説明

開発管理システム、開発管理プログラム、および開発管理プログラムを記録した記録媒体

【課題】 各種製品の開発から量産への移行を経てライフサイクル終了までの間に発生が予想される設計変更を開発期間中に前倒しして実行させることにより、量産移行後の設計変更の件数を低減させることを課題とする。
【解決手段】 予め開発対象製品のライフサイクル中に発生が予想される設計変更の件数に基づいて、当該製品の設計開発に際して行われる要望事項や過去の不具合に対する設計変更の事例等を反映させるための設計変更指摘の目標件数と、この指摘のうち設計変更指示があったものについて実行される設計変更の目標件数とを設定し、それらの目標件数と開発期間中に発生した設計変更指摘および設計変更の実件数とを比較してそれぞれの差を表示することにより、開発業務の完成度を定量的に管理するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造業における各種製品の開発業務を管理するシステム、および開発業務を管理するためのプログラム等に関し、主としてコンピュータを用いた業務管理技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
製造業における各種商製品の開発は、その企画から始まり、設計方針や設計仕様の決定、概略設計、詳細設計、1次試作、量産試作等の各過程を経由し、その後、量産に移行することになるが、開発が終了し、量産へ移行した後、当該製品のライフサイクルが終了するまでには、製造現場や市場等において各種の不具合や改良点が見出される場合が少なくない。この場合、仕様や設計の見直しが行われ、これに伴って改めて設計作業、試作作業等が行われることになるが、このような開発終了後における設計等の見直しは著しいコストの上昇を招き、ひいては当該企業の競争力向上の妨げとなる。
【0003】
このような実情に対し、設計開発の段階で、できるだけ完成度の高い製品開発を目指し、量産後の設計変更を極力抑制しようとする試みが行われており、例えば特許文献1には、下記のようなコンピュータを用いた設計支援システムが開示されている。
【0004】
つまり、この支援システムは、設計仕様に基づき、予め設計の評価担当者が抽出した設計に対する要望事項や、過去の製品開発において設計変更を要した不具合の事例及びその解決策等を設計に反映させる要件事項情報として電子ファイル化してサーバに登録すると共に、具体的な設計業務に際しては、設計仕様に応じて対応する要件事項情報を上記サーバから抽出して設計者に提示し、設計者がこの要件事項情報を参照して詳細設計を行うようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−197122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記公報に開示されたシステムでは、設計時に、その設計に対する要望事項や、過去の不具合及びこれに対する設計変更の事例が反映されるから、最終図面の出図時における完成度が向上することが期待できる。
【0007】
しかし、そのためには、評価担当者が設計仕様に対して要望事項を遺漏なく指摘する必要があり、担当者が未熟でその指摘が不十分であると、出図後或いは量産後の設計変更を招くことになる。また、過去の設計変更の事例が多数存在することを前提とするので、これが不十分な場合、設計図面の完成度の向上が期待できず、出図後或いは量産後に設計の見直しが必要となる。
【0008】
そこで、本発明は設計変更に関する定量的な管理を導入することにより、熟練した評価担当者がいなくても、或いは同種製品の多数の設計変更の事例がなくても、完成度の高い開発を実現可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0010】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、製品開発業務の完成度を管理する開発管理システムに関するものであって、予め開発対象製品のライフサイクル中に発生が予想される設計変更の件数に基づいて開発期間中の設計変更指摘の目標件数と設計変更の目標件数とをそれぞれ設定するための設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段と、上記製品の開発期間中に発生した設計変更指摘を記録する設計変更指摘記録手段と、該記録手段に記録された設計変更指摘のうち設計変更を実行するものを指示するための設計変更指示手段と、該指示手段による指示に基づいて実行された設計変更を記録する設計変更記録手段と、上記設計変更指摘目標件数設定手段で設定された設計変更指摘の目標件数と上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘の実件数との差、および、上記設計変更目標件数設定手段で設定された設計変更の目標件数と上記設計変更記録手段に記録されている設計変更の実件数との差を表示する開発完成度表示手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載のシステムにおいて、上記設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段は、それぞれの目標件数を開発期間中のフェーズごとに設定可能に構成され、上記設計変更指摘記録手段は、発生した設計変更指摘を上記フェーズごとに記録するように構成され、上記設計変更指示手段は、設計変更を実行するものを上記フェーズごとに指示可能に構成され、上記設計変更記録手段は、実行した設計変更を上記フェーズごとに記録するように構成され、上記開発完成度表示手段は、設計変更指摘の目標件数と実件数との差、および、設計変更の目標件数と実件数との差を上記フェーズごとに表示するように構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、上記請求項1または請求項2に記載の開発管理システムにおいて、上記設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段は、それぞれの目標件数を開発対象製品の構成要素ごとに設定可能に構成され、上記設計変更指摘記録手段は、発生した設計変更指摘を上記構成要素ごとに記録するように構成され、上記設計変更指示手段は、設計変更を実行するものを上記構成要素ごとに指示可能に構成され、上記設計変更記録手段は、実行した設計変更を上記構成要素ごとに記録するように構成され、上記開発完成度表示手段は、設計変更指摘の目標件数と実件数との差、および、設計変更の目標件数と実件数との差を上記構成要素ごとに表示するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、上記請求項2に記載の開発管理システムにおいて、上記設計変更指示手段による設計変更指示を開発期間中のフェーズごとに記録する設計変更指示記録手段が備えられていると共に、上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘情報と、上記設計変更指示記録手段に記録されている設計変更指示情報と、上記設計変更記録手段に記録されている設計変更情報とを対象として、設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更をフェーズごとに検索するための検索手段が備えられていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、上記請求項3に記載の開発管理システムにおいて、上記設計変更指示手段による設計変更指示を開発対象製品の構成要素ごとに記録する設計変更指示記録手段が備えられていると共に、上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘情報と、上記設計変更指示記録手段に記録されている設計変更指示情報と、上記設計変更記録手段に記録されている設計変更情報とを対象として、設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更を構成要素ごとに検索するための検索手段が備えられていることを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項6に記載の発明は、上記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の開発管理システムにおいて、開発期間中に発生した各設計変更について、その指摘、実行指示、完了の各段階を記録する設計変更進捗記録手段と、該設計変更進捗記録手段に記録されている情報に基づいて各設計変更の作業進捗状況を表示する設計変更進捗表示手段とが備えられていることを特徴とする。
【0016】
一方、請求項7に記載の発明は、製品開発業務の完成度を管理する開発管理プログラムに関するものであって、コンピュータを、予め開発対象製品のライフサイクル中に発生が予想される設計変更の件数に基づいて開発期間中の設計変更指摘の目標件数と設計変更の目標件数とをそれぞれ設定するための設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段、上記製品の開発期間中に発生した設計変更指摘を記録する設計変更指摘記録手段、該記録手段に記録された設計変更指摘のうち設計変更を実行するものを指示するための設計変更指示手段、該指示手段による指示に基づいて実行された設計変更を記録する設計変更記録手段、ならびに、上記設計変更指摘目標件数設定手段で設定された設計変更指摘の目標件数と上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘の実件数との差、および、上記設計変更目標件数設定手段で設定された設計変更の目標件数と上記設計変更記録手段に記録されている設計変更の実件数との差を表示する開発完成度表示手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
また、請求項8に記載の発明は、上記請求項7に記載の開発管理プログラムにおいて、コンピュータを上記設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段として機能させるときは、それぞれの目標件数を開発期間中のフェーズごとに設定可能に機能させ、上記設計変更指摘記録手段として機能させるときは、発生した設計変更指摘を上記フェーズごとに記録するように機能させ、上記設計変更指示手段として機能させるときは、設計変更を実行するものを上記フェーズごとに指示可能に機能させ、上記設計変更記録手段として機能させるときは、実行した設計変更を上記フェーズごとに記録するように機能させ、上記開発完成度表示手段として機能させるときは、設計変更指摘の目標件数と実件数との差、および、設計変更の目標件数と実件数との差を上記フェーズごとに表示するように機能させることを特徴とする。
【0018】
また、請求項9に記載の発明は、上記請求項7または請求項8に記載の開発管理プログラムにおいて、コンピュータを上記設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段として機能させるときは、それぞれの目標件数を開発対象製品の構成要素ごとに設定可能に機能させ、上記設計変更指摘記録手段として機能させるときは、発生した設計変更指摘を上記構成要素ごとに記録するように機能させ、上記設計変更指示手段として機能させるときは、設計変更を実行するものを上記構成要素ごとに指示可能に機能させ、上記設計変更記録手段として機能させるときは、実行した設計変更を上記構成要素ごとに記録するように機能させ、上記開発完成度表示手段として機能させるときは、設計変更指摘の目標件数と実件数との差、および、設計変更の目標件数と実件数との差を上記構成要素ごとに表示するように機能させることを特徴とする。
【0019】
また、請求項10に記載の発明は、上記請求項8に記載の開発管理プログラムにおいて、コンピュータを、上記設計変更指示手段による設計変更指示を開発期間中のフェーズごとに記録する設計変更指示記録手段、ならびに、上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘情報と、上記設計変更指示記録手段に記録されている設計変更指示情報と、上記設計変更記録手段に記録されている設計変更情報とを対象として、設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更をフェーズごとに検索するための検索手段として機能させることを特徴とする。
【0020】
また、請求項11に記載の発明は、上記請求項9に記載の開発管理プログラムにおいて、コンピュータを、上記設計変更指示手段による設計変更指示を開発対象製品の構成要素ごとに記録する設計変更指示記録手段、ならびに、上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘情報と、上記設計変更指示記録手段に記録されている設計変更指示情報と、上記設計変更記録手段に記録されている設計変更情報とを対象として、設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更を構成要素ごとに検索するための検索手段として機能させることを特徴とする。
【0021】
さらに、請求項12に記載の発明は、上記請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の開発管理プログラムにおいて、コンピュータを、開発期間中に発生した各設計変更について、その指摘、実行指示、完了の各段階を記録する設計変更進捗記録手段、および、該設計変更進捗記録手段に記録されている情報に基づいて各設計変更の作業進捗状況を表示する設計変更進捗表示手段として機能させることを特徴とする。
【0022】
そして、請求項13に記載の発明は、上記請求項7から請求項12のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な開発管理プログラムの記録媒体に関する。
【発明の効果】
【0023】
上記各請求項に記載の発明は、製品の企画から開発、量産への移行を経て市場に投入され、その後、市場から撤退するまでのライフサイクル中に、例えばその製品の分野に応じて或いは新規開発か改良開発か等の開発態様に応じて、ほぼ一定件数の設計変更が発生するという知見に基づくものであり、全ライフサイクル期間中に発生が予想される件数の設計変更をできるだけ開発期間中に前倒しして実行させることにより、開発の完成度を向上させようとするものである。
【0024】
これを図27を用いて説明すると、従来は、破線で示すように、企画から量産移行(開発終了)を経てライフサイクル終了までの各期間に分散して設計変更の必要性が発生していたのであるが、これらの設計変更のうちには、開発段階で予想可能であったものが少なくない。
【0025】
そこで、まず、請求項1に記載の発明では、全ライフサイクル期間を通じて発生するほぼ一定件数と考えられる設計変更の件数に基づいて、当該製品の設計開発に際して行われる要望事項や過去の不具合に対する設計変更の事例等を反映させるための設計変更指摘の目標件数と、この指摘に基づいて実行される設計変更の目標件数とを設定し、それらの目標件数と開発期間中に発生した設計変更指摘および設計変更の実件数とを比較して、それぞれの差を表示するようにしたのである。これにより、図27に実線で示すように、設計変更が開発期間中に前倒しして実行して、製品の開発終了時点での完成度を向上させることが可能となる。
【0026】
その場合に、この発明では、開発期間中に発生した設計変更指摘のうち、管理者等が必要と判断したものについて設計変更指示手段により実行が指示され、その指示されたものだけが実際に設計変更として実行される。
【0027】
そして、特にこの発明によれば、目標件数と実件数との差の表示は、設計変更の指摘件数と、その指摘のうち実行が指示されて実際に行われた設計変更の件数の両方について行われることになる。したがって、例えば設計変更件数が不足する場合に、実際に行われた設計変更自体の不足として捉えたり、指摘件数の不足として捉えたり、或いはその両方の不足として捉えたりすることが可能となり、開発業務の完成度の管理がより適切に行われることになる。
【0028】
ここで、設計変更とは、設計図面を修正する狭義の設計変更だけでなく、商品企画、設計方針、設計仕様の変更等も含む概念をいう。
【0029】
また、請求項2および請求項3に記載の発明によれば、設計変更指摘と設計変更の目標件数と実件数との差が、開発期間のフェーズごとに、あるいは開発対象製品の構成要素ごとに、きめ細かく表示されることになり、したがって、開発終了時点での完成度がさらに向上し、量産への移行後の設計変更の件数が一層低減されることになる。
【0030】
また、請求項4および請求項5に記載の発明によれば、それぞれの記録手段に記録された設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更をフェーズごとに、あるいは構成要素ごとに検索することが可能となる。したがって、今回の設計変更を以後の同種製品の開発時に参考として利用する場合の利便性が向上することになる。
【0031】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、特定の設計変更が現在どのような状況にあるのか、具体的には、設計変更の必要性が指摘されただけで、その実行についての指示が未だ下されていない、或いは設計変更の指示が下されたが、その変更自体が未だ完了していない、或いは指摘された設計変更が完了した、といった進捗状況が表示されることになり、開発業務遂行の効率が向上することになる。
【0032】
一方、請求項7から請求項12に記載の開発管理プログラムによれば、当該プログラムをコンピュータに適用して実行することにより、上記請求項1から請求項6のシステムについての発明のうちの対応するものと同様の効果が得られる。
【0033】
さらに、請求項13に記載の記録媒体によれば、これをコンピュータに適用して、記録されているプログラムを実行させることにより、上記請求項1から請求項6に記載のシステムについての発明のうちの対応するものと同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態に係る開発管理システムについて説明する。なお、この実施の形態に係るシステムを動作させるプログラムは本発明の開発管理プログラムの実施の形態を構成し、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体は本発明の記録媒体の実施の形態を構成する。
【0035】
図1は、このシステムの中心となるサーバコンピュータ(以下、「サーバ」という)10の構成を示すもので、このサーバ10は、中央処理装置11と、各種条件の設定やシステムの制御等に用いられる入力装置12と、プログラムやデータを記録する記録装置13と、入力画面や計算結果等を表示する表示装置14と、各種書類を発行する印刷装置15と、他のコンピュータとの通信を制御する通信制御装置16とを有し、該通信制御装置16により、インターネットやイントラネット等のネットワークシステム20を介して例えば当該開発プロジェクトの管理者や設計者等のクライアントコンピュータ(以下、「クライアント」という)21…21に接続されている。
【0036】
上記記録装置13は、図2に示すように、プログラム記録部13aとデータ記録部13bとを有し、プログラム記録部13aには、当該システムの作動に必要なプログラムが記録されており、また、データ記録部13bには、この実施の形態では、プロジェクトテーブル、機種構成要素テーブル、開発フェーズテーブル、変更目標数テーブル、変更指摘テーブル、変更指示テーブル、及び変更通知テーブルが記録されるようになっている。
【0037】
上記プロジェクトテーブルは、当該システムが管理するプロジェクトの一覧を記録するもので、図3に示すように、プロジェクトごとに、コードと、名称と、開発対象製品の機種コードとを記録するようになっている。
【0038】
また、機種構成要素テーブルは、プロジェクトごとに開発対象製品の機種のユニット及び部位で示される構成要素のディレクトリ構造を記録するもので、図4に示すように、プロジェクトコードをキーとし、当該機種の各構成要素について、ユニットか部位かの階層と、名称と、要素コードと、下位要素(部位)である場合の上位要素(ユニット)の要素コードとを記録するようになっている。
【0039】
また、開発フェーズテーブルは、プロジェクトごとに開発期間中のフェーズを管理するもので、図5に示すように、プロジェクトコードをキーとし、プロジェクトごとに設定されたフェーズと、各フェーズを終了させるイベントの実施予定日と、そのイベントの実際の実施日とを記録するようになっている。
【0040】
また、変更目標数テーブルは、当該プロジェクトの各フェーズ、各構成要素ごとに設計変更(企画変更や仕様変更等を含む)の目標件数を記録するもので、図6に示すように、プロジェクトコードをキーとし、フェーズ、構成コード、及び変更目標件数を記録するようになっている。
【0041】
また、変更指摘テーブルは、開発期間中の各フェーズにおいて設計変更の指摘があったときにその内容等を記録するもので、図7に示すように、変更指摘の発生時に自動的に付与される変更指摘コードをキーとして、当該プロジェクトのコード、指摘があったフェーズ及び日付、指摘者の所属部署及び氏名、指摘対象構成要素の要素コード、指摘目的、指摘内容、指摘理由、及び指摘個所を示す画像データのサーバ10の記録装置13における格納先のパス、並びに当該指摘に対して変更実行の指示が下され或いは指摘が却下されたときに「1」となる完了フラグの値が記録されるようになっている。
【0042】
また、変更指示テーブルは、指摘された設計変更に対してその実行の指示があったときにその指示内容等を記録するもので、図8に示すように、変更指示の発生時に自動的に付与される変更指示コードをキーとして、その指示の元となった変更指摘のコード、当該プロジェクトのコード、指示があったフェーズ及び日付、指示者の所属部署及び氏名、指示対象構成要素の要素コード、指示目的、指示内容、指示理由、並びに当該指示に基づく設計変更が完了したときに「1」となる完了フラグの値が記録されるようになっている。
【0043】
さらに、変更通知テーブルは、変更指示があった設計変更を完了し、その内容が関係部署に通知されたとき(具体的には設計変更通知書が作成されたとき)にその内容等を記録するもので、図9に示すように、変更通知の実行時に自動的に付与される変更通知コードをキーとして、その通知の元となった変更指示のコード、当該プロジェクトのコード、通知が行われたフェーズ及び日付、通知者の所属部署及び氏名、通知対象構成要素の要素コード、通知目的、通知内容、及び通知理由が記録されるようになっている。
【0044】
次に、サーバ10の記録装置13におけるプログラム記録部13aに記録されているプログラムによる当該システムの動作を説明する。
【0045】
まず、新規開発プロジェクトの立ち上げに際し、例えばプロジェクト管理者等(以下、「管理者等」という)が自らのクライアント21からサーバ10にアクセスすれば、該サーバ10の通信制御装置16からネットワーク20を介して上記クライアント21にWeb画面信号が送信され、その表示装置に図10に示す新規プロジェクト登録画面W1が表示される。そこで、管理者等は、この画面W1上で新規に立ち上げるプロジェクトの名称、コード、及び、該プロジェクトの開発対象製品の機種コードを入力する。
【0046】
また、管理者等は、次にクラインアント21の表示装置に表示される図11に示す機種構成登録画面W2上で、今回のプロジェクトの開発対象機種の構成要素を入力する。即ち、既に画面W1上で入力した機種コードの元に、今回の製品を構成するユニットの名称と、各ユニットに属する部位の名称とをディレクトリ構造を形成しながら入力する。
【0047】
また、管理者等は、次にクラインアント21の表示装置に表示される図12に示す開発フェーズ登録画面W3上で、今回のプロジェクトで設定される開発過程のフェーズを指定し、フェーズごとにその終了イベントの実施予定日を入力する。
【0048】
さらに、管理者等は、次にクラインアント21の表示装置に表示される図13に示す変更目標数登録画面W4上で、上記のようにして設定した開発対象機種の構成要素ごと、及び開発フェーズごとに、設計変更の目標件数を設定する。その場合、この目標件数は、当該プロジェクトの対象製品に応じて、或いは新規開発か改良開発かなどの開発の態様に応じて設定される。また、この目標件数は実際に変更を実行する件数の目標値であり、例えばその1.5倍が変更指摘の目標件数とされる。
【0049】
以上のようにして、クライアント21の表示装置に順次表示される画面W1〜W4上で、管理者等によって入力されたプロジェクトに関するデータ、開発対象機種の構成要素に関するデータ、開発フェーズに関するデータ、及び変更目標件数に関するデータは、いずれもネットワーク20を経由してサーバ10に送信され、該サーバ10における記録装置13のデータ記録部13bに設けられている図3のプロジェクトテーブル、図4の機種構成要素テーブル、図5の開発フェーズテーブル、及び図6の変更目標数テーブルにそれぞれ記録される。これにより、新規プロジェクトの立ち上げ時の設定が終了する。
【0050】
次に、プロジェクト立ち上げ後の開発過程における設計変更時の当該システムの動作を説明する。
【0051】
今、例えば設計仕様作成フェーズにおいて、ある部位に関する設計変更(仕様変更)の必要性が生じたものとする。この場合、設計者もしくは設計総括責任者等(以下、「設計者等」という)が変更指摘者となり、変更指摘のために自らのクライアント21からサーバ10にアクセスすることになる。
【0052】
そして、サーバ10から送信されるWeb画面上で、プロジェクトの指定等、所定の入力操作を行えば、図14に示す機種構成要素画面W5が表示され、この画面W5に、図4の機種構成要素テーブルから読み出した当該プロジェクトの開発対象機種の各構成要素がディレクトリ構造で表示される。そこで、設計者等は、今回、変更指摘を行う構成要素のユニット名又は部位名を指定する。また、今回の操作が変更指摘のための操作であることを別途指定する。
【0053】
なお、上記機種構成要素画面W5の上部には、矢印aで示すように、現時点のフェーズが表示されるようになっている。
【0054】
この画面W5上で指定した構成要素が例えば(ユニット)ディスプレイの(部位)処理回路であったものとすると、図15に示す次の変更指摘作成画面W6に、そのユニット名及び部位名が表示される。そして、この画面W6上で、設計者等は、変更指摘の日付、自らの所属部署、氏名、設計変更の目的、内容及び理由を入力する。また、変更個所等を示す画像データが存在する場合には、サーバ10の記録装置13におけるその格納先のパスを入力する。
【0055】
これらのデータは、図7の変更指摘テーブルに記録される。その場合に、変更指摘コードが自動的に付与されて記録され、変更指摘日としてその日の日付が自動的に記録され、変更指摘者としての設計者等の所属や氏名が、使用されたクライアント21を識別することにより予め登録されている名簿から読み出されて自動的に記録され、また、完了フラグの値が、当該変更はいまだ実行の指示がなされておらず、かつ却下もされていないので、「0」と記録される。
【0056】
このようにして、設計者等により、いずれかのフェーズにおいて、いずれかの構成要素について変更の指摘がなされると、上記変更指摘テーブルに新たなレコードとして順次その内容等が追加記録されて行く。
【0057】
一方、指摘された変更を実行するか否かを決定する管理者等は、定期的に或いは適宜時期にどのような変更指摘がなされているかを確認する。
【0058】
つまり、自らのクライアント21からサーバ10にアクセスし、前述の機種構成要素画面W5で確認しようとする機種の構成要素を指定する等、所定の操作を行うことにより、図16に示すように、指定した構成要素、例えば(ユニット)ディスプレイの(部位)処理回路についての設計変更状況が表示された変更状況画面W7を表示する。
【0059】
この変更状況画面W7には、設計者等からの変更指摘があった項目の一覧、変更指摘に対して変更指示が行われた項目の一覧、及び変更指示に対して変更の完了を示す変更通知が行われた項目の一覧が、対応する項目を横に並べて、それぞれ日付と担当者の氏名とで表示されている。そこで、管理者等は、変更指摘項目のうち、変更指示が行われていないいずれかの項目を選択する。
【0060】
これにより、図17に示す変更指示画面W8が表示され、この画面W8に、当該変更指摘項目について図7の変更指摘テーブルに記録されている内容、即ち、例えば(ユニット)ディスプレイ−(部位)処理回路について、設計者等が図15の変更指摘画面W6上で入力した変更目的、変更内容、変更理由等が表示される。また、上記変更指摘テーブルに記録されているパスに従って、サーバ10の記録装置13における所定の格納場所から画像データが読み出され、該変更指示画面8に画像として表示される。
【0061】
そこで、管理者等は、この画面W8に表示された内容や画像を確認し、指摘された変更を実行するか否かを判断する。そして、変更の実行を指示するときは変更指示ボタンbをクリックする。これにより、画面W8上の変更指摘に関するデータは変更指示に関するデータとして、図8の変更指示テーブルに記録されることになる。
【0062】
その場合に、変更指示コードが自動的に付与されて記録され、変更指示日としてその日の日付が自動的に記録され、変更指示者としての管理者等の所属や氏名が、使用されたクライアントを識別することにより予め登録されている名簿から読み出されて自動的に記録され、完了フラグの値が、当該指示に対してはいまだ変更が実行されていないから、「0」と記録される。また、このとき、図7の変更指摘テーブルの当該変更指摘項目のレコードの完了フラグの欄に、変更指示があったことを示す「1」が記録される。
【0063】
なお、管理者等が、指摘された変更を却下するときは画面W8の変更却下ボタンcをクリックすることになる。この場合は、図8の変更指示テーブルには新たなレコードは作成されないが、図7の変更指摘テーブルの完了フラグの欄には「1」が記録される。
【0064】
次に、変更指摘を行った設計者等は、自らが行った変更指摘に対して管理者等の変更指示があったか否かを確認する。
【0065】
つまり、再びサーバ10にアクセスし、変更対象の構成要素を指定するなどの所定の操作を行えば、図16に示す前述の変更状況画面W7が表示される。この画面W7には、前述のように、変更指摘項目の一覧が表示されるが、変更指摘に対して変更指示が行われたときは、その変更指摘に対応させて変更指示の欄に指示の日付と指示者の氏名とが表示され、当該変更指摘に対して、変更指示があったことが示される。そして、この画面W7の当該変更指摘に対応する変更指示項目を選択すれば、次に図18に示す変更通知画面W9が表示され、この画面W9に、図8の変更指示テーブルから読み出された変更指示の内容や、パスによって指定された格納場所から読み出された画像等が表示される。なお、変更指摘が却下されたときは、上記変更状況画面W7にその旨が表示される。
【0066】
変更指示があった場合において、その内容や画像等が上記変更通知画面W9に表示されれば、設計者等は、その内容等が自ら指摘した変更指摘の内容等に対応するものであることを確認する。そして、その確認を行えば、自ら指摘し或いは管理者等に指示された変更内容通りに例えば仕様書を修正し或いは図面に訂正を加えるなどの所要の変更を行った上で、この変更通知画面W9の変更通知実行ボタンdをクリックする。
【0067】
このとき、図19に示す変更通知作成画面W10が表示され、この画面W10に、上記変更通知画面W9と同様に、図8の変更指示テーブルから読み出された変更指示の内容が表示される。この画面W10は表示内容の編集が可能な画面であり、設計者等はその表示内容を確認した上で必要な編集を行い、或いはそのままの状態で完了ボタンeをクリックする。
【0068】
これにより、図20に示すように、変更通知画面W10の表示内容が記入された変更通知書が自動的に作成されると共に、その画面W10の内容が図9の変更通知テーブルに記録される。その場合に、変更通知コードが自動的に付与されて記録され、変更通知日としてその日の日付が自動的に記録され、変更通知者としての設計者等の所属や氏名が、使用されたクライアントを識別することにより予め登録されている名簿から読み出されて自動的に記録される。また、このとき、図8の変更指示テーブルの当該変更指示項目のレコードの完了フラグの欄に、変更通知があったことを示す「1」が記録される。
【0069】
そして、上記設計変更通知書がファイルされ、或いは当該変更を反映するための作業が必要な部署に配布され、その設計変更が完了する。
【0070】
以上のようにして、各開発フェーズにおいて、設計変更の指摘、その指摘に対する設計変更実行の指示、その指示に対して設計変更を実行した旨の通知の各作業が当該開発対象機種のユニットや部位等の各構成要素ごとに行われ、図7〜図9に示す変更指摘テーブル、変更指示テーブル及び変更通知テーブルにそれぞれ記録されることになる。そして、これらの変更指摘ないし変更通知の実行件数が、各フェーズ、各構成要素ごとに、当該プロジェクトの立ち上げ時に設定された目標件数と比較され、当該フェーズにおける当該構成要素についての開発完成度が表示される。
【0071】
つまり、現時点が例えば設計仕様作成フェーズにあるものとし、(ユニット)ディスプレイの(部位)処理回路について完成度を表示するものとして説明すると、図14の機種構成要素画面W5上で上記構成要素を指示すれば、まず、図21に示す変更指摘実績画面W11に、予め設定された当該構成要素の変更指摘の目標件数と、現時点までの変更指摘の実件数と、その差とが、表及びグラフで表示される。その場合に、目標件数は、図6の変更目標数テーブルから読み出された当該フェーズ、当該構成要素についての目標数の例えば1.5倍とされ、また、実件数は、図7の変更指摘テーブルに記録されているレコード件数がフェーズごと及び構成要素ごとにカウントされて表示される。
【0072】
また、図22の変更通知実績画面W12には、予め設定された当該構成要素の変更通知の目標件数と、現時点までの変更通知の実件数と、その差とが、上記変更指摘実績画面W11と同様に、表及びグラフで表示される。その場合に、目標件数は、図6の変更目標数テーブルから読み出された当該フェーズ、当該構成要素についての目標数であり、また、実件数は、図9の変更通知テーブルに記録されているレコード件数がフェーズごと及び構成要素ごとにカウントされて表示される。
【0073】
ここで、画面W11、W12の表における「72/75/−3」等の表示は、目標件数「75」に対する実件数「72」と、その差「−3」とを示す。
【0074】
管理者等は、この実績画面W11、W12を参照し、当該フェーズにおける各構成要素についての変更指摘件数や変更通知件数の目標件数に対する差を読み取り、その差が大きいときは、いまだ変更の余地が多く、開発が十分に完成していないものと判断して、設計者等に対して設計の更なる見直しを要請するなどの処置を執る。これに対して、変更指摘件数や変更通知件数の目標件数に対する差が十分小さく、或いは目標件数以上となっている場合には、その構成要素についての当該フェーズでの開発は十分に完成したものと判断する。
【0075】
そして、全ての構成要素についての完成度が十分であると判断すれば、当該フェーズは終了したものとして、所定のフェーズ終了イベントを実行した上で、次のフェーズに進行する。このフェーズの進行は、図23に示すフェーズ進行画面W13のフェーズ進行ボタンfをクリックすることにより行われる。
【0076】
このように、当該システムによれば、開発対象機種の各構成要素ごとに完成度を判断しながら開発フェーズを進めることになるので、開発期間の全フェーズを終了し、量産に移行するときには、当該製品全体として、すでに高い完成度が達成されていることになる。したがって、量産移行後における設計変更の件数が著しく低減されることになる。
【0077】
なお、図16の変更状況画面W7には、上記実績画面W11、W12と同様の完成度を示すグラフと共に、前述のように、その時点のフェーズにおいて、各変更項目ごとに、その指摘の日付、その指摘に対する変更指示の日付、及びその指示に対する変更通知の日付が横に並べて表示される。したがって、この画面W7を参照することにより、各項目についての指摘から変更指示を経て変更通知に至る設計変更作業の進捗状況が表示されることになり、その遅速に応じた対応が可能となる。また、各フェーズの終了時に、その時点の日付と、図5の開発フェーズテーブルに記録されている終了イベントの実施予定日とを比較することによっても、開発作業の進捗に遅速が判断される。
【0078】
さらに、上記変更指摘テーブル、変更指示テーブル、及び変更通知テーブルには、各変更項目について、対象となる構成要素のコード及び実行されたフェーズと共に、変更指摘、変更指示又は変更通知の目的、内容、理由がそれぞれ記録され、次回以降の開発業務の参考として利用されるようになっている。
【0079】
つまり、図24に示す検索画面W14上で、変更指摘、変更指示、及び変更通知の中から1つ以上の検索対象を指定すると共に、属性として、機種、ユニット、部位、フェーズのいずれかを必要に応じて指定すれば、指定した検索対象に対応するテーブルから、指定した属性を備えた変更項目のレコードが検索され、次の図25に示す検索結果画面W15に一覧表示される。
【0080】
例えば、検索対象として変更通知を指定し、属性として機種を指定すれば、画面W15に、その機種についての全変更通知項目が一覧表示されることになり、また、図例のように、属性として機種とユニットとフェーズとを指定すれば、その機種及びユニットについての指定したフェーズでの変更通知項目が一覧表示されることになる。
【0081】
そして、画面W15に表示された項目のいずれかを選択すれば、その項目が例えば変更通知項目であれば、次に図26に示す変更通知詳細画面W16が表示され、当該変更通知の内容等が詳細に表示される。また、変更指摘項目を選択し、或いは変更指示項目を選択したときには、画面W16と同様の変更指摘詳細画面又は変更指示詳細画面が表示される。
【0082】
したがって、その後の当該プロジェクト又は他のプロジェクトにおける開発業務にこれらの設計変更情報を利用して、その開発業務の効率の向上を図ることが可能となる。その場合に、検索項目の属性として機種、ユニット又は部位で示される構成要素、及び開発フェーズ等を指定することができるから、例えば、特定部位での過去の変更例、或いは特定フェーズでの過去の変更例というように属性を絞って検索することができ、必要とする設計変更情報を効率よく入手することが可能なる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明によれば、各種の製造業における製品開発業務において、コンピュータを用いて開発の完成度が定量的に管理されることにより、設計変更を開発期間中に前倒しして実行することが可能となって、開発から量産への移行後における設計変更の件数が低減されることが期待できる。したがって、本発明は、製品開発業務を行う産業分野において、好適に利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】同システムの記録装置に記録されているテーブルの説明図である。
【図3】プロジェクトテーブルの説明図である。
【図4】機種構成要素テーブルの説明図である。
【図5】開発フェーズテーブルの説明図である。
【図6】変更目標数テーブルの説明図である。
【図7】変更指摘テーブルの説明図である。
【図8】変更指示テーブルの説明図である。
【図9】変更通知テーブルの説明図である。
【図10】新規プロジェクト登録画面の説明図である。
【図11】機種構成要素登録画面の説明図である。
【図12】開発フェーズ登録画面の説明図である。
【図13】変更目標件数登録画面の説明図である。
【図14】機種構成要素画面の説明図である。
【図15】変更指摘作成画面の説明図である。
【図16】変更状況画面の説明図である。
【図17】変更指示画面の説明図である。
【図18】変更通知画面の説明図である。
【図19】変更通知作成画面の説明図である。
【図20】設計変更通知書の説明図である。
【図21】変更指摘実績画面の説明図である。
【図22】変更通知実績画面の説明図である。
【図23】フェーズ進行画面の説明図である。
【図24】検索画面の説明図である。
【図25】検索結果画面の説明図である。
【図26】変更通知詳細画面の説明図である。
【図27】本発明の効果の説明図である。
【符号の説明】
【0085】
10 サーバコンピュータ
20 ネットワーク
21 クライアントコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品開発業務の完成度を管理する開発管理システムであって、
予め開発対象製品のライフサイクル中に発生が予想される設計変更の件数に基づいて開発期間中の設計変更指摘の目標件数と設計変更の目標件数とをそれぞれ設定するための設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段と、
上記製品の開発期間中に発生した設計変更指摘を記録する設計変更指摘記録手段と、
該記録手段に記録された設計変更指摘のうち設計変更を実行するものを指示するための設計変更指示手段と、
該指示手段による指示に基づいて実行された設計変更を記録する設計変更記録手段と、
上記設計変更指摘目標件数設定手段で設定された設計変更指摘の目標件数と上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘の実件数との差、および、上記設計変更目標件数設定手段で設定された設計変更の目標件数と上記設計変更記録手段に記録されている設計変更の実件数との差を表示する開発完成度表示手段とを有することを特徴とする開発管理システム。
【請求項2】
上記設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段は、それぞれの目標件数を開発期間中のフェーズごとに設定可能に構成され、
上記設計変更指摘記録手段は、発生した設計変更指摘を上記フェーズごとに記録するように構成され、
上記設計変更指示手段は、設計変更を実行するものを上記フェーズごとに指示可能に構成され、
上記設計変更記録手段は、実行した設計変更を上記フェーズごとに記録するように構成され、
上記開発完成度表示手段は、設計変更指摘の目標件数と実件数との差、および、設計変更の目標件数と実件数との差を上記フェーズごとに表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の開発管理システム。
【請求項3】
上記設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段は、それぞれの目標件数を開発対象製品の構成要素ごとに設定可能に構成され、
上記設計変更指摘記録手段は、発生した設計変更指摘を上記構成要素ごとに記録するように構成され、
上記設計変更指示手段は、設計変更を実行するものを上記構成要素ごとに指示可能に構成され、
上記設計変更記録手段は、実行した設計変更を上記構成要素ごとに記録するように構成され、
上記開発完成度表示手段は、設計変更指摘の目標件数と実件数との差、および、設計変更の目標件数と実件数との差を上記構成要素ごとに表示するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の開発管理システム。
【請求項4】
上記設計変更指示手段による設計変更指示を開発期間中のフェーズごとに記録する設計変更指示記録手段が備えられていると共に、
上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘情報と、上記設計変更指示記録手段に記録されている設計変更指示情報と、上記設計変更記録手段に記録されている設計変更情報とを対象として、設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更をフェーズごとに検索するための検索手段が備えられていることを特徴とする請求項2に記載の開発管理システム。
【請求項5】
上記設計変更指示手段による設計変更指示を開発対象製品の構成要素ごとに記録する設計変更指示記録手段が備えられていると共に、
上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘情報と、上記設計変更指示記録手段に記録されている設計変更指示情報と、上記設計変更記録手段に記録されている設計変更情報とを対象として、設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更を構成要素ごとに検索するための検索手段が備えられていることを特徴とする請求項3に記載の開発管理システム。
【請求項6】
開発期間中に発生した各設計変更について、その指摘、実行指示、完了の各段階を記録する設計変更進捗記録手段と、
該設計変更進捗記録手段に記録されている情報に基づいて各設計変更の作業進捗状況を表示する設計変更進捗表示手段とが備えられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の開発管理システム。
【請求項7】
製品開発業務の完成度を管理する開発管理プログラムであって、
コンピュータを、
予め開発対象製品のライフサイクル中に発生が予想される設計変更の件数に基づいて開発期間中の設計変更指摘の目標件数と設計変更の目標件数とをそれぞれ設定するための設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段、
上記製品の開発期間中に発生した設計変更指摘を記録する設計変更指摘記録手段、
該記録手段に記録された設計変更指摘のうち設計変更を実行するものを指示するための設計変更指示手段、
該指示手段による指示に基づいて実行された設計変更を記録する設計変更記録手段、ならびに、
上記設計変更指摘目標件数設定手段で設定された設計変更指摘の目標件数と上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘の実件数との差、および、上記設計変更目標件数設定手段で設定された設計変更の目標件数と上記設計変更記録手段に記録されている設計変更の実件数との差を表示する開発完成度表示手段として機能させることを特徴とする開発管理プログラム。
【請求項8】
コンピュータを上記設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段として機能させるときは、それぞれの目標件数を開発期間中のフェーズごとに設定可能に機能させ、
上記設計変更指摘記録手段として機能させるときは、発生した設計変更指摘を上記フェーズごとに記録するように機能させ、
上記設計変更指示手段として機能させるときは、設計変更を実行するものを上記フェーズごとに指示可能に機能させ、
上記設計変更記録手段として機能させるときは、実行した設計変更を上記フェーズごとに記録するように機能させ、
上記開発完成度表示手段として機能させるときは、設計変更指摘の目標件数と実件数との差、および、設計変更の目標件数と実件数との差を上記フェーズごとに表示するように機能させることを特徴とする請求項7に記載の開発管理プログラム。
【請求項9】
コンピュータを上記設計変更指摘目標件数設定手段および設計変更目標件数設定手段として機能させるときは、それぞれの目標件数を開発対象製品の構成要素ごとに設定可能に機能させ、
上記設計変更指摘記録手段として機能させるときは、発生した設計変更指摘を上記構成要素ごとに記録するように機能させ、
上記設計変更指示手段として機能させるときは、設計変更を実行するものを上記構成要素ごとに指示可能に機能させ、
上記設計変更記録手段として機能させるときは、実行した設計変更を上記構成要素ごとに記録するように機能させ、
上記開発完成度表示手段として機能させるときは、設計変更指摘の目標件数と実件数との差、および、設計変更の目標件数と実件数との差を上記構成要素ごとに表示するように機能させることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の開発管理プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
上記設計変更指示手段による設計変更指示を開発期間中のフェーズごとに記録する設計変更指示記録手段、ならびに、
上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘情報と、上記設計変更指示記録手段に記録されている設計変更指示情報と、上記設計変更記録手段に記録されている設計変更情報とを対象として、設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更をフェーズごとに検索するための検索手段として機能させることを特徴とする請求項8に記載の開発管理プログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
上記設計変更指示手段による設計変更指示を開発対象製品の構成要素ごとに記録する設計変更指示記録手段、ならびに、
上記設計変更指摘記録手段に記録されている設計変更指摘情報と、上記設計変更指示記録手段に記録されている設計変更指示情報と、上記設計変更記録手段に記録されている設計変更情報とを対象として、設計変更指摘、設計変更指示、および設計変更を構成要素ごとに検索するための検索手段として機能させることを特徴とする請求項9に記載の開発管理プログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
開発期間中に発生した各設計変更について、その指摘、実行指示、完了の各段階を記録する設計変更進捗記録手段、および、
該設計変更進捗記録手段に記録されている情報に基づいて各設計変更の作業進捗状況を表示する設計変更進捗表示手段として機能させることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の開発管理プログラム。
【請求項13】
請求項7から請求項12のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な開発管理プログラムの記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−104627(P2009−104627A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321213(P2008−321213)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【分割の表示】特願2002−350607(P2002−350607)の分割
【原出願日】平成14年12月3日(2002.12.3)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】