説明

閉経期、ホルモン変動および関節炎と関連する症状を治療するための組成物および方法

本発明は、顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)を投与することにより、閉経期の症状および/またはホルモン変動と関連する症状を治療または改善する、組成物および方法を提供する。本発明は、G‐CSFを用いて関節炎を治療または改善する、組成物および方法も提供する。一態様では、本発明は、有効量のG‐CSFを投与することにより、必要な個体において、閉経期と関連する症状を治療、改善、軽減もしくは防止し、またはその頻度を減少する、方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2008年7月22日に出願された米国仮特許出願第61/082,761号の優先権の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
本発明は、顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF:Granulocyte colony‐stimulating factor)を投与することにより、閉経期の症状および/またはホルモン変動と関連する症状を治療または改善する、組成物および方法に関する。本発明は、G‐CSFを用いて関節炎を治療または改善する組成物および方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
閉経期症候群は、女性の体内のホルモンバランスが変化し、卵巣の老化により月経周期が終了するとともに発生する、内分泌、身体的、および精神的変化に関係する。閉経期症候群には、のぼせ、頭痛、関節痛、筋肉痛および全身倦怠感等、多様なしばしば非常に悲惨な症状が含まれる。特に、のぼせはよくある症状で、50%以上の閉経期の女性が経験し、閉経後数年間持続しうる。一部の女性では、閉経期の症状は軽度であり、運動量の増加、食生活の変更、およびストレス管理を含めたライフスタイルの変更により、または鍼、マッサージもしくはカイロプラクティック療法等の代替療法を用いることにより、対処可能である。しかし、他の多くの女性では症状がずっと重く、日常活動または睡眠に支障をきたし、より強力な治療を必要とする。
【0004】
閉経期の症状のこれまでの主治療は、エストロゲン単独、プロゲステロンと組み合わせたエストロゲン類、またはフィトエストロゲン類等の、ホルモン療法の使用である。しかし、エストロゲンの使用は潜在的に重大な健康リスクと関連し、これには、凝血、心血管疾患、卒中、エストロゲンがプロゲステロンと共に摂取される場合には乳癌リスクの微増が含まれる。これらの副作用の懸念、およびホルモン療法が乳癌の女性に禁忌であるという事実により、閉経期の症状を治療するための代替的な薬への関心が高まっている。
【0005】
閉経期の症状の治療における様々な周知の非ホルモン剤の有効性がテストされている(Nelson等,JAMA295(17):2057‐71(2008))。これらの中では、ベンラファキシン(Effexor)、パロキセチン(Paxil)、フルオキセチン(Prozac)、シタロプラム(Celexa)などを含む、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRIs:selective serotonin reuptake inhibitors)およびセロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRIs:serotonin and norepinephrine reuptake inhibitors)として知られる薬類からの抗鬱薬が、いくつかの臨床試験でのぼせを和らげることが分かっている。しかしこれらは、ホルモン療法ほど効果的でなく、嘔気および不眠等の副作用が報告されている。ガバペンチン等、電位依存性カルシウムチャンネルのαδサブユニットに結合する化合物も、のぼせ、嘔気、嘔吐(emesia)および熱の治療として記載されている(例えば特許文献1を参照)。ガバペンチンは抗癲癇薬として承認されており、神経原性疼痛、不穏下肢症候群、本態性振戦、双極性障害および片頭痛の治療にも使われている(非特許文献1)。ガバペンチンは、ホルモン療法と比較してのぼせの治療での有効性は中程度にとどまり、傾眠、眩暈および末梢浮腫を含む副作用が一般的だった(非特許文献2)。a‐アドレナリンアゴニストのクロニジンでは矛盾のある結果が報告されており、いくつかの試験ではのぼせが減少したが、他の試験では効果が見られなかった。これらの薬物は、のぼせに対してある程度の有効性を有するようには見えたが、ホルモン療法ほど強力でなく、いずれも相当な副作用を生じた。漢方薬(特許文献2)、ロイシン(特許文献3)、ハーブ複合体を含む摂取可能材料(特許文献4)、およびLH‐RHアンタゴニスト(特許文献5)を含めて、のぼせを減らすさらなる治療が提案されている。しかし、それらの有効性および安全性はこれまでに十分に評価されていない。
【0006】
骨粗鬆症ならびに総コレステロールレベルおよびLDLコレステロールレベルの上昇等、のぼせ以外の閉経期の症状は、ラロキシフェン(特許文献6)等の選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERMS:selective estrogen−receptor modulators)により治療できるが、これは、選択的に骨等の一部の組織のエストロゲン受容体に結合して活性化し、例えば乳房および子宮等の他部の受容体を遮断するものである。ラロキシフェン(Evista)が一部の閉経期の症状に有益であることが分かったものの、それはのぼせを減少せず、血栓塞栓性(thrombembolic)事象の発生等の重大な副作用と関連する。
【0007】
したがって、現在の薬はマイナスの副作用と関連することが多く、または一貫したプラスの結果を示すことができないため、閉経期の症状のための有効かつ安全な治療を特定する必要がある。本明細書に記載の本発明は、この必要を満たすとともに、さらなる利益も提供する。
【0008】
関節炎は、感染、外傷、変性変化、代謝障害、自己免疫性疾患または他の原因により生じる、関節の急性または慢性炎症を伴う状態群である。それは、骨関節炎、痛風関節炎および偽痛風関節炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、敗血症性関節炎またはリウマチ性関節炎等、様々な形で起こる。関節炎の一般的症状には、一つ以上の関節の腫脹、硬直、および恒常的痛みまたは反復的痛みが含まれる。ある形の関節炎の一部の患者では、症状には、熱、腺腫脹、体重減少、疲労、体調不良、さらには肺、心臓または腎臓等の臓器の異常による症状も含まれうる。
【0009】
関節炎で最も一般的なタイプは、骨関節炎である。このタイプの関節炎は、米国内の約2,100万人の成人を侵す。骨関節炎は、関節の中で骨の端を保護する組織である軟骨を主に侵す。骨関節炎では、軟骨がすり減り始め、完全に摩滅しうる。骨関節炎により、関節痛および硬直が生じうる。疾患が脊椎および体重を支える関節(膝および股関節)を侵す場合に、最も身体障害が起こることが多い。加熱、体重コントロールならびに適切な運動および安静、ならびに栄養補助食品のほか、骨関節炎(osteoarthiritis)を患う患者の痛みおよび炎症を減じるさらなる薬には、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬(ジクロフェナク、イブプロフェン、ナポキセン(napoxen)またはCOX‐2選択的阻害剤)、コルトコステロイド類(cortocosteroids)(今日では回避される)、および激痛のための麻酔剤が含まれる。
【0010】
多くの形の関節炎が、米国内の最も一般的な慢性疾患を構成する。いくつかのタイプの関節炎では、根本原因がまだ確認されておらず、したがって対症療法だけが開発されている。症状の多様性により、現在の治療には多種多様な薬が含まれ、その多くはリスクを伴い、あるグループの患者に有益であるにとどまる。したがって、様々な関節炎症状に対する有効性が高く、リスクおよび副作用の少ない薬を見つける必要がある。本明細書に記載の本発明は、この必要を満たすとともに、さらなる利益も提供する。
【0011】
特許、特許出願および科学文献を含むがこれに限られない、本明細書中のすべての引用文献は、全体として本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,310,098号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/081293号
【特許文献3】米国特許第6,245,812号明細書
【特許文献4】米国特許第5,874,084号明細書
【特許文献5】米国特許第6,703,367号明細書
【特許文献6】米国特許第5,534,526号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Morris GL,Epilepsia 40:S63‐S70(1999)
【非特許文献2】Guttuso等,Obstet Gynecol,101:337‐345(2003)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、閉経期、ホルモン変動、および関節炎と関連する症状を治療および/または改善する、組成物および方法を提供する。したがって一態様では、本発明は、有効量のG‐CSFを投与することにより、必要な個体において、閉経期と関連する症状を治療、改善、軽減もしくは防止し、またはその頻度を減少する、方法を提供する。別の態様においては、本発明は、有効量のG‐CSFを投与することにより、必要な個体において、ホルモン変動と関連する症状を治療、改善、軽減もしくは防止し、またはこれらの症状の頻度を減少する、方法を目的とする。本発明は、有効量のG‐CSFを投与することにより、必要な個体において、閉経期の症状またはホルモン変動により生じる症状と関連する不快感を軽減し、または痛みを緩和する方法をさらに含む。
【0015】
上記の方法の任意のものにおける個体とは、任意の哺乳類の個体であり得、ヒトの個体であるのが好ましい。ある実施形態においては、必要な個体は、閉経期にある女性である。他の実施形態においては、必要な個体は、閉経後の女性である。さらに他の実施形態においては、必要な個体は、ホルモン変動のある女性である。さらなる実施形態においては、必要な個体は、ホルモン変動のある男性である。これらの個体における閉経またはホルモン変動は自然発生的なものとすることができ、薬物誘発性または手術誘発性とすることもできる。一態様では、治療は、そのような治療が必要な個体ののぼせの頻度を減少する。
【0016】
さらなる態様においては、本発明は、有効量のG‐CSFを投与することにより、必要な個体において、関節炎を治療、改善、軽減または防止する方法を提供する。本発明は、有効量のG‐CSFを投与することにより、必要な個体において、関節炎と関連する症状を治療、改善、軽減または防止する方法も企図する。本発明は、関節炎と関連する不快感を軽減し、または痛みを緩和する方法を、さらに目的とする。一実施形態においては、本発明は、有効量のG‐CSFを投与することにより、必要な個体において、骨関節炎を治療、改善、軽減または防止する方法を提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、有効量のG‐CSFを投与することにより、必要な個体において、関節痛を治療、改善、軽減または防止する方法を目的とする。本発明は、治療により関節炎と関連する一つ以上の症状が改善され、該症状が、関節痛、関節機能制限、関節硬直、腫張、赤みおよび温覚からなる群より選択される、方法をさらに提供する。本発明は、治療により関節炎と関連する一つ以上の症状が改善され、該症状が、熱、腺腫張、体重減少および疲労からなる群より選択される、方法をさらに提供する。
【0017】
個体は、任意の哺乳類の個体であり得、ヒトの個体であるのが好ましい。一態様では、必要な個体は、女性である。別の態様においては、必要な個体は、男性である。いくつかの態様においては、必要な個体は、閉経期にある、および/または骨関節炎を患う、女性である。他の態様では、必要な個体は、骨関節炎を患う閉経後の女性またはホルモン変動のある女性である。他の態様においては、必要な個体は、閉経後の女性、もしくはホルモン変動のある女性、または骨関節炎を患う女性である。いくつかの態様においては、必要な個体は、ホルモン変動のある、および/または骨関節炎を患う、男性である。
【0018】
一態様では、上記の方法の任意のものにおいて、G‐CSFは、体重1kgあたり5mcgの用量で投与される。別の態様においては、G‐CSFは、体重1kgあたり5〜10mcgの用量で投与される。別の態様においては、G‐CSFは、体重1kgあたり2〜10mcgの用量で投与される。別の態様においては、G‐CSFは、体重1kgあたり2〜20mcgの用量で投与される。別の態様においては、G‐CSFは、約1〜2ヵ月毎に一回投与される。別の態様においては、G‐CSFは、約2〜3ヵ月毎に一回投与される。別の態様においては、G‐CSFは、約3〜4ヵ月毎に一回投与される。
【0019】
一態様では、上記の方法の任意のものにおいて、G‐CSFは、皮下または静脈内投与される。いくつかの態様においては、G‐CSFは、非経口的に、経腸的に、局所的に、または吸入により、投与される。他の態様では、G‐CSFは、市販の組成物フィルグラスチム、ペグフィルグラスチムまたはレノグラスチムにおいて調製される。別の態様においては、G‐CSFは、G‐CSFと薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物中に存在する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、一部においては、顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)が閉経期、ホルモン変動および/または関節炎と関連する症状を治療および/または改善できるという観察に基づく。
【0021】
一般的技術
本発明の実施は、特に明記しない限り、当業者に周知の分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、核酸化学、および免疫学の従来の技術を利用する。そのような技術は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版(Sambrook等,1989)、およびMolecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版(SambrookおよびRussel,2001),(本明細書においては共に「Sambrook」と言及);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel等編,1987,2001年中の補遺を含む);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis等編,1994);HarlowおよびLane(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Publications,New York;HarlowおよびLane(1999)Using Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY(本明細書においては共に「HarlowおよびLane」と言及),Beaucage等編,Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry John Wiley & Sons,Inc.,New York,2000);Casarett and Doull’s Toxicology The Basic Science of Poisons,C.Klaassen編,第6版(2001),およびVaccines,S.PlotkinおよびW.Orenstein編,第3版(1999)等の文献に十分に説明されている。別の断りがない限り、本明細書において用いられる専門用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0022】
定義
本明細書を解釈する上では、以下の定義があてはまり、単数形で使用される用語には適宜複数形を含み、逆も同様である。下記の定義のいずれかが、参照により本明細書に組み込まれるいずれかの文書と矛盾する場合には、下記の定義が優先するものとする。
【0023】
本明細書において用いられるところの、「閉経期の症状」という用語には、以下の症状の一つ以上が含まれるがこれに限られない:のぼせ;寝汗;頭痛;片頭痛;眩暈;睡眠障害;疲労;蟻走感;嘔気;嘔吐;動悸;関節痛を含むがこれに限られない痛み;骨密度の低下(骨粗鬆症);筋肉痛;気分変動;健忘;全身倦怠感;血清脂質レベルの変化;排尿変化;重量増加およびシフト;皮膚、毛髪および目の変化;目、口、鼻および膣の乾燥;性交痛;および性欲減少。
【0024】
本明細書において用いられるところの、「治療」は、個体の自然経過の変更を試みる臨床的介入をさし、臨床病理学の前または間に実行されうる。治療の望ましい効果には、閉経期、ホルモン変動、または関節炎と関連する状態または症状の軽減;閉経期、ホルモン変動、または関節炎と関連する状態または症状の任意の直接または間接的な病理学的結果の減弱;進行速度の低下;および、閉経期、ホルモン変動、または関節炎と関連する症状による不快感および/または痛みの改善または緩和が含まれる。いくつかの実施形態においては、本発明の方法および組成物は、閉経期、ホルモン変動、または関節炎と関連する症状の発現を遅延させる試みにおいて役立つ。他の実施態様においては、本発明の方法および組成物は、閉経期、ホルモン変動、または関節炎の発現を遅延させる試みにおいて役立つ。
【0025】
「治療を受ける」には、初期治療および/または継続治療を含む。本明細書において用いられるところの、「治療」は、好ましくは臨床成績を含めて、有益または所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目的を達成する上で、有益または所望の臨床成績には、以下の一つ以上が含まれるがこれに限られない:一つ以上の症状の軽減、状態および/または疾患の程度の減弱、状態および/または疾患の安定した(すなわち悪化していない)容態、状態および/または疾患の広がりの防止、閉経期、ホルモン変動、または関節炎と関連する症状の発生または再発防止、本明細書に記載の状態と関連する疾病の容態または症状の改善、疾患および/または症状の緩解(部分的または全体的)、発病率の減少、本明細書に記載の状態と関連する疾病の容態または症状の安定化(すなわち悪化させない)。
【0026】
「有効量」は、少なくとも、必要な投与量で必要な期間、所望の治療または予防結果を達成するために有効な量をさす。有効量は、一回以上の投与で提供されうる。
【0027】
「治療上有効量」は、少なくとも、閉経期、ホルモン変動、または関節炎と関連するもの等の特定の症状の測定可能な向上をもたらすために必要な最低限の濃度である。本明細書における治療上有効量は、患者の疾病容態、年齢、性別、および体重等のファクターにより変化しうる。治療上有効量は、治療上有益な効果がG‐CSFのいかなる有毒または有害な効果も上回る量でもある。
【0028】
本明細書において用いられるところの、「薬剤」は、閉経期、ホルモン変動、または関節炎等の臨床状態の症状を治療する活性薬物である。一実施形態においては、閉経期、ホルモン変動、または関節炎と関連する症状を治療するために薬剤が用いられる。そのような薬剤は「治療薬品」と考えることもでき、したがって本明細書において用いられるところの「閉経期、ホルモン変動、または関節炎を治療するために有効な治療薬品」およびその文法上の変化形は、有効量で提供されたときに、閉経期、ホルモン変動、または関節炎を有する個体において治療的利益を提供することが臨床医により知られ、臨床的に示され、または期待される、薬品をさす。一実施形態においては、この語句には、有効量で提供されたときに、閉経期、ホルモン変動、または関節炎を有する個体において治療効果を提供することが期待される、臨床的に認められた薬品として製造業者により販売され、または他の方法で資格のある臨床医により用いられる、任意の薬品が含まれる。
【0029】
「個体」は、脊椎動物、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトである。哺乳類は、家畜、スポーツ動物、ペット、霊長類、マウスおよびラットを含むがこれに限られない。「個体」は、様々な疾患での実験的テストのための動物モデルにおいて使用される任意の動物も含む(例えば関節炎のマウスモデル)。
【0030】
本明細書において用いられるところの、単数形「a」、「an」、および「the」は、特に明記しない限り複数の参照物を含む。
【0031】
本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を目的とする実施形態を含む(および記載する)。例えば、「約X」に言及する記載には、「X」の記載が含まれる。
【0032】
本発明の方法
本発明は、必要な個体に有効量の顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)を投与することにより、その個体において、閉経期、ホルモン変動、および/または関節炎と関連する症状を治療および/または改善する方法を提供する。
【0033】
顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)
コロニー刺激因子は、特定の細胞表面受容体と結合して、増殖、分化関与、およびいくつかの終末細胞機能活性化を刺激することにより造血細胞に作用する糖タンパク質類である。G‐CSFは系統特異的コロニー刺激因子であり、単核細胞、繊維芽細胞、および血管内皮細胞により産生される。それは、骨髄中の好中球の産生を調節し、好中球前駆体の増殖および分化に影響する。さらに、G‐CSFは、抗体媒介性細胞障害活性によりin vitroで腫瘍細胞を殺す好中球の能力を著しく増加させうる(Souza等,Science 232:61‐65(1986))。
【0034】
G‐CSFは、フィルグラスチム(Neupogen(登録商標),AmgenおよびGranocyte(登録商標),Merck)、ペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標),Amgen)およびレノグラスチム(Neutrogrin(登録商標),中外)の名称で市販される。フィルグラスチムは、体内の好中球数が減少する好中球減少症と関連する感染性合併症を防止するために用いられる。好中球減少症は、化学療法を受ける癌患者または骨髄移植を受ける癌患者に発現しうる。好中球減少症は、成人および乳児に原因不明で発生することもある。フィルグラスチムは、骨髄を提供する健常患者の白血球数が低い場合にも使われる。
【0035】
G‐CSF/フィルグラスチムは、好中球を介した抗感染性活性に加えて、単核細胞を介した抗炎症性免疫修飾を生じさせることも報告されている(Boneberg等,Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy,Sep 26‐29;39:386;Abstract No.1604(1999)。G‐CSF/フィルグラスチムで治療された健常ボランティアは、G‐CSF/フィルグラスチム治療に応答してTNF‐a、IL‐12、IL‐1βおよびIFN‐γの放出低減を示したが、これは、その好中球減少性および非好中球減少性感染症への使用を可能とする。さらに、G‐CSFは、補助生殖の間の自然流産または着床不全を防止し、生殖適応度を高めることが示された(米国特許出願公開第2007/0071716号)。特に、炎症性関節疾患におけるG‐CSFの役割についての最近の研究で、G‐CSF欠損マウスが慢性および急性関節炎から保護されることが分かり、G‐CSFがリウマチ性関節炎等の炎症性関節疾患を治療する上での標的として示唆された(Lawlor等,PNAS,101(31):11398‐11403(2004))。
【0036】
したがって一態様では、本発明は、必要な個体に有効量のG‐CSFを投与することにより、その個体において、閉経期の症状を治療、改善、軽減または防止し、またはその頻度を減少する方法を提供する。本発明の好ましい形態においては、個体は、ヒト個体である。閉経期にある女性および閉経後の女性にある一般的症状であり、本発明が治療を提供するものには、のぼせ;寝汗;頭痛;片頭痛;眩暈;睡眠障害;疲労;蟻走感;嘔気;嘔吐;動悸;関節痛を含むがこれに限られない痛み;骨密度の低下(骨粗鬆症);筋肉痛;気分変動;健忘;全身倦怠感;血清脂質レベルの変化;排尿変化;体重増加およびシフト;皮膚、毛髪および目の変化;目、口、鼻および膣の乾燥;性交痛;および性欲減少が含まれるがこれに限られない。
【0037】
特に、のぼせは非常によくある症状であり、多くの閉経期の女性の日常生活に強い影響を及ぼす。のぼせまたは紅潮は、顔面および上半身に広がる突如とした温感または強い熱感を特徴とする。それは通常、目に見える皮膚の紅潮によりはっきりと分かり、発汗を伴うことが多く、数秒〜数分間持続しうる。頻拍(動悸)、嘔気、眩暈、不安感、または脱力感を経験する女性もいる。のぼせの原因は、よく分かっていない。現在の理論によれば、視床下部のエンドルフィン濃度がエストロゲン産生低減とともに減少し、ノルエピネフリンおよびセロトニンの放出を増強して、不適切な熱喪失機序をもたらす(Nelson等,JAMA,295(17):2057‐71(2008))。
【0038】
閉経期の症状は、女性の自然閉経により、または薬物誘発性または手術誘発性事象により生じうる。あるケースでは、自然閉経が早期であり、30代半ばという早い時期に始まりうる。手術誘発性閉経とは、様々な婦人科的理由で行われる両側卵巣摘出(卵巣除去手術)または子宮摘出(子宮除去手術)により生じる閉経をいう。子宮摘出の場合には、一方または両方の卵巣が温存される場合には、それが通常の閉経年齢までホルモンを産生し続けられるか、あるいは予想より早くホルモン産生を止めうる。さらに、閉経期の症状は、薬物誘発性閉経によっても生じうる。薬物誘発性閉経とは、婦人科癌(乳癌、子宮頸癌、卵嚢癌または膣癌)または疾患進行を防止するためにエストロゲンおよびプロゲステロン分泌が妨げられなければならない任意の婦人科疾患でホルモン療法を受ける女性患者における閉経をいう。薬物誘発性閉経は、放射線、化学療法または他の薬により卵巣が深刻に損傷される場合にも発生しうる。
【0039】
本発明は、必要な個体に有効量のG‐CSFを投与することにより、その個体において、ホルモン変動と関連する症状を治療、軽減、改善もしくは防止し、またはこれらの症状の頻度を減少する方法も含む。ホルモンレベルの変化は、閉経期の女性以外の個体でも生じ、上記の閉経期の症状と類似の様々な症状を引き起しうる。本発明の好ましい態様において、個体は、ヒト個体である。別の態様においては、個体は、ホルモン変動のある女性のヒトである。別の態様においては、個体は、ホルモン変動のある男性のヒトである。
【0040】
ホルモン変動は自然に引き起こされ、または手術もしくは薬により女性または男性において誘発されうる。例えば、ホルモン遮断療法を受ける男性、または睾丸摘除を受けた男性のホルモンレベルは、テストステロンレベルが減少している。男性のこれらの治療と関連する典型的症状には、のぼせ、乳房圧痛および胸部組織成長、骨粗鬆症、貧血症、精神的鋭敏さの低下、筋肉量の低下、体重増加、疲労、HDLの減少ならびに抑うつが含まれるがこれに限られない。
【0041】
本発明は、必要な個体に有効量のG‐CSFを投与することにより、その個体において、関節炎または関節炎症状を治療、軽減、改善または防止する方法も提供する。本発明の好ましい形態において、個体は、ヒト個体である。別の態様においては、個体は、関節炎または関節炎症状のある女性のヒトである。別の態様においては、個体は、関節炎または関節炎症状および閉経期の症状の両方がある女性のヒトである。別の態様においては、個体は、関節炎または関節炎症状のある男性のヒトである。別の態様においては、個体は、関節炎または関節炎症状およびホルモン変動の両方がある男性のヒトである。
【0042】
関節炎は、骨関節炎、痛風関節炎、偽痛風関節炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、および敗血症性関節炎を含むがこれに限られないいくつかの形で生じうる。関節炎の原因は関節炎の形に依存し、様々なタイプはその特徴、治療および予後において大きく異なる。それらは、関節、筋肉、靭帯、軟骨、腱に影響する傾向があるという点で類似し、多くが体内エリアに影響する可能性がある。関節炎の症状には、痛みおよび関節機能制限が含まれる。関節炎における関節の炎症は、関節硬直、腫張、赤み、および温覚により特徴づけられる。炎症関節の圧痛も存在し得、関節の弾撥音、関節での骨増殖または関節の異常な角形成が観察されるケースもある。多くの形の関節炎は、リウマチ性疾患であるため、関節を直接含まない身体の様々な臓器に影響する症状を引き起こしうる。したがって、ある形の関節炎である一部の患者の症状には、熱、腺腫張、体重減少、疲労、体調不良、および肺、心臓または腎臓等の臓器の異常による症状も含まれうるがこれに限られない。
【0043】
骨関節炎は、もっとも一般的な形の関節炎であり、軟骨の異常な摩耗により生じる。骨関節炎は高齢者に典型的に存在するが、より若い人も侵されうる。年齢は骨関節炎と正に相関するが、それは単にこの疾患の発現に時間がかかることを示すにすぎず、正確に何が軟骨の破壊につながるかは明らかでない。いかなる理論にも拘束されるものではないが、骨関節炎は閉経期と同時に発生することが多く、したがってこの期間中に女性の体内で起きる変化が、骨関節炎の開始または悪化の一因でありうる。したがって、一態様では、骨関節炎を治療するための本発明の方法は、閉経期にあると同時に骨関節炎を患う女性、ならびに骨関節炎を患う閉経後の女性、ならびに、例えば傷害または累積的外傷の結果若齢で骨関節炎を発症した閉経前の女性に適用できる。本発明の別の態様では、骨関節炎を含む関節炎をもつ男性の個体も、G‐CSFで治療されうる。本発明のさらに別の態様においては、関節炎(骨関節炎を含む)およびホルモン変動の両方がある男性の個体も、G‐CSFで治療されうる。
【0044】
治療が企図される個体に関しては、当然のことながら、個体は通常、有効性および他の安全面を確保するために治療方針を監督できる医師にかかっている。個体は、閉経期、ホルモン変動または関節炎と関連する痛みまたは不快感の治療のために、医師の患者でありうる。しかし、本発明は、これらの兆候(例えば閉経期、ホルモン変動または関節炎)だけで医師にかかっているのではない個体の治療も企図する。
【0045】
用量、製剤および投与
本発明の方法を実施する上で、G‐CSFは、閉経期、ホルモン変動および関節炎と関連する痛みおよび/または不快感の改善等の治療的利益を達成するのに有効な量(例えば治療上有効量)で典型的に投与される。臨床医等の当業者は、個体の体重および既往等の周知のパラメータに基づいて、治療上有効量である量を決定するのを助けうる。
【0046】
本発明のいくつかの態様において、必要な個体を治療するためのG‐CSFの治療上有効量は、体重1kgあたり約5mcg(mcg=マイクログラム、kg=キログラム)である。他の態様では、G‐CSFの量は、体重1kgあたり約5〜10mcgの用量に増やされる。治療的効果を達成するのに必要な量は、本明細書に記載される症状および疾患の重症度ならびに個体に依存するため、体重1kgあたり約2〜10mcgの間、または、体重1kgあたり約2〜20mcgの間のG‐CSFの用量を投与でき、症状の重症度および/または疾病の容態に応じて調整しうる。
【0047】
典型的には、G‐CSFは、本明細書に記載される症状を治療、改善、防止し、または頻度を減少するために、約1〜2ヵ月毎に一回投与される。より重症度の低いケースにおいて、G‐CSFは、約2〜3ヵ月毎に一回投与される。非常に軽度のケースにおいては、G‐CSFは、約3〜4ヵ月毎に一回投与される。一態様では、G‐CSFは、治療として一回だけ投与される。他の態様では、G‐SCFは、治療として二回投与される。投与の頻度は、本明細書に記載の症状の重症度ならびにこれらの症状を患う個体に依存する。したがって、用量および治療の頻度は、当業者の決定にしたがい必要に応じて調整されうる。例えば、医師は、本発明によりG‐CSFで治療される患者の一つ以上の症状を監視すればよく、一つ以上の症状の減衰をしばらくの間観察したら、しばらくの間G‐CSFのさらなる投与をせずに患者が本明細書に記載の治療のプラスの効果を維持できると結論しうる。必要ならば、後の時点で患者が追加治療のために必要に応じて戻ればよい。
【0048】
G‐CSFは、当業者に公知の任意の投与様式により投与されうる。G‐CSFは、皮下または静脈内投与されるのが好ましい。他の投与方法には、非経口、経腸、局所投与または吸入が含まれるがこれに限られない。あるいは、経皮吸収のために活性成分をゆっくり放出する接着性ディスクまたはパッチとして製造される経皮送達システムが、用いられうる。G‐CSFの浸透を促進するために、透過促進剤がこれらの送達システムに加えられうる。さらに、活性成分の徐放を可能にする、移植に適したデバイスが、G‐CSFの投与に適用されうる。
【0049】
本発明の方法で投与されるG‐CSFは、限定を伴わずに当業者に公知の任意のG‐CSFでありうる。ある実施形態では、G‐CSFは、ヒトを含む動物への投与に適する医薬組成物として入手可能な、市販のG‐CSFである。そのような市販の組成物は、フィルグラスチム(Neupogen(登録商標),AmgenおよびGranocyte(登録商標),Merck)、ペグフィルグラスチム(Neulasta(登録商標),Amgen)およびレノグラスチム(Neutrogrin(登録商標),中外)でありうるがこれに限られない。
【0050】
本発明は、G‐CSF誘導体、模倣体、変異体、化学修飾化合物の使用をさらに企図する。例えば、米国特許出願公開第2007/0071716号および米国特許第5,399,345号;第5,416,195号;第5,981,551号;第6,166,183号および第6,261,550号を参照。
【0051】
本発明のキット
本発明は、閉経期、ホルモン変動または関節炎(例えば骨関節炎)と関連する症状のあるヒト個体用に調製される治療上有効量のG‐CSFを含むキットを提供する。使用指示書が、任意に提供される。キットは、G‐CSFを最も有効な送達(皮下、静脈、非経口、経腸、局所、吸入、経皮等)のために調製される治療量で含みうる。G‐CSFは、一回の使用または複数回の使用を可能にする様式でパッケージされうる。
【0052】
以下の実施例は、説明の便宜上提供されるにすぎず、本発明の範囲をいかなる様式でも制限することを意図するものではない。
【実施例】
【0053】
(実施例1)
G‐CSFは閉経期の症状を軽減する
閉経期の症状のある女性の個体に、好中性顆粒球の産生を促進するために、単回用量300mcg(5mcg/kg)のフィルグラスチムを与えた。女性の個体には、フィルグラスチム投与の一週間以内にのぼせ、疲労、睡眠障害、寝汗、関節痛、健忘および気分変動等の閉経期の症状の劇減がもたらされ、それは4〜6週間持続した。
【0054】
(実施例2)
G‐CSFは骨関節炎と関連する症状を軽減する
閉経期の症状および関節炎痛の症状のある女性の個体に、好中性顆粒球の産生を促進するために、単回用量300mcg(5mcg/kg)のフィルグラスチムを与えた。女性の個体には、8〜12週間フィルグラスチムを受けてから一週間以内に、骨関節炎と関連する関節痛腫張および硬直の劇減がもたらされた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉経期と関連する症状の治療が必要な個体において、閉経期と関連する症状を治療する方法であり、
前記個体に有効量の顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項2】
前記閉経期が自然発生的、薬物誘発性、または手術誘発性である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
個体のホルモン変動と関連する症状を改善する方法であり、
前記個体に有効量の顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項4】
前記個体が、女性である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記個体が、男性である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記ホルモン変動が、薬物誘発性、手術誘発性、または自然のものである、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記治療が、のぼせの頻度を減少させる、請求項1または3に記載の方法。
【請求項8】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約5mcgの用量で投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項9】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約5〜10mcgの用量で投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項10】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約2〜10mcgの用量で投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項11】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約2〜20mcgの用量で投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項12】
前記G‐CSFが、約1〜2ヵ月毎に一回投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項13】
前記G‐CSFが、約2〜3ヵ月毎に一回投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項14】
前記G‐CSFが、約3〜4ヵ月毎に一回投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項15】
前記G‐CSFが、皮下または静脈内投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項16】
前記G‐CSFが、非経口的に、経腸的に、局所的に、または吸入により、投与される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項17】
前記G‐CSFが、市販の組成物フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、またはレノグラスチムにおいて調製される、請求項1または3に記載の方法。
【請求項18】
前記G‐CSFが、G‐CSFと薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物に存在する、請求項1または3に記載の方法。
【請求項19】
関節炎と関連する一つ以上の症状の治療が必要な個体において、関節炎と関連する一つ以上の症状を治療する方法であり、
前記個体に有効量の顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項20】
前記個体が、閉経期にある女性である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記閉経期が、自然発生的、薬物誘発性、または手術誘発性である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記個体が、ホルモン変動のある男性である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記関節炎が、骨関節炎である、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記治療が、前記関節炎と関連する一つ以上の症状を改善し、前記症状が、関節痛、関節機能制限、関節硬直、腫張、赤みおよび温覚からなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記治療が、前記関節炎と関連する一つ以上の症状を改善し、前記症状が、熱、腺腫張、体重減少および疲労からなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記治療が、個体の関節痛を減少させる、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約5mcgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約5〜10mcgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約2〜10mcgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項30】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約2〜20mcgの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項31】
前記G‐CSFが、約1〜2ヵ月毎に一回投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項32】
前記G‐CSFが、約2〜3ヵ月毎に一回投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項33】
前記G‐CSFが、約3〜4ヵ月毎に一回投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項34】
前記G‐CSFが、皮下または静脈内投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項35】
前記G‐CSFが、非経口的に、経腸的に、局所的に、または吸入により、投与される、請求項19に記載の方法。
【請求項36】
前記G‐CSFが、市販の組成物フィルグラスチム、ペグフィルグラスチム、またはレノグラスチムにおいて調製される、請求項19に記載の方法。
【請求項37】
前記G‐CSFが、G‐CSFと薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物に存在する、請求項19に記載の方法。
【請求項38】
閉経期の症状と関連する不快感または痛みの軽減が必要な個体において、閉経期の症状と関連する不快感または痛みを軽減する方法であり、
前記個体に有効量の顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項39】
前記閉経期の症状が、薬物誘発性、手術誘発性、または自然のものである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
ホルモン変動により生じる症状と関連する不快感または痛みの軽減が必要な個体において、ホルモン変動により生じる症状と関連する不快感または痛みを軽減する方法であり、
前記個体に有効量の顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項41】
前記個体が、男性である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記個体が、女性である、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記ホルモン変動が、薬物誘発性、手術誘発性、または自然のものである、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
関節炎と関連する不快感または痛みの軽減が必要な個体において、関節炎と関連する不快感または痛みを軽減する方法であり、
前記個体に有効量の顆粒球コロニー刺激因子(G‐CSF)を投与するステップ
を含む、方法。
【請求項45】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約5mcgの用量で投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項46】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約5〜10mcgの用量で投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項47】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約2〜10mcgの用量で投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項48】
前記G‐CSFが、体重1kgあたり約2〜20mcgの用量で投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項49】
前記G‐CSFが、約1〜2ヵ月毎に一回投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項50】
前記G‐CSFが、約2〜3ヵ月毎に一回投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項51】
前記G‐CSFが、約3〜4ヵ月毎に一回投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項52】
前記G‐CSFが、皮下または静脈内投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項53】
前記G‐CSFが、非経口的に、経腸的に、局所的に、または吸入により、投与される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項54】
前記G‐CSFが、市販の組成物フィルグラスチム、ペグフィルグラスチムまたはレノグラスチムにおいて調製される、請求項38、40または44に記載の方法。
【請求項55】
前記G‐CSFが、G‐CSFと薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物に存在する、請求項38、40または44に記載の方法。


【公表番号】特表2011−529064(P2011−529064A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520172(P2011−520172)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/051429
【国際公開番号】WO2010/011767
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(511020195)メノジェニックス, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】