説明

防振ユニット、及び防振ユニットの組立方法

【課題】FPCの変形に伴う抵抗によって撮像素子の位置や傾きが変動することを抑える防振ユニット、及び防振ユニットの組立方法を提供する。
【解決手段】ユニットベースと、ユニットベースに収容された撮像素子と、撮像素子に接続されたフレキシブルプリント基板と、ユニットベースにスライド可能に保持され、撮像素子を固定するホルダと、を備える防振ユニットであって、フレキシブルプリント基板が、ユニットベースと第1の取付け部で貼り合わされ、ホルダと第2の取付け部で貼り合わされ、前記フレキシブルプリント基板の、前記第1の取付け部から前記撮像素子まで延設された部分において、第2の取付け部の位置が、第1の取付け部の位置と、撮像素子の位置との間である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防振ユニット、及び防振ユニットの組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置には、手ブレ等による撮影画像の乱れ(像ブレ)を抑制するために防振ユニットが搭載されている。
【0003】
防振ユニットには、補正レンズを動かすことにより光軸を補正するレンズシフト方式と、CCDイメージセンサ等の撮像素子を手ブレに応じて移動させることによって光軸を撮像素子の撮像面に合わせるセンサシフト方式とがある。
【0004】
センサシフト方式の防振ユニットには、撮像素子と外部回路とを接続する接続線に撮像素子の変位に対応可能なフレキシブルプリント基板(FPC)を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の防振ユニットは、撮像素子を変位する駆動部の2つのコイルが、FPCの捩れ角変形に伴う抵抗変動の影響を受けないように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−58090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FPCを備える防振ユニットにおいて、防振ユニットの製造工程では、典型的には、撮像素子と接続線であるFPCとを一体に組み付けた後、撮像素子を撮像素子ホルダに固定する。そして、撮像素子の撮像面を基準面に合わせる調整を行なう。このとき、FPCの変形に伴う抵抗によって撮像素子が変位することによって、撮像面が基準面に対して調整された位置からずれてしまう虞がある。
【0007】
特許文献1に記載された防振ユニットでは、FPCの変形に伴う抵抗を完全に無くすことは困難であり、撮像素子に傾きなどが生じて、基準面に対する位置がずれることを十分に抑えられない虞がある。
【0008】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、FPCの変形に伴う抵抗によって撮像素子の位置や傾きが変動することを抑える防振ユニット、及び防振ユニットの組立方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)ユニットベースと、
前記ユニットベースに収容された撮像素子と、
前記撮像素子に接続されたフレキシブルプリント基板と、
前記ユニットベースにスライド可能に保持され、前記撮像素子を固定するホルダと、を備える防振ユニットであって、
前記フレキシブルプリント基板が、前記ユニットベースと第1の取付け部で貼り合わされ、前記ホルダと第2の取付け部で貼り合わされ、前記フレキシブルプリント基板の、前記第1の取付け部から前記撮像素子まで延設された部分において、前記第2の取付け部の位置が、前記第1の取付け部の位置と、前記撮像素子の位置との間である防振ユニット。
(2)ユニットベースと、
前記ユニットベースに収容される撮像素子と、
前記撮像素子に接続されたフレキシブルプリント基板と、
前記ユニットベースにスライド可能に保持され、前記撮像素子を固定するホルダと、を備える防振ユニットの組立方法であって、
前記フレキシブルプリント基板を前記ユニットベースと第1の取付け部で貼り合わせ、前記フレキシブルプリント基板を、前記フレキシブルプリント基板の、前記第1の取付け部から前記撮像素子まで延設された部分において前記第1の取付け部と前記撮像素子との間に位置する第2の取付け部で貼り合わせ、その後、前記撮像素子を前記ホルダに固定する防振ユニットの組立方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、FPCの変形に伴う抵抗によって撮像素子の位置や傾きが変動することを抑える防振ユニット、及び防振ユニットの組立方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の一例を模式的に示す図である。
【図2】図1の撮像装置の鏡胴ユニット及び防振ユニットの外観を示す図である。
【図3】図1の撮像装置の防振ユニットの外観を示す図である。
【図4】図1の撮像装置の防振ユニットを分解して示す図である。
【図5】図3における防振ユニットのV−V線断面を示す図である。
【図6】図3の防振ユニットにおける、ホルダ周辺の構成を示す図です。
【図7】図3の防振ユニットにおけるFPCとホルダを貼り合わせる位置を模式的に示す図である。
【図8】図3の防振ユニットの変形例におけるFPCとホルダを貼り合わせる位置を模式的に示す図である。
【図9】図3の防振ユニットの変形例におけるFPCとホルダを貼り合わせる位置を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施形態を説明するための、撮像装置の一例を模式的に示す。
【0013】
図1に示す撮像装置は、デジタルカメラである。以下、カメラ1という。カメラ1は、入射光を結像させる光学系を有する鏡胴ユニット2と、鏡胴ユニット2の光学系によって形成される像を撮像する撮像素子を有する防振ユニット3と、鏡胴ユニット2及び防振ユニット3を収納する筐体4とを備えている。防振ユニット3は、撮像素子を移動させることによって像ブレを補正する。
【0014】
鏡胴ユニット2の光学系は、いわゆる屈曲光学系であり、Y方向に延びる第1の光軸A1に沿って入射する入射光を屈曲させ、Z方向に延びる第2の光軸A2に沿って導光し、防振ユニット3の撮像素子上に結像させる。
【0015】
防振ユニット3は、筐体4の底部に沿って配置されている。
【0016】
図2は、鏡胴ユニット2及び防振ユニット3の外観を示す。
【0017】
鏡胴ユニット2は、上記の光学系と、この光学系を収納する鏡胴10とを有している。光学系は、例えば、筐体4の外部に露呈するレンズL1及びレンズに入射した光を屈曲させるプリズム(図示せず)を含む対物系、フォーカシング系、ズーミング系、補正系、等の複数のレンズ群によって構成される。
【0018】
防振ユニット3は、その外殻を構成するカバー24に設けられた複数の係合部24aを鏡胴10の出射側端部に係合させ、鏡胴ユニット2に組み付けられている。
【0019】
図3は防振ユニット3の外観を示し、図4は、防振ユニット3を分解して示し、図5は防振ユニット3の断面を示す。図6は、FPC、及び支持機構及びユニットベースの組み合わせ体をZ方向に見た状態を示す斜視図である。
【0020】
防振ユニット3は、鏡胴ユニット2の光学系によって形成される像を撮像する撮像素子20と、上記の光学系の第2の光軸A2(図1参照)と直交する面(XY平面)内において撮像素子20を移動自在に支持する支持機構と、支持機構を移動させることによって撮像素子20を移動させる磁気駆動部22と、支持機構及び磁気駆動部22を保持するユニットベース23と、ユニットの外殻を構成するカバー24とを有している。
【0021】
上記の支持機構は、X方向に平行に延在し、ユニットベース23に固定された一対の第1のガイド軸31a,31bと、スライダ32と、Y方向に平行に延在する一対の第2のガイド軸33a,33bが固定されたホルダ34とを有している。撮像素子20は、ホルダ34に取り付けられている。
【0022】
スライダ32は、第1のガイド軸31a,31bに摺動可能に係合しており、これら第1のガイド軸31a,31bが固定されたユニットベース23に対して、X方向に移動自在に支持されている。また、スライダ32は、第2のガイド軸33a,33bに摺動可能に係合しており、第2のガイド軸33a,33bが固定されたホルダ34は、スライダ32に対してY方向に移動自在に支持されている。ユニットベース23に対するスライダ32のX方向の移動、及びスライダ32に対するホルダ34のY方向の移動の組み合わせにより、ホルダ34に取り付けられた撮像素子20は、XY平面内において移動自在となっている。
【0023】
磁気駆動部22は、ホルダ34をX方向に移動させるための第1の駆動部40と、ホルダ34をY方向に移動させるための第2の駆動部41とを有している。第1の駆動部40は、マグネット42及びコイル43、並びにマグネット42の磁界を検出するホール素子44によって構成されている。第2の駆動部41も同様に、マグネット45及びコイル46、並びにマグネット45の磁界を検出するホール素子47によって構成されている。
【0024】
第1の駆動部40において、マグネット42は、ホルダ34に取り付けられており、ホルダ34と共に移動する。コイル43は、マグネット42の上側にあってマグネット42に対向して配置されており、ユニットベース23に固定されている。ホール素子44は、マグネット42の下側にあってマグネット42に対向して配置されており、保持板48を介してユニットベース23に固定されている。
【0025】
コイル43に電流が供給されると、コイル43によって磁界が形成され、コイル43の磁界とマグネット42の磁界との間に作用する引力又は斥力によって、ホルダ34はX方向に移動される。ホルダ34のX方向の移動に伴い、ホール素子44の位置におけるマグネット42の磁界が変化し、この磁界の変化はホール素子44によって検出される。ホール素子44により検出された磁界の変化に基づき、制御部(図示せず)によってコイル43に供給される電流が制御され、それによりホルダ34のX方向の移動が制御される。
【0026】
同様に、第2の駆動部41において、マグネット45は、ホルダ34に取り付けられており、ホルダ34と共に移動する。コイル46は、マグネット45の上側にあってマグネット45に対向して配置され、ユニットベース23に固定されている。ホール素子47は、マグネット45の下側にあって、保持板48を介してユニットベース23に固定されている。
【0027】
コイル46に電流が供給されると、コイル46によって磁界が形成され、コイル46の磁界とマグネット45の磁界との間に作用する引力又は斥力によって、ホルダ34はY方向に移動される。ホルダ34のY方向の移動に伴い、ホール素子47の位置におけるマグネット45の磁界が変化し、この磁界の変化はホール素子47によって検出される。ホール素子47により検出された磁界の変化に基づき、制御部(図示せず)によってコイル46に供給される電流が制御され、それによりホルダ34のY方向の移動が制御される。
【0028】
上述のように、第1の駆動部40及び第2の駆動部41のいずれにおいても、コイル、マグネット、ホール素子がこの順に一列に並んで配置されており、コイルによる駆動とホール素子による磁界検出とでマグネットが共用されており、駆動部の小型化が図られている。
【0029】
第1の駆動部40及び第2の駆動部41は、撮像素子20と共にX方向に並んで配置されている。それにより、カメラ1の厚み方向に相当するY方向に関して、防振ユニット3の小型化が図られている。なお、第1の駆動部40及び第2の駆動部41は、撮像素子20を間に挟むように、撮像素子20の両側にそれぞれ配置されてもよいが、図示の例では、撮像素子20に対して同じ側に配置されている。
【0030】
撮像素子20は、FPC25の端部に実装されている。撮像素子20が実装される面とは反対側のFPC25の裏面において撮像素子20と重なる箇所には、保持板26が設けられている。この保持板26は、撮像素子20をホルダ34に取り付ける際の把持部として機能すると共に、カメラ1が落下した際などに撮像素子20に作用する衝撃を緩和する緩衝材としても機能する。
【0031】
FPC25は、第1の駆動部40及び第2の駆動部41並びに撮像素子20が並ぶX方向に延在し、防振ユニット3のX方向の端部に位置する折り曲げ部25Aにおいて略90度にZ方向に折り返され、その後、後述するように第1の取付け部25aでY方向に平行な線で2回折り返され、更にX方向に平行な線で1回折り返される。そして、FPCはこのように適宜折り返され、制御部(図示せず)に接続されている。FPC25は、折り曲げ部25Aと撮像素子20が実装されている部分との間は、折り曲げ部等が存在せず、ほぼ平坦部である。
【0032】
特に、図示の例のように、第1の駆動部40及び第2の駆動部41が、撮像素子20に対して同じ側に配置されている場合に、FPC25のX方向に沿う配線長さを十分に確保することができる。それにより、撮像素子20のY方向の移動に追従する際の撓みに起因してFPC25の各部に作用する応力を緩和することができる。
【0033】
また、FPC25は、ユニットベース23と、ホルダ34とのそれぞれに接着されている。ここで、FPC25において、ユニットベース23と貼り合わされている部分を第1の取付け部25aとし、ホルダ34と貼り合わされている部分を第2の取付け部25bとする。
【0034】
第1の取付け部25aは、図5に見られるようにU字形状に折り曲げた部分の、Z方向に垂直な面であり、かかる面でユニットベース23におけるZ方向に垂直な面に面接触している。なお、FPC25における第1の取付け部25aの位置は適宜変更可能であり、上述の構成に限定されない。例えば、第1の取付け部25aは、ユニットベース23に固定することができれば、ユニットベース23においけるX方向に垂直な面やY方向に垂直な面に面接触するように設けられていても良い。例えば、第1の取付け部25aは、FPC25の制御部(図示せず)に接続される側の端部に設けられていて良い。
【0035】
第2の取付け部25bは、ホルダ34におけるZ方向に対して垂直な面34bに面接触している。この面34bの面積の大きさは、FPC25とホルダ34とを固定することができる範囲で十分な大きさとすれば良い。
【0036】
防振ユニット3は、撮像素子20をスライドさせる方向(図5ではX方向)において、第2の取付け部25bの位置が、第1の取付け部25aの位置と、撮像素子20の位置との間である。また、言い換えると、第2の取付け部25bの位置は、FPC25の、第1の取付け部25aから撮像素子20まで延設された部分において、第1の取付け部25aの位置と、撮像素子20の位置との間であれば良い。
【0037】
次に、上述した防振ユニットの組み合わせ手順について説明する。
先ず、ユニットベース23にホルダ34を含む支持機構を取り付ける。その後、撮像素子20をホルダ34へ取り付ける前に、撮像素子20が実装されたFPC25の第1の取付け部25aをユニットベース23に取り付ける。続いて、FPC25の第2の取付け部25bをホルダ34の面34bに取り付ける。このとき、FPC25の第1の取付け部25aから撮像素子20まで延設された部分において、第2の取付け部25bの位置が、第1の取付け部25aの位置と、撮像素子20の位置との間である。
【0038】
FPC25をユニットベース23及びホルダ34に取り付けた後、FPC25に実装された撮像素子20をホルダ34へ取り付ける。ホルダ34への撮像素子20の取り付けは、例えば空中接着によって行われ、具体的には、適宜な治具を用いて保持板26を把持し、ホルダ34を含む上記の支持機構がユニットベース23に保持された状態で、X、Y、Zの各軸方向の撮像素子20の位置及び各軸まわりの撮像素子20の角度が調整され、これらの調整がなされた状態で撮像素子20はホルダ34に接着される。
【0039】
FPC25には、折り曲げ等の変形に伴う抵抗によって撮像素子20の位置や傾きを変動する力が生じる。そこで、この防振ユニット3の組立方法においては、FPC25がユニットベース23とホルダ34に予め取り付けられているため、撮像素子20をホルダ34に取り付ける際には、撮像素子20がFPC25による変動による影響を受けている状態である。このため、撮像素子20をホルダ34に取り付ける際に撮像素子20の位置や傾きを調整すれば、防振ユニット3を組み立てた後で、FPC25の変形に伴う抵抗によって撮像素子の位置や傾きが変動することを抑えられる。また、第2の取付け部25bと撮像素子20は、同じホルダ34に固定されるため、第1の取付け部25aと第2の取付け部25bとの間のFPC25がどのような形状であっても、その形状による変動の影響が調整された後の撮像素子に及ぶことがないうえ、FPC25の配線の構成など設計の自由度が向上する。
【0040】
なお、第2の取付け部25bと撮像素子20との間のFPC25の寸法や形状は、撮像素子20の位置や傾きの調整が可能なように必要十分であれば良い。
【0041】
次に、FPCの取り付けた位置とその効果との関係について説明する。
【0042】
図7は、図3の防振ユニットにおけるFPCとホルダを貼り合わせる位置を模式的に示す図である。
【0043】
撮像素子20をスライドさせる方向(図7ではX方向)において、第2の取付け部25bの位置が、第1の取付け部25aの位置と、撮像素子20の位置との間である。そして、第2の取付け部25bが、撮像素子20よりも第1の取付け部25a側に近い位置にある。
【0044】
図7に示すように、撮像素子20をスライドさせる第1のガイド軸31bと、第2の取付け部25bとの位置関係に応じて、撮像素子20の変動を抑える効果に変化が生じる。
第2の取付け部25bが第1のガイド軸31bに近い場合には、組立て時に第1のガイド軸31bと第2の取付け部25bとの間の距離が短く、この距離が短い場合には、ホルダ34に撮像素子20を固定する前の状態において、ホルダ34にかかるモーメントが小さくなり、FPC25に変形の抵抗によって撮像素子20が変動する量を小さく抑える点で有利である。
【0045】
図8は、図3の防振ユニットの変形例におけるFPCとホルダを貼り合わせる位置を模式的に示す図である。
【0046】
撮像素子20をスライドさせる方向(図8ではX方向)において、第2の取付け部25cの位置が、第1の取付け部25aの位置と、撮像素子20の位置との間である。そして、第2の取付け部25cが、第1の取付け部25aよりも撮像素子20側に近い位置にある。
【0047】
第2の取付け部25cが第1のガイド軸31bから遠い場合には、組立て時に第1のガイド軸31bとFPC25の第2の取付け部25cとの間の距離が図7の配置に比べて大きくなり、組立て時にFPC25の変形による抵抗によってホルダ34の変動する量が大きくなる。そのため、撮像素子20を調整する前の変動量が大きくなり、調整後に変動する量を小さく抑えることができる点で有利である。
【0048】
上述のように、図7の構成とすれば、ホルダ34の変動量自体を抑えているため、ホルダ34を正確にスライドさせることができる。図8の構成とすれば、調整後に撮像素子20の位置が変動したときのリスクを低減できる。
【0049】
図9は、図3の防振ユニットの変形例におけるFPCとホルダを貼り合わせる位置を模式的に示す図である。この構成では、FPC25の第1の取付け部25aは、上述の図7及び図8で示した構成と同じである。しかし、第2の取付け部25bの位置が、上述の図7及び図8で示した構成とは異なっている。
【0050】
具体的には、FPC25の第2の取付け部25bは、ホルダ34のX方向の端部におけるX方向に垂直な面に面接触する。また、FPC25の撮像素子20が実装されている部分は、第2の取付け部25bで折り返されて、ホルダ34に取り付けられている。FPC25の撮像素子20が実装されている部分とホルダ34とを接着する位置は、上述の図7及び図8で示した構成と同じである。また、防振ユニットの組み合わせ手順についても上述と同様である。
【0051】
図9に示すように、第2の取付け部25bの位置は、FPC25の、第1の取付け部25aから撮像素子20まで延設された部分において、第1の取付け部25aの位置と、撮像素子20の位置との間である。このため、撮像素子20をホルダ34に取り付ける際に撮像素子20の位置や傾きを調整すれば、防振ユニット3を組み立てた後で、FPC25の変形に伴う抵抗によって撮像素子の位置や傾きが変動することを抑えることができる。
【0052】
本明細書は次の事項を開示する。
(1)ユニットベースと、
前記ユニットベースに収容された撮像素子と、
前記撮像素子に接続されたフレキシブルプリント基板と、
前記ユニットベースにスライド可能に保持され、前記撮像素子を固定するホルダと、を備える防振ユニットであって、
前記フレキシブルプリント基板が、前記ユニットベースと第1の取付け部で貼り合わされ、前記ホルダと第2の取付け部で貼り合わされ、前記フレキシブルプリント基板の、前記第1の取付け部から前記撮像素子まで延設された部分において、前記第2の取付け部の位置が、前記第1の取付け部の位置と、前記撮像素子の位置との間である防振ユニット。
(2)(1)に記載の防振ユニットであって、
前記フレキシブルプリント基板は、該フレキシブルプリント基板を折り曲げてなる折り曲げ部を有し、
前記折り曲げ部が、前記第1の取付け部と前記第2の取付け部との間に位置する防振ユニット。
(3)(1)又は(2)に記載の防振ユニットであって、
前記第2の取付け部が、前記ガイド軸に近い位置にある防振ユニット。
(4)(1)又は(2)に記載の防振ユニットであって、
前記第2の取付け部が、前記ガイド軸より遠い位置にある防振ユニット。
(5)ユニットベースと、
前記ユニットベースに収容される撮像素子と、
前記撮像素子に接続されたフレキシブルプリント基板と、
前記ユニットベースにスライド可能に保持され、前記撮像素子を固定するホルダと、を備える防振ユニットの組立方法であって、
前記フレキシブルプリント基板を前記ユニットベースと第1の取付け部で貼り合わせ、前記フレキシブルプリント基板を、前記フレキシブルプリント基板の、前記第1の取付け部から前記撮像素子まで延設された部分において前記第1の取付け部と前記撮像素子との間に位置する第2の取付け部で貼り合わせ、その後、前記撮像素子を前記ホルダに固定する防振ユニットの組立方法。
【符号の説明】
【0053】
1 カメラ
2 鏡胴ユニット
3 防振ユニット
10 鏡胴
20 撮像素子
22 磁気駆動部
23 ユニットベース
25 フレキシブルプリント基板(FPC)
32 スライド
34 ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットベースと、
前記ユニットベースに収容された撮像素子と、
前記撮像素子に接続されたフレキシブルプリント基板と、
前記ユニットベースにスライド可能に保持され、前記撮像素子を固定するホルダと、を備える防振ユニットであって、
前記フレキシブルプリント基板が、前記ユニットベースと第1の取付け部で貼り合わされ、前記ホルダと第2の取付け部で貼り合わされ、前記フレキシブルプリント基板の、前記第1の取付け部から前記撮像素子まで延設された部分において、前記第2の取付け部の位置が、前記第1の取付け部の位置と、前記撮像素子の位置との間である防振ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の防振ユニットであって、
前記フレキシブルプリント基板は、該フレキシブルプリント基板を折り曲げてなる折り曲げ部を有し、
前記折り曲げ部が、前記第1の取付け部と前記第2の取付け部との間に位置する防振ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の防振ユニットであって、
前記ホルダをスライドさせる際に該ホルダをスライド方向にガイドするガイド軸を有し、
前記第2の取付け部が、前記ガイド軸に近い位置にある防振ユニット。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の防振ユニットであって、
前記第2の取付け部が、前記ガイド軸より遠い位置にある防振ユニット。
【請求項5】
ユニットベースと、
前記ユニットベースに収容される撮像素子と、
前記撮像素子に接続されたフレキシブルプリント基板と、
前記ユニットベースにスライド可能に保持され、前記撮像素子を固定するホルダと、を備える防振ユニットの組立方法であって、
前記フレキシブルプリント基板を前記ユニットベースと第1の取付け部で貼り合わせ、前記フレキシブルプリント基板を、前記フレキシブルプリント基板の、前記第1の取付け部から前記撮像素子まで延設された部分において前記第1の取付け部と前記撮像素子との間に位置する第2の取付け部で貼り合わせ、その後、前記撮像素子を前記ホルダに固定する防振ユニットの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−41006(P2013−41006A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176395(P2011−176395)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】