関連物品へのラベル貼付ユニット
関連する物品(3)に貼付されるラベル(2)を受け取るために所与の経路(P)に沿って移動可能なラベル貼付ユニット(15)が記述され、このユニット(15)は、関連するラベル(2)を受け取るように適合された側壁(24)を持ち、経路(P)に直交する軸(F)の周りに延在し、かつ貫通孔(33)が設けられた吸引部(36)を備える中空の受取部材(22)と、受取部材(22)の内部を通って孔(33)に接続され、受取部材(22)の側壁(24)の外表面上にラベル(2)を吸引によって保持するように作動可能な吸引用ニューマチック装置(35)と、受取部材(22)の内部に同軸状に配置され、ユニット(15)によって処理される異なるラベル(2)の高さに相関した異なる高さ(H1、H2、H3)を軸(F)と平行な方向に有する、いくつかの角度的に離間した開口部(61、62、63)を備え、少なくとも2つの異なる角度位置に回転可能であり、その回転位置のそれぞれは開口部(61、62、63)の選択された1つを受取部材(22)の側壁(24)にある吸引部(36)の正面に配置するように対応していて、それによって選択された開口部(61、62、63)に対向する孔(33)のみが動作するようになっている、中空の分配部材(60)と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラベル、特に熱収縮性フィルムでできたラベルを、ビンや一般容器などの関連物品の上に貼付するユニットに関する。以下の説明においてはこのようなユニットを参照するが、これは添付の特許請求の範囲で規定する本発明の保護の範囲を制限することを意図するものではない。
【背景技術】
【0002】
周知の様に、ラベル貼付機はあらゆる種類の容器や物品にラベルを貼付するために使用される。典型的には、飲料用のボトルや容器に利用されるのは筒状のラベル(一般的には“スリーブラベル”と呼ばれている)であり、これは、
供給用ロールから巻き戻されたウェブを複数の長方形または正方形のラベルに切断し、
各ラベルを円筒状に曲げて、両側の垂直端が相互に重なるようにし、
各円筒ラベルの重なり合った端部を接合して、
得られる。
【0003】
ラベルを曲げて筒形状に接合し、この形成された筒状ラベルの中に容器の挿入を行う、特定のタイプのラベル貼付機が公知である。この種類の機械は基本的に、垂直軸の周りを回転するカルーセルを備えて円形経路を画定し、それに沿ってラベルの貼られていない容器、及びその次に長方形または正方形のラベルをそれぞれの投入ホイールから連続的に受取り、筒状のラベルをそれぞれの容器上に貼付して、ラベルが貼付された容器を出力ホイールへ放出する。
【0004】
より具体的には、カルーセルにはいくつかのラベル貼付ユニットがあり、それらが回転軸の周りに等間隔に配置されてカルーセルの外周端沿いに据え付けられ、回転軸によって上記の円形経路に沿って移動させられる。
【0005】
それぞれのラベル貼付ユニットには、関連容器の底壁を支持するための底部支持アセンブリと、カルーセルが垂直軸の周りを回転する間その容器の上部部分と連動して容器を垂直位置に保持するための上部保持器とが備えられている。
【0006】
それぞれの支持アセンブリには、カルーセルの回転枠の水平面に固定された垂直の中空支持架台と、その軸に関して摺動と回転可能に支持架台と係合し、関連容器をその最上面に、かつ関連ラベルをその側面に担持するようになっている円筒形受取部材とが備えられている。
【0007】
それぞれの受取部材は、関連する支持架台の内部で上昇位置と完全後退位置との間を移動することができる。
【0008】
上昇位置において、各受取部材は関連する支持架台の最上面から突き出て、その側面にラベル投入ホイールからの関連ラベルを受け取るようになっており、特にラベルは受取部材の周りを包み込んで、ラベルの両端の垂直端部同士が相互に重なり合うようにする。
【0009】
この包み込みを完全にするために、ラベルがラベル投入ホイールから移動する間、受取部材はその軸を中心に回転する。
【0010】
容器の投入ホイール位置と取出しホイール位置とにおいて達成される受取部材の完全後退位置では、それぞれの受取部材の最上面が支持架台の最上面と同じ高さとなり、同一の移動面に沿って容器をカルーセルとの間で受け渡しできる。
【0011】
筒状ラベルの重なり合った端部を接合した後、関連する受取部材を上昇位置から完全後退位置まで移動させることにより、関連容器がラベルの中に挿入され、得られた容器を取り出しホイールへ移動できる状態となる。
【0012】
それぞれのラベルは関連する受取部材の側面上に吸引されて保持され、特に、各受取部材の側面の少なくとも一部の領域には複数の孔が設けられ、これらはニューマチック吸引装置に接続されている。
【0013】
それらの領域は通常、上記の軸と平行な方向に、処理されるラベルの高さと相関のある広がりを持っている。
【0014】
このことは、ラベルの形状が少しでも変われば、必然的にラベル貼付機の全ての受取部材の交換を伴い、結果的に高い経費と、長期の分解および再組立て時間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、上記の欠点を簡単かつ低コストで克服できるラベル貼付ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は請求項1に記載のラベル貼付ユニットによって達成される。
【0017】
次に、本発明の非制限的な実施形態を、添付の図面を参照しながら例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の教示による、複数のラベル貼付ユニットを備えたラベル貼付機の概略平面図であり、分かり易くするためにいくつかの部品を省略してある。
【図2】図1のラベル貼付機のラベル移載ステーション付近における、いくつかのラベル貼付ユニットの拡大斜視図である。
【図3】図1のラベル貼付機のラベル移載ステーション付近における、いくつかのラベル貼付ユニットの拡大斜視図である。
【図4】分かり易くするためにいくつかの部品を省略した状態で示した、本発明によるラベル貼付ユニットの拡大斜視図である。
【図5】分かり易くするためにいくつかの部品を省略し、一部断面で表した、本発明によるラベル貼付ユニットの別の拡大斜視図である。
【図6】分かり易くするためにいくつかの部品を省略した、図4および図5のラベル貼付ユニットの縮小正面図である。
【図7】図4、5のラベル貼付ユニットの詳細図である。これは異なる運転モードで表示されており、分かり易くするために平面上に展開した状態を示している。
【図8】図4、5のラベル貼付ユニットの詳細図である。これは異なる運転モードで表示されており、分かり易くするために平面上に展開した状態を示している。
【図9】図4、5のラベル貼付ユニットの詳細図である。これは異なる運転モードで表示されており、分かり易くするために平面上に展開した状態を示している。
【図10】図6の線X−Xに沿う断面の拡大図である。
【図11】図10の線XI−XIに沿う断面図である。
【図12】図11の線XII−XIIに沿う断面図である。
【図13】図12の詳細部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1の符号1は個別の物品、より具体的には容器、特に、それぞれが所与の長手軸Aを持ち、底部において軸Aに対して実質的に直交する底壁4に接合され、かつ軸Aに対して実質的に同軸である上部ネック5を有するボトル3に対して、ラベル2(図2、図3)を貼付するためのラベル貼付機の全体を示している。
【0020】
機械1は、ラベル2を筒状形状(図3)に曲げて接合し、かつその筒状ラベル2の中にボトル3を挿入するための、搬送装置を備える。
【0021】
図1〜3において示すような好適な実施形態において、搬送装置は、図1の面に直交するそれぞれの垂直軸Bの周りを連続的に(図1においては反時計方向に)回転するように据え付けられたカルーセル7を備えている。
【0022】
カルーセル7は投入ホイール8からラベル未貼付のボトル3を連続的に受け取り、投入ホイール8は第1の移載ステーション9においてカルーセル7と連動し、かつ、軸Bに平行な個別の長手軸Cを中心に連続回転するように取り付けられている。
【0023】
カルーセル7はまた、投入ドラム10から長方形あるいは正方形のラベル2を連続的に受け取り、投入ドラム10は第2の移載ステーション11においてカルーセル7と連動し、かつ、軸B、Cに平行な個別の長手軸Dを中心に連続回転するように取り付けられている。
【0024】
カルーセル7はラベルが貼付されたボトル3を取出しホイール12に対して連続的に放出し、取出しホイール12は第3の移載ステーション13においてカルーセル7と連動し、かつ、軸B、C、Dに平行な個別の長手軸Eを中心に連続回転するように取り付けられている。
【0025】
図1に示すように、移載ステーション11は、経路P沿いに、移載ステーション9より下流かつ移載ステーション13より上流に配置されている。
【0026】
カルーセル7は、いくつかの運転ユニットすなわちラベル貼付ユニット15を備えており、これらは軸Bの周りに等間隔に位置してカルーセル7の外周端に沿って据え付けられ、カルーセル7によって、軸Bの周りに延びている円形経路Pに沿って、移載ステーション9、11、13を経由して移動させられる。
【0027】
図2と図3を参照すると、ユニット15はカルーセル7の水平回転テーブル14に固定され、軸B、C、D、Eに平行な個別の軸Fを持ち、回転テーブル14にある個別の穴(図示せず)を貫通して同軸状にテーブルの両側に延びている。
【0028】
それぞれのユニット15は投入ホイール8から関連するボトル3を、垂直状態すなわち個別の軸Fと同軸になっているボトルを受取り、移載ステーション9から移載ステーション13までの経路Pに沿ってボトル3をこの姿勢に保持するようになっている。
【0029】
ユニット15は互いに同じであるので、簡単かつ分かり易くするために以下の説明では1つについてだけ説明するが、以後述べる特徴はすべてのラベル貼付ユニット15に対して共通であることは明らかである。
【0030】
特にユニット15は、カルーセル7の回転テーブル14より上部において、関連するボトル3の底壁4を支持するように適合された支持アセンブリ17と、ボトル3の上部ネック5と連動するように適合された上部保持器18とを備える。
【0031】
特に支持アセンブリ17は、回転テーブル14の上部表面の関連する穴の周りに固定されている軸Fを持つ中空の支持架台20と、軸Fに対して摺動及び回転するように支持架台20と係合し、最上部において関連するボトル3を同軸状に、そして側壁24の外部表面上に関連するラベル2を担持するように適合された中空の円筒形受取部材22と、を備える。
【0032】
より具体的には、ボトル3は支持板21(図2及び図3ではおぼろげにしか見えない)上に載っていて、これは関連するベアリング(図からは見えない)を介在して受取部材22の上端で担持され、角度方向には受取部材22からは自由になっているため、軸Fを中心とする受取部材22の回転運動はボトル3には伝達されない。
【0033】
受取部材22は、関連する支持架台20の内部で完全後退位置と上昇位置(図2〜6、11)との間を軸Fに沿って移動することができる。
【0034】
完全後退位置において、受取部材22は関連する支持架台20の内部に完全に収納され、支持板21が支持架台20の最上面25と同一面となる。
【0035】
上昇位置において、受取部材22は支持架台20の最上面25から突き出し、その側壁24の外表面上に投入ドラム10からの関連するラベル2を受け取るようになっている。
【0036】
より具体的には、ラベル2は既知の方法で切断装置27(図1に概略のみ表示)によりウェブ26から切断され、投入ドラム10に供給されて、次いで上昇位置にある関連する受取部材22へ移載される。
【0037】
図2、3に示すように、切断されたラベル2は投入ドラム10の側面30に吸引によって保持され、実際には、投入ドラム10の側面30は所定数の、この実施形態では3つの吸引領域31に分割されており、それが軸Dの周りに等間隔で配置されて、そのそれぞれにはニューマチック吸引装置(それ自体は公知であり、図示せず)に接続された複数の貫通孔32があって、個別のラベル2と連動するようになっている。
【0038】
全く同じようにして(図2〜6、10)、受取部材22の側壁24には複数の貫通孔33が設けられていて、それがニューマチック吸引装置35(図4に概略のみ表示)に接続されて、その外表面に関連するラベル2を吸引によって保持するようになっている。
【0039】
移載ステーション11において、受取部材22は関連する軸Fを中心に回転して、投入ドラム10からの関連ラベル2を、側壁24の外表面上に完全に巻きつくようにすることができる。特に、投入ドラム10から供給される各ラベル2は、上昇位置にある関連の受取部材22の周りに巻きつけられて、対向する両側の垂直端部34が相互に重ね合わされた円筒が形成される。
【0040】
より具体的には、孔33は側壁24の所定部分36上にしかなく、以後これを“吸引部”と呼ぶが、これは、軸Fに直交する面に沿って円弧状の断面を有し、関連するラベル2のそれぞれの垂直端34に隣接する両垂直端部37と連動するような円周方向の大きさとなっている。
【0041】
より詳細には、受取部材22の側壁24の吸引部36は、弾性変形可能な垂直の帯状のパッド40によって明確に2つの垂直領域38と39に分割されており、関連するラベル2の両垂直端34がこのパッド上に重なり合って配置される。
【0042】
帯状パッド40は周知のように、接合装置44(それ自体は周知であり、図1に概略のみ示す)用のコントラスト要素を画定し、受取部材22の前面で受取部材よりも半径方向内側に配置されていて、関連ラベル2を円筒形とするためのラベルの重なり合った端部34の接合に適合するようになっている。
【0043】
したがって孔33は帯状パッド40の両側の領域38、39に沿って分布しており、受取部材22の内側を経由してニューマチック吸引装置35に接続されている。より具体的には、外部導管41(図4)によってニューマチック吸引装置35が支持架台20の上部42の内部空間に接続され、そこから受取部材22の内部に接続される。
【0044】
上記のことを考慮すると、受取部材22は、ユニット15のその他の部品と共に経路Pを移動するときに、ラベル貼付機1の、
ボトル3がユニット15に移載された後、軸Fに沿う完全後退位置から上昇位置への移動、
投入ドラム10から関連するラベル2を受取り、そのラベルを円筒形状に曲げるための、軸Fを中心とする回転移動、
−円筒形状に接合されたラベル2の中にボトル3を挿入するための、上昇位置から完全後退位置への移動、
という異なる運転ステップによって異なる運動をする。。
【0045】
これらの動きは基本的に、回転台14によって搬送されるアクチュエータアセンブリ45(図2、3に概略のみ表示)と、アクチュエータアセンブリ45によって駆動されて受取部材22と同軸状に連結された駆動シャフト46とを利用して得られる。
【0046】
特に、アクチュエータアセンブリ45は回転台14の下側に配置され、回転台14の底面に固定されている。
【0047】
駆動シャフト46は、受取部材22を貫通して同軸状に延伸し、実質的にリング形状をした支持要素49と、シーガーリングなどのような弾性リング50とによって、それぞれ受取部材の底部47と上部48に軸方向並びに回転方向に連結されている。
【0048】
特に支持要素49(図10〜12)は、駆動シャフト46の補完部分53を収納する軸方向鍵穴52をそなえた中央部分51と、周辺部分54とを含み、該周辺部分54は、受取部材22の底部47にある内側環状溝55に回転嵌合されており、また、いくつかの貫通開口すなわち窓56を備えていて、空気が軸Fに平行な方向に通るようになっている。
【0049】
弾性リング50は、受取部材22の上部48の内側環状溝57の内部に配置され、駆動シャフト46の外側に嵌合したスリーブ要素58の最上部と連動し、スリーブ要素58の底面は受取部材22の内側に突き出ている環状リブ59に当接する。
【0050】
上記の構成により、駆動シャフト46と受取部材22とが軸方向並びに回転方向に相互に連結され、その結果、アクチュエータアセンブリ45により駆動シャフト46へ伝達される任意の移動は、すべて受取部材22の対応する移動となる。
【0051】
有利なことには、ユニット15はさらに、中空の円筒形分配部材60を備え(図5〜12)、これは、受取部材22の内部に、ニューマチック吸引装置35と孔33との間の位置に同軸状に配置され、複数個の、ここに示した実施例では3個の、角度的に離間した開口領域61、62、63を持っており、この開口領域は、ユニット15と貼付機1とでの処理に適合した異なるラベル2の高さに関係する、軸F方向の異なる高さH1、H2、H3を持っている(図7〜9)。
【0052】
分配部材60は、受取部材22に対して軸Fを中心に回転して、複数の、この実施例では3個の異なる角度位置を取ることができ(図7〜9参照)、各角度位置は、選択された開口領域61、62、63を受取部材22の側壁24の吸引部36の正面に配置するように対応しており、選択された開口領域61、62、63に面する孔33のみが動作するようになっている。
【0053】
特に分配部材60は、受取部材22の内部で支持要素49と内部環状リブ59との間で軸方向に固定されており、また外側側面は受取部材22の側壁24の内側面に接触しており、その内側面に対して回転摺動することができる。
【0054】
好ましくは、各開口領域61、62、63が、軸Fに平行な2列に対として配置された4つの隣接する開口、すなわち小孔64を備えており、各列65の小孔64の全体高さは、関連する開口領域61、62、63の高さH1、H2、H3に対応している。特に各小孔64は軸F方向が軸Fを中心とする円周方向よりも長くなっている。開口領域61、62、63の内の1つが選択されると、関連する2つの列65の小孔64が、受取部材22の側壁24にある吸引部36の領域38、39のそれぞれと連動する。
【0055】
分かり易くするために、図7〜9において受取部材22と分配部材60を、3つの異なる角度位置で、平面状に展開したようにして示したが、この図から、分配部材60の軸Fに対する角度位置を選択することにより、選択された開口領域61、62、63に対向する受取部材22の孔33のみが作動させられる様子が明らかである。このようにして分配部材60を受取部材22に関して軸Fの周りで回転させるだけで、高さの違うラベル2を処理するための、ラベル貼付ユニット15の構成の変更が可能である。
【0056】
ユニット15はさらに、分配部材60を上記の各角度位置において受取部材22に連結するための、開放自在の締結手段70を備えている。
【0057】
特に開放自在の締結手段70は、受取部材22の上部48に軸Fを中心に互いに角度的に離間して設けられた複数(この実施例では3つ)の半径方向台座71と、1つの係合部材72とを備える。この係合部材は、分配部材60により担持され、かつ分配部材60の異なる角度位置の内の選択された1つを画定するために台座71の1つの係合位置に向かって弾性的に荷重をかけられる。
【0058】
より具体的には、図13に詳細を示すように、係合部材72は、分配部材60の半径方向台座に固定され、受取部材22の側壁24にその開放端が面している実質的にカップ型のハウジング73と、ハウジング73の開放端と係合するようになっている球形の連結ヘッド74と、連結ヘッド74とハウジング73の開放端とは反対側の端部壁との間にあって、連結ヘッド74に対してハウジング73から突き出る位置の方向へ押圧して、台座71の1つに係合させるようになっているらせん形ばね75と、を備えている。
【0059】
分配部材60にアクセスして軸Fを中心に回転させることができるために、受取部材22の側壁24の底部47には、軸Fから見た外周方向に細長く延びた貫通スロット76も設けられている。スロット76の高さにおいて、分配部材60にはいくつか(ここに示す例では6つ)の半径方向の穴78が設けられており、これは、分配部材60を軸Fを中心に回転させるために、受取部材22の外側からスロット76を介して好適なツール80(概略のみ図示)で係合できるようになっている。
【0060】
ここで図2と図3に戻ると、説明した支持アセンブリ17に対応する保持器18は、周知のようにカルーセル7の上部回転部82から垂直に突き出ていて、関連する軸Fに沿って移動可能であり、かつこの支持アセンブリ17によって担持されるボトル3の上部ネック5と連動するように適合されたベル型開放端部83をもった、円筒形の可動部材81を備えている。
【0061】
より具体的には、各可動部材81の移動は周知の方法で制御されて、移載ステーション9から移載ステーション13への経路Pの一部に沿って関連ユニット15が移動する間、その端部83と対応支持板21との間の距離が一定に保たれ、また移載ステーション9、13において、およびステーション13からステーション9への経路部分の間、その距離を増加させるようになっている。このようにしてボトル3はステーション9からステーション13へ移動する間はその垂直位置をしっかりと保持され、かつステーション9と13においてはそれぞれ投入ホイール8から、そして取り出しホイール12へ自由に移載される。
【0062】
貼付機1の最も重要な運転ステップ期間を、そのステップが実行される間の軸Bを中心とするカルーセル7の対応する回転角を示すことによって、図1に概略的に表したが、具体的には、角度aは、完全後退位置から上昇位置までの受取部材22の上昇運動を指し、角度βは、投入ドラム10から関連する受取部材22へのラベル移載を指し、角度γは、筒状ラベル2の重複端部34の接合動作を指し、及び角度dは、ボトル3を対応する筒状ラベル2の中に挿入する受取部材22の下降運動を指している。
【0063】
次に、貼付機1の運転を、1つのボトル3へのラベル貼付に関して、したがって1つの貼付ユニット15に関して説明し、そのユニット15の受取部材22が関連する支持架台20内の完全後退位置にあって、投入ホイール8からラベルの付いていないボトル3を受け取った時点について説明する。
【0064】
この状態では、ボトル3は、受取部材22によって担持されるプレート21の上に載っており、受取部材22と関連する上部保持器18との連合動作によって垂直位置に保持されている。
【0065】
その次の、ユニット15の経路Pに沿う移動(図1の角度a)の間、アクチュエータアセンブリ45が作動して駆動シャフト46を軸F沿い並びに軸Fを中心として移動させて、それに応じた、所望の上昇位置に向かう受取部材22の回転―並進運動が行われる。
【0066】
移載ステーション11において、投入ドラム10が、通過するステーションの受取部材22にラベル2を接触させるのに適合した軸Dの周りの角度位置に達し、この状態(角度β)で、この受取部材22(図3)の周りに公知の方法でラベル2を完全に取り囲むために、受取部材22の軸Fを中心とする純粋な回転運動が必要とされる。より具体的には、ラベル2は円筒形状となって、両端の垂直端34が帯状パッド40の上で互いに重なり合う。
【0067】
この時点で、接合装置44を起動することにより、ラベル2はその端部34に沿って接合可能となる(角度γ)。
【0068】
経路Pの最終部分(角度d)の間に、受取部材22は関連する支持架台20の中で完全後退位置に戻って、ボトル3を上記で形成された筒状ラベル2の中に挿入させなければならない。
【0069】
次にカルーセル7から出ていくボトル3に対して熱収縮工程(図示せず)を実行することができ、ラベル2を収縮させてボトルの外表面に接着させる。
【0070】
貼付機1で処理するラベル2の大きさを変更する必要がある場合、例えばそれまで処理していたラベルとは高さが違って、長さや直径は同じである新ラベル2へ移行する必要がある場合には、それぞれのユニット15に対して、所望の高さH1、H2、H3を持つ開口部61、62、63が受取部材22の関連する吸引部36の正面に配置される角度位置となるように関連の分配部材60を受取部材22に対して回転させるだけで十分である。この場合、分配部材60の選択された開口部61、62、63の外形線より外側にある、受取部材22の孔33は自動的に動作が停止される。
【0071】
分配部材60の所望の角度位置の選択は、関連する受取部材22の貫通スロット76にツール78を挿入して、分配部材60の1つの穴78に係合させ、かつ、その穴を押圧して分配部材60を回転させることにより達成され、このような動作を1回以上行うことによって軸Fに対する分配部材60の所望の角度位置が得られる。
【0072】
開放自在の締結手段70によって、受取部材22と関連する分配部材60を選択された角度位置に確実に回転結合できる。
【0073】
本発明によるラベル貼付ユニット15の利点は、上記の説明で明らかであろう。
【0074】
この新方式により、異なる高さのラベル2を処理するのに、部品交換をしないで、同一のラベル貼付ユニット15を利用できるようになり、特に、そのコストが考慮すべき重要なファクタである受取部材22は、1つのラベルフォーマットから別のラベルフォーマットにシフトするだけで、交換の必要がなくなり、かなりのコスト削減が可能となる。
【0075】
さらには、ラベルのフォーマットのシフトは、各分配部材60を関連する受取部材22に対して回転させるだけで実行でき、これは、ラベル貼付ユニットを分解して再組立てする操作に比べれば明らかに容易であり、かつ速い。
【0076】
本明細書で記述し説明したラベル貼付機1およびラベル貼付ユニット15は、添付の特許請求の範囲に規定される保護範囲から逸脱することなしに変更可能であることは明らかであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明はラベル、特に熱収縮性フィルムでできたラベルを、ビンや一般容器などの関連物品の上に貼付するユニットに関する。以下の説明においてはこのようなユニットを参照するが、これは添付の特許請求の範囲で規定する本発明の保護の範囲を制限することを意図するものではない。
【背景技術】
【0002】
周知の様に、ラベル貼付機はあらゆる種類の容器や物品にラベルを貼付するために使用される。典型的には、飲料用のボトルや容器に利用されるのは筒状のラベル(一般的には“スリーブラベル”と呼ばれている)であり、これは、
供給用ロールから巻き戻されたウェブを複数の長方形または正方形のラベルに切断し、
各ラベルを円筒状に曲げて、両側の垂直端が相互に重なるようにし、
各円筒ラベルの重なり合った端部を接合して、
得られる。
【0003】
ラベルを曲げて筒形状に接合し、この形成された筒状ラベルの中に容器の挿入を行う、特定のタイプのラベル貼付機が公知である。この種類の機械は基本的に、垂直軸の周りを回転するカルーセルを備えて円形経路を画定し、それに沿ってラベルの貼られていない容器、及びその次に長方形または正方形のラベルをそれぞれの投入ホイールから連続的に受取り、筒状のラベルをそれぞれの容器上に貼付して、ラベルが貼付された容器を出力ホイールへ放出する。
【0004】
より具体的には、カルーセルにはいくつかのラベル貼付ユニットがあり、それらが回転軸の周りに等間隔に配置されてカルーセルの外周端沿いに据え付けられ、回転軸によって上記の円形経路に沿って移動させられる。
【0005】
それぞれのラベル貼付ユニットには、関連容器の底壁を支持するための底部支持アセンブリと、カルーセルが垂直軸の周りを回転する間その容器の上部部分と連動して容器を垂直位置に保持するための上部保持器とが備えられている。
【0006】
それぞれの支持アセンブリには、カルーセルの回転枠の水平面に固定された垂直の中空支持架台と、その軸に関して摺動と回転可能に支持架台と係合し、関連容器をその最上面に、かつ関連ラベルをその側面に担持するようになっている円筒形受取部材とが備えられている。
【0007】
それぞれの受取部材は、関連する支持架台の内部で上昇位置と完全後退位置との間を移動することができる。
【0008】
上昇位置において、各受取部材は関連する支持架台の最上面から突き出て、その側面にラベル投入ホイールからの関連ラベルを受け取るようになっており、特にラベルは受取部材の周りを包み込んで、ラベルの両端の垂直端部同士が相互に重なり合うようにする。
【0009】
この包み込みを完全にするために、ラベルがラベル投入ホイールから移動する間、受取部材はその軸を中心に回転する。
【0010】
容器の投入ホイール位置と取出しホイール位置とにおいて達成される受取部材の完全後退位置では、それぞれの受取部材の最上面が支持架台の最上面と同じ高さとなり、同一の移動面に沿って容器をカルーセルとの間で受け渡しできる。
【0011】
筒状ラベルの重なり合った端部を接合した後、関連する受取部材を上昇位置から完全後退位置まで移動させることにより、関連容器がラベルの中に挿入され、得られた容器を取り出しホイールへ移動できる状態となる。
【0012】
それぞれのラベルは関連する受取部材の側面上に吸引されて保持され、特に、各受取部材の側面の少なくとも一部の領域には複数の孔が設けられ、これらはニューマチック吸引装置に接続されている。
【0013】
それらの領域は通常、上記の軸と平行な方向に、処理されるラベルの高さと相関のある広がりを持っている。
【0014】
このことは、ラベルの形状が少しでも変われば、必然的にラベル貼付機の全ての受取部材の交換を伴い、結果的に高い経費と、長期の分解および再組立て時間を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、上記の欠点を簡単かつ低コストで克服できるラベル貼付ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は請求項1に記載のラベル貼付ユニットによって達成される。
【0017】
次に、本発明の非制限的な実施形態を、添付の図面を参照しながら例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の教示による、複数のラベル貼付ユニットを備えたラベル貼付機の概略平面図であり、分かり易くするためにいくつかの部品を省略してある。
【図2】図1のラベル貼付機のラベル移載ステーション付近における、いくつかのラベル貼付ユニットの拡大斜視図である。
【図3】図1のラベル貼付機のラベル移載ステーション付近における、いくつかのラベル貼付ユニットの拡大斜視図である。
【図4】分かり易くするためにいくつかの部品を省略した状態で示した、本発明によるラベル貼付ユニットの拡大斜視図である。
【図5】分かり易くするためにいくつかの部品を省略し、一部断面で表した、本発明によるラベル貼付ユニットの別の拡大斜視図である。
【図6】分かり易くするためにいくつかの部品を省略した、図4および図5のラベル貼付ユニットの縮小正面図である。
【図7】図4、5のラベル貼付ユニットの詳細図である。これは異なる運転モードで表示されており、分かり易くするために平面上に展開した状態を示している。
【図8】図4、5のラベル貼付ユニットの詳細図である。これは異なる運転モードで表示されており、分かり易くするために平面上に展開した状態を示している。
【図9】図4、5のラベル貼付ユニットの詳細図である。これは異なる運転モードで表示されており、分かり易くするために平面上に展開した状態を示している。
【図10】図6の線X−Xに沿う断面の拡大図である。
【図11】図10の線XI−XIに沿う断面図である。
【図12】図11の線XII−XIIに沿う断面図である。
【図13】図12の詳細部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1の符号1は個別の物品、より具体的には容器、特に、それぞれが所与の長手軸Aを持ち、底部において軸Aに対して実質的に直交する底壁4に接合され、かつ軸Aに対して実質的に同軸である上部ネック5を有するボトル3に対して、ラベル2(図2、図3)を貼付するためのラベル貼付機の全体を示している。
【0020】
機械1は、ラベル2を筒状形状(図3)に曲げて接合し、かつその筒状ラベル2の中にボトル3を挿入するための、搬送装置を備える。
【0021】
図1〜3において示すような好適な実施形態において、搬送装置は、図1の面に直交するそれぞれの垂直軸Bの周りを連続的に(図1においては反時計方向に)回転するように据え付けられたカルーセル7を備えている。
【0022】
カルーセル7は投入ホイール8からラベル未貼付のボトル3を連続的に受け取り、投入ホイール8は第1の移載ステーション9においてカルーセル7と連動し、かつ、軸Bに平行な個別の長手軸Cを中心に連続回転するように取り付けられている。
【0023】
カルーセル7はまた、投入ドラム10から長方形あるいは正方形のラベル2を連続的に受け取り、投入ドラム10は第2の移載ステーション11においてカルーセル7と連動し、かつ、軸B、Cに平行な個別の長手軸Dを中心に連続回転するように取り付けられている。
【0024】
カルーセル7はラベルが貼付されたボトル3を取出しホイール12に対して連続的に放出し、取出しホイール12は第3の移載ステーション13においてカルーセル7と連動し、かつ、軸B、C、Dに平行な個別の長手軸Eを中心に連続回転するように取り付けられている。
【0025】
図1に示すように、移載ステーション11は、経路P沿いに、移載ステーション9より下流かつ移載ステーション13より上流に配置されている。
【0026】
カルーセル7は、いくつかの運転ユニットすなわちラベル貼付ユニット15を備えており、これらは軸Bの周りに等間隔に位置してカルーセル7の外周端に沿って据え付けられ、カルーセル7によって、軸Bの周りに延びている円形経路Pに沿って、移載ステーション9、11、13を経由して移動させられる。
【0027】
図2と図3を参照すると、ユニット15はカルーセル7の水平回転テーブル14に固定され、軸B、C、D、Eに平行な個別の軸Fを持ち、回転テーブル14にある個別の穴(図示せず)を貫通して同軸状にテーブルの両側に延びている。
【0028】
それぞれのユニット15は投入ホイール8から関連するボトル3を、垂直状態すなわち個別の軸Fと同軸になっているボトルを受取り、移載ステーション9から移載ステーション13までの経路Pに沿ってボトル3をこの姿勢に保持するようになっている。
【0029】
ユニット15は互いに同じであるので、簡単かつ分かり易くするために以下の説明では1つについてだけ説明するが、以後述べる特徴はすべてのラベル貼付ユニット15に対して共通であることは明らかである。
【0030】
特にユニット15は、カルーセル7の回転テーブル14より上部において、関連するボトル3の底壁4を支持するように適合された支持アセンブリ17と、ボトル3の上部ネック5と連動するように適合された上部保持器18とを備える。
【0031】
特に支持アセンブリ17は、回転テーブル14の上部表面の関連する穴の周りに固定されている軸Fを持つ中空の支持架台20と、軸Fに対して摺動及び回転するように支持架台20と係合し、最上部において関連するボトル3を同軸状に、そして側壁24の外部表面上に関連するラベル2を担持するように適合された中空の円筒形受取部材22と、を備える。
【0032】
より具体的には、ボトル3は支持板21(図2及び図3ではおぼろげにしか見えない)上に載っていて、これは関連するベアリング(図からは見えない)を介在して受取部材22の上端で担持され、角度方向には受取部材22からは自由になっているため、軸Fを中心とする受取部材22の回転運動はボトル3には伝達されない。
【0033】
受取部材22は、関連する支持架台20の内部で完全後退位置と上昇位置(図2〜6、11)との間を軸Fに沿って移動することができる。
【0034】
完全後退位置において、受取部材22は関連する支持架台20の内部に完全に収納され、支持板21が支持架台20の最上面25と同一面となる。
【0035】
上昇位置において、受取部材22は支持架台20の最上面25から突き出し、その側壁24の外表面上に投入ドラム10からの関連するラベル2を受け取るようになっている。
【0036】
より具体的には、ラベル2は既知の方法で切断装置27(図1に概略のみ表示)によりウェブ26から切断され、投入ドラム10に供給されて、次いで上昇位置にある関連する受取部材22へ移載される。
【0037】
図2、3に示すように、切断されたラベル2は投入ドラム10の側面30に吸引によって保持され、実際には、投入ドラム10の側面30は所定数の、この実施形態では3つの吸引領域31に分割されており、それが軸Dの周りに等間隔で配置されて、そのそれぞれにはニューマチック吸引装置(それ自体は公知であり、図示せず)に接続された複数の貫通孔32があって、個別のラベル2と連動するようになっている。
【0038】
全く同じようにして(図2〜6、10)、受取部材22の側壁24には複数の貫通孔33が設けられていて、それがニューマチック吸引装置35(図4に概略のみ表示)に接続されて、その外表面に関連するラベル2を吸引によって保持するようになっている。
【0039】
移載ステーション11において、受取部材22は関連する軸Fを中心に回転して、投入ドラム10からの関連ラベル2を、側壁24の外表面上に完全に巻きつくようにすることができる。特に、投入ドラム10から供給される各ラベル2は、上昇位置にある関連の受取部材22の周りに巻きつけられて、対向する両側の垂直端部34が相互に重ね合わされた円筒が形成される。
【0040】
より具体的には、孔33は側壁24の所定部分36上にしかなく、以後これを“吸引部”と呼ぶが、これは、軸Fに直交する面に沿って円弧状の断面を有し、関連するラベル2のそれぞれの垂直端34に隣接する両垂直端部37と連動するような円周方向の大きさとなっている。
【0041】
より詳細には、受取部材22の側壁24の吸引部36は、弾性変形可能な垂直の帯状のパッド40によって明確に2つの垂直領域38と39に分割されており、関連するラベル2の両垂直端34がこのパッド上に重なり合って配置される。
【0042】
帯状パッド40は周知のように、接合装置44(それ自体は周知であり、図1に概略のみ示す)用のコントラスト要素を画定し、受取部材22の前面で受取部材よりも半径方向内側に配置されていて、関連ラベル2を円筒形とするためのラベルの重なり合った端部34の接合に適合するようになっている。
【0043】
したがって孔33は帯状パッド40の両側の領域38、39に沿って分布しており、受取部材22の内側を経由してニューマチック吸引装置35に接続されている。より具体的には、外部導管41(図4)によってニューマチック吸引装置35が支持架台20の上部42の内部空間に接続され、そこから受取部材22の内部に接続される。
【0044】
上記のことを考慮すると、受取部材22は、ユニット15のその他の部品と共に経路Pを移動するときに、ラベル貼付機1の、
ボトル3がユニット15に移載された後、軸Fに沿う完全後退位置から上昇位置への移動、
投入ドラム10から関連するラベル2を受取り、そのラベルを円筒形状に曲げるための、軸Fを中心とする回転移動、
−円筒形状に接合されたラベル2の中にボトル3を挿入するための、上昇位置から完全後退位置への移動、
という異なる運転ステップによって異なる運動をする。。
【0045】
これらの動きは基本的に、回転台14によって搬送されるアクチュエータアセンブリ45(図2、3に概略のみ表示)と、アクチュエータアセンブリ45によって駆動されて受取部材22と同軸状に連結された駆動シャフト46とを利用して得られる。
【0046】
特に、アクチュエータアセンブリ45は回転台14の下側に配置され、回転台14の底面に固定されている。
【0047】
駆動シャフト46は、受取部材22を貫通して同軸状に延伸し、実質的にリング形状をした支持要素49と、シーガーリングなどのような弾性リング50とによって、それぞれ受取部材の底部47と上部48に軸方向並びに回転方向に連結されている。
【0048】
特に支持要素49(図10〜12)は、駆動シャフト46の補完部分53を収納する軸方向鍵穴52をそなえた中央部分51と、周辺部分54とを含み、該周辺部分54は、受取部材22の底部47にある内側環状溝55に回転嵌合されており、また、いくつかの貫通開口すなわち窓56を備えていて、空気が軸Fに平行な方向に通るようになっている。
【0049】
弾性リング50は、受取部材22の上部48の内側環状溝57の内部に配置され、駆動シャフト46の外側に嵌合したスリーブ要素58の最上部と連動し、スリーブ要素58の底面は受取部材22の内側に突き出ている環状リブ59に当接する。
【0050】
上記の構成により、駆動シャフト46と受取部材22とが軸方向並びに回転方向に相互に連結され、その結果、アクチュエータアセンブリ45により駆動シャフト46へ伝達される任意の移動は、すべて受取部材22の対応する移動となる。
【0051】
有利なことには、ユニット15はさらに、中空の円筒形分配部材60を備え(図5〜12)、これは、受取部材22の内部に、ニューマチック吸引装置35と孔33との間の位置に同軸状に配置され、複数個の、ここに示した実施例では3個の、角度的に離間した開口領域61、62、63を持っており、この開口領域は、ユニット15と貼付機1とでの処理に適合した異なるラベル2の高さに関係する、軸F方向の異なる高さH1、H2、H3を持っている(図7〜9)。
【0052】
分配部材60は、受取部材22に対して軸Fを中心に回転して、複数の、この実施例では3個の異なる角度位置を取ることができ(図7〜9参照)、各角度位置は、選択された開口領域61、62、63を受取部材22の側壁24の吸引部36の正面に配置するように対応しており、選択された開口領域61、62、63に面する孔33のみが動作するようになっている。
【0053】
特に分配部材60は、受取部材22の内部で支持要素49と内部環状リブ59との間で軸方向に固定されており、また外側側面は受取部材22の側壁24の内側面に接触しており、その内側面に対して回転摺動することができる。
【0054】
好ましくは、各開口領域61、62、63が、軸Fに平行な2列に対として配置された4つの隣接する開口、すなわち小孔64を備えており、各列65の小孔64の全体高さは、関連する開口領域61、62、63の高さH1、H2、H3に対応している。特に各小孔64は軸F方向が軸Fを中心とする円周方向よりも長くなっている。開口領域61、62、63の内の1つが選択されると、関連する2つの列65の小孔64が、受取部材22の側壁24にある吸引部36の領域38、39のそれぞれと連動する。
【0055】
分かり易くするために、図7〜9において受取部材22と分配部材60を、3つの異なる角度位置で、平面状に展開したようにして示したが、この図から、分配部材60の軸Fに対する角度位置を選択することにより、選択された開口領域61、62、63に対向する受取部材22の孔33のみが作動させられる様子が明らかである。このようにして分配部材60を受取部材22に関して軸Fの周りで回転させるだけで、高さの違うラベル2を処理するための、ラベル貼付ユニット15の構成の変更が可能である。
【0056】
ユニット15はさらに、分配部材60を上記の各角度位置において受取部材22に連結するための、開放自在の締結手段70を備えている。
【0057】
特に開放自在の締結手段70は、受取部材22の上部48に軸Fを中心に互いに角度的に離間して設けられた複数(この実施例では3つ)の半径方向台座71と、1つの係合部材72とを備える。この係合部材は、分配部材60により担持され、かつ分配部材60の異なる角度位置の内の選択された1つを画定するために台座71の1つの係合位置に向かって弾性的に荷重をかけられる。
【0058】
より具体的には、図13に詳細を示すように、係合部材72は、分配部材60の半径方向台座に固定され、受取部材22の側壁24にその開放端が面している実質的にカップ型のハウジング73と、ハウジング73の開放端と係合するようになっている球形の連結ヘッド74と、連結ヘッド74とハウジング73の開放端とは反対側の端部壁との間にあって、連結ヘッド74に対してハウジング73から突き出る位置の方向へ押圧して、台座71の1つに係合させるようになっているらせん形ばね75と、を備えている。
【0059】
分配部材60にアクセスして軸Fを中心に回転させることができるために、受取部材22の側壁24の底部47には、軸Fから見た外周方向に細長く延びた貫通スロット76も設けられている。スロット76の高さにおいて、分配部材60にはいくつか(ここに示す例では6つ)の半径方向の穴78が設けられており、これは、分配部材60を軸Fを中心に回転させるために、受取部材22の外側からスロット76を介して好適なツール80(概略のみ図示)で係合できるようになっている。
【0060】
ここで図2と図3に戻ると、説明した支持アセンブリ17に対応する保持器18は、周知のようにカルーセル7の上部回転部82から垂直に突き出ていて、関連する軸Fに沿って移動可能であり、かつこの支持アセンブリ17によって担持されるボトル3の上部ネック5と連動するように適合されたベル型開放端部83をもった、円筒形の可動部材81を備えている。
【0061】
より具体的には、各可動部材81の移動は周知の方法で制御されて、移載ステーション9から移載ステーション13への経路Pの一部に沿って関連ユニット15が移動する間、その端部83と対応支持板21との間の距離が一定に保たれ、また移載ステーション9、13において、およびステーション13からステーション9への経路部分の間、その距離を増加させるようになっている。このようにしてボトル3はステーション9からステーション13へ移動する間はその垂直位置をしっかりと保持され、かつステーション9と13においてはそれぞれ投入ホイール8から、そして取り出しホイール12へ自由に移載される。
【0062】
貼付機1の最も重要な運転ステップ期間を、そのステップが実行される間の軸Bを中心とするカルーセル7の対応する回転角を示すことによって、図1に概略的に表したが、具体的には、角度aは、完全後退位置から上昇位置までの受取部材22の上昇運動を指し、角度βは、投入ドラム10から関連する受取部材22へのラベル移載を指し、角度γは、筒状ラベル2の重複端部34の接合動作を指し、及び角度dは、ボトル3を対応する筒状ラベル2の中に挿入する受取部材22の下降運動を指している。
【0063】
次に、貼付機1の運転を、1つのボトル3へのラベル貼付に関して、したがって1つの貼付ユニット15に関して説明し、そのユニット15の受取部材22が関連する支持架台20内の完全後退位置にあって、投入ホイール8からラベルの付いていないボトル3を受け取った時点について説明する。
【0064】
この状態では、ボトル3は、受取部材22によって担持されるプレート21の上に載っており、受取部材22と関連する上部保持器18との連合動作によって垂直位置に保持されている。
【0065】
その次の、ユニット15の経路Pに沿う移動(図1の角度a)の間、アクチュエータアセンブリ45が作動して駆動シャフト46を軸F沿い並びに軸Fを中心として移動させて、それに応じた、所望の上昇位置に向かう受取部材22の回転―並進運動が行われる。
【0066】
移載ステーション11において、投入ドラム10が、通過するステーションの受取部材22にラベル2を接触させるのに適合した軸Dの周りの角度位置に達し、この状態(角度β)で、この受取部材22(図3)の周りに公知の方法でラベル2を完全に取り囲むために、受取部材22の軸Fを中心とする純粋な回転運動が必要とされる。より具体的には、ラベル2は円筒形状となって、両端の垂直端34が帯状パッド40の上で互いに重なり合う。
【0067】
この時点で、接合装置44を起動することにより、ラベル2はその端部34に沿って接合可能となる(角度γ)。
【0068】
経路Pの最終部分(角度d)の間に、受取部材22は関連する支持架台20の中で完全後退位置に戻って、ボトル3を上記で形成された筒状ラベル2の中に挿入させなければならない。
【0069】
次にカルーセル7から出ていくボトル3に対して熱収縮工程(図示せず)を実行することができ、ラベル2を収縮させてボトルの外表面に接着させる。
【0070】
貼付機1で処理するラベル2の大きさを変更する必要がある場合、例えばそれまで処理していたラベルとは高さが違って、長さや直径は同じである新ラベル2へ移行する必要がある場合には、それぞれのユニット15に対して、所望の高さH1、H2、H3を持つ開口部61、62、63が受取部材22の関連する吸引部36の正面に配置される角度位置となるように関連の分配部材60を受取部材22に対して回転させるだけで十分である。この場合、分配部材60の選択された開口部61、62、63の外形線より外側にある、受取部材22の孔33は自動的に動作が停止される。
【0071】
分配部材60の所望の角度位置の選択は、関連する受取部材22の貫通スロット76にツール78を挿入して、分配部材60の1つの穴78に係合させ、かつ、その穴を押圧して分配部材60を回転させることにより達成され、このような動作を1回以上行うことによって軸Fに対する分配部材60の所望の角度位置が得られる。
【0072】
開放自在の締結手段70によって、受取部材22と関連する分配部材60を選択された角度位置に確実に回転結合できる。
【0073】
本発明によるラベル貼付ユニット15の利点は、上記の説明で明らかであろう。
【0074】
この新方式により、異なる高さのラベル2を処理するのに、部品交換をしないで、同一のラベル貼付ユニット15を利用できるようになり、特に、そのコストが考慮すべき重要なファクタである受取部材22は、1つのラベルフォーマットから別のラベルフォーマットにシフトするだけで、交換の必要がなくなり、かなりのコスト削減が可能となる。
【0075】
さらには、ラベルのフォーマットのシフトは、各分配部材60を関連する受取部材22に対して回転させるだけで実行でき、これは、ラベル貼付ユニットを分解して再組立てする操作に比べれば明らかに容易であり、かつ速い。
【0076】
本明細書で記述し説明したラベル貼付機1およびラベル貼付ユニット15は、添付の特許請求の範囲に規定される保護範囲から逸脱することなしに変更可能であることは明らかであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連する物品(3)に貼付されるラベル(2)を受け取るために所与の経路(P)に沿って移動可能なラベル貼付ユニット(15)であって、
関連するラベル(2)を受け取るように適合された側壁(24)を持ち、前記経路(P)に直交する軸(F)の周りに延在し、かつ貫通孔(33)が設けられた吸引部(36)を備える、中空の受取部材(22)と、
前記受取部材(22)の内部を通って前記孔(33)に接続され、前記受取部材(22)の側壁(24)の外表面上にラベル(2)を吸引によって保持するように動作可能な、吸引用ニューマチック装置(35)と、
を備え、
前記受取部材(22)の内部で、前記吸引装置(35)と前記孔(33)との間の位置に同軸状に配置され、前記ユニット(15)によって処理される異なるラベル(2)の高さに相関した異なる高さ(H1、H2、H3)を前記軸(F)と平行な方向に有する、少なくとも2つの角度的に離間した開口部(61、62、63)を備え、前記受取部材(22)に対して前記軸(F)を中心に少なくとも2つの異なる角度位置に回転可能であり、該回転位置のそれぞれは前記開口部(61、62、63)の1つを前記受取部材(22)の前記側壁(24)にある前記吸引部(36)の正面に配置するように対応していて、それによって前記選択された開口部(61、62、63)に対向する孔(33)のみが作動するようになっている、中空の分配部材(60)をさらに備えることを特徴とする、ラベル貼付ユニット。
【請求項2】
前記分配部材(60)を前記選択された1つの角度位置において前記受取部材(22)に連結するための開放自在の締結手段(70)をさらに備える、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記開放自在の締結手段(70)は、
前記受取部材(22)と前記分配部材(60)の一方に設けられ、前記軸(F)の周りに角度的に相互に離間した、少なくとも2つの半径方向台座(71)と、
前記受取部材(22)と前記分配部材(60)のもう一方により担持され、かつ前記分配部材(60)の前記角度位置の選択された1つを画定するために前記台座(71)の1つとの係合位置に向かって弾性的に荷重が掛けられている、少なくとも1つの係合部材(72)と、
を備える、請求項2に記載のユニット。
【請求項4】
前記受取部材(22)の前記側壁(24)は、前記軸(F)に関する周方向に細長く、かつ前記分配部材(60)を前記軸(F)を中心に回転させるためにアクセス可能となっている貫通スロット(76)を備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項5】
前記開口部(61、62、63)のそれぞれは、いくつかの隣接する小孔(64)を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項6】
前記分配部材(60)は、前記受取部材(22)の側壁(24)の内部表面に接する外側側面を有し、前記側壁(24)上を回転摺動可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項7】
前記受取部材(22)は、その最上部に関連する物品(3)を担持し、中空の支持架台(20)によって前記軸(F)に関して摺動と回転をするように支持され、前記ユニット(15)は、前記受取部材(22)が軸方向に前記支持架台(20)から突出し、前記物品(3)をその最上部に受け、かつ筒形状をした前記ラベル(2)を前記側壁(24)に受けるように適合された上昇位置と、前記受取部材(22)が前記支持架台(20)の内部に格納されて、前記筒形状に接合された前記ラベル(2)の中に前記物品(3)を挿入させる後退位置との間を、前記受取部材(22)を前記軸(F)に沿って移動させるアクチュエータ手段(45)をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項1】
関連する物品(3)に貼付されるラベル(2)を受け取るために所与の経路(P)に沿って移動可能なラベル貼付ユニット(15)であって、
関連するラベル(2)を受け取るように適合された側壁(24)を持ち、前記経路(P)に直交する軸(F)の周りに延在し、かつ貫通孔(33)が設けられた吸引部(36)を備える、中空の受取部材(22)と、
前記受取部材(22)の内部を通って前記孔(33)に接続され、前記受取部材(22)の側壁(24)の外表面上にラベル(2)を吸引によって保持するように動作可能な、吸引用ニューマチック装置(35)と、
を備え、
前記受取部材(22)の内部で、前記吸引装置(35)と前記孔(33)との間の位置に同軸状に配置され、前記ユニット(15)によって処理される異なるラベル(2)の高さに相関した異なる高さ(H1、H2、H3)を前記軸(F)と平行な方向に有する、少なくとも2つの角度的に離間した開口部(61、62、63)を備え、前記受取部材(22)に対して前記軸(F)を中心に少なくとも2つの異なる角度位置に回転可能であり、該回転位置のそれぞれは前記開口部(61、62、63)の1つを前記受取部材(22)の前記側壁(24)にある前記吸引部(36)の正面に配置するように対応していて、それによって前記選択された開口部(61、62、63)に対向する孔(33)のみが作動するようになっている、中空の分配部材(60)をさらに備えることを特徴とする、ラベル貼付ユニット。
【請求項2】
前記分配部材(60)を前記選択された1つの角度位置において前記受取部材(22)に連結するための開放自在の締結手段(70)をさらに備える、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記開放自在の締結手段(70)は、
前記受取部材(22)と前記分配部材(60)の一方に設けられ、前記軸(F)の周りに角度的に相互に離間した、少なくとも2つの半径方向台座(71)と、
前記受取部材(22)と前記分配部材(60)のもう一方により担持され、かつ前記分配部材(60)の前記角度位置の選択された1つを画定するために前記台座(71)の1つとの係合位置に向かって弾性的に荷重が掛けられている、少なくとも1つの係合部材(72)と、
を備える、請求項2に記載のユニット。
【請求項4】
前記受取部材(22)の前記側壁(24)は、前記軸(F)に関する周方向に細長く、かつ前記分配部材(60)を前記軸(F)を中心に回転させるためにアクセス可能となっている貫通スロット(76)を備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項5】
前記開口部(61、62、63)のそれぞれは、いくつかの隣接する小孔(64)を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項6】
前記分配部材(60)は、前記受取部材(22)の側壁(24)の内部表面に接する外側側面を有し、前記側壁(24)上を回転摺動可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のユニット。
【請求項7】
前記受取部材(22)は、その最上部に関連する物品(3)を担持し、中空の支持架台(20)によって前記軸(F)に関して摺動と回転をするように支持され、前記ユニット(15)は、前記受取部材(22)が軸方向に前記支持架台(20)から突出し、前記物品(3)をその最上部に受け、かつ筒形状をした前記ラベル(2)を前記側壁(24)に受けるように適合された上昇位置と、前記受取部材(22)が前記支持架台(20)の内部に格納されて、前記筒形状に接合された前記ラベル(2)の中に前記物品(3)を挿入させる後退位置との間を、前記受取部材(22)を前記軸(F)に沿って移動させるアクチュエータ手段(45)をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載のユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12−13】
【公表番号】特表2013−514950(P2013−514950A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545527(P2012−545527)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/IT2009/000573
【国際公開番号】WO2011/077465
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(511268708)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/IT2009/000573
【国際公開番号】WO2011/077465
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(511268708)
【Fターム(参考)】
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