説明

長鎖ポリエーテルポリオール

本発明は、ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、約500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールを提供する。本発明の長鎖ポリエーテルポリオールは、軟質ポリウレタンフォームおよび非発泡ポリウレタンを提供するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してポリエーテルポリオール、およびより詳細には、ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、約500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールに関する。
【背景技術】
【0002】
長い間、環状エーテルがカリウムイオンを強く錯化することは知られてきた。クラウンエーテルは1960年代にCharles Pedersonにより発見され、および1987年、彼はその努力の成果についてノーベル賞を受賞した。金属イオンを強く錯化する環状エーテルの能力は、多くの科学的研究を導いてきた。不幸にも、クラウンエーテルは製造困難であり、高価であり、かつ毒性が強いため、広範な商業的用途を見出されていなかった。恐らく、クラウンエーテルが最初に発見されたために、多くの当業者らは非環状ポリエーテルが有する強い錯化能力を見落としてきた。その利点のなかには、入手容易、低コスト、およびエチレンオキシドのポリマーおよびオリゴマーは非毒性であるので、食品添加剤としての使用が許容されうるという事実がある。
【0003】
長鎖ポリオールのKOH触媒によるアルコキシル化の速度向上のためのポリエチレングリコール(「PEG」)の使用の概念は、当該分野で既知である(Mihail Ionescu、Viorica Zugravu、Ioana MihalacheおよびIon Vasileによる「Synthesis of Polyether Polyols for Flexible Polyurethane Forms with Complexed Counter-Ion」、Cellular Polymers IV, International Conference, 4th、シュルーズベリー(英国)、1997年6月5日〜6日、Paper 8、1-8. 編者: Buist, J. M.参照)。
【0004】
本願と同一出願人による同日付け米国特許出願:名称「ポリオキシエチレン含有化合物の存在下での塩基触媒によるアルコキシル化」(弁護士整理番号PO8708、米国特許出願第11/315,517号)は、長鎖ポリエーテルの塩基触媒によるアルコキシル化においてキレート化剤として作用するポリオキシエチレン含有添加剤についての分子量依存性を開示する。
【0005】
第二の本願と同一出願人による同日付け米国特許出願:名称「非直鎖ポリオキシエチレン含有化合物の存在下での塩基触媒によるアルコキシル化」(弁護士整理番号PO8709、米国特許出願第11/315,639号)は、長鎖ポリエーテルの塩基触媒によるアルコキシル化のためのキレート化剤として、それから製造される軟質フォームに対して悪影響を与えない非直鎖状の少なくとも3官能性のポリオキシエチレン含有添加剤を開示する。
【0006】
最後に、第三の本願と同一出願人による同日付け米国特許出願:名称「硬質ポリウレタンフォーム用短鎖ポリエーテルポリオール」(弁護士整理番号PO8707、米国特許出願第11/315,531号)は、短鎖ポリエーテルのアルコキシル化におけるキレート化剤としてのポリオキシエチレン含有添加剤を開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、長鎖ポリエーテルポリオールの塩基触媒による製造におけるキレート化剤として作用するポリオキシエチレン含有開始剤を使用し、したがって、ポリオキシエチレン含有添加剤の添加の必要性を排除することにより、それらの教示から発展している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明は、ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、約500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールを提供する。
本発明のポリオールは、軟質ポリウレタンフォームおよび非発泡ポリウレタンを提供するのに使用することができる。
【0009】
本発明のこれらのおよび他の利点および利益は、以下の本発明の詳細な説明から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を限定する目的ではなく、説明する目的で記載する。実施例を除いて、または他に示さない限り、本明細書中に示された量、百分率、OH価、官能価などの全ての数は、いずれの場合も、用語「約」によって修飾されていると理解すべきである。本明細書中に示される当量および分子量は、他に示さない限り、それぞれ数平均当量および数平均分子量である。
【0011】
本発明は、ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールを提供する。
【0012】
本発明は、ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することを含む、500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールの製造方法をさらに提供する。
【0013】
さらに、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、
ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールとの、
必要に応じて発泡剤、界面活性剤、他の架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの少なくとも1つの存在下での、
反応生成物から製造される、ポリウレタンフォームを提供する。
【0014】
また、本発明は、少なくとも1つのポリイソシアネートと、
ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールとを、
必要に応じて発泡剤、界面活性剤、他の架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの少なくとも1つの存在下、
反応させることを含む、ポリウレタンフォームの製造方法を提供する。
【0015】
ここで、本発明者による「長鎖」ポリエーテルポリオールは、500 g/モルを超える、好ましくは500〜50,000 g/モル、より好ましくは1,000〜30,000 g/モル、および最も好ましくは1,000〜8,000 g/モルの数平均分子量を有するポリエーテルポリオールを意味する。本発明の長鎖ポリエーテルポリオールの分子量は、これらの値の任意の組合せの間の範囲内(引用した値を含む)にある量であり得る。
【0016】
本発明の長鎖ポリエーテルポリオールは、塩基触媒反応により製造される。この反応の一般的条件は、当業者によく知られている。塩基触媒は、当該分野において既知の任意の塩基触媒でよい。より好ましくは、該塩基触媒は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムのうちの1つであり、最も好ましくは、該塩基触媒は、水酸化カリウムである。
【0017】
本発明に有用なポリオキシエチレン含有開始剤は、ポリエーテルポリオール用のスターターとして有用であることが当業者に既知の任意の低分子量アルコール、アミン、ジオール、ジアミン、ポリオールまたはポリアミンを(エチレンオキシドまたはエチレンオキシドを含有するオキシドの混合物のいずれかで)アルコキシル化することより製造される500 g/モル未満の分子量を有するポリオキシエチレン含有ポリエーテルポリオールである。これらとしては、例えば、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノール等が挙げられる。
【0018】
本発明に有用なポリオキシエチレン含有スターターは、好ましくは、ポリオールの製造に使用される現在のスターターと同じ分子量で製造され得る。したがって、ポリオキシエチレン含有促進剤は、開始剤中に直接的に構築される。このアプローチは、上記同一出願人の3つの出願に教示されているように、アルコキシル化の前にポリオキシエチレン含有添加剤の添加の必要性を排除する。これらの開始剤は、長鎖ポリエーテルの重量に基づいて、0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%および最も好ましくは2〜7重量%のポリオキシエチレン含量を有する長鎖ポリエーテルポリオールを生じるのに十分なポリオキシエチレンを含有する。ポリオキシエチレン含有スターターは、開始剤により与えられる最終ポリオキシエチレン含量がこれらの値の任意の組合せの間の範囲内(引用した値を含む)になるような量で含有され得る。
【0019】
開始剤をアルコキシル化して本発明の長鎖ポリエーテルポリオールを製造するのに有用なアルキレンオキシドとしては、限定されないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、およびより高級のアルキレンオキシド(例えば、C5-C30 α-アルキレンオキシド)が挙げられる。プロピレンオキシド単独またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドまたは別のアルキレンオキシドとの混合物が好ましい。他の重合可能なモノマー、例えば、米国特許3,404,109、3,538,043および5,145,883(これらの内容は、参照により全体として本明細書中に援用される)に開示されるような無水物および他のモノマーも同様に使用できる。
【0020】
本発明の長鎖ポリエーテルポリオールは、好ましくは、必要に応じて発泡剤、界面活性剤、架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの1つ以上の存在下、ポリイソシアネートと反応して軟質ポリウレタンフォームを製造することができる。
【0021】
適当なポリイソシアネートは、当業者に既知であり、およびこれらとしては、非変性イソシアネート、変性ポリイソシアネート、およびイソシアネートプレポリマーが挙げられる。このような有機ポリイソシアネートとしては、例えば、W. SiefkenによりJustus Liebigs Annalen der Chemie、562、75〜136頁に記載されるようなタイプの、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、およびヘテロ環式ポリイソシアネートが挙げられる。このようなイソシアネートの例としては、式:
Q(NCO)n
〔式中、nは2〜5、好ましくは2〜3の数であり、およびQは脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。〕
で表されるものが挙げられる。
【0022】
適当なイソシアネートの例としては以下のものが挙げられる:
エチレンジイソシアネート;1,4-テトラメチレンジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート;1,12-ドデカンジイソシアネート;シクロブタン-1,3-ジイソシアネート;シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネート、およびこれらの異性体混合物;1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート;独国特許公告公報1,202,785および米国特許3,401,190);2,4-および2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体混合物;ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水素化MDIまたはHMDI);1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート;2,4-および2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体混合物(TDI);ジフェニルメタン-2,4’-および/または-4,4’-ジイソシアネート(MDI);ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート;トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート;アニリンをホルムアルデヒドと縮合し、続いてホスゲン化することにより得られ得るタイプのポリフェニル-ポリメチレン-ポリイソシアネート(クルードMDI、これらは、例えば、英国特許GB 878,430およびGB 848,671に記載されている);ノルボルナンジイソシアネート、例えば、米国特許3,492,330に記載されているもの;米国特許3,454,606に記載されるタイプのm-およびp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート;例えば、米国特許3,227,138に記載されるタイプの過塩素化アリールポリイソシアネート;米国特許3,152,162に記載されるタイプのカルボジイミド基含有変性ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,394,164および3,644,457に記載されるタイプのウレタン基含有変性ポリイソシアネート;例えば、英国特許GB 994,890、ベルギー国特許BE 761,616、およびオランダ国特許NL 7,102,524に記載されるタイプのアロファネート基含有変性ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,002,973、独国特許1,022,789、1,222,067および1,027,394、および独国特許出願公開1,919,034および2,004,048に記載されるタイプのイソシアヌレート基含有変性ポリイソシアネート;独国特許1,230,778に記載されるタイプの尿素基含有変性ポリイソシアネート;例えば、独国特許1,101,394、米国特許3,124,605および3,201,372、および英国特許GB 889,050に記載されるタイプのビウレット基含有ポリイソシアネート;例えば、米国特許3,654,106に記載されるタイプの、短鎖重合反応により得られるポリイソシアネート;例えば、英国特許GB 965,474およびGB 1,072,956、米国特許3,567,763、および独国特許1,231,688に記載されるタイプのエステル基含有ポリイソシアネート;独国特許1,072,385に記載されるような上記イソシアネートとアセタールとの反応生成物;および米国特許3,455,883に記載されるタイプのポリマー脂肪酸基含有ポリイソシアネート。また、商業規模でのイソシアネートの製造において蓄積する、必要に応じて1以上の上記ポリイソシアネート中の溶液の状態の、イソシアネート含有蒸留残渣を使用することもできる。当業者は、上記ポリイソシアネートの混合物を使用できることも認識する。本発明のポリウレタンフォームにおいて特に好ましくは、2,4-および2,6-トルエンジイソシアネートおよびこれらの異性体混合物(TDI)である。
【0023】
また、プレポリマーを、本発明のフォームの製造に用いることもできる。プレポリマーは、過剰の有機ポリイソシアネートまたはそれらの混合物と、KohlerによりJournal of the American Chemical Society、49、3181(1927)に記載された、よく知られたツェレビチノフ試験により決定される少量の活性水素含有化合物とを反応させることにより製造することができる。これらの化合物およびそれらの製造方法は、当業者に既知である。任意の1つの特定の活性水素化合物の使用は重要ではない。任意のこのような化合物を本発明の実施に用いることができる。
【0024】
本発明のポリウレタン形成処方物中に必要に応じて含有される適当な添加剤としては、例えば、安定剤、触媒、セル調整剤、反応抑制剤、可塑剤、充填剤、架橋剤または増量剤、発泡剤等が挙げられる。
【0025】
本発明のフォーム形成方法に適当であると考えられる安定剤としては、例えば、ポリエーテルシロキサン、好ましくは水に不溶性であるものである。これらのような化合物は、通常、比較的短鎖のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーがポリジメチルシロキサン残基に結合した構造のものである。このような安定剤は、例えば、米国特許2,834,748、2,917,480および3,629,308に記載されている。
【0026】
本発明のフォーム形成方法に適当な触媒としては、当該分野で既知のものが挙げられる。これらの触媒としては、例えば、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチル-ジエチレントリアミンおよびより高級の相同体(例えば、独国特許出願公開DE-A 2,624,527および2,624,528に記載されるもの)、1,4-ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン、N-メチル-N’-ジメチル-アミノエチルピペラジン、ビス-(ジメチルアミノアルキル)ピペラジン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジエチル-ベンジルアミン、ビス-(N,N-ジエチルアミノエチル)アジペート、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-ブタンジアミン、N,N-ジメチル-β-フェニルエチルアミン、1,2-ジメチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、単環式および二環式アミン並びにビス-(ジアルキルアミノ)アルキルエーテル、例えば2,2-ビス-(ジメチルアミノエチル)エーテルが挙げられる。
【0027】
本発明のポリウレタンフォームを製造するのに使用し得る他の適当な触媒としては、例えば、有機金属化合物、特に有機錫化合物が挙げられる。適当であると考えられる有機錫化合物としては、硫黄含有有機錫化合物が挙げられる。このような触媒としては、例えば、ジ-n-オクチル錫メルカプチドが挙げられる。他のタイプの適当な有機錫触媒としては、好ましくはカルボン酸の錫(II)塩、例えば、錫(II)アセテート、錫(II)オクトエート、錫(II)エチルヘキソエートおよび/または錫(II)ラウレート等、および錫(IV)化合物、例えば、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジクロリド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエートおよび/またはジオクチル錫ジアセテート等が挙げられる。
【0028】
発泡助剤(例えば、二酸化炭素等)を使用できるけれども、好ましくは、水が本発明にしたがって製造されるフォームにおいて単独の発泡剤として使用される。水はイソシアネート成分と反応して二酸化炭素ガスおよびアミン部分(これは、ポリイソシアネートとさらに反応して尿素骨格基を形成する)を化学的に形成することにより、発泡剤として作用する。
【0029】
本発明の軟質ポリウレタンフォームに必要に応じて含有される適当な添加剤のさらなる例は、例えば、Kunststoff-Handbuch、volume VII、Vieweg & Hochtlen編、Carl Hanser Verlag、ミュンヘン(1993年)、第3版、104〜127頁中に見出すことができる。これらの添加剤の使用および作用機構についての関連する詳細は、その中に記載されている。
【実施例】
【0030】
本発明を、限定されないが、以下の実施例によってさらに説明する。「部」および「%」で与えられる全ての量は、他に示さない限り、重量基準であると理解される。実施例において、以下の材料を使用した:
【0031】
ポリオールA:4重量%のKOHを含有する、350 mg KOH/gのヒドロキシル価を有するプロポキシル化グリセリンに基づくポリエーテルポリオール開始剤;
ポリオールB:2.2重量%のKOHを含有する、200 mg KOH/gのヒドロキシル価を有するプロポキシル化ソルビトールに基づくポリエーテルポリオール開始剤;
ポリオールC:グリセリン1モル当たり約8.8モルのエチレンオキシドを用いてグリセリンをエトキシル化することにより製造された、4重量%のKOHを含有し、約350 mg KOH/gのヒドロキシル価を有するポリオキシエチレン含有ポリエーテルポリオール開始剤;
ポリオールD:最初にグリセリン1モル当たり約4.4モルのエチレンオキシド、次いで、グリセリン1モル当たり約3.4モルのプロピレンオキシドを用いてグリセリンをエトキシル化することにより製造された、4重量%のKOHを含有し、約350 mg KOH/gのヒドロキシル価を有するポリオキシエチレン含有ポリエーテルポリオール開始剤。
【0032】
本発明の概念は、エチレンオキシドキャップト成形フォームトリオール(16%のエチレンオキシドキャップを有する、約31.5 mg KOH/gのヒドロキシル価を有するグリセリン-ソルビトールベースのポリエーテル)の合成に適用された。
【0033】
〔実施例C-1〕
この比較例において、60%のポリオールA(120 g)および40%のポリオールB(80 g)から、290 mg KOH/gのヒドロキシル価を有する出発混合物を調製した。この混合物を1Lのポリエーテルポリオール反応器に充填し、および37 mg KOH/gの最終ヒドロキシル価まで二段階でプロポキシル化した。最初の段階において、200 gの出発混合物を、反応器中に窒素を流しながら、真空(約0.5 psia)下、105℃にて加熱した。30分後、窒素供給を停止し、および真空バルブを閉じることによって、真空を反応器中にブロックした。プロピレンオキシド(400 g)を、40 psiaの反応器圧力を維持するのに十分な速度で反応器中に供給した。400 gの供給を完了するのに必要とされた時間を測定し、そして、これを使用して、プロポキシル化の第一段階についての供給速度(g/分)を算出した。
【0034】
反応混合物を、圧力が定常状態値に達することにより明らかとなるような、プロピレンオキシドが消費されるまで105℃にて撹拌を続けた。反応器の内容物を引き抜き、そして、200 gのこの生成物を反応器中に戻した。第二段階において、322 gのプロピレンオキシドを、温度および圧力の同条件下(詳細は上記)、この材料に供給するのに必要とされた時間、したがって、97 mg KOH/gから37 mg KOH/gまでヒドロキシル価が低下する時間を決定し、そして同様に、これを使用して、オキシド供給速度を決定した。
【0035】
〔実施例2および3〕
実施例2および3の長鎖ポリエーテルを、出発混合物のポリオールAをポリオールC(実施例2)またはポリオールD(実施例3)のいずれかに置き換えた以外は実施例C-1について上記した手順にしたがって製造した。
【0036】
これらのポリオキシエチレン含有スターターの各々を含有する出発混合物のプロポキシル化速度を、標準のスターター混合物(実施例C-1)についてのプロポキシル化速度と比較した。プロポキシル化速度を、105℃にて、プロポキシル化の両方の段階について決定した。各段階の終了時の各試料中のポリオキシエチレン含量を、アルコキシル化の二つの段階の各々の間のプロポキシル化速度とともに、以下の表Iにまとめる。
【0037】
表Iを参照してよく理解できるように、ポリオキシエチレン含有スターター、ポリオールC(実施例2)およびポリオールD(実施例3)は、アルコキシル化の最初の部分において、コントロールよりも高いプロポキシル化速度を与えた。最も劇的な実施例において、プロポキシル化速度は、2.39 g/分(実施例C-1)から、実施例2においてポリオールC(この供給の終了時にて14.7%の総ポリオキシエチレン含量)から製造された長鎖ポリエーテルポリオールについての3.57 g/分まで上昇した。ポリオールD(この供給の終了時にて約7%のポリオキシエチレン含量)を使用する実施例3におけるスターター中のエチレンオキシドのより低いレベルにて、3.03 g/分の供給速度は、コントロールの速度2.39 g/分よりも、なお顕著に高かった。
【0038】
〔実施例C4、C5、6、および7〕
ポリオキシエチレン含有ポリエーテルポリオール開始剤(ポリオールCおよびD)を、大規模にて、スターターとして評価した。5ガロンのポリエーテルポリオール反応器中で、60%のポリオールAおよび40%のポリオールBから出発混合物を調製した。この出発混合物(ヒドロキシル価290 mg KOH/g)を、反応器中に窒素を流しながら、真空(約0.5 psia)下、105℃にてストリッピングした。30分後、窒素供給を停止し、および真空バルブを閉じることによって、真空を反応器中にブロックした。混合物を、一段階で、105℃にて、37 mg KOH/gの最終ヒドロキシル価までプロポキシル化した。プロピレンオキシドを、7時間供給(実施例C-4)または5時間供給(実施例C-5)のいずれかを与えるのに十分な一定の速度で供給した。プロポキシル化の間、反応器圧力を監視し、およびピーク圧力を記録した。
【0039】
プロポキシル化に続いて、ポリオールを、31.5 mg KOH/gの理論ヒドロキシル価まで第二工程(117℃)においてエトキシル化した。類似した手順を使用して、5時間の供給時間を使用することにより、本発明の長鎖ポリエーテルポリオールを製造した。ここでは、出発混合物中のポリオールAを、ポリオールC(実施例6)またはポリオールD(実施例7)のいずれかに置き換えた。観察された圧力は、プロポキシル化の間の遊離プロピレンオキシド濃度を示した。同じ供給時間でのより低い圧力は、より低いプロピレンオキシド濃度に対応し、およびより高い反応性を示す。ポリオキシエチレン含有スターター(ポリオールCおよびD)は、5時間の供給時間にて、5時間(実施例C-5)および7時間(実施例C-4)のコントロールにおいて観察された圧力の間の圧力を与えた。これは、出発混合物中にポリオキシエチレン含有開始剤を有しない比較例よりも高い反応性を示す。プロポキシル化に続いて、長鎖ポリオールを、C-4およびC-5について使用した手順と類似した手順で、31.5 mg KOH/gのヒドロキシル価までエトキシル化した。
【0040】
各々のポリオールの物性を表IIにまとめる。ポリオキシエチレン含有スターターを使用して製造された長鎖ポリエーテルポリオールが、成形ポリウレタンフォームにおけるそれらの有用性に悪影響を与える特性プロフィールを有することを示す兆候はなかった。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
本発明の上記の実施例は、本発明を制限する目的ではなく、例示の目的で提供される。本明細書に記載された実施態様は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、種々の方法で変形または修正され得ることは当業者には明らかである。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって判定すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、約500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項2】
ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、少なくとも約0.5重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項3】
ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、約1重量%〜約10重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項4】
ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、約2重量%〜約7重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項5】
ポリオキシエチレン含有開始剤を製造するためのスターターが、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノール、およびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項6】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α-アルキレンオキシドおよびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項7】
アルキレンオキシドが、プロピレンオキシド、またはエチレンオキシドのブロックが続くプロピレンオキシドのブロックである、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項8】
塩基触媒が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムから選択される、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項9】
塩基触媒が水酸化カリウムである、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項10】
約500 g/モル〜約50,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項11】
約1,000 g/モル〜約30,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項12】
約1,000 g/モル〜約8,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項1に記載の長鎖ポリエーテルポリオール。
【請求項13】
ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することを含む、約500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールの製造方法。
【請求項14】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、少なくとも約0.5重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、約1重量%〜約10重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、約2重量%〜約7重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
ポリオキシエチレン含有開始剤を製造するためのスターターが、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノール、およびそれらの混合物から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α-アルキレンオキシドおよびそれらの混合物から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
アルキレンオキシドが、プロピレンオキシド、またはエチレンオキシドのブロックが続くプロピレンオキシドのブロックである、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
塩基触媒が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
塩基触媒が水酸化カリウムである、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約500 g/モル〜約50,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約1,000 g/モル〜約30,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約1,000 g/モル〜約8,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つのポリイソシアネートと、
ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、約500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールとの、
必要に応じて発泡剤、界面活性剤、他の架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの少なくとも1つの存在下での、
反応生成物を含んでなる、軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項26】
少なくとも1つのポリイソシアネートが、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-および2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水素化MDIまたはHMDI)、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4’-および/または-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、ポリフェニル-ポリメチレン-ポリイソシアネート(クルードMDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-およびp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、過塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、尿素変性ポリイソシアネート、ビウレット含有ポリイソシアネート、イソシアネート末端プレポリマーおよびそれらの混合物から選択される、請求項23に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項27】
少なくとも1つのポリイソシアネートが、2,4-および2,6-トルエンジイソシアネートおよびそれらの混合物(TDI)から選択される、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項28】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、少なくとも約0.5重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項29】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、約1重量%〜約10重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項30】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、約2重量%〜約7重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項31】
ポリオキシエチレン含有開始剤を製造するためのスターターが、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノール、およびそれらの混合物から選択される、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項32】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α-アルキレンオキシドおよびそれらの混合物から選択される、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項33】
アルキレンオキシドが、プロピレンオキシド、またはエチレンオキシドのブロックが続くプロピレンオキシドのブロックである、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項34】
塩基触媒が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムから選択される、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項35】
塩基触媒が水酸化カリウムである、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項36】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約500 g/モル〜約50,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項37】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約1,000 g/モル〜約30,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項38】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約1,000 g/モル〜約8,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項25に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項39】
少なくとも1つのポリイソシアネートと、
ポリオキシエチレン含有開始剤によりキレート化された少なくとも1つのカチオンを有する塩基触媒の存在下、ポリオキシエチレン含有開始剤をアルキレンオキシドでアルコキシル化することにより製造される、約500 g/モルを超える数平均分子量を有する長鎖ポリエーテルポリオールとを、
必要に応じて発泡剤、界面活性剤、他の架橋剤、増量剤、顔料、難燃剤、触媒および充填剤のうちの少なくとも1つの存在下、
反応させることを含む、軟質ポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項40】
少なくとも1つのポリイソシアネートが、エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、シクロブタン-1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、2,4-および2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート(水素化MDIまたはHMDI)、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン-2,4’-および/または-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、ポリマージフェニルメタンジイソシアネート(PMDI)、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、トリフェニル-メタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、ポリフェニル-ポリメチレン-ポリイソシアネート(クルードMDI)、ノルボルナンジイソシアネート、m-およびp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、過塩素化アリールポリイソシアネート、カルボジイミド変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、アロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、尿素変性ポリイソシアネート、ビウレット含有ポリイソシアネート、イソシアネート末端プレポリマーおよびそれらの混合物から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つのポリイソシアネートが、2,4-および2,6-トルエンジイソシアネートおよびそれらの混合物(TDI)から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、少なくとも約0.5重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、約1重量%〜約10重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
長鎖ポリエーテルポリオールが、ポリオキシエチレン含有開始剤によって与えられた、約2重量%〜約7重量%(長鎖ポリエーテルポリオールの重量に基づく)のポリオキシエチレン含量を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
ポリオキシエチレン含有開始剤を製造するためのスターターが、C1-C30モノオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、α-メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ヒドロキシメチルグルコシド、ヒドロキシプロピルグルコシド、スクロース、N,N,N’,N’-テトラキス[2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル]エチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシノール、およびそれらの混合物から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、1,2-および2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、C5-C30 α-アルキレンオキシドおよびそれらの混合物から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
アルキレンオキシドが、プロピレンオキシド、またはエチレンオキシドのブロックが続くプロピレンオキシドのブロックである、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
塩基触媒が、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウムおよび水酸化セシウムから選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項49】
塩基触媒が水酸化カリウムである、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約500 g/モル〜約50,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項51】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約1,000 g/モル〜約30,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項52】
長鎖ポリエーテルポリオールが、約1,000 g/モル〜約8,000 g/モルの数平均分子量を有する、請求項39に記載の方法。

【公表番号】特表2009−521555(P2009−521555A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547365(P2008−547365)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/048039
【国際公開番号】WO2007/075482
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】