説明

錠剤投入装置

【課題】 錠剤を詰まらせることなく、容器の内部に錠剤をスムーズに移動させることができる錠剤投入装置を提供する。
【解決手段】 錠剤を容器(20)に投入するための錠剤投入装置(10)であって、重力方向に延びる軸部(11a)と、軸部に沿って螺旋状に形成され、錠剤の移動経路を形成するガイド部(11b)と、を備えたガイド部材(11)と、ガイド部材を収容し、重力方向に延びる円筒形状のケース(12)と、を有する。ケースは、重力方向に並んで形成された複数の開口部(12a〜12d)を有している。ケースのうち、重力方向で隣り合う2つの開口部の間に位置する壁部は、ガイド部に沿って形成されている。複数の開口部は、ガイド部材を挟む位置にそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に錠剤を投入する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤を容器に移す場合において、錠剤を容器内にそのまま投入すると、落下時の衝撃によって錠剤が欠けてしまうことがある。そこで、螺旋状に形成されたシュート板を用いて、容器内に錠剤を投入しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−203617号公報
【特許文献2】特開平07−002326号公報
【特許文献3】特開平10−155877号公報
【特許文献4】特開平10−338318号公報
【特許文献5】特開昭50−152470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置では、ケースに対して部分的に開口部を形成しているため、ケースの内部に錠剤が詰まりやすくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明の目的は、錠剤をスムーズに容器内に移動させつつ、ケースの内部に錠剤が詰まりにくくすることができる錠剤投入装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、錠剤を容器に投入するための錠剤投入装置であって、ガイド部材およびケースを有する。ガイド部材は、重力方向に延びる軸部と、軸部に沿って螺旋状に形成され、錠剤の移動経路を形成するガイド部とを備えている。また、ケースは、ガイド部材を収容し、重力方向に延びる円筒形状に形成されている。ケースは、重力方向に並んで形成された複数の開口部を有しており、ケースのうち、重力方向で隣り合う2つの開口部の間に位置する壁部は、ガイド部に沿って形成されている。複数の開口部は、ガイド部材を挟む位置にそれぞれ設けられている。
【0007】
ここで、重力方向と直交する方向から見たときに、壁部における重力方向の中央部に、ガイド部を位置させることができる。また、ケースの壁部のうち、ガイド部上を移動する錠剤と接触する領域の高さ(重力方向の長さ)を、錠剤の最大サイズの2倍以上であって3倍以下とすることができる。このように壁部の高さを設定すれば、錠剤がガイド部から落下させずに、錠剤をガイド部に沿って移動させやすくすることができるとともに、ガイド部上に錠剤が詰まったときには、錠剤が壁部を乗り越えてケース外に移動しやすくすることができる。これにより、錠剤投入装置の下方から順に、錠剤を容器内に投入することができ、錠剤投入装置内に錠剤が詰まり、錠剤投入装置の上部から錠剤が落下してしまうのを防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ケースにおける開口部の割合(開口率)を上げることができ、ケースの内部で錠剤が詰まったとしても、錠剤が開口部を通過してケース外に容易に移動しやすくすることができる。これにより、ケース内における錠剤の詰まりを早期に解消させることができる。また、ケースの内部で錠剤が詰まることにより、錠剤投入装置の上部から錠剤が落下してしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1において、スパイラルシューターを用いて容器に錠剤を投入する装置を示す概略図である。
【図2】実施例1であるスパイラルシューターの側面図である。
【図3】実施例1において、スパイラルシューターの一部を構成するスパイラル本体の側面図である。
【図4】実施例1において、スパイラルシューターの一部を構成するケースの側面図である。
【図5】実施例1において、図4の矢印D1の方向から見たときのケースの側面図である。
【図6】実施例1において、図4の矢印D2の方向から見たときのケースの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の実施例1であるスパイラルシューター(錠剤投入装置に相当する)について説明する。図1は、本実施例のスパイラルシューターを用いて、容器に錠剤を投入する装置を示す概略図である。本実施例で用いられる錠剤は、細粒、顆粒や混合末を打錠した素錠又は、素錠にフィルムや糖衣を被覆したコーティング錠を用いることができる。本実施例では、素錠を用いる場合に、特に適している。図1の上下方向は、重力方向に相当する。
【0012】
図1において、スパイラルシューター10は、容器20の内部に錠剤を投入するために用いられ、投入時に錠剤が衝撃を受けにくくするために用いられる。容器20の上部に形成された開口部20aには、蓋30が取り付けられ、蓋30は、開口部20aと接触するフランジ部30aを有している。
【0013】
蓋30には、スパイラルシューター10が取り付けられており、スパイラルシューター10の投入口10Aに錠剤を投入すると、錠剤がスパイラルシューター10の内部を移動しながら、容器20の内部に導かれる。スパイラルシューター10の内部を移動した錠剤は、スパイラルシューター10から落下して、容器20の底部20bから堆積していく。ここで、容器20の底部20bは、テーパ面で構成されているが、他の形状であってもよい。
【0014】
また、蓋30には、ノズル40が接続されており、ノズル40の先端部40aは、容器20の底部20bに向かって延びている。ノズル40は、容器20の内部に存在する塵等を吸引するために用いられ、吸引器(不図示)に接続されている。
【0015】
次に、スパイラルシューター10の具体的な構造について、図2から図4を用いて説明する。図2は、スパイラルシューター10の側面図である。図3は、スパイラルシューター10の一部であるスパイラル本体の側面図であり、図4は、スパイラルシューター10の一部であるケースの側面図である。
【0016】
スパイラルシューター10は、スパイラル本体(ガイド部材に相当する)11と、スパイラル本体11を覆うケース12とを有する。スパイラル本体11およびケース12は、例えば、樹脂で形成することができる。ケース12は、円筒に沿って形成されており、4つの開口部12a,12b,12c,12dを有する。
【0017】
開口部12a〜12dは、後述するように、錠剤をケース12の内部から外部に移動(放出)させるために用いられる。ケース12の外部からケース12の内部を確認しやすいように、ケース12は、透明又は半透明で構成することが好ましい。これにより、スパイラルシューター10の内部に錠剤等が詰まっているか否かを確認することができる。
【0018】
スパイラルシューター10の上部には、投入管13が設けられており、投入管13の上部は、スパイラルシューター10の投入口10Aを構成している。投入管13の外周面には、フランジ部13aが形成されており、フランジ部13aは、ケース12の上端部12eと接触している。また、投入管13の下部(フランジ部13aよりも下方の部分)は、ケース12の内側に位置している。これにより、投入管13をケース12に固定することができる。投入管13は、例えば、金属で形成することができる。
【0019】
スパイラル本体11は、一方向(図3の上下方向)に延びる軸部11aと、軸部11aの外周面に形成されたガイド羽根(ガイド部に相当する)11bとを有する。ガイド羽根11bは、軸部11aに対して螺旋状に形成されており、一定のピッチLを有する螺旋に沿って配置されている。ピッチLとは、ガイド羽根11bのうち、スパイラル本体11の長手方向(図3の上下方向)で対向する2つの部分の間隔である。スパイラルシューター10に投入された錠剤は、主にガイド羽根11bに沿って移動する。
【0020】
軸部11aに対するガイド羽根11bの傾斜角度は、適宜設定することができる。ここで、軸部11aに対するガイド羽根11bの傾斜角度が大きすぎると、スパイラルシューター10に投入された錠剤が下方に向かって移動しやすくなり、錠剤に過度の衝撃が加わってしまうことがある。また、軸部11aに対するガイド羽根11bの傾斜角度が小さすぎると、スパイラルシューター10に投入された錠剤がガイド羽根11bの表面に留まりやすくなり、容器20の内部に錠剤を効率良く移動させることができなくなってしまう。そこで、上述した点を考慮して、軸部11aに対するガイド羽根11bの傾斜角度を設定することが好ましい。
【0021】
ガイド羽根11bの先端部11b1は、ケース12の内周面と接触しており、ケース12の開口部12a〜12dは、ガイド羽根11bと重ならない位置に形成されている。なお、本実施例では、ガイド羽根11bの先端部11b1をケース12の内周面に接触させているが、先端部11b1をケース12の内周面から離すこともできる。
【0022】
この場合には、ガイド羽根11b1の先端部11b1とケース12の内周面との間の隙間を、錠剤のサイズよりも小さくする必要がある。ここで、本実施例のように、ガイド羽根11bの先端部11b1をケース12の内周面に接触させることにより、ガイド羽根11bの先端部11b1およびケース12の内周面との間に錠剤が詰まるのを抑制して、錠剤をガイド羽根11bに沿って移動させやすくすることができる。
【0023】
図5は、図4の矢印D1の方向からケース12を見たときの側面図であり、図6は、図4の矢印D2の方向からケース12を見たときの側面図である。図4に示すように、開口部12a,12bと開口部12c,12dは、スパイラル本体11を挟む位置に配置されている。ここで、開口部12aの一部(下部分)および開口部12cの一部(上部分)は、水平方向(図4の矢印D1方向又は矢印D2方向)から見たときに、互いに重なっている。開口部12cの一部(下部分)および開口部12bの一部(上部分)は、水平方向から見たときに、互いに重なっている。開口部12bの一部(下部分)および開口部12dの一部(上部分)は、水平方向から見たときに互いに重なっている。
【0024】
また、開口部12a,12bは、図5に示すように、ケース12の長手方向(図5の上下方向)において並んで配置されており、開口部12c,12dは、図6に示すように、ケース12の長手方向(図6の上下方向)において並んで配置されている。
【0025】
各開口部12a〜12cは、一定の高さHを有しており、高さHは、ガイド羽根11bのリードL(図3参照)よりも短くなっている。ここで、開口部12dについては、図6に示すように、開口部12dの一部がケース12の下端部12fまで延びている。
【0026】
図5および図6に示す一点鎖線GLは、ガイド羽根11bの先端部11b1の位置を示している。本実施例では、スパイラルシューター10の長手方向において隣り合う2つの線GLの間には、開口部12a〜12dが位置するようになっている。ただし、図6に示すように、ケース12の上部に位置する2つの線GLの間には、開口部が形成されていない。
【0027】
図5において、開口部12aの上端ULおよび下端BLは、線GLに沿って形成されており、開口部12bの上端ULおよび下端BLも、線GLに沿って形成されている。また、2つの開口部12a,12bの間に位置する線GLについて、開口部12aの下端BLおよび線GLの間の距離と、開口部12bの上端ULおよび線GLの間の距離とは、略等しくすることもできるし、互いに異ならせることもできる。
【0028】
開口部12aの下端BLと、この下端BLの直下に位置する線GLとの間の領域(壁部の一部)は、ガイド羽根11bに沿って移動する錠剤と接触し、錠剤がガイド羽根11bから容易に落下してしまうのを阻止する機能を有している。同様に、開口部12bの下端BLと、この下端BLの直下に位置する線GLとの間の領域(壁部)は、ガイド羽根11bに沿って移動する錠剤と接触し、錠剤がガイド羽根11bから容易に落下してしまうのを阻止する機能を有している。
【0029】
錠剤の落下を阻止する機能を有する壁部の高さは、錠剤のサイズの2倍以上であって、3倍以下に相当する高さとすることが好ましい。ここでの錠剤のサイズは、錠剤の最大寸法をいう。ここで、壁部の高さが錠剤サイズの3倍よりも高いと、開口部12aが小さくなり、後述するように、錠剤が開口部12aを通過し難くなってしまう。また、壁部の高さが錠剤サイズの2倍よりも小さいと、錠剤がガイド羽根11bから外れてしまい、ガイド羽根11bに沿って移動しにくくなってしまう。
【0030】
図6において、開口部12cの上端ULおよび下端BLは、線GLに沿って形成されており、開口部12dの上端ULおよび下端BLも、線GLに沿って形成されている。また、2つの開口部12c,12dの間に位置する線GLについて、開口部12cの下端BLおよび線GLの間の距離と、開口部12dの上端ULおよび線GLの間の距離とは、略等しくすることもできるし、互いに異ならせることもできる。
【0031】
開口部12cの下端BLと、この下端BLの直下に位置する線GLとの間の領域(壁部の一部)は、ガイド羽根11bに沿って移動する錠剤と接触し、錠剤がガイド羽根11bから容易に落下してしまうのを阻止する機能を有している。同様に、開口部12dの下端BLと、この下端BLの直下に位置する線GLとの間の領域(壁部)は、ガイド羽根11bに沿って移動する錠剤と接触し、錠剤がガイド羽根11bから容易に落下してしまうのを阻止する機能を有している。
【0032】
錠剤の落下を阻止する機能を有する壁部の高さは、錠剤のサイズの2倍以上であって、3倍以下に相当する高さとすることが好ましい。ここでの錠剤のサイズは、錠剤の最大寸法をいう。ここで、壁部の高さが錠剤サイズの3倍よりも高いと、開口部12c,12dが小さくなり、後述するように、錠剤が開口部12c,12dを通過し難くなってしまう。また、壁部の高さが錠剤サイズの2倍よりも小さいと、錠剤がガイド羽根11bから外れてしまい、ガイド羽根11bに沿って移動しにくくなってしまう。
【0033】
一方、開口部12aの上端ULは、この上端ULの直上に位置する線GLに近づくように形成すれば、開口部12aの開口面積を広げることができる。ここで、上端ULおよび線GLを一致させると、スパイラル本体11をケース12に組み込んだときに、組み付け誤差等により、上端ULが線GLよりも上方に位置してしまうおそれがある。この場合には、上端ULおよび線GLの間に発生した隙間から錠剤がこぼれてしまうおそれがある。
【0034】
そこで、上端ULは、この上端ULの直上に位置する線GLよりも下方に位置していることが好ましい。上端ULおよび線GLの間の距離は、スパイラル本体11およびケース12の組み付け誤差を考慮して適宜設定することができる。例えば、上端ULおよび線GLの間の距離を、開口部12aの下端BLと、この下端BLの直下に位置する線GLとの間の距離と等しくすることができる。すなわち、上端ULおよび線GLの間の距離を、錠剤サイズの2倍以上であって、3倍以下にすることができる。開口部12b〜12dについても、同様の設定とすることができる。
【0035】
このように、各開口部12a〜12dの上端ULおよび下端BLを設定すれば、各開口部12a〜12dの面積を広げることができる。これにより、後述するように、錠剤をガイド羽根11bに沿って移動させやすくしながら、ガイド羽根11bに錠剤が留まったときには、錠剤が開口部12a〜12dを通過させやすくすることができる。
【0036】
次に、本実施例のスパイラルシューター10に錠剤を投入したときの錠剤の挙動について説明する。
【0037】
スパイラルシューター10の投入口10Aに錠剤を投入すると、錠剤は、スパイラル本体11のガイド羽根11bに沿って移動する。ここで、ガイド羽根11bの先端部11b1には、ケース12の一部が位置しており、錠剤がガイド羽根11bから容易に落下してしまうのを阻止する。
【0038】
錠剤がスパイラルシューター10の下部に到達すると、ケース12の開口部12dから錠剤が放出される。図1に示すように、スパイラルシューター10の下端部は、容器20の底部20bから離れているため、スパイラルシューター10から放出された錠剤は、容器20の底部20bに向かって落下する。ここで、スパイラルシューター10の下端部と容器20の底部20bとの間の距離は、錠剤に過度の衝撃が加わらないような距離に設定されている。過度の衝撃とは、錠剤が欠けてしまう程度の衝撃をいう。
【0039】
容器20に錠剤が堆積し続けると、堆積された錠剤層の上部がスパイラルシューター10に到達する。これにより、スパイラルシューター10に新たに投入された錠剤は、スパイラルシューター10から落下することなく、錠剤層の上に堆積されることになる。また、ガイド羽根11bにも錠剤が留まることになる。
【0040】
ガイド羽根11bに錠剤が留まると、開口部12dの任意の位置から錠剤が放出される。そして、錠剤の投入量が増えるにつれて、開口部12dが錠剤で塞がれることになる。また、錠剤層の上部が、開口部12bに到達すると、開口部12bから錠剤が放出されるようになる。このように、錠剤を投入して錠剤層の上部が上昇するにつれて、開口部12d、開口部12b、開口部12c、開口部12aの順に、錠剤が放出される。なお、錠剤が開口部12aを塞いだときには、スパイラルシューター10からの錠剤の放出は停止する。
【0041】
本実施例によれば、ガイド羽根11bに錠剤が留まったときには、各開口部12a〜12dから錠剤を放出させやすくしている。言い換えれば、スパイラルシューター10の下方に位置する開口部から、錠剤を積極的に放出させるようにしている。これにより、スパイラルシューター10から錠剤をスムーズに排出させることができ、スパイラルシューター10の内部に錠剤が詰まってしまうのを防止することができる。
【0042】
スパイラルシューター10の内部に錠剤が詰まってしまうと、スパイラルシューター10の上部に位置する開口部(例えば、開口部10a)から先に錠剤が落下し始めてしまうことがある。この場合には、錠剤の落下距離が長くなってしまい、錠剤に過度の衝撃が加わってしまうことがある。本実施例では、スパイラルシューター10(ケース12)の内部に錠剤が詰まってしまうのを防止できるため、落下に伴う過度の衝撃が錠剤に加わるのを防止することができる。
【0043】
また、本実施例では、図2に示すように、スパイラルシューター10の上部は、開口部が形成されておらず、ケース12で覆われている。このため、スパイラルシューター10の上部から錠剤が誤って落下してしまうのを防止することができる。
【0044】
さらに、本実施例では、スパイラルシューター10をスパイラル本体11およびケース12で構成することにより、スパイラルシューター10を容易に製造することができる。ここで、ガイド羽根11bの先端部11b1に対して、錠剤の落下を阻止する側壁部を一体的に形成することが考えられるが、この場合には、複雑な製造工程となってしまう。一方、本実施例では、ケース12にスパイラル本体11を組み込むだけでよく、スパイラルシューター10を容易に製造することができる。
【0045】
また、使用後のスパイラルシューター10は、スパイラル本体11およびケース12に分解して洗浄することができ、スパイラル本体11およびケース12の洗浄を容易に行うことができる。さらに、洗浄後は、スパイラル本体11をケース12に挿入するだけで、スパイラルシューター10を容易に組み立てることができる。
【0046】
また、ケース12は、開口部12a〜12dが形成されていない領域において、一体的に構成されているため、ケース12の強度を確保することができる。
【0047】
なお、本実施例では、ケース12に4つの開口部12a〜12dを設けているが、開口部の数は、適宜設定することができる。ケース12の開口部は、スパイラル本体11のガイド羽根11bに沿って形成されており、開口部の数は、ガイド羽根11bのピッチ数に応じて設定される。すなわち、ケース12の長さを変えずに、ガイド羽根11bのピッチLを小さくすれば、開口部の数は多くなる。また、ガイド羽根11bのピッチLを変えずに、ケース12を長くすれば、ピッチ数が多くなり、開口部の数も多くなる。
【0048】
本実施例では、2つの開口部12a,12bがケース12の長手方向(重力方向)に並んでおり(図5参照)、2つの開口部12c,12dがケース12の長手方向(重力方向)に並んでいるが(図6参照)、これに限るものではない。すなわち、複数の開口部がケース12の長手方向に並んでいなくてもよく、複数の開口部がケース12の周方向においてずれていてもよい。
【0049】
ここで、長さの異なるスパイラルシューター10を複数種類用意しておき、これらのスパイラルシューター10を使い分けながら、錠剤を容器20に投入することができる。複数種類のスパイラルシューター10においては、ガイド羽根11bのピッチLが一定であり、ケース12に形成される開口部の高さHが一定である。このため、スパイラルシューター10の長さが異なれば、ガイド羽根11bのピッチ数や開口部の数が異なることになる。
【0050】
例えば、最初に錠剤を容器20に投入するときには、最も長いスパイラルシューター10を用い、容器20に投入された錠剤の量に応じて、長さが短くなる順にスパイラルシューター10を交換することができる。
【符号の説明】
【0051】
10:スパイラルシューター(錠剤投入装置) 10A:投入口
11:スパイラル本体(ガイド部材) 11a:軸部
11b:ガイド羽根(ガイド部) 12:ケース
12a〜12d:開口部 12e:上端部
12f:下端部 12g〜12i:開口部
20:容器 20a:開口部
20b:底部 30:蓋
30a:フランジ部 40:ノズル
40a:先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
錠剤を容器に投入するための錠剤投入装置であって、
重力方向に延びる軸部と、前記軸部に沿って螺旋状に形成され、錠剤の移動経路を形成するガイド部と、を備えたガイド部材と、
前記ガイド部材を収容し、重力方向に延びる円筒形状のケースと、を有し、
前記ケースは、重力方向に並んで形成された複数の開口部を有しており、
前記ケースのうち、重力方向で隣り合う2つの前記開口部の間に位置する壁部は、前記ガイド部に沿って形成されており、
前記複数の開口部は、前記ガイド部材を挟む位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする錠剤投入装置。
【請求項2】
重力方向と直交する方向から見たときに、前記ガイド部は、前記壁部における重力方向の中央部に位置していることを特徴とする請求項1に記載の錠剤投入装置。
【請求項3】
前記壁部のうち、前記ガイド部上を移動する錠剤と接触する領域の高さが、錠剤の最大サイズの2倍以上であって3倍以下である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の錠剤投入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−25584(P2012−25584A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168864(P2010−168864)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】