複数のレジユニット10を通信接続させるよう、レジユニット10を複数(好ましくは4つ以上)配設するようにしてもよい。
【0048】
また、本発明の釣銭補充管理システムはPOSシステム(販売時点情報管理システム)であってもよい。この場合、図3に示すように、各レジユニット10および棒金管理装置20は売り場40内に配設され、一方、POSシステムのPOSシステム本体30は売り場40の外部に設けられることとなる。このPOSシステム本体30には例えばホストコンピュータ等の制御部32が設けられている。そして、各レジユニット10のキャッシュレジスター12はPOSレジスターとなっており、各々のキャッシュレジスター12の制御部12aは売り場40の外部に配設されたPOSシステム本体30の制御部32にそれぞれ通信接続されている。なお、この場合は、棒金管理装置20は複数のレジユニット10に直接的に通信接続されるのではなく、図3に示すように複数のレジユニット10のうち1つのレジユニット10のみに直接的に通信接続されるようになっている。しかしながら、棒金管理装置20は、この直接的に通信接続されたレジユニット10やPOSシステム本体30を介して、他のレジユニット10に間接的に通信接続されている。また、売り場40内には、POSシステム本体30の制御部32に通信接続された警報器50が設けられている。
【0049】
図3に示すような釣銭補充管理システム(POSシステム)においては、レジユニット10の硬貨釣銭機14の制御部14aから、当該硬貨釣銭機14に収納される釣銭用硬貨が不足しているという信号が制御部12aを介してPOSシステム本体30の制御部32に送られると、この制御部32は棒金管理装置20の制御部22に指令を送り、棒金管理装置20の各棒金ドロア23、24、25のロックを解除する。このことにより、使用者は棒金ドロア23、24、25を筐体21から引き出し、引き出された棒金ドロア23、24、25から棒金硬貨を取り出して、この棒金硬貨の包装を解くことによりバラ硬貨を硬貨釣銭機14に補充することができるようになる。
【0050】
ここで、棒金管理装置20から棒金硬貨を取り出してバラ硬貨にして硬貨釣銭機14に補充する際に、棒金管理装置20の棒金硬貨在高検知部22aにより検知された、棒金硬貨の在高に係る情報は制御部22から制御部14a、制御部12aを介してPOSシステム本体30の制御部32に送られる。また、レジユニット10の識別部14cにより検知された、硬貨釣銭機14に投入されるバラ硬貨の補充情報も制御部12aを介してPOSシステム本体30の制御部32に送られる。
【0051】
このようにして、POSシステム本体30の制御部32には、棒金硬貨在高検知部22aにより検知された棒金硬貨の在高に係る情報および識別部14cにより検知された硬貨の補充情報が送られ、この制御部32は、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、レジユニット10の硬貨釣銭機14へ補充された硬貨の在高とを比較する。ここで、両者の在高が一致している場合には、制御部32は、釣銭補充管理システムにおいて、棒金管理装置20から取り出された棒金硬貨についてレジユニット10の硬貨釣銭機14への補充が適切になされたと判断する。この場合、レジユニット10や棒金管理装置20は特に何らかの動作を行うことはない。一方、両者の在高が一致しない場合には、棒金管理装置20から取り出された棒金硬貨についてレジユニット10の硬貨釣銭機14への補充に何らかの問題が発生したと制御部32は判断し、警報器50に警報信号を送る。警報器50は、警報信号を受け取ると、光や音、あるいは表示等により使用者や管理者に報知を行う。
【0052】
また、POSシステム本体30を有するPOSシステムの他の例としては、図4に示すように、棒金管理装置20の制御部22が直接的にPOSシステム本体30の制御部32に通信接続されるようになっていてもよい。この場合でも、POSシステム本体30の制御部32に、棒金管理装置20の棒金硬貨在高検知部22aにより検知された棒金硬貨の在高に係る情報およびレジユニット10の硬貨釣銭機14の識別部14cにより検知された硬貨の補充情報が送られ、この制御部32は、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、各レジユニット10の硬貨釣銭機14へ補充された硬貨の在高とを比較するようになっている。
【0053】
また、更に他の変形例としては、図1に示すように複数のレジユニット10を全て棒金管理装置20に直接的に通信接続させる代わりに、図5に示すように各レジユニット10同士を互いに通信接続させ、棒金管理装置20を複数のレジユニット10のうち1つのレジユニット10に直接的に通信接続させるようになっていてもよい。この場合には、棒金管理装置20は、当該棒金管理装置20に直接的に通信接続されるレジユニット10を介して、他のレジユニット10に間接的に通信接続されるようになる。そして、図5に示すような釣銭補充管理システムにおいても、制御部12a、制御部14aまたは制御部22のうちいずれかの制御部に、棒金硬貨在高検知部22aにより検知された棒金硬貨の在高に係る情報および識別部14cにより検知された硬貨の補充情報が送られ、この制御部は、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、各レジユニット10の硬貨釣銭機14へ補充された硬貨の在高とを比較するようになる。
【0054】
また、更に他の変形例として、レジユニット10の増設を行うにあたり、既設のレジユニット10および棒金管理装置20について、レジユニット10のキャッシュレジスター12の制御部12aおよび硬貨釣銭機14の制御部14aが互いに接続されておらず、各制御部12a、14aがそれぞれ棒金管理装置20の制御部22に接続されているような場合について説明する。図12において、2つのレジユニット10のうち左側のレジユニット10および棒金管理装置20が既設であった場合、図12における右側のレジユニット10のような、キャッシュレジスター12の制御部12aおよび硬貨釣銭機14の制御部14aが互いに接続されているようなレジユニット10を増設するにあたり、このレジユニット10の硬貨釣銭機14の制御部14aと棒金管理装置20の制御部22とを接続させる。また、レジユニット10の増設を行うにあたり、このレジユニット10のキャッシュレジスター12の制御部12aおよび硬貨釣銭機14の制御部14aが互いに接続されていない場合は、各制御部12a、14aと棒金管理装置20の制御部22とをそれぞれ接続させてもよい。
【0055】
また、更に他の変形例としては、図1乃至図5に示すような釣銭補充管理システムにおいて、例えば、棒金硬貨在高検知部22aにより検知された棒金硬貨の在高に係る情報、および識別部14cにより検知された硬貨の補充情報がそれぞれ棒金管理装置20の制御部22に送られるようになっていたときに、複数のレジユニット10のうちあるレジユニット10への棒金管理装置20からの硬貨の補充が行われている間は、他のレジユニット10から送信される、釣銭硬貨不足に係る信号を受け付けないようになっていてもよい。
【0056】
具体的には、あるレジユニット10から制御部22に釣銭硬貨不足に係る信号が送られたときには、この制御部22は棒金管理装置20の棒金ドロア23、24、25のロックを解除することにより使用者は棒金ドロア23、24、25を引き出して、この引き出された棒金ドロア23、24、25から棒金硬貨を取り出すことができるようになり、その後、使用者が棒金ドロア23、24、25を棒金管理装置20の筐体21に戻すと再び棒金ドロア23、24、25はロックされる。ここで、制御部22は、あるレジユニット10から釣銭硬貨不足に係る信号が送られ、棒金ドロア23、24、25のロックが解除されたときに、他のレジユニット10から送信される、釣銭硬貨不足に係る信号を受け付けなくなる。そして、制御部22は、棒金ドロア23、24、25が筐体21に戻され、棒金硬貨在高検知部22aにより、棒金ドロア23、24、25から棒金硬貨が取り出されたことが検知されたときに、他のレジユニット10から送信される、釣銭硬貨不足に係る信号を再び受け付けるようになる。
【0057】
制御部22が上述のような構成となっていることにより、複数のレジユニット10が同時に釣銭硬貨不足状態となったときに、使用者があるレジユニット10に補充すべき硬貨と他のレジユニット10に補充すべき硬貨とを混同し、棒金管理装置20から取り出した硬貨について当初補充しようとしていたレジユニット10とは違うレジユニット10に誤って補充してしまうことを防止することができるようになる。とりわけ、使用者が複数おり、各使用者がそれぞれ担当するレジユニット10に硬貨を補充しようとする際に、このような混同防止方法は有効である。
【0058】
また、この場合、制御部22は、棒金管理装置20からある特定のレジユニット10の硬貨釣銭機14へ硬貨の補充が行われるべき期間において、このレジユニット10へ補充すべき硬貨が、一定期間の間、棒金管理装置20の棒金ドロア23、24、25から引き抜かれなかったときに、このレジユニット10への棒金管理装置20からの硬貨の補充をキャンセルするようになっていてもよい。すなわち、あるレジユニット10の硬貨釣銭機14から制御部22に釣銭硬貨不足に係る信号が送られ、この制御部22が棒金管理装置20の棒金ドロア23、24、25のロックを解除した後、一定期間の間、この棒金ドロア23、24、25から棒金硬貨が引き抜かれなかったときに、棒金ドロア23、24、25が再びロックされるようになっていてもよい。
【0059】
更に他の変形例としては、制御部22は、棒金管理装置20から複数のレジユニット10への硬貨の補充を並行して監視するようになっていてもよい。具体的には、制御部22は、複数のレジユニット10の硬貨釣銭機14から、釣銭硬貨不足に係る信号がそれぞれ送られたときには、この制御部22は、棒金管理装置20の棒金ドロア23、24、25のロックを解除したままとし、作業者は各レジユニット10の硬貨釣銭機14に対して並行して硬貨の補充を行うことができるようになる。そして、各々のレジユニット10の硬貨釣銭機14に補充された硬貨の補充情報が全て制御部22に送られ、制御部22は、棒金管理装置20において減少した棒金硬貨の在高と、各々のレジユニット10の硬貨釣銭機14に補充された硬貨の在高の合計とを比較するようになる。このことにより、複数のレジユニット10への釣銭用のバラ硬貨の補充を同時に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明における釣銭補充管理システムの一の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明における釣銭補充管理システムの他の構成を示す概略構成図である。
【図3】本発明における釣銭補充管理システムの更に他の構成を示す概略構成図である。
【図4】本発明における釣銭補充管理システムの更に他の構成を示す概略構成図である。
【図5】本発明における釣銭補充管理システムの更に他の構成を示す概略構成図である。
【図6】図1乃至図5に示す釣銭補充管理システムにおけるレジユニットの構成の詳細を示す構成図である。
【図7】図1乃至図5に示す釣銭補充管理システムにおける棒金管理装置の構成の詳細を示す構成図である。
【図8】図1乃至図5に示す釣銭補充管理システムにおける棒金管理装置の斜視図である。
【図9】(a)は、図8に示す棒金管理装置の内部構造を示す上側斜視図であり、(b)は、図8に示す棒金管理装置の内部構造を示す下側斜視図である。
【図10】図9に示す棒金管理装置におけるエンコーダおよびセンサの出力信号の例を示す図である。
【図11】図1に示す釣銭補充管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明における釣銭補充管理システムの更に他の構成を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0061】
10 レジユニット
12 キャッシュレジスター
12a 制御部
14 硬貨釣銭機
14a 制御部
14b 投入口
14c 識別部
14d 選択部
14e 金種別収納部
14f 払出口
20 棒金管理装置
21 筐体
21a 表示パネル
22 制御部
22a 棒金硬貨在高検知部
23、24、25 棒金ドロア
26 棒金収納部
27、28、29 信号
30 POSシステム本体
40 売り場
50 警報器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数金種の棒金硬貨を収納可能な棒金管理装置と、
前記棒金管理装置の近傍において、1つの棒金管理装置に対して複数配設され、少なくとも釣銭機またはドロアを有するレジユニットと、
を備え、
前記棒金管理装置は、収納庫本体と、この収納庫本体に対して引き出し自在に設けられ、棒金硬貨をそれぞれ1本ずつ収納可能な複数の棒金収納部が設けられた棒金ドロアと、前記棒金ドロアに収納される棒金硬貨の在高を検知する棒金硬貨在高検知手段と、を有し、
前記各レジユニットは、当該レジユニットの釣銭機またはドロアへの硬貨の補充情報を検知する硬貨補充情報検知手段を有し、
前記各レジユニットは前記棒金管理装置にそれぞれ通信接続されていることを特徴とする釣銭補充管理システム。
【請求項2】
前記棒金管理装置、ならびに前記各レジユニットのうち少なくとも1つのものには制御手段が設けられており、
前記制御手段には、前記棒金硬貨在高検知手段により検知された棒金硬貨の在高に係る情報および前記硬貨補充情報検知手段により検知された硬貨の補充情報がそれぞれ送られるようになっており、当該制御手段は、前記棒金管理装置における棒金硬貨の在高、および前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへの硬貨の補充情報の両者を照合するようになっていることを特徴とする請求項1記載の釣銭補充管理システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記棒金管理装置において減少した棒金硬貨の在高と、前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへ補充された硬貨の在高とを比較し、両者の在高が一致していれば前記棒金管理装置から前記各レジユニットへの硬貨の補充が問題なく行われたと判断するようになっていることを特徴とする請求項2記載の釣銭補充管理システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記棒金管理装置において減少した棒金硬貨の在高と、前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへ補充された硬貨の在高とを比較するようになっており、
両者の在高が一致しなかった場合にこのことを報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項2または3記載の釣銭補充管理システム。
【請求項5】
前記各レジユニットは前記棒金管理装置にそれぞれ直接的に通信接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の釣銭補充管理システム。
【請求項6】
前記各レジユニット同士が通信接続されており、前記棒金管理装置は少なくとも1つのレジユニットに通信接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の釣銭補充管理システム。
【請求項7】
前記棒金管理装置は複数設けられており、前記各レジユニットは前記複数の棒金管理装置にそれぞれ通信接続されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の釣銭補充管理システム。
【請求項8】
前記棒金管理装置に通信接続されるとともに、前記各レジユニットに通信接続されるPOSシステム本体であって、制御手段を有するようなPOSシステム本体を更に備え、
前記制御手段には、前記棒金硬貨在高検知手段により検知された棒金硬貨の在高に係る情報および前記硬貨補充情報検知手段により検知された硬貨の補充情報がそれぞれ送られるようになっており、当該制御手段は、前記棒金管理装置における棒金硬貨の在高、および前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへの硬貨の補充情報の両者を照合するようになっていることを特徴とする請求項1記載の釣銭補充管理システム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記棒金管理装置において減少した棒金硬貨の在高と、前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへ補充された硬貨の在高とを比較し、両者の在高が一致していれば前記棒金管理装置から前記各レジユニットへの硬貨の補充が問題なく行われたと判断するようになっていることを特徴とする請求項8記載の釣銭補充管理システム。
【請求項10】
前記制御手段は、前記棒金管理装置において減少した棒金硬貨の在高と、前記各レジユニットの釣銭機またはドロアへ補充された硬貨の在高とを比較するようになっており、
両者の在高が一致しなかった場合にこのことを報知する報知手段を更に備えたことを特徴とする請求項8または9記載の釣銭補充管理システム。
【請求項11】
前記棒金管理装置、前記各レジユニット、ならびに前記POSシステム本体のうち少なくとも1つのものに設けられた前記制御手段は、前記複数のレジユニットのうち一のレジユニットへの前記棒金管理装置からの硬貨の補充が行われている間は、他のレジユニットから送信される信号を受け付けないようになっていることを特徴とする請求項2乃至4および8乃至10のいずれか一項に記載の釣銭補充管理システム。
【請求項12】
前記棒金管理装置において、一のレジユニットへ補充されるべき棒金硬貨が前記棒金ドロアから引き抜かれたことが前記棒金硬貨在高検知手段により検知されたときに、前記制御手段は、他のレジユニットから送信される信号を受け付けるようになることを特徴とする請求項11記載の釣銭補充管理システム。
【請求項13】
前記制御手段は、前記複数のレジユニットのうち一のレジユニットへの前記棒金管理装置からの硬貨の補充が行われるべき期間において、この一のレジユニットへ補充されるべき棒金硬貨が、一定期間の間、前記棒金ドロアから引き抜かれなかったときに、一のレジユニットへの前記棒金管理装置からの硬貨の補充をキャンセルすることを特徴とする請求項11または12記載の釣銭補充管理システム。
【請求項14】
前記棒金管理装置、前記各レジユニット、ならびに前記POSシステム本体のうち少なくとも1つのものに設けられた前記制御手段は、前記棒金管理装置から複数のレジユニットへの硬貨の補充を並行して監視するようになっていることを特徴とする請求項2乃至4および8乃至10のいずれか一項に記載の釣銭補充管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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