閉じたサンプリング回路を有する側流ガス・サンプリングシステム
本発明の目的は、従来の側流ガス・サンプリング装置の欠点を克服する側流ガス・サンプリング装置100を提供することである。本発明は、ガス・サンプリング回路および再利用可能なエレメントのセットを有する側流ガス・サンプリング装置を提供する。このガス・サンプリング回路は、ガス・サンプルを、ガスの主要な流れからサンプル分析エリアを通して運び、かつそのガス・サンプルを分析されたガスの宛先へ排出する。再使用可能なコンポーネントは、ガス・サンプルをガス・サンプリング回路を通して取り除くための起動力を提供し、かつガス・サンプルに接触しないながらも、ガス・サンプリング装置のための分析コンポーネントを提供する。このように、再使用可能なコンポーネントは、ガス・サンプルにより汚染されず、かつ適用される間で、清浄にする、または殺菌する必要がない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条第(e)の規定により、その内容が本明細書に参照として組み入れられている、米国仮特許出願第60/818,769号(2006年7月6日出願)の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、ガス・サンプリングシステムの起動コンポーネントおよび/または分析コンポーネントに対して閉じたガス・サンプリング回路を有する側流ガス・サンプリングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ガス分析装置は、医療用途を含む多くのアプリケーションに有用である。ガス分析装置の医療用途の具体例は、カプノグラフおよびオキシグラフ(oxygraphy or oxigraphy)を含む。カプノグラフとは、患者の息の二酸化炭素(CO2)測定のことを言う。オキシグラフとは、患者の息の酸素(O2)測定のことを言う。これらの測定は、患者の健康に関して有用な情報を提供することができる。加えて、(一酸化窒素のような)治療のガス、(ハロタンのような)麻酔薬および(典型的に、百万分の一(ppm)のレベルまたは十億分の一(ppb)のレベルで存在する一酸化窒素および一酸化炭素のような)診断目的に使用される微量ガスを含むその息の他のガスも、医療用の目的のためにモニタ可能である。息の中の微量物質は、患者の血液中の物質の濃度を反映することができる。
【0004】
カプノグラフにより提供される情報は、例えば、医療用の処置、特に、一般の麻酔インシデントの検出中に発生する可能性があるインシデントを検出するために使用される。加えて、カプノグラフにより提供される情報は、例えば、心停止または呼吸停止のような臨床的なイベント中に使用される。実際、カプノグラフは、リアルタイムで、心停止中の蘇生努力の効果に関する情報を提供できる。このように、カプノグラフは、医療用の処置中、患者生命徴候の長期のモニタリング中、臨床的なイベント中、および他の医療用途中の、複数の医療用途を有する。
【0005】
オキシグラフもまた、複数の医療用途を有する。オキシグラフは、呼吸ごとに、生体臓器内の酸素の概略の濃度を測定し、かつ減少する肺胞の酸素濃度に起因する切迫低酸素血症を素早く検出することができる。例えば、呼吸低下中に、呼吸終期の酸素濃度は、呼吸終期の二酸化炭素よりさらに急激に変化する。同じ条件中、パルス酸素測定は、応答するのにかなり長くかかる。
【0006】
オキシグラフは、さらに、低血糖症の、または敗血症のショック、空気塞栓症、異常高熱、過度のPEEP、CPPR効能、および心停止さえ診断するのに効果があることが示された。麻酔中、オキシグラフは、前酸素化(脱窒素)のルーチンモニタを提供する際、有用である。それは、人的エラー、機器の故障、および断線を検出することにより、特に、患者の安全性に寄与する。その全体が参照により本明細書に組込まれている、論文(M. Weingarten著、タイトル「二酸化炭素および酸素の呼吸モニタリング:10年の展望(Respiratory monitoring of carbon dioxide and oxygen: a ten-year perspective) (J. Clin.Monit.1990 July 6(3):217−25))は、患者の息の二酸化炭素および酸素をモニタするアプリケーションのいくつかを強調する。
【0007】
典型的に、ガス分析のためのガスをサンプリングする二つの主な方法がある。第一の方法は、呼吸ガス流の範囲内に位置するサンプル部位で、一種類のガスまたは複数種類のガス(例えば、患者の息)の濃度を測定する、主流ガス分析(すなわち、分流しないガス分析)である。例えば、人工呼吸器で治療を受けている患者は、人工呼吸器と患者間でガスの流れを伝える彼または彼女の口腔から延在する患者回路を有する。主流ガス分析器は、患者回路内の一種類のガスまたは複数種類のガスの濃度を測定する。
【0008】
ガス分析のためのガスをサンプリングする他の主な方法は、側流ガス分析(すなわち、分流するガス分析)である。側流ガス分析は、ガスをサンプル部位から離れた位置に移送し、かつ移送されたサンプル内の一種類以上のガスの濃度を遠隔位置で測定する。例えば、患者が人工呼吸器によって治療を受けている場合、ダイバータ/アダプタは、患者回路を通って進むガスの一部を取り除きかつそのガスを患者から或る距離離れた位置のガス測定デバイスまで移送するために、患者回路に結合される。そのサンプル内の一種類以上のガスの濃度は、次に、ガス測定デバイスにより、測定可能であり、かつ次に、このガス・サンプルは、廃棄可能である。
【0009】
側流ガス分析器の性質は、それらのコンポーネント・パーツに関して或る要求を課す。主流ガス分析器と同様に、側流ガス分析器は、分析コンポーネント(例えば、分光)およびサンプル・チェンバを含まなければならない。ガスは、サンプル・チェンバに移送され、かつガス濃度は、分析機器を使用して測定される。多くの場合、サンプル内のこれらのガス(例えば、CO2、O2、麻酔薬、等)の濃度を測定するために、関心のあるガスの赤外吸収を使用する、分光分析機器を用いる。
【0010】
側流ガス分析器は、また、例えば、サンプル部位からガス・サンプルを吸い込む負圧をつくるためのポンプのような装置を含むことができる。加えて、側流ガス分析器は、サンプリング装置内の圧力を測定するために圧力測定デバイスを含むことができる。サンプリング装置内の圧力に関する情報は、サンプリング装置内の圧力が、サンプル内のガスによる赤外線放射の吸収に関して有する効果を測定および/または補正するために、有用である可能性がある。圧力測定は、また、サンプリング装置のサンプリング・チューブ系および他のコンポーネント内の圧力降下または他の変動を記録し、および/または補償するために、有用である可能性がある。圧力測定に対する他の使用もまた、存在する。
【0011】
さらに、側流ガス分析器は、サンプリング装置を通したガスの流れを測定するために、流量測定デバイスを含むことが可能である。サンプリング装置内の流れに関する情報は、様々な負荷条件のもとで、サンプリング装置内の一定の流量を維持するようにポンプを調整するまたは調節するために使用可能である。一定の流量は、それが要求される補償を単純化するので、ガス濃度を長時間にわたって測定する時、望ましい可能性がある。サンプリング装置内のより一定でない流れも、また、使用可能であるが、追加の補償計算を要求する。流量情報は、他の目的にも有用である可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
いくつかの環境において、サンプルされたガスは、側流ガス分析器による分析の後、患者回路内に一定の経路で送ることが可能である。このことは、時々、例えば、患者回路に再導入することにより大事に使われることが可能な高価な麻酔薬が、患者に使用される状況において、行われる。加えて、患者のサンプルされたガスは、しばしば、汚染物質(例えば、粘液、血液、薬剤、または他のマテリアル)を含む。これらのマテリアルを患者回路内に一定の経路で送ることは、時々、これらの汚染物質を含む分析されるサンプルを配置するための実行可能なオプションと考えられる。
【0013】
しかし、分析されるガスを患者回路内に典型的な側流ガス分析器を使用して一定の経路で送る場合、内側のカプノメータ部分の汚染を防止するために注意が払われるべきである。典型的な側流ガス分析器において、サンプルされたガスは、ポンプ部分、圧力測定部分、流量測定部分、チューブ系、排水器、および/またはカプノメータの他の部分と接触する。側流ガス分析器が、複数の患者に使用される場合、患者は、サンプルされたガスが、排気口への接続、またはそれらをクリアに保つためのサンプリング・ラインのパージングを介して、一定の経路で患者回路内に送られる場合、相互汚染からのリスクに晒される可能性がある。これらの部分の多く(例えば、ポンプ、圧力変換器、流量計、分光機器、または他の複雑な部分)が、相対的に複雑なので、それらを交換するコストは、性能の低下または汚染物質に対する過度の露出からの吸蔵に起因して、大きくなる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明の目的は、従来の側流ガス・サンプリング装置の欠点を克服する側流ガス・サンプリング装置を提供することである。本目的は、ガス・サンプルに接触するガス・サンプリング回路を有し、かつガス・サンプリング回路においてガス・サンプルと接触する或るコンポーネントを有する側流ガス・サンプリング装置を提供することによって、本発明の一実施例により達成される。この構成は、ガス・サンプル内に存在する可能性が或る汚染物質による、ガスに接触しないコンポーネントの汚染を防止し、このことにより適用される間でこれらのコンポーネントの相互汚染、吸蔵、および性能低下の可能性を最小にする。この構成は、ガスに接触するコンポーネントが、ガスに接触しないコンポーネントが次の測定において再使用される間に、簡単に交換されるので、側流ガス・サンプリング装置の製造、オペレーション、および/またはメンテナンスのコストを減少させることができる。
【0015】
本発明のさらなる目的は、従来の側流ガス・サンプリング方法の欠点を克服する、ガスの主流の流れから採られたガス・サンプルの1つまたはそれより多くの成分の濃度を測定する方法を提供することである。この目的は、ガス・サンプルをガスの主流の流れから取り除くこと、そのガス・サンプルをサンプル分析器領域にサンプル移送チューブを介して移送すること、サンプル分析器領域におけるガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性を測定することを含む方法を提供することによって、本発明の一実施例により達成される。
【0016】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴および特性、並びに、オペレーション方法および構造の関連したエレメントおよび部分の組合せの機能、および製造の経済性は、その全てが本明細書の一部を形成する添付図面に関して以下の記載および添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになるであろう。ここで、同じ参照番号は、さまざまな図において対応する部分を示す。図面が例示および記載のためにだけあっておよび本発明の制限の定義として意図されないことは、明白に理解されるべきである。本明細書においておよび本請求項において使われるように、冠詞の単数形(「a」、「an」および「the」)は、コンテクストが明らかに他を表さない限り、複数形も含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の1つの観点は、ガス・サンプルに接触するガス・サンプリング回路およびガス・サンプリング回路においてガス・サンプルと接触する再使用可能なコンポーネントのセットを有する側流ガス・サンプリング装置を提供する。この構成は、ガス・サンプル内の汚染物質による再使用可能なコンポーネントの汚染を防止し、かつ複数の患者または複数の患者適用される間の再使用可能なコンポーネントの相互汚染を防止する。この構成は、再使用可能なコンポーネントの製造、オペレーション、および/またはメンテナンスのコストを減少させることができる。
【0018】
図1Aは、本発明の代表的な実施例に従う、ガス・サンプリング装置100を示す。ガス・サンプリング装置100は、エアウエー・アダプター101、チューブ系セット103、サンプル・セル105、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、排気口115、コントロール・センタ117、および/または他のエレメントを含む。
【0019】
図1Bは、ガス・サンプリング回路102を示し、および図1Cは、ガス・サンプリング装置100において使用される再使用可能なコンポーネント104を示す。ガス・サンプリング回路102は、ガス・サンプルに接触するガス・サンプリング装置100のコンポーネントの全てを含むことができる。例えば、ガス・サンプリング回路102は、エアウエー・アダプター101、チューブ系セット103、サンプル・セル105、および排気口115を含むことができる。再使用可能なコンポーネント104は、ガス・サンプルに接触しないガス・サンプリング装置の、例えば、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、コントロール・センタ117、および/または他のコンポーネントのような、これらのコンポーネントを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施例の場合、ガス・サンプリング回路102は、使い捨てとすることが可能である。したがって、ガス・サンプリング回路102のコンポーネントは、一人の患者の用途に適するように製造することが可能であろう。このように、ガス・サンプリング回路102を備えるガス・サンプリング装置100の相対的に単純なおよび/または安価な部分は、患者間で捨てることができ、一方、再使用可能なコンポーネント104を備える相対的に複雑および/または高価なコンポーネントは、適用される間の相互汚染の心配無しに、他の患者と使いまわしすることができる。
【0021】
他の実施例の場合、ガス・サンプリング回路102は、使い捨てする必要がないが、容易におよび/または繰り返して、清浄にする、または殺菌することが可能である。ガス・サンプリング回路102を備えるコンポーネントのみが、繰り返される殺菌または清浄のために製造される必要があり、一方、再使用可能なコンポーネント104を備えるコンポーネントは、繰り返される殺菌または清浄に耐える必要はない(例えば、それらは、製造し、使用し、維持するために、より安価である可能性がある、および/またはより長くもつ可能性がある)ので、このことは、ガス・サンプリング装置100の複雑さ、製造コスト、および/またはオペレーション・コストを減少させることができる。
【0022】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置は、ガス・サンプルをガスの主要な流れ106からエアウエー・アダプター101を介して得ることができる。いくつかの実施例の場合、ガスの主要な流れ106は、患者の呼吸システムと流体でコミュニケーションする人工呼吸器または他の医療用のデバイスのエアウエー回路である可能性がある。これらの実施例の場合、エアウエー・アダプター101は、ガスの主要な流れ106に対して、「T」接合、「Y」接合または他のインタフェースを備えることができる。
【0023】
他の実施例の場合、エアウエー・アダプター101は、患者の呼吸システムとインタフェースをとることができ、かつマスク、鼻のカニューレ、鼻のアダプタ、挿管機器またはそれへのアダプタ、または他のインタフェースと交換可能である。前述のまたは他のガスの流れからのガス・サンプルの回収を可能にする他のアダプタは、使用可能である。
【0024】
チューブ系セット103は、ある長さの1つまたはそれより多くのサンプル移送チューブ系、またはエアウエー・アダプター101からサンプル・セル105におよび/またはガス・サンプリング装置100の他のコンポーネント間のガス・サンプルの移送を可能にする他のコンジットを含むことができる。例えば、チューブ系セット103は、側流カプノグラフに対応する医療用グレードのプラスチック・チューブ系を含むことができる。
【0025】
サンプル・セル105および測定光学部品107は、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの特定の成分の1つまたはそれより多くの特性の測定を可能にする。一実施例の場合、成分の1つまたはそれより多くの特性の測定は、ガス・サンプル内の成分濃度、ガス・サンプル内の成分の分圧、ガス・サンプル内の成分の有無、および/または他の特性を測定することを含む。例えば、サンプル・セル105および測定光学部品は、ガス・サンプル内の二酸化炭素(CO2)の濃度の測定を可能にする。例えば、ガス・サンプル内の、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、麻酔薬(例えば、ハロタン)、汚染物質、微量ガス、微粒子、または他の物質のような、他の成分の濃度または他の特性も、また測定可能である。一実施例の場合、ガス・サンプル内の成分の測定された特性が濃度である場合、測定は、ガス・サンプルの百分率、ガス・サンプルの百万分率(ppm)、ガス・サンプルの十億分率(ppb)、または他の測定単位として、測定され、表現され、または報告されることができる。
【0026】
ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの特定成分の特性を測定するために、ガス・サンプルを、測定光学部品107がガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの特定成分の特性を測定するサンプル・セル105に通過させることができる。このように、サンプル・セル105は、ガス・サンプルがサンプル・セル105のサンプル分析器/分析領域内を通過することを可能にするための入口を含むことができる。本明細書に記載されるように、ガス・サンプルは、ガスの連続した流れを含むことができ、かつガスの流れの1つまたはそれより多くの特定成分の特性の不連続な測定を、或る期間にわたって得ることができる。
【0027】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、汚染物質または他の望ましくないマテリアルをガス・サンプルから取り除くために、フィルタ(図示されない)を、アダプタ101およびサンプル・セル105間に含む。一実施例の場合、フィルタは、エアウエー・アダプター101およびサンプル・セル105間のチューブ系セット103の部分に統合可能である。一実施例の場合、フィルタは、ガス・サンプルが、サンプル・セル105のサンプル分析領域に入る前にフィルタを通過するように、サンプル・セル105内に組込み可能である。ガス・サンプリング装置100の他の部分に1つまたはそれより多くのフィルタを組込む他の構成もまた、使用可能である。
【0028】
本発明のために適したフィルタ、サンプル・セル、およびフィルタ/サンプル・セルの組合せの具体例は、その各々の内容が参照により本明細書に組込まれている、米国特許出願第10/678,692号(公開番号第US−2004−0065141号)、米国特許出願第11/266,864号(公開番号第US−2006−0086254号)、および米国特許出願第10/384,329号(公開番号第US−2003−0191405号)に開示されている。
【0029】
サンプル・セル105の分析領域は、2つの窓を含むことができる。第一の窓は、測定光学部品107からの電磁放射が、分析領域内に進むことを可能にする。第二の窓は、その電磁放射が、ガス・サンプルを通過した後、分析領域から外へ進むことを可能にする。
【0030】
一実施例の場合、測定光学部品107は、少なくとも、ソース・アセンブリおよび検出器アセンブリを備える。一実施例の場合、その特性が測定される1つまたはそれより多くの特定成分は、CO2を備える。上述したように、他の成分の特性を測定することができる。一実施例の場合、赤外線放射は、ガス・サンプル内の成分の特性を測定するために使用される。この実施例の場合、検出器アセンブリは、赤外線検出器を含むことができ、かつソース・アセンブリは、赤外線放出源を含むことができる。
【0031】
図2Aおよび2Bは、サンプル・セル105が、測定光学部品107のソース・アセンブリ201および検出器アセンブリ203間に配置される、本発明の実施例のより特別な例示である。上述したように、いくつかの実施例の場合、ソース・アセンブリ201は、ガス・サンプル内の特定の成分の検出のために、赤外線放射(IR)を放出することができる。ソース・アセンブリ201により放出される赤外線放射は、パルスにするまたは一定とすることが可能である。赤外線放射が一定の場合、(図示されない)機械的チョッパを使用することができる。検出器アセンブリ203は、例えば、セレン化鉛検出器のような、赤外線放射に反応する検出器を含むことができる。
【0032】
サンプル・セル105は、ソース・アセンブリ201から放出された赤外線放射が、サンプル・セル105の第一の窓を通ってサンプル・セル105のサンプル分析領域に進むように、ソース・アセンブリ201および検出器アセンブリ203間に位置付け可能である。ガス・サンプル内に存在する各特定の成分は、そして、それがサンプル分析領域を通って進む時、放出された赤外線放射から特別な波長の赤外線放射を吸収する。残りの赤外線放射は、次に、第二の窓を通ってサンプル・セル105から外へ進む。検出器アセンブリ203は、残りの赤外線放射を検出する。一実施例の場合、検出器アセンブリ203は、次にガス・サンプル内の成分により吸収された赤外線放射の波長を決定する、コントロール・センタ117のプロセッサまたはコントローラに信号を送る。この情報は、ガス・サンプル内のCO2および/または他の成分の濃度を決定するために使用される。
【0033】
一実施例の場合、サンプル・セル105は、Respironics LoFlo(登録商標)C5側流システムにより利用されるサンプル・セルを含むことができる。サンプル・セル、測定光学部品、および本発明のシステムおよび方法と共に使用可能な他のエレメントに関する追加の情報は、米国特許出願第10/384,329号内に見られる。
【0034】
いくつかの実施例の場合、サンプル・セル105は、ガス・サンプリング装置100の独立したコンポーネントである必要はないが、チューブ系セット103の部分の一部である、またはそこに統合された、放射入口窓および出口窓および/またはサンプル分析領域を備えることができる。
【0035】
本明細書に記載されたように、測定光学部品107は、ガス・サンプルそれ自身と接触することなく、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の濃度または他の特性を測定することができる。このように、ガス・サンプル内の任意の汚染物質は、測定光学部品107が、ガス・サンプルにより汚染されないように、測定光学部品107と接触しない。ゆえに、次のカプノグラフ適用における測定光学部品107の使用は、患者を前の患者からの汚染物質に晒さない。
【0036】
ガス・サンプリング装置100の測定部分が、図において測定光学部品107として、示される一方、他のデバイスまたは装置の使用を含む測定の他の方法は、本発明において、用いることが可能である。例えば、一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100の測定部分は、ルミネセンス・クエンチング装置を備える。これらの実施例の場合、サンプル・セルのサンプル分析領域は、ルミネセンス・クエンチングの検出を容易にする窓が配置されるアパーチャを含むことができる。
【0037】
ルミネセンス・クエンチングは、発光種およびクエンチャ(quencher)間の相互作用(電子エネルギーまたは電荷移動)を介した励起エネルギーの無放射性再分配として定義され、および酸素(または他のガス)などのガスの濃度を測定するために使用されてきた技術である。センサとしてしばしば機能する窓は、ポリフィリン色素のようなルミネセンス可能な(luminescable)成分が分散される高分子膜を備える。このセンサ膜は、管理された方法で色素とガスの相互作用をもたらす媒介物である。機能センサにおいて、色素は、高分子膜内に分散され、かつ酸素のようなガスは、高分子を通して拡散する。酸素濃度を測定するためのルミネセンス・クエンチングの使用において、マテリアルは、励起されルミネセンスを示す。酸素を含む混合ガスにルミネセンスを示しているマテリアルを露出すると、そのルミネセンスは、ルミネセンス可能なマテリアルが晒される酸素の量(すなわち、濃度または留分)、または混合ガス内の酸素の量に依存して、クエンチされる。従って、ルミネセンス可能なマテリアルの、ルミネセンスの量の減少割合、またはルミネセンスのクエンチング(すなわち、ルミネセンス可能なマテリアルにより放出される光の量)は、混合ガス内の酸素の量に対応する。ルミネセンス・クエンチングに関する追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている米国特許第6,325,978号に見られる。
【0038】
典型的に、ルミネセンス・クエンチングは、測定される1つまたはそれより多くのタイプのガス(例えば酸素、二酸化炭素、ハロタン、等)によりクエンチ可能な、またはそれらに特有の、ルミネセンス化学で覆われる、またはそれを含むマテリアルに向かって、ソースから励起放射の放出(emission)を要求する。励起放射により、マテリアルは、励起され、かつ励起放射とは異なる波長の電磁放射を放出する。1つまたはそれより多くの関心のあるガスの存在は、ルミネセンス可能なマテリアルから放出される放射量をクエンチする、または減少させる。ルミネセンス可能なマテリアルから放出された放射量は、検出器により測定され、かつ患者の呼吸内の1つまたはそれより多くの感知された、クエンチング・ガスの量の決定を容易にするために、1つまたはそれより多くのクエンチング・ガスが無い状態でのルミネセンス可能なマテリアルから放出された放射量と比較される。
【0039】
サンプル・セルはガス・センシティブなソリッドステート半導体センサおよび表面弾性波(SAW)センサのようなソリッドステート・ガス・センサと物理的なコミュニケーションを可能にする電気的接触を含むことができることが、考慮される。SAWデバイスを(異なるガスを選択的に吸収する)異なる高分子マテリアルで覆うことは、SAW周波数の変化によるガス検出を可能にする。これらのデバイスは、かなり安く製造することができ、かつガスおよび微量物質の範囲の測定を可能にすることができる。
【0040】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、また、流量測定デバイス109を含むことができる。いくつかの実施例の場合、流量測定デバイス109は、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れ(例えば、時間にわたるガス・サンプリング回路102を通って進むガスの体積)を測定するデバイスを含むことができる。ガス・サンプリング回路102内のガスの流れの測定は、ガス・サンプリング回路を通るガスの流れの一定の割合を維持することに役立つ。例えば、流量測定デバイス109により検出される時、ガス・サンプリング回路102を通るガスの流れがあまりにも多くまたはあまりにも少なくなる場合、ポンプ113は、変動を補正するために調整可能であり(例えば、速くするまたは遅くする)、こうしてガス・サンプリング装置100内の一定の流量を維持する。一定の流量は、時間にわたる患者の吐いた息の中の成分の特性の正確なプロファイルを記録するのに、重要となる可能性がある(流量の変化量が公知である場合、一致しない流量により引き起こされる誤差を補正することは可能かもしれない)。
【0041】
いくつかの実施例の場合、流量測定デバイス109は、ガスの流れと接触すること無く、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れを測定することができる。上記のように、このことは、流量測定デバイス109の汚染を防止し、かつガス・サンプリング装置100の再使用可能なコンポーネント104から完全に閉じられたガス・サンプリング回路の使用を可能にする。
【0042】
一実施例の場合、流量測定デバイス109は、光学式流量計を含むことができる。例えば、一実施例の場合、光学式流量計は、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れを通って進むコヒーレントなレーザー・ビーム(または他の電磁エネルギー)により生成された干渉信号を相関させることにより、ガスの流れを測定することができる。この具体例の干渉相関光学式流量計は、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れを横切って(例えば、チューブ系セット103の領域を横切って)横断するように発射される少なくとも2つのレーザー・ビームを含む。チューブ系セット103の領域またはレーザー・ビームがそこを横切るように発射されるガス・サンプリング回路102の他の部分は、これらのレーザー・ビームの各々が、ガスの流れを横切って横断的に進む間、ガス・サンプリング回路102に入りかつ出ることを可能にする2つ以上の光学窓を含むことができる。レーザー・ビームの各々がガス・サンプリング回路102を出た後、それは、流量測定デバイス109と関連した検出器により検出される。レーザー・ビームの各々がガスの流れを通して進む時、それらは、ガスの流れ内の乱流に接触する。この乱流との接触は、流量測定デバイス109と関連した検出器により検出可能な干渉縞を生成する。これらの干渉縞の分析は、何時、乱流の同じパッチがレーザー・ビーム・パスの各々を進むかを、明らかにすることができる。乱流の同じパッチがレーザー・ビーム・パスを通って進むのにかかる時間は、測定され、かつレーザー・ビーム・パスの公知の間隔と共に、ガス・サンプリング回路102内の流量を決定するために使用される。
【0043】
本明細書に記載されたもののような、レーザー使用可能な光学式流量計に関する追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている米国特許第6,683,679号に見られる。光学流量測定および本発明のシステムおよび方法で使用可能な他のタイプの測定に関する情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている、米国特許出願第60/808,312号(発明の名称「光学式圧力変換器を有するエアウエー・アダプターおよびセンサ・コンポーネントを製造する方法(Airway Adaptor with Optical Pressure Transducer and Method of Manufacturing A Sensor Component)」)に見られる。光学流量測定の上記の具体例は、単なる例示である。他のタイプの光学流量測定は、使用可能である。
【0044】
ガス・サンプルと接触しない流量測定デバイス109の他の具体例は、渦流量計である。渦流量計は、ガス・サンプリング回路102内(例えば、チューブ系セット103の部分)のガスの流れを横切って横断的に配置される感知素子を含むことができる。感知素子は、例えば、ガスの流れに横方向に(例えば、それが通って進むチューブ系セット103のセクションの主軸と直交して)ガス・サンプリング回路102に入り、ガス自身の流れを横切って横断的に伸び、かつガス・サンプリング回路102を同様に出る、光ファイバ素子を含むことができる。感知素子の先のガス・サンプリング回路102内のガスの流れにより、乱流渦が感知素子の下流に発生すると、感知素子は、振動する。流量測定デバイス109と関連した検出器は、感知素子の振動および振動周波数を検出する。振動周波数から、ガス・サンプリング回路102内の流量は、計算可能である。渦流量計に関する追加の情報は、それらの両方が全体として本明細書に参照として組込まれている、米国特許第4,706,502号および米国特許第4,475,405号に見られる。光ファイバ使用可能な渦流量計の記載は、単なる例示である。他のタイプの渦流量計も、使用可能である。
【0045】
上述したように、渦流量計の使用は、ガス・サンプルと接触する感知素子を含むことができる。したがって、渦流量計の感知素子は、この接触により汚染される可能性がある。それにもかかわらず、渦流量計の検出器または他のコンポーネントは、ガス・サンプリング回路102内のガス・サンプルと接触する必要はない。いくつかの実施例の場合、渦流量計の検出器または他のコンポーネントのいくつかまたは全ては、感知素子が流量測定デバイス109の一部ではなく本質的にガス・サンプリング回路102の一部であるように、流れ検出に使用される感知素子から独立することが可能である。
【0046】
いくつかの実施例の場合、ガス・サンプリング回路102は、本明細書に組込まれた感知素子で製造可能である。他の実施例の場合、渦流量計から着脱可能な感知素子は、使用前にガス・サンプリング回路102内に組込み可能である。流量測定デバイス109の検出器または他のコンポーネントは、患者に使用中の使い捨て感知素子に接続可能であり、かつ次の適用の使用のために、取外しかつ別のガス・サンプリング回路102の別の感知素子に再度取付け可能である。このような実施例の場合、流量測定デバイス109は、感知素子が流量測定デバイス109の一部と考えられていないので、ガス・サンプリング回路内のガス・サンプルに接触すると考えられない。
【0047】
他のタイプの流量測定デバイスもまた、使用可能である。いくつかの実施例の場合、ガス・サンプルと接触する1つまたはそれより多くの部分を有する流量計が、使用可能である。これらのタイプの流量計は、差圧流量計、面積流量計、タービン流量計、ベーン流量計、インペラ流量計、超音波流量計、熱式質量流量計、および/または他のタイプの流量計を含むことができる。これらの実施例の場合、渦流量計の記載と同様に、ガス・サンプルと接触する1つまたはそれより多くの部分は、流量計の残りの部分から着脱可能であり、および/または容易に清浄、または殺菌可能である。
【0048】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、圧力測定デバイス111を含むことができる。圧力測定デバイス111は、ガス・サンプリング回路102内の圧力(領域にわたる力)を測定することができる。いくつかの実施例の場合、圧力測定情報は、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くのコンポーネントの濃度を計算する際に、有用となる可能性がある。例えば、分光分析が行なわれるガスの圧力は、分光分析中、検出された吸収波長において測定された信号を変えることができる。ガス・サンプリング装置100内の圧力情報の他の使用もまた存在する。
【0049】
一実施例の場合、圧力測定デバイス111は、ガス・サンプルと接触すること無く、ガス・サンプリング回路102内の圧力を測定することができる。上述したように、このことは、圧力測定デバイス111の汚染を防止し、かつガス・サンプリング装置100の再使用可能なコンポーネント104から完全に閉じられたガス・サンプリング回路102の使用を可能にする。
【0050】
ガス・サンプルと接触しない圧力測定デバイス111の具体例は、ダイアフラムの使用が可能な圧力測定デバイスである。ダイアフラムの使用が可能な圧力測定デバイスは、ダイアフラムの変形の大きさが、システム内の圧力に対応する、ダイアフラムの変形を検出する検出器を含むことが可能である。例えば、ガス・サンプリング回路102の部分は、例えば、チューブ系セット103の部分の壁またはサンプル・セル105に組込まれた変形可能なダイアフラムを含むことができる。ガス・サンプリング回路102内のガス・サンプルの圧力が増加する時、ダイアフラムは、膨張する。圧力測定デバイス111は、次に、ダイアフラムの変形/膨張の大きさを検出し、かつそれをガス・サンプリング回路102内側の圧力と相関させることができる。ガス・サンプルと接触しない他のタイプの圧力測定デバイスは、利用可能である。本発明のシステムおよび方法で使用可能な圧力測定デバイスの追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている、「生物医学的な適用のための光ファイバ圧力マイクロセンサ(A Fiber-Optic Pressure Microsensor for Biomedical Applications)」(O. Tohyama、 M. Kohashi、 M. Fukui & H. Itoh)、 (1997 International Conference on Solid-State Sensors and Actuators (Transducers '97)、1489−1492)、に見られる。
【0051】
いくつかの実施例の場合、圧力測定デバイス111は、ガス・サンプルと接触しない1つまたはそれより多くの部分(例えば、チューブ系セット103内に配置されたサンプリング・エレメントを有する圧力変換器)を含むことができる。これらの実施例の場合、ガス・サンプルに接触する1つまたはそれより多くの部分は、それらが圧力測定デバイス111の一部ではなくガス・サンプリング回路102の一部であると考慮されるように、圧力測定デバイスの残りの部分から着脱可能とすることができる。いくつかの実施例の場合これらの着脱可能な部分は、使い捨て可能である。他の実施例の場合、これらは、容易に清浄、または殺菌可能である。
【0052】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、さらに、ポンプ113を含むことができる。ポンプ113は、流体を移送する任意のデバイスを含むことができる。例えば、ポンプ113は、ガス・サンプルが、ガスの主要な流れ106(例えば、人工呼吸器のチューブ系、患者の呼吸システム、またはガスの他の流れ)から吸い込まれ、かつエアウエー・アダプター101を介してガス・サンプリング回路102内に吸い込まれるように、ガス・サンプリング回路102内に負圧をつくることができる。蠕動性のポンプを含むポンプ113の具体例は、以下に与えられる。しかし、他の実施例の場合、例えば、圧縮空気、ベンチュリ真空ポンプ、電場応答性高分子活性ポンプ、または他の方法/装置のような、蠕動性のまたはダイアフラムのポンプ以外の方法/装置は、負圧をつくるために使用可能である。
【0053】
いくつかの実施例の場合、ポンプ113は、ガス・サンプリング回路102内のガス・サンプルと接触しない。このように、ポンプ113は、ガス・サンプルにより汚染すされず、かつ患者間または患者適用される間で、清浄にされる必要がない、または殺菌される必要がない。
【0054】
一実施例の場合、ポンプ113は、蠕動ローラー・ポンプを含むことができる。一実施例の場合、本発明に使用されるような蠕動ローラー・ポンプは、ハブ・アンド・スポーク式(hub and spoke fashion)で、複数のローラーセットを含むことができる。図3Aは、複数のローラー301が、ハブ305で一緒につながれるスポーク303の端に設定される、システム300を示す。図3Bは、ローラー・システム300、シート307、およびガス・サンプリング回路102からのチューブ系セット103の部分を組込むポンプ113を示す。チューブ系セット103の部分は、この実施例の場合、凹形の部分を含むシート307に水平に置かれる。次に、ローラー301は、ハブ305の周りを回転する(この具体例において、ローラーは、時計回りのように回転する)。ローラー301がチューブ系セット103に接触する時、それは、チューブ系セット301の壁を圧縮し、かつチューブ系内の任意の流体(例えば、ガス)をローラー301が進んでいる方向に移動させる。ローラー301の一定の動きは、ローラー301が進んでいる方向に、チューブ系セット103内の流体の一定の動きを生じる。このことは、ガスの主要な流れ106を、ガス・サンプリング装置100のガス・サンプリング回路102を通ってガス・サンプルを吸い込むために必要な負圧をつくる。加えて、ポンプ113の如何なる部分も、実際にはガス・サンプルに接触しない。ゆえに、ポンプ113は、ガス・サンプルにより汚染されず、かつ適用される間に介在する如何なる殺菌も要求しない。
【0055】
蠕動性のポンプに関する追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている、「蠕動性のポンプ―もはや実験室用だけでなない、新しいデザインは、より大きな流量および圧力容量を提供する(Peristaltic Pumps - Not Just for Labs Anymore, New Designs Offer Higher Flowrates and Pressure Capacities)」(AmyEbelhack、originally published in Chemical Processing Magazine、November 2000)、に見られる。このドキュメントは、また、http://www.coleparmer.comでも見ることができる。図1、3A、および3Bにおいて示される蠕動ローラー・ポンプは、単なる例示である。電場応答性高分子駆動の取り外し可能チャンバを有するポンプのような、ガス・サンプルと接触しない他のタイプのポンプもまた、使用可能である。電場応答性高分子(electroactive polymer)は、電荷および電圧の形のエネルギーを機械的な力および運動に変換することができるフレキシブルなマテリアルである。これらは、従来の設計において分離された機能を統合する他に例をみない好機を提供する。ポンプチャンバは、収縮性とすることが可能であり、従って、エネルギー変換、駆動、および構造の単一構造への統合を可能にする。その全体が参照により本明細書に組込まれている、論文「人工筋肉(Artificial Muscles)」(S. Ashley)、(Scientific American、October 2003、p53−59)は、電場応答性高分子の能力を強調する。電場応答性高分子ポンプに関する追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている、米国特許出願第10/384,329号(公開番号US20040068224)「電気活性ポリマ駆動薬物注入ポンプ(Electroactive polymer actuated medication infusion pumps)」に見ることができる。
【0056】
図1Aおよび1Cが、ガス・サンプリング装置100の他のエレメントに関して特別な構成に(すなわち、サンプル・セル105、測定光学部品107、流量測定デバイス109、および圧力測定デバイス111の下流に)配置されたポンプ113を示すが、この配置は、単なる例示である。ポンプ113は、本発明により要求されるようなガス・サンプリング装置100を通して流体を移送するために必要なガス・サンプリング装置100の他のエレメントに関して、何処にでも配置可能である。
【0057】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、また、排気口115を含む。排気口115は、チューブ系セット103を分析されたガス・サンプルの宛先につなぐカプラーまたは他のデバイスを含むことができる。一実施例の場合、分析されたガス・サンプルの宛先は、患者の呼吸回路を含むことができる。例えば、排気口は、分析されたガス・サンプルを、ガス・サンプルが最初に回収される呼吸回路に排出して戻すことができる。上述したように、このことは、高価な麻酔薬または他の薬を大事に使うため、バイオ・ハザード処理の必要性をなくすため、を含むいくつかの理由のために、または他の理由のために行うことができる。
【0058】
一実施例の場合、排気口115は、分析されたガス・サンプルを、ガスが適切に処理される廃棄システムに排出することができる。別の実施例の場合、排気口115は、分析されたガス・サンプルを、ガスを大気に排出する前にガス・サンプルのエレメントが再生利用することができる掃気システムに排出することができる。掃気は、オペレーション環境から排出された麻酔ガスの収集および除去である。供給される麻酔ガスの量が、通常、患者に必要な量をはるかに超えているので、オペレーション環境汚染は、掃気により減少される。
【0059】
掃気は、能動(吸引が適用される)または受動(廃ガスが、ORの排気グリルを通って受動的に蛇行するチューブ系に移る)とすることができる。能動システムは、患者のエアウエーを、吸引の適用または正圧のビルドアップから保護するための手段を要求する。受動システムは、患者を正圧ビルドアップのみから保護することを要求する。別の重要な区別は、スカベンジャ・インタフェースを(大気に対して)開くまたは閉じる(インタフェース内のガスがバルブを通してのみ大気と通じることができる;よく知られたタイプ)ことができることである。異なるタイプのインタフェースは、臨床的含みがある。開インタフェースは、全てのJulian(登録商標)、Fabius GS(登録商標)、Narkomed 6000(登録商標)、およびS/5 ADU(登録商標)ガスマシンに見られる。Aestiva(登録商標)マシンは、開または閉インタフェースを有することができる。開インタフェースは、患者に対してより安全である可能性がある。
【0060】
スカベンジャ・システムは、ガス収集アセンブリ(例えば、APLに接続されたチューブおよびベント・リリーフバルブ(vent relief valve))、移送チューブ系(例えば、19または30mmは、時々、黄色で識別される)、掃気インタフェース、ガス処理チューブ系(ガスをインタフェースから処理アセンブリへ運ぶ)、ガス処理アセンブリ(能動または受動−最も一般的な能動は、病院吸引システムを使用する)、および/または他のエレメントを含むことができる。
【0061】
いくつかの実施例の場合、排気口115は、分析されたガス・サンプルを大気に排出することができる。
【0062】
一実施例の場合、ガス分析システム100は、また、コントローラ、プロセッサ、またはガス・サンプリング装置100のコンポーネントを電子的にコントロールし、調節し、モニタし、および/または電力を提供する「コントロール・センタ」117を含むことができる。図4は、本発明の実施例に従うコントロール・センタ117を示す。一実施例の場合、コントロール・センタ117は、プロセッサ402上で実行されるコントロール・アプリケーション401を含む。
【0063】
コントロール・アプリケーション401は、コントロール・センタ117のメモリに常住するソフトウェア・アプリケーションを備えることができる。一実施例の場合、コントロール・アプリケーション401は、1つまたはそれより多くのモジュール403a〜403nを含むことができる。モジュール403a〜403nは、コントロール、調節、モニタリング、および/またはガス・サンプリング装置100に関する他のタスクを可能とするソフトウェア・モジュールを含むことができる。特に、ソフトウェア・モジュール403a〜403nは、ソース・アセンブリ201により、赤外線放射の生成をコントロールする検出器アセンブリ203による赤外線放射の測定を可能とし、他の測定デバイス(ルミネセンス・クエンチング・デバイス、ソリッドステート・ガス・センサ、表面弾性波センサ、または他のセンサまたは検出器)の使用を可能とし、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の1つまたはそれより多くの特性の測定を可能とし(例えば、ガス・サンプル内の成分の濃度を決定する)、測定光学部品107への電力を調節し、任意の光学部品および/または流量測定デバイス109がガス・サンプリング回路102内のガスの流れを測定するために必要な電磁エネルギー生成をコントロールし、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れの計算を可能とし、流量測定デバイス109への電力を調節し、ガス・サンプリング回路102内の圧力を計算するためにダイアフラムの変形の測定を可能とし、ガス・サンプリング回路102内の圧力の計算を可能とし、圧力測定デバイス111への電力を調節し、ポンプ113のオペレーションを調節し、ポンプ113への電力を調節し、グラフィカル・ユーザ・インタフェースを介しユーザへの分析されたガス・サンプルおよび/または他の情報の内容の表示を可能とし、ユーザおよび/または他のデバイス(例えば、医療用デバイス)からの入力データを使用し、他のデバイス(例えば、ディスプレイ、プリンタ、他の医療用の機器)へのデータの出力を可能とし、および/またはガス分析に関連した他のタスクを実行するための受信および計算を可能とすることができる。コントロール・アプリケーション401を備える1つまたはそれより多くのモジュール403a〜403nは、結合可能である。いくつかの目的ために、全てのモジュールが、必要となるわけではない。
【0064】
いくつかの実施例の場合、コントロール・センタ117は、また、(例えば、キーボードまたはキーパットを介し)ユーザ、ガス・サンプリング装置100に関連したデバイス(例えば、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、または他のデバイス)、および/または1つまたはそれより多くの他のデバイス(例えば、他のコンピューティングまたは医療用のデバイス)から入力を受信するために1つまたはそれより多くの入力ポート405を含むことができる。いくつかの実施例の場合、コントロール・センタ117は、また、例えば、ディスプレイ・デバイス、ガス・サンプリング装置100と関連した1つまたはそれより多くのデバイス(例えば、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、または他のデバイス)、および/または他のコンピューティングまたは医療用のデバイスのような、1つまたはそれより多くのデバイスへ、出力を提供するための1つまたはそれより多くの出力ポート407を含むことができる。いくつかの実施例の場合、コントロール・センタ117は、データをユーザにグラフィカル・ユーザ・インタフェースを介して表示するためのそれ自身の表示デバイス409を含むことができる。
【0065】
いくつかの実施例の場合、コントロール・センタ117は、また、直流および/または交流電源から電力を受け取るための電力インタフェース411を含むことができる。いくつかの実施例の場合、電力インタフェース411で受け取った電力は、電力をコントロール・センタ117に提供するために使用可能なばかりでなく、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、および/またはガス・サンプリング装置100の他のエレメントの1つまたはそれより多くのに電力の分配を可能とすることもできる。他の実施例の場合、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、および/またはガス・サンプリング装置100の他のエレメントの1つまたはそれより多くのは、交替または独立の電源を有することができる。
【0066】
当業者は、本明細書に記載された本発明が様々なシステム構成を扱うことができることを理解できるであろう。従って、前述のシステム・コンポーネントの殆どは、様々な実施例の場合、使用可能であり、および/または結合可能である。本明細書に記載の機能が、ソフトウェアに加えて、または代わりに、ハードウェアおよび/またはファームウェアの様々な組合せにおいて、実施可能であることも、また理解されるべきである。
【0067】
いくつかの実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、他のコンポーネントを含むことができる。例えば、ガス・サンプリング装置100は、ガス・サンプリング回路102内のガス・サンプルの温度を測定するための温度測定デバイスを含むことができる(接触および非接触モジュールは、従来技術において公知である)。別の具体例において、ガス・サンプリング装置100は、ガス・サンプリングデバイス内のガス・サンプル内に存在する湿度または水分を測定するための湿度測定デバイスを含むことができる。ガス・サンプリング回路102のガス・サンプルの温度および/または湿度に関する情報は、ガス・サンプルのコンポーネントの赤外吸収の計算に有用である可能性がある(例えば、水蒸気の存在のために加えられる訂正を可能にする)または他の目的のために使用可能である。
【0068】
別の具体例において、ガス・サンプリング装置100は、チューブ系セット103に統合される水分透過性の或る長さのチューブ系を含むことができる。例えば、或る長さのNafion(登録商標)チューブ系は、チューブ系セット103に組込み可能である。この水分透過性のまたは親水性のチューブ系は、ガス・サンプリング回路102内の水分レベルを調節するために、水分がガス・サンプリング回路102のガス・サンプルから外へでる、または中にはいることを可能にすることができる。他の実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、ガス・サンプルがサンプル・セル105内で分析される前にガス・サンプルから水分または他のコンポーネントを取り除くための、排水器または他のデバイスを含むことができる。
【0069】
一実施例の場合、チューブ系セット103の1つまたはそれより多くの部分は、デュアル・ルーメン・チューブ系(dual lumen tubing)を含むことができる。デュアル・ルーメン・チューブ系は、ガス・サンプルを運ぶための2つの独立した通路を有する1本のチューブ系を含むことができる。いくつかの実施例の場合、デュアル・ルーメン・チューブ系は、ガス・サンプルをガス・サンプリング装置100の1つまたはそれより多くのコンポーネント(例えば、サンプル・セル105、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、または他のコンポーネント)の方へ、およびそれから遠ざけるように運ぶために利用可能である。例えば、ガス・サンプルを、デュアル・ルーメン・チューブの第一のルーメン内のサンプル・セル105に、かつサンプル・セル105から離れてデュアル・ルーメン・チューブの第二のルーメン内に、運ぶことができる。
【0070】
図5は、ガス・サンプル内の成分の特性を、1つまたはそれより多くの再使用可能なコンポーネント(例えば、ガス・サンプリング装置100)とインタフェースしないガス・サンプル回路を有するガス・サンプリング装置を使用して、分析することができるプロセス500を示す。一実施例の場合、プロセス500は、ガス・サンプリング装置100のエアウエー・アダプター101を主なガスの流れ106に取付けかつ排気口115を分析されたガス・サンプルの宛先に取付けることができる、オペレーション501を含むことができる。
【0071】
オペレーション503において、ポンプ113は、ガス・サンプリング回路102内にガスのサンプル流をつくる圧力差をつくるために、駆動可能である。例えば、一実施例の場合、ポンプ113は、ガス・サンプルをガスの主要な流れ106から結合101を介して吸い込み、かつそのガス・サンプルをガス・サンプリング回路102を通して移送する負圧差をつくる。上述したように、いくつかの実施例の場合、ポンプ113は、ガス・サンプルに接触しない。また、上述したように、ポンプ113として示された蠕動性のポンプは、単なる例示である。ポンプ113は、ダイアフラム・ポンプ、ベンチュリ真空ポンプ、容積式ポンプ、電場応答性高分子駆動ポンプ(electroactive polymer actuated pump)、または他のポンプを備えることができる。
【0072】
オペレーション505において、ガス・サンプルは、チューブ系セット103を通ってサンプル・セル105に移送可能である。オペレーション507において、ガス・サンプルがサンプル・セル105のサンプル分析領域にある間、赤外線放射または他の放射は、測定光学部品107のソース・アセンブリ201から放出される。この赤外線放射は、ガス・サンプルを含むサンプル分析領域を通って進むことができ、かつ測定光学部品107の検出器アセンブリ203によって検出され、より少ない任意の赤外線放射がガス・サンプルの成分により吸収される。他の実施例の場合、ガス・サンプル成分の特性は、赤外吸収以外の測定テクニックを使用して、測定可能である。例えば、ルミネセンス・クエンチング装置、ソリッドステート・ガス・センサ、表面弾性波センサ、または他の測定装置のような、測定光学部品107以外の測定部分が使用可能である。
【0073】
オペレーション509において、検出器アセンブリ203により検出される赤外線放射に関する情報は、コントロール・センタ117に送信可能である。オペレーション511において、ガス・サンプリング装置100の1つまたはそれより多くのコンポーネントは、ガス・サンプリング回路102に関する環境的な読取り値を取ることができ、かつその情報をコントロール・センタ117に送ることができる。これらの環境的な読取り値は、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性を測定する条件を考慮するために、使用可能である。例えば、一実施例の場合、圧力測定デバイス111は、ガス・サンプリング回路102に関する圧力読取り値を取ることができる。これらの圧力読取り値は、ガス・サンプルの成分による放射の吸収に関して圧力が有する効果を補償するために使用可能である。他の環境的な読取り値(例えば、流量、温度、湿度、または他の読取り値)を取りかつ使用することができる。オペレーション511は、赤外線放射が、放出されるおよび/またはオペレーション507において検出される間に、行なうことができる。
【0074】
オペレーション513において、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の濃度または他の特性の測定された特性は、コントロール・センタ117により計算可能である。いくつかの実施例の場合、このデータは、表示可能であり、またはさもなければユーザに通信可能である。
【0075】
オペレーション515において、ガス・サンプルを、分析されたガス・サンプルの宛先に排出することができる。上述したように、分析されたガス・サンプルの宛先は、例えば、掃気システム、それが得られたガスの主要な流れ106、廃棄システム、大気、または他の宛先を含むことができる。いくつかの実施例の場合、プロセス500は、ガス・サンプルをガスの主要な流れ106から連続して吸い込みかつ分析する、オペレーション505に戻ることができる。
【0076】
ガス分析装置100は、或る期間にわたって、患者の息内のサンプル成分のリアルタイムまたはほぼリアルタイムの濃度または他の特性を観測するために、利用可能である。このように、本明細書で参照される「ガス・サンプル」は、所定の時間にサンプル・セル105の分析領域にあるガスの不連続な量を表わすことができる。加えて、「ガス・サンプル」は、ガスの主要な流れ106から取り除かれ、かつ濃度または他の特性のために分析される、ガスの連続的な流れを意味することができる。いくつかの実施例の場合、或る期間にわたるガスの連続的な流れの分析は、その期間にわたる患者の息の1つまたはそれより多くの特性の図による表示(例えば、時間にわたるCO2濃度の「カプノグラム」)を生成することができる。
【0077】
患者の吐いた息の1つまたはそれより多くの成分の特性の読取り値を或る期間にわたって得る場合、ガス・サンプリング回路102を通るガスの流れを一定の割合で維持することは、望ましい。ゆえに、プロセス500のオペレーションの何れの間も、流量測定デバイス109は、ガス・サンプリング回路を通ってガスの流れを測定し、かつガス・サンプリング回路102を通るガスの流れに関する情報をコントロール・センタ117に伝えるために、利用可能である。この情報は、異なる負荷条件のもとでガス・サンプリング回路102を通ってガスの一定の流れを維持するようにポンプ113を調整するために利用可能である。例えば、ガス・サンプリング回路102に組込まれたフィルタは、部分的に詰まるかもしれず、従って、ポンプ113の負荷は、増加する可能性がある。別の具体例において、ガス・サンプルが吸い込まれるガスの主要な流れ106内の圧力は、増加する、または減少する。このことは、ポンプ113の負荷を増加させる、または減少させるかもしれない。他のファクタは、ポンプ113の負荷を変えるかもしれない。
本発明が、例示のために、最も実用的かつ好適な実施例であると現在考えられるものに基づいて、詳細に記載されたにもかかわらず、このような詳細は、単にこの目的のためだけであり、および本発明は、開示された実施例に限定されないが、逆に、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内である、変更および等価な構成をカバーすることが意図されることは、理解されるべきである。例えば、本発明が、可能な範囲内で任意の実施例の一つ以上の構成が任意の他の実施例の一つ以上の特徴と結合可能であることを意図することは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1A】本発明の実施例に従うガス・サンプリング装置の線図である。
【図1B】図1のガス・サンプリング装置におけるガス・サンプリング回路の線図である。
【図1C】図1のガス・サンプリング装置の再使用可能なコンポーネントの線図である。
【図2A】本発明の実施例に従うサンプル・セルおよび測定光学部品のさらに詳細な例示である。
【図2B】本発明の実施例に従うサンプル・セルおよび測定光学部品のさらに詳細な例示である。
【図3A】本発明の実施例に従うローラー・システムの線図である。
【図3B】本発明の実施例に従う蠕動ローラー・ポンプの線図である。
【図4】本発明の実施例に従うコントロール・センタの線図である。
【図5】本発明の実施例に従うガス・サンプルを分析するためのプロセスの線図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条第(e)の規定により、その内容が本明細書に参照として組み入れられている、米国仮特許出願第60/818,769号(2006年7月6日出願)の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、ガス・サンプリングシステムの起動コンポーネントおよび/または分析コンポーネントに対して閉じたガス・サンプリング回路を有する側流ガス・サンプリングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ガス分析装置は、医療用途を含む多くのアプリケーションに有用である。ガス分析装置の医療用途の具体例は、カプノグラフおよびオキシグラフ(oxygraphy or oxigraphy)を含む。カプノグラフとは、患者の息の二酸化炭素(CO2)測定のことを言う。オキシグラフとは、患者の息の酸素(O2)測定のことを言う。これらの測定は、患者の健康に関して有用な情報を提供することができる。加えて、(一酸化窒素のような)治療のガス、(ハロタンのような)麻酔薬および(典型的に、百万分の一(ppm)のレベルまたは十億分の一(ppb)のレベルで存在する一酸化窒素および一酸化炭素のような)診断目的に使用される微量ガスを含むその息の他のガスも、医療用の目的のためにモニタ可能である。息の中の微量物質は、患者の血液中の物質の濃度を反映することができる。
【0004】
カプノグラフにより提供される情報は、例えば、医療用の処置、特に、一般の麻酔インシデントの検出中に発生する可能性があるインシデントを検出するために使用される。加えて、カプノグラフにより提供される情報は、例えば、心停止または呼吸停止のような臨床的なイベント中に使用される。実際、カプノグラフは、リアルタイムで、心停止中の蘇生努力の効果に関する情報を提供できる。このように、カプノグラフは、医療用の処置中、患者生命徴候の長期のモニタリング中、臨床的なイベント中、および他の医療用途中の、複数の医療用途を有する。
【0005】
オキシグラフもまた、複数の医療用途を有する。オキシグラフは、呼吸ごとに、生体臓器内の酸素の概略の濃度を測定し、かつ減少する肺胞の酸素濃度に起因する切迫低酸素血症を素早く検出することができる。例えば、呼吸低下中に、呼吸終期の酸素濃度は、呼吸終期の二酸化炭素よりさらに急激に変化する。同じ条件中、パルス酸素測定は、応答するのにかなり長くかかる。
【0006】
オキシグラフは、さらに、低血糖症の、または敗血症のショック、空気塞栓症、異常高熱、過度のPEEP、CPPR効能、および心停止さえ診断するのに効果があることが示された。麻酔中、オキシグラフは、前酸素化(脱窒素)のルーチンモニタを提供する際、有用である。それは、人的エラー、機器の故障、および断線を検出することにより、特に、患者の安全性に寄与する。その全体が参照により本明細書に組込まれている、論文(M. Weingarten著、タイトル「二酸化炭素および酸素の呼吸モニタリング:10年の展望(Respiratory monitoring of carbon dioxide and oxygen: a ten-year perspective) (J. Clin.Monit.1990 July 6(3):217−25))は、患者の息の二酸化炭素および酸素をモニタするアプリケーションのいくつかを強調する。
【0007】
典型的に、ガス分析のためのガスをサンプリングする二つの主な方法がある。第一の方法は、呼吸ガス流の範囲内に位置するサンプル部位で、一種類のガスまたは複数種類のガス(例えば、患者の息)の濃度を測定する、主流ガス分析(すなわち、分流しないガス分析)である。例えば、人工呼吸器で治療を受けている患者は、人工呼吸器と患者間でガスの流れを伝える彼または彼女の口腔から延在する患者回路を有する。主流ガス分析器は、患者回路内の一種類のガスまたは複数種類のガスの濃度を測定する。
【0008】
ガス分析のためのガスをサンプリングする他の主な方法は、側流ガス分析(すなわち、分流するガス分析)である。側流ガス分析は、ガスをサンプル部位から離れた位置に移送し、かつ移送されたサンプル内の一種類以上のガスの濃度を遠隔位置で測定する。例えば、患者が人工呼吸器によって治療を受けている場合、ダイバータ/アダプタは、患者回路を通って進むガスの一部を取り除きかつそのガスを患者から或る距離離れた位置のガス測定デバイスまで移送するために、患者回路に結合される。そのサンプル内の一種類以上のガスの濃度は、次に、ガス測定デバイスにより、測定可能であり、かつ次に、このガス・サンプルは、廃棄可能である。
【0009】
側流ガス分析器の性質は、それらのコンポーネント・パーツに関して或る要求を課す。主流ガス分析器と同様に、側流ガス分析器は、分析コンポーネント(例えば、分光)およびサンプル・チェンバを含まなければならない。ガスは、サンプル・チェンバに移送され、かつガス濃度は、分析機器を使用して測定される。多くの場合、サンプル内のこれらのガス(例えば、CO2、O2、麻酔薬、等)の濃度を測定するために、関心のあるガスの赤外吸収を使用する、分光分析機器を用いる。
【0010】
側流ガス分析器は、また、例えば、サンプル部位からガス・サンプルを吸い込む負圧をつくるためのポンプのような装置を含むことができる。加えて、側流ガス分析器は、サンプリング装置内の圧力を測定するために圧力測定デバイスを含むことができる。サンプリング装置内の圧力に関する情報は、サンプリング装置内の圧力が、サンプル内のガスによる赤外線放射の吸収に関して有する効果を測定および/または補正するために、有用である可能性がある。圧力測定は、また、サンプリング装置のサンプリング・チューブ系および他のコンポーネント内の圧力降下または他の変動を記録し、および/または補償するために、有用である可能性がある。圧力測定に対する他の使用もまた、存在する。
【0011】
さらに、側流ガス分析器は、サンプリング装置を通したガスの流れを測定するために、流量測定デバイスを含むことが可能である。サンプリング装置内の流れに関する情報は、様々な負荷条件のもとで、サンプリング装置内の一定の流量を維持するようにポンプを調整するまたは調節するために使用可能である。一定の流量は、それが要求される補償を単純化するので、ガス濃度を長時間にわたって測定する時、望ましい可能性がある。サンプリング装置内のより一定でない流れも、また、使用可能であるが、追加の補償計算を要求する。流量情報は、他の目的にも有用である可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
いくつかの環境において、サンプルされたガスは、側流ガス分析器による分析の後、患者回路内に一定の経路で送ることが可能である。このことは、時々、例えば、患者回路に再導入することにより大事に使われることが可能な高価な麻酔薬が、患者に使用される状況において、行われる。加えて、患者のサンプルされたガスは、しばしば、汚染物質(例えば、粘液、血液、薬剤、または他のマテリアル)を含む。これらのマテリアルを患者回路内に一定の経路で送ることは、時々、これらの汚染物質を含む分析されるサンプルを配置するための実行可能なオプションと考えられる。
【0013】
しかし、分析されるガスを患者回路内に典型的な側流ガス分析器を使用して一定の経路で送る場合、内側のカプノメータ部分の汚染を防止するために注意が払われるべきである。典型的な側流ガス分析器において、サンプルされたガスは、ポンプ部分、圧力測定部分、流量測定部分、チューブ系、排水器、および/またはカプノメータの他の部分と接触する。側流ガス分析器が、複数の患者に使用される場合、患者は、サンプルされたガスが、排気口への接続、またはそれらをクリアに保つためのサンプリング・ラインのパージングを介して、一定の経路で患者回路内に送られる場合、相互汚染からのリスクに晒される可能性がある。これらの部分の多く(例えば、ポンプ、圧力変換器、流量計、分光機器、または他の複雑な部分)が、相対的に複雑なので、それらを交換するコストは、性能の低下または汚染物質に対する過度の露出からの吸蔵に起因して、大きくなる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従って、本発明の目的は、従来の側流ガス・サンプリング装置の欠点を克服する側流ガス・サンプリング装置を提供することである。本目的は、ガス・サンプルに接触するガス・サンプリング回路を有し、かつガス・サンプリング回路においてガス・サンプルと接触する或るコンポーネントを有する側流ガス・サンプリング装置を提供することによって、本発明の一実施例により達成される。この構成は、ガス・サンプル内に存在する可能性が或る汚染物質による、ガスに接触しないコンポーネントの汚染を防止し、このことにより適用される間でこれらのコンポーネントの相互汚染、吸蔵、および性能低下の可能性を最小にする。この構成は、ガスに接触するコンポーネントが、ガスに接触しないコンポーネントが次の測定において再使用される間に、簡単に交換されるので、側流ガス・サンプリング装置の製造、オペレーション、および/またはメンテナンスのコストを減少させることができる。
【0015】
本発明のさらなる目的は、従来の側流ガス・サンプリング方法の欠点を克服する、ガスの主流の流れから採られたガス・サンプルの1つまたはそれより多くの成分の濃度を測定する方法を提供することである。この目的は、ガス・サンプルをガスの主流の流れから取り除くこと、そのガス・サンプルをサンプル分析器領域にサンプル移送チューブを介して移送すること、サンプル分析器領域におけるガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性を測定することを含む方法を提供することによって、本発明の一実施例により達成される。
【0016】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴および特性、並びに、オペレーション方法および構造の関連したエレメントおよび部分の組合せの機能、および製造の経済性は、その全てが本明細書の一部を形成する添付図面に関して以下の記載および添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになるであろう。ここで、同じ参照番号は、さまざまな図において対応する部分を示す。図面が例示および記載のためにだけあっておよび本発明の制限の定義として意図されないことは、明白に理解されるべきである。本明細書においておよび本請求項において使われるように、冠詞の単数形(「a」、「an」および「the」)は、コンテクストが明らかに他を表さない限り、複数形も含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の1つの観点は、ガス・サンプルに接触するガス・サンプリング回路およびガス・サンプリング回路においてガス・サンプルと接触する再使用可能なコンポーネントのセットを有する側流ガス・サンプリング装置を提供する。この構成は、ガス・サンプル内の汚染物質による再使用可能なコンポーネントの汚染を防止し、かつ複数の患者または複数の患者適用される間の再使用可能なコンポーネントの相互汚染を防止する。この構成は、再使用可能なコンポーネントの製造、オペレーション、および/またはメンテナンスのコストを減少させることができる。
【0018】
図1Aは、本発明の代表的な実施例に従う、ガス・サンプリング装置100を示す。ガス・サンプリング装置100は、エアウエー・アダプター101、チューブ系セット103、サンプル・セル105、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、排気口115、コントロール・センタ117、および/または他のエレメントを含む。
【0019】
図1Bは、ガス・サンプリング回路102を示し、および図1Cは、ガス・サンプリング装置100において使用される再使用可能なコンポーネント104を示す。ガス・サンプリング回路102は、ガス・サンプルに接触するガス・サンプリング装置100のコンポーネントの全てを含むことができる。例えば、ガス・サンプリング回路102は、エアウエー・アダプター101、チューブ系セット103、サンプル・セル105、および排気口115を含むことができる。再使用可能なコンポーネント104は、ガス・サンプルに接触しないガス・サンプリング装置の、例えば、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、コントロール・センタ117、および/または他のコンポーネントのような、これらのコンポーネントを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施例の場合、ガス・サンプリング回路102は、使い捨てとすることが可能である。したがって、ガス・サンプリング回路102のコンポーネントは、一人の患者の用途に適するように製造することが可能であろう。このように、ガス・サンプリング回路102を備えるガス・サンプリング装置100の相対的に単純なおよび/または安価な部分は、患者間で捨てることができ、一方、再使用可能なコンポーネント104を備える相対的に複雑および/または高価なコンポーネントは、適用される間の相互汚染の心配無しに、他の患者と使いまわしすることができる。
【0021】
他の実施例の場合、ガス・サンプリング回路102は、使い捨てする必要がないが、容易におよび/または繰り返して、清浄にする、または殺菌することが可能である。ガス・サンプリング回路102を備えるコンポーネントのみが、繰り返される殺菌または清浄のために製造される必要があり、一方、再使用可能なコンポーネント104を備えるコンポーネントは、繰り返される殺菌または清浄に耐える必要はない(例えば、それらは、製造し、使用し、維持するために、より安価である可能性がある、および/またはより長くもつ可能性がある)ので、このことは、ガス・サンプリング装置100の複雑さ、製造コスト、および/またはオペレーション・コストを減少させることができる。
【0022】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置は、ガス・サンプルをガスの主要な流れ106からエアウエー・アダプター101を介して得ることができる。いくつかの実施例の場合、ガスの主要な流れ106は、患者の呼吸システムと流体でコミュニケーションする人工呼吸器または他の医療用のデバイスのエアウエー回路である可能性がある。これらの実施例の場合、エアウエー・アダプター101は、ガスの主要な流れ106に対して、「T」接合、「Y」接合または他のインタフェースを備えることができる。
【0023】
他の実施例の場合、エアウエー・アダプター101は、患者の呼吸システムとインタフェースをとることができ、かつマスク、鼻のカニューレ、鼻のアダプタ、挿管機器またはそれへのアダプタ、または他のインタフェースと交換可能である。前述のまたは他のガスの流れからのガス・サンプルの回収を可能にする他のアダプタは、使用可能である。
【0024】
チューブ系セット103は、ある長さの1つまたはそれより多くのサンプル移送チューブ系、またはエアウエー・アダプター101からサンプル・セル105におよび/またはガス・サンプリング装置100の他のコンポーネント間のガス・サンプルの移送を可能にする他のコンジットを含むことができる。例えば、チューブ系セット103は、側流カプノグラフに対応する医療用グレードのプラスチック・チューブ系を含むことができる。
【0025】
サンプル・セル105および測定光学部品107は、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの特定の成分の1つまたはそれより多くの特性の測定を可能にする。一実施例の場合、成分の1つまたはそれより多くの特性の測定は、ガス・サンプル内の成分濃度、ガス・サンプル内の成分の分圧、ガス・サンプル内の成分の有無、および/または他の特性を測定することを含む。例えば、サンプル・セル105および測定光学部品は、ガス・サンプル内の二酸化炭素(CO2)の濃度の測定を可能にする。例えば、ガス・サンプル内の、酸素(O2)、一酸化炭素(CO)、一酸化窒素(NO)、麻酔薬(例えば、ハロタン)、汚染物質、微量ガス、微粒子、または他の物質のような、他の成分の濃度または他の特性も、また測定可能である。一実施例の場合、ガス・サンプル内の成分の測定された特性が濃度である場合、測定は、ガス・サンプルの百分率、ガス・サンプルの百万分率(ppm)、ガス・サンプルの十億分率(ppb)、または他の測定単位として、測定され、表現され、または報告されることができる。
【0026】
ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの特定成分の特性を測定するために、ガス・サンプルを、測定光学部品107がガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの特定成分の特性を測定するサンプル・セル105に通過させることができる。このように、サンプル・セル105は、ガス・サンプルがサンプル・セル105のサンプル分析器/分析領域内を通過することを可能にするための入口を含むことができる。本明細書に記載されるように、ガス・サンプルは、ガスの連続した流れを含むことができ、かつガスの流れの1つまたはそれより多くの特定成分の特性の不連続な測定を、或る期間にわたって得ることができる。
【0027】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、汚染物質または他の望ましくないマテリアルをガス・サンプルから取り除くために、フィルタ(図示されない)を、アダプタ101およびサンプル・セル105間に含む。一実施例の場合、フィルタは、エアウエー・アダプター101およびサンプル・セル105間のチューブ系セット103の部分に統合可能である。一実施例の場合、フィルタは、ガス・サンプルが、サンプル・セル105のサンプル分析領域に入る前にフィルタを通過するように、サンプル・セル105内に組込み可能である。ガス・サンプリング装置100の他の部分に1つまたはそれより多くのフィルタを組込む他の構成もまた、使用可能である。
【0028】
本発明のために適したフィルタ、サンプル・セル、およびフィルタ/サンプル・セルの組合せの具体例は、その各々の内容が参照により本明細書に組込まれている、米国特許出願第10/678,692号(公開番号第US−2004−0065141号)、米国特許出願第11/266,864号(公開番号第US−2006−0086254号)、および米国特許出願第10/384,329号(公開番号第US−2003−0191405号)に開示されている。
【0029】
サンプル・セル105の分析領域は、2つの窓を含むことができる。第一の窓は、測定光学部品107からの電磁放射が、分析領域内に進むことを可能にする。第二の窓は、その電磁放射が、ガス・サンプルを通過した後、分析領域から外へ進むことを可能にする。
【0030】
一実施例の場合、測定光学部品107は、少なくとも、ソース・アセンブリおよび検出器アセンブリを備える。一実施例の場合、その特性が測定される1つまたはそれより多くの特定成分は、CO2を備える。上述したように、他の成分の特性を測定することができる。一実施例の場合、赤外線放射は、ガス・サンプル内の成分の特性を測定するために使用される。この実施例の場合、検出器アセンブリは、赤外線検出器を含むことができ、かつソース・アセンブリは、赤外線放出源を含むことができる。
【0031】
図2Aおよび2Bは、サンプル・セル105が、測定光学部品107のソース・アセンブリ201および検出器アセンブリ203間に配置される、本発明の実施例のより特別な例示である。上述したように、いくつかの実施例の場合、ソース・アセンブリ201は、ガス・サンプル内の特定の成分の検出のために、赤外線放射(IR)を放出することができる。ソース・アセンブリ201により放出される赤外線放射は、パルスにするまたは一定とすることが可能である。赤外線放射が一定の場合、(図示されない)機械的チョッパを使用することができる。検出器アセンブリ203は、例えば、セレン化鉛検出器のような、赤外線放射に反応する検出器を含むことができる。
【0032】
サンプル・セル105は、ソース・アセンブリ201から放出された赤外線放射が、サンプル・セル105の第一の窓を通ってサンプル・セル105のサンプル分析領域に進むように、ソース・アセンブリ201および検出器アセンブリ203間に位置付け可能である。ガス・サンプル内に存在する各特定の成分は、そして、それがサンプル分析領域を通って進む時、放出された赤外線放射から特別な波長の赤外線放射を吸収する。残りの赤外線放射は、次に、第二の窓を通ってサンプル・セル105から外へ進む。検出器アセンブリ203は、残りの赤外線放射を検出する。一実施例の場合、検出器アセンブリ203は、次にガス・サンプル内の成分により吸収された赤外線放射の波長を決定する、コントロール・センタ117のプロセッサまたはコントローラに信号を送る。この情報は、ガス・サンプル内のCO2および/または他の成分の濃度を決定するために使用される。
【0033】
一実施例の場合、サンプル・セル105は、Respironics LoFlo(登録商標)C5側流システムにより利用されるサンプル・セルを含むことができる。サンプル・セル、測定光学部品、および本発明のシステムおよび方法と共に使用可能な他のエレメントに関する追加の情報は、米国特許出願第10/384,329号内に見られる。
【0034】
いくつかの実施例の場合、サンプル・セル105は、ガス・サンプリング装置100の独立したコンポーネントである必要はないが、チューブ系セット103の部分の一部である、またはそこに統合された、放射入口窓および出口窓および/またはサンプル分析領域を備えることができる。
【0035】
本明細書に記載されたように、測定光学部品107は、ガス・サンプルそれ自身と接触することなく、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の濃度または他の特性を測定することができる。このように、ガス・サンプル内の任意の汚染物質は、測定光学部品107が、ガス・サンプルにより汚染されないように、測定光学部品107と接触しない。ゆえに、次のカプノグラフ適用における測定光学部品107の使用は、患者を前の患者からの汚染物質に晒さない。
【0036】
ガス・サンプリング装置100の測定部分が、図において測定光学部品107として、示される一方、他のデバイスまたは装置の使用を含む測定の他の方法は、本発明において、用いることが可能である。例えば、一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100の測定部分は、ルミネセンス・クエンチング装置を備える。これらの実施例の場合、サンプル・セルのサンプル分析領域は、ルミネセンス・クエンチングの検出を容易にする窓が配置されるアパーチャを含むことができる。
【0037】
ルミネセンス・クエンチングは、発光種およびクエンチャ(quencher)間の相互作用(電子エネルギーまたは電荷移動)を介した励起エネルギーの無放射性再分配として定義され、および酸素(または他のガス)などのガスの濃度を測定するために使用されてきた技術である。センサとしてしばしば機能する窓は、ポリフィリン色素のようなルミネセンス可能な(luminescable)成分が分散される高分子膜を備える。このセンサ膜は、管理された方法で色素とガスの相互作用をもたらす媒介物である。機能センサにおいて、色素は、高分子膜内に分散され、かつ酸素のようなガスは、高分子を通して拡散する。酸素濃度を測定するためのルミネセンス・クエンチングの使用において、マテリアルは、励起されルミネセンスを示す。酸素を含む混合ガスにルミネセンスを示しているマテリアルを露出すると、そのルミネセンスは、ルミネセンス可能なマテリアルが晒される酸素の量(すなわち、濃度または留分)、または混合ガス内の酸素の量に依存して、クエンチされる。従って、ルミネセンス可能なマテリアルの、ルミネセンスの量の減少割合、またはルミネセンスのクエンチング(すなわち、ルミネセンス可能なマテリアルにより放出される光の量)は、混合ガス内の酸素の量に対応する。ルミネセンス・クエンチングに関する追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている米国特許第6,325,978号に見られる。
【0038】
典型的に、ルミネセンス・クエンチングは、測定される1つまたはそれより多くのタイプのガス(例えば酸素、二酸化炭素、ハロタン、等)によりクエンチ可能な、またはそれらに特有の、ルミネセンス化学で覆われる、またはそれを含むマテリアルに向かって、ソースから励起放射の放出(emission)を要求する。励起放射により、マテリアルは、励起され、かつ励起放射とは異なる波長の電磁放射を放出する。1つまたはそれより多くの関心のあるガスの存在は、ルミネセンス可能なマテリアルから放出される放射量をクエンチする、または減少させる。ルミネセンス可能なマテリアルから放出された放射量は、検出器により測定され、かつ患者の呼吸内の1つまたはそれより多くの感知された、クエンチング・ガスの量の決定を容易にするために、1つまたはそれより多くのクエンチング・ガスが無い状態でのルミネセンス可能なマテリアルから放出された放射量と比較される。
【0039】
サンプル・セルはガス・センシティブなソリッドステート半導体センサおよび表面弾性波(SAW)センサのようなソリッドステート・ガス・センサと物理的なコミュニケーションを可能にする電気的接触を含むことができることが、考慮される。SAWデバイスを(異なるガスを選択的に吸収する)異なる高分子マテリアルで覆うことは、SAW周波数の変化によるガス検出を可能にする。これらのデバイスは、かなり安く製造することができ、かつガスおよび微量物質の範囲の測定を可能にすることができる。
【0040】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、また、流量測定デバイス109を含むことができる。いくつかの実施例の場合、流量測定デバイス109は、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れ(例えば、時間にわたるガス・サンプリング回路102を通って進むガスの体積)を測定するデバイスを含むことができる。ガス・サンプリング回路102内のガスの流れの測定は、ガス・サンプリング回路を通るガスの流れの一定の割合を維持することに役立つ。例えば、流量測定デバイス109により検出される時、ガス・サンプリング回路102を通るガスの流れがあまりにも多くまたはあまりにも少なくなる場合、ポンプ113は、変動を補正するために調整可能であり(例えば、速くするまたは遅くする)、こうしてガス・サンプリング装置100内の一定の流量を維持する。一定の流量は、時間にわたる患者の吐いた息の中の成分の特性の正確なプロファイルを記録するのに、重要となる可能性がある(流量の変化量が公知である場合、一致しない流量により引き起こされる誤差を補正することは可能かもしれない)。
【0041】
いくつかの実施例の場合、流量測定デバイス109は、ガスの流れと接触すること無く、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れを測定することができる。上記のように、このことは、流量測定デバイス109の汚染を防止し、かつガス・サンプリング装置100の再使用可能なコンポーネント104から完全に閉じられたガス・サンプリング回路の使用を可能にする。
【0042】
一実施例の場合、流量測定デバイス109は、光学式流量計を含むことができる。例えば、一実施例の場合、光学式流量計は、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れを通って進むコヒーレントなレーザー・ビーム(または他の電磁エネルギー)により生成された干渉信号を相関させることにより、ガスの流れを測定することができる。この具体例の干渉相関光学式流量計は、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れを横切って(例えば、チューブ系セット103の領域を横切って)横断するように発射される少なくとも2つのレーザー・ビームを含む。チューブ系セット103の領域またはレーザー・ビームがそこを横切るように発射されるガス・サンプリング回路102の他の部分は、これらのレーザー・ビームの各々が、ガスの流れを横切って横断的に進む間、ガス・サンプリング回路102に入りかつ出ることを可能にする2つ以上の光学窓を含むことができる。レーザー・ビームの各々がガス・サンプリング回路102を出た後、それは、流量測定デバイス109と関連した検出器により検出される。レーザー・ビームの各々がガスの流れを通して進む時、それらは、ガスの流れ内の乱流に接触する。この乱流との接触は、流量測定デバイス109と関連した検出器により検出可能な干渉縞を生成する。これらの干渉縞の分析は、何時、乱流の同じパッチがレーザー・ビーム・パスの各々を進むかを、明らかにすることができる。乱流の同じパッチがレーザー・ビーム・パスを通って進むのにかかる時間は、測定され、かつレーザー・ビーム・パスの公知の間隔と共に、ガス・サンプリング回路102内の流量を決定するために使用される。
【0043】
本明細書に記載されたもののような、レーザー使用可能な光学式流量計に関する追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている米国特許第6,683,679号に見られる。光学流量測定および本発明のシステムおよび方法で使用可能な他のタイプの測定に関する情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている、米国特許出願第60/808,312号(発明の名称「光学式圧力変換器を有するエアウエー・アダプターおよびセンサ・コンポーネントを製造する方法(Airway Adaptor with Optical Pressure Transducer and Method of Manufacturing A Sensor Component)」)に見られる。光学流量測定の上記の具体例は、単なる例示である。他のタイプの光学流量測定は、使用可能である。
【0044】
ガス・サンプルと接触しない流量測定デバイス109の他の具体例は、渦流量計である。渦流量計は、ガス・サンプリング回路102内(例えば、チューブ系セット103の部分)のガスの流れを横切って横断的に配置される感知素子を含むことができる。感知素子は、例えば、ガスの流れに横方向に(例えば、それが通って進むチューブ系セット103のセクションの主軸と直交して)ガス・サンプリング回路102に入り、ガス自身の流れを横切って横断的に伸び、かつガス・サンプリング回路102を同様に出る、光ファイバ素子を含むことができる。感知素子の先のガス・サンプリング回路102内のガスの流れにより、乱流渦が感知素子の下流に発生すると、感知素子は、振動する。流量測定デバイス109と関連した検出器は、感知素子の振動および振動周波数を検出する。振動周波数から、ガス・サンプリング回路102内の流量は、計算可能である。渦流量計に関する追加の情報は、それらの両方が全体として本明細書に参照として組込まれている、米国特許第4,706,502号および米国特許第4,475,405号に見られる。光ファイバ使用可能な渦流量計の記載は、単なる例示である。他のタイプの渦流量計も、使用可能である。
【0045】
上述したように、渦流量計の使用は、ガス・サンプルと接触する感知素子を含むことができる。したがって、渦流量計の感知素子は、この接触により汚染される可能性がある。それにもかかわらず、渦流量計の検出器または他のコンポーネントは、ガス・サンプリング回路102内のガス・サンプルと接触する必要はない。いくつかの実施例の場合、渦流量計の検出器または他のコンポーネントのいくつかまたは全ては、感知素子が流量測定デバイス109の一部ではなく本質的にガス・サンプリング回路102の一部であるように、流れ検出に使用される感知素子から独立することが可能である。
【0046】
いくつかの実施例の場合、ガス・サンプリング回路102は、本明細書に組込まれた感知素子で製造可能である。他の実施例の場合、渦流量計から着脱可能な感知素子は、使用前にガス・サンプリング回路102内に組込み可能である。流量測定デバイス109の検出器または他のコンポーネントは、患者に使用中の使い捨て感知素子に接続可能であり、かつ次の適用の使用のために、取外しかつ別のガス・サンプリング回路102の別の感知素子に再度取付け可能である。このような実施例の場合、流量測定デバイス109は、感知素子が流量測定デバイス109の一部と考えられていないので、ガス・サンプリング回路内のガス・サンプルに接触すると考えられない。
【0047】
他のタイプの流量測定デバイスもまた、使用可能である。いくつかの実施例の場合、ガス・サンプルと接触する1つまたはそれより多くの部分を有する流量計が、使用可能である。これらのタイプの流量計は、差圧流量計、面積流量計、タービン流量計、ベーン流量計、インペラ流量計、超音波流量計、熱式質量流量計、および/または他のタイプの流量計を含むことができる。これらの実施例の場合、渦流量計の記載と同様に、ガス・サンプルと接触する1つまたはそれより多くの部分は、流量計の残りの部分から着脱可能であり、および/または容易に清浄、または殺菌可能である。
【0048】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、圧力測定デバイス111を含むことができる。圧力測定デバイス111は、ガス・サンプリング回路102内の圧力(領域にわたる力)を測定することができる。いくつかの実施例の場合、圧力測定情報は、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くのコンポーネントの濃度を計算する際に、有用となる可能性がある。例えば、分光分析が行なわれるガスの圧力は、分光分析中、検出された吸収波長において測定された信号を変えることができる。ガス・サンプリング装置100内の圧力情報の他の使用もまた存在する。
【0049】
一実施例の場合、圧力測定デバイス111は、ガス・サンプルと接触すること無く、ガス・サンプリング回路102内の圧力を測定することができる。上述したように、このことは、圧力測定デバイス111の汚染を防止し、かつガス・サンプリング装置100の再使用可能なコンポーネント104から完全に閉じられたガス・サンプリング回路102の使用を可能にする。
【0050】
ガス・サンプルと接触しない圧力測定デバイス111の具体例は、ダイアフラムの使用が可能な圧力測定デバイスである。ダイアフラムの使用が可能な圧力測定デバイスは、ダイアフラムの変形の大きさが、システム内の圧力に対応する、ダイアフラムの変形を検出する検出器を含むことが可能である。例えば、ガス・サンプリング回路102の部分は、例えば、チューブ系セット103の部分の壁またはサンプル・セル105に組込まれた変形可能なダイアフラムを含むことができる。ガス・サンプリング回路102内のガス・サンプルの圧力が増加する時、ダイアフラムは、膨張する。圧力測定デバイス111は、次に、ダイアフラムの変形/膨張の大きさを検出し、かつそれをガス・サンプリング回路102内側の圧力と相関させることができる。ガス・サンプルと接触しない他のタイプの圧力測定デバイスは、利用可能である。本発明のシステムおよび方法で使用可能な圧力測定デバイスの追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている、「生物医学的な適用のための光ファイバ圧力マイクロセンサ(A Fiber-Optic Pressure Microsensor for Biomedical Applications)」(O. Tohyama、 M. Kohashi、 M. Fukui & H. Itoh)、 (1997 International Conference on Solid-State Sensors and Actuators (Transducers '97)、1489−1492)、に見られる。
【0051】
いくつかの実施例の場合、圧力測定デバイス111は、ガス・サンプルと接触しない1つまたはそれより多くの部分(例えば、チューブ系セット103内に配置されたサンプリング・エレメントを有する圧力変換器)を含むことができる。これらの実施例の場合、ガス・サンプルに接触する1つまたはそれより多くの部分は、それらが圧力測定デバイス111の一部ではなくガス・サンプリング回路102の一部であると考慮されるように、圧力測定デバイスの残りの部分から着脱可能とすることができる。いくつかの実施例の場合これらの着脱可能な部分は、使い捨て可能である。他の実施例の場合、これらは、容易に清浄、または殺菌可能である。
【0052】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、さらに、ポンプ113を含むことができる。ポンプ113は、流体を移送する任意のデバイスを含むことができる。例えば、ポンプ113は、ガス・サンプルが、ガスの主要な流れ106(例えば、人工呼吸器のチューブ系、患者の呼吸システム、またはガスの他の流れ)から吸い込まれ、かつエアウエー・アダプター101を介してガス・サンプリング回路102内に吸い込まれるように、ガス・サンプリング回路102内に負圧をつくることができる。蠕動性のポンプを含むポンプ113の具体例は、以下に与えられる。しかし、他の実施例の場合、例えば、圧縮空気、ベンチュリ真空ポンプ、電場応答性高分子活性ポンプ、または他の方法/装置のような、蠕動性のまたはダイアフラムのポンプ以外の方法/装置は、負圧をつくるために使用可能である。
【0053】
いくつかの実施例の場合、ポンプ113は、ガス・サンプリング回路102内のガス・サンプルと接触しない。このように、ポンプ113は、ガス・サンプルにより汚染すされず、かつ患者間または患者適用される間で、清浄にされる必要がない、または殺菌される必要がない。
【0054】
一実施例の場合、ポンプ113は、蠕動ローラー・ポンプを含むことができる。一実施例の場合、本発明に使用されるような蠕動ローラー・ポンプは、ハブ・アンド・スポーク式(hub and spoke fashion)で、複数のローラーセットを含むことができる。図3Aは、複数のローラー301が、ハブ305で一緒につながれるスポーク303の端に設定される、システム300を示す。図3Bは、ローラー・システム300、シート307、およびガス・サンプリング回路102からのチューブ系セット103の部分を組込むポンプ113を示す。チューブ系セット103の部分は、この実施例の場合、凹形の部分を含むシート307に水平に置かれる。次に、ローラー301は、ハブ305の周りを回転する(この具体例において、ローラーは、時計回りのように回転する)。ローラー301がチューブ系セット103に接触する時、それは、チューブ系セット301の壁を圧縮し、かつチューブ系内の任意の流体(例えば、ガス)をローラー301が進んでいる方向に移動させる。ローラー301の一定の動きは、ローラー301が進んでいる方向に、チューブ系セット103内の流体の一定の動きを生じる。このことは、ガスの主要な流れ106を、ガス・サンプリング装置100のガス・サンプリング回路102を通ってガス・サンプルを吸い込むために必要な負圧をつくる。加えて、ポンプ113の如何なる部分も、実際にはガス・サンプルに接触しない。ゆえに、ポンプ113は、ガス・サンプルにより汚染されず、かつ適用される間に介在する如何なる殺菌も要求しない。
【0055】
蠕動性のポンプに関する追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている、「蠕動性のポンプ―もはや実験室用だけでなない、新しいデザインは、より大きな流量および圧力容量を提供する(Peristaltic Pumps - Not Just for Labs Anymore, New Designs Offer Higher Flowrates and Pressure Capacities)」(AmyEbelhack、originally published in Chemical Processing Magazine、November 2000)、に見られる。このドキュメントは、また、http://www.coleparmer.comでも見ることができる。図1、3A、および3Bにおいて示される蠕動ローラー・ポンプは、単なる例示である。電場応答性高分子駆動の取り外し可能チャンバを有するポンプのような、ガス・サンプルと接触しない他のタイプのポンプもまた、使用可能である。電場応答性高分子(electroactive polymer)は、電荷および電圧の形のエネルギーを機械的な力および運動に変換することができるフレキシブルなマテリアルである。これらは、従来の設計において分離された機能を統合する他に例をみない好機を提供する。ポンプチャンバは、収縮性とすることが可能であり、従って、エネルギー変換、駆動、および構造の単一構造への統合を可能にする。その全体が参照により本明細書に組込まれている、論文「人工筋肉(Artificial Muscles)」(S. Ashley)、(Scientific American、October 2003、p53−59)は、電場応答性高分子の能力を強調する。電場応答性高分子ポンプに関する追加の情報は、その全体が参照により本明細書に組込まれている、米国特許出願第10/384,329号(公開番号US20040068224)「電気活性ポリマ駆動薬物注入ポンプ(Electroactive polymer actuated medication infusion pumps)」に見ることができる。
【0056】
図1Aおよび1Cが、ガス・サンプリング装置100の他のエレメントに関して特別な構成に(すなわち、サンプル・セル105、測定光学部品107、流量測定デバイス109、および圧力測定デバイス111の下流に)配置されたポンプ113を示すが、この配置は、単なる例示である。ポンプ113は、本発明により要求されるようなガス・サンプリング装置100を通して流体を移送するために必要なガス・サンプリング装置100の他のエレメントに関して、何処にでも配置可能である。
【0057】
一実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、また、排気口115を含む。排気口115は、チューブ系セット103を分析されたガス・サンプルの宛先につなぐカプラーまたは他のデバイスを含むことができる。一実施例の場合、分析されたガス・サンプルの宛先は、患者の呼吸回路を含むことができる。例えば、排気口は、分析されたガス・サンプルを、ガス・サンプルが最初に回収される呼吸回路に排出して戻すことができる。上述したように、このことは、高価な麻酔薬または他の薬を大事に使うため、バイオ・ハザード処理の必要性をなくすため、を含むいくつかの理由のために、または他の理由のために行うことができる。
【0058】
一実施例の場合、排気口115は、分析されたガス・サンプルを、ガスが適切に処理される廃棄システムに排出することができる。別の実施例の場合、排気口115は、分析されたガス・サンプルを、ガスを大気に排出する前にガス・サンプルのエレメントが再生利用することができる掃気システムに排出することができる。掃気は、オペレーション環境から排出された麻酔ガスの収集および除去である。供給される麻酔ガスの量が、通常、患者に必要な量をはるかに超えているので、オペレーション環境汚染は、掃気により減少される。
【0059】
掃気は、能動(吸引が適用される)または受動(廃ガスが、ORの排気グリルを通って受動的に蛇行するチューブ系に移る)とすることができる。能動システムは、患者のエアウエーを、吸引の適用または正圧のビルドアップから保護するための手段を要求する。受動システムは、患者を正圧ビルドアップのみから保護することを要求する。別の重要な区別は、スカベンジャ・インタフェースを(大気に対して)開くまたは閉じる(インタフェース内のガスがバルブを通してのみ大気と通じることができる;よく知られたタイプ)ことができることである。異なるタイプのインタフェースは、臨床的含みがある。開インタフェースは、全てのJulian(登録商標)、Fabius GS(登録商標)、Narkomed 6000(登録商標)、およびS/5 ADU(登録商標)ガスマシンに見られる。Aestiva(登録商標)マシンは、開または閉インタフェースを有することができる。開インタフェースは、患者に対してより安全である可能性がある。
【0060】
スカベンジャ・システムは、ガス収集アセンブリ(例えば、APLに接続されたチューブおよびベント・リリーフバルブ(vent relief valve))、移送チューブ系(例えば、19または30mmは、時々、黄色で識別される)、掃気インタフェース、ガス処理チューブ系(ガスをインタフェースから処理アセンブリへ運ぶ)、ガス処理アセンブリ(能動または受動−最も一般的な能動は、病院吸引システムを使用する)、および/または他のエレメントを含むことができる。
【0061】
いくつかの実施例の場合、排気口115は、分析されたガス・サンプルを大気に排出することができる。
【0062】
一実施例の場合、ガス分析システム100は、また、コントローラ、プロセッサ、またはガス・サンプリング装置100のコンポーネントを電子的にコントロールし、調節し、モニタし、および/または電力を提供する「コントロール・センタ」117を含むことができる。図4は、本発明の実施例に従うコントロール・センタ117を示す。一実施例の場合、コントロール・センタ117は、プロセッサ402上で実行されるコントロール・アプリケーション401を含む。
【0063】
コントロール・アプリケーション401は、コントロール・センタ117のメモリに常住するソフトウェア・アプリケーションを備えることができる。一実施例の場合、コントロール・アプリケーション401は、1つまたはそれより多くのモジュール403a〜403nを含むことができる。モジュール403a〜403nは、コントロール、調節、モニタリング、および/またはガス・サンプリング装置100に関する他のタスクを可能とするソフトウェア・モジュールを含むことができる。特に、ソフトウェア・モジュール403a〜403nは、ソース・アセンブリ201により、赤外線放射の生成をコントロールする検出器アセンブリ203による赤外線放射の測定を可能とし、他の測定デバイス(ルミネセンス・クエンチング・デバイス、ソリッドステート・ガス・センサ、表面弾性波センサ、または他のセンサまたは検出器)の使用を可能とし、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の1つまたはそれより多くの特性の測定を可能とし(例えば、ガス・サンプル内の成分の濃度を決定する)、測定光学部品107への電力を調節し、任意の光学部品および/または流量測定デバイス109がガス・サンプリング回路102内のガスの流れを測定するために必要な電磁エネルギー生成をコントロールし、ガス・サンプリング回路102内のガスの流れの計算を可能とし、流量測定デバイス109への電力を調節し、ガス・サンプリング回路102内の圧力を計算するためにダイアフラムの変形の測定を可能とし、ガス・サンプリング回路102内の圧力の計算を可能とし、圧力測定デバイス111への電力を調節し、ポンプ113のオペレーションを調節し、ポンプ113への電力を調節し、グラフィカル・ユーザ・インタフェースを介しユーザへの分析されたガス・サンプルおよび/または他の情報の内容の表示を可能とし、ユーザおよび/または他のデバイス(例えば、医療用デバイス)からの入力データを使用し、他のデバイス(例えば、ディスプレイ、プリンタ、他の医療用の機器)へのデータの出力を可能とし、および/またはガス分析に関連した他のタスクを実行するための受信および計算を可能とすることができる。コントロール・アプリケーション401を備える1つまたはそれより多くのモジュール403a〜403nは、結合可能である。いくつかの目的ために、全てのモジュールが、必要となるわけではない。
【0064】
いくつかの実施例の場合、コントロール・センタ117は、また、(例えば、キーボードまたはキーパットを介し)ユーザ、ガス・サンプリング装置100に関連したデバイス(例えば、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、または他のデバイス)、および/または1つまたはそれより多くの他のデバイス(例えば、他のコンピューティングまたは医療用のデバイス)から入力を受信するために1つまたはそれより多くの入力ポート405を含むことができる。いくつかの実施例の場合、コントロール・センタ117は、また、例えば、ディスプレイ・デバイス、ガス・サンプリング装置100と関連した1つまたはそれより多くのデバイス(例えば、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、または他のデバイス)、および/または他のコンピューティングまたは医療用のデバイスのような、1つまたはそれより多くのデバイスへ、出力を提供するための1つまたはそれより多くの出力ポート407を含むことができる。いくつかの実施例の場合、コントロール・センタ117は、データをユーザにグラフィカル・ユーザ・インタフェースを介して表示するためのそれ自身の表示デバイス409を含むことができる。
【0065】
いくつかの実施例の場合、コントロール・センタ117は、また、直流および/または交流電源から電力を受け取るための電力インタフェース411を含むことができる。いくつかの実施例の場合、電力インタフェース411で受け取った電力は、電力をコントロール・センタ117に提供するために使用可能なばかりでなく、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、および/またはガス・サンプリング装置100の他のエレメントの1つまたはそれより多くのに電力の分配を可能とすることもできる。他の実施例の場合、測定光学部品107、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、および/またはガス・サンプリング装置100の他のエレメントの1つまたはそれより多くのは、交替または独立の電源を有することができる。
【0066】
当業者は、本明細書に記載された本発明が様々なシステム構成を扱うことができることを理解できるであろう。従って、前述のシステム・コンポーネントの殆どは、様々な実施例の場合、使用可能であり、および/または結合可能である。本明細書に記載の機能が、ソフトウェアに加えて、または代わりに、ハードウェアおよび/またはファームウェアの様々な組合せにおいて、実施可能であることも、また理解されるべきである。
【0067】
いくつかの実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、他のコンポーネントを含むことができる。例えば、ガス・サンプリング装置100は、ガス・サンプリング回路102内のガス・サンプルの温度を測定するための温度測定デバイスを含むことができる(接触および非接触モジュールは、従来技術において公知である)。別の具体例において、ガス・サンプリング装置100は、ガス・サンプリングデバイス内のガス・サンプル内に存在する湿度または水分を測定するための湿度測定デバイスを含むことができる。ガス・サンプリング回路102のガス・サンプルの温度および/または湿度に関する情報は、ガス・サンプルのコンポーネントの赤外吸収の計算に有用である可能性がある(例えば、水蒸気の存在のために加えられる訂正を可能にする)または他の目的のために使用可能である。
【0068】
別の具体例において、ガス・サンプリング装置100は、チューブ系セット103に統合される水分透過性の或る長さのチューブ系を含むことができる。例えば、或る長さのNafion(登録商標)チューブ系は、チューブ系セット103に組込み可能である。この水分透過性のまたは親水性のチューブ系は、ガス・サンプリング回路102内の水分レベルを調節するために、水分がガス・サンプリング回路102のガス・サンプルから外へでる、または中にはいることを可能にすることができる。他の実施例の場合、ガス・サンプリング装置100は、ガス・サンプルがサンプル・セル105内で分析される前にガス・サンプルから水分または他のコンポーネントを取り除くための、排水器または他のデバイスを含むことができる。
【0069】
一実施例の場合、チューブ系セット103の1つまたはそれより多くの部分は、デュアル・ルーメン・チューブ系(dual lumen tubing)を含むことができる。デュアル・ルーメン・チューブ系は、ガス・サンプルを運ぶための2つの独立した通路を有する1本のチューブ系を含むことができる。いくつかの実施例の場合、デュアル・ルーメン・チューブ系は、ガス・サンプルをガス・サンプリング装置100の1つまたはそれより多くのコンポーネント(例えば、サンプル・セル105、流量測定デバイス109、圧力測定デバイス111、ポンプ113、または他のコンポーネント)の方へ、およびそれから遠ざけるように運ぶために利用可能である。例えば、ガス・サンプルを、デュアル・ルーメン・チューブの第一のルーメン内のサンプル・セル105に、かつサンプル・セル105から離れてデュアル・ルーメン・チューブの第二のルーメン内に、運ぶことができる。
【0070】
図5は、ガス・サンプル内の成分の特性を、1つまたはそれより多くの再使用可能なコンポーネント(例えば、ガス・サンプリング装置100)とインタフェースしないガス・サンプル回路を有するガス・サンプリング装置を使用して、分析することができるプロセス500を示す。一実施例の場合、プロセス500は、ガス・サンプリング装置100のエアウエー・アダプター101を主なガスの流れ106に取付けかつ排気口115を分析されたガス・サンプルの宛先に取付けることができる、オペレーション501を含むことができる。
【0071】
オペレーション503において、ポンプ113は、ガス・サンプリング回路102内にガスのサンプル流をつくる圧力差をつくるために、駆動可能である。例えば、一実施例の場合、ポンプ113は、ガス・サンプルをガスの主要な流れ106から結合101を介して吸い込み、かつそのガス・サンプルをガス・サンプリング回路102を通して移送する負圧差をつくる。上述したように、いくつかの実施例の場合、ポンプ113は、ガス・サンプルに接触しない。また、上述したように、ポンプ113として示された蠕動性のポンプは、単なる例示である。ポンプ113は、ダイアフラム・ポンプ、ベンチュリ真空ポンプ、容積式ポンプ、電場応答性高分子駆動ポンプ(electroactive polymer actuated pump)、または他のポンプを備えることができる。
【0072】
オペレーション505において、ガス・サンプルは、チューブ系セット103を通ってサンプル・セル105に移送可能である。オペレーション507において、ガス・サンプルがサンプル・セル105のサンプル分析領域にある間、赤外線放射または他の放射は、測定光学部品107のソース・アセンブリ201から放出される。この赤外線放射は、ガス・サンプルを含むサンプル分析領域を通って進むことができ、かつ測定光学部品107の検出器アセンブリ203によって検出され、より少ない任意の赤外線放射がガス・サンプルの成分により吸収される。他の実施例の場合、ガス・サンプル成分の特性は、赤外吸収以外の測定テクニックを使用して、測定可能である。例えば、ルミネセンス・クエンチング装置、ソリッドステート・ガス・センサ、表面弾性波センサ、または他の測定装置のような、測定光学部品107以外の測定部分が使用可能である。
【0073】
オペレーション509において、検出器アセンブリ203により検出される赤外線放射に関する情報は、コントロール・センタ117に送信可能である。オペレーション511において、ガス・サンプリング装置100の1つまたはそれより多くのコンポーネントは、ガス・サンプリング回路102に関する環境的な読取り値を取ることができ、かつその情報をコントロール・センタ117に送ることができる。これらの環境的な読取り値は、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性を測定する条件を考慮するために、使用可能である。例えば、一実施例の場合、圧力測定デバイス111は、ガス・サンプリング回路102に関する圧力読取り値を取ることができる。これらの圧力読取り値は、ガス・サンプルの成分による放射の吸収に関して圧力が有する効果を補償するために使用可能である。他の環境的な読取り値(例えば、流量、温度、湿度、または他の読取り値)を取りかつ使用することができる。オペレーション511は、赤外線放射が、放出されるおよび/またはオペレーション507において検出される間に、行なうことができる。
【0074】
オペレーション513において、ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の濃度または他の特性の測定された特性は、コントロール・センタ117により計算可能である。いくつかの実施例の場合、このデータは、表示可能であり、またはさもなければユーザに通信可能である。
【0075】
オペレーション515において、ガス・サンプルを、分析されたガス・サンプルの宛先に排出することができる。上述したように、分析されたガス・サンプルの宛先は、例えば、掃気システム、それが得られたガスの主要な流れ106、廃棄システム、大気、または他の宛先を含むことができる。いくつかの実施例の場合、プロセス500は、ガス・サンプルをガスの主要な流れ106から連続して吸い込みかつ分析する、オペレーション505に戻ることができる。
【0076】
ガス分析装置100は、或る期間にわたって、患者の息内のサンプル成分のリアルタイムまたはほぼリアルタイムの濃度または他の特性を観測するために、利用可能である。このように、本明細書で参照される「ガス・サンプル」は、所定の時間にサンプル・セル105の分析領域にあるガスの不連続な量を表わすことができる。加えて、「ガス・サンプル」は、ガスの主要な流れ106から取り除かれ、かつ濃度または他の特性のために分析される、ガスの連続的な流れを意味することができる。いくつかの実施例の場合、或る期間にわたるガスの連続的な流れの分析は、その期間にわたる患者の息の1つまたはそれより多くの特性の図による表示(例えば、時間にわたるCO2濃度の「カプノグラム」)を生成することができる。
【0077】
患者の吐いた息の1つまたはそれより多くの成分の特性の読取り値を或る期間にわたって得る場合、ガス・サンプリング回路102を通るガスの流れを一定の割合で維持することは、望ましい。ゆえに、プロセス500のオペレーションの何れの間も、流量測定デバイス109は、ガス・サンプリング回路を通ってガスの流れを測定し、かつガス・サンプリング回路102を通るガスの流れに関する情報をコントロール・センタ117に伝えるために、利用可能である。この情報は、異なる負荷条件のもとでガス・サンプリング回路102を通ってガスの一定の流れを維持するようにポンプ113を調整するために利用可能である。例えば、ガス・サンプリング回路102に組込まれたフィルタは、部分的に詰まるかもしれず、従って、ポンプ113の負荷は、増加する可能性がある。別の具体例において、ガス・サンプルが吸い込まれるガスの主要な流れ106内の圧力は、増加する、または減少する。このことは、ポンプ113の負荷を増加させる、または減少させるかもしれない。他のファクタは、ポンプ113の負荷を変えるかもしれない。
本発明が、例示のために、最も実用的かつ好適な実施例であると現在考えられるものに基づいて、詳細に記載されたにもかかわらず、このような詳細は、単にこの目的のためだけであり、および本発明は、開示された実施例に限定されないが、逆に、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内である、変更および等価な構成をカバーすることが意図されることは、理解されるべきである。例えば、本発明が、可能な範囲内で任意の実施例の一つ以上の構成が任意の他の実施例の一つ以上の特徴と結合可能であることを意図することは、理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1A】本発明の実施例に従うガス・サンプリング装置の線図である。
【図1B】図1のガス・サンプリング装置におけるガス・サンプリング回路の線図である。
【図1C】図1のガス・サンプリング装置の再使用可能なコンポーネントの線図である。
【図2A】本発明の実施例に従うサンプル・セルおよび測定光学部品のさらに詳細な例示である。
【図2B】本発明の実施例に従うサンプル・セルおよび測定光学部品のさらに詳細な例示である。
【図3A】本発明の実施例に従うローラー・システムの線図である。
【図3B】本発明の実施例に従う蠕動ローラー・ポンプの線図である。
【図4】本発明の実施例に従うコントロール・センタの線図である。
【図5】本発明の実施例に従うガス・サンプルを分析するためのプロセスの線図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側流ガス・サンプリングシステムであって、
ガス・サンプルを前記ガス・サンプリング・サイトから受け取るサンプル移送チューブと、前記ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性が測定されるサンプル分析器領域と、を備える、ガス・サンプルをガス・サンプリング・サイトからガス測定サイトに伝えるとともに使用中に前記ガス・サンプルと接触するコンポーネントを含む第一のアセンブリと、
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプルを前記サンプル移送チューブを通って前記サンプル分析器領域に移動させるための、前記サンプル移送チューブに動作可能に結合されるポンプ、前記ガス・サンプルと接触すること無く前記サンプル移送チューブを通る前記ガス・サンプルの流れに関する情報を得る流量測定デバイス、前記ガス・サンプルと接触すること無く前記サンプル移送チューブ内の前記ガス・サンプルの圧力に関する情報を得る圧力測定デバイス、または前記ポンプ、前記流量測定デバイス、および前記圧力測定デバイスの任意の組合せ、を備える第二のアセンブリであって、該第二のアセンブリの全てのコンポーネントが、前記ガス・サンプルと接触しないように、使用中の全ての時間で前記第一のアセンブリの外部にある第二のアセンブリと、
を備える側流ガス・サンプリングシステム。
【請求項2】
前記サンプル移送チューブが、患者のエアウエーと通じる少なくとも1つのプロングを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サンプル移送チューブおよび前記サンプル分析器領域が、ユニットのコンポーネントとして定義される請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第一のアセンブリが、
前記サンプル移送チューブを患者回路に結合するアダプタ、
前記サンプル移送チューブ及び/または前記サンプル分析器領域に動作可能に結合されるフィルタ、
前記サンプル移送チューブ及び/または前記サンプル分析器領域に動作可能に結合される、水分を前記ガス・サンプルから取り除く水分除去システム、または
前記アダプタ、前記フィルタ、および前記水分除去システムの任意の組合せ、
を更に備える請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記流量測定デバイスが、光学式流量計、渦流量計、超音波流量計、または熱線式質量流量計の1つを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポンプが、ダイアフラム・ポンプ、蠕動性のポンプ、ベンチュリ真空ポンプ、および電場応答性高分子駆動ポンプの1つまたはそれより多くを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記サンプル分析器領域が、
少なくとも2つの光学分析窓を有するサンプル・セル、
前記サンプル移送チューブに統合された少なくとも2つの光学分析窓、
ソリッドステート・ガス・センサまたは表面弾性波センサとの物理的なコミュニケーションを可能にする1つまたはそれより多くの電気的接触、または
前記サンプル・セル、前記少なくとも2つの光学分析窓、および前記1つまたはそれより多くの電気的接触の任意の組合せ、
を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ガスの主流の流れから採られたガス・サンプルの1つまたはそれより多くの成分の濃度を測定する方法であって、
ガス・サンプルをガス・サンプリング・サイトからガス測定サイトに伝える第一のアセンブリであって、使用中、前記ガス・サンプルに接触するコンポーネントを含む前記第一のアセンブリを提供し、
第二のアセンブリの全てのコンポーネントが、前記ガス・サンプルと接触しないように、使用中全ての時間で、前記第一のアセンブリの外部にある前記第二のアセンブリを提供し、
前記第一のアセンブリを前記第二のアセンブリに結合し、
前記第一のアセンブリの第一のコンポーネントを使用して、ガス・サンプルをガス・サンプル部位から運び、
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記第二のアセンブリを使用して前記ガス・サンプルの流れに関する流れの情報を獲得し、前記ガス・サンプルと接触すること無く前記第二のアセンブリを使用して前記ガス・サンプルの圧力に関する圧力情報を獲得し、または前記流れ情報および前記圧力情報の両方を前記第二のアセンブリを使用して獲得するために、前記第二のアセンブリの第一のコンポーネントを使用し、
前記第二のアセンブリの第二のコンポーネントを使用して前記ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性を測定する方法。
【請求項9】
前記ガス・サンプルを前記第一のアセンブリの前記第一のコンポーネントを通して移動させるために、前記第二のアセンブリの第二のコンポーネントを使用することを、更に、備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第一の測定プロセスが完了した後、前記第一のアセンブリへの前記第二のアセンブリへの前記結合を切り離し、
前記第一のアセンブリを廃棄し、
第二の測定プロセスにおいて別の第一のアセンブリを有する前記第二のアセンブリを再使用する、
ステップを更に備える請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプルの流れに関する流れの情報を前記第二のアセンブリを使用して獲得し、
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプルの圧力に関する圧力情報を前記第二のアセンブリを使用して獲得し、または
前記流れ情報および前記圧力情報の両方を、前記第二のアセンブリを使用して獲得する、
ステップを更に備える請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ガス・サンプルを前記第一のアセンブリを使用してフィルタリングし、
前記第一のアセンブリを使用して前記ガス・サンプルを除湿し、または
前記ガス・サンプルを前記第一のアセンブリを使用してフィルタリングしかつ除湿する、
ステップを更に備える請求項8に記載の方法。
【請求項13】
側流ガス・サンプリング装置であって、
ガス・サンプルをガスの主流の流れから受け取るサンプル移送チューブと、前記ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性が測定されるサンプル分析器領域と、を備えるガス・サンプリング回路と、
前記ガス・サンプルと接触すること無く、前記ガス・サンプルを前記ガスの本流の流れから取り出し、前記ガス・サンプルを前記サンプル移送チューブを通って前記サンプル分析器領域に移動させるために、前記ガス・サンプリング回路内の圧力差をつくるポンプと、
を備える側流ガス・サンプリング装置。
【請求項14】
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプリング回路を通る前記ガス・サンプルの流れに関する情報を得る流量測定デバイス、および/または
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプリング回路内の前記ガス・サンプルの圧力に関する情報を得る圧力測定デバイス、
を更に備える請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ガス・サンプリング回路を通る前記ガス・サンプルの前記流れに関する情報が、前記ガス・サンプリング回路を通るガスの一定の流れを保証するように前記ポンプをコントロールするために利用される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記流量測定デバイスが、光学式流量計、渦流量計、超音波流量計、または熱線式質量流量計の1つを備える請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記圧力測定デバイスが、前記ガス・サンプリング回路内の前記圧力を測定するために、前記サンプル移送チューブに統合されたダイアフラムの変形を測定する請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記ガス・サンプリング回路内の前記ガス・サンプルの前記圧力に関する前記情報が、前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の前記特性の前記測定に関して前記圧力が有する効果を考慮するために利用される、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の前記特性が、
前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の濃度および前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の分圧の1つまたはそれより多くが前記濃度を備える、または
百分率、百万分率、および十億分率の1つまたはそれより多くとして表わされる前記ガス・サンプルの1つまたはそれより多くの成分を備える、
請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の前記特性が、分光学、赤外分光学、ルミネセンス・クエンチング、ソリッドステート・ガス・センサ、表面弾性波センサ、またはそれらの任意の組合せを使用して測定される請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記サンプル分析器領域が、
少なくとも2つの光学分析窓を有するサンプル・セル、
前記サンプル移送チューブに統合された少なくとも2つの光学分析窓、
前記ソリッドステート・ガス・センサまたは前記表面弾性波センサとの物理的なコミュニケーションを可能にする1つまたはそれより多くの電気的接触、または
前記サンプル・セル、前記少なくとも2つの光学分析窓、および前記1つまたはそれより多くの電気的接触の任意の組合せ、
を備える請求項13に記載の装置。
【請求項22】
前記サンプル分析器領域が、少なくとも2つの光学分析窓を備える請求項13に記載の装置。
【請求項23】
前記ガス・サンプルのその特性が測定される前記1つまたはそれより多くの成分が、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、酸化窒素、および麻酔薬の1つまたはそれより多くである、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
前記ポンプが、ダイアフラム・ポンプ、蠕動性のポンプ、ベンチュリ真空ポンプ、および電場応答性高分子駆動ポンプの1つまたはそれより多くを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項25】
前記ガス・サンプリング回路が、前記ガス・サンプルを、それが前記サンプル分析器領域を通って進んだ後、前記ガス・サンプリング回路から追い出す、サンプル排気口を、更に、備える請求項13に記載の装置。
【請求項26】
前記サンプル排気口が、
前記ガス・サンプルを前記ガスの主流の流れに戻す、または
前記ガス・サンプルを処理装置に移送する、
請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記サンプル移送チューブが、第一および第二のルーメンを備え、前記第一のルーメンが、前記ガス・サンプルを前記サンプル分析器領域に向けて運び、かつ前記第二のルーメンが、前記ガス・サンプルを、前記サンプル分析器領域から遠ざけるように運ぶ、請求項13に記載の装置。
【請求項28】
前記サンプル移送チューブが、水分を前記ガス・サンプルから取り除く水分除去領域を含む請求項13に記載の装置。
【請求項29】
前記水分除去領域が、親水性のチューブ系のセクション、除湿マテリアル、排水器、またはそれらの任意の組合せを備える請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記ガス・サンプルを前記ガスの主流の流れから取り除き、かつ前記ガス・サンプルを前記ガス・サンプリング回路内に導くアダプタを、更に、備える請求項13に記載の装置。
【請求項31】
ガスの主流の流れから採られたガス・サンプルの1つまたはそれより多くの成分の濃度を測定するための方法であって、
ガス・サンプルをガスの主流の流れから取り除き、
前記ガス・サンプルをサンプル分析器領域にサンプル移送チューブを介して移送し、
前記サンプル分析器領域の前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の特性を測定し、
前記ガス・サンプルを、前記サンプル移送チューブを通して、前記ガス・サンプルに接触しないポンプメカニズムを使用して、ポンプで送る、
方法。
【請求項32】
前記同じポンプメカニズム用の前記サンプル移送チューブを交換することを、更に、備える請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプルの流れに関する流れの情報を得ること、および/または
前記ガス・サンプルの圧力に関する圧力情報を、前記ガス・サンプルと接触すること無く得ること、
を更に備える請求項31に記載の方法。
【請求項1】
側流ガス・サンプリングシステムであって、
ガス・サンプルを前記ガス・サンプリング・サイトから受け取るサンプル移送チューブと、前記ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性が測定されるサンプル分析器領域と、を備える、ガス・サンプルをガス・サンプリング・サイトからガス測定サイトに伝えるとともに使用中に前記ガス・サンプルと接触するコンポーネントを含む第一のアセンブリと、
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプルを前記サンプル移送チューブを通って前記サンプル分析器領域に移動させるための、前記サンプル移送チューブに動作可能に結合されるポンプ、前記ガス・サンプルと接触すること無く前記サンプル移送チューブを通る前記ガス・サンプルの流れに関する情報を得る流量測定デバイス、前記ガス・サンプルと接触すること無く前記サンプル移送チューブ内の前記ガス・サンプルの圧力に関する情報を得る圧力測定デバイス、または前記ポンプ、前記流量測定デバイス、および前記圧力測定デバイスの任意の組合せ、を備える第二のアセンブリであって、該第二のアセンブリの全てのコンポーネントが、前記ガス・サンプルと接触しないように、使用中の全ての時間で前記第一のアセンブリの外部にある第二のアセンブリと、
を備える側流ガス・サンプリングシステム。
【請求項2】
前記サンプル移送チューブが、患者のエアウエーと通じる少なくとも1つのプロングを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記サンプル移送チューブおよび前記サンプル分析器領域が、ユニットのコンポーネントとして定義される請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第一のアセンブリが、
前記サンプル移送チューブを患者回路に結合するアダプタ、
前記サンプル移送チューブ及び/または前記サンプル分析器領域に動作可能に結合されるフィルタ、
前記サンプル移送チューブ及び/または前記サンプル分析器領域に動作可能に結合される、水分を前記ガス・サンプルから取り除く水分除去システム、または
前記アダプタ、前記フィルタ、および前記水分除去システムの任意の組合せ、
を更に備える請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記流量測定デバイスが、光学式流量計、渦流量計、超音波流量計、または熱線式質量流量計の1つを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ポンプが、ダイアフラム・ポンプ、蠕動性のポンプ、ベンチュリ真空ポンプ、および電場応答性高分子駆動ポンプの1つまたはそれより多くを備える請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記サンプル分析器領域が、
少なくとも2つの光学分析窓を有するサンプル・セル、
前記サンプル移送チューブに統合された少なくとも2つの光学分析窓、
ソリッドステート・ガス・センサまたは表面弾性波センサとの物理的なコミュニケーションを可能にする1つまたはそれより多くの電気的接触、または
前記サンプル・セル、前記少なくとも2つの光学分析窓、および前記1つまたはそれより多くの電気的接触の任意の組合せ、
を備える請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ガスの主流の流れから採られたガス・サンプルの1つまたはそれより多くの成分の濃度を測定する方法であって、
ガス・サンプルをガス・サンプリング・サイトからガス測定サイトに伝える第一のアセンブリであって、使用中、前記ガス・サンプルに接触するコンポーネントを含む前記第一のアセンブリを提供し、
第二のアセンブリの全てのコンポーネントが、前記ガス・サンプルと接触しないように、使用中全ての時間で、前記第一のアセンブリの外部にある前記第二のアセンブリを提供し、
前記第一のアセンブリを前記第二のアセンブリに結合し、
前記第一のアセンブリの第一のコンポーネントを使用して、ガス・サンプルをガス・サンプル部位から運び、
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記第二のアセンブリを使用して前記ガス・サンプルの流れに関する流れの情報を獲得し、前記ガス・サンプルと接触すること無く前記第二のアセンブリを使用して前記ガス・サンプルの圧力に関する圧力情報を獲得し、または前記流れ情報および前記圧力情報の両方を前記第二のアセンブリを使用して獲得するために、前記第二のアセンブリの第一のコンポーネントを使用し、
前記第二のアセンブリの第二のコンポーネントを使用して前記ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性を測定する方法。
【請求項9】
前記ガス・サンプルを前記第一のアセンブリの前記第一のコンポーネントを通して移動させるために、前記第二のアセンブリの第二のコンポーネントを使用することを、更に、備える請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第一の測定プロセスが完了した後、前記第一のアセンブリへの前記第二のアセンブリへの前記結合を切り離し、
前記第一のアセンブリを廃棄し、
第二の測定プロセスにおいて別の第一のアセンブリを有する前記第二のアセンブリを再使用する、
ステップを更に備える請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプルの流れに関する流れの情報を前記第二のアセンブリを使用して獲得し、
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプルの圧力に関する圧力情報を前記第二のアセンブリを使用して獲得し、または
前記流れ情報および前記圧力情報の両方を、前記第二のアセンブリを使用して獲得する、
ステップを更に備える請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記ガス・サンプルを前記第一のアセンブリを使用してフィルタリングし、
前記第一のアセンブリを使用して前記ガス・サンプルを除湿し、または
前記ガス・サンプルを前記第一のアセンブリを使用してフィルタリングしかつ除湿する、
ステップを更に備える請求項8に記載の方法。
【請求項13】
側流ガス・サンプリング装置であって、
ガス・サンプルをガスの主流の流れから受け取るサンプル移送チューブと、前記ガス・サンプル内の1つまたはそれより多くの成分の特性が測定されるサンプル分析器領域と、を備えるガス・サンプリング回路と、
前記ガス・サンプルと接触すること無く、前記ガス・サンプルを前記ガスの本流の流れから取り出し、前記ガス・サンプルを前記サンプル移送チューブを通って前記サンプル分析器領域に移動させるために、前記ガス・サンプリング回路内の圧力差をつくるポンプと、
を備える側流ガス・サンプリング装置。
【請求項14】
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプリング回路を通る前記ガス・サンプルの流れに関する情報を得る流量測定デバイス、および/または
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプリング回路内の前記ガス・サンプルの圧力に関する情報を得る圧力測定デバイス、
を更に備える請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ガス・サンプリング回路を通る前記ガス・サンプルの前記流れに関する情報が、前記ガス・サンプリング回路を通るガスの一定の流れを保証するように前記ポンプをコントロールするために利用される請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記流量測定デバイスが、光学式流量計、渦流量計、超音波流量計、または熱線式質量流量計の1つを備える請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記圧力測定デバイスが、前記ガス・サンプリング回路内の前記圧力を測定するために、前記サンプル移送チューブに統合されたダイアフラムの変形を測定する請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記ガス・サンプリング回路内の前記ガス・サンプルの前記圧力に関する前記情報が、前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の前記特性の前記測定に関して前記圧力が有する効果を考慮するために利用される、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の前記特性が、
前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の濃度および前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の分圧の1つまたはそれより多くが前記濃度を備える、または
百分率、百万分率、および十億分率の1つまたはそれより多くとして表わされる前記ガス・サンプルの1つまたはそれより多くの成分を備える、
請求項13に記載の装置。
【請求項20】
前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の前記特性が、分光学、赤外分光学、ルミネセンス・クエンチング、ソリッドステート・ガス・センサ、表面弾性波センサ、またはそれらの任意の組合せを使用して測定される請求項13に記載の装置。
【請求項21】
前記サンプル分析器領域が、
少なくとも2つの光学分析窓を有するサンプル・セル、
前記サンプル移送チューブに統合された少なくとも2つの光学分析窓、
前記ソリッドステート・ガス・センサまたは前記表面弾性波センサとの物理的なコミュニケーションを可能にする1つまたはそれより多くの電気的接触、または
前記サンプル・セル、前記少なくとも2つの光学分析窓、および前記1つまたはそれより多くの電気的接触の任意の組合せ、
を備える請求項13に記載の装置。
【請求項22】
前記サンプル分析器領域が、少なくとも2つの光学分析窓を備える請求項13に記載の装置。
【請求項23】
前記ガス・サンプルのその特性が測定される前記1つまたはそれより多くの成分が、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、酸化窒素、および麻酔薬の1つまたはそれより多くである、請求項13に記載の装置。
【請求項24】
前記ポンプが、ダイアフラム・ポンプ、蠕動性のポンプ、ベンチュリ真空ポンプ、および電場応答性高分子駆動ポンプの1つまたはそれより多くを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項25】
前記ガス・サンプリング回路が、前記ガス・サンプルを、それが前記サンプル分析器領域を通って進んだ後、前記ガス・サンプリング回路から追い出す、サンプル排気口を、更に、備える請求項13に記載の装置。
【請求項26】
前記サンプル排気口が、
前記ガス・サンプルを前記ガスの主流の流れに戻す、または
前記ガス・サンプルを処理装置に移送する、
請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記サンプル移送チューブが、第一および第二のルーメンを備え、前記第一のルーメンが、前記ガス・サンプルを前記サンプル分析器領域に向けて運び、かつ前記第二のルーメンが、前記ガス・サンプルを、前記サンプル分析器領域から遠ざけるように運ぶ、請求項13に記載の装置。
【請求項28】
前記サンプル移送チューブが、水分を前記ガス・サンプルから取り除く水分除去領域を含む請求項13に記載の装置。
【請求項29】
前記水分除去領域が、親水性のチューブ系のセクション、除湿マテリアル、排水器、またはそれらの任意の組合せを備える請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記ガス・サンプルを前記ガスの主流の流れから取り除き、かつ前記ガス・サンプルを前記ガス・サンプリング回路内に導くアダプタを、更に、備える請求項13に記載の装置。
【請求項31】
ガスの主流の流れから採られたガス・サンプルの1つまたはそれより多くの成分の濃度を測定するための方法であって、
ガス・サンプルをガスの主流の流れから取り除き、
前記ガス・サンプルをサンプル分析器領域にサンプル移送チューブを介して移送し、
前記サンプル分析器領域の前記ガス・サンプル内の前記1つまたはそれより多くの成分の特性を測定し、
前記ガス・サンプルを、前記サンプル移送チューブを通して、前記ガス・サンプルに接触しないポンプメカニズムを使用して、ポンプで送る、
方法。
【請求項32】
前記同じポンプメカニズム用の前記サンプル移送チューブを交換することを、更に、備える請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ガス・サンプルと接触すること無く前記ガス・サンプルの流れに関する流れの情報を得ること、および/または
前記ガス・サンプルの圧力に関する圧力情報を、前記ガス・サンプルと接触すること無く得ること、
を更に備える請求項31に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【公表番号】特表2009−543070(P2009−543070A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518599(P2009−518599)
【出願日】平成19年6月30日(2007.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/072618
【国際公開番号】WO2008/005907
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月30日(2007.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/072618
【国際公開番号】WO2008/005907
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(505338497)アールアイシー・インベストメンツ・エルエルシー (81)
【Fターム(参考)】
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