説明

鉄道レール用の可変パッド及びその施工方法

【課題】施工現場での可変パッドへの反応硬化型樹脂の混合液の注入工程を不要となし得、施工を容易なものとなし得るとともに、混合液の過剰分の硬化体による美観の低下の問題を解決することのできる鉄道レール用の可変パッドを提供する。
【解決手段】軌道パッドとレールとの間の隙間を埋めるように厚み調節される可変パッド10の袋体36には、第1の袋部44に反応硬化型樹脂の主剤液48が、第2の袋部46に硬化剤液50がそれぞれ封入されているとともに、仕切部42が半接着の弱シール部とされていて、加えた圧力で接着剥離して1つの大袋部を形成し、主剤液48と硬化剤液50とを混合可能とする。大袋部の外方には液逃し部56が設けてあって、そこに液通路57を通じ液が流入可能となしてある。また大袋部と液逃し部56との間は強シール部59となしてあって、そこに分離を容易とする切込み62が入れてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄道レールとタイプレートや枕木等のレール支持体との間に軌道パッドとともに挿入される可変パッド及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道レール(以下単にレールとする)とタイプレートや枕木等のレール支持体との間に、軌道パッドと可変パッドとを軌道パッドを上側に、可変パッドを下側にしてレール長手方向にレール締結装置の設置個所ごとに(例えば65cmごとに)挿入し、それらを介してレールを支持する技術が公知である。
例えば下記特許文献1,特許文献2にこれらの技術が開示されている。
【0003】
ここで軌道パッドはゴム等の弾性板から成る部材で、レール上を列車が走行する際の緩衝材としての働きをなし、その緩衝作用により騒音防止したり、レールからタイプレート等のレール支持体を介して設置面に振動が伝達されるのを防止したり、或いは列車内の乗員の乗り心地を良くする働きをなす。
一方可変パッドは、袋体の内部に反応硬化型樹脂を充填し、その樹脂の硬化によりレールを水平且つ適正高さに保持する働きをなす。
【0004】
図20はそれら軌道パッド及び可変パッドの一例を施工完了状態で周辺部とともに示したものである。
同図において200はレールで、202はコンクリート基盤であり、このコンクリート基盤202上に金属製のタイプレート(レール支持体)204が、ボルト206にて絶縁板208を介し固定されている。
ここでボルト206は、コンクリート基盤202内に埋設された埋込栓209にねじ込まれている。
【0005】
このタイプレート204には、レール200の基底部200Aの幅に対応した間隔で突出する一対の突出部210が設けられていて、それら突出部210と210との間に、レール200の基底部200Aが嵌め入れられて位置決めされている。
各突出部210にはレール固定用のばね(板ばね)212がボルト214及びナット216により取り付けられており、そのばね212の自由端部がレール200の基底部200Aを下向きに押圧している。
【0006】
レール200とタイプレート204との間には、弾性板から成り、列車走行時に緩衝作用をなす軌道パッド218と、可変パッド220とが挿入されている。
可変パッド220の内部には反応硬化型樹脂の主剤液と硬化剤液との混合液が注入され、その後にこれが硬化されている。
可変パッド220は、その混合液の注入量に応じて膨張によりその厚みを増し、そしてその厚みが適正に調整されることによって軌道パッド218とともに、レール200を適正高さ且つ水平に保持する。
【0007】
図21は可変パッド220を、樹脂の混合液の注入により膨らませる前の状態で表している。
レール200は可変パッド220を膨らませる前に、図22に示すレール高さ調節用のスペーサ222により事前に高さ調整されており、従って図21に示しているように可変パッド220を膨らませる前において、レール200と軌道パッド218との間には隙間Sが生じている。
可変パッド220は、この状態で隙間Sが埋るまで内部に樹脂の混合液が注入されて膨張により厚みを増し、その状態で注入された混合液が硬化させられて、レール200を予め調整された高さに保持する。
【0008】
尚ここでは軌道パッド218の上面にSUS鋼板が滑り板224として固着され、その滑り板224に対してレール200の基底部200Aが接触せしめられている。
ここで滑り板224は、レール200が熱により膨張或いは収縮したときにレール200を滑り板224の上面で滑らせることで、レール200の膨張,収縮による位置移動により軌道パッド218及び可変パッド220が変形したり、或いはタイプレート204等のレール支持体から位置ずれし、または場合によって外れてしまうのを防ぐ働きをなす。
【0009】
図23は、可変パッド220を軌道パッド218とともに施工する手順を表している。
同図に示しているように可変パッド220を施工するには、別体を成す軌道パッド218と可変パッド220の袋体とを、軌道パッド218を上にして予め上下に重ねて揃えておき、その状態で軌道パッド218と可変パッド220の袋体とを、タイプレート204の一対の突出部210と210との間且つレール200とタイプレート204の上面との間にレール長手方向に挿入する。
この挿入を終わった状態が図21に示す状態であり、この状態で可変パッド220の袋体内部に樹脂の混合液がポンプにより注入されてその後硬化せしめられる。
【0010】
ここで予め軌道パッド218と可変パッド220の袋体とを上下に重ね揃えた状態で挿入作業するのは、何れか一方を先に挿入した後に他方を挿入すると、その他方の挿入によって先に挿入したものが位置ずれを起してしまい、両者をともに適正な位置にセットするのが難しくなるためで、そのためにこれら2つを揃えておいて同時に挿入作業する。
【0011】
以上のように従来にあっては、可変パッド220の施工に際して袋体をレール200とタイプレート204との間に軌道パッド218とともに挿入した後、可変パッド220の袋体の内部に反応硬化型樹脂の混合液を作業者がポンプで押して注入する工程が必要であって、施工に際しての工程数が多くなるとともに、加えてその注入工程が難しい作業であり、所要時間も長時間となる問題を生じていた。
この反応硬化型樹脂の混合液の注入工程では、先ず主剤液と硬化剤液とを計量してそれらを所定比率に混合した上で注入する作業が必要であり、またその混合液を過不足のない適正量で袋体の内部に注入することが必要で、その作業が困難且つ時間を要する作業となっていた。
【0012】
図22に示しているように可変パッド220にあっては、袋体の内部に混合液を注入するための注入口228と、内部の空気を排出するための排気口230とが、タイプレート204等のレール支持体に対してレール長手方向の反対側に設けてあり、しかもその排気口230は、注入口228の側から見てレール200の下側に隠れた状態となる。
可変パッド220への樹脂の混合液の注入工程では、注入口228側で作業者がそこから可変パッド220の袋体内部に混合液を注入し、そして排気口230から混合液が流出し始めたところで混合液の注入を停止することで混合液を過不足なく注入するようにするが、上記のように排気口230は注入口228側の作業者から見てタイプレート204の向こう側且つレール200の下側に隠れた状態にあるため、排気口230からの混合液の流出のし始めの時期を正しく監視することは困難である。
【0013】
従って従来にあっては、注入口228から混合液を注入する作業者と、その反対側に位置して排気口230から混合液が流出し始める時期を監視する作業者との2人の作業者が必要で、その作業者のためのコストが高くなる問題があった。
また注入口228から混合液を注入する作業者と、排気口230から混合液が流出し始めるのを監視する作業者とが別々であって、その後者の作業者からのストップの声に基づいて前者の作業者が混合液の注入を停止させなければならないため、そのストップの声から注入停止までの間に時間差が生じ、その間混合液が注入され続けてしまう。
その間の混合液の無駄な注入量を極力少なくするために、混合液の注入をゆっくりした速度で行わざるを得ず、これにより注入のための作業に時間がかかってしまって、このこともまたコストを高める要因となっていた。
【0014】
そこで本発明者らは、図24に一例を示しているように熱可塑性樹脂の一対の可撓性のシート231にて形成された袋体233に、互いに独立した第1の袋部234及び第2の袋部236と、それら第1の袋部234及び第2の袋部236の間を仕切る仕切部238とを設けて、第1の袋部234に反応硬化型樹脂の主剤液240を、第2の袋部236に硬化剤液242をそれぞれ封入するとともに、仕切部238を半接着の弱シール部として、第1の袋部234及び第2の袋部236の少なくとも何れか一方に作業者が加えた圧力で仕切部238を接着剥離させて、第1の袋部234と第2の袋部236とを互いに連通した一つの大袋部となし、主剤液240と硬化剤液242とを混合可能となした可変パッド232を案出し、先の特許願(特願2005−301279:未公開)において提案している。
【0015】
この図24に示す鉄道レール用の可変パッド232においては、主剤液240と硬化剤液242との総液量は、上記の隙間Sを埋めるのに必要な量よりも過剰量となしてあるとともに、それら主剤液240と硬化剤液242との混合液に対して、レール200からの下向きの押圧力が加わったときに接着剥離して混合液の過剰分を逃す、半接着の弱シール部を有する液逃し部244が大袋部に連続して設けてある。
ここで液逃し部244は第1の袋部234,第2の袋部236に対し、レール幅方向において同寸法で形成されている。
【0016】
図25は、可変パッド232を軌道パッド218とともに施工完了状態で示したもので、246は仕切部238の接着剥離により第1の袋部234と第2の袋部236が互いに連通状態となることで形成された大袋部で、248は第1の袋部234に封入されていた主剤液240と、第2の袋部236に封入されていた硬化剤液242とが混合し、硬化した後の硬化体を表している。
【0017】
図24に示す可変パッド232にあっては、レール200からの下向きの押圧力で、主剤液240と硬化剤液242との混合液が液逃し部244を接着剥離させて、そこに形成された空間に逃げ込んで硬化し、図25に示しているように袋体233の一部とともに軌道パッド218及びタイプレート204からレール長手方向にはみ出した位置において上下に膨出した硬化体248を形成する。そしてその硬化体248と袋体233の一部とによってストッパ部250が形成される。
そしてこのストッパ部250のストッパ作用によって、可変パッド232及びその上側の軌道パッド218がレール長手方向に位置ズレするのが防止される。
【0018】
この図24及び図25に示す可変パッドにあっては、レール200とタイプレート204との間に挿入した時点で袋体233内部に既に反応硬化型樹脂の混合液が収容充填された状態にあり、従ってその後において改めて袋体233の内部に混合液をポンプにて注入させる作業を要しない。
即ち従来必要とされていた混合液の注入工程を省略することが可能であり、従ってその混合液の注入に起因して生じていた上記の従来の問題を解決することができる。
【0019】
即ち、混合液の注入工程を不要化できることによって可変パッドの施工に必要な工程数を少なくでき、従ってまた混合液の注入の際に生じていた2人作業の問題、更にポンプによる混合液の注入をゆっくりとしなければならず、これにより混合液の注入に長時間を要していた問題の何れも解消することができ、施工に要する作業者を減らすことができ、また施工も短時間で終了し得て、施工に要するコストを安価となす利点が得られる。
【0020】
加えてこの先願に係る可変パッド232にあっては、図25に示しているように施工完了状態で、軌道パッド218及びタイプレート204のレール長手方向前後にストッパ部250が形成されるため、レール200が長手方向に伸縮した場合においても、これに伴って軌道パッド218、更に可変パッド232自体がレール長手方向に位置ズレするのを良好に防止できる利点が得られる。
【0021】
しかしながらこの可変パッド232にあっては、レール締結装置から、詳しくは軌道パッド218及びタイプレート204からレール長手方向にはみ出して大きく膨出した形態のストッパ部250が、レール締結装置周辺の外観を損ねる恐れがあり、また液逃し部244への混合液の逃し量によっては(逃し量が多い場合)、ストッパ部250がレール200の下面に接触する恐れが生ずる。
【0022】
レール200は車両の走行によって振動を生じ、ストッパ部250がレール200の下面に接触していると、レール200の振動により応力が作用してストッパ部250が割れたり折れてしまう恐れが生ずる。
而してストッパ部250が折れて周辺に散らばった状態になると美観が更に損なわれてしまう。
またストッパ部250が、振動するレール200の下面に接触した状態となることによって、このことが軌道パッド208による緩衝部材としての働きを阻害してしまう可能性も生ずる。
【0023】
そこで施工完了状態において、図25のストッパ部250を作業者が切断して除去しておくといったことも考えられる。
しかしながらレール下の隙間は極めて狭い隙間であり、そこに作業者が手を挿入して、剛性のある硬化した樹脂製のストッパ部250を可変パッド232のレール幅方向の全幅に亘って切断するといったことは困難な作業となり、現実にこれを実施することは難しい。
またストッパ部250を全体的に除去してしまうと、ストッパ部250による軌道パッド218及び可変パッド232自体の位置ずれ防止の働きも失われてしまう。
【0024】
【特許文献1】特公昭48−5644号公報
【特許文献2】実公平4−5532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は以上のような事情を背景とし、施工現場において可変パッドへの反応硬化型樹脂の混合液の注入工程を不要となし得、施工を容易なものとなし得るとともに施工時間を短縮化し得て施工コストを安価となすことができ、更に大きなストッパ部の形成による美観の低下、ストッパ部がレールと接触して折れたり周辺に散らばったりする問題を生ずる恐れのない鉄道レール用の可変パッド及びその施工方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
而して請求項1は可変パッドに関するもので、鉄道レールとタイプレート等のレール支持体との間に、鉄道車両の走行の際の緩衝材として働くゴム等の弾性板から成る軌道パッドを上にして該軌道パッドとともに挿入され、該軌道パッドと前記レールとの間の隙間を埋めるように厚み調節される、袋体の内部に反応硬化型樹脂の液が充填された可変パッドであって、可撓性のシートにて形成された前記袋体に、互いに独立した第1及び第2の袋部と、それら第1の袋部及び第2の袋部の間を仕切る仕切部とが設けてあって、該第1の袋部に前記反応硬化型樹脂の主剤液が、該第2の袋部に硬化剤液がそれぞれ封入されているとともに、前記仕切部は半接着の弱シール部とされていて、該第1の袋部及び第2の袋部の少なくとも何れか一方に加えた圧力で接着剥離してそれら第1の袋部と第2の袋部とを互いに連通した1つの大袋部となし、前記主剤液と硬化剤液とを混合可能とするものとなしてあり、且つ前記主剤液と硬化剤液の総液量は前記隙間を埋めるのに必要な量よりも過剰量とされているとともに、前記大袋部に対しレール長手方向の外方に液逃し部が設けてあって、該液逃し部と大袋部とを、通路幅が大袋部のレール幅方向の寸法よりも小寸法の液通路で連結するとともに、前記レールから下向きの押圧力が加わる以前においては該液通路を通じて該液逃し部への液の移動を阻止する一方、該押圧力の作用で接着剥離して前記大袋部から該液逃し部への液移動を許容する半接着の弱シール部が設けてあることを特徴とする。
【0027】
請求項2のものは、請求項1において、前記袋体が一対の前記可撓性のシートにて形成されていることを特徴とする。
【0028】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記大袋部と前記液逃し部との間は、前記液通路の部分を除いて該大袋部から該液逃し部への液の移動を不能とする強シール部となしてあるとともに、該大袋部と該液逃し部との間の該強シール部には、該強シール部に沿って該大袋部と該液逃し部とを該強シール部において分離を容易とする切込みが設けてあることを特徴とする。
【0029】
請求項4のものは、請求項3において、前記切込みが連続した線状に設けてあることを特徴とする。
【0030】
請求項5のものは、請求項3において、前記切込みが断続して不連続にミシン目状に設けてあることを特徴とする。
【0031】
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記液逃し部が前記大袋部に対しレール長手方向の両側に設けてあることを特徴とする。
【0032】
請求項7のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記液逃し部が前記大袋部に対しレール長手方向の一方の側のみに設けてあることを特徴とする。
【0033】
請求項8のものは、請求項1〜7の何れかにおいて、前記液通路がレール幅方向の端部に設けてあることを特徴とする。
【0034】
請求項9のものは、請求項8において、前記液通路が前記レールに対しレール幅方向の外方に突出する形状で設けてあることを特徴とする。
【0035】
請求項10のものは、請求項1〜9の何れかにおいて、前記大袋部は前記レール長手方向寸法が、前記軌道パッドと前記レール支持体とによって上下に挟まれる挟圧部の寸法よりも大寸法とされていて、該挟圧部の両側に液溜り部を形成するものとなしてあり、前記液の過剰量の一部を該液溜り部に逃し込んで、該液溜り部を上下に膨出させるものとなしてあることを特徴とする。
【0036】
請求項11のものは、請求項1〜10の何れかにおいて、前記第1の袋部と前記第2の袋部との一方又は両方には、硬化した樹脂が割れたときに破片を繋ぎ止めて飛散防止する可撓性且つシート状の繋ぎ材が前記主剤液,硬化剤液とともに埋設してあることを特徴とする。
【0037】
請求項12は可変パッドの施工方法に関するもので、この施工方法は、前記レールを最終設置位置よりも高位置に保持した状態とし、その状態で前記独立した第1の袋部と第2の袋部とのそれぞれに前記主剤液,硬化剤液を封入した状態の前記可変パッドの該第1の袋部及び第2の袋部の少なくとも何れか一方に圧力を加えて前記仕切部を接着剥離させ、両液を混合状態とした上で、該可変パッドを前記軌道パッドとともに前記レールとレール支持体との間に挿入し、その後高さ調節用に予めセットしたスペーサに当る位置まで該レールを下降させて、その過程で該レールを前記軌道パッドに押し当てるとともに前記可変パッドに対して該レールの荷重を作用させて該可変パッドに対し前記下向きの押圧力を加え、前記混合液の過剰分を前記液逃し部へと逃がして該可変パッドの厚みを調節し、その後において前記混合液を硬化反応させ、少なくとも流動性を失った段階で前記液通路の樹脂を袋体の一部とともに切断し、前記液逃し部を内部の樹脂とともに分離して除去することを特徴とする。
【発明の作用・効果】
【0038】
以上のように本発明は、大袋部に対しレール長手方向の外方に液逃がし部を設けて、その液逃し部と大袋部とを、通路幅が大袋部のレール幅方向の寸法よりも小寸法の液通路で連結するとともに、レールからの下向きの押圧力で接着剥離して大袋部から液通路を通じ液逃し部への液の移動を許容する半接着の弱シール部を設けたものである。
【0039】
本発明の可変パッドにおいては、施工前に事前に袋体内部に主剤液と硬化剤液とが封入してあり、先願に係る可変パッドと同様に施工現場において作業者が袋体の内部に主剤液と硬化剤液との混合液をポンプにて注入する作業を要せず、先願に係る可変パッドと同様の利点を備えたものである。
即ち、従来必要とされていた混合液の注入工程を省略でき、従ってその混合液の注入に起因して生じていた従来の問題を解決することができる。
【0040】
詳しくは、混合液の注入工程を不要化できることによって、可変パッドの施工に必要な工程数を少なくでき、また混合液の注入の際に生じていた二人作業の問題、更にポンプによる混合液の注入をゆっくりとしなければならず、これにより混合液の注入に長時間を要するといった問題の何れも解消し得て、施工に要する作業者を減らすことができ、また施工も短時間で簡単に終了し得て、施工に要するコストを安価となすことができる。
【0041】
加えて本発明の可変パッドにあっては、大袋部から混合液を液逃し部へと逃すための液通路の幅が、大袋部のレール幅方向の寸法よりも小寸法とされてるため、樹脂の硬化後においてその液通路で固まった樹脂を切断する際その切断距離が短くてすみ、簡単に大袋部で固まった樹脂の硬化体と液逃し部で固まった樹脂の硬化体とを分割することができる。
【0042】
従って本発明の可変パッドにあっては、施工後に液逃し部で固まった樹脂の硬化体がレール下にそのまま残存することによる外観の低下の問題を解消することができ、また液逃し部で固まった樹脂の硬化体がレールの下面に接触することによって、これが割れたり折れたりして周辺に散らばった状態となる問題を併せて解消することができる。
また樹脂の硬化体が振動するレールの下面に当った状態となることによって、軌道パッドによる働きを損なってしまう問題も解消することができる。
【0043】
ここで上記袋体は、一対の可撓性のシートにて形成することができる(請求項2)。
また本発明では大袋部と液逃し部との間は、液通路の部分を除いて強シール部となしてあるとともに、その強シール部に沿って、大袋部と液逃し部との分離を容易とする切込みが設けてあるため、液逃し部を作業者が大袋部から手で引き離すことによって、液逃し部で固まった樹脂の硬化体を袋体の一部とともに容易に除去し、レール外に取り出すことができる(請求項3)。
【0044】
本発明では、上記切込みを連続した線状に設けておくことができる(請求項4)。
この場合、液逃し部で固まった樹脂の硬化体を、強シール部に沿って袋体の一部とともに、より簡単に引き剥がすことができる。
【0045】
一方、請求項5はその切込みを断続して不連続にミシン目状に設けたもので、この場合には可変パッドの施工作業時に液逃し部の形状を安定して保持し易い利点が得られる。
【0046】
本発明では、上記の液逃し部を大袋部に対しレール長手方向の両側に設けておくことができる(請求項6)。
この場合、万一レールからの下向きの押圧力が働いたときに両側の液逃し部の何れか一方への液の移動ができなかった場合であっても、今一方の液逃し部に大袋部内の混合液を逃すことができ、レールからの下向きの押圧力によって袋体自体(大袋)が破裂を生じるのを回避することができる。
【0047】
但しかかる液逃がし部を大袋部に対しレール長手方向の一方の側だけに設けておくこともできる(請求項7)。
この場合樹脂の硬化後において硬化体を一方の液逃し部の液通路の部分の1個所で切断するだけで、液逃し部で固まった樹脂の硬化体を袋体の一部とともに除去することができ、除去作業をより簡単に行うことができる利点が得られる。
【0048】
請求項8は、上記の液通路をレール幅方向の端部に設けたもので、この場合には液通路で固まった樹脂の硬化体の切断作業が行い易くなる利点が得られる。
【0049】
請求項9は更に進んで、その液通路をレールに対し幅方向外方に突出する形状で設けたもので、この請求項9によれば、レールの外側位置で、液通路で固まった樹脂の硬化体の切断作業を行うことができ、レールの下方に手や切断具を挿入して切断しなくても、レールの外側でその切断作業を行い得ることから切断作業が更に行い易くなる。
【0050】
次に請求項10は、大袋部のレール長手方向寸法を、軌道パッドとレール支持体とによって上下に挟まれる挟圧部の寸法よりも大寸法となして、挟圧部の両側に液溜り部を形成するものとなし、液の過剰量の一部をその液溜り部に逃し込んで、液溜り部を上下に膨出させるようになしたもので、この請求項10によれば、液溜り部に逃げ込んで固まった樹脂の硬化体が袋体の一部とともに膨出した形状のストッパ部を構成し、そのストッパ部のストッパ作用によって、可変パッド及びその上側の軌道パッドが、レール長手方向に位置ずれするのを防止することができる。
【0051】
この液溜り部には過剰量の混合液の全量が逃げ込むわけではなく、その一部のみがそこに逃げ込むに過ぎないため、液溜り部の膨出量を小さく抑制し得て、かかる液溜り部がその膨出によってレール下面に接する状態となるのを良好に回避することができる。
【0052】
次に請求項11は、上記第1の袋部と第2の袋部との一方又は両方の内部に、硬化した樹脂が割れたときに破片を繋ぎ留めて飛散防止する可撓性且つシート状の繋ぎ材を主剤液,硬化剤液とともに埋設したもので、この請求項11によれば、鉄道車両の通過時等の衝撃によって袋体内部の樹脂の硬化体が割れた場合であっても、その破片が周囲に飛び散るのを良好に防止することができる。
この繋ぎ材はまた、反応硬化型樹脂を補強し、破壊強度を高める働きもなす。
【0053】
次に請求項12は可変パッドの施工方法に関するもので、この施工方法では、レールを最終設置位置よりも高位置に保持した状態とし、その状態で主剤液と硬化剤液とを混合した後の可変パッドを軌道パッドとともにレールとレール支持体との間に挿入し、その後にレールを下降させて、その過程で可変パッドに対しレールの荷重を作用させて(レール固定用ばねを用いている場合には、そのばねの力を付加した力を作用させて)下向きの押圧力として加え、混合液の過剰分を逃して厚み調節し、その状態で混合液を硬化反応させ、少なくとも流動性を失った段階で液通路の樹脂を袋体の一部とともに切断し、また液逃し部を内部の樹脂とともに分離して除去するもので、本発明によれば、自動的に可変パッドの厚みを適正厚みとし、軌道パッドをレールに対し隙間なく接触した状態となすことができるとともに、液逃し部に逃げ込んだ余剰の樹脂の硬化体を、簡単に可変パッドから分離し除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
先ず図1は、本実施形態の可変パッド10を周辺部とともに施工完了状態で表している。
同図において12はレール、14はコンクリート基盤、16は金属製のタイプレート(レール支持体)、18は絶縁板をそれぞれ表している。
タイプレート16は、ボルト20にて絶縁板18を介しコンクリート基盤14の上面に固定されている。
ここでボルト20は、コンクリート基盤14に埋設された埋込栓22にねじ込まれている。
【0055】
24はタイプレート16に設けられた一対の突出部で、そこにレール固定用のばね(板ばね)26がボルト28及びナット30により取り付けられている。
一対の突出部24と24との間には、レール12の基底部12Aが嵌め込まれて位置決めされ、その基底部12Aがばね26の自由端部にて下向きに押圧されている。
そしてレール12の基底部12Aが、軌道パッド32及び可変パッド10を介してタイプレート16により支持されている。
【0056】
尚34はSUS鋼板から成る滑り板で、軌道パッド32の上面に固着されている。尚この滑り板34は省略することも可能である。
軌道パッド32はゴム板(弾性板)から成るもので、図2にも示しているようにその上面と下面とにはレール長手方向に延びる凹溝35が、図1及び図2の左右方向に所定ピッチで形成されている。
図1において、36は可変パッド10の袋体で、その内部に反応硬化型樹脂の硬化体38が充填されている。
【0057】
図2及び図3において、10Aは施工前の可変パッドを表したもので、袋体36は可撓性を有する一対の熱可塑性の樹脂シートを周縁部に沿って完全接着(強接着)して構成してある。
図3中40は、その周縁部に沿って形成された完全接着の強シール部を示している。
この袋体36には、半接着の弱シール部から成る仕切部42が設けられていて、その仕切部42にて、互いに独立した第1の袋部44及び第2の袋部46が区画形成されている。
そして第1の袋部44に反応硬化型樹脂(ここではエポキシ樹脂)の主剤液48が、また第2の袋部46に硬化剤液50がそれぞれ封入されている。
【0058】
尚周縁部の強シール部40及び半接着の弱シール部から成る仕切部42は、ともに一対の樹脂シートをヒートシールして形成したものである。
但し仕切部42は半接着状態のもので接着力が弱く、第1の袋部44又は第2の袋部46の一方又は両方に圧力を加えることで容易に接着剥離して、第1の袋部44及び第2の袋部46が互いに連通した形態の単一の大袋部47(図2及び図6(II)参照)を形成する。
そしてこのことによって、第1の袋部44に封入された主剤液48と、第2の袋部46に封入された硬化剤液50とを互いに混合状態とする。
尚この実施形態において、図8(II)で示される隙間Sの隙間量によって主剤液48及び硬化剤液50の封入量は適宜決められるが一例を示すと、主剤液48の封入量は120g,硬化剤液50の封入量は60gである。
【0059】
図3(B)に示しているように、上記第1の袋部44及び第2の袋部46には、可撓性且つシート状の繋ぎ材としてのガラスクロス52が、それぞれ丸めた状態で主剤液48,硬化剤液50とともに収納してある。
ここでガラスクロス52は、ガラスを細長く引き延ばして繊維状としたものを織ったもので、主剤液48と硬化剤液50を混合して硬化反応させたとき、樹脂の硬化体38に対する繋ぎ材となって、衝撃により樹脂が割れることがあっても、その破片が飛散するのを防止する働きをなす。
このガラスクロス52はまた、樹脂の硬化体38に対する補強機能も備えている。
【0060】
尚上記主剤液48,硬化剤液50及びガラスクロス52は、図7に示しているように一対の樹脂シートの三方を閉鎖しておいて一方を開口54となし、その開口54を通じて第1の袋部44及び第2の袋部46内部に注入及び挿入する。
そしてそれら主剤液48,硬化剤液50及びガラスクロス52の注入及び挿入後において、開口54をヒートシールにて閉鎖する。
図3はこのようにして一対の樹脂シートの周縁部を全周に亘ってヒートシールした状態を表している。
【0061】
本実施形態において、主剤液48,硬化剤液50は全体の総液量が、図1の軌道パッド32とレール12との間の隙間を埋めるのに必要な量よりも過剰量とされている。
そして袋体36には、図2及び図3に示しているように主剤液48と硬化剤液50を混合して成る混合液の過剰分を逃がすための液逃し部56が、第1の袋部44の図中左側と第2の袋部46の図中右側とにそれぞれ設けられている。
【0062】
即ち後述の大袋部47に対し、レール長手方向の両側に液逃し部56が設けられている。
ここで両側の液逃し部56は、レール支持体としての上記タイプレート16に対しレール12の長手方向両側にはみ出す位置に設けられている。
【0063】
図3において、57は第1の袋部44とこれに隣接した液逃し部56とにまたがって、又は第2の袋部46とこれに隣接した液逃し部56とにまたがってそれぞれ設けられた液通路で、ここでは液通路57は開放空間とされている。
但しこの液通路57を半接着の弱シール部となしておくことも可能である。
【0064】
一方、一対の液逃し部56のそれぞれは、その全体が一対の樹脂シートを半接着して成る弱シール部となしてある。
この液逃し部56は、図4(III)に示しているように液圧により接着剥離して、そこに混合液の過剰分を逃し込み収容する収容空間を成形する。
尚一対の液逃し部56のそれぞれは、強シール部40で囲まれた内側に且つ液通路57を通じて第1の袋部44、又は第2の袋部46に連通するように形成されており、外部に対しては閉鎖された状態にある。
【0065】
この実施形態において、第1の袋部44とこれに隣接した液逃し部56との間は、上記液通路57の部分を除いて、第1の袋部44から液逃し部56への液の移動を不能とする強シール部59となしてある。
即ち、後述の大袋部47から隣接した液逃し部56への主剤液48と硬化剤液50の混合液の移動を不能とする強シール部59となしてある。
【0066】
また第2の袋部46とこれに隣接した液逃し部56との間もまた、液通路57の部分を除いて、第2の袋部46から液逃し部56への液の移動を不能とする、即ち後述の大袋部47から隣接した液逃し部56への主剤液48と硬化剤液50の混合液の移動を不能とする強シール部59となしてある。
【0067】
そしてこの強シール部59に沿って、断続した不連続の線から成るミシン目状の切込み62が、強シール部59の図中下端部の一部を残して図中上端に到るまで全幅に亘って設けられている。
この切込み62は、樹脂の混合液が硬化した後において、液逃し部56で固まった樹脂の硬化体38の、大袋部47の内部で固まった樹脂の硬化体38からの分離を容易とするために設けられているものである。
【0068】
この実施形態では、後述の大袋部47のレール長手方向(図3中左右方向)の寸法Lが、レール12の荷重の作用時において軌道パッド12とタイプレート16とにより上下に挟圧される部分の寸法Lよりも大寸法とされている。
具体的には、ここではLの寸法180mmに対し、Lの寸法が200mmとされており、寸法Lの挟圧部に対するレール長手方向の両側部分が液溜り部64として構成してある。
【0069】
図2に示しているように、この実施形態では可変パッド10Aの第1の袋部44,第2の袋部46の何れか又は両方に手で圧力を加えることにより(図6(I)参照)、半接着の弱シール部から成る仕切部42を接着剥離させ、第1の袋部44及び第2の袋部46を互いに連通した一つの大袋部47となして、主剤液48及び硬化剤液50をそこで混合する。
その際、大袋部47を手で揉むようにして両液をより良く混合させる。
【0070】
仕切部42を接着剥離させて主剤液48及び硬化剤液50を混合する際、第1の袋部44,第2の袋部46にそれぞれ丸めて収容してあるガラスクロス52が、液の流れに伴ってそれぞれの端部で重なり合った状態となる(図6(II)参照)。
図2の10Bは、このようにして第1の袋部44,第2の袋部46が一体の大袋部47を形成し、その内部に主剤液48と硬化剤液50との混合液を封入した状態の可変パッドを表している。
【0071】
ところで、ここで用いられるガラスクロス52については、第1の袋部44、第2の袋部46にそれぞれ丸めて収容された後、図7に示されている開口54側のガラスクロス52の外周縁部の任意の複数箇所を袋体36の内周面に溶着固定させておいても良い。
更に、ガラスクロス52の丸め方についても、第1の袋部44、第2の袋部46にそれぞれ収容されるガラスクロス52の内、どちらか一方のみのガラスクロス52を丸めて収容させても良い。
また、ガラスクロス52と袋体36の内周面とを溶着固定させるときに、溶着位置を開口54側のガラスクロス52の外周縁部だけでなく、開口54側の反対側の外周縁部の任意の複数箇所に設けても良い。
【0072】
更に、ここではガラスクロス52を第1の袋部44,第2の袋部46に、それぞれ分けて収容させているが、分けずに1枚のガラスクロス52を収容させて、袋体36の2つある液逃し部56,56の内、1つの液逃し部56側でガラスクロス52の外周縁部を溶着させて、溶着部位にてガラスクロス52を巻物状に巻いたり、若しくは折りたたんでおいたりして袋部内に収容させても良い。
その際は、主剤液48,硬化剤液50を混合させる時に、巻いた若しくは折りたたんだガラスクロス52を延ばして、袋体36内全体に広げるようにさせることができる。
【0073】
また、1枚のガラスクロス52を丸めたり、巻物状に巻いたり、折りたたんだりさせずに、延ばしたままで袋体36内に収容させることも可能であり、その時は熱で粘着力が出るようなものをガラスクロス52の仕切部42に当たる位置に溶かし込んでおき、熱負荷により袋体36の内周面と仕切部42とを溶着させて、ガラスクロス52を1枚で延ばした状態で、第1の袋部44,第2の袋部46を作製することもできる。
【0074】
本実施形態では、このようにして第1の袋部44及び第2の袋部46の一方又は両方に手で圧力を加えて仕切部42を接着剥離させる際に、更にはまた後述するようにレール12による下向きの押圧力で半接着の液逃し部56を接着剥離させる際に袋体36が破れることのないように一対の樹脂シートとして高強度のものが用いられている。
本実施形態ではかかる樹脂シートとして、PET(ポリエチレンテレフタレート)とLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の複合材が用いられている。
【0075】
図8及び図9は、可変パッド10の本実施形態の施工方法を表している。
この施工方法では、先ず図8(I)に示しているようにレール12を最終設置位置よりも高位置にクレーンにて吊り上げた状態としておく。
【0076】
図8(I)において、58はレール12の高さ調節用に予めセットしてあるスペーサを表しているが、図示のようにレール12を高位置にクレーン等にて吊った状態の下で、レール12はスペーサ58から所定距離浮き上った状態にある。
この状態で、図2に示す可変パッド10Bを軌道パッド32及び滑り板34とともに、レール12とタイプレート16との間に且つレール長手方向に挿入する。
この状態の下でレール12と軌道パッド32との間には隙間Sが生じている。
【0077】
この後、図9(III)に示しているようにレール12をスペーサ58に当る位置まで下降させる。
このとき可変パッド10Bの大袋部47内の混合液は、レール12の荷重により下向きに押圧され、その過剰分が図4(III)に示しているように、その全体が弱シール部とされている液逃し部56を接着剥離させながら液通路57を通じてその内部に逃げ込み、レール12とタイプレート16とで上下に挟圧された部分が、その過剰分の逃込みによって自動的に適正厚みとなる。
混合液はこの状態の下で反応硬化せしめられて、図1に示す硬化体38となる。
【0078】
而して混合液が反応硬化したところで、図9(IV)に示すようにスペーサ58が取り除かれ、レール12が軌道パッド32及び可変パッド10を介してタイプレート16により適正高さ位置に支持された状態となる。
【0079】
このとき、液逃し部56に逃げ込んで硬化した樹脂は、袋体36の一部とともに上下に大きく膨出(突出)した状態となる。
而してこの膨出部分がレール12の下面に接するような状態であると、レール12の振動に伴い、その膨出部分に対し応力が負荷されることとなって、膨出部分が付根から割れたり折れたりし、場合によって可変パッド10の本体部分から周辺に飛散してしまったり、軌道パッド32による緩衝機能が損なわれたりする恐れが生ずる。
【0080】
そこでこの実施形態では、図4(III)に示す切断位置で、液通路57で固まった樹脂の硬化体を切断工具を用いて切断する。
図5(IV)はその切断位置での切断後の状態を表している。
ここで液通路57はレール幅方向の端部位置に設けてあるため、液通路57で固まった樹脂の硬化体を切断するに際し、レール12の幅方向外側から切断工具を差し込むことで、容易に切断作業を行うことができる。
【0081】
しかる後、液逃し部56で固まった樹脂の硬化体を袋体の一部とともに、切込み62に沿って可変パッド10の本体から分離することで、図5(V)及び図10(A)に示すように容易にこれをレール12外に除去し、取り出すことができる。
【0082】
尚、図6(II)及び図8(II)に示す状態から、大袋部47の混合液の過剰分が液逃し部56へと逃げ込む際に、その一部が図3の液溜り部64内部に逃げ込んで、図6(III)に示すように同部分を上下方向に膨出させ、そこにストッパ部68を形成する。
そしてこのストッパ部68のストッパ作用によって、可変パッド10及びその上側の軌道パッド32が、レール長手方向に位置ズレするのが防止される。
【0083】
但しこのストッパ部68は、混合液の過剰分の大部分が液逃し部56へと逃げ込むことができるために、また可撓性の樹脂シートが高強度であるために大きな膨れを生じず、小さな膨出形状のストッパ部68となる。
従ってこのストッパ部68が、レール12の下面に接してしまうといったことはない。
またその液溜り部64の図3中の左右の幅寸法が予めそのような寸法に定められている。
【0084】
以上のような本実施形態では、可変パッド10をレール12とタイプレート16との間に挿入した時点で、既に袋体36内部に樹脂の混合液が収容充填された状態にあり、従ってその後において改めて袋体36の内部に混合液をポンプにて注入する作業を要しない。
即ち、従来必要とされていた混合液の注入工程を省略することができ、混合液の注入に起因して生じていた従来の問題を解決することができる。これにより可変パッド10の施工に必要な工程数を少なくすることができる。
また混合液の注入の際に生じていた2人作業の問題及び注入に長時間を要していた問題の何れも解消することができ、施工に要する作業者を減らすことができるとともに施工も短時間で終了し得て、施工作業に要するコストを安価となすことができる。
【0085】
本実施形態では、可変パッド10の袋体36に混合液の液逃し部56を設けるとともに、主剤液48と硬化剤液50の総液量を、隙間を埋めるのに必要な量よりも過剰量となしており、そして主剤液48と硬化剤液50との混合液に対してレール12からの下向きの押圧力を作用させて、その下向きの押圧力にて、混合液の過剰分を液逃し部56へと逃がすようになしており、このことによって可変パッド10の厚み、詳しくはレール12とタイプレート16との間に挟まれる部分の厚みを自動的に適正厚みに調整することができる。
【0086】
本実施形態では、更に、ガラスクロス52を主剤液48,硬化剤液50とともに第1及び第2の袋部44,46の内部に埋設しており、鉄道車両の通過時等の衝撃によって可変パッド10の硬化体38が割れた場合であっても、その破片が周囲に飛び散るのを良好に防止することができる。
【0087】
加えてそのガラスクロス52は第1の袋部44,第2の袋部46の内部に丸めて納められ、主剤液48及び硬化剤液50の混合時に、それら液の流れで端部が広がって互いの各端部が重なり合うため、袋体36の内部への収納状態で互いに別体をなしていたガラスクロス52が硬化後の樹脂を介して連結状態となり、その働きを有効に発揮するとともに、半接着の仕切部42が接着剥離した部分で硬化した樹脂が割れを生じた場合であっても、その破片が飛散するのを良好に防止することができる。
【0088】
本実施形態の可変パッド10にあっては、大袋部47からの混合液を液逃し部56へと逃すための液通路57の幅が、大袋部47のレール幅方向の寸法よりも小寸法とされているため、樹脂の硬化後において、その液通路57で固まった樹脂を切断する際その切断距離が短くてすみ、簡単に大袋部47で固まった樹脂の硬化体38と液逃し部56で固まった樹脂の硬化体38とを分けることができる。
【0089】
しかも大袋部47と液逃し部56との間は、液通路57の部分を除いて強シール部59となしてあるとともに、その強シール部59に沿って、大袋部47と液逃し部56との分離を容易とする切込み62が入れてあるため、液逃し部56を作業者が大袋部47から手で引き離すことによって、液逃し部56で固まった樹脂の硬化体38を袋体36の一部とともに容易に除去し、レール12外に取り出すことができる。
【0090】
従って本実施形態の可変パッド10にあっては、施工後に液逃し部56で固まった樹脂の硬化体38がレール12下にそのまま残存することによる外観の低下の問題を解消することができ、また液逃し部56で固まった樹脂の硬化体38がレール12の下面に接触することによって、これが割れたり或いは折れたりして周辺に散らばった状態となる問題を併せて解消することができる。
また樹脂の硬化体38が振動するレール12の下面に当った状態となることによって、軌道パッド32による働きを損なってしまう問題も解消することができる。
【0091】
また本実施形態では液逃し部56を大袋部47に対し、レール12長手方向の両側に設けてあるため、万一レール12からの下向きの押圧力が働いたときに両側の液逃し部56の何れか一方への液の移動ができなかった場合であっても、今一方の液逃し部56に大袋部47内の混合液を逃すことができ、レール12からの下向きの押圧力によって袋体36自体(大袋)が破裂を生じるのを回避することができる。
尚、本実施形態では樹脂の硬化後において、液通路57で固まった樹脂を切断しているが、樹脂の流動性がなくなった時点のゲル化後において液通路57で切断することもできる。
【0092】
図11は本発明の他の実施形態を示している。
この例は、強シール部59に沿って連続した切込み70を設けた例である。
この切込み70は、図11(A)に示しているように強シール部59の図中下端部及び周縁の強シール部40を残した形で設けておいても良いし、或いは図11(B)の部分拡大図に示しているように、周縁の強シール部40を横切って図中上端に到るまで設けておいても良い。
また切込み70を、図11(C)に示しているようにスリット状をなす形態で設けておいても良い。この場合切込み70を切欠部として考えることもできる。
【0093】
また図12に示しているように液逃し部56,強シール部59及び切込み62を、第2の袋部46に隣接した位置の片側に、即ち大袋部47に隣接したレール長手方向の片側にだけ設けておくことも可能である。
尚このように片側にだけ液逃し部56を設ける場合において、これを第1の袋部44に隣接した片側位置に設けることも可能である。
また切込みとしてミシン目状の切込み62を設けることもできるし、或いはまた図13に示すように連続した線状の切込み70を設けることもできる。
【0094】
これら図12,図13に示す実施形態では、樹脂の硬化後において、片側の液逃し部56の液通路57で固まった樹脂の硬化体を袋体の一部とともに除去するだけで、液逃し部56での樹脂の硬化体を分離除去でき、分離作業が簡単である利点が得られる。
尚、この実施形態においても樹脂の流動性がなくなった時点のゲル化後において、片側の液逃し部56の液通路57での分離除去をすることもできる。
【0095】
本発明では、図14(A)に示しているように上記の液通路57を、レール12幅方向の両端部に設けておくこともできるし、また場合によって図14(B)に示しているようにレール幅方向の両端部以外の部分、例えばレール幅方向の中央部に設けておくといったことも可能である。
【0096】
また図15(A)に示しているように、液通路57をレール12幅方向端部に且つレール12の外方に斜めに突出する形状で設けておき、またこれに応じて液逃し部56を、液通路57の側において大袋部57よりもレール12幅方向の外方に突出する形状で設けておくことも可能である。
更に図15(B)に示しているように、液通路57をレール12の外方に、且つレール長手方向に対し直角に突出する形状で設けておくことも可能である。
特に図15の例においては、液通路57で固まった樹脂の硬化体を切断する際に、その切断作業をより一層容易に行うことができ、またその後において切込み62の位置で、液逃し部56で固まった樹脂の硬化体を袋体の一部とともに強シール部59で切込みに沿って分離し、全体を可変パッド10本体から除去してレール12外に取り出す作業をより一層簡単に行うことができる利点が得られる。
【0097】
図16は更に他の実施形態の可変パッドを示している。
この例は、大袋部に対しレール長手方向の外方で且つレール12から幅方向にはみ出した位置に液逃し部56を設けた例である。
液逃し部56は第2の袋部46からレール幅方向外方に突出する形状で設けられた液通路57(ここではレール長手方向と直角の横方向の向き)により第2の袋部46と連結されており、またこの液通路57の通路幅は、第2の袋部46のレール幅方向の寸法によりも小寸法となるよう形成されている。
この実施形態においては、液逃し部56及び液通路57がレール12から外に露出していることに加え、液逃し部56と第2の袋部46との間に設けられる強シール部40の幅を狭くすることが可能となるため、液逃し部56で固まった樹脂(少なくとも流動性を失った段階の樹脂)、通常は硬化後の樹脂を袋体の一部とともに分離する際、液通路57及び強シール部40の切断距離が短くてすみ、液逃し部56で固まった樹脂の硬化体の分離作業をより一層簡単に行うことができる。
尚、液逃し部56は、図16において1点鎖線で示された位置の何れにも設けることが可能である。
【0098】
図17は、液逃し部56を大袋部に対しレール長手方向の外方で且つレール12から幅方向にはみ出した位置に設け、この液逃し部56と第2の袋部46とを連結する液通路57を斜め方向(レール幅方向及び長手方向に対して斜め方向)に突出する形状で設けた例である。
液通路57を斜めに突出させることで大袋部内の過剰な樹脂を液逃し部56に逃す際、液通路57内の樹脂の流れをスムーズにすることができる。
【0099】
また軌道パッドや可変パッドのレール長手方向への突き出しを防止するために、図17(B)に示すような両端部を折り曲げたU字形状の滑り板34Aを用いる場合であっても、本実施形態においてはU字形状の滑り板34Aと液通路57及び液逃し部56との干渉を回避することができる。
また本実施形態では、液逃し部56が第1の袋部44及び第2の袋部44に対して、図中右斜め下のみに配置されているが、これに加えて図中左斜め下にも配置すること、或いは場合によって図中右斜め上又は右斜め上と左斜め上との両方に配置することも可能である。
【0100】
図18は、図17で示した実施形態に対して、第1の袋部44のレール長手方向の外方に隣接して(図中左側に)小容量の液逃し部56を設けた例である。
この小容量の液逃し部56と第1の袋部44との間は液通路57で連結されるとともに、液通路57を除いた部分は強シール部59とされているが、液逃し部56は小容量のため、液が逃げ込んできて上下方向に膨出してもレール12の下面に接することはなく、液通路57を切り取る必要はないので、強シール59がなくてもよい。
本実施例にあっては、レール12からの下向きの押圧力が働いたときに図中右斜め下に設けられた液逃し部56に樹脂が流れづらい場合であっても、今一方の小容量の液逃し部56に樹脂を逃すことができるため、袋体36自体が破損することを回避することができる。
【0101】
更に図19は袋体36のレール長手方向に半接着の仕切部42を設け、この仕切部42にて第1の袋部44及び第2の袋部46をレール幅方向に区画形成するようになした例である。
この例では、ガラスクロス52は第1の袋部44にのみ丸めて収納されている。
このように袋体36のレール長手方向に仕切部42を設けた場合、第1の袋部44及び第2の袋部46は、ともに幅率(長手方向の寸法に対する幅方向の寸法の比率)が小さい縦長の形状となり、第1の袋部44内に収容されたガラスクロス52は、第2の袋部46の狭小な幅方向に向けて少しだけ(前の実施形態に比べて)広がれば良いため、第1の袋部44にのみガラスクロス52を収容した場合であっても、仕切部42を接着剥離させて主剤液と硬化剤液とを大袋部47内で混合する際に、混合液の流れに伴って容易にガラスクロス52を全面に広げることが可能である。
【0102】
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまで一例示であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態の可変パッドを施工完了状態で周辺部とともに示す図である。
【図2】同可変パッドを施工前の状態で軌道パッド等とともに示す斜視図である。
【図3】図2の可変パッドの平面図及び縦断面図である。
【図4】同可変パッドの作用説明図である。
【図5】図4に続く作用説明図である。
【図6】同可変パッドの作用を図4とは異なった断面で示す作用説明図である。
【図7】液剤注入前の可変パッドの袋体の平面図である。
【図8】同実施形態の可変パッドの施工手順を示す説明図である。
【図9】図8に続く手順の説明図である。
【図10】同可変パッドの施工完了状態を示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態の可変パッドの図である。
【図12】本発明の更に他の実施形態の可変パッドの図である。
【図13】本発明の更に他の実施形態の可変パッドの図である。
【図14】本発明の更に他の実施形態の可変パッドの図である。
【図15】本発明の更に他の実施形態の可変パッドの図である。
【図16】本発明の更に他の実施形態の可変パッドの図である。
【図17】本発明の更に他の実施形態の可変パッドの図である。
【図18】本発明の更に他の実施形態の可変パッドの図である。
【図19】本発明の更に他の実施形態の可変パッドの図である。
【図20】従来の可変パッドを軌道パッド及び周辺部とともに施工完了状態で示す図である。
【図21】図20の可変パッドを膨らませる前の状態で周辺部とともに示した図である。
【図22】図20の可変パッドを周辺部とともに示す平面図である。
【図23】図20の可変パッド及び軌道パッドの施工手順及びその問題点を説明するための説明図である。
【図24】他の可変パッドの平面図及び縦断面図である。
【図25】同可変パッドの施工完了状態を示す図である。
【符号の説明】
【0104】
10,10A,10B 可変パッド
12 レール
16 タイプレート
32 軌道パッド
36 袋体
40,59 強シール部
42 仕切部(弱シール部)
44 第1の袋部
46 第2の袋部
47 大袋部
48 主剤液
50 硬化剤液
52 ガラスクロス
56 液逃し部
57 液通路
62,70 切込み
64 液溜り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道レールとタイプレート等のレール支持体との間に、鉄道車両の走行の際の緩衝材として働くゴム等の弾性板から成る軌道パッドを上にして該軌道パッドとともに挿入され、該軌道パッドと前記レールとの間の隙間を埋めるように厚み調節される、袋体の内部に反応硬化型樹脂の液が充填された可変パッドであって
可撓性のシートにて形成された前記袋体に、互いに独立した第1及び第2の袋部と、それら第1の袋部及び第2の袋部の間を仕切る仕切部とが設けてあって、該第1の袋部に前記反応硬化型樹脂の主剤液が、該第2の袋部に硬化剤液がそれぞれ封入されているとともに、前記仕切部は半接着の弱シール部とされていて、該第1の袋部及び第2の袋部の少なくとも何れか一方に加えた圧力で接着剥離してそれら第1の袋部と第2の袋部とを互いに連通した1つの大袋部となし、前記主剤液と硬化剤液とを混合可能とするものとなしてあり、
且つ前記主剤液と硬化剤液の総液量は前記隙間を埋めるのに必要な量よりも過剰量とされているとともに、
前記大袋部に対しレール長手方向の外方に液逃し部が設けてあって、該液逃し部と大袋部とを、通路幅が大袋部のレール幅方向の寸法よりも小寸法の液通路で連結するとともに、前記レールから下向きの押圧力が加わる以前においては該液通路を通じて該液逃し部への液の移動を阻止する一方、該押圧力の作用で接着剥離して前記大袋部から該液逃し部への液移動を許容する半接着の弱シール部が設けてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項2】
請求項1において、前記袋体が一対の前記可撓性のシートにて形成されていることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項3】
請求項1,2の何れかにおいて、前記大袋部と前記液逃し部との間は、前記液通路の部分を除いて該大袋部から該液逃し部への液の移動を不能とする強シール部となしてあるとともに、該大袋部と該液逃し部との間の該強シール部には、該強シール部に沿って該大袋部と該液逃し部とを該強シール部において分離を容易とする切込みが設けてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項4】
請求項3において、前記切込みが連続した線状に設けてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項5】
請求項3において、前記切込みが断続して不連続にミシン目状に設けてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかにおいて、前記液逃し部が前記大袋部に対しレール長手方向の両側に設けてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項7】
請求項1〜5の何れかにおいて、前記液逃し部が前記大袋部に対しレール長手方向の一方の側のみに設けてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかにおいて、前記液通路がレール幅方向の端部に設けてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項9】
請求項8において、前記液通路が前記レールに対しレール幅方向の外方に突出する形状で設けてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかにおいて、前記大袋部は前記レール長手方向寸法が、前記軌道パッドと前記レール支持体とによって上下に挟まれる挟圧部の寸法よりも大寸法とされていて、該挟圧部の両側に液溜り部を形成するものとなしてあり、前記液の過剰量の一部を該液溜り部に逃し込んで、該液溜り部を上下に膨出させるものとなしてあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかにおいて、前記第1の袋部と前記第2の袋部との一方又は両方には、硬化した樹脂が割れたときに破片を繋ぎ止めて飛散防止する可撓性且つシート状の繋ぎ材が前記主剤液,硬化剤液とともに埋設してあることを特徴とする鉄道レール用の可変パッド。
【請求項12】
請求項1〜11の何れかの可変パッドの施工方法であって、前記レールを最終設置位置よりも高位置に保持した状態とし、その状態で前記独立した第1の袋部と第2の袋部とのそれぞれに前記主剤液,硬化剤液を封入した状態の前記可変パッドの該第1の袋部及び第2の袋部の少なくとも何れか一方に圧力を加えて前記仕切部を接着剥離させ、両液を混合状態とした上で、該可変パッドを前記軌道パッドとともに前記レールとレール支持体との間に挿入し、その後高さ調節用に予めセットしたスペーサに当る位置まで該レールを下降させて、その過程で該レールを前記軌道パッドに押し当てるとともに前記可変パッドに対して該レールの荷重を作用させて該可変パッドに対し前記下向きの押圧力を加え、前記混合液の過剰分を前記液逃し部へと逃がして該可変パッドの厚みを調節し、その後において前記混合液を硬化反応させ、少なくとも流動性を失った段階で前記液通路の樹脂を袋体の一部とともに切断し、前記液逃し部を内部の樹脂とともに分離して除去することを特徴とする鉄道レール用の可変パッドの施工方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2008−248560(P2008−248560A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−90893(P2007−90893)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【特許番号】特許第3994116号(P3994116)
【特許公報発行日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000162995)興和化成株式会社 (15)
【出願人】(000219602)東海ゴム工業株式会社 (1,983)
【Fターム(参考)】