鋳造ラインおよび砂落し方法
【課題】注湯後の鋳型において、砂落しをした後でも確実に鋳型毎の個別管理を行うことができる鋳造ライン及び砂落し方法を提供する。
【解決手段】本発明の鋳造ラインは、砂1と素材2を分離する格子3への鋳型5の搬入出を、それぞれ単独で可動するモールド搬入プッシャ7と、モールド搬出台車10とで行い、かつ格子3の下部にシェイクアウトマシン4を配置した一個流し砂落し装置を備えている。格子3への鋳型5の搬入が1個ずつ行われるので、砂落しをした後も、鋳型毎の個別管理が可能となる。
【解決手段】本発明の鋳造ラインは、砂1と素材2を分離する格子3への鋳型5の搬入出を、それぞれ単独で可動するモールド搬入プッシャ7と、モールド搬出台車10とで行い、かつ格子3の下部にシェイクアウトマシン4を配置した一個流し砂落し装置を備えている。格子3への鋳型5の搬入が1個ずつ行われるので、砂落しをした後も、鋳型毎の個別管理が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造の冷却工程において、鋳型から砂と素材とを分ける砂落し装置を備えた鋳造ラインおよび砂落し方法に関するものであり、さらに詳細には、砂落し装置が1個流し砂落し装置である鋳造ラインおよび砂落し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳造ラインの冷却工程において砂と鋳造された製品とを分離させる方法として、ドラム内に注湯済みの鋳型を投入し、回転や振動と散水により分離させる方法(特許文献1参照)や、鋳造ライン上において搬送される鋳型を振動機上に載せ、振動により解枠・分離させる方法(特許文献2参照)があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−0138332号公報
【特許文献2】特開2003−010962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の方法および装置では、ドラム内に多数の鋳型を入れ、1モールド毎の砂落しを行うことができないため、後工程での鋳型毎の個別管理が難しいという問題点があった。
【0005】
また特許文献2記載の方法および装置では、鋳枠(鋳造枠)からパンチアップされた素材を内蔵した鋳型は、プッシャもしくは把持手段によって振動機に移載され、前記振動機の振動によって砂落しされている。次に砂落しされ砂を分離された素材は、プッシャによって押し出され、冷却バスケットに移載される。ここで鋳枠から1つ1つパンチアップされるため、鋳型毎の管理ができるかのように見える。
【0006】
しかしながら、前記振動機の振動によって砂落しされ、冷却バスケットに移載されるまでの間に、何らかの原因で鋳型が前記振動機に取り残され、次に送り込まれた鋳型の素材とともに、冷却バスケットに移載されることがある。よって、後工程でモールド毎の個別管理ができなくなるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、叙上の事情に鑑み、注湯後の鋳型において、1モールド毎の砂落しを行うことにより、砂落しをした後でも確実に鋳型毎の個別管理を行うことができる鋳造ライン及び砂落し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明の鋳造ラインは、生砂鋳造砂落し設備を備えた鋳造ラインであって、該生砂鋳造砂落し設備は、砂と素材を分離する格子への鋳型の搬入出を、それぞれ単独で可動するモールド搬入プッシャと、モールド搬出台車とで行い、かつ格子の下部にシェイクアウトマシンを配置した一個流し砂落し装置であることを特徴とするものである。
【0009】
なお請求項2のように、モールド搬出台車の鋳型押し出し板が、鋳バリ、法案等で目詰まりが発生する格子の溝を清掃するための櫛刃を備えたものであることが好ましい。また請求項3のように、モールド搬出台車の両端に、昇降できる鋳型押し出し板を兼ねた衝立、および昇降できる衝立を設け、砂落し時、格子上面から、素材のはみ出し、落下を防止することが好ましい。さらに請求項4のように、モールド搬出台車のシェイクアウトマシン上部、砂抜き位置に、昇降できる鋳型破砕用櫛刃を設け、砂抜け性が悪い未注湯鋳型を破砕することが好ましい。
【0010】
また本発明の砂落し方法は、鋳型をモールド搬入プッシャにより格子上に一個ずつ搬入し、格子の下部に配置されたシェイクアウトマシンにより振動を加えて砂と素材とを分離し、分離された素材をモールド搬出台車によって一個ずつ搬出することを特徴とするものである。
【0011】
なお請求項6のように、格子とシェイクアウトマシンを分離し、格子をシェイクアウトマシン上に載せる構造を採用し、砂と素材とを分離したのち、シェイクアウトマシンを下降させることにより、格子をシェイクアウトマシンから格子受け架台格子に預け、静止させた状態で、櫛刃付きのモールド搬出台車にて格子上から素材を搬出する方法、あるいは請求項7のように、格子とシェイクアウトマシンを統合した構造を採用し、砂と素材とを分離したのち、シェイクアウトマシン振動モータの周波数を30Hz以下に制御し、格子を振動させない状態で、櫛刃付きのモールド搬出台車にて素材を搬出する方法を取ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シェイクアウトマシン上の格子に、モールドプッシャから1つの鋳型を入れ、その格子をシェイクアウトマシンによって振動させ砂落しを行い、さらにモールド搬出台車で搬出する。このように1鋳型ずつ砂落しをすることができるので、砂と素材の分離後も、鋳型毎の個別管理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】昇降装置付き1個流し砂落し装置の原位置における正面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図1のB−B矢視図である。
【図4】昇降装置付き1個流し砂落し装置の鋳型搬入時における正面図である。
【図5】図4のA−A矢視図である。
【図6】図4のB−B矢視図である。
【図7】昇降装置付き1個流し砂落し装置の砂落し開始時における正面図である。
【図8】図7のA−A矢視図である。
【図9】図7のB−B矢視図である。
【図10】昇降装置付き1個流し砂落し装置 砂落し完了時における正面図である。
【図11】図10のA−A矢視図である。
【図12】図10のB−B矢視図である。
【図13】昇降装置付き1個流し砂落し装置の鋳型搬出時における正面図である。
【図14】昇降装置付き1個流し砂落し装置の鋳型搬出台車帰り時における正面図である。
【図15】昇降装置付き1個流し砂落し装置の工程完了時における正面図である。
【図16】鋳型破砕リフタ付き砂落し装置の砂落し開始時における正面図である。
【図17】図16のC−C矢視図である。
【図18】鋳型破砕リフタ下降時における正面図である。
【図19】図18のC−C矢視図である。
【図20】昇降装置が付かない1個流し砂落し装置の砂落し時における正面図である。
【図21】図20のA−A矢視図である。
【図22】図20のB−B矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜3に、本発明の鋳造ラインに用いられる生砂鋳造砂落し設備である昇降装置付き1個流し砂落し装置の原位置における正面図と断面図を示す。
【0015】
この生砂鋳造砂落し設備は、砂1と素材2を分離する格子3の下部にシェイクアウトマシン4を配置するとともに、格子3への鋳型5の搬入出を、それぞれ単独で可動するモールド搬入プッシャ7と、モールド搬出台車10とで行う構造のものである。シェイクアウトマシン4は、昇降装置18と振動モータ20とを備えている。モールド搬入プッシャ7は水平に設置されたシリンダ8の先端に鋳型押し出し板9を設けた構造である。モールド搬入プッシャ7前への鋳型5の搬入は、直角方向に配置した上流モールドプッシャ6で行う。
【0016】
図4〜6に、モールド搬入プッシャ7で鋳型5を格子3上に搬入する状態の正面図と断面図を示す。図4に示されるように、鋳型5はモールド搬入プッシャ7により格子3の上に搬送され、昇降装置18を備えたシェイクアウトマシン4により格子3を打撃して振動させ、砂落しを行う。格子3は格子受け架台19上に支持されてシェイクアウトマシン4から分離されている。昇降装置18にてシェイクアウトマシン4を上昇させ、分離した格子3をシェイクアウトマシン4上に載せた状態で打撃することにより、加振力が増加するので、素材2からの砂落し効果を向上させることができる。
【0017】
モールド搬出台車10は、上方に水平設置されたシリンダ11で格子3の上方を往復する台車12に、昇降シリンダ13にて昇降できる鋳型押し出し板14を設けたものである。図7〜9に、モールド搬出台車10の昇降できる鋳型押し出し板14を下降させ、かつ、昇降装置18にてシェイクアウトマシン4を上昇させ、砂落しを行っている状態を示す。
【0018】
このモールド搬出台車10の昇降できる鋳型押し出し板14に、鋳バリ、法案等で目詰まりが発生する格子3の溝15を清掃するための櫛刃16を設ける。また、砂落し時の格子3の上面から、素材2のはみ出しや落下を防止するため、モールド搬出台車10の台車12の昇降できる鋳型押し出し板14の反対側に、昇降できる衝立17を設ける。なお昇降できる鋳型押し出し板14は、素材2のはみ出し、落下を防止する衝立としての機能を兼ねるものである。
【0019】
前記のようにこの実施形態では、格子3とシェイクアウトマシン4とを分離し、格子3をシェイクアウトマシン4上に載せる構造としてある。そこで砂落し完了後は、昇降装置18付きシェイクアウトマシン4を用いて、シェイクアウトマシン4を下降させることにより、格子3をシェイクアウトマシン4から、格子受け架台19上に預け、静止させた状態で、格子溝清掃用櫛刃16付き鋳型押し出し板14にて素材2を搬出する。図10〜12に、砂落し終了後、昇降装置18にてシェイクアウトマシン4を下降させ、格子3を格子受け架台19上に預け、かつ、モールド搬出台車10の昇降できる衝立17を上昇させた状態を示す。
【0020】
図13に、モールド搬出台車10を行き側に移動させ、下降した鋳型押し出し板14にて、素材2を冷却パレット25上に搬出する状態の正面図を示す。冷却パレット25は格子3の側方に位置し、パレット搬送装置26(この実施形態では駆動ローラ)にて、後工程に搬出される。その後、図14に示すように下降した鋳型押し出し板14を上昇させ、モールド搬出台車10を帰り側に移動させる。図15は、上昇している昇降できる衝立17を下降させ、原位置に戻した状態を示す。
【0021】
このように本発明によれば、シェイクアウトマシン4上の格子3に、モールド搬入プッシャ7から1つの鋳型5を入れ、その格子3をシェイクアウトマシン4によって振動させ砂落しを行い1鋳型ずつ砂落しすることができるので、砂1と素材2の分離後も、鋳型毎の個別管理をすることができる。
【0022】
なお、砂抜け性が悪い未注湯鋳型を破砕するため、搬出用モールドプッシャ台車12のシェイクアウトマシン4上部の砂抜き位置22に、シリンダ23で昇降できる鋳型破砕用櫛刃24を設けても良い。図16〜17に、シリンダ23で昇降できる鋳型破砕用櫛刃24を設けた1個流し砂落し装置の正面図と断面図を示す。また図18〜19に、鋳型破砕用櫛刃24を下降させ、未注湯鋳型を破砕している状態の正面図と断面図を示す。
【0023】
以上に説明した実施形態では、格子3は格子受け架台19上に支持されてシェイクアウトマシン4から分離されていたが、図20〜22に示す他の実施形態では、格子3とシェイクアウトマシン4とは結合されている。この場合には、シェイクアウトマシン4の振動モータ20の周波数を30Hz以下に制御し、格子3を振動させない状態で、格子溝掃除用櫛刃16付き鋳型押し出し板14にて素材2を冷却パレット25上に搬出する。
【0024】
この実施形態では、格子3とシェイクアウトマシン4を分離した場合ほどの砂落し効果が得られない。しかし、シェイクアウトマシン4にて格子3を打撃する際の騒音、およびシェイクアウトマシン4及び、格子3に設けた打撃面ライナ21の損耗の発生を防止できるため、砂落しが比較的容易に行える素材2の砂落しに採用できる。
【符号の説明】
【0025】
1 砂
2 素材
3 格子
4 シェイクアウトマシン
5 鋳型
6 上流モールドプッシャ
7 モールド搬入プッシャ
8 シリンダ
9 鋳型押し出し板
10 モールド搬出台車
11 シリンダ
12 台車
13 昇降シリンダ
14 鋳型押し出し板
15 溝
16 櫛刃
17 衝立
18 昇降装置
19 格子受け架台
20 振動モータ
21 打撃面ライナ
22 砂抜き位置
23 シリンダ
24 鋳型破砕用櫛刃
25 冷却パレット
26 パレット搬送装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造の冷却工程において、鋳型から砂と素材とを分ける砂落し装置を備えた鋳造ラインおよび砂落し方法に関するものであり、さらに詳細には、砂落し装置が1個流し砂落し装置である鋳造ラインおよび砂落し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鋳造ラインの冷却工程において砂と鋳造された製品とを分離させる方法として、ドラム内に注湯済みの鋳型を投入し、回転や振動と散水により分離させる方法(特許文献1参照)や、鋳造ライン上において搬送される鋳型を振動機上に載せ、振動により解枠・分離させる方法(特許文献2参照)があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−0138332号公報
【特許文献2】特開2003−010962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の方法および装置では、ドラム内に多数の鋳型を入れ、1モールド毎の砂落しを行うことができないため、後工程での鋳型毎の個別管理が難しいという問題点があった。
【0005】
また特許文献2記載の方法および装置では、鋳枠(鋳造枠)からパンチアップされた素材を内蔵した鋳型は、プッシャもしくは把持手段によって振動機に移載され、前記振動機の振動によって砂落しされている。次に砂落しされ砂を分離された素材は、プッシャによって押し出され、冷却バスケットに移載される。ここで鋳枠から1つ1つパンチアップされるため、鋳型毎の管理ができるかのように見える。
【0006】
しかしながら、前記振動機の振動によって砂落しされ、冷却バスケットに移載されるまでの間に、何らかの原因で鋳型が前記振動機に取り残され、次に送り込まれた鋳型の素材とともに、冷却バスケットに移載されることがある。よって、後工程でモールド毎の個別管理ができなくなるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、叙上の事情に鑑み、注湯後の鋳型において、1モールド毎の砂落しを行うことにより、砂落しをした後でも確実に鋳型毎の個別管理を行うことができる鋳造ライン及び砂落し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明の鋳造ラインは、生砂鋳造砂落し設備を備えた鋳造ラインであって、該生砂鋳造砂落し設備は、砂と素材を分離する格子への鋳型の搬入出を、それぞれ単独で可動するモールド搬入プッシャと、モールド搬出台車とで行い、かつ格子の下部にシェイクアウトマシンを配置した一個流し砂落し装置であることを特徴とするものである。
【0009】
なお請求項2のように、モールド搬出台車の鋳型押し出し板が、鋳バリ、法案等で目詰まりが発生する格子の溝を清掃するための櫛刃を備えたものであることが好ましい。また請求項3のように、モールド搬出台車の両端に、昇降できる鋳型押し出し板を兼ねた衝立、および昇降できる衝立を設け、砂落し時、格子上面から、素材のはみ出し、落下を防止することが好ましい。さらに請求項4のように、モールド搬出台車のシェイクアウトマシン上部、砂抜き位置に、昇降できる鋳型破砕用櫛刃を設け、砂抜け性が悪い未注湯鋳型を破砕することが好ましい。
【0010】
また本発明の砂落し方法は、鋳型をモールド搬入プッシャにより格子上に一個ずつ搬入し、格子の下部に配置されたシェイクアウトマシンにより振動を加えて砂と素材とを分離し、分離された素材をモールド搬出台車によって一個ずつ搬出することを特徴とするものである。
【0011】
なお請求項6のように、格子とシェイクアウトマシンを分離し、格子をシェイクアウトマシン上に載せる構造を採用し、砂と素材とを分離したのち、シェイクアウトマシンを下降させることにより、格子をシェイクアウトマシンから格子受け架台格子に預け、静止させた状態で、櫛刃付きのモールド搬出台車にて格子上から素材を搬出する方法、あるいは請求項7のように、格子とシェイクアウトマシンを統合した構造を採用し、砂と素材とを分離したのち、シェイクアウトマシン振動モータの周波数を30Hz以下に制御し、格子を振動させない状態で、櫛刃付きのモールド搬出台車にて素材を搬出する方法を取ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シェイクアウトマシン上の格子に、モールドプッシャから1つの鋳型を入れ、その格子をシェイクアウトマシンによって振動させ砂落しを行い、さらにモールド搬出台車で搬出する。このように1鋳型ずつ砂落しをすることができるので、砂と素材の分離後も、鋳型毎の個別管理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】昇降装置付き1個流し砂落し装置の原位置における正面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図1のB−B矢視図である。
【図4】昇降装置付き1個流し砂落し装置の鋳型搬入時における正面図である。
【図5】図4のA−A矢視図である。
【図6】図4のB−B矢視図である。
【図7】昇降装置付き1個流し砂落し装置の砂落し開始時における正面図である。
【図8】図7のA−A矢視図である。
【図9】図7のB−B矢視図である。
【図10】昇降装置付き1個流し砂落し装置 砂落し完了時における正面図である。
【図11】図10のA−A矢視図である。
【図12】図10のB−B矢視図である。
【図13】昇降装置付き1個流し砂落し装置の鋳型搬出時における正面図である。
【図14】昇降装置付き1個流し砂落し装置の鋳型搬出台車帰り時における正面図である。
【図15】昇降装置付き1個流し砂落し装置の工程完了時における正面図である。
【図16】鋳型破砕リフタ付き砂落し装置の砂落し開始時における正面図である。
【図17】図16のC−C矢視図である。
【図18】鋳型破砕リフタ下降時における正面図である。
【図19】図18のC−C矢視図である。
【図20】昇降装置が付かない1個流し砂落し装置の砂落し時における正面図である。
【図21】図20のA−A矢視図である。
【図22】図20のB−B矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜3に、本発明の鋳造ラインに用いられる生砂鋳造砂落し設備である昇降装置付き1個流し砂落し装置の原位置における正面図と断面図を示す。
【0015】
この生砂鋳造砂落し設備は、砂1と素材2を分離する格子3の下部にシェイクアウトマシン4を配置するとともに、格子3への鋳型5の搬入出を、それぞれ単独で可動するモールド搬入プッシャ7と、モールド搬出台車10とで行う構造のものである。シェイクアウトマシン4は、昇降装置18と振動モータ20とを備えている。モールド搬入プッシャ7は水平に設置されたシリンダ8の先端に鋳型押し出し板9を設けた構造である。モールド搬入プッシャ7前への鋳型5の搬入は、直角方向に配置した上流モールドプッシャ6で行う。
【0016】
図4〜6に、モールド搬入プッシャ7で鋳型5を格子3上に搬入する状態の正面図と断面図を示す。図4に示されるように、鋳型5はモールド搬入プッシャ7により格子3の上に搬送され、昇降装置18を備えたシェイクアウトマシン4により格子3を打撃して振動させ、砂落しを行う。格子3は格子受け架台19上に支持されてシェイクアウトマシン4から分離されている。昇降装置18にてシェイクアウトマシン4を上昇させ、分離した格子3をシェイクアウトマシン4上に載せた状態で打撃することにより、加振力が増加するので、素材2からの砂落し効果を向上させることができる。
【0017】
モールド搬出台車10は、上方に水平設置されたシリンダ11で格子3の上方を往復する台車12に、昇降シリンダ13にて昇降できる鋳型押し出し板14を設けたものである。図7〜9に、モールド搬出台車10の昇降できる鋳型押し出し板14を下降させ、かつ、昇降装置18にてシェイクアウトマシン4を上昇させ、砂落しを行っている状態を示す。
【0018】
このモールド搬出台車10の昇降できる鋳型押し出し板14に、鋳バリ、法案等で目詰まりが発生する格子3の溝15を清掃するための櫛刃16を設ける。また、砂落し時の格子3の上面から、素材2のはみ出しや落下を防止するため、モールド搬出台車10の台車12の昇降できる鋳型押し出し板14の反対側に、昇降できる衝立17を設ける。なお昇降できる鋳型押し出し板14は、素材2のはみ出し、落下を防止する衝立としての機能を兼ねるものである。
【0019】
前記のようにこの実施形態では、格子3とシェイクアウトマシン4とを分離し、格子3をシェイクアウトマシン4上に載せる構造としてある。そこで砂落し完了後は、昇降装置18付きシェイクアウトマシン4を用いて、シェイクアウトマシン4を下降させることにより、格子3をシェイクアウトマシン4から、格子受け架台19上に預け、静止させた状態で、格子溝清掃用櫛刃16付き鋳型押し出し板14にて素材2を搬出する。図10〜12に、砂落し終了後、昇降装置18にてシェイクアウトマシン4を下降させ、格子3を格子受け架台19上に預け、かつ、モールド搬出台車10の昇降できる衝立17を上昇させた状態を示す。
【0020】
図13に、モールド搬出台車10を行き側に移動させ、下降した鋳型押し出し板14にて、素材2を冷却パレット25上に搬出する状態の正面図を示す。冷却パレット25は格子3の側方に位置し、パレット搬送装置26(この実施形態では駆動ローラ)にて、後工程に搬出される。その後、図14に示すように下降した鋳型押し出し板14を上昇させ、モールド搬出台車10を帰り側に移動させる。図15は、上昇している昇降できる衝立17を下降させ、原位置に戻した状態を示す。
【0021】
このように本発明によれば、シェイクアウトマシン4上の格子3に、モールド搬入プッシャ7から1つの鋳型5を入れ、その格子3をシェイクアウトマシン4によって振動させ砂落しを行い1鋳型ずつ砂落しすることができるので、砂1と素材2の分離後も、鋳型毎の個別管理をすることができる。
【0022】
なお、砂抜け性が悪い未注湯鋳型を破砕するため、搬出用モールドプッシャ台車12のシェイクアウトマシン4上部の砂抜き位置22に、シリンダ23で昇降できる鋳型破砕用櫛刃24を設けても良い。図16〜17に、シリンダ23で昇降できる鋳型破砕用櫛刃24を設けた1個流し砂落し装置の正面図と断面図を示す。また図18〜19に、鋳型破砕用櫛刃24を下降させ、未注湯鋳型を破砕している状態の正面図と断面図を示す。
【0023】
以上に説明した実施形態では、格子3は格子受け架台19上に支持されてシェイクアウトマシン4から分離されていたが、図20〜22に示す他の実施形態では、格子3とシェイクアウトマシン4とは結合されている。この場合には、シェイクアウトマシン4の振動モータ20の周波数を30Hz以下に制御し、格子3を振動させない状態で、格子溝掃除用櫛刃16付き鋳型押し出し板14にて素材2を冷却パレット25上に搬出する。
【0024】
この実施形態では、格子3とシェイクアウトマシン4を分離した場合ほどの砂落し効果が得られない。しかし、シェイクアウトマシン4にて格子3を打撃する際の騒音、およびシェイクアウトマシン4及び、格子3に設けた打撃面ライナ21の損耗の発生を防止できるため、砂落しが比較的容易に行える素材2の砂落しに採用できる。
【符号の説明】
【0025】
1 砂
2 素材
3 格子
4 シェイクアウトマシン
5 鋳型
6 上流モールドプッシャ
7 モールド搬入プッシャ
8 シリンダ
9 鋳型押し出し板
10 モールド搬出台車
11 シリンダ
12 台車
13 昇降シリンダ
14 鋳型押し出し板
15 溝
16 櫛刃
17 衝立
18 昇降装置
19 格子受け架台
20 振動モータ
21 打撃面ライナ
22 砂抜き位置
23 シリンダ
24 鋳型破砕用櫛刃
25 冷却パレット
26 パレット搬送装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生砂鋳造砂落し設備を備えた鋳造ラインであって、該生砂鋳造砂落し設備は、砂と素材を分離する格子への鋳型の搬入出を、それぞれ単独で可動するモールド搬入プッシャと、モールド搬出台車とで行い、かつ格子の下部にシェイクアウトマシンを配置した1個流し砂落し装置であることを特徴とする鋳造ライン。
【請求項2】
モールド搬出台車の鋳型押し出し板が、鋳バリ、法案等で目詰まりが発生する格子の溝を清掃するための櫛刃を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の鋳造ライン。
【請求項3】
モールド搬出台車の両端に、昇降できる鋳型押し出し板を兼ねた衝立、および昇降できる衝立を設け、砂落し時、格子上面から、素材のはみ出し、落下を防止することを特徴とする請求項1記載の鋳造ライン。
【請求項4】
モールド搬出台車のシェイクアウトマシン上部、砂抜き位置に、昇降できる鋳型破砕用の櫛刃を設け、砂抜け性が悪い未注湯鋳型を破砕することを特徴とする請求項1記載の鋳造ライン。
【請求項5】
鋳型をモールド搬入プッシャにより格子上に一個ずつ搬入し、格子の下部に配置されたシェイクアウトマシンにより振動を加えて砂と素材とを分離し、分離された素材をモールド搬出台車によって一個ずつ搬出することを特徴とする砂落し方法。
【請求項6】
格子とシェイクアウトマシンを分離し、格子をシェイクアウトマシン上に載せる構造を採用し、砂と素材とを分離したのち、シェイクアウトマシンを下降させることにより、格子をシェイクアウトマシンから格子受け架台格子に預け、静止させた状態で、櫛刃付きのモールド搬出台車にて格子上から素材を搬出することを特徴とする請求項5記載の砂落し方法。
【請求項7】
格子とシェイクアウトマシンを統合した構造を採用し、砂と素材とを分離したのち、シェイクアウトマシン振動モータの周波数を30Hz以下に制御し、格子を振動させない状態で、櫛刃付きのモールド搬出台車にて素材を搬出することを特徴とする請求項5記載の砂落し方法。
【請求項1】
生砂鋳造砂落し設備を備えた鋳造ラインであって、該生砂鋳造砂落し設備は、砂と素材を分離する格子への鋳型の搬入出を、それぞれ単独で可動するモールド搬入プッシャと、モールド搬出台車とで行い、かつ格子の下部にシェイクアウトマシンを配置した1個流し砂落し装置であることを特徴とする鋳造ライン。
【請求項2】
モールド搬出台車の鋳型押し出し板が、鋳バリ、法案等で目詰まりが発生する格子の溝を清掃するための櫛刃を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の鋳造ライン。
【請求項3】
モールド搬出台車の両端に、昇降できる鋳型押し出し板を兼ねた衝立、および昇降できる衝立を設け、砂落し時、格子上面から、素材のはみ出し、落下を防止することを特徴とする請求項1記載の鋳造ライン。
【請求項4】
モールド搬出台車のシェイクアウトマシン上部、砂抜き位置に、昇降できる鋳型破砕用の櫛刃を設け、砂抜け性が悪い未注湯鋳型を破砕することを特徴とする請求項1記載の鋳造ライン。
【請求項5】
鋳型をモールド搬入プッシャにより格子上に一個ずつ搬入し、格子の下部に配置されたシェイクアウトマシンにより振動を加えて砂と素材とを分離し、分離された素材をモールド搬出台車によって一個ずつ搬出することを特徴とする砂落し方法。
【請求項6】
格子とシェイクアウトマシンを分離し、格子をシェイクアウトマシン上に載せる構造を採用し、砂と素材とを分離したのち、シェイクアウトマシンを下降させることにより、格子をシェイクアウトマシンから格子受け架台格子に預け、静止させた状態で、櫛刃付きのモールド搬出台車にて格子上から素材を搬出することを特徴とする請求項5記載の砂落し方法。
【請求項7】
格子とシェイクアウトマシンを統合した構造を採用し、砂と素材とを分離したのち、シェイクアウトマシン振動モータの周波数を30Hz以下に制御し、格子を振動させない状態で、櫛刃付きのモールド搬出台車にて素材を搬出することを特徴とする請求項5記載の砂落し方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【公開番号】特開2012−45594(P2012−45594A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191101(P2010−191101)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
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