説明

関節リンクシステムおよび外科用器具

【課題】外科用または診断用の器具またはツールなどの器具の遠隔操作を含む様々な目的に関して有用な関節機構、リンクシステム、およびその構成要素を提供すること。
【解決手段】
本発明の実施例に係るリンクシステムは、リンクを備え、前記リンク間の旋回動作を可能にしながら、トルクを少なくとも2つの隣接するリンク間に伝達できる。リンクの互いに対する不要な側方の動作を防止するための機構も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具およびツールの遠隔からの案内および操作を含むリンクシステムおよびその応用に関する。
【0002】
本出願は、2004年11月23日付け提出の米国出願第10/997,372号の一部継続出願である、2005年5月4日付け提出の米国出願第11/122,598号の優先権を主張するものであり、その内容は、この引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
器具およびツールを容易に遠隔的に操縦し、案内し、および/または操作する機能は、多種多様な産業および用途、特に手によって人為的に誘導するのが容易でなく、あるいはそうでなければリスクや危険をもたらす可能性のある作業空間に器具またはツールを誘導することが望まれる場合に関心をもたれている。これらには、アクセスが困難な、例えば、ある種の外科手術的な手順、機械の製造または修理、あるいは商業的および家事に適用するなどの目標とする場所への手操作によるアクセスが制限される、またはその他の場合などの、ツールまたは器具を適用する目標とする場所がアクセスするのに困難な状態を含む。その他の状況には、例えば、危険な化学物質に曝された作業空間など、作業環境が使用者に危険な産業的な用途を含むことができる。別の状況には、例えば、使用者が危険なまたは敵対する場所にツールまたは器具を配備するなどの、使用者がリスクにさらされる可能性のある取締りまたは軍事用途などを含む。
【0004】
実例として外科手術的な手順を用いると、内視鏡検査および腹腔鏡検査などの手順は、一般に、標的となる器官または組織の内部で、またはそこに向かって身体の外側の位置から操縦される器具を使用する。内視鏡検査の手順には、S字結腸鏡検査、結腸鏡検査、食道胃十二指腸鏡検査(esophagogastroduodenoscopy)、および気管支鏡検査が含まれる。従来、内視鏡の挿入管は、それを前方に押すことによって前進し、それを引き戻すことによって後退した。管の先端は、ねじること、および全体的な上/下および左/右の動作によって方向付けることができる。しばしば、動きの範囲がこのように限定されていることにより、(例えば直腸S状結腸での)鋭角をうまく通り抜けることが困難になり、患者に苦痛をもたらし、周囲の組織に外傷を与えるリスクが増加する。腹腔鏡検査は、解剖学的な目標物によるトロカールポートの配置を伴う。ポートの数は通常、意図される手順、ならびに十分な組織のモビリゼーション(mobilization)および手術野の露出を得るのに必要な器具の数によって変わる。例えば、手術後の痛みがより少なく、モビリゼーションが早期になり、癒着の形成が減少するなどの腹腔鏡手術の多くの利点があるが、器官の最適な後退および腹腔鏡検査ポートを通る従来の器具の操縦性を得ることはしばしば困難である。場合によっては、これらの不備は、手術時間を増加させ、ステープルおよび縫合糸などの構成要素を不正確に配置させることにつながる可能性がある。操縦可能なカテーテルも同様に、診断および治療の用途の両方に関してよく知られている。内視鏡と同様に、そのようなカテーテルは、患者の血管系に誘導するために全体的に限定された動作の範囲で方向付けることができる先端部を備える。
【0005】
向上した操縦性を有する内視鏡およびカテーテルを設計する多くの試みが行われてきた。例えば、Satoの米国特許第3,557,780号、Ailinger等の米国特許第5,271,381号、Alotta等の米国特許第5,916,146号、およびSakaiの米国特許第6,270,453号は、1つの組のワイヤの作動によって曲げることができる1つまたは複数の可撓性の部分を備える内視鏡器具を記載している。ワイヤは、ピニオンを回転させ(Sato)、ノブを操作し(Ailinger等)、操縦可能なアーム(Alotta等)またはプーリ機構(Sato)によって器具の近位端から作動させられる。Boury等の米国特許第5,916,147号は、カテーテルの壁の内側を通る4つのワイヤを有する操縦可能なカテーテルを開示している。各ワイヤは、カテーテルの異なる部分で終端する。ワイヤの近位端は、医師がそれらを引くことができるようにカテーテルからゆるく延びる。医師は、選択的にワイヤに張力をかけた状態にすることによってカテーテルを形作り操縦することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,557,780号明細書
【特許文献2】米国特許第5,271,381号明細書
【特許文献3】米国特許第5,916,146号明細書
【特許文献4】米国特許第6,270,453号明細書
【特許文献5】米国特許第5,916,147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の各デバイスは遠隔的に操縦可能であるが、動きの範囲は概して限定されている。さらに、構成要素を互いに対して旋回できるようにしながら、そのようなデバイスの各リンクの中心軸の周りでデバイスを回転させることによってリンク間でトルクを伝達させることは困難である。したがって、構成要素が互いに対して旋回する能力を維持しながら、そのようなデバイスが各リンクの中心軸の周りでトルクを伝達できることは有利である。さらに、そのようなデバイスの構成要素が、互いに対して側方に移動する(例えばパラレログラミング(parallelogramming))代わりに互いに対して旋回することは有利である。さらに、そのようなデバイスが、その動作を阻止することができる固定機構を有することは有利である。そのようなデバイスは、数多くの産業にわたって、器具およびツールを案内し、操縦し、および/または操作する広範囲の用途を有する。そのようなデバイスは、それ自身に娯楽、レクリエーション、および教育上の価値も有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、それには限定されないが、外科手術用または診断用の器具またはツールなどの、器具の遠隔操作を含む様々な目的に有用である関節機構、リンクシステム、およびその構成要素を提供する。そのような外科用または診断用の器具またはツールには、それには限定されないが、内視鏡、光源、カテーテル、ドップラー流量計、マイクロフォン、探査子、レトラクタ、ペースメーカーリード配置デバイス、解剖器具、ステープラ、鉗子、グラスパー、鋏またはカッター、切除または焼灼要素等が含まれる。非外科用途での器具またはツールには、それには限定されないが、グラスパー、ドライバ、電動ツール、溶接機、磁石、光学レンズおよびビューア、光源、電気ツール、聴覚/視覚ツール、レーザ、モニタ等が含まれる。用途に応じて、本発明の関節機構、リンクシステム、およびその他の構成要素は、多くの器具およびツールを組み込み、またはそれらに適用することに対処できるように容易に縮尺変更することができることが企図される。リンクシステムおよび関節機構は、これらの器具またはツールを所望の標的部位に操縦するのに使用することができ、さらにそのような器具およびツールの作動を始動しまたは容易にするのに使用できる。
【0009】
本発明の1つの態様では、トルクを伝達することができる関節リンクシステムが提供される。リンクシステムは、複数のリンクおよび少なくとも2つの隣接するリンクを備える。第1の隣接するリンクは、トルクを与える突起を有し、その少なくとも一部分は非円形の緯度方向外周部を有する。2つの隣接するリンクの間に置かれたブッシングが、トルクを与える突起を係合する。したがって、リンクシステムは、第1の隣接するリンクの第2の隣接するリンクに対する旋回動作ができるようにしながら、リンク間のトルク伝達をもたらす。いくつかの変形形態では、非円形の緯度方向外周部を有する突起の部分は、長手方向の外周部に沿って湾曲している。第1の隣接するリンクはさらに、湾曲した緯方向の外周部を備えるボール部分を含むことができる。ブッシングは、ボール部分を受けるように構成されたソケットを備えることができる。トルクを与える突起の非円形の緯度方向外周部は、複数の径方向に割り振られた面を有することができる。面は、長手方向の外周部に沿って湾曲できる。あるいは、両方のリンクは、上述のようなトルクを与える突起および/またはボール部分を有する。
【0010】
本発明の別の態様では、ブッシングなしでトルクを伝達することが可能な関節リンクシステムが提供される。リンクシステムは、複数のリンクを備える。第1の隣接するリンクは、トルクを与える突起を有し、その少なくとも一部分は、非円形の緯度方向外周部を有する。第2の隣接するリンクは、第1の隣接するリンクのトルクを与える突起に係合するように構成されたソケットを有する。リンクシステムは、第1の隣接するリンクの第2の隣接するリンクに対する旋回動作ができるようにしながら、リンク間のトルク伝達をもたらす。いくつかの変形形態では、トルクを与える突起の表面は、長手方向の外周部に沿って湾曲される。別の変形形態では、第1の隣接するリンクはさらに、湾曲した緯方向の外周部を備えるボール部分を含む。別の変形形態では、トルクを与える突起の非円形の緯度方向外周部は、複数の径方向に割り振られた長手方向に湾曲した面を備える。別の変形形態では、第2の隣接するリンクのソケットは、第1の隣接するリンクのトルクを与える突起に係合するように構成された複数の径方向に割り振られた湾曲した面を有する。
【0011】
別の態様では、少なくとも2つの隣接するリンクを備える複数のリンクを備える関節リンクシステムが提供される。複数のタブが第1の隣接するリンクに配置される。第2の隣接するリンクが第1の隣接するリンクのタブに動作可能に連結される。リンクシステムは、第1の隣接するリンクの第2の隣接するリンクに対する旋回動作ができるようにしながら、リンク間のトルク伝達をもたらす。
【0012】
1つの実施形態では、タブは、第1の組のタブおよび第2の組のタブを備える。第1の組のタブは、第1の隣接するリンクの表面から配置されている。第2の組のタブは、第2の隣接するリンクの表面から配置されている。各組から1個のタブの対は、共に連結されて2自由度の継手になる。別の変形形態では、ブッシングが隣接するリンク間に配置できる。
【0013】
別の実施形態では、第1の隣接するリンクは、複数の径方向に配分された窪みを有する。各リンクに関連付けられた複数のタブは、各タブが径方向に配分されたリンクの1つの窪みに係合するように関節リンクシステムの各リンクの中心軸から径方向に配分されている。1つの変形形態では、関節リンクシステムはさらに、2つの隣接するリンクのそれぞれの間に配置されたブッシングを備える。
【0014】
別の変形形態では、第1のリンクの各タブは、各タブの末端が溝の内側で移動できるように第2のリンクに径方向に配置された溝に動作可能に連結されている。
【0015】
本発明の別の態様では、トルクを伝達することが可能な関節リンクシステムが提供され、リンクシステムは、係合ピンおよび相補的な表面を備えるボールソケット接合面を使用する。1つのそのようなシステムが、隣接するリンクを備え、第1の隣接するリンクがボールを有し、第2の隣接するリンクがボールを受けるためのソケットを有し、ボールおよびソケットが少なくとも1つの係合ピンおよび相補的な表面を備え、それらがリンク間のトルク伝達を提供しながら、同時に第2のリンクに対する第1のリンクの旋回動作を可能にする。別のそのようなシステムは、隣接するリンク間に配置されたブッシングを備える少なくとも2つの隣接するリンクを備える。隣接するリンクは、ボールおよび/またはソケットを備え、ブッシングがリンクのボールまたはソケットを係合する、対応するソケットおよび/またはボールを備えることができる。係合されたボールおよびソケットは、少なくとも1つの係合ピンおよび相補的な表面を備え、それらは、第1の隣接するリンクの第2の隣接するリンクに対する旋回動作ができるようにしながら、リンクとブッシングの間のトルク伝達をもたらす。相補的な表面は、通常どちらの回転方向にも(すなわち、時計回りおよび反時計回り)トルク伝達を行うことができるように配置されている。単純な変形形態では、相補的な表面は、相補的なスロットの向かい合う面として設けることができ、係合ピンがスロットに配置される。その他の変形形態では、ここでも同様に、相補的な表面が一方のピンまたは他方のピンからどちらの回転方向にも(すなわち、時計回りおよび反時計回り)トルクを伝達できるように向けられていることを条件として、2つの別個の係合ピンが別々の相補的な表面に係合することができる。
【0016】
本発明の別の態様では、例えば、外科用または診断用ツールの遠隔操作などの関節機構が設けられる。関節機構は、遠位に配置されたツールまたは器具の遠隔操作を可能にする1つまたは複数のリンクシステムを備えることができる。1つの変形形態では、少なくとも1つの対のリンクを備える関節機構が設けられ、各リンクが他方の対のリンクに対して離隔した関係に保たれる。別の変形形態では、複数の対のリンクを備える関節機構が設けられる。関節機構はさらに、少なくとも1つの組のケーブルを備え、ある対の一方のリンクの動作が、その対の他方のリンクの対応する相対的な動作を生じるように各組が個別の対のリンクを互いに連結する。あるいは関節機構は、複数の組のケーブルを備えることができる。したがって関節機構は、旋回動作を可能にしながら隣接するリンク間のトルク伝達を提供する。
【0017】
本発明の別の態様では、外科用または診断用ツール、および外科用または診断用ツールに近接する複数のリンクを備える外科用のデバイスが提供される。細長いシャフトが複数のリンクに近接している。いくつかの変形形態では、1つまたは複数のケーブルが1つまたは複数のリンクに遠位に連結され、細長いシャフトを通して近接して受けられる。1つまたは複数のケーブルの動作が1つまたは複数のリンクの動作を生じる。外科用デバイスは、上記に論じたリンクシステムのいずれも備えることができる。用途に応じて、シャフトは多様な可撓性の剛性を有することができ、多様な長さのものであることができる。
【0018】
本発明の別の態様では、ツールまたは器具が、リンクシステムおよび/または関節機構に取り付けられ、そこから延出することができ、あるいはそうでなければ、リンクシステムおよび/または関節機構は、そのような器具またはツールに組み込むことができる。外科用途の場合には、外科用または診断用ツールの例には、それには限定されないが、内視鏡、光源、カテーテル、ドップラー流量計、マイクロフォン、探査子、レトラクタ、ペースメーカーリード配置デバイス、解剖器具、ステープラ、鉗子、グラスパー、鋏またはカッター、切除または焼灼要素等が含まれる。その他の用途に関しては、それらに限定することなく、グラスパー、ドライバ、電動ツール、溶接機、磁石、光学レンズおよびビューア、電気ツール、聴覚/視覚ツール、レーザ、モニタ、光源等を含む多くのツールまたは器具が同様に企図される。ツールまたは器具のタイプ、取付けの方法および位置、および用途および使用には、それには限定されないが、そのそれぞれが全体として引用によって本明細書に組み込まれる、係属中である米国出願第10/444,769号、第10/948,911号および第10/928,479号に記載されるものが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】近位および遠位の関節リンクシステムを備える、本発明の1つの実施形態による外科用のステープラデバイスの斜視図である。
【図1B】図1Aの実施形態の第2の斜視図である。
【図1C】図1Aの実施形態の上面図である。
【図2A】図1Aに示された実施形態の遠位のリンクシステムと同様のリンクシステムの側面図である。
【図2B】線L-Lによって示された平面に沿った、図2Aのリンクシステムの断面図である。
【図2C】図2Aに示された図から軸X1およびX2の周りを90°だけ回転された図2Aに示されたリンクシステムの別の側面図である。
【図2D】線K-Kによって示された平面に沿った、図2Cのリンクシステムの断面図である。
【図2E】図2Aのリンクシステムの単一のリンクの斜視図である。
【図3A】図1Aに示された実施形態の遠位のリンクシステムと同様のリンクシステムの側面図である。
【図3B】図3Aに示された図から軸X5の周りを90°だけ回転された図3Aのリンクシステムの別の側面図である。
【図3C】線M-Mによって示された平面に沿った、図3Aに示されたデバイスの断面図である。
【図3D】線AB-ABによって示された平面に沿った、図3Cに示されたデバイスの断面図である。
【図4A】曲げ形態での図2Aのリンクシステムの側面図である。
【図4B】線Y-Yによって示された平面に沿った、図4Aに示されたデバイスの断面図である。
【図4C】線AD-ADによって示された平面に沿った、図4Bに示されたデバイスの断面図である。
【図4D】線AE-AEによって示された平面に沿った、図4Bに示されたデバイスの断面図である。
【図5A】図2Aのリンクシステムの単一のリンクの端面図である。
【図5B】線N-Nによって示された平面に沿った、図5Aに示されたリンクの断面図である。
【図5C】線O-Oによって示された平面に沿った、図5Aに示されたリンクの断面図である。
【図6A】八角形のトルクを与える突起を備える、本発明の別の実施形態による単一のリンクの端面図である。
【図6B】線R-Rによって示された平面に沿った、図6Aに示されたリンクの断面図である。
【図6C】線S-Sによって示された平面に沿った、図6Aに示されたリンクの断面図である。
【図7A】図2Aに示されたリンクシステムの単一のブッシングの斜視図である。
【図7B】図7Aに示されたブッシングの端面図である。
【図7C】線T-Tによって示された平面に沿った、図7Bに示されたブッシングの断面図である。
【図7D】線U-Uによって示された平面に沿った、図7Bに示されたブッシングの断面図である。
【図8A】本発明の実施形態による直線形態での六角ソケットの関節リンクシステムの側面図である。
【図8B】図8Aに示された図から軸X7およびX8の周りを90°だけ回転された図8Aの六角ソケットの関節リンクシステムの別の側面図である。
【図8C】線P-Pによって示された平面に沿った、図8Bに示された関節リンクシステムの断面図である。
【図8D】曲げ形態での図8Bの六角ソケットの関節リンクシステムの側面図である。
【図8E】線J-Jによって示された平面に沿った、図8Dに示された関節リンクシステムの断面図である。
【図8F】円Hによって示された平面に沿った、図8C関節リンクシステムの分解断面図である。
【図9A】図8Aの六角ソケットの関節リンクシステムの単一のリンクの斜視図である。
【図9B】図8Aの六角ソケットの関節リンクシステムの単一のリンクの斜視図である。
【図10A】本発明の別の実施形態による直線形態でのリンクシステムの側面図である。
【図10B】図10Aに示された図から軸X10の周りを90°だけ回転された図10Aのリンクシステムの別の側面図である。
【図10C】図10Aに示された図から軸X10の周りを180°だけ回転された図10Aのリンクシステムの別の側面図である。
【図10D】曲げ形態での図10Aのリンクシステムの側面図である。
【図10E】図10Dの曲げリンクシステムの別の側面図である。
【図10F】図10Dの曲げリンクシステムの別の側面図である。
【図11A】図10Aに示された隣接するリンクの連結されたタブの間のボールソケット継手の側面図である。
【図11B】図11Aに示されたボールソケット継手の断面図である。
【図12】リンク-ブッシング-リンクシステムのパラレログラミングを示す図である。
【図13A】本発明の別の実施形態によるリンクシステムの斜視図である。
【図13B】図13Aのリンクシステムの側面図である。
【図13C】図13Aのリンクシステムからの2つの組のタブの上面図である。
【図13D】図13Aのリンクシステムからの2つの組のタブの側面図である。
【図13E】図13Aのリンクシステムの使用されるブッシングの斜視図である。
【図14A】本発明の別の実施形態によるリンクシステムの斜視図である。
【図14B】図14Aに示されたリンクシステムの上面図である。
【図14C】線Q-Qによって示される平面に沿った、図14Bに示されたリンクシステムの断面図である。
【図15A】本発明の別の実施形態による直線形態でのリンクシステムの斜視図である。
【図15B】本発明の別の実施形態による直線形態での図15Aのリンクシステムの側面図である。
【図15C】曲げ形態での図15Aのリンクシステムの斜視図である。
【図15D】曲げ形態での図15Aのリンクシステムの斜視図である。
【図16A】本発明の別の実施形態によるリンクの斜視図である。
【図16B】図16Aのリンクの側面図である。
【図16C】図16Aのリンクの別の斜視図である。
【図17A】非曲げ形態での図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの斜視図である。
【図17B】非曲げ形態での図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの側面図である。
【図17C】非曲げ形態での図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの断面図である。
【図18A】曲げ形態での図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの斜視図である。
【図18B】曲げ形態での図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの側面図である。
【図18C】曲げ形態での図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの断面図である。
【図19A】別の曲げ形態で図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの斜視図である。
【図19B】別の曲げ形態で図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの側面図である。
【図19C】別の曲げ形態で図16Aのリンクから形成されたリンクアセンブリの断面図である。
【図20A】本発明の別の実施形態によるリンクの斜視図である。
【図20B】本発明の別の実施形態によるリンクの斜視図である。
【図21A】図20Aのリンクに係合するように構成されたブッシング斜視図である。
【図21B】図20Aのリンクに係合するように構成されたブッシング斜視図である。
【図22A】非曲げ形態での図20Aおよび21Aのリンクおよびブッシングから形成されたリンクアセンブリの斜視図である。
【図22B】非曲げ形態での図20Aおよび21Aのリンクおよびブッシングから形成されたリンクアセンブリの側面図である。
【図22C】非曲げ形態での図20Aおよび21Aのリンクおよびブッシングから形成されたリンクアセンブリの断面図である。
【図23A】曲げ形態での図22Aのリンクアセンブリの側面図である。
【図23B】曲げ形態での図22Aのリンクアセンブリの断面図である。
【図24A】他の曲げ形態での図22Aのリンクアセンブリの側面図である。
【図24B】他の曲げ形態での図22Aのリンクアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書にさらに詳述されるように、多種多様なデバイスを形成し、それに組み込まれ、またはそうでなければ構成する、関節リンクシステムおよび機構が提供される。リンクシステムは、個々のリンクの組合せから形成できる。本発明による関節機構は、概して少なくとも1つの対のリンクおよび少なくとも1つの個別の対のリンクを連結する少なくとも1つの組のケーブルを備える。あるいは、関節機構は、複数の対のリンク、および/または少なくとも1つの個別の対のリンクを連結する複数の組のケーブルを備えることができる。本明細書で使用される用語「リンク」は、機構またはシステムの別の個別の部分に対する動作が可能なリンクシステムまたは関節機構の個別の部分を指す。いくつかの実施形態では、リンクは、機構の反対側の端部のところの別の個別の部分または定義された領域に対応することができる。リンクは一般に、少なくとも1つの円筒形の部分を有する。リンクは全体的に、機構の各リンクの中心軸に沿って整列している。いくつかの実施形態では、リンクシステムは、複数のリンクを備える。いくつかのその他の実施形態では、少なくとも2つの隣接するリンクはブッシングによって分けることができる。
【0021】
リンクシステムは、様々な関節機構を形成し、またはそれに組み込むことができる。様々な実施形態では、本発明による関節機構は、概して、少なくとも1つの対のリンクおよび少なくとも1つの組のケーブルを備える。別の変形形態では、複数の対のリンクおよび/または複数の組のケーブルを備える関節機構が設けられる。別の実施形態では、関節機構は、個別の対の部材である複数のリンクまたはセグメントを備える。リンクは近位端および遠位端を形成し、各対の一方のリンクが近位端でリンクシステムに配置され、リンクの対の他方のリンクが遠位端でリンクシステムに配置される。
【0022】
そうした関節機構では、各ケーブルの組は、ある対の一方のリンクの動作が、その対の他方のリンクの対応する動作を生じるように、各ケーブルの組が関節機構の個別の対のリンクを互いに連結する。本明細書で、用語「アクティブリンク」または「アクティブリンクの対」は、ケーブルの組によって互いに直接的に連結されたリンクを指す。用語「スペーサリンク」または「スペーサリンクペア」は、ケーブルの組によって直接的に連結されないリンクを指す。それでもスペーサリンクは、アクティブリンク間に配置し、アクティブリンクを連結するケーブルの組の通路を提供することができる。アクティブリンクの対を操作する能力により、本明細書にさらに詳述されるように、機構が容易に複雑な3次元構成および幾何学的形状を形成することができる。それ以外には連結されていないリンクを通過するケーブルの組またはワイヤに依存する従来の関節デバイスの場合には、そのような複雑な幾何学的形状を得ることが困難であり、それは、そのようなデバイスが、通常、操縦ケーブルまたはワイヤが各リンクを通過し、最遠位のリンクで終端するように、設計されているからである。したがって、すべてのセグメントが、通常、湾曲または弧状の様式でワイヤまたはケーブルの組の動きに対して連係した応答で共に曲げられる。
【0023】
本発明のリンクシステムまたは関節機構は、例えば、外科用または診断用のツールを患者の身体の領域内の標的部位に向け、操縦するのに使用されるデバイスに組み込むことができる。デバイスは、その本来の直線の構成で、または患者の外側の位置からその近位端で様々な操作を受けた後に導入することができる。様々な実施形態では、リンクシステムは、関節機構の1つまたは複数の部分を形成する。機構の近位端の移動により、遠位端での動作が生じる。さらに、そこから生じる遠位端の方向的な動きは、遠位端に対する近位端の回転角度に応じて、反対にされ、鏡映され、またはその他のやり方で移動できる。また、遠位端の操縦および操作を制御するために、近位端は、使用するのに便利で容易なユーザインターフェースを設ける。このユーザインターフェースは、例えば、使用者が、機構の遠位端の形状および方向的な動きを容易に視覚化できるようにし、機構は、例えば外側に配置された近位端のユーザインターフェースの操作された形状に基づいて患者の内部に配置される。あるいは、遠位端リンクの制御または作動は、例えばノブアンドプーリシステム等の使用を介するリンク作動ケーブルを操作するより従来からの方法によって達成できる。
【0024】
複雑な構成を形成することに加えて、本発明は同時に、操作されたアクティブリンクを拘束することによって機構の剛性を増加させることができ、そのようなリンクが側方から加えられた力のための動作に耐えることができるようにする。所望の形状を得るためにリンクを操作し、対の一方のリンクをその所望の形状に固定するとき、対の他方のリンクが、その所望される荷重を受けていない形状を維持しながら荷重に耐えることができる場合、所与のリンクの対は完全に拘束されたとみなされる。何もしなければ3自由度で自由に動くリンクに関しては、リンクを完全に拘束するために最小でも3つのケーブルが必要である。これは、必ずしも従来の関節のデバイスに当てはまらない。スペーサリンクは、そのように拘束されず、作動された機構の剛性がより少ない部分を有することが望ましい場合に、そのような拘束されないリンクを含むことが多くの状況で有利である。
【0025】
用語「器具」および「ツール」は、本明細書では、互換可能に使用され、通常、特定の目的を達成するために使用者によって扱われるデバイスを指す。例示の目的でのみ、本発明のリンクシステムおよび関節機構は、身体の遠隔的にアクセスされる領域での外科用または診断用のツールおよび機器の遠隔の案内、操作、および/または作動のための使用の文脈で述べられる。上記に示したように、外科用または診断用の用途以外のリンクシステムおよび関節機構のその他の用途も企図される。一般に、任意のそのような用途は、器具またはツールを手によって人為的に誘導するのが容易でなく、またはそうでなければリスクまたは危険をもたらす可能性がある加工物内に誘導することが望ましいどのような状況も含む。これらには、限定なしに、機械の組立てまたは修理のために、ツール、探査子、センサなどを収斂する空間内に誘導し、または遠隔的にツールを正確に操作するためなどの工業的な用途が含まれる。デバイスは、直線状または曲げ構成で例えばねじを回転させるのに使用することもできる。これらには、ツールまたは器具を適用する目標とする場所がアクセスするのに困難な商業的または家事の状態も含むことができる。その他の状況には、例えば、危険な化学物質に曝された作業空間など、作業環境が使用者に危険な産業的な用途を含むことができる。別の状況には、例えば、使用者が危険なまたは敵対する場所にツールまたは器具を配備するなどの使用者がリスクにさらされる可能性のある取締りまたは軍事用途などを含むことができる。その他の使用には、複雑な幾何学的形状の単純な遠隔的な操作が望ましい用途が含まれる。これらには、例えば操り人形、人形、小立像等の遠隔操作の玩具またはゲームなどのレクリエーションまたは娯楽での用途が含まれる。
【0026】
図1A〜図1Cを参照すると、本発明による関節機構およびリンクシステムを組み込む本発明の実施形態が示される。図1Aに示されるように、外科用ステープラ100が、細長いシャフト112によって分離された近位リンクの組104および対応する遠位リンクの組106を有する関節機構102を備え、それらは両方とも離隔した関係に近位および遠位リンクの組を維持し、ステープラを前進させる作用シャフトも提供する。顎部108,109を備えるステープラツール107は、遠位リンクの組106の遠位端に取り付けられ、近位リンクの組104の近位端に取り付けられたステープラハンドル110に作動的に連結される。
【0027】
構成される外科用ステープラ100は、腹腔鏡の用途に適している。外科用ステープラ100は、例えば全体として引用によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,250,532号、第6,644,532号、第5,704,534号および第5,632,432号に開示されるステープラを含む、当分野で知られた任意の外科用ステープラと交換することができる。この実施形態はステープラを含むが、遠位端には、上に示したような内視鏡、光源、カテーテル、ドップラー流量計、マイクロフォン、探査子、ペースメーカーリード配置デバイス、レトラクタ、解剖器具、鉗子、グラスパー、針ドライバ、鋏またはカッター、あるいは切除または焼灼要素、ならびに非外科用途のその他のツールまたは器具を含む(それらに限定されない)多種多様な外科用ツールおよび器具を連係動作可能に取り付けることができることが容易に理解されよう。
【0028】
近位リンクの組104および遠位リンクの組106は、対応する対のリンクを備え、すなわち近位リンクの組104のそれぞれの個々のリンクは、一連の個別の対を形成するために遠位リンクの組106での個々のリンクと対になっている。遠位リンクの組106は、リンク112a,124aおよび126aを備え、近位リンクの組104は、リンク122b,124bおよび126bを備える。リンク122aおよび122b,124aおよび124b、ならびに126aおよび126bは、個別のリンクの対である。近位リンク(122b,124bおよび126b)は、近位リンクの組104の近位リンクの動作が、遠位リンクの組106の対応する相対運動を生じるように、複数の組のケーブル134,135によって遠位リンク(122a,124aおよび126a)に連結されている。特に、リンク122aおよび122bはケーブル134によって、またリンク124aおよび124bはケーブル135によって、シャフト112と一体のリンク126aおよび126bと連結されている。したがって、リンク122aおよび122b、ならびに124aおよび124bは能動的なリンクの対を形成する。あるいは、リンク122aおよび122bは、それぞれステープラツール107およびステープラハンドル110と一体である。
【0029】
ステープラハンドル110は、細長いシャフト112およびステープラツール107に対して曲げられる。リンクの組104は曲げられ、それによってステープラハンドル110と細長いシャフト112の間の曲げが生じる。リンクの組104の曲げにより、リンクの組106の対応する曲げが生じる。ステープラツール107は、リンク122aの中心軸が細長いシャフト112の中心軸と同一直線上になくても、上下左右に曲げ、またはリンク122aの中心軸に対して回転することができる。ステープラハンドルは、ステープラツール107を関節動作させるのに使用される。細長いシャフト112に対するステープラ107の動作は、同時に行うことができ、複数の自由度でステープラツール107の円滑な関節動作および動的な回転を可能にする。
【0030】
一般的に言うと、1つまたは複数の組のケーブルが、本発明の様々な実施形態による関節機構の能動的なリンクの組を連結するのに使用される。上記に示したように、関節動作機構の一方の端部のところの各能動的なリンクは、ケーブルの組を形成する2つ以上のケーブルによって他方の端部のところのその対応するリンクに連結される。一方の能動的なリンクの対の動作は、その対応するケーブルの組によって制御され、任意のその他の能動的なリンクの対と独立になっている。追加のリンクおよびケーブルの組は、追加のリンクの対を制御するように加えることができる。外科用のステープラ100は、ケーブル固定機構101を備えることができる。ケーブル固定機構101、およびその並べ替えは、例えば米国出願第10/928,479号により詳細に記載されている。
【0031】
本発明の様々な実施形態では、リンクの組またはリンクシステムは、リンク間で旋回動作を可能にしながら隣接するリンク間にトルク伝達をもたらすように設計される。作動力が、リンクの一方の側に沿って1つまたは複数のケーブルによって加えられる場合、隣接するリンクは互いに対して旋回する。1つまたは複数のリンクの旋回動作によって、リンクの組の曲げが生じる。リンク間のトルク伝達は、1つのリンクのその中心軸の周りの回転がトルクを次のリンクに伝達するように隣接するリンクを動作可能に連結することによって行われる。
【0032】
様々な実施形態によれば、隣接するリンクは、隣接するリンクまたはブッシングのソケットによって係合されたトルクを与える突起を有するように構成される。トルクを与える突起は全体的に、リンクの中心軸に垂直な突起の断面の周囲に非円形の外周部(本明細書では「緯度方向外周部」と言う)を有する。そのような突起は、「非円形の緯度方向外周部」を有すると言われる。非円形の緯度方向外周部は、1つの隣接するリンクがその中心軸の周りを回転し、トルクを与える突起からソケットにトルクを与え、さらには隣接するリンクにトルクを与えることができるようにする。トルクの伝達によって、リンク間で旋回動作ができるようにしながら、対応する第2の隣接するリンクのその中心軸の周りでの回転が生じる。
【0033】
トルクを与える突起は、リンクの中心軸と交差し、またはそれと整列する突起の断面の周囲に円形の外周部(本明細書では「長手方向外周部」と言う)を有することができる。そのような突起は、「円形の長手方向外周部」を有すると言われる。円形の長手方向外周部によって、1つの隣接するリンクがブッシングまたは隣接するリンクの係合されたソケットの内部で旋回できるようになる。旋回動作によって、リンク間のトルク伝達を可能にしながら、リンクシステムでの対応する曲げが生じる。より一般的には、トルクを与える突起は、湾曲した長手方向外周部を有することができる。用語「湾曲した長手方向外周部」は、円形の長手方向外周部ならびにその他の湾曲した長手方向表面を含む。
【0034】
さらに、様々な実施形態によれば、隣接するリンクは、トルクを与える突起と共に、隣接するリンクまたはブッシングのソケットによって同じく係合された、ボール部分を有するように構成される。ボール部分は、円形の緯度方向外周部および円形の長手方向外周部を有するよう構成できる。円形の長手方向外周部および円形の緯度方向外周部によって、リンクが隣接するブッシングまたはリンクのソケット内で自由に旋回することができるようになる。より一般的には、ボール部分は、湾曲した長手方向の外周部および/または湾曲した緯度方向の外周部を有することができる。用語「湾曲した緯度方向外周部」は、円形の緯度方向円周部ならびにその他の湾曲した緯度方向表面を含む。
【0035】
図2A〜図2Dは、そのようなリンクシステムの代表的な実施形態をより詳細に示す。隣接するリンク122および124は、ブッシング126によって分離されている。図2Aに対して、リンクシステムは、非曲げ形態になっており、その形態ではそれぞれリンク122、リンク124、およびブッシング126のそれぞれ中心軸X1,X2およびX3が重なり合う。リンク122は、トルクを与える突起128およびボール部分130を備える。同様にして、リンク124は、トルクを与える突起132およびボール部分134を備える。ブッシング126は、ソケット136でリンク122のトルクを与える突起128を係合し、ソケット138でリンク124のトルクを与える突起132を係合する。ボール部分130は、ブッシング126のボール形状のリセス166に係合し、ボール部分134は、ボール形状のリセス168に係合する。ボール部分130および134とそれぞれボール形状のリセス166および168との係合により、スラスト荷重をリンク122からリンク124に向けることができるようになり、その反対もできるようになる。
【0036】
リンク122,124は、さらにケーブルの組(図示されない)の通過または固定を可能にするケーブルチャネル140,142を備える。張力が1つまたは複数のケーブルに加えられる場合、リンク122,124のトルクを与える突起128,132がブッシング126のソケット136,138の内部で旋回し、ボール部分130,134がボール形状のリセス166,168の内部で旋回し、リンクシステム104を全体として曲げるように、ケーブルチャネル140,142は、リンク122,124の軸X1およびX2から偏っている。各リンク122,124は、それぞれ中央のチャネル144,146も備え、そのチャネルは、そのリンクの中心軸と整列する。組み合わせられた場合、これらのチャネルは、中央の内腔を形成し、ステープラ(図1、107)を制御し、および/または作動させるために、その内腔に作動ケーブル(図示されない)が通される。中央のチャネルは全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。これによって、リンクシステム200の端部のツール用の中央のチャネル144,146内の作動ケーブルの通路を侵害せずにリンクおよびブッシングが互いに対して旋回できるようになる。中央のチャネルを設けることが上記の理由で有利であるが、そのようなチャネルなしにリンクおよびブッシングを設けることもでき、本発明のリンクシステムまたは関節機構と関連付けられたツールまたは器具の制御もリンクシステムまたは関節機構の縁部に沿って作動ケーブルおよびその他の同様な要素を通すことで達成されることが理解されよう。
【0037】
図2A〜図2Dに示されたリンクの組のトルクを与え、旋回する能力が個々のリンクおよびブッシングを参照してより明確に示される。図2Eおよび図5A〜図5Cは、リンク-ブッシング-リンクの実施形態のリンク122を示す。図7A〜図7Dは、リンク-ブッシング-リンクの実施形態のブッシング126を示す。
【0038】
図2Eを参照すると、リンク122は、トルクを与える突起128に六角形の緯度方向外周部を与える6つの接線になって分布する面148を備えるトルクを与える突起128を有する。トルクを与える突起128は、長手方向外周部に沿って環状になっている。リンク122はさらに、ボール部分130を備える。ボール部分130は、その長手方向外周部および緯度方向外周部に沿って環状である。図5A〜図5Cを参照すると、六角形のトルクを与える突起128およびボール部分130がトルクを与える突起162およびボール部分164のところでリンク122の反対側の端部に鏡映される。トルクを与える突起162は、長手方向外周部に沿って環状になっている。ボール部分130と同様に、ボール部分164は円形の緯度方向外周部および円形の長手方向外周部を有する。トルクを与える突起128をボール部分130から分離することにより、別々の部分が異なる方向に別々の力の成分を伝達できるようになる。トルクを与える部分128はトルクを伝達するが、軸X1の方向に軸方向荷重を伝達することはできない。反対に、ボール部分130は軸X1の方向に軸方向荷重を伝達するが、軸X1の周りにトルクを伝達しない。トルクを与える突起128のトルクを与える能力は、ボール部分130の軸方向荷重を与える能力から切り離される。トルクを与える機能および軸方向荷重を与える機能は、リンク122の異なる部分に分離されるので、より高い精度でリンクはトルクを軸X1の周りに伝達し、軸方向荷重を軸X1に沿って伝達する。
【0039】
各トルクを与える突起およびボール部分は、ブッシングのソケットを係合するように構成される。本発明の1つのそのようなブッシングが、図7A〜図7Dにより明確に示されている。ブッシング126は、2つのソケット136,138を備え、それぞれが、ボール形状のリセス166、168にそれぞれ終端する。各ソケット136,138は、六角形構造を形成するために6つのリセスにされた面176を備える。各六角形のソケット136,138は、六角形のトルクを与える突起128および162に係合するように構成される。ボール形状のリセス166および168は、それぞれボール部分130および164を受けるように構成されている。
【0040】
図2Cおよび図2Dは、それぞれ90度だけ回転された図2Aおよび図2Bのリンクシステムを示す。図2Bを参照すると、図は、トルクを与える突起128,132からそれぞれボール部分130,134への急激な変化を示す。しかし、図2Dによって提供された斜視図では、トルクを与える突起128,132からそれぞれボール部分132,134の間の移行は円滑である。この斜視図から、リンク122は、突起128,132からそれぞれボール部分130,134への間の頂部がない。
【0041】
トルクを与える突起およびブッシングは、リンク間のトルク伝達をもたらす。トルクを与える突起128上の各面148(図5A)は、リンク122とブッシング126の間の相対回転動作を制限するようにソケット136の面176(図7A〜図7D)に当接する。リンク122が回転させられると、突起128の各面148がソケット136のその対応する面176に係合し、回転力、すなわちトルクをソケットに伝達する。図2A〜図2Dをさらに参照すると、このトルクは、リンク122のトルクを与える突起128を介してブッシング126の係合されたソケット136に伝わり、軸X3の周りのブッシング126の対応する回転を生じる。同様にして、リンク124のトルクを与える突起132の各面は、ブッシング126のソケット138の面に当接する。ブッシング126が軸X3の周りを回転すると、ソケット138の各面は、トルクを与える突起132のその対応する面に係合する。回転力(すなわちトルク)がブッシング126のソケット138からリンク124のトルクを与える突起132に伝達され、それによって対応するリンク124の回転運動が生じる。したがって、軸X1の周りでのリンク122の回転は、対応するブッシング126の軸X3の周りでの対応する回転を生じ、それによって軸X2の周りでのリンク126の回転を生じる。
【0042】
本実施形態のリンクシステムは、説明したようなトルク伝達をもたらすが、同時に、それはリンク122と124の間で自由に旋回動作ができるようにする。特に、リンク122および124は、リンクの組での曲げを生じるように互いに旋回できる。旋回動作は図4A〜図4Dを参照してより明確に示される。それぞれのトルクを与える突起128,132は、その長手方向の外周部に沿って環状になっている。同様にして、各ボール部分130,134は、その長手方向の外周部および緯度方向の外周部に沿って環状になっている。各ボール部分130,134の環状の長手方向外周部は、各ボール部分130,134がその対応するボール形状のリセス166,168の内部で移動できるようにする。各ボール部分130,134の環状の長手方向外周部は、隣接するリンク間に旋回点を形成する。図4Bに対して、旋回点P1およびP2が各リンク122,124の中心軸に沿って配置される。より具体的には、P1およびP2は、それぞれボール部分130および134の環状の長手方向外周部の中心に位置決めされる。トルクを与える突起128,132の環状の長手方向の外周部は、各リンク122,124がそれぞれ点P1およびP2の周りのブッシング126の内部で旋回できるようにする。すなわち、トルクを与える突起は、リンクがボール部分130および134の周りを自由に旋回できるように、旋回動作を受けた場合にブッシングと係合または干渉しない。ブッシング126に対する各リンク122,124の旋回動作により、リンクシステムの曲げが生じる。リンクシステムは、リンク間のトルク伝達をもたらしながら、リンク122と124の間で旋回動作ができるようにする。
【0043】
旋回リンクシステムは、リンクシステムが曲げ構成になっている場合、トルクを伝達する能力を保つ。図4Cおよび図4Dをさらに参照すると、リンク122および124がブッシング126のそれぞれのソケット136,138の内部で旋回され、それによってリンクシステムの曲げが生じる。この曲げ形態では、突起128は、六角形のソケット136によって係合されたままになる。軸X1の周りのリンク122の回転により、トルクがリンク122からブッシング126に伝達される。同様に、六角形のトルクを与える突起134は、六角形のソケット138によって係合されたままになる。軸X3の周りのブッシング126の回転により、トルクがブッシング126からリンク124に伝達され、リンク124は軸X2の周りを回転する。軸X1の周りのリンク122の回転により、軸X2の周りのリンク124の対応する回転が生じる。トルクは、リンク間の旋回動作を可能にしながら、曲げリンクシステムでのリンク間に伝達される。
【0044】
本実施形態では、旋回動作の角度は、図4Bにより明確に示されるトルクを与える突起によって制限される。上記に示されるように、トルクを与える突起128,132、およびボール部分130,134は、ブッシング126のソケット136,138によって係合された場合にブッシング126の中で点P1およびP2に対して旋回する。各トルクを与える突起は、各ソケット136,138のそれぞれのボール形状のリセス166,168のところまで旋回する。トルクを与える突起128の隣接する面の間の頂部170は、ソケット136のボール形状のリセス166内に延びるのを防止されている。同様に、トルクを与える突起132の面の間の頂部172は、ソケット138のボール形状のリセス168内に延びるのを防止されている。
【0045】
別の実施形態では、その他の特徴が、トルクを与える突起のボール形状の領域内に延びる能力を制限し、旋回動作を抑制できる。例えば、ブッシング126のブッシングリム180が、リンク122の円錐形の窪み182と接触するようになることができる。ブッシングリム180が円錐形の窪み182と接触する場合、リンク122は、旋回点P1の周りをさらに旋回することはできない。
【0046】
本明細書に説明されたリンクシステムのある種の実施形態は、リンク-ブッシング-リンク形態を含み、ブッシングのないリンクシステムのその他の実施形態もリンク間で旋回動作を可能にしながらトルクを伝達することもできる。図14A〜図14Cは、代表的なリンクシステムの別の実施形態を示す。リンクシステム700は、隣接するリンク722および724を備える。リンク724は、トルクを与える突起732およびボール部分734を備える。リンク722のソケット726は、リンク724のトルクを与える突起732を係合する。リンク722,724は、さらにケーブルの組(図示されない)の通過または固定を可能にするケーブルチャネル740,742を備える。張力が1つまたは複数のケーブルに加えられる場合、トルクを与える突起732およびリンク724のボール部分734が、リンク722のソケット726の内部で旋回することができ、リンク722,724を旋回点P6の周りで互いに対して旋回させ、リンクシステム700を全体として曲げるように、ケーブルチャネル740,742は、リンク722,724の軸X13およびX14から偏っている。リンクシステム700は、リンク722と724の間に配置されたブッシングを備えない。
【0047】
各リンク722,724は中央のチャネル744,746も有する。リンクシステム700が組み合わせられると、これらのチャネルは、中央の内腔を形成し、そこに作動ケーブル(図示されない)が通される。組み合わせられた場合、これらのチャネルは、中央の内腔を形成し、ステープラ(図1、107)を制御し、および/または作動させるために、その内腔に作動ケーブル(図示されない)が通される。中央のチャネルは全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。これによって、作動ケーブルの通路を侵害せずにリンクおよびブッシングが互いに対して旋回できるようになる。中央のチャネルを設けることが上記の理由で有利であるが、そのようなチャネルなしにリンクおよびブッシングを設けることもでき、本発明のリンクシステムまたは関節機構と関連付けられたツールまたは器具の制御もリンクシステムまたは関節機構の縁部に沿って作動ケーブルおよびその他の同様な要素を通すことで達成できることが理解されよう。
【0048】
トルクを与える突起およびブッシングは、リンク間のトルク伝達をもたらす。図14Cを参照すると、トルクを与える突起732の各面は、リンク722とリンク724の間の相対回転動作を制限するように、ソケット726の面に当接する。リンク722が軸X13の周りを回転されると、トルクを与える突起732が回転力、すなわちトルクをソケット726に伝達し、軸X14の周りでリンク724の対応する回転が生じる。
【0049】
本実施形態のリンクシステムは、説明したようなトルクの伝達をもたらすが、同時に、それはリンク722と724の間で自由に旋回動作ができるようにする。特に、リンク722および724は、リンクの組での曲げを生じるように互いに旋回できる。トルクを与える突起732は、その長手方向の外周部に沿って環状(円形)になっている。ボール部分734は、その長手方向外周部および緯度方向外周部に沿って環状(円形)になっている。ボール部分734の環状の長手方向外周部は、ボール部分734が対応するソケット726のボール形状のリセス766の内部で移動できるようにする。トルクを与える突起732の環状の長手方向外周部は、隣接するリンク722と724の間に旋回点P6を形成する。リンク722,724の互いに対する旋回動作により、リンクシステム700での曲げが生じる。リンクシステム700は、リンク間のトルク伝達をもたらしながら、リンク722と724の間で旋回動作ができるようにする。
【0050】
リンク間で旋回動作を可能にしながらトルク伝達をもたらす能力は、その他のリンク-ブッシング-リンク形態で達成することができる。別のリンクシステムが図3A〜図3Dに示される。
【0051】
隣接するリンク222および224は、ブッシング226によって分離されている。リンク222は、トルクを与える突起228およびボール部分230を備える。同様にして、リンク224は、トルクを与える突起232およびボール部分234を備える。ブッシング226は、ソケット236でリンク222のトルクを与える突起228を係合し、ソケット238でリンク224のトルクを与える突起232を係合する。ボール部分230および234は、対応するボール形状のリセス266,268内に置かれる。リンク222,224は、さらにケーブルの組(図示されない)の通過または固定を可能にするケーブルチャネル240,242を備える。張力が1つまたは複数のケーブルに加えられる場合、リンク222,224のトルクを与える突起228,232およびボール部分230,234がブッシング226のソケット236,238の内部で旋回することができ、リンク222,224を互いに対して旋回させ、リンクシステムを全体として曲げるように、ケーブルチャネル240,242は、リンク222,224の軸X4およびX5から偏っている。
【0052】
各リンク222,224は、それぞれ中央のチャネル244,246も備え、そのチャネルは、リンクの中心軸と整列する。組み合わせられた場合、これらのチャネルは、中央の内腔を形成し、ステープラ(図1、107)を制御し、および/または作動させるために、その内腔に作動ケーブル(図示されない)が通される。中央のチャネルは全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。これによって、作動ケーブルの通路を侵害せずにリンクおよびブッシングが互いに対して旋回できるようになる。中央のチャネルを設けることが上記の理由で有利であるが、そのようなチャネルなしにリンクおよびブッシングを設けることもでき、本発明のリンクシステムまたは関節機構と関連付けられたツールまたは器具の制御もリンクシステムまたは関節機構の縁部に沿って作動ケーブルおよびその他の同様な要素を通すことで達成できることが理解されよう。
【0053】
トルクを与える突起およびブッシングは、リンク間のトルク伝達をもたらす。図6Bおよび図6Cを参照すると、リンク222が、トルクを与える突起228およびボール部分230、ならびにトルクを与える突起262およびボール部分264を有する。図6Aを参照すると、トルクを与える突起228が8つの径方向に分布する面を備え、トルクを与える突起228に八角形の緯度方向の外周部を与える。
【0054】
図3A〜図3Eをさらに参照すると、トルクは、リンク222のトルクを与える突起228を介してブッシング226の係合されたソケット236に伝わり、軸X6の周りのブッシング226の対応する回転を生じる。同様にして、リンク224のトルクを与える突起232の各面は、ブッシング226のソケット238の面に当接する。ブッシング226が軸X6の周りを回転すると、ソケット238の各面は、トルクを与える突起232のその対応する面に係合する。回転力(すなわちトルク)がブッシング226のソケット238からリンク224のトルクを与える突起232に伝達され、それによってリンク224の対応する回転運動が生じる。したがって、軸X4の周りでのリンク222の回転は、ブッシング226の軸X6の周りでの対応する回転を生じ、それによって軸X5の周りでのリンク226の回転が生じる。
【0055】
本実施形態のリンクシステムは、説明したようなトルク伝達を提供するが、同時に、それはリンク222と224の間の旋回動作も自由にできるようにする。特に、リンク222および224は、リンクの組での曲げを生じるように互いに対して旋回できる。それぞれのトルクを与える突起228,232は、その長手方向の外周部に沿って環状になっている。同様にして、各ボール部分230,234は、その長手方向の外周部および緯度方向の外周部に沿って環状である。各ボール部分230,234の環状の長手方向の外周部は、各ボール部分230,234がその対応するボール形状のリセス266,268の内部で移動できるようにする。ボール部分230および234は、それぞれ隣接するリンク間に旋回点を形成する。図3Cに対して、旋回点P3およびP4が各リンク222,224の中心軸に沿って位置決めされる。ボール部分230および234の環状の長手方向の外周部は、リンク222および224が旋回点P3およびP4の周りをブッシング226の内部で旋回できるようにする。ブッシング226に対する各リンク222,224の旋回動作により、リンクシステムの曲げが生じる。リンクシステムは、リンク間のトルク伝達をもたらしながら、リンク222と224の間で旋回動作ができるようにする。
【0056】
リンクシステムの別の実施形態が図8A〜図8Fに示される。図8Aを参照すると、リンクシステム300は、隣接するリンク302および304を備える。リンクが直線の非曲げ形態になっている場合、リンク302の軸X7およびリンク304の軸X5は整列する。図8Cおよび8Eを参照すると、リンク302は、トルクを与える突起310を備える。リンク304は、ソケット312を備える。リンク302のトルクを与える突起310は、ソケット312によって係合される。リンク302,304は、さらにケーブルの組(図示されない)の通過または固定を可能にする複数のケーブルチャネル314を備える。張力が1つまたは複数のケーブルに加えられると、トルクを与える突起310がリンク304のソケット312の内部で点P5の周りを旋回し、リンク302をリンク304に対して旋回させ、リンクの組を全体として曲げることができるようにする。各リンク302,304は中央のチャネル316,318も備え、そのチャネルは、それぞれリンクシステム300の軸X7およびX8と整列する。
【0057】
図8A〜図8Fに示されるリンクの組のトルクを与え、旋回する能力が、図9A〜図9Bを参照してより明確に示される。図9Aを参照すると、トルクを与える突起310の緯方向の外周部が六角形であり、湾曲した長手方向の外周部を有するように、トルクを与える突起310が6つの径方向に分布する面320を有する。図9Bを参照すると、リンク304がソケット312を備える。ソケット312は、6つの径方向に分布する面324および6つの径方向に分布する面325を備え、その両方が図9Aのリンク302のトルクを与える突起310を係合するように構成される。面324の緯度方向の外周部は六角形であり、長手方向の断面は平坦である。面325の緯度方向の外周部は六角形であり、長手方向の断面は凸様に湾曲している。
【0058】
リンク302がリンク304に係合すると、リンク302の回転がリンク304にトルクを伝達する。図8A〜図8Fをさらに参照すると、六角形のトルクを与える突起310がリンク304の六角形のソケット312によって係合される。トルクを与える突起310の各面320は、ソケット312の面324に当接し、面320と面324の間の線接触を形成する。リンク302が軸X7の周りを回転すると、トルクを与える突起310の各面320と、六角形のソケット312の対応する面324との間の接触によって、リンク302からリンク304へトルクが伝達する。トルクが伝達されることにより、軸X8の周りでリンク304の対応する回転が生じる。リンク302の回転により、リンク304の対応する回転が生じる。
【0059】
リンクシステム300は、リンク302と304の間で旋回動作もできるようにする。図8Dおよび図8Eに示されるように、リンク302をリンク304に対して旋回させることにより、リンクシステム300の曲げが生じる。トルクを与える突起310は、その長手方向の外周部に沿って環状になっている。この環状の長手方向の外周部は、リンク304のソケット312の内部で、トルクを与える突起310が点P5の周りを旋回できるようにする。リンク302および304の互いに対する旋回動作は、システム300を曲げることができるようにする。リンクシステム300は、リンク間にトルク伝達をもたらしながら、リンク間で旋回動作ができるようにする。
【0060】
旋回リンクシステムは、リンクシステムが曲げ構成になっている場合、トルクを伝達する能力を保つ。さらに図8Eを参照すると、突起310は、リンク304のソケット312内で旋回する。さらに、ソケット312の六角形の緯度方向の外周部は、曲げ形態になっていても突起310の六角形の緯度方向の外周部に係合し続ける。軸X7の周りのリンク302の回転により、トルクが曲げ形態でリンク302からリンク304に伝達され、それによって軸X8の周りのリンク304の対応する回転を生じる。
【0061】
リンクの特定の実施形態が六角形または八角形のトルクを与える突起を有するものとして説明してきたが、トルクを与える突起が、非円形の緯度方向外周部を有することを条件として、任意の構成を有することができることを理解されたい。例として、かつ限定されずに、そのような非円形の緯度方向外周部が三角形、正方形、四角形、五角形、または七角形のトルクを与える突起を形成する任意の数の辺を有することができる。トルクを与える突起の非円形の緯度方向外周部は、例えば楕円またはその一部分などの1つまたは複数の非円形の湾曲した部分も備えることができる。さらに、リンクの特定の実施形態がボール部分を有するように説明されてきたが、リンクはボール部分なしに設計され、なおリンク間で旋回動作を可能にしながらトルク伝達をもたらす能力を維持できることが理解されよう。
【0062】
同様にして、ブッシングの特定の実施形態が、対応するリンクの六角形または八角形のトルクを与える突起に係合する六角形または八角形のソケットを有するものとして説明してきたが、ブッシングのソケットが、ブッシング内でリンクの旋回動作ができるようにしながら、トルクを伝達するために、対応するトルクを与える突起に係合することを条件として、任意の構成で構成できることが理解されよう。例として、かつ限定されずに、そのようなブッシングが例えば、三角形、正方形、四角形、五角形、または七角形のトルクを与える突起を形成する任意の数の面を有することができる。ソケットは、例えば楕円またはその一部分などのトルクを与える突起の非円形の外周部を受けるように構成できる。さらに、ソケットの特定の実施形態がボール形状のリセスを有するように説明してきたが、リンクはボール形状のリセスなしに設計され、なおリンク間で旋回動作を可能にしながらトルク伝達をもたらす能力を維持できることが理解されよう。例えば、突起のボール部分は、ソケットの底部の穴に当接することができ、旋回リンクシステムがトルクおよび軸方向のスラスト荷重を伝達できるようにしながら、2つの部分の間の接触が線接触になる。
【0063】
様々な実施形態が開示されてきたが、異なる実施形態の態様が任意の組合せに置き換え、または結び付けることができることが理解されよう。例えば、ブッシングを間に入れた2つのリンクを有する実施形態では、トルクを与える突起がリンクまたはブッシングに配置できる。その他の変形形態では、トルクを与える突起およびボール部分がブッシングの一方の端部に配置され、ソケットがブッシングの他方の端部に配置される。変形形態は、例えば係属中である米国出願第10/444,769号および第10/928,479号などに開示される任意の変形形態を含むことができ、そのそれぞれは全体が引用によって本明細書に組み込まれる。
【0064】
本明細書の実施形態は、トルクを与える突起および環状の長手方向の外周部を有するボール部分を説明するが、トルクを与える突起およびボール部分は、より全体的には、湾曲した長手方向の外周部を有することができることが理解されよう。そのような実施形態は、リンク間で旋回動作を可能にしながらトルク伝達をもたらす能力を維持する。
【0065】
本発明のその他の実施形態では、隣接するリンクがそのそれぞれの軸から径方向に周囲に配置された複数のタブによって連結されるように構成される。タブは、1つのリンクがその対応する軸の周りを回転できるようにし、トルクを隣接するリンクのタブに与える。タブは同様に、1つのリンクが第2のリンクに対して旋回できるようにする。
【0066】
そのようなリンクシステムは「パラレログラミング」として知られる現象も防止する。リンク-ブッシング-リンクシステムなどの2つの旋回するシステムでは、「パラレログラミング」は、側方の張力または力が第1のリンクに加えられた場合に1つのリンクが他方のリンクに対して側方に移動することを指す。図12は、リンク-ブッシング-リンクシステム500のパラレログラミングを示す。リンクシステム500は、ブッシング506によって分離されたリンク502および504を備える。側方の荷重508がリンク502に加えられると、リンク502は、リンク504に対して旋回する代わりに、力の方向に側方に平行移動できる。
【0067】
2つのリンク間の2つの旋回点を有するリンクシステムは、それぞれが1または2自由度で旋回し、パラレログラミングを防止するように拘束できる。パラレログラミングを防止しながらトルクを伝達するように設計されたリンクシステム1つの例示の実施形態が、図10A〜図10Fに示される。リンクシステム400は、ブッシング406によって分離された、隣接するリンク402および404を備える。図10Aを参照すると、直線形態でリンク402の中心軸X9がリンク404の中心軸X10と整列している。隣接するリンク402の凸状の突起401がブッシング406の凹状の窪み405によって係合される。同様に、隣接するリンク404の凸状の突起403がブッシング406の凹状の窪みによって係合される。凸状の突起401は、凹状の窪み405の内部で旋回することができ、および/または突起403は、凹状の窪み407の内部で旋回することができる。
【0068】
張力が1つまたは複数のケーブルに加えられる場合、凸状の突起401,403がそれらの対応する凹状の窪み405,407の内部で回転することができ、各リンクを旋回させ、図10D〜図10Fにより明確に示されるようにリンクの組を全体として曲げるように、ケーブルチャネル424,426がそれぞれリンク402,404の軸X9およびX10から偏っている。リンク402は、リンクと一体に形成された第1の組の3つの三角形タブ412を備える。リンク404は,リンクと一体に形成された第2の組の3つの三角形タブ414を備える。タブ412および414の各組は、それぞれ中心軸X9およびX10から径方向に配置されている。タブは、1自由度の継手によってリンクに連結されている。第1の組のタブ412の各タブ(412a,412bおよび412c)は、ボールソケット継手(413a,413bおよび413c)によって第2の組のタブ414の対応するタブ(414a,414bおよび414c)に連係動作可能に連結されている。タブは、リンクと一体に形成される必要はないが、その他の知られた方法によってリンクに連結できることが理解されよう。また、非径方向に配置されたタブも使用できるので、タブは中心軸から径方向に配置されることが好ましいが必ずしもその必要はない。
【0069】
図11Aおよび図11Bは、ボールソケット継手413Aを示す。タブ414aは、ソケット422で終端する。タブ412aは、ボール420で終端する。ボール420は、ソケット422の内部で回転するように構成される。当業者には明らかになるように、任意の数のその他の取付け機構がボールソケット継手413aの代替として使用できる。唯一の要件は、継手が2自由度の継手であることである。
【0070】
図10Aをさらに参照すると、リンクシステム400がパラレログラミングを防止するように設計されている。側方の荷重440がリンク402に加えられると、側方の荷重は、各リンク402,404とそれぞれ対応するタブ(412a,412bおよび412c)と(414a,414bおよび414c)の間の1自由度継手によって、各タブ(412a,412bおよび412c)と対応するタブ(414a,414bおよび414c)の間の2自由度のボールソケット継手(413a,413bおよび413c)に伝達される。少なくとも1つの1自由度の継手が側方の負荷に対して垂直でない。このようにして、第1の組のタブ412は、第2の組のタブに動作可能に連結され、リンク404に対して側方へのリンク402の平行移動を防止する。さらに、リンク402が軸X9の周りで回転された場合、回転によって発生したトルクは、第1の組のタブ412の各タブ(412a,412bおよび412c)によって第2の組のタブ414のその対応するタブ(414a,414bおよび414c)に伝達される。トルクはリンク402からリンク404に伝達される。
【0071】
各リンク402,404は、それぞれ、そのそれぞれのリンク402,404の軸と整列した中央のチャネル430,432も備える。中央のチャネル430,432は中央の内腔を形成し、そこに1つまたは複数の作動ケーブルを通すことができる。ケーブルは、ステープラ(図1、107)を制御し、および/または作動させるために使用できる。中央のチャネルは全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。あるいは、中央のチャネルは設けられない。リンクシステムと共に使用される任意の所望のツールまたは器具に関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素は、リンクシステムの軸から離れて設けることができる。
【0072】
タブが本明細書に開示された任意のリンクシステムに配置できる。さらに、タブは、米国出願第10/444,769号、第10/948,911号および第10/928,479号に開示された任意のリンクシステムに配置できる。リンクシステムの特定の実施形態がいくつかのタブを有するように説明してきたが、リンクシステムは、複数のタブを必要とすることが理解されよう。通常、リンク間の旋回点に少なくとも自由度と同数のタブがあり、すなわち1自由度の旋回に対して少なくとも1つのタブが使用され、2自由度に対して少なくとも2つのタブが使用される。例として、かつ限定されることなく、リンクシステムは、2、3、4、5、6またはそれより多くのタブを備えることができる。特定の実施形態が三角形のタブを有するものとして述べてきたが、タブは任意の形状であることができる。例として、かつ限定されずに、タブは三角形、四角形、五角形、六角形、湾曲、または部分的な湾曲したものであることができる。リンクシステムのその他の実施形態は、ブッシングを必要としないことも理解されよう。タブは、ボールソケット継手、ヒンジ継手、接着剤、またはワイヤを含む当分野で知られた任意の様式で連結できる。あるいは、タブは可撓性のヒンジに配置できる。例示の可撓性ヒンジが、例えば米国出願第10/928,479号に記載されている。
【0073】
同様にトルクを伝達し、パラレログラミングを防止する、別のリンクシステムの実施形態が図13Aおよび図13Bに示される。リンクシステム600は、ブッシング606によって分離された、隣接するリンク602および604を備える。リンクシステム600が直線形態になっている場合、リンク602の中心軸X11およびリンク604の中心軸X12が重なり合う。リンク602は、リンク604に対して旋回することができ、リンクシステム600の曲げを生じる。張力が1つまたは複数のケーブルに加えられると、リンク602がリンク604に対して旋回し、リンクの組を全体として曲げるように、ケーブルチャネル624,626がリンクシステム600の軸X11およびX12から偏っている。ブッシング606がリンク602および604の間に配置されている。リンク602は、4つの窪み(609a,609b,609c,609d)および4つのボール部分(616a,616b,616c,616d)を有する。リンク602は、第1の組のタブ612によって係合されている。第1の組のタブ612は、4つの径方向に配分されたタブ(613a,613b,613c,613d)を備える。各タブは、リンク602の2つの径方向に配分されたボール部分(616a,616b,616c,616d)の間の1つの径方向に窪んだ窪み(609a,609b,609c,609d)を係合する。同様に、リンク604は、4つの径方向に配分された窪み(611a,611b,611c,611d)および4つの窪んだボール部分(618a,618b,618c,618d)を有することができる。リンク604は、第2の組のタブ614によって係合される。第2の組のタブ614は、4つの径方向に配分されたタブ(615a,615b,615c,615d)を備える。各タブは、リンク604の2つおよび4つの配分されたボール部分(616a,616b,616c,616d)の間の1つの径方向に配分された窪み(61la,611b,611c,611d)と係合する。
【0074】
第1および第2の組のタブ612,614が、図13Cおよび図13Dにより明白に示される。図13Cに対して、第1の組のタブ612が、4つの径方向に配分されたタブ(613a,613b,613c,613d)を備える。第1の組の各個々のタブは1自由度の継手、すなわち可撓性のヒンジ(620a,620b,620c,620d)によってベース621に連結されている。ベース621は、作動ケーブル等を通過できるようにする中央のチャネルを有する。同様にして、第2の組のタブ614は、4つの径方向に配分されたタブ(615a,615b,615c,615d)を備える。各個々のタブは1自由度の継手、すなわち可撓性のヒンジ(624a,624b,624c,624d)を介してベース623に連結されている。第1の組の可撓性のヒンジのように、第2の組のタブ614の各個々のタブの可撓性のヒンジによって、タブが組の他方のタブに対して曲がることができるようになる。第1の組のタブ612の各タブ(613a,613b,613c,613d)は、2自由度を与えるために、対応する2つの可撓性のヒンジ(622a,622b,622c,622d)によって第2の組のタブ614の対応するタブ(615a,615b,615c,615d)に動作可能に連結されている。任意の2自由度の継手が使用できる。各個別のタブの可撓性のヒンジによって、タブが組の他方のタブに対して曲がることができるようになる。
【0075】
ブッシング606が第1の組のタブ612および第2の組のタブ614を収容するためにクリアランスチャネル(607a,607b,607c,607d)を備える。特に、クリアランスチャネル(607a,607b,607c,607d)は、タブ(613a,613b,613c,613d)および(615a,615b,615c,615d)のそれぞれを収容する。クリアランスチャネル(607a,607b,607c,607d)は、リンク602および604が互いに対して曲がるとき、タブ(613a,613b,613c,613d)およびタブ(615a,615b,615c,615d)に対する間隙をもたらす。
【0076】
図13Eはブッシング606の斜視図を示す。上で論じたように、クリアランスチャネル(607a,607b,607c,607d)は、第1の組のタブ612および第2の組のタブ614を収容するように設計される。ブッシング606はソケット617も備える。ソケット617は、ボール部分(616a,616b,616c,616d)を受け入れるように構成される。
【0077】
第1のリンクの組612および第2のリンクの組614の可撓性のヒンジの屈曲により、リンク602がリンク604に対して旋回できるようになり、リンクシステム600が曲がることができるようにする。図13Aおよび図13Bをさらに参照すると、作動力がケーブルチャネル624,626の1つまたは複数のケーブルに加えられると、軸方向の力がリンク602の一方の側に対して軸の方向にもたらされる。リンク602がボールソケット継手(図示されない)の周りを旋回し始めると、第1および/または第2の組のタブ612,614の1つまたは複数の可撓性のヒンジ620,622または624が屈曲する。リンク602はリンク604に対して旋回し、リンクシステム600を曲げる。
【0078】
リンクシステム600のリンク602,604は、パラレログラムの状態にならないように防止されている。図13Bを参照すると、側方の荷重640がリンク602に加えられると、負荷が第1の組のタブ612に伝達される。第2の組のタブ614に連結された第1の組のタブ612は、リンク604に対して側方にリンク602が平行移動するのを防止する。
【0079】
各リンク602,604は、1つの中央のチャネル630,632も備え、そのチャネルは、各リンクの中心軸と整列する。これらのチャネルは中央の内腔を形成し、そこに作動ケーブルを通すことができる。中央のチャネルは全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。これによって、リンクおよびブッシングが作動ケーブルの通路を侵害せずにリンクおよびブッシングが互いに対して旋回できるようになる。中央のチャネルを設けることが上記の理由で有利であるが、そのようなチャネルなしにリンクおよびブッシングを設けることもでき、本発明のリンクシステムまたは関節機構と関連付けられたツールまたは器具の制御もリンクシステムまたは関節機構の縁部に沿って作動ケーブルおよびその他の同様な要素を通すことで達成できることが理解されよう。
【0080】
上記に説明したリンクシステムの特定の実施形態は、4つのタブによって係合された4つの窪みを有する突起を備える隣接するリンクを備えるが、突起は、複数の窪みおよび複数のタブを有することができることが理解されよう。通常、リンク間の旋回点に少なくとも自由度と同数のタブがあり、すなわち1自由度の旋回に対して少なくとも1つのタブが使用され、2自由度に対して少なくとも2つのタブが使用される。例として、また限定でなく、各突起は、2、3、4、5、6、7、8またはそれより多くの窪みを有することができ、各組のタブは、2、3、4、5、6、7、8またはそれより多くの個別のタブを有することができる。例えば、1自由度のヒンジを備える2つのタブを有することができる。さらに、上述のリンクシステムの特定の実施形態は2つの組のタブを備えるが、リンクシステムは、リンクシステムの隣接するリンク間の1つの組のタブを備えることができる。リンクシステムの別の実施形態のタブは、可撓性のヒンジを有する必要がない。リンクシステムは、ブッシングを備えまたは備えずに構成することができる。リンクシステムは、例えば米国出願第10/444,769号、第10/948,911号および第10/928,479号に記載された、任意の組合せでボールソケット継手または可撓性の継手を備えるリンクシステムまたはリンクシステムの一部分であることができる。
【0081】
パラレログラミングを防止しながらトルクを伝達するように設計されたリンクシステム別の例示の実施形態が、図15A〜図15Dに示される。リンクシステム800は、ブッシング806によって分離された、隣接するリンク802および804を備える。図15Aを参照すると、直線形態でリンク802の中心軸X13がリンク804の中心軸X14と整列する。リンク804の凸状の突起803がブッシング806の凹状の窪み807によって係合される。凸状の突起803は、凹状の窪み807の内部で旋回することができる。同様の凸状の突起および凹状の窪みの配置が、リンク802およびブッシング806の間にある。
【0082】
張力が1つまたは複数のケーブルに加えられる場合、各リンクの凸状の突起がブッシング806のそれらの対応する凹状の窪みの内部で回転することができ、各リンク802,804を旋回させ、図15Cおよび図15Dにより明確に示されるようにリンクの組を曲げるように、ケーブルチャネル824,826がそれぞれリンク802,804の軸X13およびX14から偏っている。隣接するリンク802は,リンクと一体に形成された第1の組の3つの三角形タブ(812a,812b,812c)を備える。各三角形のタブ(812a,812b,812c)は、1自由度の継手によってリンク802に連結され、ボール(813a,813b,813c)で終端する。リンク804は、リンク804の中心軸X14から径方向に離れて延びる3つの溝(814a,814b,814c)を備える。各タブ(812a,812b,812c)のそれぞれの各ボール(813a,813b,813c)は、単一の溝(814a,814b,814c)の中に嵌合する。また、タブは、リンクと一体に形成される必要はないが、その他の知られた方法によってリンクに連結できることが理解されよう。また、溝は、それが1自由度の継手の向きに垂直である限り、非径方向に延びることができる。
【0083】
各タブ(812a,812b,812c)のそれぞれの各ボール(813a,813b,813c)は、リンク802がリンク804に対して旋回する場合、それぞれの溝(814a,814b,814c)の中で摺動するように構成される。図15Cを参照すると、リンク802がリンク804に対して曲げられる。ボール813bおよび813cは、それぞれ溝814bおよび814cの内部で径方向にリンク804の中心軸X14から離れて摺動する。リンク802は、804に対して曲がる。ボール813aは、リンク804の中心軸X14に向かって溝814aの内部で径方向に摺動し、同時に側方に旋回する。同様に、図15Dを参照すると、リンク802がリンク804に対して曲げられる。ボール813aおよび813cは、それぞれ溝814aおよび814cの内部で径方向にリンク804の中心軸X14から離れて摺動する。ボール813bは、リンク804の中心軸X14に向かって溝814bの内部で径方向に摺動する。
【0084】
リンクシステム800は、パラレログラミングを防止するように設計されている。側方の荷重がリンク802に加えられると、溝814に動作可能に連結されたタブ812は、リンク804に対して側方リンク802が平行移動するのを防止する。さらに、リンク802が軸X13の周りを回転された場合、回転によって発生したトルクは、各タブ(812a,812bおよび812c)によってその対応する溝(814a,814bおよび814c)に伝達される。トルクはリンク802からリンク804に伝達される。
【0085】
各リンク802,804は、各リンクの軸と整列する中央のチャネルも備える。中央のチャネルは中央の内腔を形成し、そこに1つまたは複数の作動ケーブルを通すことができる。ケーブルは、図1、107に示されたステープラのようなステープラを制御し、および/または作動させるために使用できる。中央のチャネルは全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節式機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。あるいは、中央のチャネルは含められない。リンクシステムと共に使用される任意の所望のツールまたは器具に関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素をリンクシステムの軸から離れて設けることができる。
【0086】
タブが本明細書に開示された任意のリンクシステムに配置できる。さらにタブは、米国出願第10/444,769号、第10/948,911号および第10/928,479号に開示された任意のリンクシステムに配置できる。リンクシステムの特定の実施形態がいくつかのタブを有するように説明してきたが、リンクシステムは、複数のタブを必要とすることが理解されよう。一般に、少なくともリンク間の旋回点での自由度と同数のタブがあり、すなわち1自由度の旋回に対して少なくとも1つのタブが使用され、2自由度に対して少なくとも2つのタブが使用される。例示として、かつ限定されずに、リンクシステムは、2、3、4、5、6またはそれより多くのタブを備えることができる。特定の実施形態が三角形のタブを有するものとして述べてきたが、タブは任意の形状であることができる。例として、かつ限定されずに、タブは三角形、四角形、五角形、六角形、湾曲、または部分的な湾曲したものであることができる。リンクシステムのその他の実施形態は、ブッシングを必要としないことも理解されよう。タブは、ボールソケット継手、ヒンジ継手、接着剤、またはワイヤを含む当分野で知られた任意の様式で連結できる。あるいは、タブは可撓性のヒンジに配置できる。例示の可撓性ヒンジが、例えば米国出願第10/928,479号に記載されている。
【0087】
リンクの組またはリンクシステムのその他の実施形態は、また、リンクシステム構成要素の係合ピンおよび対応する受けスロットを有するリンクおよびリンクシステムを備えるリンク間の旋回動作を可能にしながら、隣接するリンク間にトルク伝達をもたらす。
【0088】
図16〜図18は、そのようなリンクシステムの代表的な実施形態をより詳細に示す。図16A〜図16Cに注目すると、リンク1000がリンクの中心軸の両端部にボール部分1002およびソケット1004を備える。ボール部分1002は、ボール部分の両側の中心軸に垂直に延出するピン1006および1007を備える。ソケット1004は、リンクの中心軸に平行な方向に通るスロット1008および1009を備える。ボール部分1002は、隣接して配置されたリンクの対応するソケット1004に係合するように構成される。同様に、ソケット1004は、図17〜図19にさらに示されるように、隣接して配置されたリンクの対応するボール部分1002を受けるように構成されている。
【0089】
リンク1000は、リンクの中心軸と整列する中央のチャネル1010も備え、そのチャネル1010が中央の内腔を形成し、ツールを制御し、および/または作動させるために、作動ケーブル(図示されない)がその内腔に通される。中央の内腔は全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた、追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。リンク1000は、さらにケーブルセット(図示されない)の通過または固定を可能にするケーブルチャネル1012および1014を備える。張力が1つまたは複数のケーブルに加えられると、ボール部分1002が隣接して配置されたリンク(またはブッシング)の対応するソケットの内部で旋回できるように、ケーブルチャネル1012,1014がリンク1000の中心軸と平行に、およびそこから偏って通っている。同様に、別の配置されたリンク(またはブッシング)からのボール部分がソケット1004の内部で旋回できる。
【0090】
図17および図18は、リンクシステム1001を形成するために互いに係合された2つのリンク1000を示す。図17A〜図17Cは、リンク1000の中心軸が整列した非曲げ形態のシステムを示す。リンクのボール部分1002は、隣接するリンクのソケット1004に係合する。ボールおよびソケットの係合によって、スラストまたは軸方向荷重がリンク間で伝達できるようになる。さらに示されるように、ピン1006および1007は、ボール部分1002の両側から延出し、隣接するリンクのそれぞれスロット1008および1009に係合する。したがって、リンク1000が中心軸の周りを回転されると、回転力は、係合されたピンおよびスロットを介して隣接するリンクに伝達され、図17A〜図17Cに示されるような非曲げ形態、および図18A〜図18Cおよび図19A〜図19Cに示されるような曲げ形態の両方でリンク間のトルク伝達をもたらす。
【0091】
上で強調したように、リンク1000は、中央のチャネル1010を備える。ともに組み合わされた場合、これらの中央のチャネル1010は中央の内腔を形成し、ツールを制御し、および/または作動させるために、その内腔に作動ケーブル(図示されない)が通される。中央の内腔は全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた、追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。これによって、リンクが中央のチャネル1010の作動ケーブルの通路を侵食せずにリンクが互いに対して旋回できるようになる。中央のチャネルを設けることが上記の理由で有利であるが、そのようなチャネルなしにリンクを設けることもでき、本発明のリンクシステムまたは関節式機構と関連付けられたツールまたは器具の制御もリンクシステムまたは関節式機構の縁部に、または縁部に沿ってチャネルに沿って作動ケーブルおよびその他の同様な要素を通すことで達成できることが理解されよう。
【0092】
やはり強調したように、張力が1つまたは複数のケーブルに加えられる場合、ボール部分1002が隣接するリンク1000のソケット1004の内部で旋回することができるように、リンク1000は、リンクの中心軸から偏り、ケーブルの組(図示されない)が通過または固定できるようにするケーブルチャネル1012および1014をさらに備える。互いに対する隣接するリンク1000の旋回動作によって、リンクシステム1001が全体として曲がることができる。
【0093】
隣接するリンク間の旋回動作は、図18A〜図18Dおよび図19A〜図19Cを参照してより明確に示される。特に、各ピン1006,1007は、そのそれぞれのスロット1008,1009に係合する場合、スロットの内部で自由に平行移動および回転の両方を行うことができ、旋回動作の最大範囲について干渉せず、2つのリンク1000がリンク1006の周りを自由に旋回できるようにする。このように旋回動作が自由であることから、リンク間のトルク伝達を保持しながらリンクシステムの曲げが生じる。スロットの全体的な深さおよびリンクシステムの曲げの角度に応じて、ピンの1つまたは両方がそれぞれのスロットに係合されたままになる。さらに、旋回動作の角度は各スロットの対応するピンに対する各スロットの深さによって制限できる。
【0094】
係合ピンおよび受けスロットを使用するリンクおよびリンクシステムの別の変形形態が、図20〜図24に示されている。この変形形態では、ブッシングが隣接するリンク間に配置できる。図20および図21に注目すると、リンクシステムの構成要素がリンク1102およびブッシング1106を備える。リンク1102は、リンクの中心軸の両端部にソケット1110を備える。ソケット1110は、リンクの中心軸に垂直な方向に延出するピン1112および1113を備える。ブッシング1106は、ブッシングの中心軸の両端部にボール部分1108を備える。各ボール部分はボール部分に陥凹し、ブッシングの中心軸と整列したスロット1114および1115を備える。
【0095】
図22A〜図22Cは、リンク1102の中心軸およびブッシング1106が整列した非曲げ形態の組み合わされたリンクシステム1101を示す。ブッシング1106がリンク1102に動作可能に連結されている。ブッシング1106のボール部分1108は、リンク1102のソケット1110と係合されている。特に、各ボール部分1108のスロット1114,1115が、リンク1102のソケット1110に配置されたピン1112,1113を受ける。したがって、リンク1102がその中心軸の周りを回転されると、回転力が、リンクのソケットおよびブッシングのボール部分の係合されたピンおよびスロットによってブッシング1106を介して隣接するリンク1102に伝達され、図22A〜図22Cに示されるような非曲げ形態、および図23および図24に示されるような曲げ形態の両方でリンク間のトルク伝達をもたらす。
【0096】
ブッシング1106がその中心軸と整列する中央のチャネル1138を備えるのと同様に、リンク1102も同じくリンクの中心軸と整列する中央のチャネル1136を備える。組み合わされた場合、これらの中央のチャネル1136および1138は中央の内腔を形成し、ツールを制御し、および/または作動させるために、その内腔に作動ケーブル(図示されない)が通される。その他の実施形態と同様に、中央の内腔は全体的に、本発明のリンクシステムまたは関節機構と共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた、追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素のための通路も提供する。これによって、リンクが中央のチャネル1136,1138の作動ケーブルの通路を侵食せずにリンクおよびブッシングが互いに対して旋回できるようになる。また、中央のチャネルを設けることが上記の理由で有利であるが、そのようなチャネルなしにリンクおよびブッシングを設けることもでき、本発明のリンクシステムまたは関節式機構と関連付けられたツールまたは器具の制御もリンクシステムまたは関節式機構の縁部またはその付近に沿って作動ケーブルおよびその他の同様な要素を通すことで達成できることが理解されよう。
【0097】
また、その他の実施形態と同様に、リンク1102は、さらにケーブルの組(図示されない)の通過または固定を可能にするケーブルチャネル1132および1134を備える。張力が1つまたは複数のケーブルに加えられると、隣接するリンク1102がブッシング1106の周りを旋回できるように、ケーブルチャネル1132および1134は中心軸1102から偏っている。リンク1102の互いに対するまたはブッシング1106に対する旋回動作は、リンクシステム全体としての曲げを生じる。旋回動作は、図23A〜図23Cおよび図24A〜図24Cを参照してより明確に示される。また、ブッシングに対するリンクの旋回動作の角度はその対応するピンに対する各スロットの深さによって制限できる。
【0098】
ソケットおよびボール部分は、任意の組合せでブッシングまたはリンクの両端部に配置することができ、そのようなソケットおよびボール部分はピンまたはスロットあるいはその両方を備えることができることが理解されよう。リンク(またはブッシング)が、別のリンク(またはブッシング)の対応するスロットまたはピンにそれぞれ係合するピンまたは対応するスロットを備えることを条件として、リンクおよびブッシングが多くの構成を有することができることがさらに理解されよう。図示された変形形態では、リンクまたはブッシングのスロットおよびピンは互いに偏ることができる。さらに、例によって、かつ限定されずに、ピンはリンク(またはブッシング)のソケットまたはボール部分から延出することができる。ピンが別のリンク(またはブッシング)のそのそれぞれのリンクに係合することを条件として、リンク(またはブッシング)の中心軸にピンが垂直である必要はない。また、リンクの特定の実施形態が、リンク(またはブッシング)の中心軸に直角の方向に延出するピンを有するように説明してきたが、ピンがリンク(またはブッシング)のボール部分またはソケットの中心と交差する放射線に沿って延出し、そうでなければ別のリンク(またはブッシング)の対応するスロットに係合することを条件として、ピンはボール部分またはソケットから離れて任意の角度で延出することができることが理解されよう。
【0099】
上に提示された構成およびパラメータと一致して、本発明によるリンクシステムは、目的が対象とするような任意の寸法および形状であることができる。外科的な用途に関して、それらの形は、通常、患者の年齢、関心のある領域の解剖、意図される用途、および外科医の選好などの要因に依存する。強調するように、リンクおよびブッシングの外周面は全体的に円筒形であり、リンクを他のリンクまたはデバイスの構成要素に連結するケーブル、ならびに本発明のリンクシステムと共に使用される任意の所望のツールまたは器具と関連付けられた追加のケーブル、ワイヤ、光ファイバ、またはその他の同様な要素の通過のためのチャネルを備えることができる。チャネルの直径は、通常、ケーブルの直径よりもわずかに大きく、滑り嵌めを形成する。さらに、リンクは、取付け可能な外科用の器具または診断用のツールの要素を受けるため、またはそれらを作動させるためのケーブルの通過のための1つまたは複数のチャネルも備えることができる。強調するように、そのようなチャネルは、リンクまたはブッシングの中心または縁部に沿って配置できる。リンクは一般に、用途に応じて約0.5mmから約15mm以上の直径を有することができる。ブッシングは、リンクと比較的同等の寸法を有する傾向があり、しばしばより小さな直径を有する。内視鏡および腹腔鏡の用途に関しては、代表的なリンク直径は、小型の内視鏡および腹腔鏡の器具に関しては約2mmから約3mm、中型の内視鏡および腹腔鏡の器具に関しては約5mmから約7mm、および大型の内視鏡および腹腔鏡の器具に関しては約10mmから約15mmの範囲であってもよい。カテーテルの用途に関しては、直径は約1mmから約5mmの範囲にあってもよい。リンクおよびブッシングの全体の長さは、通常、リンク間の所望の曲げ直径に応じて変わる。
【0100】
外科用途に関しては、リンクまたはブッシング、あるいはリンクまたはブッシングが組み込まれた機構またはデバイスの他の構成要素は、それには限定されないが、ステンレス鋼、チタン、タンタル、およびそれらの任意の合金、ならびに例えばポリエチレンまたはそのコポリマー、ポリエチレンテレフタレートまたはそのコポリマー、ナイロン、シリコーン、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリ(塩化ビニル)、アクリロニトル-ブタジエン-スチレン(ABS)ターポリマー、ポリカーボネート、デルリン(Delrin)および代用デルリン(すなわちアセタルホモポリマー)、その組合せなどのポリマー、ならびに当分野で知られたその他の適切な材料が含まれる。リンクシステムの前進を容易にすることが望まれる場合、リンクまたはブッシング、あるいは他の構成要素に滑らかな被覆を施すことができる。滑らかな被覆には、ポリビニルピロリドンなどの親水性のポリマー、テトラフルオロエチレンなどのフルオロポリマー、またはシリコーンを含むことができる。X線撮影時に関節機構またはデバイスの位置を示すために、放射線不透過性のマーカを1つまたは複数のリンクまたはブッシングに備えることができる。通常、マーカは、蛍光透視法によって検出される。
【0101】
図示された多くのリンクシステムが、いくつかの数のリンクおよびブッシングを有するが、これは個々の機構、またはリンクおよびブッシング要素の互いの関係を示す例示の目的のために過ぎない。関節機構の意図された用途、ならびに所望の長さおよび動作の範囲などの要因に応じて、任意の数のリンクおよびブッシングを使用することができる。
【0102】
強調したように、本発明のリンクシステムを作動させるために、ケーブルを使用することができる。そのような実施形態では、1つまたは複数のリンクが、その対応するリンクまたはセグメントに遠位端で2つ以上のケーブルによって連結されている。各ケーブルの組は、少なくとも2つのケーブルから構成できる。強調したように、1つのリンクの動作は、その対応するケーブルの組により制御され、任意のその他のリンクと独立になっている。いくつかの変形形態では、例えば、1つのケーブルの組が3つのケーブルを備える。リンクに連結するために3つのケーブルの組を使用することにより、リンクは、任意のその他のリンクと独立に3自由度(すなわち、上/下の動き、左/右の動き、および回転または「転がり」の動き)で操作または動作できる。複数のリンクを結び付けることにより、複数の自由度が得られ、リンクシステムが様々な複雑な構成に形成できるようになる。
【0103】
ケーブルの直径は、用途によって変わり、約0.15mmから約3mmの範囲にあってもよい。カテーテルの用途に関しては、代表的な直径は、約0.15mmから約0.75mmの範囲にあってもよい。内視鏡および腹腔鏡の用途では、代表的な直径は、約0.5mmから約3mmの範囲にあってもよい。
【0104】
ケーブルの可撓性は、例えば、ケーブル材料のタイプおよび編み方により、または物理的もしくは化学的処理によって変更することができる。通常、ケーブルの剛性または可撓性は、関節機構の意図された用途によって要求されるものに従って修正される。ケーブルは、それには限定されないが、ニッケルチタン合金、ステンレス鋼またはその任意の合金、超弾性合金、炭素繊維、例えばポリ(塩化ビニル)、ポリオキシエチレン、ポリエチレンテレフタレート、およびその他のポリエステル、ポリオレフィン、ポリプロピレン、およびそのコポリマーなどのポリマー、ナイロン、シルク、およびその組合せなどの生体適合材料、または当分野で知られたその他の適切な材料を含む材料から作製された個々のまたは多標準のワイヤであることができる。
【0105】
ケーブルは、そのそれぞれが全体として引用によって本明細書に組み込まれる、係属中の米国出願第10/444,769号、第10/948,911号および第10/928,479号に記載される方法を含む、粘着剤を使用することによる、または蝋付け、接着、半田付け、溶接、超音波溶接、ねじ止めなどによる当分野で知られた方法に従ってリンクに固定することができる。
【0106】
スペーサリンク、すなわちケーブルの個別の組によって連結されていないリンクも本発明のリンクシステムおよび関節機構に含むことができる。これらのリンクは、独立に作動可能でない受動的なリンクとして作動するが、ケーブルの組を隣接する能動的なリンクに通過できるようにする。スペーサリンクは、リンクシステムまたは関節機構に追加の長さを与えるために望ましいものである可能性がある。さらに、機構の一方の端部にスペーサリンクを含むことにより、対応する他方の端部の動作または動きの比例した規模の調整をすることができる。例えば、リンクの遠位および近位の組が連結された関節機構の近位端でスペーサリンクを含むことにより、遠位端で所望の動きを得るために近位端で使用者による誇大な動作を必要とする。このことは、細かい精密な制御された動作が所望される状況、例えば使用者が、遠位端の動作または動きのそのような比例的な規模の調整がないと所望の手順を行うのに必要な手腕を有することができないリスクがある状況などで有利である。あるいは、スペーサリンクを遠位端に設けることができ、その場合、遠位端の動作の角度は、近位端の動作の角度より比例的に大きくなり、それは、特定の用途に関して望ましい可能性もある。上記に加えて、動作または動きの比例的な規模の調整は、さらに説明されるようにケーブルチャネルが中心軸から配置される半径または距離を増加または縮小することによって成し得ることもできる。例えば、1つのリンクの組の動作は、近位リンクでの増幅された動きが、米国出願第10/928,479号、第10/444,769号および第10/948,911号に記載される。
【0107】
本明細書に述べられたこのリンクおよび/またはブッシングは、そのそれぞれが全体として引用によって本明細書に組み込まれる米国出願第10/444,769号、第10/948,911号および第10/928,479号に述べられるような正の、負の、または中立のケーブルの偏りを有するように構成することもできる。
【0108】
そのようなシステムまたは機構を組み込むリンクシステム、関節機構、およびデバイスは固定機構を備えることもできる。作動させられると、固定機構は、そのそれぞれが全体として引用によって本明細書に組み込まれる米国出願第10/444,769号、第10/948,911号および第10/928,479号に述べられるように1つまたは複数のリンクまたはリンクの組が移動しないように防止する。本明細書に開示されたリンク機構、関節機構およびデバイスは、それには限定されないが、操縦可能なカテーテル、内視鏡、および手動デバイスを含む米国出願第10/444,769号、第10/948,911号および第10/928,479号に記載される任意のその他のデバイスの任意の態様を組み込むことができる。
【0109】
本発明は、様々なリンクシステム、関節機構、固定機構、および関連する付属品を提供するためのキットも企図する。例えば、異なる長さ、異なるセグメントの直径、および/または異なるタイプのツールまたは器具を有するリンクシステムおよび関節機構含むキットを設けることができる。キットは、任意で異なるタイプの予め組み合わされた固定機構を含むことができる。キットは特定の用途にさらに調整することができる。例えば、外科用の用途のためのキットは、例えば、内視鏡検査、後退、またはカテーテル配置、および/または例えば小児または成人などの特定の患者の母集団用に構成できる。
【0110】
本明細書に引用されたすべての公報、特許、および特許出願は、各個々の公報、特許、または特許出願が、引用によってそのように組み込まれるものとして具体的におよび個々に示されるように、同じ範囲ですべての目的で全体として引用によってここに組み込まれる。前述の発明は、理解を明確にする目的で例示および例によって、いくらか詳細に説明してきたが、特許請求の趣旨および範囲から逸脱せずにある程度の変更および修正を本発明に行うことができることが、本発明の内容に照らして当業者に容易に理解される。出願人は、任意の特許請求の範囲に記載されていない事項を放棄または公衆に対して解放しない。
【符号の説明】
【0111】
100 外科用ステープラ
101 ケーブル固定機構
102 関節機構
104 近位リンクの組
106 遠位リンクの組
107 ステープラツール
108,109 顎部
110 ステープラハンドル
112 細長いシャフト
122 シャフト
122,122a,122b,124,124a,124b リンク
126 ブッシング
126a,126b リンク
128 突起
130 ボール部分
132 突起
134 ボール部分
135 ケーブル
136,138 ソケット
140,142 ケーブルチャネル
144,146 中央のチャネル
148 面
162 突起
164 ボール部分
166,168 リセス
170,172 頂部
176 面
180 ブッシングリム
182 窪み
222,224 リンク
226 ブッシング
228 突起
230 ボール部分
232 突起
234 ボール部分
236,238 ソケット
240,242 ケーブルチャネル
244,246 中央のチャネル
262 突起
264 ボール部分
266,268 リセス
300 リンクシステム
302,304 リンク
310 トルクを与える突起
312 ソケット
314 ケーブルチャネル
316,318 中央のチャネル
320,324,325 面
400 リンクシステム
401 凸状の突起
402 リンク
403 凸状の突起
404 リンク
405 凹状の窪み
406 ブッシング
407 凹状の窪み
412 三角形タブ
412a,412b,412c タブ
413a,413b,413c ボールソケット継手
414 三角形タブ
414a,414b,414c タブ
420 ボール
422 ソケット
424,426 ケーブルチャネル
430,432 中央のチャネル
500 リンク-ブッシング-リンクシステム
502,504 リンク
506 ブッシング
600 リンクシステム
602,604 リンク
606 ブッシング
607a,607b,607c,607d クリアランスチャネル
609a,609b,609c,609d,611a,611b,611c,611d 窪み
612,613a,613b,613c,613d,614,615a,615b,615c,615d タブ
616a,616b,616c,616d ボール部分
617 ソケット
618a,618b,618c,618d ボール部分
620a,620b,620c,620d ヒンジ
621 ベース
622a,622b,622c,622d ヒンジ
623 ベース
624a,624b,624c,624d ヒンジ
624,626 ケーブルチャネル
630,632 中央のチャネル
700 リンクシステム
722,724 リンク
726 ソケット
732 突起
734 ボール部分
740,742 ケーブルチャネル
744,746 中央のチャネル
800 リンクシステム
802 リンク
803 凸状の突起
804 リンク
806 ブッシング
807 凹状の窪み
812 タブ
812a,812b,812c 三角形タブ
813a,813b,813c ボール
814a,814b,814c 溝
824,826 ケーブルチャネル
1000 リンク
1001 リンクシステム
1002 ボール部分
1004 ソケット
1006,1007 ピン
1008,1009 スロット
1010 中央のチャネル
1012,1014 ケーブルチャネル
1101 リンクシステム
1102 リンク
1106 ブッシング
1108 ボール部分
1110 ソケット
1112,1113 ピン
1114,1115 スロット
1132,1134 ケーブルチャネル
1136,1138 中央のチャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用または診断用のツールの遠隔操作のためのトルクを伝達することが可能な関節機構であって、
各リンクが対の他方のリンクに対して離隔した関係に維持される、少なくとも1つの対のリンクと、
少なくとも2つの隣接するリンク、および該隣接するリンク間に配置されたブッシングと、を備え、
少なくとも1つの前記隣接するリンクがi)ソケットまたはii)トルクを与える突起を備え、その少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を有し、
対面するブッシングが、i)少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を有するトルクを与える突起またはii)ソケットを備え、
前記ブッシングのトルクを与える突起またはソケットが、前記リンクの前記ソケットまたはトルクを与える突起に係合し、それによって第2の隣接するリンクに対して第1の隣接するリンクが旋回動作できるようにしながら前記リンク間のトルク伝達をもたらす関節機構であり、
さらに関節機構は、対の一方のリンクの動作が該対の他方のリンクの対応する相対的な動作を生じるように、各セットが個別の対の前記リンクを互いに連結する少なくとも1つの組のケーブルを備えることを特徴とする関節機構。
【請求項2】
前記トルクを与える突起の前記部分が前記長手方向の外周部に沿って湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項3】
前記トルクを与える突起を備える前記リンクまたはブッシングが、湾曲した緯度方向外周部を有するボール部分をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の関節機構。
【請求項4】
前記ソケットがさらに、前記ボール部分を受けるように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の関節機構。
【請求項5】
前記非円形の緯度方向外周部が長手方向に湾曲した複数の面を備えることを特徴とする請求項4に記載の関節機構。
【請求項6】
前記少なくとも1つの隣接するリンクがトルクを与える突起を備え、前記ブッシングが前記ソケットを備えることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項7】
前記少なくとも1つの隣接するリンクが前記ソケットを備え、前記ブッシングの対面する表面がトルクを与える突起を備えることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項8】
前記第2の隣接するリンクが、i)少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を備えるトルクを与える突起またはii)ソケットを備え、前記ブッシングの前記対面する表面が、i)ソケットまたはii)少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を備えるトルクを与える突起を備えることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項9】
前記第2の隣接するリンクがトルクを与える突起を備え、前記ブッシングがソケットを備えることを特徴とする請求項8に記載の関節機構。
【請求項10】
前記第2の隣接するリンクがソケットを備え、前記ブッシングがトルクを与える突起を備えることを特徴とする請求項8に記載の関節機構。
【請求項11】
前記リンクが近位端および遠位端を形成し、対応する対のリンクがそれぞれ前記近位端および遠位端に配置され、前記近位端の動作が前記遠位端の対応する相対的な動作を生じることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項12】
前記遠位端の前記対応する相対的な動作が、前記近位端の前記動作と相補的であることを特徴とする請求項11に記載の関節機構。
【請求項13】
前記遠位端の前記対応する相対的な動作が、前記近位端の前記動作を鏡映することを特徴とする請求項11に記載の関節機構。
【請求項14】
外科用または診断用ツールが前記遠位端に取り付けられたことを特徴とする請求項11に記載の関節機構。
【請求項15】
前記ツールが、ステープラ、鉗子、グラスパー、鋏、カッター、切除要素、内視鏡、光源、焼灼要素、カテーテル、ペースメーカーリード配置デバイス、からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の関節機構。
【請求項16】
離隔した関係に前記対のリンクを維持する前記対のリンク間に配置された細長いシャフトをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項17】
前記細長いシャフトが前記複数の組のケーブルを収容することを特徴とする請求項16に記載の関節機構。
【請求項18】
複数の組のリンクが、リンクの隣接する組と関連付けられた複数の組のケーブルを受け、通過させるためのチャネルを備えることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項19】
個別の組のケーブルによって連結されない1つまたは複数のスペーサリンクをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項20】
前記対の一方のリンクの動作が、前記対の前記他方のリンクの、対応するより大きな動作を生じることを特徴とする請求項1に記載の関節機構。
【請求項21】
トルクを伝達することが可能な関節リンクシステムであって、
少なくとも2つの隣接するリンクと、
前記隣接するリンク間に配置されたブッシングと、を備え、
少なくとも1つの前記隣接するリンクがi)ソケットまたはii)トルクを与える突起を備え、その少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を有し、
前記ブッシングが、i)少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を備えるトルクを与える突起またはii)ソケットを備え、前記ブッシングのトルクを与える突起またはソケットが、前記リンクの前記ソケットまたはトルクを与える突起に係合し、それによって第2の隣接するリンクに対して第1の隣接するリンクが旋回動作できるようにしながら前記リンク間のトルク伝達をもたらすようになっていることを特徴とする関節リンクシステム。
【請求項22】
前記トルクを与える突起の前記部分が前記長手方向の外周部に沿って湾曲していることを特徴とする請求項21に記載の関節リンクシステム。
【請求項23】
トルクを与える突起を備える前記リンクまたは前記ブッシングが、湾曲した緯度方向外周部を有するボール部分をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の関節リンクシステム。
【請求項24】
前記ソケットがさらに、前記ボール部分を受けるように構成されたことを特徴とする請求項23に記載の関節リンクシステム。
【請求項25】
前記非円形の緯度方向外周部が複数の面を備える、該面のそれぞれが長手方向に湾曲していることを特徴とする請求項24に記載の関節リンクシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの隣接するリンクが、トルクを与える突起を備え、前記ブッシングがソケットを備えることを特徴とする請求項21に記載の関節リンクシステム。
【請求項27】
前記少なくとも1つの隣接するリンクが前記ソケットを備え、前記ブッシングが前記トルクを与える突起を備えることを特徴とする請求項1に記載の関節リンクシステム。
【請求項28】
前記第2の隣接するリンクが、i)少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を備えるトルクを与える突起またはii)ソケットをさらに備え、前記ブッシングの対面する表面が、i)ソケットまたはii)少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を備えるトルクを与える突起を備えることを特徴とする請求項1に記載の関節リンクシステム。
【請求項29】
前記第2の隣接するリンクがトルクを与える突起を備え、前記ブッシングがソケットを備えることを特徴とする請求項28に記載の関節リンクシステム。
【請求項30】
前記第2の隣接するリンクがソケットを備え、前記ブッシングがトルクを与える突起を備えることを特徴とする請求項28に記載の関節リンクシステム。
【請求項31】
トルクを伝達することが可能な外科用器具であって、
外科用または診断用ツールと、
前記外科用または診断用ツールの近位の請求項21に記載の前記関節リンクシステムと、
前記複数のリンクの近位の細長いシャフトと、を備えることを特徴とする外科用器具。
【請求項32】
医療用または診断用ツールの遠隔操作のためのトルクを伝達することが可能な関節機構であって、
各リンクが対の他方のリンクに対して離隔した関係で維持される、少なくとも1つの対のリンクと、
少なくとも2つの隣接するリンクであって、少なくとも1つの隣接するリンクがトルクを与える突起を有し、その少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を備え、第1のリンクが第2のリンクに対して旋回動作ができるようにしながら、前記リンク間にトルク伝達をもたらすために第2の隣接するリンクが前記トルクを与える突起に係合するように構成されたソケットを有し、少なくとも2つの隣接するリンクと、
対の一方のリンクの動作が前記対の他方のリンクの対応する相対的な動作を生じるように、各セットが個別の対の前記リンクを互いに連結する少なくとも1つの組のケーブルと、を備えることを特徴とする関節機構。
【請求項33】
前記トルクを与える突起の前記部分の前記表面が、前記長手方向の湾曲を有することを特徴とする請求項32に記載の関節機構。
【請求項34】
前記第1の隣接するリンクが、湾曲した長手方向の外周部を有するボール部分をさらに備えることを特徴とする請求項33に記載の関節機構。
【請求項35】
前記非円形の緯度方向外周部が、複数の長手方向に湾曲した面を備えることを特徴とする請求項34に記載の関節機構。
【請求項36】
前記第2の隣接するリンクの前記ソケットが、前記第1の隣接するリンクの前記トルクを与える突起に係合するように構成された、複数の径方向に分布する、長手方向に湾曲した面を有することを特徴とする請求項35に記載の関節機構。
【請求項37】
トルクを伝達することが可能な関節リンクシステムであって、
少なくとも2つの隣接するリンクを備え、少なくとも1つの前記リンクがトルクを与える突起を有し、その少なくとも一部分が非円形の緯度方向外周部を備え、第1のリンクが第2のリンクに対して旋回動作ができるようにしながら、前記リンク間にトルク伝達をもたらすために第2の隣接するリンクが第1の隣接するリンクの前記トルクを与える突起に係合するように構成されたソケットを有することを特徴とする関節リンクシステム。
【請求項38】
前記トルクを与える突起の前記部分が前記長手方向の湾曲を有することを特徴とする請求項37に記載の関節リンクシステム。
【請求項39】
前記第1の隣接するリンクが、湾曲した長手方向の外周部を有するボール部分をさらに備えることを特徴とする請求項38に記載の関節リンクシステム。
【請求項40】
前記非円形の緯度方向外周部が複数の長手方向に湾曲した面を備えることを特徴とする請求項39に記載の関節リンクシステム。
【請求項41】
前記第2の隣接するリンクの前記ソケットが、前記第1の隣接するリンクの前記トルクを与える突起に係合するように構成された、複数の径方向に分布する湾曲した面を有することを特徴とする請求項40に記載の関節リンクシステム。
【請求項42】
トルクを伝達することが可能な外科用器具であって、
外科用または診断用ツールと、
前記外科用または診断用ツールの近位の請求項32に記載の関節リンクシステムと、
前記複数のリンクの近位の細長いシャフトと、を備えることを特徴とする外科用器具。
【請求項43】
医療用または診断用ツールの遠隔操作のためのトルクを伝達することが可能な関節機構であって、
各リンクが対の他方のリンクに対して離隔した関係に維持される、少なくとも1つの対のリンクと、
第1および第2の隣接するリンクと、を備え、
第1の組のタブが、前記第1と第2の隣接するリンク間で前記第1の隣接するリンクに配置され、
前記第1の隣接するリンクが前記第2の隣接するリンクに対して旋回動作ができるようにしながら、前記リンク間のトルク伝達をもたらすために、前記第2の隣接するリンクが前記第1の隣接するリンクに配置された前記タブに動作可能に連結され、
関節機構はさらに、対の一方のリンクの動作が該対の他方のリンクの対応する相対的な動作を生じるように、各セットが個別の対の該リンクを互いに連結する少なくとも1つの組のケーブルを備えることを特徴とする関節機構。
【請求項44】
第2の組のタブが前記第2の隣接するリンクに配置され、
前記第1および第2の組のタブの対応するタブの末端部が互いに動作可能に連結されることを特徴とする請求項43に記載の関節機構。
【請求項45】
ブッシングが前記少なくとも2つの隣接するリンク間に配置されることを特徴とする請求項44に記載の関節機構。
【請求項46】
対応する向かい合うタブの前記末端部が2自由度の継手によって連結されることを特徴とする請求項44に記載の関節機構。
【請求項47】
各タブが1自由度の継手によってリンクに連結することを特徴とする請求項46に記載の関節機構。
【請求項48】
前記第1の隣接するリンクが複数の径方向に配分された窪みを備え、
第2の組のタブが前記第2の隣接するリンクに配置され、各リンクに関連する前記複数のタブが前記関節リンクシステムの各リンクの軸の周りに径方向に配分され、前記タブの末端部で前記隣接するリンクが互いに動作可能に連結されるように、各タブが前記リンクの1つの径方向に配分された窪みに係合することを特徴とする請求項43に記載の関節機構。
【請求項49】
前記2つの隣接するリンク間に配置されたブッシングをさらに備えることを特徴とする請求項48に記載の関節機構。
【請求項50】
各タブがその対応するリンクに対して1自由度で移動可能なことを特徴とする請求項48に記載の関節機構。
【請求項51】
対応する向かい合うタブの前記末端部が2自由度の継手によって連結されることを特徴とする請求項48に記載の関節機構。
【請求項52】
各タブの末端がその対応する溝の内部で移動できるように、前記第1の隣接するリンクに配置された各タブの該末端が前記第2の隣接するリンクに配置された溝に動作可能に連結されることを特徴とする請求項43に記載の関節機構。
【請求項53】
前記少なくとも2つの隣接するリンク間に配置されたブッシングをさらに備えることを特徴とする請求項52に記載の関節機構。
【請求項54】
各タブが1自由度の継手によってその対応するリンクに連結することを特徴とする請求項52に記載の関節機構。
【請求項55】
医療用または診断用ツールの遠隔操作のためのトルクを伝達することが可能な関節リンクシステムであって、
少なくとも第1および第2の隣接するリンク、および前記第1の隣接するリンクが前記第2の隣接するリンクに対して旋回動作できるようにしながら前記リンク間にトルク伝達をもたらすように、前記第2の隣接するリンクに動作可能に連結された複数のタブを備えることを特徴とする関節リンクシステム。
【請求項56】
第2の組のタブが前記第2の隣接するリンクに配置され、
前記隣接するリンクが、前記第1および第2の組のタブの対応するタブの末端部で互いに動作可能に連結されることを特徴とする請求項55に記載の関節リンクシステム。
【請求項57】
前記少なくとも2つの隣接するリンク間に配置されたブッシングをさらに備えることを特徴とする請求項56に記載の関節リンクシステム。
【請求項58】
対応する向かい合うタブの末端部が2自由度の継手によって連結されることを特徴とする請求項57に記載の関節リンクシステム。
【請求項59】
各タブが1自由度の継手によってリンクに連結することを特徴とする請求項58に記載の関節リンクシステム。
【請求項60】
前記第1の隣接するリンクが複数の円周方向に配分された窪みを備え、
タブの第2の組が前記第2の隣接するリンクに配置され、
前記隣接するリンクが、各隣接するリンクに配置された前記タブの末端部で互いに動作可能に連結され、
各リンクに関連付けられた前記複数のタブが各リンクの中心軸の周りに径方向に配分され、各タブが前記リンクの円周方向に配分された1つの溝に係合するようになっていることを特徴とする請求項55に記載の関節リンクシステム。
【請求項61】
前記2つの隣接するリンクのそれぞれの間に配置されたブッシングをさらに備えることを特徴とする請求項60に記載の関節リンクシステム。
【請求項62】
各タブがその対応するリンクに対して1自由度で移動可能なことを特徴とする請求項61に記載の関節リンクシステム。
【請求項63】
対応する向かい合うタブの末端部が2自由度の継手によって連結されることを特徴とする請求項62に記載の関節リンクシステム。
【請求項64】
各タブの末端がその対応する溝の内部で移動できるように、前記第1の隣接するリンクに配置された各タブの前記末端が前記第2の隣接するリンクに径方向に配置された対応する溝に動作可能に連結されることを特徴とする請求項55に記載の関節リンクシステム。
【請求項65】
前記少なくとも2つの隣接するリンク間に配置されたブッシングをさらに備えることを特徴とする請求項64に記載の関節機構。
【請求項66】
各タブが1自由度の継手によってその対応するリンクに連結することを特徴とする請求項65に記載の関節機構。
【請求項67】
トルクを伝達することが可能な外科用器具であって、
外科用または診断用ツールと、
前記外科用または診断用ツールの近位の請求項55の前記関節リンクシステムと、
前記複数のリンクの近位の細長いシャフトと、
1つまたは複数のケーブルの動作が1つまたは複数のリンクの動作を生じるように、1つまたは複数のリンクに遠位に連結され、前記細長いシャフトによって近位に受けられた1つまたは複数のケーブルと、を備えることを特徴とする外科用器具。
【請求項68】
医療用または診断用ツールの遠隔操作のためのトルクを伝達することが可能な関節機構であって、
各リンクが対の他方のリンクに対して離隔した関係に維持される、少なくとも1つの対のリンクと、
少なくとも1つの隣接するリンクがボールを有し、第2の隣接するリンクが該ボールを受けるためのソケットを有し、さらに、該ボールおよびソケットが、第1のリンクの第2のリンクに対する旋回動作も可能にしながら該リンク間にトルク伝達をもたらす、少なくとも1つの係合ピンおよび相補的なスロットを備える少なくとも2つの隣接するリンクと、
対の一方のリンクの動作が該対の他方のリンクの対応する相対的な動作を生じるように、各セットが個別の対の前記リンクを互いに連結する少なくとも1つの組のケーブルと、を備えることを特徴とする関節機構。
【請求項69】
前記ピンが前記ボールから延出し、前記スロットが前記ソケットに陥凹するようになっていることを特徴とする請求項68に記載の関節機構。
【請求項70】
前記ピンが前記ソケットから延出し、前記スロットが前記ボールに陥凹するようになっていることを特徴とする請求項68に記載の関節機構。
【請求項71】
少なくとも1つのリンクが、ボール、および隣接するリンクを受けるためのソケットの両方を備え、前記少なくとも1つのリンクの前記ボールおよびソケットが少なくとも1つの係合ピンおよび少なくとも1つの相補的なスロットを有することを特徴とする請求項68に記載の関節機構。
【請求項72】
トルクを伝達することが可能な関節リンクシステムであって、
少なくとも1つの隣接するリンクがボールを有し、第2の隣接するリンクが該ボールを受けるためのソケットを有し、さらに、該ボールおよびソケットが、前記第1のリンクの前記第2のリンクに対する旋回動作も可能にしながら該リンク間にトルク伝達をもたらす、少なくとも1つの係合ピンおよび相補的なスロットを備える少なくとも2つの隣接するリンクを備えることを特徴とする関節リンクシステム。
【請求項73】
前記ピンが前記ボールから延出し、前記スロットが前記ソケットに陥凹するようになっていることを特徴とする請求項72に記載の関節リンクシステム。
【請求項74】
前記ピンが前記ソケットから延出し、前記スロットが前記ボールに陥凹するようになっていることを特徴とする請求項72に記載の関節リンクシステム。
【請求項75】
少なくとも1つのリンクが、ボール、および隣接するリンクを受けるためのソケットの両方を備え、少なくとも1つのリンクの前記ボールおよびソケットが少なくとも1つの係合ピンおよび少なくとも1つの相補的なスロットを有することを特徴とする請求項72に記載の関節リンクシステム。
【請求項76】
トルクを伝達することが可能な外科用器具であって、
外科用または診断用ツールと、
前記外科用または診断用ツールの近位の請求項72に記載の前記関節リンクシステムと、
前記複数のリンクの近位の細長いシャフトと、を備えることを特徴とする外科用器具。
【請求項77】
医療用または診断用ツールの遠隔操作のためのトルクを伝達することが可能な関節機構であって、
各リンクが対の他方のリンクに対して離隔した関係に維持される、少なくとも1つの対のリンクと、
少なくとも2つの隣接するリンク、および前記隣接するリンク間に配置されたブッシングと、を備え、
少なくとも1つの隣接するリンクがボールまたはソケットを備え、
前記ブッシングが、前記1つの隣接するリンクの対応するボールまたはソケットに係合するためにソケットまたはボールを備え、
前記係合されたボールおよびソケットが、第2の隣接するリンクに対して第1の隣接するリンクが旋回動作できるようにしながら前記リンク間のトルク伝達をもたらす、少なくとも1つの係合ピンおよび相補的なスロットを備える関節機構であって、
さらに間接機構は、対の一方のリンクの動作が該対の他方のリンクの対応する相対的な動作を生じるように、各セットが個別の対の前記リンクを互いに連結する少なくとも1つの組のケーブルを備えることを特徴とする関節機構。
【請求項78】
前記ピンが前記ボールから延出し、前記スロットが前記ソケットに陥凹するようになっていることを特徴とする請求項77に記載の関節機構。
【請求項79】
前記ピンが前記ソケットから延出し、前記スロットが前記ボールに陥凹するようになっていることを特徴とする請求項77に記載の関節機構。
【請求項80】
少なくとも1つのリンクが、少なくとも(i)2つのボール、または(ii)ボールおよびソケット、または(iii)少なくとも2つのブッシングに係合するための2つのソケットを備え、前記少なくとも1つのリンクの各ボールまたはソケットが、少なくとも1つの係合ピンまたは少なくとも1つの相補的なスロットを有することを特徴とする請求項77に記載の関節機構。
【請求項81】
前記ブッシングが、少なくとも(i)2つのボール、または(ii)ボールおよびソケット、または(iii)少なくとも2つのブッシングに係合するための2つのソケットを備え、前記ブッシングの各ボールまたはソケットが、少なくとも1つの係合ピンまたは少なくとも1つの相補的なスロットを有することを特徴とする請求項77に記載の関節機構。
【請求項82】
トルクを伝達することが可能な関節リンクシステムであって、
少なくとも2つの隣接するリンクと、
前記隣接するリンク間に配置されたブッシングと、を備え、
少なくとも1つの隣接するリンクがボールまたはソケットを備え、
前記ブッシングが、前記1つの隣接するリンクの対応するボールまたはソケットに係合するためにソケットまたはボールを備え、
前記係合されたボールおよびソケットが、前記第2の隣接するリンクに対して前記第1の隣接するリンクが旋回動作できるようにしながら、前記リンク間のトルク伝達をもたらす、少なくとも1つの係合ピンおよび相補的なスロットを備えることを特徴とする関節リンクシステム。
【請求項83】
前記ピンが前記ボールから延出し、前記スロットが前記ソケットに陥凹するようになっていることを特徴とすることを特徴とする請求項82に記載の関節リンクシステム。
【請求項84】
前記ピンが前記ソケットから延出し、前記スロットが前記ボールに陥凹するようになっていることを特徴とする請求項82に記載の関節リンクシステム。
【請求項85】
少なくとも1つのリンクが、少なくとも(i)2つのボール、または(ii)ボールおよびソケット、または(iii)少なくとも2つのブッシングに係合するための2つのソケットを備え、前記少なくとも1つのリンクの各ボールまたはソケットが、少なくとも1つの係合ピンまたは少なくとも1つの相補的なスロットを有することを特徴とする請求項82に記載の関節機構。
【請求項86】
前記ブッシングが、少なくとも(i)2つのボール、または(ii)ボールおよびソケット、または(iii)少なくとも2つのリンクに係合するための2つのソケットを備え、前記ブッシングの各ボールまたはソケットが、少なくとも1つの係合ピンまたは少なくとも1つの相補的なスロットを有することを特徴とする請求項82に記載の関節機構。
【請求項87】
トルクを伝達することが可能な外科用器具であって、
外科用または診断用ツールと、
前記外科用または診断用ツールの近位の請求項82に記載の前記関節リンクシステムと、
前記複数のリンクの近位の細長いシャフトと、を備えることを特徴とする外科用器具。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24A】
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【図24B】
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【公開番号】特開2013−81828(P2013−81828A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−22981(P2013−22981)
【出願日】平成25年2月8日(2013.2.8)
【分割の表示】特願2007−543225(P2007−543225)の分割
【原出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(510253996)インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド (32)
【Fターム(参考)】