説明

錫表面の耐食性の向上

錫を基材とする表面にホスホン酸化合物および水からなる組成物を接触させ、錫を基材とするコーティング上に燐を基材の膜を形成し、それにより錫を基材とする表面の腐食を抑制することからなる、中間製品上の錫を基材とする表面の耐食性を向上させる方法。約30容量%までの濃度の有機溶媒を有する、ホスホン酸を含む組成物が例示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、錫を基材とする表面の腐食を抑制するための方法および組成物、ならびに該表面の腐食の抑制およびはんだ付け性の向上に関するものである。
【0002】
背景
基材とするコーティングはしば、銅もしくはルを基材とする表面の酸化もしくは変色の防止および/またははんだ付け性の向上のため、電気コネクタ、工学的、機能的および装飾的デバイスの表面などの銅およびニッケルを基材とする半製品(workpiece)の表面に適用される。空気またはその他の酸化性雰囲気において温度が上昇するような条件下では、電子部品パッケージのリードおよび電気コネクタの錫で被膜した表面は、製造と電子デバイスへの組立ての間の出荷および保管の期間中に酸化物の膜を形成する傾向を有する。酸化物のコーティングは、一般的にわずか約500〜2000nm(約50〜200オングストローム(Å))の厚さであるが、錫で被膜した表面の表面を変色させ、多くの消費者が受け入れられないと考える黄色がかった色を呈する。さらに酸化物は、被膜した電気端子の接触抵抗を劣化させる可能性がある。変色のない表面は、酸化物で被膜した表面に比べ、より低い電気接触抵抗およびより良好なはんだづけ性を
【0003】
エス・チャン他は、米国特許第6,136,460号において、錫よりも負の酸化物形成自由エネルギーを有する元素を錫母体中への包含させることからなる、錫の酸化を減少させる方法を開示している。該元素はとりわけ、カリウム、ナトリウム、カルシウム、クロム、マンガン、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、亜鉛、インジウムおよび燐を含む。該金属の配合は、上への元素の電解析出、溶解元素に表面を浸漬する、または元素の塩溶液中に浸漬し、ついで高温リフローする技術により遂行することができる。高温曝露は、一定の温度に鋭敏な応用例にはプロセスを適用しがたく、また処理時間、費用および設備の必要性が増大する。
【0004】
エイチ・イー・フックス他は、米国特許第5,853,797号において、ホスホン酸塩、潤滑剤および種々の揮発性有機溶媒を含む溶液を被膜した電気接点の表面に暴露させる、該接触面の腐食防止を提供する方法および解決策を開示している。廃棄のための該溶媒の蒸発は、取扱い、作業者への危険、および流れへ廃棄物の処分など環境面の懸念を伴う。
【0005】
上記の方法は、高い処理温度、費用および取扱いの困難な溶媒など固有の不都合を有する。従って、保管および搬送中に電気端子およびコネクタが典型的に直面する黄変化および酸化の防止を提供するため、錫を基材とする表面上に変色と酸化防止の薬剤を施すための、低い処理温度で環境を損なわずかつ廉価な方法が要求されている。本発明は、このような課題の解決手段を提供する。
【0006】
発明の要約
従って、本発明の目的の一つは、錫を基材とする表面の耐食性の付与およびはんだ付け性の向上のための方法および組成物を提供することである。
それゆえ、簡単には、本発明は、錫を基材とする表面にホスホン酸化合物および水を含む組成物を接触させ、錫を基材とするコーティング上に燐を基材とする膜を形成し、それにより錫を基材とする表面の腐食を抑制することからなる、半製品の、錫を基材とする表面の耐食性を向上させる方法を指向する。
【0007】
本発明は、約0.01と約10%重量/容量の間の量のホスホン酸化合物および水からなる、半製品上の錫を基材とする表面の耐食性を向上させるための種々の組成物をも指向し、該組成物は、代替的に約30容量%までの濃度の有機溶媒も含む。
本発明の他の目的および特徴が開示される。
【0008】
図の簡単な説明
図1は、封止された電子部品のための本発明により形成されたリードの断面である。
図2は、電子部品パッケージの斜視図である。
図3は、リード・フレームの正面図である。
図4は、電気コネクタの斜視図である。
図5および図6は、実施例において論じた試験片の写真である。
図7は、実施例の試験データのグラフ表示である。
図1〜4は、概略図であり、正確な縮尺で描かれていない。
対応する参照数字はどの図でも対応する部分を示す。
【0009】
好ましい実施態様の詳細な説明
1つの態様において、発明は、半製品の、錫を基材とする表面の耐食性を向上させる方法を対象とする。例示の目的のため、このような1つの半製品は、封止された電子パッケージの電子リードなどの電子部品または電気コネクタであるが、本発明は、工学的、機能的、装飾的またはその他の電子機器のいずれの一部であるかを問わず、錫を基材とする表面に適用することができる。電子機器の錫を基材とする表面に関し、本方法は、錫を基材とする表面の一部のリフローを伴うはんだ付け作業前の保管中、錫を主原料とする表面の耐食性を向上させ、かつはんだ付け性も維持する。
【0010】
本発明に従って、錫を基材とする表面は、浸漬またはその他の方法でホスホン酸化合物および水を含む組成物と接触させられ、錫を基材とする表面上に燐を基材とするフィルムを形成する。このフィルムが、錫を基材とする表面の腐食を抑制する。水は、好ましくは脱イオン水である。ホスホン酸化合物は、以下の化学式で表される:
【0011】

【0012】
上記式において、Rは、炭化水素基または置換炭化水素基であり、Hイオンは、ホスホン酸塩となるようナトリウムまたはカリウムで置換することができる。1つの実施態様において、Rは、長鎖の直鎖状または分岐状置換基であり、Hイオンは、ホスホン酸塩となるようナトリウムまたはカリウムで置換することができる。好ましい実施態様において、ホスホン酸化合物は、nが5から17の範囲にある一般式 CH(CHP(O)(OH)で表されるホスホン酸である。1つの今の好ましい実施態様においては、該組成物は、ホスホン酸化合物としてオクチルホスホン酸を含む。PO−2部分は、基板表面へ該化合物が付着するのを促進すると信じられる。
【0013】
別に指示されない限り、ここで説明する「置換炭化水素基」部分は、炭素原子以外の少なくとも1つの原子で置換された炭化水素基部分であり、炭素鎖原子が窒素、酸素、珪素、燐、ホウ素、硫黄またはハロゲン原子などのヘテロ原子と置換されている部分を含む。炭化水素基部分は、次の置換基の一つまたは複数で置換されることができる:ハロゲン基、複素環基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アルキノキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシル基、保護ヒドロキシル基、ヒドロキシカルボニル基、ケト基、アシル基、アシルオキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、ホスホノ基、シアノ基、チオール基、ケタール基、アセタール基、エステル基およびエーテル基。適切な化合物には、例えば、デシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、ビニルホスホン酸、ジップケム プロダクト社(カリフォルニア州モーガン・ヒル)からの石油ナフサ (ZC−026)、およびカルボン酸部分を含むホスホン酸化合物などの二官能分子がある。
【0014】
一般的に、ホスホン酸化合物の濃度の範囲は、約0.01から10重量/容量パーセント(重量/容量%)(1重量/容量%=1リットル中10グラム)である。0.01パーセント未満の濃度は、防食性において効果的でない一方、10重量パーセントを超える濃度では、多くの適用例において使用するには粘度が高すぎる物質となる傾向がある。
【0015】
発明の種々の実施態様には、ホスホン酸化合物、水および一定の環境下で望まれる可能性があるその他の任意成分を含む組成物を使用する方法がある。組成物がホスホン酸化合物、有機溶媒、水および一定の環境下で望まれる可能性があるその他の任意成分を含むその他の実施態様がある。また、本質的にそれらのコンポーネントのみからなるその他の実施態様があり、すなわち、それらは、本発明の基本的性質に著しく影響する追加の成分を含まない。成分が特異に除外される実施態様では、該除外は、簡便、安価、予見性、相互作用のリスクの減少および安定性などそれらの組成物の追加の特性のいくつかを得るのに不可欠である。
【0016】
発明の1つの実施態様において、有機は、ホスホン酸化合物の溶解を助けるために使用されるが、わずかな範囲に限られている。特に、この実施態様の組成物は、容量(容量%)で約30%を越えない量の有機を含み、いくつかの実施態様においては、容量で約5%未満の有機を含む。有機はアルコールとすることができ、1つの好ましい実施態様においては、有機はエタノールである。この実施態様において、前記の懸念は実質的に減少する。好都合なことに、該有機の濃度を低水準に維持することにより、取扱い、作業者への危険、流水への廃棄物の処分、引火点および費用などの懸念は、実質的に減少する。
代替的な実施態様において、組成物は、有機を本質的に含まない。この実施態様は、ホスホン酸化合物および水を含む。好都合なことに、有機を除去することにより、取扱い、労働者への危険および流水への廃棄物の処分ならびに費用など該に対する懸念は払拭される。
発明は、はるかに少ない水を含む濃縮液も対象とし、それは使用前に希釈される。
【0017】
発明の方法を遂行するにあたり、処理すべき錫を基材とする表面は、浸漬、カスケード、噴霧またはハケ塗りによって、本発明の組成物に曝露される。1つの実施態様における曝露時間は、約1秒から約60秒の間である。組成物の温度は、約20℃から約45℃の間である。処理された表面は、通常すすがれない。ある場合には、表面は、表面の輝度を増すためすすぐことができる。しかしながら、このリンス洗浄は、フィルムの有効性を減少させる可能性があり、それは、リンス洗浄が部分的に膜を除去するためである。組成物は表面上で空気乾燥されて、約50から100,000nm(約5Å〜約10000Å)の間にあると推定される燐を基材とする薄いフィルムが残る。
【0018】
乾燥後、部品は、その後の製造作業のため保管および/または出荷され、そこで部品は金属接合技術、すなわちはんだ付けによって電子デバイスへと組み立てられる。フィルム沈積と実際の製造作業などの時間の間、約230℃を超える温度での処理面の曝露は特に避ける。製造作業において、錫表面は、デバイスの基板への表面接続による組立作業の一環として、約230℃を超える温度でリフローされる。従って、燐の膜を帯びた錫を基材とする表面の約230℃を超える温度への最初の曝露は、接合作業である。
【0019】
1つの態様において、本発明の方法は、リード13(図1)を伴い、これは、例えば図2に示されるパッケージなど、リードを使用するあらゆる標準的な電子パッケージの一部分である。
【0020】
図1は、導電性の卑金属10および錫または錫合金コーティング11を有するリード13のある電子パッケージ14の部分断面図を示す。卑金属は、銅、銅合金、鉄、鉄合金または電子部品用途に適したその他の金属でよい。錫または錫合金コーティングは、金属の特性に耐食性およびはんだ付け性を付与するために施工される。使用される錫合金の例は、Sn−Bi、Sn−CuおよびSn−Agを含む。Snコーティング11は典型的には、封止の適用後、露出リード線10に施工される。しかしながら、任意に、Snコーティングは、プロセスのより前の段階で、すなわち図3に示すリード・フレーム30に適用される。
【0021】
本発明の1つの実施態様に従って処理されるタイプの電子パッケージは、図3に示すリード・フレーム30から部分的に製造される。電子デバイス33は、図1のパッケージ14を作出するカ封止化工程の前に、パッド31上に置かれ、ワイヤー・ボンド32によりリード13に接続される。
【0022】
他の態様において、本発明は図4に示す電子コネクタを含む。Snコーティングは通常、露出部分11に施工され、そして本発明に従って、これは、本発明の燐を含む組成物に接触させられる。
これらの図は概略図であり、種々の個別の層は、正確な縮尺で描かれていない。
本発明の一層の詳細は、以下の実施例で説明される。
【実施例1】
【0023】
錫を基材とする表面に覆われた銅板が、約10秒間、残余が脱イオン水である本発明の3つの異なる組成物中に浸漬された。

A − 1.2重量/容量%のオクチルホスホン酸、22容量%のエタノール
AA − 1.6重量/容量%のオクチルホスホン酸、0.2容量%のエタノール
AAA − 1.6重量/容量%のオクチルホスホン酸、0%のエタノール
【0024】
これらの板、および本発明に従った燐を基材とする組成物による処理を行っていない錫を基材とする表面に覆われた銅板を、85℃および85%の相対湿度(RH)の条件下で、スチーム・エージングに暴露した。サンプルはその後、以下のとおり変色(黄色がかった色)について観察し、ここでXは、変色が最初に観察された日までの日数である。
【0025】
[表1]
錫コーティングについての変色試験結果

【0026】
これらの結果は、本発明のA、AAおよびAAAの方法および組成物により、2ヶ月後であっても顕著な変色がなかったことを示している。
【実施例2】
【0027】
本発明の処理を行っていないめっきしたままの銅板、および約10秒間の浸漬により組成物Aによる本発明の処理を行った銅板の状態を写真に撮った。23日間の85℃/85%RHのスチーム・エージング後に撮影した写真を図5に示す。これらは、めっきしたままのサンプルには変色があり、本発明に従って処理されたサンプルに変色がないことを示している。
【実施例3】
【0028】
本発明の処理を行っていないめっきしたままの銅板、および10秒間の浸漬により組成物Aによる本発明の処理を行った銅板の状態を写真に取った。106日間の85℃/85%RHのスチーム・エージング後に撮影した写真を図6に示す。これらは、めっきしたままのサンプルには激しい腐食があり、本発明に従って処理されたサンプルには、その端にほんのわずかの変色しかないことを示している。
【実施例4】
【0029】
85℃および85%の相対湿度の条件下で18時間のスチーム・エージングを行った錫めっきされたサンプルについて、はんだぬれ性試験(共同工業規格[Joint Industry Standard] J-STD-002)を行った。ぬれ性試験の条件は、以下のとおりである:Sn63Pb37半田、235℃、R型非活性化型融剤。本発明の処理を行っていないめっきしたままのサンプルに対し行われた5回の試験の結果を図7Aに示す。これらの結果は、読み取り地が広く分散し、そして濡れ時間が長いことを示す(平均ゼロ交差時間、ZCT > 3.40秒)。
【0030】
本発明の処理(水に1.6重量/容量%のオクチルホスホン酸および0.2%エタノール)を行ったサンプルに対し行われた5回の試験の結果を図7Bに示す。これらの結果は、錫を基材とする表面の酸化が緩和されたことを示している。サンプルは、ぬれ時間のりが相対的に短く(平均ZCT=1.36±0.12秒)またスチーム・エージング後のり値の分散が狭いことを。従って、腐食抑制物質による処理は、錫を基材とする表面の湿潤性およびはんだ付け性を改善した。
【0031】
本発明は、上記の実施態様に限定されず、様々に変更することができる。好ましい実施態様の上記の説明は、当業者に本発明、その原理およびその実際の適用を熟知させ、その結果当業者が、特定用途の要件に最適となるような形で、本発明の数多くの形態に発明を適合および適用できるようにすることのみを意図している。
【0032】
この明細書全体(以下の請求項を含む)における「を包含する」または「を包含している」の用語の使用に関して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、それらの用語が排他的というよりむしろ包含的に解釈されるべきであるという原則および明確な了解のもとにそれらの用語が使用されており、それらの用語のそれぞれがこの明細書全体を解釈するにあたりそのように解釈されるべきであると意図されていることを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】封止された電子部品のための本発明により形成されたリードの断面図である。
【図2】電子パッケージの斜視図である。
【図3】リード・フレームの正面図である。
【図4】電気コネクタの斜視図である。
【図5】実施例において論じた試験片の写真である。
【図6】実施例において論じた別の試験片の写真である。
【図7A】実施例の試験データのグラフ表示の図である。
【図7B】実施例の試験データのグラフ表示の別の図である。
【符号の説明】
【0034】
10 導電性の卑金属
11 錫または錫合金コーティング
13 リード
14 電子パッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程からなる、錫を基材とする半製品表面の耐食性を向上させるための方法:
錫を基材とする表面を、ホスホン酸化合物と水を含む組成物と接触させ、錫を基材とするコーティング上に燐を基材とするフィルムを形成し、それにより錫を基材とする表面の腐食を抑制すること。
【請求項2】
ホスホン酸化合物が以下の式の構造を有する請求項1の方法:

上記式において、Rは、炭化水素基または置換炭化水素基であり、Hイオンは、ナトリウムまたはカリウムに置換されてホスホン酸塩となることができる。
【請求項3】
ホスホン酸化合物が以下の式の構造を有する請求項1の方法:

上記式において、Rは、長鎖の線状または分岐置換基であり、Hイオンは、ナトリウムまたはカリウムに置換されてホスホン酸塩となることができる。
【請求項4】
ホスホン酸化合物が、nが5から17の範囲にある 一般式CH(CH)nP(O)(OH)で表される請求項1の方法。
【請求項5】
ホスホン酸化合物がオクチルホスホン酸である請求項1の方法。
【請求項6】
前記組成物が以下の成分からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約30容量%未満の濃度の有機溶媒;および
水。
【請求項7】
前記組成物が以下の成分からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約5容量%未満の濃度の有機溶媒;および
水。
【請求項8】
前記組成物が以下の成分からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約30容量%未満の濃度のアルコール;および
水。
【請求項9】
前記組成物が以下の成分からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約5容量%未満の濃度のアルコール;および
水。
【請求項10】
前記組成物が以下の成分からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約30容量%未満の濃度のエタノール;および
水。
【請求項11】
前記組成物が以下の成分からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約5容量%未満の濃度のエタノール;および
水。
【請求項12】
前記組成物が有機溶媒を含まず、ホスホン酸化合物および水からなるものである請求項2乃至5のいずれかの方法。
【請求項13】
前記組成物が実質的にホスホン酸化合物および水からなる請求項2乃至5のいずれかの方法。
【請求項14】
前記組成物が実質的に以下からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約30容量%未満の濃度の有機溶媒;および
水。
【請求項15】
前記組成物が実質的に以下からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約5容量%未満の濃度の有機溶媒;および
水。
【請求項16】
前記組成物が実質的に以下からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約30容量%未満の濃度のアルコール;および
水。
【請求項17】
前記組成物が実質的に以下からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約5容量%未満の濃度のアルコール;および
水。
【請求項18】
前記組成物が実質的に以下からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約30容量%未満の濃度のエタノール;および
水。
【請求項19】
前記組成物が実質的に以下からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;
約5容量%未満の濃度のエタノール;および
水。
【請求項20】
前記組成物が有機溶媒を含まず、実質的に以下からなる請求項2乃至5のいずれかの方法:
ホスホン酸化合物;および
水。
【請求項21】
前記組成物が約0.01から約10%重量/容量の間の濃度のホスホン酸化合物を包含する請求項2乃至20のいずれかの方法。
【請求項22】
前記ホスホン酸化合物が、デシルホスホン酸、ビニルホスホン酸、およびカルボン酸部分を含むホスホン酸化合物からなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項23】
ホスホン酸化合物が二官能性の分子を包含する請求項1の方法。
【請求項24】
前記半製品が錫を基材とする表面を電子部品であり、そして前記方法が、電子部品の錫を基材とする表面をホスホン酸化合物および水を包含する組成物と接触させて錫を基材とする表面上に燐を基材とするフィルムを形成し、それにより錫を基材とする表面の腐食を抑制することからなる、請求項2乃至23のいずれかの方法。
【請求項25】
前記半製品が、はんだ付け作業においてはんだ付け可能な表面を提供するための錫を基材とする表面を有する電子部品であり、前記方法が、電子部品の錫を基材とする表面をホスホン酸化合物および水からなる組成物と接触させ、錫を基材とする表面上に燐を基材とするフィルム形成し、それにより錫を基材とする表面の腐食を抑制し、錫を基材とする表面の一部のリフローを伴うはんだ付け作業前の保管の間に電子部品の錫を基材とするコーティングのはんだ付け性を保持することからなる、請求項2乃至23のいずれかの方法。
【請求項26】
以下の成分からなる、半製品の錫を基材とする表面の耐食性を向上させるための組成物:
約0.01から約10%重量/容量の間の濃度の以下の式で表されるホスホン酸化合物:

上記式において、Rは、炭化水素基または置換炭化水素基であり、Hイオンは、ホスホン酸塩を生じるようナトリウムまたはカリウムで置換されることができる;
約30容量%までの濃度の有機溶媒;および
水。
【請求項27】
以下成分からなる、半製品の錫を基材とする表面の耐食性を向上させるための組成物:
約0.01から約10%重量/容量の間の濃度の、以下の式で表されるホスホン酸化合物:

上記式において、Rは、炭化水素基または置換炭化水素基であり、Hイオンは、ホスホン酸塩を生じるようナトリウムまたはカリウムで置換されることができる;および
水、ここで、前記組成物は有機溶媒を含まない。
【請求項28】
実質的に以下からなる、半製品の錫を基材とする表面の耐食性を向上させるための組成物:
約0.01から約10%重量/容量の間の濃度の、以下の式で表されるホスホン酸化合物:

上記式において、Rは、炭化水素基または置換炭化水素基であり、Hイオンは、ホスホン酸塩を生じるようナトリウムまたはカリウムで置換することができる;
有機溶媒の約30容量%までの濃度;および
水。
【請求項29】
実質的に以下からなる、半製品の錫を基材とする表面の耐食性を向上させるための組成物:
約0.01から約10%重量/容量の間の濃度の以下の式で表されるホスホン酸化合物:

上記式において、Rは、炭化水素基または置換炭化水素基であり、Hイオンは、ホスホン酸塩を生じるようナトリウムまたはカリウムで置換することができる;および
水、ここで前記組成物は、有機溶媒を含まないものである。
【請求項30】
ホスホン酸化合物がnが5から17の範囲にある一般式CH(CH)nP(O)(OH)を有する請求項26乃至29のいずれかの組成物。
【請求項31】
ホスホン酸化合物がオクチルホスホン酸である請求項26乃至29のいずれかの組成物。
【請求項32】
ホスホン酸化合物が、デシルホスホン酸、ビニルホスホン酸、およびカルボン酸部分を含むホスホン酸化合物からなる群から選択される請求項26乃至29のいずれかの組成物。
【請求項33】
ホスホン酸化合物が二官能性の分子を含む請求項26乃至29のいずれかの組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公表番号】特表2008−501861(P2008−501861A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515573(P2007−515573)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/019395
【国際公開番号】WO2005/121405
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(501407311)エントン インコーポレイテッド (36)
【Fターム(参考)】