説明

開封容易な袋

【課題】粉粒体の漏れの完全な阻止や必要な強度に対し充分に満足した上で、ワンタッチ開封を容易且つ完全に行うことが出来る開封容易な袋を提供する。
【解決手段】紙状筒2の上紙2a及び下紙2bの一方を折り目4に沿い開き、両側及び中心部に三角折込み部5、6及び開口部7の有る展開面8を形成し、上紙2a及び下紙2bに、開口部7を塞がない折れ筋9a、9bを付け、開口部7を覆い折れ筋より外方にはみ出し且つ開封テープ10付のインナーパッチ11を展開面8に貼り合わせ、上紙2a及び下紙2bを折れ筋に沿い折り畳み、その上にアウターパッチ12を貼り付けてなり、インナーパッチ11は一端部を内側に折り込みその状態で開封テープ10に切り込み13を入れてあり、アウターパッチ12は一端部に切り込み13に沿ったスリット14を設け且つ開封テープ10に沿ってインナーパッチ11に貼り付けることで、上記課題を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米、麦、コンスターチ、デンプンなどの食品に由来する粉粒体、飼料、プラスチック樹脂、セメント、石灰、カーボンブラックなどの粉粒体を収納するための開封容易な袋に関し、より詳しくは、平坦に折り潰した紙状筒の一方の開口端に両側及びその中心部に三角折込み部及び開口部を有した展開面を形成し、展開面の開口部を開封テープ付でその両側に切り込みのあるインナーパッチを展開面に貼り合わせることで塞ぎ、さらにその上にアウターパッチを貼り付け、開封に際しては、開封テープによりインナーパッチ及びアウターパッチを一気に切り裂き、開封可能とした開封容易な袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の開封容易な袋として、図14に示すように、閉塞時に、上下の水平折込線折込部50、51の重接しない下側の水平折込線折込部51の上に位置するように開封テープ52付のアウターパッチ53を底部に貼り付けてなり、上下の水平折込線折込部50、51裏面に剥離容易なノリを塗布し、さらに、アウターパッチ53の裏面に長手方向両外側に固着接合用の帯状ノリ54を、その内側に剥離容易な帯状ノリ55を塗布することで、上記底部にアウターパッチ53を貼り付けてなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、図15に示すように、平坦に折り潰した紙状筒60の一方の開口端61の両角に三角折込み部62(63)を形成すると共に、その状態で紙状筒60の折り潰しにより形成した上紙64及び下紙65の一方を開いて展開面66を形成し、この展開面66の中心部開口67を覆うために上紙64及び下紙65に折れ筋68を付けて、展開面66の両三角折込み部62、63を渡り中心部開口67を覆うと共に折れ筋68を外方にはみ出し且つ引き剥がし片69付のインナーパッチ70を、展開面66に易剥離性接着剤71にて貼り合わせて開封側開口部72とし、上記折れ筋68に沿い上紙64及び下紙65を折り畳み貼り合わせ、その上に開封テープ付のアウターパッチを貼り付けてなるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、図16に示すように、平坦に折り潰した紙状筒60の一方の開口端61の両角に三角折込み部62、63を形成すると共に、その状態で紙状筒60の折り潰しにより形成した上紙64及び下紙65の一方を第1折線73に沿い開いて展開面66を形成し、上紙64及び下紙65を第1折線73に平行な第2折線74に沿って内側に折り曲げ重ね貼り合わせて底部を形成し、その底部過程で、折り曲げ部同士を剥離容易に貼り合わせ、且つ展開面66の中央に、長辺が三角折込み部62、63を渡り短辺が第2折線81を越えるインナーパッチ70を、一方の第2折線74の外側に沿い線状に貼り合わせ、その上に開封テープ付のアウターパッチを貼り付けてなるたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平1−26598号公報
【特許文献2】特開2004−307008号公報
【特許文献3】特開平9−142490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の開封容易な袋は、アウターパッチ53を開封テープ52によって切断すると、アウターパッチ53と下の水平折込線折込部51及び斜め折込線折込部とは、剥離容易なノリにより糊付けされているので、一体となって切断されたアウターパッチ53と上の水平折込線折込部50は、下の水平折込線折込部51及び斜め折込線折込部から容易に剥離できる。さらに、下の水平折込線折込部51も斜め折込線折込部に剥離容易なノリにより糊付けされているので、斜め折込線折込部から容易に剥離でき、完全に開封することができる。しかしながら、この開封容易な袋を完全に開封するには、まず開封テープ52によりアウターパッチ53を切断して、アウターパッチ53と上の水平折込線折込部50を剥離し、さらに下の水平折込線折込部51も剥離しないと、完全に開封することができないという、二段構えとなる不都合が生ずる虞がある。
【0007】
特許文献2の開封容易な袋は、アウターパッチを開封テープにより切断し、上紙64及び下紙65を剥がしてインナーパッチ70を裸出し、さらに、インナーパッチ70を引き剥がし片69により剥がすことができる。しかしながら、この開封容易な袋を開封するには、上記したように、三段構えとなってしまう不都合が生ずる虞がある。
【0008】
特許文献3の開封容易な袋は、アウターパッチを開封テープにより切断し、上紙64及び下紙65を裸出して、上紙64及び下紙65を剥がしてインナーパッチ70を裸出し、その状態で開封容易な袋をインナーパッチ70側を下方に向けると、内容物の重みにより、インナーパッチ70が強固に接着している一辺を除き他の辺が開くことで、インナーパッチ70を開封することができる。しかしながら、この開封容易な袋を開封するには、上記したように、二段構えとなってしまい、その上、最終的に開封するか、どうかが、内容物の重みに依存しているという、不都合が生ずる虞がある。
【0009】
このような観点から、図17ないし19に示すように、平坦に折り潰した紙状筒60の一方の開口端61の両角に三角折込み部62、63を形成すると共に、その状態で紙状筒60の折り潰しにより形成した上紙64及び下紙65の一方を開いて展開面66を形成し、この展開面66の中心部開口67を覆うことの無い折れ筋68を、上紙64及び下紙65上に付けて、展開面66の両三角折込み部62、63を渡り中心部開口67を覆うと共に折れ筋68を外方にはみ出し、且つ、引き剥がし片69及びこれに連なる開封テープ52付のインナーパッチ70を、展開面66に貼り合わせ、上紙64及び下紙65を折れ筋68に沿い折り畳み、その上に1本のスリット73を有するアウターパッチ53を貼り付けて底部を防護している、開封容易な袋が考えられる。なお、アウターパッチ53は、インナーパッチ70と共に一気に切り裂くことが出来るように、その1本のスリット73から開封テープ52に沿ってインナーパッチ70に線状に貼り付けられている。
【0010】
したがって、上記の開封容易な袋は、その底部を一気に切り裂いて開封することができるが、図18の矢線で示すように、開封テープ52を伝わって内容物が外部に漏れる虞がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、粉粒体の漏れの完全な阻止や必要な強度に対し充分に満足した上で、ワンタッチ開封を容易且つ完全に行うことが出来る開封容易な袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明によれば、平坦に折り潰した紙状筒の一方の開口端にこれと平行な折り目を付け、該折り目まで前記開口端の両角を折り込み、その状態で前記紙状筒の折り潰しにより形成した上紙及び下紙の一方を折り目に沿い開いて、両側及びその中心部に三角折込み部及び開口部を有する展開面を形成し、該展開面の前記上紙及び下紙に、これらを前記開口部側に折り畳んでも開口部を塞がない折れ筋を付けて、前記展開面の両三角折込み部の底辺より外方にはみ出し前記開口部を覆うと共に前記折れ筋より外方にはみ出し且つ開封テープ付のインナーパッチを、前記展開面に貼り合わせると共に、前記上紙及び下紙を前記折れ筋に沿い前記開口部側に折り畳み、その上にアウターパッチを貼り付けてなり、前記インナーパッチは、その一方の端部を内側に折り込みその状態で前記開封テープの両側に切り込みを入れて前記展開面に貼り合わせてあり、前記アウターパッチは、その一方の端部に前記インナーパッチの切り込みに沿ったスリットを設けると共に、前記開封テープに沿って前記インナーパッチに線状に貼り付けてなることを特徴とする開封容易な袋が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、前記インナーパッチに設けた前記開封テープ幅は、少なくとも4mm以下である開封容易な袋が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、前記アウターパッチは、その他方の端部が前記インナーパッチの他方の端部よりも外方に延出している開封容易な袋が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、前記アウターパッチのスリットは、前記インナーパッチの切り込みに沿った1本で形成している開封容易な袋が提供される。
【0016】
上記請求項1に規定した要件を満たすことによる作用は次の通りである。
すなわち、アウターパッチは、インナーパッチの切り込みに沿ったスリットが有り、且つインナーパッチの開封テープに沿って線状に貼り付けてあるから、インナーパッチの開封テープにてインナーパッチ共々アウターパッチも切断でき、上紙及び下紙を折り重ねて貼り合わせてもいないから、直ちに開封出来る。インナーパッチの開封テープ側端部は内側に折り込み展開面に貼り合わせてあるから、開封テープを伝わり内容物が漏れないし、且つ、インナーパッチとアウターパッチとによる二重構造により強度を増している。
【0017】
また、請求項2に規定した要件を満たすことによる作用は、開封テープの幅が4mm以下であると、開封テープを伝わり外部に漏れる内容物を防止しやすい。
【0018】
また、請求項3に規定した要件を満たすことによる作用は、アウターパッチの他方の端部がインナーパッチの他方の端部よりも外方に延出していると、外部に漏れる内容物を防止しやすい。
【0019】
また、請求項4に規定した要件を満たすこによる作用は、アウターパッチのスリットが1本でも、開封テープにより、インナーパッチと共にアウターパッチを切断できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1に規定した開封容易な袋によれば、粉粒体の漏れの完全な阻止や必要な強度に対し充分に満足した上で、開封テープを引くだけのワンタッチ開封を容易且つ完全に行うことが出来る効果がある。
【0021】
また、本発明の請求項2に規定した開封容易な袋によれば、上記の効果に加えて、さらに開封テープを伝わり外部に漏れる内容物を防止できる効果がある。
【0022】
また、本発明の請求項3に規定した開封容易な袋によれば、上記の効果に加えて、さらに他方の端部から外部に漏れる内容物を防止できる効果がある。
【0023】
また、本発明の請求項4に規定した開封容易な袋によれば、上記の効果に加えて、アウターパッチの加工が容易となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1に示した開封容易な袋を展開した状態の斜視図である。
【図2】同開封容易な袋の製作状態を示す平面図である。
【図3】同開封容易な袋の製作状態を示す平面図である。
【図4】同開封容易な袋の製作状態を示す斜視図である。
【図5】同開封容易な袋のインナーパッチの斜視図である。
【図6】図5のA−A線に沿う断面図である。
【図7】同開封容易な袋の製作状態を示す平面図である。
【図8】開封容易な袋の製作状態を示す平面図である。
【図9】開封容易な袋の製作状態を示す平面図である。
【図10】開封容易な袋内に内容物を充填した状態のインナーパッチとアウターパッチとの関係を示す斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示す開封容易な袋の図10と同状の斜視図である。
【図12】実施例1に示した開封容易な袋の利用状態を示す斜視図である。
【図13】同開封容易な袋の利用状態を示す斜視図である。
【図14】従来例を示す斜視図である。
【図15】従来例を示す斜視図である。
【図16】従来例を示す平面図である。
【図17】開封容易な袋の想定例を示す斜視図である。
【図18】開封容易な袋の想定例におけるインナーパッチを示す斜視図である。
【図19】図18のB−B線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【実施例1】
【0026】
図面において、1は開封容易な袋であり、この開封容易な袋1は、平坦に折り潰した紙状筒2の一方の開口端3Aにこれと平行な折り目4を付け、この折り目4まで開口端3Aの両角C1、C1を折り込み、その状態で紙状筒2の折り潰しにより形成した上紙2a及び下紙2bの一方を折り目4に沿い開いて、両側及びその中心部に三角折込み部5、6及び開口部7を有する展開面8を形成し、この展開面8の上紙2a及び下紙2bに、これらを開口部7側に折り畳んでも開口部7を塞がない折れ筋9a、9bを付けて、展開面8の両三角折込み部5、6の底辺5a、6aより外方にはみ出し開口部7を覆うと共に折れ筋9a、9bより外方にはみ出し且つ開封テープ10付のインナーパッチ11を、展開面8に貼り合わせると共に、上紙2a及び下紙2bを折れ筋9a、9bに沿い開口部7側に折り畳み、その上にアウターパッチ12を貼り付けてなり、上記インナーパッチ11は、その一方の端部を内側に折り込みその状態で開封テープ10の両側に切り込み13を入れて展開面8に貼り合わせてあり、上記アウターパッチ12は、その一方の端部にインナーパッチ11の切り込み13に沿ったスリット14を設けると共に、開封テープ10に沿ってインナーパッチ11に線状に貼り付けてなるものである。
【0027】
この紙状筒2は、径及び長さとも使用目的に合わせた任意のものが選択され、この実施例では2枚重ねにしたものが使用されているが、これに限定されず3層以上の多層でも良い。紙状筒2の材質はクラフト紙に限らず、脱気性を付与し且つ所定の強度を有したものであれば、特に限定がなく、樹脂シート、紙に樹脂シートを貼り付けたもの等が使用される。なお、インナーパッチ11及びアウターパッチ12などの材質も、上記紙状筒2と同じものが選択される。
【0028】
前記インナーパッチ11は、その長手方向の長さが展開面8の両三角折込み部5、6の底辺5a、6aよりも外方にはみ出して、開口部7を完全に覆うことができ、その幅長さも折れ筋9a、9bを外方にはみ出している。このインナーパッチ11には開封テープ10が一方の端部から他方の端部にかけて貼られ、さらに、一方の端部が、図4、5、6に示すように、開封テープ10側に折り込まれて折込み片20が形成されて、その状態で折込み片20ともども開封テープ10の両側に切り込み13、13が入り、これらの間に開封片21が形成されている。したがって、展開面8にインナーパッチ11を貼り合わせる際、開封テープ10が存在しない方の折込み片20の面20aを展開面8の三角折込み部5に貼り付けることになるので、開封テープ10を伝わって内容物が漏れることがないし、開封片21によりインナーパッチ11を容易に切り裂けることにもなる。
【0029】
一方、前記アウターパッチ12は、展開面8を構成する上紙2a及び下紙2bが折れ筋9a、9bに沿って折り畳まれ、上紙2aと下紙2bとが重ならない状態となり、その上に貼り付けられ、開封容易な袋1の底部を全体的且つ最終的に保護しているものである。すなわち、アウターパッチ12は、その一方の端部がインナーパッチ11の一方の端部上を覆い、その他方の端部がインナーパッチ11の他方の端部よりも外方に延出した状態で覆っている。これにより、内容物がインナーパッチ11の他方の端部から開封テープ10を伝わって、外部に漏れるのを防ぐことができる。
【0030】
そして、アウターパッチ12は、その一方の端部にインナーパッチ11の切り込み13に沿ったスリット14、14が設けられ、スリット14、14間に切裂片22が形成されて、その上、開封テープ10に沿ってインナーパッチ11に線状に貼り付けられている。これにより、アウターパッチ12の切裂機構は、インナーパッチ11における切裂機構と一体となって、切裂片22ともども開封片21により、インナーパッチ11及びアウターパッチ12を一気に容易且つ完全に切り裂くことができ、開封容易な袋1の底部を一気に開封することになる。なお、スリット14は後に詳述するように1つでもよい。
【0031】
上記構成になる開封容易な袋1は、以下のようにして作られる。
まず、2層以上の紙状筒2について、その径及び長さとも使用目的に合わせた任意のものを選択する。そして、図2に示すように、選択した紙状筒2を折り潰し、その折り潰した紙状筒2の一方の開口端3A側に、この開口端3Aと平行な折り目4を所定幅で付け、この紙状筒2の開口端3Aの両角C1、C1を二点鎖線で示すように、折り目4まで折り込む。同じく、この紙状筒2の他方の開口端側にも、この開口端と平行な折り目を所定幅で付け、他方の開口端の両角も、折り目まで折り込む。
【0032】
次に、紙状筒2の両角C1、C1を図2の二点鎖線で示す折り目4まで折り込んだ状態で、紙状筒2の折り潰しにより形成した上紙2a及び下紙2bのうち、上紙2aを折り目4に沿って開き、図3に示すように、両側及びその中心部に三角折込み部5、6及び開口部7を有する展開面8を形成する。さらに、展開面8の上紙2a及び下紙2bを開口部7側に折り畳んでも、開口部7を塞ぐことがない折れ筋9a、9bを上紙2a及び下紙2bに付ける。すなわち、開口部7を塞ぐことがない折れ筋9a、9bを上紙2a及び下紙2bに付けるには、上紙2a及び下紙2bを折り畳んだ際、それぞれの開口端3Aが重ならないようにすればよい。
【0033】
例えば、図1に示すように、開封容易な袋1の底部幅:W0とすると、上紙2a及び下紙2bが担当する底部幅:W1は半分となり、W0=W1×2となる。また、上紙2aの開口端3Aと下紙2bの開口端3Aとの長さ:W2とすると、上紙2a及び下紙2bが担当する長さ:W3は半分となり、W2=W3×2となる。よって、上紙2a及び下紙2b開口端3Aから折れ筋9a、9bまでの長さ:W4とすると、W4=W1−W3=1/2(W0−W2)となり、折れ筋9aは、開口端3AからW4離れた上紙2a上に開口端3Aと平行に付けることになって、折れ筋9bも、開口端3AからW4離れた下紙2b上に開口端3Aと平行に付けることになる。
【0034】
そして、インナーパッチ11を上紙2a及び下紙2b上の図3の二点鎖線で示す位置に貼り付け、開口部7を完全に塞ぐ。
【0035】
その後、図7に示すように、上紙2aを折れ筋9aに沿い開口部7側に折り畳み、インナーパッチ11及び三角折込み部5上に貼り付け、さらに、下紙2bも同じく折れ筋9bに沿い開口部7側に折り畳み、インナーパッチ11及び三角折込み部6上に貼り付ける(図8参照)。さらに、その上に、アウターパッチ12を貼り付けるが(図9参照)、その際重要なことは、アウターパッチ12の切裂片22をインナーパッチ11の開封片21に沿わせ、且つ、開封テープ10に沿ってインナーパッチ11にアウターパッチ12を少なくとも線状に貼り付けることである。このようにすることで、図10に示すように、開封容易な袋1内に内容物が充填された状態で、アウターパッチ12の切裂機構は、インナーパッチ11における切裂機構と一体となって、開封片21及び切裂片22により、インナーパッチ11及びアウターパッチ12を一気に切り裂き、開封出来るようになる。
【0036】
なお、紙状筒2の他方の開口端でも、紙状筒2の折り潰しにより生じた上紙及び下紙のうち、上紙を折り目に沿い開いて、両側及びその中心部に三角折込み部及び開口部を有する展開面を形成し、さらに、上紙及び下紙に折り目に平行な2本の折れ筋を付け、上紙を折れ筋に沿って折り畳んで開口部を塞いで貼り合わせ、その上に下紙も折れ筋に沿って折り畳んで貼り合わせ、開口部を塞ぐ。なお、インナーパッチや内容物投入口並びに化粧紙が必要で有れば装備する。
【0037】
上記構成になる開封容易な袋1は次のように使用される。
まず、開封容易な袋1内に紙状筒2の他方の開口端から、例えば、内容物投入口が有ればそれに粉粒体などの供給源を接続して、エアーと共に粉粒体を開封容易な袋1内に送り粉粒体を充填する。充填が終了したら内容物投入口を封止しその他の必要作業を終了すれば、粉粒体充填済みの開封容易な袋1となり、流通に乗せることができる。
【0038】
そして、開封容易な袋1内に充填されている粉粒体を使用したい場合には、図12及び13に示すように、開封片21及び切裂片22を手指でつかんで引き裂けば、インナーパッチ11及びアウターパッチ12を一気に切り裂くことが出来、開封容易な袋1を開封出来て、粉粒体を取り出し使用することが出来る。
【0039】
図11は、アウターパッチ12の一方の端部にスリット14、14が無く、したがって切裂片22が形成されておらず、その代わりに1本のスリット14Aが設けられている開封容易な袋1を示したものである。そして、このスリット14Aから、開封テープ10に沿ってインナーパッチ11にアウターパッチ12が線状に貼り付けられている。その他の構成、作用は図1ないし図10に示す開封容易な袋1と同様である。
【0040】
以上、本発明の実施例1を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は適宜可能であることは理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の開封容易な袋は、内容物である粉粒体の充分な漏れ防止や必要な強度も備えていて、その上で開封テープを引くだけのワンタッチで開封を行いたい場合に、利用可能性が極めて高くなる。
【符号の説明】
【0042】
1 開封容易な袋
2、60 紙状筒
2a、64、65 上紙
2b 下紙
3A 一方の開口端
4 折り目
5、6、62、63 三角折込み部
5a、6a 底辺
7 開口部
8、66 展開面
9a、9b、68 折れ筋
10、52 開封テープ
11、70 インナーパッチ
12、53 アウターパッチ
13 切り込み
14、14A スリット
20 折込み片
21 開封片
22 切裂片
50、51 水平折込線折込部
54 固着接合用の帯状ノリ
55 剥離容易な帯状ノリ
61 開口端
67 中心部開口
69 引き剥がし片
71 易剥離性接着剤
72 開封側開口部
73 第1折線
74 第2折線
C1 角



【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦に折り潰した紙状筒の一方の開口端にこれと平行な折り目を付け、該折り目まで前記開口端の両角を折り込み、その状態で前記紙状筒の折り潰しにより形成した上紙及び下紙の一方を折り目に沿い開いて、両側及びその中心部に三角折込み部及び開口部を有する展開面を形成し、該展開面の前記上紙及び下紙に、これらを前記開口部側に折り畳んでも開口部を塞がない折れ筋を付けて、前記展開面の両三角折込み部の底辺より外方にはみ出し前記開口部を覆うと共に前記折れ筋より外方にはみ出し且つ開封テープ付のインナーパッチを、前記展開面に貼り合わせると共に、前記上紙及び下紙を前記折れ筋に沿い前記開口部側に折り畳み、その上にアウターパッチを貼り付けてなり、前記インナーパッチは、その一方の端部を内側に折り込みその状態で前記開封テープの両側に切り込みを入れて前記展開面に貼り合わせてあり、前記アウターパッチは、その一方の端部に前記インナーパッチの切り込みに沿ったスリットを設けると共に、前記開封テープに沿って前記インナーパッチに線状に貼り付けてなることを特徴とする開封容易な袋。
【請求項2】
前記インナーパッチに設けた前記開封テープ幅は、少なくとも4mm以下である請求項1記載の開封容易な袋。
【請求項3】
前記アウターパッチは、その他方の端部が前記インナーパッチの他方の端部よりも外方に延出している請求項1または2記載の開封容易な袋。
【請求項4】
前記アウターパッチのスリットは、前記インナーパッチの切り込みに沿った1本で形成している請求項1ないし3のいずれか1項記載の開封容易な袋。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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