説明

閉塞筒状体とその製造方法

【課題】 カップ、容器等の閉塞筒状体を容易にかつ手早く構成することができる閉塞筒状体とその製造方法を提供する。
【解決手段】 筒胴部構成シート部3が筒状に曲げられてその両側部が貼付代12において貼り付けられることで筒胴部11が形成され、筒胴部11の一端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法をもって筒胴部構成シート部3の一端から延長され閉塞部構成シート部4において、筒胴部11の一端開口縁を折返し部として中心に向けて折り返されながら、複数の襞状折り重ね部24が周方向に形成され、かつこれら複数の襞状折り重ね部24が周方向に順次折り重ねられて凸状閉塞部25が形成される。凸状閉塞部25が筒胴部11の内部に向けて押し込まれて凹状に座屈されることで閉塞部20が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カップ、容器等の閉塞筒状体と、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クラフト紙、厚紙、樹脂コート加工紙、断熱性加工紙等の板紙(樹脂製シートも含む)等よりなる一枚のシート素材を、カップや容器に対応する所要とする展開形状に形成して折込用加工シートを形成してから、その折込用加工シートを部分的に貼り付けたり、あるいは折り込んで、カップや容器等の閉塞筒状体を構成するものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−180654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、カップや容器等の閉塞筒状体に対応して所要とする展開形状に形成された折込用加工シートを、部分的に貼り付けたり、あるいは折り込んでカップや容器等の閉塞筒状体を構成するものにおいては、その閉塞筒状体の用途に応じて、保温性、水密性、剛性(強度)等をもたせる必要がある。
このため、折込用加工シートの貼付部分、あるいは折込部分の形状が複雑化し、閉塞筒状体を構成するために、多くの手間や時間が必要となる。
【0004】
この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑み、カップ、容器等の閉塞筒状体を容易にかつ手早く構成することができる閉塞筒状体とその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、この発明の請求項1に係る閉塞筒状体は、筒胴部と、その筒胴部の両端開口部のうち、少なくとも一端開口部に設けられてその一端開口部を塞ぐ閉塞部と、を備えた閉塞筒状体であって、
前記筒胴部の展開形状に形成された筒胴部構成シート部が筒状に曲げられてその両側部が貼付代において貼り付けられることで筒胴部が形成され、
前記筒胴部の一端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法をもって前記筒胴部構成シート部の一端から延長されかつ前記閉塞部の展開形状に対応して形成された閉塞部構成シート部において、前記筒胴部の一端開口縁を折返し部として中心に向けて折り返されながら、複数の襞状折り重ね部が周方向に形成され、かつこれら複数の襞状折り重ね部が周方向に順次折り重ねられて凸状閉塞部が形成され、
前記凸状閉塞部が前記筒胴部の内部に向けて押し込まれて凹状に座屈されることで閉塞部が形成されることを特徴とする。
【0006】
したがって、筒胴部の一端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法をもって筒胴部構成シート部の一端から延長された閉塞部構成シート部において、複数の襞状折り重ね部を周方向に形成しながら、順次折り重ねて凸状閉塞部を形成することができる。
その後、凸状閉塞部を筒胴部の内部に向けて押し込み凹状に座屈させることで閉塞部を容易に形成することができる。
また、閉塞部を構成する複数の襞状折り重ね部のうち、任意の襞状折り重ね部を引き出し操作することによって、容易に開放することができる。
【0007】
請求項2に係る閉塞筒状体は、請求項1に記載の閉塞筒状体であって、
筒胴部の一端開口部に設けられた閉塞部を底閉塞部とし、
前記筒胴部の他端開口部には、前記底閉塞部と同様の折り込み構成によって蓋閉塞部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
前記構成において、筒胴部の一端開口部に底閉塞部が、他端開口部に蓋閉塞部が形成されることによって、例えば、蓋付きカップ(容器)を容易に構成することができる。
このようにして構成された蓋付きカップは、ポップコーン、スナック菓子類等の軽量の菓子類を収納して持ち運ぶカップとして使用することができる。
この場合、蓋閉塞部によってカップが閉塞されるため、持ち運び時において、内容物がこぼれ落ちたリ、あるいは塵などが入ることを防止することができる。
また、内容物を取り出す場合には、蓋閉塞部の複数の襞状折り重ね部のうち、任意の襞状折り重ね部を引き出し操作することによって、容易に開放することができる。
【0009】
請求項3に係る閉塞筒状体の製造方法は、筒胴部と、その筒胴部の両端開口部のうち、少なくとも一端開口部に設けられてその一端開口部を塞ぐ閉塞部と、を備えた閉塞筒状体を製造する方法であって、
クラフト紙、厚紙、樹脂コート加工紙、断熱性加工紙、樹脂製シート等のシート材を素材とし、前記筒胴部の展開形状に対応し、かつ一側に貼付代を有する筒胴部構成シート部と、
前記筒胴部の一端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法をもって前記筒胴部構成シート部の一端から延長されかつ前記閉塞部の展開形状に対応する閉塞部構成シート部と、を連続して有する折込用加工シートを準備し、
前記折込用加工シートの筒胴部構成シート部を筒状に屈曲してその両側部を前記貼付代において貼り付けて筒胴部を形成してから、
前記閉塞部構成シート部において、前記筒胴部の一端開口縁を折返し部として中心に向けて折り返しながら、複数の襞状折り重ね部を周方向に形成し、かつこれら複数の襞状折り重ね部を周方向に順次折り重ねて凸状閉塞部を形成し、
その後、前記凸状閉塞部の中心部を前記筒胴部の内部に向けて押し込んで凹状に座屈させることで閉塞部を形成することを特徴とする。
【0010】
したがって、この発明の閉塞筒状体の製造方法によると、折込用加工シートによって閉塞筒状体を容易に製造することができる。
【0011】
請求項4に係る閉塞筒状体製造方法は、請求項3に記載の閉塞筒状体の製造方法であって、
折込用加工シートの筒胴部構成シート部と閉塞部構成シート部の境界部には、筒胴部の一端開口縁を折返し部として中心に向けて折り返すための折返し線を設け、
前記閉塞部構成シート部には、前記筒胴部の一端開口部の周囲に沿って所定間隔を隔て、かつ前記折返し線から前記閉塞部構成シート部の先端にわたる複数の山折り線を平行状に設けるとともに、前記複数の山折り線の根元部から隣接する山折り線先端の間の略中間部に向けて谷折り線を設け、
前記閉塞部構成シート部を前記折返し線に沿って前記筒胴部の中心に向けて折り返しながら、前記閉塞部構成シート部を複数の山折り線と複数の谷折り線に沿って折り込んで略三角形状の複数の襞状折り重ね部を形成することを特徴とする。
【0012】
前記構成において、折込用加工シートの閉塞部構成シート部に対し、折返し線及び複数の襞状折り重ね部を形成するための山折り線、谷折り線を設けることで、閉塞部構成シート部を、筒胴部の一端縁を折返し部として中心に向けて折り返しながら、略三角形状の複数の襞状折り重ね部を形成しながら周方向に順次折り重ねて閉塞部を形成する作業を容易にかつ手早く正確に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、閉塞部構成シート部の折り込みによって形成される複数の襞状折り重ね部を周方向に順次折り重ねて凸状閉塞部を形成してから、その凸状閉塞部を座屈させることで、閉塞部を容易に形成することができ、ひいては、カップ、容器等の閉塞筒状体を容易にかつ手早く構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、この発明を実施するための最良の形態を実施例にしたがって説明する。
【実施例】
【0015】
図1はこの発明の実施例に係る閉塞筒状体としての蓋付きカップを斜め上方から示す斜視図である。図2は蓋付きカップを斜め下方から示す斜視図である。図3は蓋付きカップの蓋閉塞部を上方に開放した状態を斜め上方から示す斜視図である。図4は蓋付きカップの展開状態をなす折込用加工シートを示す説明図である。図5は蓋付きカップの底閉塞部を下方に開放した状態を斜め下方から示す斜視図である。図6は蓋付きカップの底部に凸状底閉塞部が形成された状態を斜め下方から示す斜視図である。図7は蓋付きカップの底部に凹状の底閉塞部が形成さらた状態を斜め下方から示す斜視図である。
図1と図2に示すように、閉塞筒状体としての蓋付きカップ(容器)10は、クラフト紙、厚紙、樹脂コート加工紙、断熱性加工紙等の板紙や樹脂製シート等よりなる一枚のシート素材よりなり、下端の外接円の半径寸法よりも、上端の外接円の半径寸法が適宜に大きい角錐筒をなす六角筒に形成された筒胴部11と、その筒胴部11の下端開口部を開閉可能に塞ぐ底閉塞部20と、筒胴部11の上端開口部を開閉可能に塞ぐ蓋閉塞部30と、を備え構成されている。
【0016】
図3と図4に示すように、筒胴部11は、その展開形状に対応して形成された筒胴部構成シート部3が六角筒に折り曲げられその両側部が貼付代12において貼り付けられることによって形成されている。
また、筒胴部11の外周面には、同筒胴部11とは個別に形成される取手15が貼り付けられている。
【0017】
底閉塞部20は、筒胴部11の下端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法、この実施例1では筒胴部11の下端開口部の外接円の半径寸法と略同じ寸法をもって筒胴部構成シート部3の下端から下方に延長されかつ底閉塞部20の展開形状に対応する底閉塞部構成シート部4が折込加工されることによって形成される。
すなわち、底閉塞部20は、まず、図5に示すように、底閉塞部構成シート部4を、筒胴部11の下端開口縁(六角形の一辺)を折返し部として中心に向けて折り返しながら、6つの三角形状の襞状折り重ね部24を60度の間隔を隔てて周方向に形成する。そして、これら6つ襞状折り重ね部24を周方向に順次折り重ねて、図6に示すように、凸状底閉塞部25を形成した後、図7に示すように、凸状底閉塞部25を筒胴部11の内部に向けて押し込んで凹状に座屈させることで形成されている。
【0018】
蓋閉塞部30は、筒胴部11の上端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法、この実施例1では筒胴部11の上端開口部の外接円の半径寸法と略同じ寸法をもって筒胴部構成シート部3の上端から上方に延長されかつ蓋閉塞部30の展開形状に対応する蓋閉塞部構成シート部5が折込加工されることによって形成される。
すなわち、蓋閉塞部30は、前記した底閉塞部20と同様の手順で、まず、蓋閉塞部構成シート部5を、筒胴部11の上端開口縁(六角形の一辺)を折返し部として中心に向けて折り返しながら、6つの三角形状の襞状折り重ね部34を60度の間隔を隔てて周方向に形成する。そして、6つ襞状折り重ね部34を周方向に順次折り重ねて凸状蓋閉塞部35を形成した後、その凸状蓋閉塞部35を筒胴部11の内部に向けて押し込んで凹状に座屈させることで形成されている。
【0019】
この実施例に係る蓋付きカップ10は、ポップコーン、スナック菓子類等の軽量の菓子類を収納して持ち運ぶカップとして使用することが最適である。
この場合、蓋閉塞部30によって筒胴部11が閉塞されるため、持ち運び時において、内容物がこぼれ落ちたリ、あるいは塵などが入ることを防止することができる。
また、内容物を取り出す場合には、蓋閉塞部30の6つの襞状折り重ね部34のうち、任意の襞状折り重ね部34aを引き出すことによって、図3に示すように、容易に開放することができる。
また、開放された蓋閉塞部30、すなわち蓋閉塞部構成シート部5を前記したように折り込むことで、筒胴部11の上端に閉塞状態をなす蓋閉塞部30を容易に構成することができる。
また、筒胴部11に対し底閉塞部20及び蓋閉塞部30をそれぞれ引き出して開放することによって、野球、サッカー等の観戦時にメガホンとして使用することができる。
また、使用後は扁平に折り畳んで処理することができる。
さらに、貼り付け箇所は貼付代12、12a、12bのみであるから、リサイクルしやすい等の利点がある。
【0020】
次に、前記した実施例に係る閉塞筒状体としての蓋付き容器10の製造方法を工程順に説明する。
まず、クラフト紙、厚紙、樹脂コート加工紙、断熱性加工紙等の板紙や樹脂製シート等よりなる一枚のシート素材から、図4に示すように、筒胴部構成シート部3、底閉塞部構成シート部4、蓋閉塞部構成シート部5及び貼付代12、12a、12bを連続状に有する折込用加工シート2を形成して準備する。
折込用加工シート2の筒胴部構成シート部3は、六角筒の筒胴部11の展開形状に対応して形成されている。そして、筒胴部構成シート部3には、六角筒の一辺に対応する間隔を隔てて6本の山折り線13が設けられ、その一側縁には山折り線13を境として貼付代12が延出されている。
【0021】
底閉塞部構成シート部4は、筒胴部11の下端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法、この実施例では筒胴部11の下端開口部の外接円の半径寸法と略同じ寸法をもって筒胴部構成シート部3の下端から延長されかつ底閉塞部20の展開形状に対応して形成されている。そして、底閉塞部構成シート部4には、筒胴部構成シート部3との境界部において、筒胴部11の中心に向けて折り返すための折返し線21が設けられている。
また、底閉塞部構成シート部4には、筒胴部11の下端開口部の周囲に沿って所定間隔を隔て、かつ筒胴部構成シート部3の山折り線13の延長線上において6本の山折り線22を平行状に設けるとともに、これら6本複数の山折り線22の根元部から隣接する山折り線先端の間の略中間部に向けて谷折り線23を設けられ、その一側縁には山折り線23を境として貼付代12aが延出されている。
【0022】
蓋閉塞部構成シート部5は、筒胴部11の上端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法、この実施例では筒胴部11の上端開口部の外接円の半径寸法と略同じ寸法をもって筒胴部構成シート部3の上端から延長されかつ蓋閉塞部30の展開形状に対応して形成されている。そして、蓋閉塞部構成シート部5には、筒胴部構成シート部3との境界部において、筒胴部11の中心に向けて折り返すための折返し線31が設けられている。
また、蓋閉塞部構成シート部5には、筒胴部11の上端開口部の周囲に沿って所定間隔を隔て、かつ筒胴部構成シート部3の山折り線13の延長線上において6本の山折り線32を平行状に設けるとともに、これら6本複数の山折り線32の根元部から隣接する山折り線先端の間の略中間部に向けて谷折り線33を設けられ、その一側縁には山折り線33を境として貼付代12bが延出されている。
なお、筒胴部構成シート部3の貼付代12、底閉塞部構成シート部4の貼付代12a及び蓋閉塞部構成シート部5の貼付代12bは各部分の一側に同じ幅をもって連続状に形成されている。
【0023】
前記したようにして、筒胴部構成シート部3、底閉塞部構成シート部4及び蓋閉塞部構成シート部5が連続状に形成された折込用加工シート2が準備される。
ここで、まず、折込用加工シート2の筒胴部構成シート部3を、その各山折り線13において折り込みながら六角筒状に屈曲し、その両側部を貼付代12において接着剤等によって貼り付けて筒胴部11を形成する。この際、底閉塞部構成シート部4及び蓋閉塞部構成シート部5においても、その各山折り線22及び32おいて折り込みながら六角筒状に屈曲し、その両側部を貼付代12a、12bにおいて接着剤等によって貼り付ける。
【0024】
次に、図5に示すように、底閉塞部構成シート部4において、筒胴部11の下端開口縁の折返し線21に沿って中心に向けて折り返しながら、底閉塞部構成シート部4を複数の山折り線22と複数の谷折り線23に沿って折り込んで略三角形状の複数の襞状折り重ね部24を周方向に形成しながら、図6に示すように、複数の襞状折り重ね部24を周方向に順次折り重ねて凸状底閉塞部25を形成する。
その後、図7に示すように、凸状底閉塞部25の中心部を筒胴部11の内部に向けて押し込んで凹状に座屈させることで底閉塞部20を形成する。
【0025】
一方、蓋閉塞部構成シート部5において、筒胴部11の上端開口縁の折返し線31に沿って中心に向けて折り返しながら、蓋閉塞部構成シート部5を複数の山折り線32と谷折り線33に沿って折り込んで略三角形状の複数の襞状折り重ね部34を周方向に形成しながら、これら複数の襞状折り重ね部34を周方向に順次折り重ねて凸状蓋閉塞部35を形成する。
その後、凸状蓋閉塞部35の中心部を筒胴部11の内部に向けて押し込んで凹状に座屈させることで蓋閉塞部30を形成し、これによって、蓋付きカップ10が製造される。
【0026】
したがって、この実施例の閉塞筒状体としての蓋付きカップ10の製造方法によると、折込用加工シート2によって蓋付きカップ10を容易に製造することができる。
特に、折込用加工シート2の底閉塞部構成シート部4及び蓋閉塞部構成シート部5に設けられた折返し線21、31、山折り線22、32及び谷折り線23、33に沿って底閉塞部構成シート部4及び蓋閉塞部構成シート部5を折り曲げることで、略三角形状の複数の襞状折り重ね部24、34を容易に形成することができるとともに、これら襞状折り重ね部24、34を周方向に順次折り重ねて凸状底閉塞部25及び凸状蓋閉塞部35を容易に形成することができ、ひいては、底閉塞部20及び蓋閉塞部30を備えた蓋付きカップ10を手早く正確に製造することができる。
【0027】
なお、この発明は前記実施例に限定するものではない。
例えば、前記実施例においては、筒胴部11の外周面に、同筒胴部11とは個別に形成される取手15が貼り付けられる場合を例示したが、取手15がないものであってもよい。
また、図8に示すように、蓋付きカップを形成する折込用加工シート2の山折り線13、23、33、折返し線21、31及び谷折り線23、33の交差部に孔40、41を貫設して折込を容易にしてもよい。
この場合、折込用加工シート2が厚紙や、樹脂シートによって形成されてたとしても、その折込用加工シート2を容易に折り込んで蓋付きカップ10を形成することができる。
また、図9に示すように、蓋付きカップ10の蓋閉塞部構成シート部5の先端に樹脂製の袋体50の開口縁51を貼り付けて、筒胴部11に収納するように構成することで、ジュース、お茶、コーヒー等の飲料や、その他、液体を収納するカップ、容器として使用することができる。
また、前記実施例においては、筒胴部11が六角筒形である場合を例示したが、三角筒形、四角筒形、五角筒形、八角筒形・・・であってもこの発明を実施することができる。
また、図10に示すように、筒胴部11が円筒であってもこの発明を実施することができ、蓋付きでないカップであってもこの発明を実施することができる。
また、カップ以外の容器や、その他、閉塞筒状体であってもこの発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の実施例に係る閉塞筒状体としての蓋付きカップを斜め上方から示す斜視図である。
【図2】同じく蓋付きカップを斜め下方から示す斜視図である。
【図3】同じく蓋付きカップの蓋閉塞部を上方に開放した状態を斜め上方から示す斜視図である。
【図4】同じく蓋付きカップの展開状態をなす折込用加工シートを示す説明図である。
【図5】同じく蓋付きカップの底閉塞部を下方に開放した状態を斜め下方から示す斜視図である。
【図6】同じく蓋付きカップの底部に凸状底閉塞部が形成された状態を斜め下方から示す斜視図である。
【図7】同じく蓋付きカップの底部に凹状の底閉塞部が形成さらた状態を斜め下方から示す斜視図である。
【図8】蓋付きカップの展開状態をなす折込用加工シートの変更例を示す説明図である。
【図9】蓋付きカップに樹脂製の袋体を装着した変更例を示す破断斜視図である。
【図10】カップの筒胴部を円筒状に形成した変更例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
2 折込用加工シート
3 筒胴部構成シート部
4 底閉塞部構成シート部
5 蓋閉塞部構成シート部
10 蓋付きカップ
11 筒胴部
12 貼付代
20 底閉塞部
24 襞状折り重ね部
30 蓋閉塞部
34 襞状折り重ね部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒胴部と、その筒胴部の両端開口部のうち、少なくとも一端開口部に設けられてその一端開口部を塞ぐ閉塞部と、を備えた閉塞筒状体であって、
前記筒胴部の展開形状に形成された筒胴部構成シート部が筒状に曲げられてその両側部が貼付代において貼り付けられることで筒胴部が形成され、
前記筒胴部の一端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法をもって前記筒胴部構成シート部の一端から延長されかつ前記閉塞部の展開形状に対応して形成された閉塞部構成シート部において、前記筒胴部の一端開口縁を折返し部として中心に向けて折り返されながら、複数の襞状折り重ね部が周方向に形成され、かつこれら複数の襞状折り重ね部が周方向に順次折り重ねられて凸状閉塞部が形成され、
前記凸状閉塞部が前記筒胴部の内部に向けて押し込まれて凹状に座屈されることで閉塞部が形成されることを特徴とする閉塞筒状体。
【請求項2】
請求項1に記載の閉塞筒状体であって、
筒胴部の一端開口部に設けられた閉塞部を底閉塞部とし、
前記筒胴部の他端開口部には、前記底閉塞部と同様の折り込み構成によって蓋閉塞部が形成されていることを特徴とする閉塞筒状体。
【請求項3】
筒胴部と、その筒胴部の両端開口部のうち、少なくとも一端開口部に設けられてその一端開口部を塞ぐ閉塞部と、を備えた閉塞筒状体を製造する方法であって、
クラフト紙、厚紙、樹脂コート加工紙、断熱性加工紙、樹脂製シート等のシート材を素材とし、前記筒胴部の展開形状に対応し、かつ一側に貼付代を有する筒胴部構成シート部と、
前記筒胴部の一端開口部の外接円の半径寸法に対応する寸法をもって前記筒胴部構成シート部の一端から延長されかつ前記閉塞部の展開形状に対応する閉塞部構成シート部と、を連続して有する折込用加工シートを準備し、
前記折込用加工シートの筒胴部構成シート部を筒状に屈曲してその両側部を前記貼付代において貼り付けて筒胴部を形成してから、
前記閉塞部構成シート部において、前記筒胴部の一端開口縁を折返し部として中心に向けて折り返しながら、複数の襞状折り重ね部を周方向に形成し、かつこれら複数の襞状折り重ね部を周方向に順次折り重ねて凸状閉塞部を形成し、
その後、前記凸状閉塞部の中心部を前記筒胴部の内部に向けて押し込んで凹状に座屈させることで閉塞部を形成することを特徴とする閉塞筒状体の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の閉塞筒状体の製造方法であって、
折込用加工シートの筒胴部構成シート部と閉塞部構成シート部の境界部には、筒胴部の一端開口縁を押し返し部として中心に向けて折り返すための折返し線を設け、
前記閉塞部構成シート部には、前記筒胴部の一端開口部の周囲に沿って所定間隔を隔て、かつ前記折返し線から前記閉塞部構成シート部の先端にわたる複数の山折り線を平行状に設けるとともに、前記複数の山折り線の根元部から隣接する山折り線先端の間の略中間部に向けて谷折り線を設け、
前記閉塞部構成シート部を前記折返し線に沿って前記筒胴部の中心に向けて折り返しながら、前記閉塞部構成シート部を複数の山折り線と複数の谷折り線に沿って折り込んで略三角形状の複数の襞状折り重ね部を形成することを特徴とする閉塞筒状体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−151425(P2006−151425A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342567(P2004−342567)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(599086375)
【出願人】(504437410)