説明

防火ドア

【課題】くぐり戸を両方向に開いて両方向に避難する。くぐり戸の上下のヒンジの弾性体をバランスして、くぐり戸を閉位置に移動させて、押さないくぐり戸を閉位置に移動して防火壁に利用する。
【解決手段】防火ドアは、通り抜けることができるくぐり戸2を、ヒンジ3を介して本体ドア1に設けている。くぐり戸2は、上下に設けている第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bを介して、本体ドア1に、両面に開閉できるように連結している。第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bは、くぐり戸2を開位置から閉位置に弾性的に駆動する回転弾性体13を備える。第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bは、内蔵する回転弾性体13でもって、くぐり戸2を反対方向に駆動すると共に、第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bの回転弾性体13がバランスして、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体ドアにくぐり戸を有する防火ドアに関し、とくに、くぐり戸を両方に開くことができる防火ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
本体ドアにくぐり戸を設けた防火ドアは開発されている。この防火ドアは、くぐり戸を押して開くことができるように、くぐり戸をヒンジで本体ドアに連結している。くぐり戸は、一方に押すと開くヒンジで本体ドアに連結している。さらに、ヒンジは、くぐり戸を押すのを中止すると自動的に閉まるバネを備えている。この防火ドアは、火災を検出して閉じた状態において、くぐり戸を開いて特定の方向に避難できる。また、避難した後には、くぐり戸を閉じる必要はなく、ヒンジのバネで自動的に閉じて防火壁の作用をする。ただ、この防火ドアは、一方に押して開き、また押すのを停止すると閉じる構造であることから、特定の方向とは反対の方向に移動しようとするとき、くぐり戸を引っ張って開くことができない。このため、くぐり戸を両方向に通過して避難できない欠点がある。
【0003】
この欠点は、くぐり戸を両方向に開く構造として解消できる。両方向に開くことができるドアは開発されている。(特許文献1)
【特許文献1】特開平10−196241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるドアは、両方向に開くことができる独特のヒンジを介して連結している。このドアは、両面にドアノブを固定しており、このドアノブを回転してドアを両方に開くことができる。ただ、この構造は、防火ドアのくぐり戸には利用できない。それは、くぐり戸は押すのを停止すると自動的に閉位置に移動する必要があるからである。
【0005】
本発明は、従来の防火ドアの欠点を解決することを目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、くぐり戸を両方向に開いて両方向に避難でき、しかも、くぐり戸の上下に固定しているヒンジの弾性体をバランスしてくぐり戸を閉位置に移動することから、簡単な構造でもって、押さないくぐり戸を閉位置に移動して防火壁に利用できる防火ドアを提供することにある。
さらにまた、本発明の他の大切な目的は、両方向に開くように設けているくぐり戸を、簡単な構造で、確実に閉位置に移動できる防火ドアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の防火ドアは、前述の目的を達成するために以下の構成を備える。
防火ドアは、通り抜けることができるくぐり戸2を、ヒンジ3を介して本体ドア1に設けている。くぐり戸2は、上下に設けている第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bを介して、本体ドア1に、両面に開閉できるように連結している。第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bは、くぐり戸2を開位置から閉位置に弾性的に駆動する回転弾性体13を備える。第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bは、内蔵する回転弾性体13でもって、くぐり戸2を反対方向に駆動すると共に、第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bの回転弾性体13がバランスして、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に配置する。
【0007】
本発明の請求項2の防火ドアは、くぐり戸2と本体ドア1の間に、くぐり戸2を閉位置に停止するストッパー機構30を設けている。この防火ドアは、ストッパー機構30でもって、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止させている。
【0008】
本発明の請求項3の防火ドアは、ストッパー機構30が、くぐり戸2と本体ドア1との対向面に設けている凹部31と、この凹部31に出し入れされる突出部32と、この突出部32を弾性的に凹部31に向かって押し出す押圧弾性体33とを備える。さらに、ストッパー機構30は、突出部32を縦に長い凸条32Aとし、凹部31を、この凸条32Aを案内する案内溝31Aとしている。案内溝31Aの幅は凸条32Aの幅よりも広く、かつ凸条32Aは、上下で案内溝31Aの幅方向に傾斜しており、さらに案内溝31Aの幅を、傾斜する凸条32Aの全体を案内できる幅としている。この防火ドアは、押圧弾性体33で弾性的に押し出される突出部32を凹部31に案内して、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止する。
【0009】
本発明の請求項4の防火ドアは、ストッパー機構30がくぐり戸2と本体ドア1との対向面に配設している磁石40からなり、磁石40の吸引力でくぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止させている。
【0010】
本発明の請求項5の防火ドアは、通り抜けることができるくぐり戸2をヒンジ3を介して本体ドア1の開口部1Aに両方に開くように設けている。さらに、防火ドアは、くぐり戸2と本体ドア1の間に、くぐり戸2を閉位置に停止するストッパー機構30を設けており、このストッパー機構30でもって、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止させている。このストッパー機構30は、くぐり戸2と本体ドア1との対向面に設けている凹部31と、この凹部31に出し入れされる突出部32と、この突出部32を弾性的に凹部31に向かって押し出す押圧弾性体33とを備えている。突出部32は、縦に長い凸条32Aで、凹部31は、この凸条32Aを案内する案内溝31Aで、案内溝31Aの幅を凸条32Aの幅よりも広くし、かつ凸条32Aを上下で案内溝31Aの幅方向に傾斜しており、さらに案内溝31Aの幅を、傾斜する凸条32Aの全体を案内できる幅としている。防火ドアは、押圧弾性体33で弾性的に押し出される突出部32を凹部31に案内して、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止している。
【0011】
本発明の請求項6の防火ドアは、くぐり戸2に凹部31を設けて、本体ドア1の対向面に凸条32Aを設けている。さらに、本発明の請求項7の防火ドアは、くぐり戸2が両側面と上側面に凹部31を有しており、本体ドア1は、開口部1Aの内側であって、くぐり戸2に設けている凹部31との対向面である両側の内面と上側の下面に凸条32Aを設けている。さらに、本発明の請求項8の防火ドアは、本体ドア1の開口部1Aの上側の下面に設けている凸条32Aを、長手方向に向かって傾斜して配設している。さらにまた、本発明の請求項9の防火ドアは、本体ドア1の開口部1Aの上側の下面に設けている凸条32Aを、その両端で開口部1Aの両側内面に設けている凸条32Aの上端に連結される位置に配置している。
【0012】
本発明の請求項10の防火ドアは、ヒンジ3が、くぐり戸2を本体ドア1に連結する主軸11と、本体ドア1に固定されてヒンジ3の主軸11を連結する軸受け金具50とを備える。軸受け金具50は、主軸11の先端連結部11Aを回転しないように連結する非回転孔51aを有する調整台51と、この調整台51を水平面内で回転できるように連結している支持部50Aと、調整台51を所定の位置に回転して支持部50Aに固定するロックボルト52とを備える。
【0013】
さらに、本発明の請求項11の防火ドアは、調整台51の外周面に、調整台51の回転方向に対して接線方向に平行な調整面53を有し、ロックボルト52でこの調整面53を押圧して、調整台51を支持部50Aに対して回転させながら固定している。さらに、本発明の請求項12の防火ドアは、調整台51の外周が、円の対向面を接線方向と平行な方向に切除して調整面53を設けた形状としており、各々の調整面53の両端部を押圧する位置にロックボルト52を設けている。
【発明の効果】
【0014】
本発明の防火ドアは、くぐり戸を両方に押し開いて両方向に避難できると共に、くぐり戸を通過した後は、弾性体で閉位置に復帰するので、くぐり戸を閉位置に戻すことなく防火壁として使用できる特徴がある。さらに、本発明の特筆すべき特徴は、くぐり戸の上下に固定しているヒンジの弾性体をバランスしてくぐり戸を閉位置に移動するので、簡単な構造で押さないくぐり戸を閉位置に移動して防火壁に利用できることにある。この特徴は、くぐり戸を、上下に設けている第1のヒンジと第2のヒンジで本体ドアの両面に開閉できるように連結すると共に、第1のヒンジと第2のヒンジには、くぐり戸を互いに反対方向に駆動する回転弾性体を設け、第1のヒンジと第2のヒンジの回転弾性体をバランスさせてくぐり戸を本体ドアの閉位置に配置するからである。
【0015】
さらに、本発明の請求項2の防火ドアは、請求項1の構成に加えて、くぐり戸と本体ドアの間に、くぐり戸を閉位置に停止するストッパー機構を設けており、このストッパー機構で、くぐり戸を本体ドアの閉位置に停止している。この構造の防火ドアは、くぐり戸を正確に閉位置に停止できる特徴がある。
【0016】
また、本発明の請求項3の防火ドアは、請求項2の構成に加えて、くぐり戸と本体ドアとの対向面に、案内溝とこの案内溝に出し入れされる凸条とを設け、さらに凸条を弾性的に案内溝に向かって押し出すように押圧弾性体を設けて、押圧弾性体でもって凸条を案内溝に案内して、くぐり戸を本体ドアの閉位置に停止する。さらに、この防火ドアは、案内溝の幅を、凸条の幅よりも広くすると共に、凸条を上下で案内溝の幅方向に傾斜させており、さらに案内溝の幅を、傾斜する凸条を案内できる幅としている。この防火ドアは、凸条全体を案内溝に案内することなく、凸条を部分的に案内溝に案内しながら、全体を案内溝に入れる。この防火ドアは、凸条全体を一度に案内溝に案内する構造に比較して、くぐり戸を閉位置に移動させる回転力を弱くして、凸条を案内溝に案内できる。このため、凸条をスムーズに案内溝に案内して、ストッパー機構でくぐり戸を閉位置に正確に停止できる特徴が実現される。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項4の防火ドアは、請求項1の構成に加えて、くぐり戸と本体ドアとの対向面に配設している磁石をストッパー機構に設けており、磁石の吸引力でくぐり戸を本体ドアの閉位置に停止する。磁石の吸引は接近するにしたがって強くなるので、第1のヒンジと第2のヒンジの回転弾性体でくぐり戸をぼぼ閉位置に移動して、くぐり戸を正確に閉位置に停止できる。
【0018】
さらに、本発明の請求項5の防火ドアは、ヒンジを介して両方向に開くように設けているくぐり戸を、簡単な構造で、確実に閉位置に移動できる特徴がある。それは、本発明の防火ドアが、くぐり戸と本体ドアの間に、くぐり戸を閉位置に停止するストッパー機構を設けており、このストッパー機構でもって、くぐり戸を本体ドアの閉位置に停止させているからである。とくに、この防火ドアは、ストッパー機構を、くぐり戸と本体ドアとの対向面に設けた案内溝である凹部と、この凹部に出し入れされる凸条である突出部と、この突出部を弾性的に凹部に向かって押し出す押圧弾性体とで構成すると共に、案内溝の幅を凸条の幅よりも広く、かつ凸条を上下で案内溝の幅方向に傾斜し、さらに案内溝の幅を、傾斜する凸条の全体を案内できる幅としている。この構造の防火ドアは、押圧弾性体で弾性的に押し出される突出部を凹部に案内して、ストッパ機構でくぐり戸を閉位置に正確に停止できる。さらに、この防火ドアは、凸条を上下で案内溝の幅方向に傾斜しているので、凸条全体を同時に案内溝に案内することなく、凸条を部分的に案内溝に案内しながら、全体を案内溝に入れることができる。したがって、凸条全体を一度に案内溝に案内する構造に比較して、くぐり戸を閉位置に移動させる回転力を弱くして、凸条を案内溝に案内できる。このため、凸条をスムーズに案内溝に案内して、ストッパー機構でくぐり戸を閉位置に正確に停止できる特徴が実現される。
【0019】
さらに、本発明の請求項7の防火ドアは、くぐり戸の両側面と上側面に凹部を有けて、本体ドアの開口部の内側には、くぐり戸に設けている凹部との対向面である両側の内面と上側の下面に凸条を設けているので、くぐり戸の下端を除く3辺に設けたストッパー機構でより確実にくぐり戸を閉位置に停止できる。とくに、突出部を縦に長い凸条とし、この凸条を凹部に案内するストッパー機構は、くぐり戸を閉位置とする状態で、本体ドアの開口部とくぐり戸との間を広い範囲にわたって隙間なく閉塞して、この部分から煙やガスが通過するのを有効に防止できる特長がある。
【0020】
さらに、本発明の請求項8の防火ドアは、本体ドアの開口部の上側の下面に設けている凸条を、長手方向に向かって傾斜して配設しているので、この凸条を、弱い回転トルクでスムーズに凹部に案内できる。このため、回転トルクが弱くなっても、凸条を確実に凹部に案内して、くぐり戸を本体ドアの閉位置に移動できる。
【0021】
さらにまた、本発明の請求項9の防火ドアは、本体ドアの開口部の上側の下面に設けている凸条の両端を、開口部の両側内面に設けている凸条の上端に連結される位置に配置しているので、これらの凸条の境界部分を連続する状態で連結して、この部分に隙間ができるのを有効に防止して、優れた遮煙性能を実現できる特徴がある。
【0022】
さらに、本発明の請求項10の防火ドアは、ヒンジが、くぐり戸を本体ドアに連結する主軸と、本体ドアに固定されてヒンジの主軸を連結する軸受け金具とを備えており、軸受け金具が、主軸の先端連結部を回転しないように連結する調整台と、この調整台を水平面内で回転できるように連結している支持部と、調整台を所定の位置に固定するロックボルトとを備えているので、調整台の回転位置をロックボルトで調整して、ヒンジの主軸を軸受け金具の支持部に理想的に連結できる。すなわち、この防火ドアは、ヒンジの主軸と軸受け金具の支持部の相対位置をロックボルトで簡単に微調整して、くぐり戸の閉位置を最適な位置に調整できる。
【0023】
さらに、本発明の請求項11の防火ドアは、調整台の外周面に、調整台の回転方向に対して接線方向に平行な調整面を設けて、ロックボルトでこの調整面を押圧して、調整台を支持部に対して回転させながら固定するので、調整台の固定位置を簡単に調整しながら、調整台をロックボルトで確実に固定できる。とくに、本発明の請求項12の防火ドアは、調整台の外周を、円の対向面を接線方向と平行な方向に切除して調整面を設けた形状として、各々の調整面の両端部を押圧する位置にロックボルトを設けているので、調整面の両端部をロックボルトで押圧して、調整台を確実に固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための防火ドアを例示するものであって、本発明は防火ドアを以下のものに特定しない。
【0025】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0026】
図1と図2に示す防火ドアは、通り抜けることができるくぐり戸2をヒンジ3を介して本体ドア1に設けている。図に示す本体ドア1は、中央部の下方に設けた開口部1Aに、くぐり戸2を配設している。本体ドア1は、下端縁を開口して開口部1Aを設けており、この開口部1Aの内側縁に、くぐり戸2の左右両側と上端の3辺を対向させる状態でくぐり戸2を配設している。この構造の防火ドアは、くぐり戸2を開いて、本体ドア1を開口する状態で、開口部1Aの下端をバリアフリーにでき、安全に避難できる特長がある。この防火ドアは、図1と図2に示すように、くぐり戸2の上下に設けている第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bを介して、くぐり戸2を本体ドア1に、両面に開閉できるように連結している。
【0027】
本体ドア1は、従来の防火ドアと同じように、バネヒンジ4を介して建物の通路9に取り付けられる。バネヒンジ4は、防火ドアを通路9を開く位置から通路9を閉じる位置にバネで移動させる。建物は、通常の状態において本体ドア1を通路9を開く位置に停止するためにストッパ(図示せず)を設けている。ストッパは、火災を検出すると本体ドア1の停止状態を解除する。ストッパが解除されると、本体ドア1はバネヒンジ4で通路9を閉鎖する位置に移動される。すなわち、本体ドア1は、火災のときに建物の通路9を閉鎖して、火災が広がるのを阻止する。
【0028】
本体ドア1が建物の通路9を閉鎖して火災が広がるのを阻止するには、本体ドア1に設けているくぐり戸2を閉位置とする必要がある。くぐり戸2が閉位置にないと、開かれたくぐり戸2の開口部1Aから火災等が広がるからである。開かれたくぐり戸2を手動で閉じる必要がある防火ドアは、非常時にくぐり戸2が閉じられないと防火ドアの働きをできない。したがって、くぐり戸2は、手動で操作して閉じることなく、自動的に閉位置に移動するヒンジ3で本体ドア1に連結している。
【0029】
図1のくぐり戸2は、上下に固定しているヒンジ3、すなわち第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bを介して本体ドア1に連結している。図2においては、くぐり戸2の上のヒンジを第1のヒンジ3A、下のヒンジを第2のヒンジ3Bとする。
【0030】
ヒンジ3の具体例を図3に示す。このヒンジ3は、本体ドア1に固定される軸受け金具10と、この軸受け金具10に連結される主軸11と、くぐり戸2に固定される回転トルク部12とを備える。軸受け金具10は、主軸11を回転しないように挿入する非回転孔10aを設けている。図に示す軸受け金具10は、全体の形状をL字状としており、垂直に配設される固定部10Bを本体ドア1に固定すると共に、水平に配設される支持部10Aに主軸11を挿入する非回転孔10aを設けて、くぐり戸2を所定の位置に支持している。図1に示すように、くぐり戸2の上側に配設される軸受け金具10は、本体ドア1の開口部1Aの内側に固定されて、開口部1Aの上端縁に配設される支持部10Aで第1のヒンジ3Aの主軸11を支持する。また、くぐり戸2の下側に配設される軸受け金具10は、図1と図3に示すように、本体ドア1の開口部1Aの開口縁から、支持部10Aを水平方向に突出させる状態で本体ドア1に固定されて、この突出部分である支持部10Aで第2のヒンジ3Bの主軸11を支持する。上下の軸受け金具10は、固定部10Bを本体ドア1に固定して、開口部1Aの所定の位置に配設される。軸受け金具10の固定部10Bは、図3に示すように、本体ドア1に固定する止ネジ28を挿通する複数のネジ孔10bを貫通して設けている。軸受け金具10は、くぐり戸2の回転中心に非回転孔10aを配置するように、止ネジ28で本体ドア1に固定される。軸受け金具10は、くぐり戸2の上下に固定されるので、上下の軸受け金具10は、その非回転孔10aを、くぐり戸2の回転中心軸nに配置する。
【0031】
主軸11は、くぐり戸2の内部であって、くぐり戸2の回転中心軸n上に配置されており、くぐり戸2から突出する先端連結部11Aを一端に備えている。主軸11は、この先端連結部11Aを軸受け金具10の非回転孔10aに挿入して、軸受け金具10に連結している。図のヒンジ3は、軸受け金具10と主軸11とを互いに回転しないように連結するために、軸受け金具10の非回転孔10aを角穴とし、主軸11の先端連結部11Aを、この角穴に嵌合する角ロッドとしている。ただ、軸受け金具の非回転孔と主軸の先端連結部は、互いに回転しない状態で嵌合する他の形状や構造とすることもできる。
【0032】
回転トルク部12は、主軸11に連結されてくぐり戸2を開位置から閉位置に弾性的に駆動する回転弾性体13と、この回転弾性体13を内蔵する筒体14と、この筒体14に固定されてくぐり戸2に固定される固定片15と、回転弾性体13が主軸11を相対的に回転させる回転トルクを調整するトルク調整機構16とを備える。
【0033】
回転弾性体13は、くぐり戸2を閉じる方向に回転させるように付勢する状態で配設される。図3の回転弾性体13は、弾性金属線を渦巻き状に加工しているコイルスプリングである。この回転弾性体13は、一端を主軸11に連結して、他端をトルク調整機構16を介して筒体14に連結している。主軸11は、筒体14に回転できるように内蔵されると共に、本体ドア1に、回転しないように連結されている。コイルスプリングである回転弾性体13は、筒体14と主軸11とを、その弾性力によって相対的に回転させようとする。ただ、主軸11は本体ドア1に回転しないように連結されているので、回転弾性体13は、主軸11を回転させることなく、その反作用で筒体14を回転させる。すなわち、回転弾性体13が、主軸11に対して筒体14を弾性的に回転させて、回転する筒体14が、固定されたくぐり戸2を閉じる方向に回転させる。
【0034】
本発明の防火ドアは、図2に示すように、本体ドア1の両面にくぐり戸2を開閉する。この図において、くぐり戸2は、水平面内で左右に回転されて、本体ドア1の両面に開閉される。ヒンジ3の回転弾性体13は、くぐり戸2を右又は左にのみ、すなわち一方にのみ回転する。両面に開かれるくぐり戸2を閉位置とするために、くぐり戸2の上下に固定される第1のヒンジ3Aの回転弾性体13と第2のヒンジ3Bの回転弾性体13は、くぐり戸2を互いに反対方向に回転して両方向に開かれるくぐり戸2を閉位置とする。たとえば、くぐり戸2の下部に固定されるヒンジ3の回転弾性体13でくぐり戸2を弾性的に左回転させ、上部に固定される第2のヒンジ3Bの回転弾性体13でくぐり戸2を弾性的に右回転させて、左右に回転して両面に開かれるくぐり戸2を閉位置に移動させる。
【0035】
回転弾性体13が筒体14を回転させる回転トルクは、くぐり戸2を閉じる方向に回転させる回転トルクとなる。トルク調整機構16は、回転弾性体13の一端を筒体14に連結する回転位置を変更して、筒体14を弾性的に回転させる回転トルク、すなわち、くぐり戸2を閉じる方向に回転させる回転トルクを調整する。図3のヒンジ3は、トルク調整機構16を一方クラッチ20とする。ただし、本発明は、ヒンジのトルク調整機構を一方クラッチには特定せず、回転弾性体の回転トルクを調整できるすべての機構、たとえばラチェット機構とすることもできる。
【0036】
一方クラッチ20からなるトルク調整機構16は、筒体14に回転しないように固定される外リング21と、回転弾性体13の一端を連結している内リング22と、この内リング22と外リング21との間にあるボール23とを備える。内リング22は、図4に示すように、ボール23を案内するテーパー溝24を設けているいる。テーパー溝24は内リング22の回転方向に向かって次第に浅くなるテーパー状としている。この一方クラッチ20は、図4の矢印Aで示す方向には回転できるが、矢印Bで示す方向には回転しない。このトルク調整機構16は、一方クラッチ20の内リング22を矢印Aで示す方向に回転して、回転弾性体13がくぐり戸2を閉じる方向に回転させるトルクを強くする。いいかえると、内リング22がこの方向に回転されると、コイルスプリングからなる回転弾性体13の一端を巻方向に移動して、コイルスプリングが筒体14を回転させる回転トルクを強くする。内リング22を回転させるために、図1の一部拡大図に示すように、くぐり戸2の表面と筒体14には開口部17を設けており、さらに内リング22の外側面には、回転ジグ26を挿入する連結孔25を設けている。くぐり戸2と筒体14の開口部17から内リング22の連結孔25に回転ジグ26を挿入し、回転ジグ26で内リング22を回転して、回転弾性体13が筒体14を回転する回転トルクを調整する。
【0037】
ヒンジ3は、主軸11を弾性的に回転しない状態でくぐり戸2に連結される。くぐり戸2の上下に固定されるヒンジ3は、主軸11を本体ドア1の軸受け金具10に連結した後、トルク調整機構16で回転弾性体13が主軸11を弾性的に回転する回転トルクを調整する。第1のヒンジ3Aの回転弾性体13は、図2において矢印Cで示すように、くぐり戸2を右方向に回転して閉位置とし、第2のヒンジ3Bの回転弾性体13は、矢印Dで示すように、くぐり戸2を左方向に回転して閉位置とする。第1のヒンジ3Aの回転弾性体13と第2のヒンジ3Bの回転弾性体13は、互いにバランスして、本体ドア1の閉位置となるように調整される。第1のヒンジ3Aと第2のヒンジ3Bは、くぐり戸2を閉位置とするように回転弾性体13をバランスさせているので、くぐり戸2が押されて開かれると、閉位置に復帰させるように主軸11を弾性的に回転させる。
【0038】
固定片15は、主軸11の先端連結部11Aを貫通させて突出させる貫通孔15Aと、止ネジ29を挿入してくぐり戸2に固定する複数のネジ孔15Bを設けている。固定片15の貫通孔15Aは、主軸11の先端連結部11Aを回転できるように貫通させる。正確には、主軸11は、回転しないように本体ドア1に連結されるので、固定片15は、主軸11に対して回転できるように先端連結部11Aを貫通させている。固定片15は、ネジ孔15Bに挿通される止ネジ29でくぐり戸2に固定される。第1のヒンジ3Aは固定片15をくぐり戸2の上面に固定し、第2のヒンジ3Bは固定片15をくぐり戸2の下面、図3においては、くぐり戸2の下端に位置する第2の横枠2Dに固定している。くぐり戸2は、固定片15を固定する状態で筒体14を内蔵する収納部18を設けている。
【0039】
さらに、防火ドアは、図5と図6の断面図に示すように、くぐり戸2と本体ドア1の間にストッパー機構30を設けている。ストッパー機構30は、くぐり戸2が押圧されない状態で、くぐり戸2を閉位置に停止させる。このくぐり戸2は、ストッパー機構30で閉位置に正確に停止される。これらの図の防火ドアは、ヒンジ3で本体ドア1に連結されるくぐり戸2の第1の縦枠2Aと、その反対側に位置する第2の縦枠2Bと、くぐり戸2の上端に位置する第1の横枠2Cにストッパー機構30を設けている。すなわち、くぐり戸2は、下端を除く3辺にストッパー機構30を設けている。この防火ドアは、ストッパー機構30でより確実にくぐり戸2を閉位置に停止できる。
【0040】
図5と図6のストッパー機構30は、くぐり戸2と本体ドア1との対向面に設けている凹部31と、この凹部31に出し入れされる突出部32と、この突出部32を弾性的に凹部31に向かって押し出す押圧弾性体33とを備える。図5は、本体ドア1とくぐり戸2の水平断面図を、図6は、本体ドア1とくぐり戸2の垂直断面図をそれぞれ示している。
これらの図のストッパー機構30は、くぐり戸2の外側に凹部31を設けて、本体ドア1の枠体35に突出部32を設けている。ただし、ストッパー機構は、図とは反対に、くぐり戸の外側に突出部を設けて、本体ドアに凹部を設けることもできる。
【0041】
突出部32は、本体ドア1の枠体35の内部に配設されて、内側から押圧弾性体33に押されて、くぐり戸2の凹部31に向かって弾性的に押し出される。本体ドア1の枠体35は、くぐり戸2の凹部31に突出部32を案内するために、突出部32を本体ドア1から外部に突出させる開口部36を設けている。図5と図6の押圧弾性体33は、ロッド34を介して突出部32を内面から弾性的に押圧している。ロッド34は、本体ドア1に固定している縦バー37または横バー38のガイド孔37A、38Aに挿通されて、押圧弾性体33で軸方向に移動される。さらに、ロッド34は、その先端に鍔部39を設けている。この鍔部は、図示しないが、磁石を内蔵することもできる。磁石を内蔵する鍔部は、その磁力によって、くぐり戸の縦枠や横枠に引きつけられて、凸部を確実に押し出して、凹部に案内できる。また、くぐり戸の上側に配設される凸部は、鍔部の自重で凸部を下向きに突出させて、確実に凹部に案内することもできる。押圧弾性体33はコイルスプリングからなる押しバネである。この押圧弾性体33は、ロッド34に挿通され、鍔部39と本体ドア1の縦バー37の間にあって、ロッド34を突出部32の内面に弾性的に押圧する。
【0042】
さらに、ストッパー機構30は、突出部32を縦に長い凸条32Aとし、凹部31を、凸条32Aを案内する案内溝31Aとする。このように、突出部32を縦に長い凸条32Aとし、この凸条32Aを案内する案内溝31Aを凹部31とするストッパー機構30は、くぐり戸2を閉位置とする状態で、本体ドア1の開口部1Aとくぐり戸2との間を広い範囲にわたって隙間なく閉塞して、この部分から煙やガスが通過するのを有効に防止できる特長がある。
【0043】
図5と図6のストッパー機構30は、上下のヒンジ3がバランスして、くぐり戸2を閉位置に配置すると、押圧弾性体33が弾性的に押し出す突出部32が凹部31に案内されて、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止する。非常時において、くぐり戸2が押されて開かれると、突出部32を凹部31の外部に移動する。くぐり戸2が押されなくなると、ヒンジ3がくぐり戸2を閉位置に復帰させる。このとき、突出部32は、凹部31に復帰されて、くぐり戸2を閉位置に停止する。
【0044】
くぐり戸2が閉位置に移動するとき、突出部32は押圧弾性体33を弾性的に圧縮する。ヒンジ3がくぐり戸2を閉位置に移動させる力で、押圧弾性体33は圧縮される。上下のヒンジ3は、バランスしてくぐり戸2を閉位置に停止するので、くぐり戸2が閉位置に接近するにしたがって、くぐり戸2を閉位置に移動させる回転トルクが小さくなる。小さい回転トルクは、押圧弾性体33を圧縮する力も弱くなる。
【0045】
さらにまた、図5と図7は、弱い回転トルクで突出部32をスムーズに凹部31に案内するストッパー機構30としている。このストッパー機構30は、案内溝31Aの幅を凸条32Aの幅より広くして、凸条32Aを上下で案内溝31Aの幅方向に傾斜させている。さらに、案内溝31Aの幅は、傾斜する凸条32Aの全体を案内できる幅としている。このストッパー機構30は、凸条32Aを部分的に案内溝31Aに案内しながら、くぐり戸2を閉位置に停止する。図6のストッパー機構30のように、突出部32の全体を同時に凹部31に案内しない。凸条32Aが部分的に案内溝31Aに案内されることから、凸条32Aを案内溝31Aに案内するために要求されるくぐり戸2の回転トルクは小さくなる。このため、回転トルクが弱くなっても、凸条32Aを案内溝31Aに案内して、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に移動できる。
【0046】
ストッパー機構30は、図8の拡大断面図に示すように、くぐり戸2と本体ドア1との対向面に配設している磁石40とすることもできる。このストッパー機構30は、磁石40の吸引力でくぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止する。とくに、図8の断面図に示すストッパー機構30は、鉄などの磁性金属をカップ状に加工している磁気カップ41に収納している。磁気カップ41は内形を磁石40の外形よりも大きくすると共に、くぐり戸2を閉位置とする状態で互いに対向して配設されるように、くぐり戸2と本体ドア1に固定している。このストッパー機構30は、くぐり戸2を閉位置とする状態で、磁石40の吸引力を強くして、くぐり戸2を安定して閉位置に停止できる。くぐり戸2を閉位置とする状態で、磁気カップ41が磁気抵抗を小さくして、磁気的な吸引力を強くするからである。
【0047】
さらに、図9に示す防火ドアは、通り抜けできるくぐり戸2を、ヒンジ3を介して本体ドア1の開口部1Aに両方向に開くように設けると共に、くぐり戸2と本体ドア1の間に、くぐり戸2を閉位置に停止するストッパー機構30を設けている。この防火ドアは、くぐり戸2の上下をヒンジ3を介して本体ドア1の開口部1Aに連結しているが、前述の実施例のように、くぐり戸2の上下に固定しているヒンジ3の弾性体をバランスしてくぐり戸2を閉位置に移動させるのではない。この防火ドアは、くぐり戸2と本体ドア1の間に設けたストッパ機構30を介して、くぐり戸12を閉位置に停止させる。したがって、上下のヒンジ3は、必しもくぐり戸を反対方向に回転するように付勢する弾性体を各々が内蔵する必要はない。
【0048】
図に示す上下のヒンジ3は、くぐり戸2を本体ドア1に連結する主軸11と、本体ドア1に固定されて、ヒンジ3の主軸11を連結する軸受け金具10、50とを備えている。ここで、くぐり戸2の下部に設けた第2のヒンジ3Bは、くぐり戸2を閉位置に移動させる回転トルク部12を備えているが、くぐり戸2の上部に設けた第1のヒンジ3Aは、くぐり戸2を回転させる回転トルク部を備えていない。すなわち、図の防火ドアは、くぐり戸2を本体ドア1に対して回転させた状態では、下部に設けた第2のヒンジ3Bの回転トルク部12によってくぐり戸2を閉位置に移動させる構造としている。ただ、回転トルク部は、上部に設けた第1のヒンジに設けることもできる。すなわち、くぐり戸は、上下のいずれか一方のヒンジに設けた回転トルク部で閉位置に移動することができ、あるいは上下の両方のヒンジに回転トルク部を設けて閉位置に移動することもできる。
【0049】
この防火ドアは、ヒンジ3に内蔵される回転トルク部12を介して、開位置にあるくぐり戸2を閉位置に移動させる。以下、回転トルク部12を備えるヒンジ3について詳述する。図9の防火ドアは、くぐり戸2の下部に配設される第2のヒンジ3Bが回転トルク部12を備えている。したがって、この第2のヒンジ3Bの詳細について、図10に基づいて説明する。なお、回転トルク部を備えていないヒンジ、すなわち、図9において、くぐり戸2の上部に配設される第1のヒンジ3Aの詳細については後述する。
【0050】
図10に示すヒンジ3は、くぐり戸2を本体ドア1に連結する主軸11と、本体ドア1に固定されてヒンジ3の主軸11を連結する軸受け金具50と、くぐり戸2に固定される回転トルク部12とを備える。主軸11は、くぐり戸2の内部であって、くぐり戸2の回転中心軸n上に配置されており、くぐり戸2から突出する先端連結部11Aを一端に備えている。主軸11は、この先端連結部11Aを軸受け金具50に連結している。
【0051】
軸受け金具50は、全体の形状をL字状としており、垂直に配設される固定部50Bを本体ドア1に固定すると共に、水平に配設される支持部50Aを、本体ドア1の開口部1Aの開口縁から水平方向に突出させる状態で配置している。軸受け金具50の固定部50Bは、図に示すように、本体ドア1に固定する止ネジ28を挿通する複数のネジ孔50bを貫通して設けている。
【0052】
回転トルク部12は、主軸11に連結されてくぐり戸2を開位置から閉位置に弾性的に駆動する回転弾性体13と、この回転弾性体13を内蔵する筒体14と、この筒体14に固定されてくぐり戸2に固定される固定片15とを備える。図の回転弾性体13は、弾性金属線を渦巻き状に加工しているコイルスプリングである。この回転弾性体13は、一端を主軸11に連結して、他端を筒体14に連結している。主軸11は、筒体14に回転できるように内蔵されると共に、本体ドア1に、回転しないように連結している。コイルスプリングである回転弾性体13は、筒体14と主軸11とを、その弾性力によって相対的に回転させようとする。ただ、主軸11は本体ドア1に回転しないように連結されるので、回転弾性体13は、主軸11を回転させることなく、その反作用で筒体14を回転させる。すなわち、回転弾性体13が、主軸11に対して筒体14を弾性的に回転させて、筒体14が固定されたくぐり戸2を閉じる方向に回転させる。コイルスプリングである回転弾性体13は、くぐり戸2を、閉位置から左右のいずれの方向に回転させても、回転弾性体13の弾性力でくぐり戸2を閉じる方向に回転させる。したがって、この回転弾性体13は、くぐり戸2を回転させる方向に力が付勢しない状態で、くぐり戸2が閉位置となるように配設される。固定片15は、主軸11の先端連結部11Aを回転しないように貫通孔15Aを貫通させて突出させると共に、ネジ孔15Bに止ネジ29を挿入して、くぐり戸2に固定している。図のヒンジ3は、固定片15をくぐり戸2の下面、図10においては、くぐり戸2の下端に位置する第2の横枠2Dに固定している。くぐり戸2は、固定片15を固定する状態で筒体14を内蔵する収納部18を設けている。
【0053】
以上の構造の回転トルク部12を備えるヒンジ3は、本体ドア1の両方向に回転されるくぐり戸2を、回転弾性体13の弾性力によって閉位置に移動させる。さらに、図に示すヒンジ3は、回転弾性体13の弾性力が経時的に変化しても、負荷が作用しない状態における回転弾性体13の静止位置、いいかえるとくぐり戸2の停止位置が閉位置からずれないように、軸受け金具50と主軸11との連結位置を調整できる構造としている。図に示す軸受け金具50は、主軸11の先端連結部11Aを回転しないように連結する非回転孔51aを有する調整台51と、この調整台51を水平面内で回転できるように連結している支持部50Aと、調整台51を所定の位置に回転して支持部50Aに固定するロックボルト52とを備える。
【0054】
調整台51は、図11ないし図13に示すように、全体の形状を円形としており、水平面内で回転できるように支持部50Aに配設している。支持部50Aは、その上面に、調整台51を回転できるように嵌入できる凹部54を設けている。図の調整台51は円形としているので、支持部50Aは、円形の凹部54を設けている。調整台51は、その中心に、主軸11の先端連結部11Aを回転しないように連結する非回転孔51aを開口して設けている。軸受け金具50は、支持部50Aに設けた調整台51の非回転孔51aを、くぐり戸2の回転中心に配置するように本体ドア1に固定している。図のヒンジ3は、軸受け金具50と主軸11とを互いに回転しないように連結するために、調整台51の非回転孔51aを角穴とし、主軸11の先端連結部11Aを、この角穴に嵌合する角ロッドとしている。ただ、調整台の非回転孔と主軸の先端連結部は、互いに回転しない状態で嵌合する他の形状や構造とすることもできる。
【0055】
支持部50Aの凹部54に配置されて水平面内で回転する調整台51は、所定の位置に回転されて、ロックボルト52で固定される。ここで、調整台51の所定の位置とは、くぐり戸2を開く方向に力が作用しない状態で、くぐり戸2が閉位置となる位置である。すなわち、調整台51は、力が作用しない状態のくぐり戸2が閉位置となるように回転位置が調整される。さらに、円形の調整台51は、ロックボルト52で所定の位置に固定するために、外周面に、調整台51の回転方向に対して接線方向に平行な調整面53を設けている。図11ないし図13の調整台51は、その外周において、円の対向面を接線方向と平行な方向に切除して調整面53を設けている。この調整台51は、ロックボルト52の先端で調整面53を押圧して、支持部50Aに対する固定位置を調整している。
【0056】
図の軸受け金具50は、図11と図12に示すように、支持部50Aの両面から凹部54に向かって、ロックボルト52を挿通するネジ孔55を開口して設けている。図の支持部50Aは、互いに対向する側面に、各々2個のネジ孔55を水平方向に離して開口している。これらのネジ孔55は、ここに挿入されるロックボルト52の先端で、各々の調整面53の両端部を押圧する位置に設けている。図のネジ孔55は、支持部50Aの側面に、ロックボルト52のネジ頭52Aを回転できるように挿入する挿入凹部56を設けると共に、この挿入凹部56の底面から、調整台51を嵌入する凹部54の内側に貫通して開口している。ロックボルト52は、挿入凹部56に挿入されるネジ頭52Aを外側から工具で回転させて、凹部54の内部への突出量が調整される。ただ、ロックボルトには、ネジ頭のないものも使用できる。このロックボルトを挿通するネジ孔は、挿入凹部を設けることなく、支持部の側面から凹部の内面まで貫通させる。
【0057】
以上の構造の軸受け金具50は、図13に示すように、各ロックボルト52の突出量を調整して、調整台51の位置を微調整する。調整台51を図12の矢印Aで示す方向に回転させるときは、図13に示すように、右上と左下に位置するロックボルト52の突出量を大きくして、右下と左上に位置するロックボルト52の突出量を小さくする。また、調整台51を図12の矢印Aと逆方向に回転させるときは、図13とは反対に、右上と左下に位置するロックボルト52の突出量を小さくして、右下と左上に位置するロックボルト52の突出量を大きくする。以上のようにして、調整台51の回転位置を調整して、くぐり戸2を閉位置に配置できるように調整する。
【0058】
次に、回転トルク部を備えていないヒンジ3について詳述する。図9において、くぐり戸2の上部に配設される第1のヒンジ3Aは、図14に示すように、くぐり戸2を本体ドア1に連結する主軸11と、本体ドア1に固定されてヒンジ3の主軸11を連結する軸受け金具10と、主軸11をくぐり戸2に出し入れ自在に連結する伸縮部60とを備えている。主軸11は、くぐり戸2の回転中心軸n上に配置されており、くぐり戸2から突出する先端連結部11Aを一端に備えている。主軸11は、この先端連結部11Aを軸受け金具10に開口した回転孔10cに挿入して連結している。さらに、図に示す第1のヒンジ3Aは、くぐり戸2を本体ドア1に装着するために、伸縮部60を介して、主軸11の先端連結部11Aをくぐり戸2に出し入れできる構造としている。
【0059】
図14に示す伸縮部60は、先端連結部11Aをくぐり戸2から突出させる方向に主軸11を弾性的に押圧する弾性体61と、この弾性体61を内蔵する筒体62と、この筒体62に固定されてくぐり戸2に固定される固定片63とを備える。主軸11は、筒体62の内面に沿って往復運動できるように、筒体62に内蔵される後端部11Bを、先端連結部11Aよりも太く成形している。図に示す主軸11は、後端部11Bの外径を筒体62の内径とほぼ等しくして、主軸11を回転中心軸n上で往復運動できるようにしている。弾性体61は、弾性金属線を渦巻き状に加工しているコイルスプリングである。コイルスプリングである弾性体61は、筒体62内において、主軸11の後端部11Bを押圧して、主軸11の先端連結部11Aをくぐり戸2から弾性的に押し出す。固定片63は、くぐり戸2の上面に固定しており、主軸11の先端連結部11Aを、貫通孔63Aに貫通させて突出させている。くぐり戸2は、固定片63を固定する状態で筒体62を内蔵する収納部18を設けている。
【0060】
以上の構造の伸縮部60を備えるヒンジ3は、主軸11の先端連結部11Aを内部に押し込んだ状態で、本体ドア1に設けた軸受け金具10の対向位置に配置される。すなわち、このくぐり戸2は、下端に設けた第2のヒンジ3Bの主軸11の先端連結部11Aを軸受け金具50に連結する状態で、上端に設けた第1のヒンジ3Aの主軸11の先端連結部11Aをくぐり戸2の内部に押し込み、この状態でくぐり戸2を本体ドア1の連結位置に配置し、その後、先端連結部11Aをくぐり戸2から突出させて上側の軸受け金具10の回転孔10cに挿入して連結する。このヒンジ3は、主軸11の先端連結部11Aを軸受け金具10の回転孔10cに対して回転できるように連結し、くぐり戸2を本体ドア1に対して回転できるようにしている。ただ、ヒンジは、主軸の先端連結部を軸受け金具に設けた非回転孔に連結して、主軸を筒体に対して回転できる構造とすることもできる。
【0061】
さらに、図9、図10、及び図14に示す防火ドアは、くぐり戸2と本体ドア1の間にストッパー機構30を設けており、このストッパー機構30でもって、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止している。ストッパー機構30は、図15ないし図18に示すように、くぐり戸2と本体ドア1との対向面に設けている凹部31と、この凹部31に出し入れされる突出部32と、この突出部32を弾性的に凹部31に向かって押し出す押圧弾性体33とを備える。図17と図18に示すように、突出部32は、縦に長い凸条32Aで、凹部31は、この凸条32Aを案内する案内溝31Aである。このように、突出部32を縦に長い凸条32Aとし、この凸条32Aを案内する案内溝31Aを凹部31とするストッパー機構30は、くぐり戸2を閉位置とする状態で、本体ドア1の開口部1Aとくぐり戸2との間を広い範囲にわたって隙間なく閉塞して、この部分から煙やガスが通過するのを有効に防止できる特長がある。図のストッパー機構30は、くぐり戸2の外側に凹部31を設けて、本体ドア1の対向面である枠体35に突出部32である凸条32Aを設けている。ただし、ストッパー機構は、図とは反対に、くぐり戸の外側に突出部を設けて、本体ドアに凹部を設けることもできる。
【0062】
案内溝31Aは、その幅を凸条32Aの幅よりも広くしており、凸条32Aは、その両端を案内溝31Aの幅方向に傾斜している。さらに、案内溝31Aは、その幅を、傾斜する凸条32Aの全体を案内できる幅としている。この構造のストッパ機構は、弱い回転トルクで突出部32をスムーズに凹部31に案内できる。それは、突出部の全体を同時に凹部に案内することなく、凸条32Aが部分的に案内溝31Aに案内するからである。このストッパ機構30は、押圧弾性体33で弾性的に押し出される突出部32を凹部31に案内して、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止する。
【0063】
さらに、図の防火ドアは、くぐり戸2が両側面と上側面に凹部31を有しており、本体ドア1は、開口部1Aの内側であって、くぐり戸2に設けている凹部31との対向面である両側の内面と上側の下面に凸条32Aを設けている。この防火ドアは、くぐり戸2の第1の縦枠2Aと、その反対側に位置する第2の縦枠2Bと、くぐり戸2の上端に位置する第1の横枠2Cにストッパー機構30を設けている。すなわち、くぐり戸2は、下端を除く3辺にストッパー機構30を設けている。この防火ドアは、ストッパー機構30でより確実にくぐり戸2を閉位置に停止できる。
【0064】
図15に示すように、くぐり戸2の両側面と、その対向面である本体ドア1の開口部1Aの両側の内面に設けられるストッパ機構30は、図5に示すストッパ機構30と同様の構造としている。さらに、図16と図17に示すように、くぐり戸2の上端面と、その対向面である本体ドア1の開口部1Aの上側の下面に設けているストッパ機構30は、凸条32Aを、長手方向に向かって傾斜して配設している。このストッパ機構30は、図18の鎖線で示すように、本体ドア1の開口部1Aの上側の下面に設けている凸条32Aを、その両端で開口部1Aの両側内面に設けている凸条32Aの上端に連結される位置に配置している。さらに、図18のストッパ機構30は、くぐり戸2の両側面と上端面の3辺に設けられる凹部31である案内溝31Aの境界部を、くぐり戸2の上端のコーナー部において互いに連結している。このように、くぐり戸2の3辺に設けられる凹部31である案内溝31Aの境界部を互いに連結すると共に、本体ドア1の開口部1Aの内面の3辺に設けられる突出部32である凸条32Aの境界部を互いに連結する位置に配置するストッパ機構30は、くぐり戸2を閉じた状態において、くぐり戸2の3辺に配置されるストッパ機構30の境界部分を連続する状態で連結して、この部分に隙間ができるのを有効に防止できる。したがって、くぐり戸2を閉じた状態で、開口部1Aの上側コーナー部における隙間をなくして、遮煙性能を確保できる特徴がある。
【0065】
さらに、くぐり戸2の上端面に設けられるストッパ機構30は、図14に示すように、くぐり戸2の上部に設けた第1のヒンジ3Aから突出する主軸11の先端連結部11Aを貫通させる貫通孔64を開口している。くぐり戸2の上端面に設けられる凹部31である案内溝31Aは、図18に示すように、その中央部であって、くぐり戸2から突出する主軸11の先端連結部11Aを通過させる位置に貫通孔64を開口している。また、本体ドア1の開口部1Aの上側の下面に設けている凸条32Aは、図17に示すように、くぐり戸2の上端面から突出する主軸11の先端連結部11Aを通過させる位置であって、本体ドア1に内蔵される軸受け金具10の回転孔10cと対向する位置に貫通孔64を開口している。このように、凹部31である案内溝31Aと、突出部32である凸条32Aに貫通孔64を開口し、この貫通孔64に主軸11の先端連結部11Aを通過させて軸受け金具10に連結する構造は、くぐり戸2の上側に配設されるストッパ機構30の隙間をなくして、この部分から煙が漏れるのを確実に防止できる。
【0066】
これらのストッパ機構30は、突出部32を本体ドア1の枠体35の内部に配設して、内側から押圧弾性体33で押圧して、くぐり戸2の凹部31に向かって弾性的に押し出している。本体ドア1の枠体35は、くぐり戸2の凹部31に突出部32を案内するために、突出部32を本体ドア1から外部に突出させる開口部36を設けている。図15と図16の押圧弾性体33は、ロッド34を介して突出部32を内面から弾性的に押圧している。ロッド34は、本体ドア1に固定している縦バー37または横バー38のガイド孔37A、38Aに挿通されて、押圧弾性体33で軸方向に移動される。さらに、ロッド34は、その先端に鍔部39を設けている。この鍔部は、図示しないが、磁石を内蔵することもできる。磁石を内蔵する鍔部は、その磁力によって、くぐり戸の縦枠や横枠に引きつけられて、凸部を確実に押し出して、凹部に案内できる。また、くぐり戸の上側に配設される凸部は、鍔部の自重で凸部を下向きに突出させて、確実に凹部に案内することもできる。押圧弾性体33はコイルスプリングからなる押しバネである。この押圧弾性体33は、ロッド34に挿通され、鍔部39と本体ドア1の縦バー37の間にあって、ロッド34を突出部32の内面に弾性的に押圧する。
【0067】
以上のストッパー機構30は、くぐり戸2が押圧されない状態で、くぐり戸2を閉位置に停止させる。ストッパー機構30は、くぐり戸2が閉位置に移動すると、押圧弾性体33が弾性的に押し出す突出部32を凹部31に案内して、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に停止する。非常時において、くぐり戸2が押されて開かれると、突出部32を凹部31の外部に移動する。くぐり戸2が押されなくなると、ヒンジ3がくぐり戸2を閉位置に復帰させる。このとき、突出部32は、凹部31に復帰されて、くぐり戸2を閉位置に停止する。くぐり戸2が閉位置に移動するとき、突出部32は押圧弾性体33を弾性的に圧縮する。ヒンジ3がくぐり戸2を閉位置に移動させる力で、押圧弾性体33は圧縮される。ヒンジ3は、くぐり戸2が閉位置に接近するにしたがって、くぐり戸2を閉位置に移動させる回転トルクが小さくなり、押圧弾性体33を圧縮する力も弱くなる。ただ、以上のストッパ機構は、凸条32Aが部分的に案内溝31Aに案内されることから、凸条32Aを案内溝31Aに案内するために要求されるくぐり戸2の回転トルクは小さくなる。このため、回転トルクが弱くなっても、凸条32Aを案内溝31Aにスムーズに案内して、くぐり戸2を本体ドア1の閉位置に移動できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例にかかる防火ドアの正面図である。
【図2】図1に示す防火ドアの水平断面図である。
【図3】ヒンジの一例を示す拡大断面図である。
【図4】図3に示すヒンジの一方クラッチを示す水平断面図である。
【図5】図1に示す防火ドアのA−A線断面図である。
【図6】図1に示す防火ドアのB−B線断面図である。
【図7】図5に示すストッパー機構の突出部を示す正面図である。
【図8】ストッパー機構の他の一例を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の他の実施例にかかる防火ドアの正面図である。
【図10】図9に示す防火ドアの第2のヒンジを示す拡大断面図である。
【図11】図10に示すヒンジの軸受け金具の分解斜視図である。
【図12】図10に示すヒンジの軸受け金具の水平断面図である。
【図13】図12に示す軸受け金具を調整する状態を示す水平断面図である。
【図14】図9に示す防火ドアの第1のヒンジを示す拡大断面図であって、図9のC−C線断面に相当する図である。
【図15】図9に示す防火ドアのA−A線断面図である。
【図16】図9に示す防火ドアのB−B線断面図である。
【図17】図9に示す防火ドアの本体ドアの開口部の底面斜視図である。
【図18】図9に示す防火ドアのくぐり戸の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
1…本体ドア 1A…開口部
2…くぐり戸 2A…第1の縦枠
2B…第2の縦枠
2C…第1の横枠
2D…第2の横枠
3…ヒンジ 3A…第1のヒンジ
3B…第2のヒンジ
4…バネヒンジ
9…通路
10…軸受け金具 10A…支持部
10B…固定部
10a…非回転孔
10b…ネジ孔
10c…回転孔
11…主軸 11A…先端連結部
11B…後端部
12…回転トルク部
13…回転弾性体
14…筒体
15…固定片 15A…貫通孔
15B…ネジ孔
16…トルク調整機構
17…開口部
18…収納部
20…一方クラッチ
21…外リング
22…内リング
23…ボール
24…テーパー溝
25…連結孔
26…回転ジグ
28…止ネジ
29…止ネジ
30…ストッパー機構
31…凹部 31A…案内溝
32…突出部 32A…凸条
33…押圧弾性体
34…ロッド
35…枠体
36…開口部
37…縦バー 37A…ガイド孔
38…横バー 38A…ガイド孔
39…鍔部
40…磁石
41…磁気カップ
50…軸受け金具 50A…支持部
50B…固定部
50b…ネジ孔
51…調整台 51a…非回転孔
52…ロックボルト 52A…ネジ頭
53…調整面
54…凹部
55…ネジ孔
56…挿入凹部
60…伸縮部
61…弾性体
62…筒体
63…固定片 63A…貫通孔
64…貫通孔
n…回転中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通り抜けることができるくぐり戸(2)をヒンジ(3)を介して本体ドア(1)に設けている防火ドアであって、
くぐり戸(2)は、上下に設けている第1のヒンジ(3A)と第2のヒンジ(3B)を介して、本体ドア(1)に両面に開閉できるように連結しており、
第1のヒンジ(3A)と第2のヒンジ(3B)は、くぐり戸(2)を開位置から閉位置に弾性的に駆動する回転弾性体(13)を備えると共に、第1のヒンジ(3A)と第2のヒンジ(3B)は、内蔵する回転弾性体(13)でもって、くぐり戸(2)を反対方向に駆動すると共に、第1のヒンジ(3A)と第2のヒンジ(3B)の回転弾性体(13)がバランスして、くぐり戸(2)を本体ドア(1)の閉位置に配置するようにしてなる防火ドア。
【請求項2】
くぐり戸(2)と本体ドア(1)の間に、くぐり戸(2)を閉位置に停止するストッパー機構(30)を設けており、このストッパー機構(30)でもって、くぐり戸(2)が本体ドア(1)の閉位置に停止されるようにしてなる請求項1に記載される防火ドア。
【請求項3】
ストッパー機構(30)が、くぐり戸(2)と本体ドア(1)との対向面に設けている凹部(31)と、この凹部(31)に出し入れされる突出部(32)と、この突出部(32)を弾性的に凹部(31)に向かって押し出す押圧弾性体(33)とを備え、
突出部(32)が縦に長い凸条(32A)で、凹部(31)がこの凸条(32A)を案内する案内溝(31A)で、案内溝(31A)の幅が凸条(32A)の幅よりも広く、かつ凸条(32A)が上下で案内溝(31A)の幅方向に傾斜しており、さらに案内溝(31A)の幅を、傾斜する凸条(32A)の全体を案内できる幅としており、
押圧弾性体(33)で弾性的に押し出される突出部(32)を凹部(31)に案内して、くぐり戸(2)を本体ドア(1)の閉位置に停止する請求項2に記載される防火ドア。
【請求項4】
ストッパー機構(30)がくぐり戸(2)と本体ドア(1)との対向面に配設している磁石(40)からなり、磁石(40)の吸引力でくぐり戸(2)を本体ドア(1)の閉位置に停止するようにしてなる請求項2に記載される防火ドア。
【請求項5】
通り抜けることができるくぐり戸(2)をヒンジ(3)を介して本体ドア(1)の開口部(1A)に両方に開くように設けている防火ドアであって、
くぐり戸(2)と本体ドア(1)の間に、くぐり戸(2)を閉位置に停止するストッパー機構(30)を設けており、このストッパー機構(30)でもって、くぐり戸(2)が本体ドア(1)の閉位置に停止されるようにしてなる防火ドアであって、
ストッパー機構(30)が、くぐり戸(2)と本体ドア(1)との対向面に設けている凹部(31)と、この凹部(31)に出し入れされる突出部(32)と、この突出部(32)を弾性的に凹部(31)に向かって押し出す押圧弾性体(33)とを備え、
突出部(32)が縦に長い凸条(32A)で、凹部(31)がこの凸条(32A)を案内する案内溝(31A)で、案内溝(31A)の幅が凸条(32A)の幅よりも広く、かつ凸条(32A)が上下で案内溝(31A)の幅方向に傾斜しており、さらに案内溝(31A)の幅を、傾斜する凸条(32A)の全体を案内できる幅としており、
押圧弾性体(33)で弾性的に押し出される突出部(32)を凹部(31)に案内して、くぐり戸(2)を本体ドア(1)の閉位置に停止するようにしてなる防火ドア。
【請求項6】
くぐり戸(2)に凹部(31)を設けて、本体ドア(1)の対向面に凸条(32A)を設けている請求項5に記載される防火ドア。
【請求項7】
くぐり戸(2)が両側面と上側面に凹部(31)を有し、本体ドア(1)は開口部(1A)の内側であって、くぐり戸(2)に設けている凹部(31)との対向面である両側の内面と上側の下面に凸条(32A)を設けている請求項6に記載される防火ドア。
【請求項8】
本体ドア(1)の開口部(1A)の上側の下面に設けている凸条(32A)が、長手方向に向かって傾斜して配設されてなる請求項7に記載される防火ドア。
【請求項9】
本体ドア(1)の開口部(1A)の上側の下面に設けている凸条(32A)が、その両端で開口部(1A)の両側内面に設けている凸条(32A)の上端に連結される位置に配置されている請求項8に記載される防火ドア。
【請求項10】
ヒンジ(3)がくぐり戸(2)を本体ドア(1)に連結する主軸(11)と、本体ドア(1)に固定されてヒンジ(3)の主軸(11)を連結する軸受け金具(50)とを備え、軸受け金具(50)は、主軸(11)の先端連結部(11A)を回転しないように連結する非回転孔(51a)を有する調整台(51)と、この調整台(51)を水平面内で回転できるように連結している支持部(10A)と、調整台(51)を所定の位置に回転して支持部(50A)に固定するロックボルト(52)とを備える請求項5に記載される防火ドア。
【請求項11】
調整台(51)の外周面に、調整台(51)の回転方向に対して接線方向に平行な調整面(53)を有し、ロックボルト(52)がこの調整面(53)を押圧して、調整台(51)を支持部(50A)に対して回転しながら固定するようにしてなる請求項10に記載される防火ドア。
【請求項12】
調整台(51)の外周が、円の対向面を接線方向と平行な方向に切除して調整面(53)を設けた形状としており、各々の調整面(51)の両端部を押圧する位置にロックボルト(52)を設けている請求項11に記載される防火ドア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−285987(P2008−285987A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227882(P2007−227882)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【特許番号】特許第4115508号(P4115508)
【特許公報発行日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(593181236)協和金属株式会社 (1)
【Fターム(参考)】