説明

長手方向に折られたマスキング材からなるロール及び該ロールの形成方法

【課題】マスキング材のシートの一方の縁に沿ってテープを接着する種類のディスペンサーに使用されるコイル状の長手方向に折られたマスキング材からなるロールを提供する。
【解決手段】マスキング材(25)のロール(24)は、コイル状の細長いシート(85)を具備し、シート(85)は対向する第1および第2の細長い縁を有し、シートの長手方向に延在する部分の縁を形成する長手方向の折り目(87)を有する。シートの長手方向に延在する部分はシートのプリーツ状部分(90)を含み、プリーツ状部分の最も外側のもの(92,93)がラミネート(91)の対向する外側表面を形成する。プリーツ状部分(90)の少なくともいくつかの縁はロール(24)の第1の端(86)で略半径方向に整列して位置決めされ、プリーツ状部分(90)のシート材料の幅の少なくとも75パーセントは前記第1の端(86)からロール(24)の軸方向長さの2/3以内にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスキング材のシートの一方の縁に沿って一定の長さのテープを接着する種類のディスペンサーに使用する長手方向に折られたマスキング材からなるロールに関し、テープは、マスキング材のシートの縁を過ぎて延在して長手方向に感圧接着剤に覆われた部分を有し、それによって、テープおよびマスキング材の複合材料は、例えば、ペンキを塗っている間に、表面に接着してその表面をマスキングすることができ、マスキング材のそのようなロールを作る方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、マスキング材のシートの一方の縁に沿って一定の長さのテープを接着する種類のディスペンサーに使用されるコイル状の長手方向に折られたマスキング材からなるロールが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。このテープは、マスキング材のシートの縁を過ぎて延在して長手方向に感圧接着剤に覆われた部分を有し、それによって、テープおよびマスキング材の複合材料は、例えば、ペンキを塗っている間に、表面に接着しその表面をマスキングすることができる。特許文献1は、外側の第1のプリーツ状部分の内側表面に沿って、その外側プリーツ状部分上のシートの縁からマスキング材の内側の第2のプリーツ状部分の縁用の間隔あけを記載し且つ請求している。この間隔あけは、テープが外側プリーツ状部分に接着しているときにテープの感圧接着剤が内側プリーツ状部分に接触するのを制限し、一方、第2のプリーツ状部分は、シートの第1の縁に隣接する第1のプリーツ状部分を支持し、テープおよびマスキング材が排出装置から引っ張られてテープおよびマスキング材の複合材料を形成するときに、テープの感圧接着剤がマスキング材にしっかり係合するのを確実にする。
【特許文献1】米国特許第5,113,921号
【特許文献2】米国特許第5,628,866号
【特許文献3】米国特許第4,990,214号
【特許文献4】米国特許第5,667,626号
【特許文献5】米国特許第4,913,767号
【特許文献6】米国特許第4,989,769号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、マスキング材のシートの一方の縁に沿って一定の長さのテープを接着する種類のディスペンサーに使用されるコイル状の長手方向に折られたマスキング材からなるロールを提供し、テープは、マスキング材のシートの縁を過ぎて延在して長手方向に感圧接着剤に覆われた部分を有し、それによって、テープおよびマスキング材の複合材料は、例えば、ペンキを塗っている間に、表面に接着しその表面をマスキングすることを可能にする。ロールは、テープがマスキング材に接着しているときにテープの感圧接着剤がロールのプリーツ状部分に接触するのを制限しながら、テープが貼られるマスキング材の部分に対する支持を提供し、テープおよびマスキング材が排出装置から引っ張られてテープおよびマスキング材の複合材料を形成するときに、テープの感圧接着剤がマスキング材にしっかり係合するのを確実にする特許文献1に記載の別の新規の方法で折られることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
明細書に記載される本発明によるマスキング材からなるロールの一定の実施形態は、コイル状の細長い薄い可撓性のあるシートを具備し、このシートは、長手方向の折り目を有して、シートの細長い縁とともに、シートの長手方向に延在する部分の縁を形成する。シートのこれらの長手方向に延在する部分は、シートのプリーツ状部分を含み、その各々は、ロールの軸に略平行な対向する主面を有し、そのプリーツ状部分は、主面に対する重ね合わされた主面であり、これによりラミネートを形成し、重ね合わされたプリーツ状部分の最も外側のものが、ラミネートの対向する外側表面を形成する。重ね合わされたプリーツ状部分の少なくともいくつかの縁は、ロールの第1の端に略半径方向に整列して位置する。シートの長手方向に延在する部分は、さらに、ロールの第1の端で一方の最も外側のプリーツ状部分の縁からロールの第1の端で半径方向に整列した縁に沿って半径方向に延在する第1の半径方向の部分と、シートの第1の細長い縁を有し、第1の半径方向の部分が取り付けられている最も外側のプリーツの反対側の第1の半径方向の部分の縁からロールの第2の端へ向けてラミネートの外側表面に沿って短い距離を延在する第1の遠位部分と、を含む。
【0005】
第1の半径方向の部分が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分は、ラミネートの最も外側の重ね合わされたプリーツ状部分の他方からロールの半径方向に内側に配置され、そのため、テープは、第1の遠位部分に貼られ、これは、マスキング材のシートに取り付けられるべきテープの部分の幅を超えるロールの軸方向に幅を有するべきである。
【0006】
あるいは、第1の半径方向の部分が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分は、ラミネートの最も外側のプリーツ状部分の他方からロールの半径方向に外側に配置されることができ、そのため、テープは、第1の半径方向の部分が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分の一部に沿って貼られる。
【0007】
シートの細長い縁は、互いから完全に分離されることができるか、または長手方向に間隔をおいた場所で互いに分離可能に取り付けられることができるかであり、そのため、テープおよびマスキング材の複合材料が支持体に取り付けられるときにまたは取り付けられた後に、熟練工はこれらの縁を分離する。細長い縁のそのような分離可能な接着は、テープが取り付けられるときに長手方向に折られたシートの縁の位置を確実にするのを補助する。縁のそのような接着は、接着の間のスリットまたは穴によって形成される縁の長さ方向に沿って間隔をおいた一連の接着によって設けることができ、または、縁を形成するマスキング材に刻み目を入れ、接着でまたは刻み目に沿って容易に裂くかまたは分離することができるようにすることによって設けることができる。そのような分離を補助するために、一方の縁を有するプリーツ状部分は、任意に、縁の反対側のロールの端からわずかに遠くに突出することができ、そのため、熟練工はその突出する部分に沿ってこれを容易に把持して縁をそのように分離することができる。分離可能に取り付けられた縁を備えた折られたマスキング材を形成する新規な方法は、まず、公知の押出および空気圧延伸技術によってポリマー材料製の細長いチューブを形成し、次いで、チューブの長さ方向に沿った弱線を形成し(たとえば、飛ばしスリット入れ装置または刻み目入れ装置または間隔をおいた開口の線を形成する装置によって)、次いで、シートを長手方向に折ってコイル状にして、その長手方向の縁に沿って接着でマスキング材からなるロールを形成する。
【0008】
また、あるいは、ラミネートのプリーツ状部分は、ロールの第2の端で略半径方向に整列したプリーツ状部分の少なくともいくつかの縁に位置することができ、シートの長手方向に延在する部分は、上記ロールの第2の端で半径方向に整列した縁に沿って半径方向にロールの第2の端で一方の最も外側のプリーツ状部分の縁から延在する第2の半径方向部分と、シートの上記細長い縁の一方を有し、第2の半径方向の部分が取り付けられている最も外側のプリーツの反対側の第1の半径方向の部分の縁からロールの第1の端へ向けてラミネートの外側表面に沿って短い距離を延在する第2の遠位部分と、含むことができる。この構成によって、たとえば、特許文献1に記載のディスペンサーかまたは特許文献2に記載のディスペンサーを使用して、マスキング材のシートの縁の一方または両方に沿ってテープを貼ることができる。
【0009】
長手方向の縁がないコイル状の細長い薄い可撓性のあるシート(すなわち、シート材料のチューブを平らにすることによって形成される)を具備し、このシートは、シートの長手方向に延在する部分の縁を形成する長手方向折り目を有するマスキング材からなるロールの実施形態を設けることもできる。シートのこれらの長手方向に延在する部分は、シートのプリーツ状部分を含み、その各々は、ロールの軸に略平行な対向する主面を有し、そのプリーツ状部分は、主面に対する重ね合わされた主面であり、これによりラミネートを形成し、重ね合わされたプリーツ状部分の最も外側のものが、ラミネートの対向する外側表面を形成する。重ね合わされたプリーツ状部分の少なくともいくつかの縁は、ロールの第1の端に略軸方向に整列して位置する。シートの長手方向に延在する部分は、さらに、ロールの第1の端で一方の最も外側のプリーツ状部分の縁の間でロールの第1の端で半径方向に整列した縁に沿って半径方向に延在する第1の半径方向部分を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面の図1を参照すると、本発明によるマスキング材25のロール24の第1の実施形態を使用して、一方の縁に沿って取り付けられた一定の長さの感圧接着剤塗布テープ21を有するシートマスキング材25を排出するのに使用される排出装置またはディスペンサー10が示される。ディスペンサー10は、特許文献3に記載された種類であり、その一実施形態は、ミネソタ州セントポールのミネソタマイニングアンドマニュファクチャリング社が、「HandMasker」登録商標M3000ディスペンサーの商品名で販売している。一般に、このディスペンサー10は、ハブ支持フレーム部材13とディスペンサーを操作するために手動係合するのに採用されたハンドル14とを含むポリマーフレーム12を含む。第1および第2のハブ15および16は、間隔をおいた略平行な軸17、18を中心にして回転するようにハブ支持フレーム部材13に装着される。
【0011】
第1のハブ15(特許文献4に、より十分に記載される)は、テープ21のロール20を受け取り、ロール20から引き出された一定の長さのテープ21の第1の縁22を、第1および第2のハブ15および16に対して軸方向に第1の所定の位置に位置するように適合され、その引き出された一定の長さのテープ21の反対側の第2の縁はフレーム12を越えて突出する。第2のハブ16は、マスキング材25のロール24を受け取り、マスキング材25のロール24の第1の端26を、第1および第2のハブ15および16に対して軸方向に第2の所定の位置に位置するように適合され、一定の長さのテープ21の幅は、第1の位置から第2の位置を越えて延在し、マスキング材25のロール24は第2の位置から第1の位置を越えて延在する。一定の長さのテープ21の第1の縁22に沿った一定の長さのテープ21の一部、および、マスキング材25のロール24の第1の端26に沿った一定の長さのマスキング材25の一部は、両方とも、これらの第1の位置と第2の位置との間に位置する。
【0012】
ディスペンサー10は、テープ21のロール20から、一定の長さのテープ21の第1の縁22に沿った一定の長さのテープ21の一部がマスキング材25のロール24の第1の端26に沿った一定の長さのマスキング材25の一部に取り付けられるマスキング材25のロール24の周縁へ、一定の長さのテープ21の経路を画定するガイドピン27を含む手段を含む。テープ21がそのようにマスキング材25のロール24の周縁に沿ってマスキング材25に接着することによって、複合マスキングシート材料28を形成し、一定の長さのテープ21および一定の長さのマスキング材25の第2の縁によって形成される対向する縁と、複合マスキングシート材料28の一方の主面に沿って一定の長さのテープ21で第2の縁に沿って感圧接着剤のコーティングの露出した部分と、を有し、接着剤のコーティングの露出した部分が、マスキングされるべき表面に沿って取り付けられて、複合マスキングシート28を所望の位置に保持することができる。
【0013】
フレーム12は、装置10上の通路を形成し、それを通って、マスキング材25のロール24の周縁で形成された複合マスキングシート材料28の供給から複合マスキングシート材料28を引くことができる。ディスペンサー10は、薄い金属ブレード30(たとえば、0.018インチ厚さのシート鋼から作られる)を具備する喰切り刃アセンブリを含む。金属ブレード30は、その長さ方向に沿って湾曲して略J字型断面を有する接着部分34を含み、フレーム12の部材35に着脱自在に取り付けられる。喰切り刃30は、ハブ15、16の軸17、18に略平行に延在し、通路の第1の側を形成する。ディスペンサー10のユーザは、ブレード30に含まれる一列の同様に間隔をおいた歯36のまわりのロール24から引っ張られている複合マスキングシート材料28に手で張力をかけることができる。歯36は、次いで、複合マスキングシート材料28がディスペンサー10から引き離されるときに、張力をかけられた複合マスキングシート材料28を突き刺し、歯36に沿ってブレード30の切刃に沿って横方向に切断する。
【0014】
ブレード30の歯36は、特許文献5に記載された歯に形状が類似しており、この特許に記載された方法で作ることができる。歯36の先端は、シート材料28が歯36にわたって引っ張られるときに、複合マスキングシート材料28を突き刺すことができ、さらに、複合マスキングシート材料28に加えられた張力は、複合マスキングシート材料28が歯36に沿って切刃によって完全に切断されるまで、歯36を複合マスキングシート材料28に貫通させる。特許文献6に記載されているもの等のブレードガード(図示せず)を使用して、ディスペンサー10の使用者をブレード30の歯36から保護することができる。
【0015】
図2から最も良くわかるように、ロール24のマスキング材25は、ポリマー材料のコイル状の細長い薄い可撓性のあるシートであり(たとえば、0.01ミリメートル厚さのポリエチレンであり、幅は12〜144インチすなわち30〜366センチメートルであり、これに、少量の酸化チタンが加えられ、マスキング材25を冷却する)、このマスキング材25は長手方向折り目37を有し、これは、シート25の細長い完全に分離した長手方向縁38とともに、シート25の長手方向に延在する部分の縁を形成する。シート25のこれらの長手方向に延在する部分は、シート25のプリーツ状部分40を含み、その各々は、ロール24の軸に略平行な対向する主面を有し、そのプリーツ状部分40は、主面に対する重ね合わされた主面であり、ラミネート41を形成し、重ね合わされたプリーツ状部分40の最も外側のもの42、43が、ラミネート41の対向する外側表面を形成する。重ね合わされたプリーツ状部分40の少なくともいくつかの縁は、ロール24の第1の端26に略半径方向に整列して位置する。
【0016】
シート25の長手方向に延在する部分は、さらに、ロール24の第1の端26で一方の最も外側のプリーツ状部分42の縁からロール24の第1の端26で半径方向に整列した縁に沿って且つこれに接触して半径方向に延在する第1の半径方向の部分44と、シート25の細長い縁28の一方を有し、第1の半径方向の部分44が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分42の反対側の第1の半径方向の部分44の縁からロール24の第2の端47へ向けてラミネート41の外側表面に沿って短い距離を延在する第1の遠位部分45と、を含む。第1の半径方向の部分44が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分42は、ラミネート41の他方の最も外側の重ね合わされたプリーツ状部分43からロール24の半径方向に内側に配置され、そのため、テープ21は、第1の遠位部分45に貼られ、これは、マスキング材のシート25に取り付けられるべきテープ21の部分の幅を超えるロール24の軸方向の幅を有するべきである。例示のように、ラミネート41のプリーツ状部分40は、最も外側のプリーツ状部分42、43の間に2つの内側プリーツ状部分47も含み、この内側プリーツ状部分47は、ロール24のほぼ全長を延在する。あるいは、ロール24はそのようなプリーツ状部分47の一方のみを含んでもよく、まったく含まなくてもよく、または、例示されたものとは異なる追加内側プリーツ状部分47を1つ、2つまたはそれ以上含んでもよい。
【0017】
あるいは、図3に例示されるように、長手方向に折られたマスキング材25は巻かれることができ、本発明によるマスキング材からなるロールの第2の代替実施形態を形成し、第1の半径方向の部分44が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分42は、ラミネート41の最も外側のプリーツ状部分43の他方からロール24の半径方向に外側に配置され、そのため、上述のようにテープがディスペンサー10に使用されるときには、テープ21は、図示のように、第1の半径方向の部分44が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分43の一部に沿って貼られる。
【0018】
また、図4、5に例示されるように、折られたマスキング材25aの第1および第2の長手方向縁38aは、分離可能な接着手段によって一緒に分離可能に取り付けられることができ、これらの縁38aは、図4、5に例示されるように位置する(図4、5において、図1、2および3を参照して上記に説明した特徴に対応する折られたマスキング材25aの構造的特徴は、接尾辞「a」を加えた同一の参照符号で識別される)。そのような分離可能な接着手段は、たとえば、長さ約1/16インチすなわち0.16センチメートルであり、接着の間のスリットによって一定の長さの縁38aに沿って約1インチごとすなわち2.5センチメートルごとの間隔あけの接着によって設けることができ、この接着は、管状押出機によって作られたマスキング材25のチューブに飛ばしてスリットを入れることによって形成される。
【0019】
あるいは、そのような分離可能な接着は、そのような接着の間の一連の穴によって設けられてもよく、または、マスキング材に刻み目を入れ、その刻み目線に沿って容易に裂くことができるようにすることによって設けられてもよい。そのような分離可能な接着手段は、マスキング材25aの長手方向縁38aを形成し、テープ21がディスペンサー10によって貼られるときに折られたマスキング材25aの縁38aの間の適切な相対配向を確実にするように補助する。テープ21がディスペンサー10によって貼られた後に、ディスペンサー10を使う熟練工は、複合マスキング材28aのテープが支持体に取り付けられるときにまたはその後に、分離可能な接着手段に沿ってこれらの縁38aを容易に分離することができる。そのような分離を補助するために、縁38aの一方を有するプリーツ状部分43aは、図4、5に例示されるように、任意に、縁38aの反対側のロールの端からわずかに遠くへ(たとえば、1インチすなわち2.54センチメートル)突出することができ、そのため、熟練工は、その突出する部分に沿って容易に把持して、縁38aをそのように分離することができる。
【0020】
図4、5を参照して上記に説明した折られたマスキング材25aは、押出機49を使用する既知の押出および空気圧延伸技術によってポリマー材料の細長いチューブ48をまず形成する、図11に概略的に例示された方法によって作ることができる。このチューブ48は次いで、従来の公知の方法でスリットを入れられて長手方向に折られ、図1、2および3に例示される折られたマスキング材25を形成する。しかし、図11に例示されるように、弱線50が装置51によって(たとえば、飛ばしスリット入れ装置または刻み目入れ装置または間隔をおいた開口の線を形成する装置によって)その長さ方向に沿って形成され、チューブ48は次いで、従来の折り目入れ構造物52によって長手方向折られてコイル状にされ、図4、5に関連して説明したように、長手方向縁38aに沿った接着を備えたマスキング材25aのロールが形成される。
【0021】
マスキング材25または25aがテープ21によって支持体上に取り付けられた後に最も外側になるマスキング材25または25aの表面にコロナ処理を施すことが好適である。そのようなコロナ処理は、マスキング材のその表面に表示(たとえば「ペンキ塗りたて」等)を容易に印刷し、マスキング材のその表面にペンキをより容易に接着することができる。チューブの外側表面は、コロナ処理をして(従来のように)、図3および5に例示された折られたマスキング材を形成することができるが、図1、2または4に例示された折られたマスキング材を形成するためには、チューブの内側表面はコロナ処理されなければならないか、または、チューブの表面は、その外側表面がコロナ処理された後に、逆にされなければならない。
【0022】
図6、7および8は、本発明によるマスキング材からなるロールの第5の代替実施形態を形成するのに使用することができるポリマー材料のコイル状の細長い薄い可撓性のあるシート55用の代替長手方向の折り目パターンを例示する。シート55は、長手方向の折り目57を有し、シート55の細長い縁58とともに、シート55の長手方向に延在する部分の縁を形成する。シート55のこれらの長手方向に延在する部分は、シート55のプリーツ状部分60を含み、その各々は、ロールの軸に略平行な対向する主面を有し、そのプリーツ状部分60は、主面に対する重ね合わされた主面であり、ラミネート61を形成し、重ね合わされたプリーツ状部分60の最も外側のもの62、63および64が、ラミネート61の対向する外側表面を形成する。重ね合わされたプリーツ状部分60の少なくともいくつかの縁は、ロールの第1の端56に略軸方向に整列して位置する。
【0023】
シート55の長手方向に延在する部分は、さらに、ロールの第1の端56で一方の最も外側のプリーツ状部分62の縁からロールの第1の端56で半径方向に整列した縁に沿って且つこれに接触して半径方向に延在する第1の半径方向の部分64と、シート55の細長い縁58の一方を有し、第1の半径方向の部分64が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分62の反対側の第1の半径方向の部分64の縁からロールの第2の端67へ向けてラミネート61の外側の表面に沿って短い距離を延在する第1の遠位部分65と、を含む。例示のように、第1の半径方向の部分64が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分62は、ラミネート61の他方の最も外側の重ね合わされたプリーツ状部分63からロールの半径方向に内側に配置され、そのため、テープ21は、第1の遠位部分65に貼られ、これは、マスキング材のシート55に取り付けられるべきテープ21の部分の幅を超えるロールの軸方向に幅を有するべきである。ラミネートのプリーツ状部分も、ロールの第2の端67で略半径方向に整列したプリーツ状部分60の少なくともいくつかの縁と共に位置決めされ、シート55の長手方向に延在する部分はさらに、ロールの第2の端67で一方の最も外側のプリーツ状部分64の縁から上記ロールの第2の端67で半径方向に整列した縁に沿って且つこれに接触して半径方向に延在する第2の半径方向の部分69と、シートの細長い縁58の一方を有し、第2の半径方向の部分69が取り付けられている最も外側のプリーツ64の反対側の第1の半径方向の部分70の縁からロールの第1の端56へ向けてラミネート61の外側表面に沿って短い距離を延在する第2の遠位部分70と、を含む。
【0024】
この構成によって、たとえば、特許文献2に記載の排出装置または特許文献3に記載の排出装置のいずれかを使用することによって図6、7および8に例示されているように、マスキング材のシート55の縁58の一方または両方に沿ってテープ21を貼ることができる。例示のように、ラミネート61は、最も外側のプリーツ状部分62、63および64の間に2つの内側プリーツ状部分77も含み、この内側プリーツ状部分77は各々が、ロールの全長のほぼ半分を延在する。あるいは、ロールは、例示されたものとは異なる追加内側プリーツ状部分77を4つまたはそれ以上含んでもよい。
【0025】
あるいは、マスキング材55の長手方向に折られたシートはロールに巻かれることができ、第1および第2の半径方向の部分64および69が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分62および64は、ラミネート61の最も外側のプリーツ状部分63の他方からロールの半径方向に外側に配置され、そのため、一定の長さのテープ21は、半径方向の部分64および67が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分64および67の一部に沿って貼られる。
【0026】
図9は、本発明によるマスキング材からなるロールのポリマー材料のコイル状の細長い薄い可撓性のあるシート85用の第3の代替長手方向の折り目パターンを例示する。シート85は、長手方向の折り目87を有し、シート85の細長い縁88とともに、シート85の長手方向に延在する部分の縁を形成する。シート85のこれらの長手方向に延在する部分は、シート85のプリーツ状部分90を含み、その各々は、ロールの軸に略平行な対向する主面を有し、そのプリーツ状部分90は、主面に対する重ね合わされた主面であり、ラミネート91を形成し、重ね合わされたプリーツ状部分90の最も外側のもの92、93が、ラミネート91の対向する外側表面を形成する。重ね合わされたプリーツ状部分90の少なくともいくつかの縁は、ロールの第1の端86に略軸方向に整列して位置する。シート85の長手方向に延在する部分は、さらに、ロールの第1の端86で一方の最も外側のプリーツ状部分92の縁からロールの第1の端86で半径方向に整列した縁に沿って且つこれに接触して半径方向に延在する第1の半径方向の部分94と、シート85の細長い縁88の一方を有し、第1の半径方向の部分94が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分92の反対側の第1の半径方向の部分94の縁からロールの第2の端97へ向けてラミネート91の外側表面に沿って短い距離を延在する第1の遠位部分95と、を含む。
【0027】
例示のように、第1の半径方向の部分94が取り付けられている最も外側のプリーツ状部分92は、ラミネート91の他方の最も外側の重ね合わせられたプリーツ状部分93からロールの半径方向に内側に配置され、そのため、テープ21は、第1の遠位部分95に貼られ(たとえば、上述のディスペンサー10によって)、これは、マスキング材のシートに取り付けられるべきテープ21の部分の幅を超えるロールの軸方向に幅を有するべきである。例示のように、ラミネート91も、最も外側のプリーツ状部分92、93の間に8つの内側プリーツ状部分107a、107bを含み、この内側プリーツ状部分は6つの内側プリーツ状部分107aを含み、その各々が、ロールの第1の端86からロールの全長よりも大幅に少なく(たとえば、約2/3)延在する。ロールの第1の端86に隣接する短くされたプリーツ状部分107bを使用することによって、すべてが本質的にロールの全体的な軸方向長さに延在するプリーツ状部分から形成される同一の幅のラミネートに長手方向に折られた同一の材料、厚さおよび長手方向縁の間の全体的長さのシート材料を切断するのに比べて、上述のディスペンサー10(すなわち「HandMasker」登録商標M3000ディスペンサー)の刃30でラミネート91を切断する人が必要とする力の量およびパターンに大幅な改良を提供する。
【0028】
一般に、ディスペンサー10によって貼られたテープ21を備えたラミネート91は、テープ21が貼られた縁に沿ってこれを把持し、テープ21に隣接する歯36で始まるブレード30の歯36に沿って切刃に切断係合するように、これを順次引くことによって切断される。シート材料88のラミネート91を歯36との順次切断係合に引くために加えられる力は、ラミネート91の初期切断中に最も容易に加えられるが、これは、ラミネート91の反対側の端に沿って切断が発生するときよりも、力がシート材料88から歯36に沿って切刃に且つブレード30の切刃に、より直接的に加えられるからである。ラミネート91の反対側の端に沿って切断が発生するときには、複合マスキング材28に順次切断を発生させるために加えられる力は、ラミネート91の新たに切断された縁を横方向に横切って加えられ、そのため、加えられた力のいくらかは、ラミネート91を延伸し、且つ/または、これを離層するために失われる。同一厚さのシート材料の所与の幅用に、ラミネート91を切断することは、切断されるべきシート材料の幅のより高い割合がロールの第1の端86に隣接して位置する場合、より容易である。
【0029】
ラミネート91を形成するプリーツ状部分のシート材料88の幅の少なくとも65パーセント、よりよくは75パーセント以上、好ましくは80パーセント以上が、第1の端86からロールの長さの2/3以内にあるべきである。ラミネートを形成するプリーツ状部分のシート材料の幅の上述の割合が、ラミネートの切断が開始する第1の端からロールの長さの2/3以内にあるように折られる場合、切断のこの改良は、米国特許第5,113,921号に記された方法でラミネートを作るように長手方向に折られたシート材料にも設けられる。
【0030】
図10は、平らなチューブの形態のポリマー材料製のコイル状の細長い薄い可撓性のあるシートであるマスキング材125のロールの代替実施形態を例示する(たとえば、2層に平らにされるときには、厚さ0.005〜0.002ミリメートル、幅12〜144インチすなわち30〜366センチメートルの高密度ポリエチレンのチューブに、少量の酸化チタンが加えられる)。マスキング材125は、シート125の長手方向に延在する部分の縁を形成する長手方向折り目137を有する。シート125のこれらの長手方向に延在する部分は、シート125のプリーツ状部分140を含み、各々がロールの軸に略平行な対向する主面を有し、このプリーツ状部分140は、主面に対する重ね合わされた主面であり、ラミネート141を形成し、重ね合わされたプリーツ状部分140の最も外側のもの142が、ラミネート141の対向する外側表面を形成する。重ね合わされたプリーツ状部分140の少なくともいくつかの縁は、ロールの第1の端126に略軸方向に整列して位置する。シート125の長手方向に延在する部分は、さらに、最も外側のプリーツ状部分142の縁の間のロールの第1の端126で半径方向に整列した縁に沿って且つこれに接触して半径方向に延在する半径方向の部分144含む。
【0031】
例示のように、ラミネート141のプリーツ状部分140も、最も外側のプリーツ状部分142、143の間に2つの内側プリーツ状部分147を含み、この内側プリーツ状部分147は、ロールのほぼ全長を延在する。あるいは、ラミネート141は、そのような内側プリーツ状部分147をまったく含まなくてもよく、または、例示されたものとは異なる追加内側プリーツ状部分147を2つ、4つまたはそれ以上含んでもよい。シート125は、例示のように、その一方の縁に沿って貼られる(たとえば、ディスペンサー10によって)テープ21を有することができ、その後、テープ21によって支持体に沿って取り付けられ、広げられて、支持体上を延在する2層のマスキング材125を提供することができる。
【0032】
本発明は、数種類の実施形態およびその可能な変更を参照して説明してきた。本発明の範囲から逸脱することなく説明された実施形態に変更が行えることは当業者には明らかである。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された構造物に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の文言およびその等価物によって説明される構造物によってのみ限定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明にかかるマスキング材からなるロール及び該ロールの形成方法は、マスキング材を生産し、及び使用する産業分野において広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるマスキング材からなるロールの第1の実施形態が装着される排出装置またはディスペンサーの斜視図である。
【図2】図1に示されるマスキング材からなるロールからマスキング材の折られた長さを例示する図1の線2−2に沿って取られた拡大欠切図であり、その一定の長さのマスキング材に図1のディスペンサーによって一定の長さのテープが貼られている。
【図3】図2にほぼ対応する拡大図であり、本発明によるマスキング材からなるロールの第2の実施形態からのマスキング材の折られた長さを例示し、この一定の長さのマスキング材に図1のディスペンサーによって一定の長さのテープが取り付けられている。
【図4】図2にほぼ対応する拡大欠切図であり、本発明によるマスキング材からなるロールの第3の実施形態からのマスキング材の折られた長さを例示し、この一定の長さのマスキング材に図1のディスペンサーによって一定の長さのテープが取り付けられている。
【図5】図2に対応する図であり、本発明によるマスキング材からなるロールの第4の実施形態からのマスキング材の折られた長さを例示し、この一定の長さのマスキング材に図1のディスペンサーによって一定の長さのテープが取り付けられている。
【図6】図2にほぼ対応する図であり、本発明によるマスキング材からなるロールの第5の実施形態からのマスキング材の折られた長さを例示し、これらの図は、それぞれ、一定の長さのマスキング材の、第1の縁に沿って、第2の縁に沿って、両方の縁に沿って、貼られたテープを示す。
【図7】図2にほぼ対応する図であり、本発明によるマスキング材からなるロールの第5の実施形態からのマスキング材の折られた長さを例示し、これらの図は、それぞれ、一定の長さのマスキング材の、第1の縁に沿って、第2の縁に沿って、両方の縁に沿って、貼られたテープを示す。
【図8】図2にほぼ対応する図であり、本発明によるマスキング材からなるロールの第5の実施形態からのマスキング材の折られた長さを例示し、これらの図は、それぞれ、一定の長さのマスキング材の、第1の縁に沿って、第2の縁に沿って、両方の縁に沿って、貼られたテープを示す。
【図9】図2にほぼ対応する拡大図であり、本発明によるマスキング材からなるロールの第6の実施形態からのマスキング材の折られた長さを例示し、この一定の長さのマスキング材に図1のディスペンサーによって一定の長さのテープが取り付けられている。
【図10】図2にほぼ対応する拡大図であり、本発明によるマスキング材からなるロールの第7の実施形態からのマスキング材の折られた長さを例示し、この一定の長さのマスキング材に図1のディスペンサーによって一定の長さのテープが取り付けられている。
【図11】図4、5に例示されたマスキング材からなるロールを製造するための本発明による方法を概略的に例示する図である。
【符号の説明】
【0035】
10:ディスペンサー、 12:ポリマーフレーム、 13:ハブ支持フレーム部材、 14:ハンドル、 15,16:ハブ、 17、18:軸、 20:ロール、 21:感圧接着剤塗布テープ、 22:第1の縁、 24:ロール、 25:マスキング材、 26:第1の端、 28:複合マスキングシート材料、 30:金属ブレード、 36:歯、 37:長手方向折り目、 38:長手方向縁、 40:プリーツ状部分、 41:ラミネート、 42、43:プリーツ状部分、 44:第1の半径方向の部分、 47:第2の端、 45:第1の遠位部分、 47:内側プリーツ状部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸と、軸方向に間隔をおいた第1および第2の端とを有する、テープと組み合わせて使用されるマスキング材からなるロールであって、マスキング材の前記ロールは、コイル状の細長いシートを具備し、前記シートは、対向する第1および第2の細長い縁を有し、前記細長い縁とともに前記シートの長手方向に延在する部分の縁を形成する長手方向の折り目を有し、前記シートの前記長手方向に延在する部分は、前記シートのプリーツ部分を含み、その各々は前記軸に略平行な対向する主面を有し、前記プリーツ部分は、主面に対する重ね合わされた主面であり、これによりラミネートを形成し、前記重ね合わされたプリーツ部分の最も外側のものが、前記ラミネートの対向する外側表面を形成し、前記シートの前記第1の細長い縁は前記ロールの前記第1の端にあり、前記重ね合わされたプリーツ部分の少なくともいくつかの縁は、前記ロールの前記第1の端で略半径方向に整列して位置決めされ、前記シートの前記第1の細長い縁を支持し、前記縁の間に前記ラミネートを形成する前記プリーツ部分の前記シート材料の幅の少なくとも75パーセントは、前記第1の端から前記ロールの軸方向長さの2/3以内にある、マスキング材からなるロール。
【請求項2】
軸と、軸方向に間隔をおいた第1および第2の端とを有する、テープと組み合わせて使用されるマスキング材からなるロールであって、マスキング材の前記ロールは、コイル状の細長いシートを具備し、前記シートは、対向する第1および第2の細長い縁を有して前記縁を手で分離することができるように弱線に沿って結合されており、前記細長い縁とともに前記シートの長手方向に延在する部分の縁を形成する長手方向の折り目を有する、マスキング材からなるロール。
【請求項3】
テープと組み合わせて使用されるマスキング材からなるロールを形成するための方法であって、
長手方向軸を有するポリマー材料製の細長いチューブを押し出すステップと、
前記チューブに沿って長手方向に弱線を形成して、マスキング材のシートに手で分離することができる第1および第2の細長い縁を形成するステップと、
ポリマー材料製の前記チューブを長手方向に折り曲げて、前記細長い縁とともに、前記シートの長手方向に延在する部分の縁を形成するステップと、
前記長手方向に折り曲げられたチューブを前記ロール内にコイル状にするステップと、
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−46315(P2009−46315A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299681(P2008−299681)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【分割の表示】特願2001−504831(P2001−504831)の分割
【原出願日】平成11年10月27日(1999.10.27)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】