説明

防水床パン

【課題】四角格子状に形成される補強用リブの厚み寸法を増やすことなく、四角形の角の大きさが変わるような反りや捻れなどの変形に対する強度が確保され、これらの変形を生じさせることなく現場での脚部材の取り付けが可能となる防水床パンを提供する。
【解決手段】本体の裏面12に第1リブ13及び第2リブ14が四角格子状に突設され、このリブにより仕切られる複数の凹部20のうち、所定の凹部20に、脚部材を取り付けるための複数のボス部15と、対角線上にあるボス部15を繋ぐように突設させ、凹部20を本体の裏面側から見て三角形状となるように分割するための第3リブ16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体の裏面にリブが四角格子状に突設され、リブにより仕切られる凹部を複数備える防水床パンに関し、特に、所定の凹部は、本体を支える脚部材を取り付けるためのボス部と、これらのボス部を支持するための補助リブとを更に備える防水床パンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防水床パンは、ユニット工法の浴室ユニットの床部材として、設置場所の架台に載せられ、本体の床面の周縁に壁パネルが取り付けられるとともに、本体の床面が浴槽の載置場所や洗い場として利用される。
【0003】
防水床パンは、本体の床面に、壁パネル、浴槽及び入浴者による荷重がかかるため、本体の裏面に四角格子状に補強用リブが複数突設され、補強用リブに仕切られた、裏面視四角形状の開口を有する凹部が複数形成されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−36563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、先に提案された防水床パンは、施工時に生じる反り及び捻れなどの変形について考慮されていない。即ち、作業員は、防水床パンを施工現場の壁に立てかけて裏面に脚部材を取り付ける。このとき、防水床パンは、壁パネル、浴槽及び入浴者による厚み方向への荷重とは異なり、壁に立てかけられたときの自重によって、反り及び捻れなどの変形が生じるおそれがある。このような変形状態にあっては、脚部材が取り付け難く、また、脚部材が取り付けられたとしても変形状態が残ることとなる。
【0006】
詳述すると、四角形は、辺の長さが決まっても角の大きさが決まらないため、形が保持され難い。そのため、補強用リブが四角格子状に突設されるのみでは、四角形の角の大きさが変わるような反り及び捻れなどの変形に対して弱く、図5に示すように、従来の防水床パン9は、裏面90の凹部91が、裏面視長方形から菱形に潰れるおそれがある。
【0007】
このような問題を解消するには、工場管理の下、防水床パンが変形しないように脚部材を取り付けておき、これを施工現場に運ぶか、又は、補強用リブの厚み寸法を大きくするなどの工夫が必要となる。しかし、前者は、施工現場への運搬が困難であり、後者は、成形収縮によるヒケが生じて外観不良となるおそれがある。
【0008】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、本体の裏面にリブが四角格子状に突設され、このリブにより仕切られる複数の凹部のうち、所定の凹部に、脚部材を取り付けるためのボス部と、対角線上にあるボス部を繋ぐように突設させ、凹部を本体の裏面側から見て三角形状となるように分割するためのリブとを備えることにより、四角格子状に形成される補強用リブの厚み寸法を増やすことなく、四角形の角の大きさが変わるような反りや捻れなどの変形に対する強度が確保され、これらの変形を生じさせることなく現場での脚部材の取り付けができる防水床パンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る防水床パンは、本体の裏面にリブが四角格子状に突設され、前記リブにより仕切られる凹部を複数備える防水床パンであって、所定の前記凹部は、コーナ部を構成する縦方向の第1リブと横方向の第2リブとの交差部に形成される、前記第1及び第2リブの厚みより大径のボス部と、対角線上にある前記ボス部を繋ぐように突設され、該凹部を本体の裏面側から見て三角形状に分割する第3リブとを備え、前記ボス部に本体を支えるための脚部材が取り付けられるようにしてあることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る防水床パンにあっては、本体の裏面にリブが四角格子状に突設されることによって、表面が補強される。また、リブが交差することによって、裏面に凹部が複数形成される。また、複数の凹部のうち、いくつかの凹部は、コーナ部を形成する第1リブと第2リブとの交差部に、これらのリブの厚み寸法より大径のボス部が形成されることによって、ボス部を介して脚部材が取り付けられるようにしてある。
【0011】
更にまた、脚部材取付用の凹部は、第3リブが、対角線上にあるボス部を繋ぐように突設され、本体の裏面側から見て三角形状に分割することによって、四角形の角の大きさが変わるような反り及び捻れに対する強度を備える。詳述すると、三角形は、辺の長さが決まると角の大きさも決まることとなるため、形が保持され易く、反り及び捻れなどの変形に対する強度を有している。本発明に係る防水床パンは、この三角形の性質を利用することによって、余分な力を用いることなく形を安定させている。
【0012】
また、本発明に係る防水床パンは、前記第3リブは、異なる2方向の対角線上にある前記ボス部をそれぞれ繋ぐように突設されて互いに交差するようにされている構成であってもよい。
【0013】
本発明に係る防水床パンにあって、脚部材取付用の凹部は、第3リブが、異なる2方向の対角線上にあるボス部をそれぞれ繋ぐように突設され、本体の裏面側から見て三角形状に4分割することによって、異なる方向から加わる、四角形の角の大きさが変わるような反り及び捻れに対する強度を有する。
【0014】
また、本発明に係る防水床パンは、前記第3リブは、一部が、本体の裏面側に開口する筒状となるように突設されている構成であってもよい。
【0015】
本発明に係る防水床パンにあっては、第3リブの一部が、裏面側に開口する筒状としてあることによって、脚部材取付用の凹部に取り付けられる脚部材の脚ボルトが進退する場合の調整代を確保している。
【発明の効果】
【0016】
本発明にあっては、防水床パンの本体の裏面から四角格子状に突設された補強用リブの厚み寸法を増やすことなく、四角形の角の大きさが変わるような反りや捻れなどの変形に対する強度を確保し、これらの変形を生じさせることなく現場での脚部材の取り付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る防水床パンを示す斜視図である。
【図2】防水床パンの裏面に形成される凹部を示す拡大平面図である。
【図3】防水床パンを支える脚部材の取付方法を示す分解斜視図である。
【図4】凹部の対角線に沿って突設される第3リブの一例を示す拡大平面図であって、(a)は1方向の対角線に沿って突設される第3リブの一例を示す図、(b)は2方向の対角線に沿ってそれぞれ突設される第3リブの一例を示す図、(c)は1方向の対角線に沿って突設され、一部が丸筒状となるように形成される第3リブの一例を示す図、(d)は2方向の対角線に沿って突設され、これらが交差する箇所が丸筒状となるように形成される第3リブの一例を示す図、(e)は1方向の対角線に沿って突設され、一部が角筒状となるように形成される第3リブの一例を示す図、(f)は2方向の対角線に沿って突設され、これらが交差する箇所が角筒状となるように形成される第3リブの一例を示す図である。
【図5】従来の防水床パンの裏面に形成される凹部の一例を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る防水床パンについて、実施の形態を示す図に基づいて以下説明する。防水床パンは、浴槽設置面を備えるものと、洗い場面を備えるものと、いずれの面を備えるものとがある。本実施の形態は、洗い場面を備える防水床パンを一例として説明する。
【0019】
図1において、1は、防水床パンであり、防水床パン1は、本体の洗い場面10と、洗い場面10の周縁から立ち上がる起立片11と、本体の裏面12と、縦方向に沿って裏面12から突き出る第1リブ13と、横方向に沿って裏面12から突き出る第2リブ14と、第1リブ13と第2リブ14との交差部30に形成されるボス部15と、対角線上にあるボス部15を繋ぐように裏面12から突き出る第3リブ16と、第3リブ16の一部に形成される筒状部17と、本体の一部に形成される排水口18とを備える。
【0020】
防水床パン1は、例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)や繊維強化プラスチック(FRP)などで形成され、平面視略矩形の板状であって一面が洗い場面10となり、他面が裏面12となる本体を備える。
【0021】
洗い場面10は、周端縁部から起立片11が立ち上がるとともに、何れか一辺の近傍に排水口18が形成される。洗い場面10は、起立片11から排水口18に向かって緩やかな傾斜面を備え、流れ落ちた湯水を捉えて排水口18に案内する。
【0022】
起立片11は、排水口18に近傍する一辺から立ち上がる起立片がエプロン取付用起立片110として利用され、その他の三辺から立ち上がる起立片が壁パネル取付用起立片111として利用される。
【0023】
裏面12は、四角格子状に第1リブ13及び第2リブ14が複数突き出ている。第1リブ13は、両端が裏面12の長手辺と交わる仮想線分と平行となるように裏面12から複数突き出ている。第1リブ13は、例えば、裏面12から突出端までの突出寸法が70ミリメートルであって、厚みの最大寸法が7ミリメートルとなるように形成される。本実施の形態において、縦方向は、上述する仮想線分の方向を指す。
【0024】
第2リブ14は、仮想線分と直交する方向に沿って、互いに平行となるように裏面12から複数突き出ている。第2リブ14は、例えば、裏面12から突出端までの突出寸法が70ミリメートルであって、厚みの最大寸法が6ミリメートルとなるように形成される。本実施の形態において、横方向は、上述する仮想線分と直交する方向を指す。
【0025】
また、裏面12は、第1リブ13と第2リブ14とによって仕切られる凹部20が複数形成される。凹部20は、裏面12側に、裏面視四角形状の開口を有する升状となるように形成され、開口のコーナ部が第1リブ13と第2リブ14とが交差することによって形成される。
【0026】
また、裏面12に形成される凹部20のうち、四隅辺りに形成される凹部20については、特に、本体を支える脚部材4の取付箇所として利用される。脚部材取付用の凹部20は、開口のコーナ部にボス部15が形成される。即ち、ボス部15は、脚部材取付用の凹部20の開口のコーナ部を形成している、第1リブ13と第2リブ14との交差部30が膨らみ、第1リブ13及び第2リブ14の厚みの最大寸法より大径の略円柱状となるように形成される。また、ボス部15は、頂面の中央に脚部材4を取り付けるためのネジ穴150があけられる。
【0027】
また、上述する脚部材取付用の凹部20は、第3リブ16が、底部となる裏面12から突き出ている。第3リブ16は、対角線上にあるボス部15を繋ぐ仮想線分に沿って突き出し、脚部材取付用の凹部20の内部を、その開口が裏面視三角形状となるように分割している。即ち、脚部材取付用の凹部20は、第3リブ16によって、裏面視四角形状の開口が分割されて裏面視三角形状の開口が複数形成されることとなる。
【0028】
第3リブ16は、図4の(d)に示すように、異なる2方向の対角線上にあるボス部15を繋ぐ2本の仮想線分に沿って、裏面視X字状に交差するように、裏面12から突き出ている。2本の第3リブ16は、交差する箇所が湾曲して裏面視円形状の開口を有する丸筒状の筒状部17が形成される。筒状部17は、直径寸法が40ミリメートルとなるように形成される。
【0029】
上述した第1リブ13、第2リブ14、ボス部15及び第3リブ16は、本体自体の材質と同じく、ABS樹脂やFRPなどで形成され、本体と一体的に形成される。
【0030】
脚部材4は、設置場所の架台に載せられ、防水床パンの本体を支えるための部材である。図3に示すように、脚部材4は、本体の裏面12の脚部材取付用の凹部20に取り付けるための取付本体40と、取付本体40の一部にあけられたネジ孔41と、脚ボルト42と、脚ボルト42を取り付けるためのナット43と、取付本体40を取り付けるためのネジ44とを備える。
【0031】
取付本体40は、金属製の帯状板を、幅方向に沿って谷折り及び山折りとされることによって、長さ方向断面逆台形となるように形成される。また、取付本体40は、長さ方向の両端が谷折りとされ、各端部にそれぞれネジ孔41があけられている。
【0032】
脚ボルト42は、雄ネジ棒部420と、雄ネジ棒部420の先端に取り付けられた接地足421とを備える。雄ネジ棒部420は、外周面にネジ山が刻み込まれている。接地足42は、略円盤状の金属片であり、雄ネジ棒部420の中心から径方向に広がるように雄ネジ棒部420の先端部に溶接されている。脚ボルト42は、雄ネジ棒部420が、取付金具42の頂面の中央にあけられた貫通孔(図示せず)に挿入され、挿入された雄ネジ棒部420が、取付本体40の頂面に取り付けられたナット43にねじ込まれる。脚ボルト42は、ナット43に対するねじ込み量に応じて、取付本体40に対して進退する。
【0033】
このように、防水床パン1は、複数の部材により構成される。以下、これらの部材を用いた防水床パン1の使用方法について説明する。図3に示すように、防水床パン1は、設置場所に運び込まれ、洗い場面10を背にし、裏面12が表となるように、設置場所の壁に立てかけられる。
【0034】
防水床パン1は、裏面12の脚部材取付用の凹部20に、脚部材4が取り付けられる。脚部材4は、ネジ孔41の中心が、脚部材取付用の凹部20のネジ穴150の中心と一致するように取り付けられ、取付ネジ44がネジ孔41を介して、凹部20のネジ穴150にねじ込まれることによって取付固定される。
【0035】
防水床パン1は、脚部材4が取り付けられた状態で、上面が洗い場面10となり、下面が裏面12となるように壁から倒され、脚部材4の接地足421が設置場所の架台の上に設置される。防水床パン1は、脚ボルト42のねじ込み量を調整することによって、架台からの高さを調整し、本体が地面に対して水平となるように調整される。
【0036】
防水床パン1は、壁パネル取付用起立片111に壁パネル(図示せず)が取り付けられ、三方が壁パネルにより囲まれる状態となる。防水床パン1は、自らの設置場所と平行する位置に、浴槽が設置される。防水床パン1は、エプロン取付用起立片110にエプロン(図示せず)が取り付けられ、浴槽との間を仕切るように取り付けられる。
【0037】
防水床パン1は、上述のように使用されることにより、以下の作用効果を奏する。防水床パン1は、ボス部15及び第3リブ16を有する凹部20が、脚部材4を取り付けるための部分となる。防水床パン1は、凹部20の対角線上にあるボス部15を繋ぐように裏面12から第3リブ16が突き出ることによって、凹部20の開口が裏面視三角形状となるように分割される。三角形は、形が保持され易く、四角形の角の大きさが変わるような反りや捻れなどの変形に対する強度を有するため、第3リブ16を有する凹部20は、その他の凹部20に比べて、反りや捻れなどの変形に対する強度を有する。そこで、防水床パン1にあっては、第3リブ16を有する凹部20が、脚部材4を取り付けるための部分となる。
【0038】
なお、防水床パン1にあって、第3リブ16を有する凹部20を限定しているのは、全ての凹部20に第3リブ16を設ける場合に比べて、本体重量が軽くなり、施工が容易となるとともに、製造コストが高騰することを抑えるためである。
【0039】
また、防水床パン1にあって、凹部20の開口が裏面視三角形状となるように第3リブ16を設けているのは、裏面視六角形や八角形となる場合に比べて、形状がより安定しやすいためである。
【0040】
また、防水床パン1は、脚ボルト42が取付本体40に対して過度に進入する場合、第3リブ16の一部に形成される筒状部17が調整代となって、脚ボルト42の基端が第3リブ16に接触しないようにされている。
【0041】
なお、上述した実施の形態において、防水床パン1は、第3リブ16が裏面視X字状に交差するように裏面12から突き出し、これらの交差箇所に筒状部17が形成される一例を説明した。しかし、本発明は、これに限定するものでなく、その他の態様であってもよい。以下、実施例に分けて説明する。
【0042】
(実施例1)
第3リブ16は、図4の(a)に示すように、1方向の対角線上にあるボス部15を繋ぐ1本の仮想線分に沿って裏面12から突き出ている。1本の第3リブ16は、脚部材取付用の凹部20の開口を2つに分割して裏面視三角形状の開口となるように形成する。
【0043】
実施例1にあっては、1本の第3リブ16によって、第3リブ16の追加による本体重量及び材料費の高騰を最低限に抑えつつ、反りや捻れなどの変形に対する強度を最低限度確保している。
【0044】
(実施例2)
第3リブ16は、図4の(b)に示すように、異なる2方向の対角線上にあるボス部15を繋ぐ2本の仮想線分に沿って、裏面視X字状に交差するように、裏面12から突き出ている。2本の第3リブ16は、脚部材取付用の凹部20の開口を4つに分割して裏面視三角形状の開口を複数形成する。
【0045】
実施例2にあっては、裏面視X字状に交差する2本の第3リブ16によって、異なる方向から加わる力による反りや捻れなどの変形に対する強度を確保している。
【0046】
(実施例3)
第3リブ16は、図4の(c)に示すように、1方向の対角線上にあるボス部15を繋ぐように1本の仮想線分に沿って裏面12から突き出ている。1本の第3リブ16は、脚部材取付用の凹部20の開口を2つに分割して裏面視三角形状の開口を複数形成する。また、第3リブ16は、中央付近が湾曲して裏面視円形状の開口を有する丸筒状の筒状部17が形成される。
【0047】
実施例3にあっては、1本の第3リブ16によって、第3リブ16の追加による本体重量及び材料費の高騰を最低限に抑えつつ、反りや捻れなどの変形に対する強度を最低限度確保している。併せて、裏面側が開口する筒状部17によって、脚ボルト42の調整代を確保している。
【0048】
(実施例4)
第3リブ16は、図4の(e)に示すように、1方向の対角線上にあるボス部15を繋ぐように1本の仮想線分に沿って裏面12から突き出ている。1本の第3リブ16は、脚部材取付用の凹部20の開口を2つに分割して裏面視三角形状の開口を複数形成する。また、第3リブ16は、中央付近に裏面視四角形状の開口を有する角筒状の筒状部17が形成される。
【0049】
実施例4にあっては、1本の第3リブ16によって、第3リブ16の追加による本体重量及び材料費の高騰を最低限に抑えつつ、反りや捻れなどの変形に対する強度を確保している。併せて、裏面側が開口する筒状部17によって、脚ボルト42の調整代を確保している。
【0050】
(実施例5)
第3リブ16は、図4の(f)に示すように、異なる2方向の対角線上にあるボス部15を繋ぐ2本の仮想線分に沿って、裏面視X字状に交差するように、裏面12から突き出ている。2本の第3リブ16は、脚部材取付用の凹部20の開口を4つに分割して裏面視三角形状の開口を複数形成する。また、第3リブ16は、交差付近に裏面視四角形状の開口を有する角筒状の筒状部17が形成される。
【0051】
実施例5にあっては、裏面視X字状に交差する2本の第3リブ16によって、異なる方向から加わる力による反りや捻れなどの変形に対する強度を確保している。併せて、裏面側が開口する筒状部17によって、脚ボルト42の調整代を確保している。
【符号の説明】
【0052】
1 防水床パン
10 洗い場面
11 起立片
110 エプロン取付用起立片
111 壁パネル取付用起立片
12 裏面
13 第1リブ
14 第2リブ
15 ボス部
150 ネジ穴
16 第3リブ
17 筒状部
18 排水口
20 凹部
30 交差部
4 脚部材
40 取付本体
41 ネジ孔
42 脚ボルト
420 雄ネジ棒部
421 接地足
43 ナット
44 取付ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の裏面にリブが四角格子状に突設され、前記リブにより仕切られる凹部を複数備える防水床パンであって、
所定の前記凹部は、
コーナ部を構成する縦方向の第1リブと横方向の第2リブとの交差部に形成される、前記第1及び第2リブの厚みより大径のボス部と、
対角線上にある前記ボス部を繋ぐように突設され、該凹部を本体の裏面側から見て三角形状に分割する第3リブと
を備え、
前記ボス部に本体を支えるための脚部材が取り付けられるようにしてあることを特徴とする防水床パン。
【請求項2】
前記第3リブは、異なる2方向の対角線上にある前記ボス部をそれぞれ繋ぐように突設されて互いに交差するようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の防水床パン。
【請求項3】
前記第3リブは、一部が、本体の裏面側に開口する筒状となるように突設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の防水床パン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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