説明

防犯窓

【課題】網の部分が破られても外部から手を侵入させてロックを解除しにくく、さらに防犯用網戸としてだけでなく網戸全体をデザインされたインテリアやエクステリアとして利用可能な網戸を提供する。
【解決手段】網戸19の室内側にガラス戸30の回動あるいは摺動を固定するハンドルロック27を有する防犯窓10において、該網戸19の該ハンドルロック27付近に、金属製あるいは樹脂製の侵入規制部材を設けた。さらに、前記侵入規制部材は面状の防犯意匠パネル24a、若しくは直線形状あるいは曲線形状の防犯部材41・41・・・とした。また、前記防犯窓10全体に格子状、直線状あるいは曲線状の棒状部材により自由度の高いデザインを施した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は窓の防犯機能に関し、詳しくは、網部分を破られても外部からの侵入を防ぎ、かつデザイン自由度の高い網戸を具備する防犯窓の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の防犯意識の高まりによって、窓やドアといった開口部分そのものだけでなく、その周辺部の防犯機能の高度化が求められている。例えば、室内の換気を行う場合や夏の就寝時などは一定時間窓を開放して網戸のみを閉めておくということがある。しかし従来の網戸は、虫の侵入を防ぐのみで防犯機能が乏しく、不審者に外部から容易に侵入される虞があった。そのような不安を取り除く目的で、防犯性能の高い網戸を具備した窓の需要が高まっている。
前記の課題を解決する手段として、金属板に貫通孔を多数設けて網戸に取り付ける技術や、網戸に面格子を取り付ける技術が公知となっている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【特許文献1】実用新案登録第3087195号公報
【特許文献2】特開2001−73651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし前記の従来技術等では、特許文献1と特許文献2のいずれの技術においても、屋外からの外観に対しては意匠性を有しているが、室内のインテリアとしては充分機能するものではなく、デザインの自由度についても制約が大きかった。
本発明は上記の課題を解決するために、防犯性能を高めた上で、さらに窓全体をデザインされたインテリアやエクステリアとして利用可能な防犯窓を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、窓枠に対して回動あるいは摺動することにより開閉可能に配設されたガラス戸と、該ガラス戸の室内側に該窓枠に対して固定された網戸と、を具備する防犯窓において、該網戸の室内側に該ガラス戸の回動あるいは摺動を固定するロック機構を設け、該網戸の該ロック機構付近に侵入規制部材を設けたものである。
【0006】
請求項2においては、窓枠に対して回動あるいは摺動することにより開閉可能に配設された網戸を具備する防犯窓において、該網戸の室内側に該網戸を閉状態にして固定するロック機構を設け、該網戸の該ロック機構付近に侵入規制部材を設けたものである。
【0007】
請求項3においては、前記侵入規制部材を面状部材とし、前記網戸の網と略同一面上に、水平及び鉛直方向に組み合わせた複数の棒状部材を配置し、該棒状部材によって仕切られた区画の一つに、該面状部材を該網と平行に配設したものである。
【0008】
請求項4においては、前記面状部材を樹脂製あるいは強化ガラス製とし、該面状部材に彩色あるいは模様等を施したものである。
【0009】
請求項5においては、前記面状部材を金属製とし、該面状部材にパンチング孔を穿孔したものである。
【0010】
請求項6においては、前記棒状部材によって仕切られた2箇所以上の区画に、前記面状部材を配設したものである。
【0011】
請求項7においては、前記侵入規制部材を直線形状あるいは曲線形状の棒状部材とし、前記網戸の網と略同一面内に配設し、該棒状部材の一部を前記ロック機構付近に配置したものである。
【0012】
請求項8においては、前記棒状部材の形状を流線型とし、若しくは様々なモチーフ形状としたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0014】
請求項1においては、ガラス戸を閉じている際に、不審者等がガラス戸のロック機構付近を破壊して外部からロック機構を解除しようとしても、侵入規制部材が邪魔になってロック機構付近には手を侵入させることができない。また、その際に侵入規制部材周辺の網が破られて、外部から網戸の内側に手を侵入させられた場合にも、該侵入規制部材が邪魔になってガラス戸のロックが解除され難い。不審者にとって網の切断は容易であるが、2度の破壊行為(ガラス戸の破壊と侵入規制部材の破壊)を行うことは容易でなく、ガラス戸の内側に侵入規制部材を設けることで不審者の侵入の虞を低減させることができる。即ち、本発明により、網戸を閉じたままの状態でガラス戸を開閉可能としつつ、不審者等によるガラス戸や網戸の破壊に対して顕著な防犯効果を実現することができるのである。
また、ガラス戸を人が通れない程度に開放して固定している際に、不審者等が外部からロック機構を解除しようとしても、侵入規制部材が邪魔になってロック機構付近には手を侵入させることができない。また、その際に侵入規制部材周辺の網が破られて、外部から網戸の内側に手を侵入させられた場合にも、該侵入規制部材が邪魔になってガラス戸のロックが解除され難い。つまり本発明により、ガラス戸を一定時間開放状態に置いても、不審者等に対する防犯効果を実現することができる。
【0015】
請求項2においては、網戸のみを閉じている際に、不審者等が外部から手を侵入させようとしても、侵入規制部材が邪魔になってロック機構付近には手を侵入させることができない。またその際に侵入規制部材周辺の網が破られて、外部から網戸の内側に手を侵入させられた場合にも、該侵入規制部材が邪魔になって網戸のロックが解除され難い。つまり本発明により、網戸のみを閉じた状態に置いても、不審者等に対する防犯効果を実現することができる。
また、リフォーム等で従来の網戸と交換して設置する場合、交換作業が比較的簡易であり、安価で窓の防犯性能を高めることができる。
【0016】
請求項3においては、不審者等が外部から手を侵入させようとしても、面状部材が邪魔になってロック機構付近には手を侵入できず、防犯効果を高めることができる。また面状部材周辺の網が破られ、外部から手を侵入させられた場合でも、該面状部材が邪魔になってロック機構が解除されにくく、防犯効果を高めることができる。
また、棒状部材の間隔、長さ、配置形態等を任意に組み合わせることで、窓全体をデザインされたインテリアやエクステリアとして利用できる。つまり、様々なバリエーションの窓を形成することができ、顧客ニーズに合わせたデザインの防犯窓を提供できる。
【0017】
請求項4においては、該面状部材に自由に彩色あるいは模様等を施すことにより、防犯用としてだけでなく、窓にデザインを加えたインテリアやエクステリアとして利用できる。
【0018】
請求項5においては、該面状部材に自由な位置・大きさ・形状で穿孔することにより、高強度の侵入規制部材としての防犯用上の効果だけでなく、窓にデザインを加えたインテリアやエクステリアとしても利用できる。
【0019】
請求項6においては、ロック機構近傍だけでなく、他の区画にもカラフルな面状部材等を配設することにより、防犯用としてだけでなく、窓全体がデザインされたインテリアやエクステリアとして利用できる。また、該面状部材をロック機構近傍の面状部材と同様の形態とし、防犯窓全体を統一感のとれたデザインにすることができる。
さらに、該ロック機構だけでなく、他にもサブロック機構を配設し、該サブロック機構付近の区画に該面状部材を配設することで、二重錠としてより強固な防犯機能を具備することができる。
【0020】
請求項7においては、不審者等が外部から手を侵入させようとしても、直線形状あるいは曲線形状の棒状部材が邪魔になってロック機構付近には手を侵入できず、防犯効果を高めることができる。また該棒状部材周辺の網が破られ、外部から手を侵入させられた場合でも、該棒状部材が邪魔になってロック機構が解除されにくく、防犯効果を高めることができる。
【0021】
請求項8においては、前記棒状部材を流線型にしたり、様々なモチーフ形状に形成したりすることにより、防犯用としてだけでなく、窓全体がデザインされたインテリアやエクステリアとして利用できる。つまり、様々なデザインの窓を形成することができ、顧客ニーズに合わせた防犯窓を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる、本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
図1は防犯窓の使用状態を示した正面図である。
図2は(a)は実施例1に係る防犯窓の正面図、(b)は同じく背面図である。
図3は図2(a)におけるA−A´断面図である。
図4は実施例2に係る防犯窓の正面図である。
図5は(a)は実施例3に係る防犯窓の正面図、(b)は同じく背面図である。
図6は実施例4に係る防犯窓の正面図である。
【実施例1】
【0023】
まず、本発明の実施例1に係る防犯窓10の構成について、図1乃至図3を用いて説明する。なお説明の便宜上、以下では防犯窓10の室内側を正面、屋外側を背面とし、図1における右側(室内から防犯窓に向かって右側)を右側、左側を左側とする。
図1に示すように、防犯窓10は、住宅やオフィスの窓として壁13の開口部に配置されるものである。具体的には、壁13の開口部周縁には木枠11が配設されて、該木枠11の内周にサッシ枠12が固設される。図3に示すように、該サッシ枠12の屋外側にはガラス戸30が回動して開閉可能に配設され、該ガラス戸30の室内側には網戸19が該サッシ枠12に固定して配設される。本実施例中では、該ガラス戸30は右側端部に回動軸を有しており、該ガラス戸30が回動して開くと同時に該回動軸が左後方に移動するすべり出し窓とするが、左側端部に回動軸を有するすべり出し窓や、単に右あるいは左側端部で枢支された外開き窓や、若しくは左右に摺動する形態の窓であっても差し支えなく、本実施例の形態に限定するものではない。
【0024】
図2及び図3に示すように、前記網戸19は外周端を構成する網戸枠20、該網戸枠20の内周に張設される網25等により構成される。該網戸19はサッシ枠12に固設されており、詳しくは、網戸枠20の上端が上端固定ボルト22a・22aによって上端固定部材21a・21aを介してサッシ枠12に固定され、該網戸枠20の下端が下端固定ボルト22b・22bによって下端固定部材21b・21bを介してサッシ枠12に固定される。本実施例における網戸19は、上端固定ボルト22a・22a及び下端固定ボルト22b・22bを回動して、該上端固定部材21a・21a及び下端固定部材21b・21bに対する圧着力を緩めることにより、サッシ枠12に対して取り外し可能に構成されている。
【0025】
図2及び図3に示すように、前記サッシ枠12下部の左右略中央部にはハンドルベース28が室内方向に向かって突設され、該ハンドルベース28上にはハンドル26がさらに室内方向に向かって突設される。該ハンドル26は正面視時計方向及び反時計方向に回動可能に構成されており、該ハンドル26は図示しないワイヤーや連繋部材によって前記ガラス戸30と連繋されている。具体的には、該ハンドル26を図3中矢印Bの方向に回動させると該ガラス戸30が図3中矢印Cの方向に回動して開き、該ハンドル26を図3中矢印Bの逆方向に回動させると該ガラス戸30が図3中矢印Cの逆方向に回動して閉じる構成になっている。なお、ガラス戸30が摺動して開閉する形態の場合は、該ハンドル26を回動させることによってガラス戸30が摺動するものとする。また、該ハンドル26の回動方向とガラス戸30の開閉の関係は逆方向に対応するもの、即ちハンドル26を矢印Bの方向に回動させるとガラス戸30が矢印Cの逆方向に回動して閉じる構成でも良く、その構成は本実施例に限定されるものではない。
【0026】
前記サッシ枠12左側端部の上下略中央部にはハンドルロック27が配置されており、該ハンドルロック27は図示しないワイヤー等で前記ハンドル26と連繋されている。そして、該ハンドルロック27をロックしていない場合はハンドル26を回動させることができ、ハンドルロック27をロックした場合はハンドル26を固定するように構成されている。即ち、ハンドルロック27をロックすることにより、ガラス戸30は閉状態から全開状態までの任意の位置で固定することが可能となる。
【0027】
つまり、本実施例における防犯窓10は、前記ハンドル26の回動により該ハンドル26と連繋している前記ガラス戸30の回動や摺動等の開閉作業を行うことができるものである。そのため、ガラス戸30が前記サッシ枠12に固定された網戸19等によって室内から遮蔽されていても、室内から該ハンドル26の回動を固定したり、ハンドル26とガラス戸30とを連繋しているワイヤーや連繋部材を固定したり、前記ハンドルロック27によってガラス戸30の開閉をロックしたりすることによって、室内からガラス戸30の開閉をロックすることができるのである。
【0028】
図1乃至図3に示すように、前記網戸19の外周端を構成する網戸枠20の内側には網25が張設されており、網戸枠20の内側には該網25と略同一平面上に水平及び鉛直方向に組み合わせた複数の金属製棒状部材23・23・・・が配置される。なお、棒状部材23・23・・・はアルミ等の金属製に限定するものではなく、樹脂製等でも良く、容易に破断不可能な程度の剛性を有していれば差し支えない。
詳しくは、本実施例における該棒状部材23・23・・・は、前記網25とは離間されて網25よりも室内側に配設されており、溶接やボルト締め等によって該網戸枠20に固設されているものである。
【0029】
そして、前記網戸枠20の内側で、前記棒状部材23・23・・・によって仕切られた区画のうち、少なくとも前記ハンドルロック27近傍の一区画には、前記網25よりも室内側で網25と平行に防犯意匠パネル24aが配置される。但し、該防犯意匠パネル24aは、網25と同一面内に配置する構成としても良い。
【0030】
本実施例においては、前記防犯意匠パネル24aを樹脂製若しくは強化ガラス製とし、該防犯意匠パネル24aに彩色あるいは模様等を施している。
詳しくは、網25の室内側に棒状部材23・23・・・や防犯意匠パネル24aを配設する形態の場合には、室内側からの美観を高めるデザインを施すことが好ましく、網25の屋外側に棒状部材23・23・・・や防犯意匠パネル24aを配設する形態の場合には、屋外側からの美観を高めるデザインを施すことが好ましい。そして、網25の同一面上に、即ち棒状部材23・23・・・や防犯意匠パネル24aの間に網25を張設する形態の場合には、室内側及び屋外側の両者からの美観を高めるデザインを施すことが好ましい。
ここで、防犯意匠パネル24aをアルミ等の金属製とし、該防犯意匠パネル24aにパンチング孔を複数穿孔する構成であっても良いものとする。
【0031】
このように、サッシ枠12に対して回動あるいは摺動することにより開閉可能に配設されたガラス戸30と、該ガラス戸30の室内側に該サッシ枠12に対して固定された網戸19と、を具備する防犯窓10において、該網戸19の室内側に該ガラス戸30の回動あるいは摺動を固定するハンドルロック27が設けられ、網戸19の該ハンドルロック27付近に防犯意匠パネル24aが設けられる。
これにより、該ガラス戸30を閉じている際に、不審者等が該ガラス戸30のハンドルロック27付近を破壊して外部からハンドルロック27を解除しようとしても、防犯意匠パネル24aが邪魔になってハンドルロック27付近には手を侵入させることができない。また、その際に防犯意匠パネル24a周辺の網25が破られて、外部から網戸19の内側に手を侵入させられた場合にも、該防犯意匠パネル24aが邪魔になってハンドルロック27が解除され難い。不審者にとって、網25の切断は容易であるが、二度の破壊行為(ガラス戸30の破壊と防犯意匠パネル24aの破壊)を行うことは容易でなく、ガラス戸30の内側に防犯意匠パネル24aを設けることで不審者の侵入の虞を低減させることができる。即ち、本発明により、網戸19を閉じたままの状態でガラス戸30を開閉可能としつつ、不審者等によるガラス戸30や網戸19の破壊に対して顕著な防犯効果を実現することができるのである。
また、該ガラス戸30を人が通れない程度に開放して固定している際に、不審者等が外部からハンドルロック27を解除しようとしても、防犯意匠パネル24aが邪魔になってハンドルロック27付近には手を侵入させることができない。また、その際に防犯意匠パネル24a周辺の網25が破られて、外部から網戸19の内側に手を侵入させられた場合にも、該防犯意匠パネル24aが邪魔になってハンドルロック27が解除され難い。つまり本発明により、ガラス戸30を一定時間開放状態に置いても、不審者等に対する防犯効果を実現することができる。
【0032】
また、前記網戸19の網25と略同一面上に、水平及び鉛直方向に組み合わせた複数の棒状部材23・23・・・が配置され、該棒状部材23・23・・・によって仕切られた区画の一つに、前記防犯意匠パネル24aが該網25と平行に配設される。
これにより、不審者等が外部から手を侵入させようとしても、該防犯意匠パネル24aが邪魔になってハンドルロック27付近には手を侵入できず、防犯効果を高めることができる。また該防犯意匠パネル24a周辺の網25が破られ、外部から手を侵入させられた場合でも、該防犯意匠パネル24aが邪魔になってハンドルロック27が解除されにくく、防犯効果を高めることができる。
また、該棒状部材23・23・・・の間隔、長さ、配置形態等を任意に組み合わせることで、窓全体をデザインされたインテリアやエクステリアとして利用できる。つまり、様々なバリエーションの窓を形成することができ、顧客ニーズに合わせたデザインの防犯窓10を提供できる。
【0033】
また、前記防犯意匠パネル24aは樹脂製あるいは強化ガラス製とされ、該該防犯意匠パネル24aには彩色あるいは模様等が施される。
これにより、該該防犯意匠パネル24aに自由に彩色あるいは模様等を施すことにより、防犯用としてだけでなく、防犯窓10にデザインを加えたインテリアやエクステリアとして利用できる。
【0034】
また、前記防犯意匠パネル24aは金属製とされ、該防犯意匠パネル24aはパンチング孔を穿孔されることもできる。
これにより、該防犯意匠パネル24aに自由な位置・大きさ・形状で穿孔することにより、高強度の侵入規制部材としての防犯用上の効果だけでなく、防犯窓10にデザインを加えたインテリアやエクステリアとしても利用できる。
【0035】
また、前記棒状部材23・23・・・によって仕切られた2箇所以上の区画に、前記防犯意匠パネル24a及び意匠パネル24bが配設される。
これにより図2(a)、(b)に示すように、ハンドルロック27近傍だけでなく、他の区画にもカラフルな意匠パネル24b等を配設することにより、防犯用としてだけでなく、窓全体がデザインされたインテリアやエクステリアとして利用できる。意匠パネル24bは防犯意匠パネル24aと同様の形態とし、防犯窓10全体を統一感のとれたデザインにすることができる。
さらに、ハンドルロック27だけでなく、他にも図示しない防犯用ロックを配設し、該防犯用ロック付近の区画に防犯意匠パネル24aを配設することで、二重錠としてより強固な防犯機能を具備することができる。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の実施例2における防犯窓10の構成について、図4を用いて説明する。なお、実施例1と同一の形態や機能・用途を有する部材については同一の符号を付すものとし、該部材の説明は省略する。
【0037】
本実施例における網戸19は、網戸枠20の右側端部がヒンジ32・32・32を介してサッシ枠12に対して枢支されており、左側端部に固設された取手31を把持して手動で回動することにより開閉可能に構成されている。そして、網戸枠20左側端部の上下略中央部には網戸ロック29が配置されており、該網戸枠20を閉状態でサッシ枠12に固定可能に構成されている。本実施例においては、該網戸枠20は回動して開閉する構成としているが、二枚の網戸枠20・20を左右方向に摺動して開閉可能とし、両者の位置関係を固定することによって網戸枠20・20を固定する構成とすることも可能である。また、該網戸枠20の屋外側には実施例1と同様に図示しないガラス戸が配置されるが、該ガラス戸に関してはすべり出し窓に限らず、外開き窓、摺動する形態の窓等、あらゆる形態を採用することができる。
【0038】
実施例1と同様に、前記網戸枠20には網25が張設され、前記網戸19の網25と略同一面上に、水平及び鉛直方向に組み合わせた複数の棒状部材23・23・・・が配置される。該網戸枠20の内側で、前記棒状部材23・23・・・によって仕切られた区画のうち、少なくとも前記網戸ロック29近傍の一区画には、前記網25よりも室内側で網25と平行に防犯意匠パネル24aが配置される。
【0039】
このように、サッシ枠12に対して回動あるいは摺動することにより開閉可能に配設された網戸19を具備する防犯窓10において、該網戸19の室内側に該網戸19を閉状態にして固定する網戸ロック29が設けられ、該網戸ロック29付近に防犯意匠パネル24aが設けられる。
これにより、網戸19のみを閉じている際に、不審者等が外部から手を侵入させようとしても、防犯意匠パネル24aが邪魔になって網戸ロック29付近には手を侵入させることができない。またその際に該防犯意匠パネル24a周辺の網25が破られて、外部から網戸19の内側に手を侵入させられた場合にも、該防犯意匠パネル24aが邪魔になって網戸ロック29が解除され難い。つまり本発明により、網戸19のみを閉じた状態に置いても、不審者等に対する防犯効果を実現することができる。
【実施例3】
【0040】
次に、本発明の実施例3における防犯窓10の構成について、図5を用いて説明する。なお、実施例1及び実施例2と同一の構成部材については同一の符号を付し、説明を省略する。また、本実施例における網戸枠20に関しては、実施例1の固定式あるいは実施例2の可動式いずれの形態をとることも可能であり、それぞれの詳細部分については説明を省略する。
【0041】
本実施例における網戸枠20には網25が張設されており、網戸枠20の内側には該網25と略同一平面内に金属製の曲線形状の棒状部材41・41・・・が、その中途部がロック機構33付近に位置するように、配設される。該棒状部材41・41は図5と異なる直線形状であっても良く、またその材質は樹脂製等でも良く、容易に破断不可能な程度の剛性を有していれば差し支えない。
【0042】
これにより、不審者等が外部から手を侵入しようとした場合でも、ロック機構33付近は棒状部材41・41・・・が邪魔になって手を侵入されず、防犯効果を高めることができる。また該棒状部材41・41・・・周辺の網25が破られ、外部から手を侵入された場合でも、ロック機構33近傍の該棒状部材41・41・・・が邪魔になってロック機構33が解除され難く、その結果、ガラス戸30が開放され難く、防犯効果を高めることができる。
【実施例4】
【0043】
次に、本発明の実施例4における防犯窓10の構成について、図6を用いて説明する。なお、実施例1及び実施例2と同一の構成部分については同一の符号を付し、説明を省略する。また、本実施例についても網戸枠20に関しては、実施例1の固定式あるいは実施例2の可動式いずれの形態をとることも可能であり、それぞれの詳細部分については説明を省略する。
【0044】
本実施例における網戸枠20には網25が張設され、網戸枠20の内側には実施例3と同様に該網25と略同一平面内に金属製の曲線形状の棒状部材51・51・・・が、その中途部がロック機構33付近に位置するように、配設される。該棒状部材51・51・・・は図6と異なる直線形状であっても良く、またその材質は樹脂製等でも良く、容易に破断不可能な程度の剛性を有していれば差し支えない。
【0045】
実施例3及び実施例4に示したように、侵入規制部材は直線形状あるいは曲線形状の棒状部材41・41・・・(51・51・・・)とされ、前記網戸19の網25と略同一面内に配設され、該棒状部材41・41・・・(51・51・・・)の一部が前記ロック機構33付近に配置されている。
これにより、不審者等が外部から手を侵入させようとしても、直線形状あるいは曲線形状の棒状部材41・41・・・(51・51・・・)が邪魔になってロック機構33付近には手を侵入できず、防犯効果を高めることができる。また該棒状部材41・41・・・(51・51・・・)周辺の網25が破られ、外部から手を侵入させられた場合でも、該棒状部材41・41・・・(51・51・・・)が邪魔になってロック機構33が解除されにくく、防犯効果を高めることができる。
【0046】
また、前記棒状部材41・41・・・(51・51・・・)の形状を流線型としたり、若しくは様々なモチーフ形状としたりすることができる。
これにより、防犯用としてだけでなく、窓全体がデザインされたインテリアやエクステリアとして利用できる。つまり、様々なデザインの窓を形成することができ、顧客ニーズに合わせた防犯窓10を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】防犯窓の使用状態を示した正面図。
【図2】(a)は実施例1に係る防犯窓の正面図、(b)は同じく背面図。
【図3】図2(a)におけるA−A´断面図。
【図4】実施例2に係る防犯窓の正面図。
【図5】(a)は実施例3に係る防犯窓の正面図、(b)は実施例3に係る防犯窓の背面図。
【図6】実施例4に係る防犯窓の正面図。
【符号の説明】
【0048】
10 防犯窓
19 網戸
20 網戸枠
23 格子
24a 防犯意匠パネル
24b 意匠パネル
25 網
26 ハンドル
27 ハンドルロック
41 棒状部材
51 棒状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠に対して回動あるいは摺動することにより開閉可能に配設されたガラス戸と、
該ガラス戸の室内側に該窓枠に対して固定された網戸と、を具備する防犯窓において、
該網戸の室内側に該ガラス戸の回動あるいは摺動を固定するロック機構を設け、
該網戸の該ロック機構付近に侵入規制部材を設けたことを特徴とする防犯窓。
【請求項2】
窓枠に対して回動あるいは摺動することにより開閉可能に配設された網戸を具備する防犯窓において、
該網戸の室内側に該網戸を閉状態にして固定するロック機構を設け、
該網戸の該ロック機構付近に侵入規制部材を設けたことを特徴とする防犯窓。
【請求項3】
前記侵入規制部材を面状部材とし、
前記網戸の網と略同一面上に、水平及び鉛直方向に組み合わせた複数の棒状部材を配置し、
該棒状部材によって仕切られた区画の一つに、該面状部材を該網と平行に配設した、
請求項1若しくは請求項2に記載の防犯窓。
【請求項4】
前記面状部材を樹脂製あるいは強化ガラス製とし、
該面状部材に彩色あるいは模様等を施した、
請求項3に記載の防犯窓。
【請求項5】
前記面状部材を金属製とし、
該面状部材にパンチング孔を穿孔した、
請求項3に記載の防犯窓。
【請求項6】
前記棒状部材によって仕切られた2箇所以上の区画に、前記面状部材を配設した、
請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の防犯窓。
【請求項7】
前記侵入規制部材を直線形状あるいは曲線形状の棒状部材とし、
前記網戸の網と略同一面内に配設し、
該棒状部材の一部を前記ロック機構付近に配置した、
請求項1若しくは請求項2に記載の防犯窓。
【請求項8】
前記棒状部材の形状を流線型とし、若しくは様々なモチーフ形状とした、
請求項7に記載の防犯窓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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