説明

鋳造方法及び加熱装置

【課題】粉体を用いずに、鋳造型に付着した物体を除去する技術を提供する。
【解決手段】アルカリ性の溶媒と化学反応を起こす材料の鋳造製品を製造する鋳造方法であって、鋳造型のキャビティ形成面の少なくとも一部にアルカリ性の溶媒を塗布する塗布工程(S16)と、塗布工程によって発生する気体を回収する回収工程(S18)と、回収工程によって回収された気体を燃焼させることによって発生する熱を用いて、鋳造装置の少なくとも一部を加熱する加熱工程(S32)と、を備える鋳造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、鋳造方法及び加熱装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
鋳造工程では、鋳造型のキャビティ内に溶湯が注入され、溶湯が凝固することによって、鋳造製品が製造される。溶湯が凝固する際に鋳造型に焼き付くことによって、鋳造製品を鋳造型から取り出した後、鋳造材料の一部が鋳造型内に付着した状態で残存する場合がある。鋳造型に鋳造材料が付着した状態で鋳造工程が実行されると、その鋳造製品の品質が低下する。
【0003】
特許文献1に、鋳造型に付着した物体を除去する技術が開示されている。特許文献1の技術では、鋳造型にチタニウム粉体を噴射することによって、鋳造型に付着した物体が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−295320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、鋳造型に付着した物体を除去するためには、粉体を高速で噴射する必要がある。このため、粉体が鋳造型の周辺に飛散する虞がある。従って、粉体を噴射する以外の方法で鋳造型に付着した物体を除去することが望ましい。
【0006】
他方、鋳造工程前の鋳造装置が低温であると、溶湯が鋳造装置内をスムーズに流れないために鋳造製品の品質が低下する。このため、溶湯を注入する前に、鋳造型やスリーブ等の鋳造装置を加熱する必要がある。本明細書は、粉体を鋳造型に噴射することなく鋳造型に付着した物体を除去することと、鋳造装置を加熱することの両者を巧みに解決する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者らは、鋳造製品の一種として、アルカリ性の溶媒と化学反応を起こす鋳造材料が用いられるものがあることに着目した。アルカリ性の溶媒と化学反応を起こす鋳造材料は、例えば、アルミニウム合金及びマグネシウム合金である。そのような鋳造材料では、アルカリ性の溶媒を用いることによって、鋳造型に付着した鋳造材料を除去することができる。他方、鋳造材料とアルカリ性の溶媒との化学反応によって生じた物質は、潜在的なエネルギを有しており、その潜在的エネルギは、燃焼熱として取り出すことができる。発明者らは、そのような知見から、次に述べるように、鋳造型に付着した物体を除去することの結果を利用して、鋳造装置を加熱するという技術を創作した。
【0008】
本明細書が開示する技術は、アルカリ性の溶媒と化学反応を起こす鋳造材料の鋳造製品を製造する鋳造方法である。この鋳造方法は、塗布工程と回収工程と加熱工程とを備える。塗布工程では、鋳造型のキャビティ形成面の少なくとも一部にアルカリ性の溶媒を塗布する。回収工程では、アルカリ性の溶媒とキャビティ形成面上の鋳造材料とが化学反応を起こして発生する成分を含む気体を回収する。加熱工程では、回収工程によって回収された気体を燃焼させることによって発生する熱を用いて、鋳造装置の少なくとも一部を加熱する。
【0009】
上記の鋳造方法では、鋳造型に付着した鋳造材料とアルカリ性の溶媒とが化学反応を起こすことによって、鋳造型に付着した鋳造材料が除去される。この構成によれば、粉体を鋳造型に噴射させることなく、鋳造型に付着した鋳造材料を除去することができる。上記の鋳造方法では、鋳造材料と溶媒との化学反応によって発生した気体の燃焼熱を利用して、鋳造装置が加熱される。この構成によれば、鋳造型に付着した鋳造材料を除去することによって発生した気体を有効に利用することができる。なお、加熱工程は、鋳造装置のうち、スリーブ及び鋳造型の少なくとも一方を加熱することが好ましい。
【0010】
上記の鋳造方法は、回収工程によって回収される気体の回収量を特定する特定工程をさらに備えていてもよい。気体の回収量から、鋳造型に付着した鋳造材料の付着量を推定することができ、その結果からさらには鋳造の状態を推定することができる。
【0011】
上記の鋳造方法は、回収工程によって回収される気体に含まれる成分を特定する特定工程をさらに備えていてもよい。気体の成分からも、鋳造の状態を推定することができる。例えば、鋳造材料以外の異物が鋳造型に付着しており、異物と溶媒との化学反応によっても、気体が発生する場合がある。回収工程によって回収される気体に含まれる物質を特定することによって、鋳造型に異物が付着しているのか否かを判断することができる。なお、成分の特定は、典型的には、気体に含まれると想定される複数の成分の夫々に反応するガスセンサを用いる。ガスセンサに替えて、臭気センサを採用し、気体の臭気から成分を特定(推定を含む)するものであってもよい。
【0012】
上記の鋳造方法を実現するための加熱装置も新規で有用である。この加熱装置は、回収部と加熱部とを備える。回収部は、鋳造型のキャビティ形成面にアルカリ性の溶媒が塗布されることによって、アルカリ性の溶媒とキャビティ形成面上の鋳造材料とが化学反応を起こして発生する物質を含む気体を回収する。加熱部は、回収された気体を燃焼させることによって発生する熱を用いて、鋳造装置の少なくとも一部を加熱する。
【発明の効果】
【0013】
本明細書に開示される技術によれば、鋳造型に付着した鋳造材料を除去すると共に、除去によって発生した気体を用いて、鋳造装置を加熱することができる。即ち、本明細書が開示する技術は、鋳造材料を除去する工程から、鋳造装置を加熱するために必要なエネルギ(燃料)の一部を得る。このため、鋳造装置を加熱するために外部から供給すべき燃料を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例の鋳造型及び加熱装置を示す。
【図2】鋳造方法を示すフローチャートを示す。
【図3】変形例の鋳造型及び加熱装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
鋳造装置10は、アルミニウム合金の鋳造製品を製造するための装置である。図1に示すように、鋳造装置10は、可動型12、固定型14及びスリーブ18を備える。可動型12は、固定型14に圧着及び離間する。可動型12が固定型14に圧着すると、可動型12のキャビティ形成面12aと固定型14のキャビティ形成面14aとによって、キャビティが形成される。固定型14には、アルミニウム合金の溶湯をキャビティ内に注入するためのスリーブ18が取り付けられている。
【0016】
加熱装置50は、カバー52、通過管54、気体測定部56、加熱部58及び塗布装置70を備える。塗布装置70は、作業者によって操作される。塗布装置70は、可動型12と固定型14とが離間している状態で、アルカリ性の溶媒(例えば水酸化ナトリウム水溶液)をキャビティ形成面12a、14aに塗布する。なお、塗布装置70は、加熱装置50と別体で構成されていてもよい。また、図1の符号Xが示す小片は、鋳造の際、型に付着・固化した溶湯(アルミニウム合金)を模式的に表している。
【0017】
カバー52は、中空の部分球面形状を有しており、下端と上端とは開口している。カバー52は、塗布装置70によって溶媒が塗布される際に、可動型12と固定型14との隙間の上方に配置される。
【0018】
カバー52の上端の開口には、通過管54の一端が接続されている。通過管54は円筒形状を有しており、通過管54の他端には、加熱部58が接続されている。加熱部58は、通過管54から流入する気体を貯留し、貯留された気体を燃焼させる。
【0019】
通過管54の中間位置には、気体測定部56が取り付けられている。気体測定部56は、ガスセンサ56a、流量計56b及び制御部56cを備える。ガスセンサ56aは、通過管54を通過する気体に含まれる成分を特定する。流量計56bは、通過管54に流れる気体の流量(即ち体積)を測定する。ガスセンサ56a及び流量計56bは、それぞれ制御部56cに接続されている。制御部56cには、データベース56dが格納されている。データベース56dには、鋳造に用いられるアルミニウム合金と同種のアルミニウム合金とアルカリ性溶媒との反応における、反応に費やされるアルミニウム合金の質量と、反応によって発生する気体の成分及び体積との対応関係が記録されている。
【0020】
作業者は、加熱装置50を実際の鋳造装置10に使用する前に、制御部56cにデータベース56dを格納させておく。具体的には、作業者は、質量が既知であるアルミニウム合金に、アルカリ性の溶媒を塗布する。作業者は、アルミニウム合金と溶媒とが化学反応を起こして、アルミニウム合金が全て溶解するまでに発生した気体(即ち水素)の体積を測定する。作業者は、質量が異なる複数個のアルミニウム合金に同様の実験を実施して、発生した気体の体積を測定する。作業者は、実験結果をデータベース56dに記録する。これにより、反応に費やされるアルミニウム合金の質量と、反応によって生じる気体の成分及び体積との対応関係が、データベース56dに記録される。
【0021】
次いで、鋳造方法について説明する。鋳造方法のフローチャートを図2に示す。なお、図2のフローチャートの処理は、前回の鋳造工程(図2のS34及びS36)にて鋳造製品が型から取り出された後に開始されることを前提としている。即ち、図2のフローチャートの処理は、可動型12と固定型14が開いている状態から開始される。なお、以下の処理は、鋳造製品を鋳造する毎に実施してもよいし、複数個の鋳造製品を連続して鋳造した後に実施してもよい。
【0022】
S16では、塗布装置70が、キャビティ形成面12a、14aに、アルカリ性の溶媒を塗布する。より詳細には、作業者は、可動型12と固定型14との隙間の上方に、カバー52を配置した後、塗布装置70を操作することによって、キャビティ形成面12a、14aに、アルカリ性の溶媒を塗布する。
【0023】
キャビティ形成面14aに付着したアルミニウム合金X(図1参照)に溶媒が塗布されると、アルミニウム合金Xと溶媒とが化学反応を起こして、水素が発生する。この水素には、アルミニウム成分(即ちアルミニウムの蒸気)が含まれる。発生した水素は、大気よりも軽いために、上方に向かって流れる。発生した水素は、カバー52で集められ、通過管54内に回収される(S18)。通過管54内に回収された水素は、通過管54に配置されているガスセンサ56a及び流量計56bを通過して、加熱部58に貯留される。
【0024】
塗布装置70による溶媒の塗布が開始されると、ガスセンサ56aによって、気体に含まれる成分を分析(特定)する(S20)。ガスセンサ56aは、成分の特定結果を制御部56cに供給する。ガスセンサ56aは、制御部56cから停止の指示を取得するまで、所定の時間間隔で、成分を特定する処理を実行する。
【0025】
S22では、制御部56cは、ガスセンサ56aから取得された特定結果、即ち、通過管54を通過した気体の成分を表示する。S24において、制御部56cは、成分特定の結果、回収気体にアルミニウムが含まれることが判明した場合、流量計56bによって測定される単位時間当たりの気体の流量(即ち通過管54を通過する気体の体積)の積算を開始する。制御部56cは、ガスセンサ56aの特定結果にアルミニウムが含まれなくなるまで、流量計56bによって測定される気体の流量を積算する。制御部56cは、流量計56bによって測定される気体の流量が減少すると、作業者に報知する。例えば、制御部56cは、ブザーを鳴らすことによって、作業者に報知してもよい。作業者は、制御部56cから報知されると、塗布装置70を操作して、キャビティ形成面12a、14aへの溶媒の塗布を終了する。
【0026】
制御部56cは、ガスセンサ56aから取得された特定結果に、アルミニウムが含まれなくなると、ガスセンサ56aに、停止の指示を供給する。これにより、ガスセンサ56aは、気体の成分の特定を停止する。S26において、制御部56cは、流量計56bで測定された流量の積算結果を、アルミニウム合金と溶媒とが化学反応を起こして発生した水素の体積として特定する。
【0027】
次いで、S28では、制御部56cは、キャビティ形成面12a、14aに付着していたアルミニウム合金の質量を推定する。具体的には、制御部56cは、データベース56dを参照し、S26で特定された水素の体積に対応するアルミニウム合金の質量を特定する。制御部56cは、特定されたアルミニウム合金の質量を、キャビティ形成面12a、14aに付着していたアルミニウム合金の推定質量として決定する。なお、S26で特定された水素の体積がデータベース56dに記録されていない場合、制御部56cは、以下の処理を実行する。即ち、制御部56cは、データベース56dに記録されている水素の体積のうち、S26で特定された水素の体積に近い値の水素の体積に対応付けられているアルミニウム合金の質量を特定する。次いで、制御部56cは、特定された質量を用いて、アルミニウム合金の質量を推定する。S30では、制御部56cは、推定されたアルミニウム合金の質量を表示する。
【0028】
この構成によれば、作業者は、流量計56bに表示されたアルミニウム合金の質量、即ち、キャビティ形成面12a、14aに付着していたアルミニウム合金の質量の推定値を確認することができる。作業者は、アルミニウム合金の付着量を確認することによって、離型剤を塗布すべきか否かを適切に判断することができる。例えば、アルミニウム合金の付着量が通常よりも多くなれば、作業者は、離型剤を塗布すべきであると判断することができる。また、キャビティ形成面12a、14aに、焼付きを防止するための表面処理を実施している場合、作業者は、アルミニウム合金の付着量が通常よりも多くなれば、表面処理が劣化していると判断することができる。
【0029】
なお、キャビティ形成面12a、14aに塗布され、鋳造装置10の下方まで流れた溶媒は、回収されて再利用される。このため、溶媒に含まれるアルカリ成分が減少して、アルミニウム合金と化学反応を起こさなくなる可能性がある。S28で推定されるアルミニウム合金の付着量が通常よりも少ない場合、作業者、溶媒が劣化しアルミニウム合金と化学反応を起こさなくなっていると判断することができる。
【0030】
次いで、S32において、加熱部58は、貯留された水素を燃焼させて、スリーブ18を加熱する。別の実施例では、加熱部58は、可動型12及び固定型14を加熱してもよい。あるいは、加熱部58は、溶湯をスリーブ18に注ぐための容器を加熱してもよい。
【0031】
スリーブ18など鋳造装置の一部を加熱した後、可動型12と固定型14を圧着する。その後、アルミニウム合金をスリーブ18からキャビティ内に注入する(S34)。次いで、予め決められた時間が経過した後、可動型12を固定型14から離間させて、鋳造製品をキャビティ内から取り出す(S36)。こうして、鋳造製品が製造される。
【0032】
上記の鋳造方法では、キャビティ形成面12a、14aにアルカリ性の溶媒を塗布することによって、キャビティ形成面12a、14aに付着したアルミニウム合金と溶媒とを反応させて、アルミニウム合金を除去する。この構成によれば、キャビティ形成面12a、14aに付着したアルミニウム合金に粉体を噴射させることなく、アルミニウム合金を除去することができる。このため、噴射された粉体が人体に当たる心配がない。また、この構成によれば、アルミニウム合金に粉体を噴射させて除去する構成と比較して、アルミニウム合金をきれいに除去することができる。
【0033】
また、上記の鋳造方法では、アルミニウム合金と溶媒との反応によって発生した水素を燃焼させることによって、鋳造装置10を加熱する。この構成によれば、鋳造装置10を加熱するために供給すべき燃料を低減することができる。
【0034】
キャビティ形成面12a、14aにゴミ等の異物が付着していると、異物と溶媒とが化学反応を起こして、気体が発生する場合がある。この場合、ガスセンサ56aでは、アルミニウム以外の成分が特定される。作業者は、制御部56cに表示される気体の成分を確認することによって、キャビティ形成面12a、14aに異物が付着しているのか否かを確認することができる。
【0035】
上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(1)変形例の加熱装置150(図3)について、実施例の加熱装置50と異なる点を説明する。図3に示すように、変形例の加熱装置150は、キャビティ形成面12a、14aのうち、図示省略した塗布装置によって溶媒が塗布される部分(図3では、アルミニウム合金Xが付着している部分)の上方に配置されるカバー152を備えている。また、加熱装置150は、キャビティ形成面14a側から、スリーブ18内に配置される加熱部158を備えている。カバー152と加熱部158とは通過管154で接続されている。なお、図示されていないが、加熱装置150は、加熱装置50と同様の気体測定部を備えていてもよい。
【0036】
(2)上記の鋳造方法は、アルミニウム合金の鋳造製品を製造するための鋳造型に付着したアルミニウム合金Xを除去するために用いられている。しかしながら、対象とする鋳造材料はアルミニウム合金に限られない。上記の鋳造方法は、アルカリ性の溶媒と化学反応を起こす他の材料(例えばマグネシウム合金)の鋳造製品を製造するための鋳造型に対しても用いることができる。
【0037】
(3)上記の加熱装置50、150は、スリーブ18又は可動型12、固定型14を加熱する。即ち、加熱装置50、150は、鋳造装置10の少なくとも一部を加熱する。加熱装置50、150は、アルミニウム合金が除去される鋳造装置10、即ち、アルカリ性の溶媒が塗布される鋳造装置10以外の鋳造装置を加熱してもよい。
【0038】
(4)上記の加熱装置50、150は、カバー52、152を介して気体を通過管54、154に吸引する吸引部を備えていてもよい。
【0039】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0040】
10:鋳造装置
12:可動型
12a、14a:キャビティ形成面
14:固定型
18:スリーブ
50:加熱装置
52:カバー
54:通過管
56:気体測定部
56a:ガスセンサ
56b:流量計
56c:制御部
58:加熱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ性の溶媒と化学反応を起こす鋳造材料の鋳造製品を製造する鋳造方法であって、
鋳造型のキャビティ形成面の少なくとも一部にアルカリ性の溶媒を塗布する塗布工程と、
アルカリ性の溶媒とキャビティ形成面上の鋳造材料とが化学反応を起こして発生する成分を含む気体を回収する回収工程と、
回収工程によって回収された気体を燃焼させることによって発生する熱を用いて、鋳造装置の少なくとも一部を加熱する加熱工程と、を備える鋳造方法。
【請求項2】
回収工程によって回収される気体の回収量を特定する特定工程をさらに備える、請求項1に記載の鋳造方法。
【請求項3】
回収工程によって回収される気体に含まれる成分を特定する特定工程をさらに備える、請求項1又は2に記載の鋳造方法。
【請求項4】
加熱工程は、鋳造装置のうち、スリーブ及び鋳造型の少なくとも一方を加熱する、請求項1から3のいずれか一項に記載の鋳造方法。
【請求項5】
鋳造型のキャビティ形成面にアルカリ性の溶媒が塗布されることによって、アルカリ性の溶媒とキャビティ形成面上の鋳造材料とが化学反応を起こして発生する物質を含む気体を回収する回収部と、
回収された気体を燃焼させることによって発生する熱を用いて、鋳造装置の少なくとも一部を加熱する加熱部と、を備える加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−148328(P2012−148328A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10243(P2011−10243)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)