防犯装置及びそれを備えた照明装置、照明器具
【課題】警報音の音圧レベルを調整する機能を有し、警報音を出力するための条件が揃った場合に警報音を出力する防犯装置において、音圧レベルを設定変更した際に容易に設定されている音圧レベルを確認可能とする。
【解決手段】所定の検知エリア内における人の存在を検知して人体検知情報を出力する人センサ部2を少なくとも具備し、警報音を出力しその音圧レベルを切替え可能とした音出力部5と、人センサ部2から人体検知情報が入力され警報音を出力させる条件が確定した場合に、音出力部5で選択された音圧レベルで、警報音を出力させる制御を行う制御部1とを備えた防犯装置において、警報音の音圧レベルの切替え設定操作を実施した直後に、音出力部5より出力される警報音の音圧レベルを、当該音圧レベルで且つ警報時の警報音出力時間より短い時間で音出力部5から出力されるアンサーバック音によりアンサーバックとして出力させる。
【解決手段】所定の検知エリア内における人の存在を検知して人体検知情報を出力する人センサ部2を少なくとも具備し、警報音を出力しその音圧レベルを切替え可能とした音出力部5と、人センサ部2から人体検知情報が入力され警報音を出力させる条件が確定した場合に、音出力部5で選択された音圧レベルで、警報音を出力させる制御を行う制御部1とを備えた防犯装置において、警報音の音圧レベルの切替え設定操作を実施した直後に、音出力部5より出力される警報音の音圧レベルを、当該音圧レベルで且つ警報時の警報音出力時間より短い時間で音出力部5から出力されるアンサーバック音によりアンサーバックとして出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人を検知して警報音を発する防犯装置及び防犯機能を備えた照明装置及び照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般住宅用途の簡易型の防犯装置として、図11に示すように所定の検知エリア内の人体から放射される熱線を検知することで人の存否を検出する焦電型の赤外線センサからなる人センサ部2と、スピーカから威嚇や警告や報知のための音を出力する音出力部5と、音出力部5からの音の出力を停止させる設定などを行う設定部11と、各部の動作を制御する制御部1とを備え、電池を電源として動作するものが提供されている。
【0003】
図12はこの防犯装置の動作を説明するタイムチャートであり、時刻t11において、人センサ部2が検知エリア内における人の存在を検知して制御部1に人体検知情報を出力すると、制御部1は、この人体検知情報に基づいて所定時間、音出力部5から単一周波数(例えば4kHz)の音を「ピピピピピ・・・」のように断続的に出力し、検知エリア内に入ってきた人を威嚇したり、家人や近隣の住人に警報を発している。
【0004】
上述のような防犯装置またはこれを組み込んだ照明器具の設置場所は屋内或いは屋外と様々であり、特に屋外で設置される場合には、周囲の環境騒音の影響が大きく、音出力部5から出力される警報音が周囲の環境騒音に埋もれてしまい、充分に聞こえない可能性があった。
【0005】
そのため、ある程度の環境騒音が存在する環境下でも音出力部5からの警報音が確実に聞こえるように、音出力部5からの警報音を例えば90dB程度の大音量で出力させることで、警報音を確実に聞こえるようにした防犯装置もあるが、人センサ部2に焦電型の赤外線センサを用いた簡易型の防犯装置では、人以外の犬、猫などの動物を検知したり、検知エリア内にある植木などの植物が風で揺らいだ場合にその動きを検知するなどして誤報が多発し、その度に大音量の警報音が出力されるため近所迷惑になるという問題があった。そこで、特許文献1では、出力音の音量を大きくすることなく環境騒音が存在する場合でも警報音を聞き取り易くするため、警報音の周波数を時間的、周期的に変化させることにより、音響効果を高める提案がされている。
【0006】
また、特許文献2では、警報音の音圧レベルを防犯装置から1m離れた位置で40〜50dBとすることにより、警報音は防犯装置の近くのみで聞こえ防犯装置から離れた場所では警報音が聞こえないので、侵入者に対して警報音による威嚇効果を発揮できるとともに、警報音が周囲の迷惑にならないようにする提案がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−301355号公報
【特許文献2】特開2005−302318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように周囲の環境騒音の影響等を加味し、警報音を大音量で出力することなく音響効果を高めた上で、防犯装置の近くのみで聞こえ防犯装置から離れた場所では聞こえない警報音の音圧レベル設定を行っているが、実環境下における周囲の環境騒音の影響ばらつきが非常に大きく、防犯装置の近くにおいても警報音が聞こえにくく、不審者に対して心理的圧力を効果的に与え続けるという面ではもの足りない感があるという課題が出てきている。
【0009】
また、防犯装置から出力される警報音を聴かせる対象は、防犯装置の設置された家に侵入しようとする不審者や、その家に居住する家人や、近隣の住人及び通行人などであるが、これら対象者の年齢や性別は様々である。例えば医学的な知見によると、人間は一般的に高齢になるほど聴覚の能力が衰え、特に高音域の音に対する聴覚の衰えが著しい。従って、高齢者には防犯装置からの出力音が聞こえにくいという課題もある。
【0010】
上述のような課題もあり、防犯装置より出力される警報音の音圧レベルをユーザーで任意に設定したいというニーズが非常に高まってきている状況にある。
【0011】
しかしながら、警報音の音圧レベルをユーザーで任意に設定する場合、設定した音圧レベルを容易に確認することが出来ないという課題がある。
【0012】
例えば、テレビの音量レベルを設定変更する場合、音量レベルの変更操作を行うとリアルタイムに変更された音量レベルで音声が出力されるため、好みの音量レベルに容易に変更設定することが可能である。
【0013】
ところが、防犯装置で警報音を出力させるためには、警報音を出力させるための条件が揃う必要があり、変更操作後変更した音圧レベルをリアルタイムに容易に確認することは非常に難しい。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、警報音の音圧レベルを調整する機能を有し、警報音を出力するための条件が揃った場合に警報音を出力する防犯装置において、音圧レベルを設定変更した際に容易に設定されている音圧レベルを確認することが可能な防犯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、上述の目的を達成するために、図1に示すように、所定の検知エリア内における人の存在を検知して人体検知情報を出力する手段を少なくとも具備し、前記人体検知情報を含む周囲の環境情報を検出するセンサ部2と、警報音を出力しその音圧レベルを切替え可能とした音出力部5と、前記センサ部2から前記人体検知情報が入力され警報音を出力させる条件が確定した場合に、前記音出力部5で選択された音圧レベルで、警報音を出力させる制御を行う制御部1と、を備えた防犯装置において、警報音の音圧レベルの切替え設定操作を実施した直後に、前記音出力部5より出力される警報音の音圧レベルを、当該音圧レベルで且つ警報時の警報音出力時間より短い時間で前記音出力部5から出力されるアンサーバック音によりアンサーバックとして出力させる機能を有することを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の防犯装置と、少なくとも1つ以上の照明負荷を備え、前記照明負荷を点灯または点滅させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする照明装置である。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記照明負荷を点灯または点滅させる際の輝度を変化させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記照明負荷を点滅させる際の点滅回数を変化させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記照明負荷を点滅させる際の点滅周波数を変化させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記照明負荷を点灯または点滅させる際の光色を変えることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の照明装置を備えた照明器具である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、センサ部から人体検知情報が入力され警報音を出力させる条件が確定した場合に、既定の一定音圧レベルで警報音を出力する機能を有した既存の防犯装置を、警報音の音圧レベルを切替え設定できる防犯装置に変更する場合、警報音の音圧レベルの切替え設定操作を実施した直後に、音出力部より出力される警報音の音圧レベルを、当該音圧レベルで且つ警報時の警報音出力時間より短い時間で音出力部から出力されるアンサーバック音によりアンサーバックとして出力させることで、設定されている音圧レベルを容易に確認することが可能となるとともに、音圧レベルの設定作業を短時間に行えるという効果がある。
【0023】
また、この発明によれば、アンサーバックで出力させる機能として、警報音を出力する音出力部より設定された音圧レベルで出力することにより、上記効果に加えて、設定された音圧レベルのアンサーバック音が出力されることにより、設定するユーザー自身が警報音の音圧レベルを体感することが可能となり、よりユーザーの好み・ニーズに合わせた警報音の音圧レベルの設定が出来るという効果がある。
【0024】
また、警報時の出力時間より短い時間でアンサーバック出力することで、警報音の音圧レベルの設定作業を短時間に行えるという効果をより高めることが可能となるとともに、警報音の音圧レベル設定時の警報音出力による近隣の住人や通行人への迷惑を抑制することができる。
【0025】
請求項2〜5の発明によれば、動作モード表示部の補助照明負荷を点滅させ、その輝度、点滅回数または点滅周波数を変化させ、設定された音圧レベルをアンサーバックとして出力させることにより目視による確認が可能となり、使い勝手が向上する。
【0026】
また、既存の動作モード表示部を使用することにより、特別の回路、構造部品を設けることなく設定されている警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることが可能となり、点灯装置の低コスト化につながる効果がある。
【0027】
請求項6の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、補助照明負荷を点滅させる色を変えることにより、目視による視認性を向上させ、さらに使い勝手が良くなる効果がある。
【0028】
請求項7の発明によれば、警報音を出力させる条件が確定した場合に警報音を出力させる照明装置において、音出力部にて設定された警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させる機能を有する照明装置を備えた照明器具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1の構成を示し、(a)は照明器具のブロック図、(b)はリモコン送信機のブロック図である。
【図2】同上に用いるリモコン送信機の外観を示す正面図である。
【図3】従来の動作を示すタイムチャートであり、(a)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(b),(c)は光源部の光出力の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e)は(d)の時間軸を拡大して表示した出力音の説明図である。
【図4】同上の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図である。
【図5】同上の動作モードを示す状態遷移図である。
【図6】実施形態1の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図である。
【図7】実施形態2の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの操作設定の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e)は動作モード表示部の光出力の説明図である。
【図8】実施形態3の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e)は動作モード表示部の光出力の説明図である。
【図9】実施形態4の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e)は動作モード表示部の光出力の説明図である。
【図10】実施形態5の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e1),(e2),(e3)は動作モード表示部の光出力の説明図である。
【図11】従来例の構成を示すブロック図である。
【図12】従来例の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明の防犯装置を照明器具に適用した実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。この照明器具Aは、図1(a)に示すように所定の検知エリア内の人体から放射される熱線を検知することで人の存否を検出する焦電型の赤外線センサからなる人センサ部2と、周囲の明るさを検出するフォトICダイオードやフォトダイオード、フォトトランジスタ等からなる明るさセンサ部3と、所定の照明エリア内で照明を行う光源部4と、威嚇や警告のための警報音を出力する音出力部5と、リモコン送信機Bから赤外線のような光信号からなるワイヤレス信号で送信される動作モード切替え用のリモコン信号を受信するリモコン受信部6と、動作に関わる各種の情報(後述の検知継続時間や点灯保持時間など)を設定するための設定部7と、設定されている動作モードを表示する発光ダイオード等からなる動作モード表示部8と、例えばマイクロコンピュータからなり各部の動作を制御する制御部1とを備える。ここに、本例では検知エリア内の人を検知すると人体検知情報を出力する人センサ部2と、周囲の明るさ(照度)を検出して照度情報を出力する明るさセンサ部3とで、人体検知情報を含む周囲の環境状況(つまり人体検知情報と照度情報)を検出するセンサ部を構成している。
【0031】
一方、リモコン送信機Bは、図1(b)に示すように照明器具Aの動作モードを防犯モード(人センサ部2が人を検知すると光源部4を点滅させるとともに音出力部5から音を出力させて威嚇するモード)に切り替えるための防犯モード選択スイッチ21と、動作モードを通常モード(人センサ部2が人を検知すると光源部4を点灯させて照明エリア内の照明を行うモード)に切り替えるための通常モード選択スイッチ22と、光源部4を連続点灯させるための連続点灯選択スイッチ23と、動作モードを切り替えるためのリモコン信号をワイヤレス信号で送信するリモコン送信部24と、各選択スイッチ21〜23が操作されると操作に応じたリモコン信号をリモコン送信部24から照明器具Aに送信させる制御部20とを備える。
【0032】
図2はリモコン送信機Bの外観図を示し、手で把持できる程度の大きさに形成された樹脂成型品からなるリモコン本体25の表面に、上述の防犯モード選択スイッチ21と通常モード選択スイッチ22と連続点灯選択スイッチ23の操作釦21a,22a,23aが並べて配設されている。そして、何れかの操作釦21a,22a,23aを押操作すると、操作に応じたリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信されるのである。
【0033】
次に、リモコン送信機Bに設けた防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aが押操作されて、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて照明器具Aの動作モードが防犯モードに設定されている場合の照明器具の動作を図3のタイムチャートに基づいて説明する。
【0034】
制御部1は、明るさセンサ部3の検知した周囲の明るさが所定の閾値レベルよりも明るい場合は人センサ部2から人体検知情報が入力されても光源部4を点灯させず、また音出力部5からも威嚇や警告のための音を出力させない。一方、明るさセンサ部3の検知した周囲の明るさが所定の閾値レベルよりも暗くなると、制御部1は光源部4を点灯させて、所定の照明エリア内を照明しており、光源部4が白熱灯からなる場合には光源部4を調光点灯させ(図3(b)参照)、光源部4が無電極放電灯のような蛍光ランプからなる場合には光源部4を全点灯させている(図3(c)参照)。
【0035】
また、明るさセンサ部3の検知した周囲の明るさ入力に関係なく、検知エリア内で人が比較的長い間留まっている場合、すなわち人センサ部2が設定部7で設定された検知継続時間(例えば30秒間)以上継続して人検知情報を出力すると、制御部1は、時刻t1から上記の検知継続時間が経過した時刻t2より所定時間(例えば10秒間)だけ、音出力部5から略一定の音量(例えば45dB)で周波数の異なる2つの音(例えば4kHzと2kHzの音)を交互に出力させて、「ピボピボピボピボ・・・」のような警報音を発する(図3(d)参照)。また、制御部1は、出力音の出力と同時に、出力音の周波数変化に同期して光源部4の点灯/消灯を切り換えて、光源部4を所定時間だけ点滅させており(図3(b),(c)参照)、光と音の両方で検知エリア内に進入した人を威嚇するとともに、家人や近隣の住人および通行人に警報を発している。
【0036】
例えば、検知エリア内で人が比較的長い間留まっている場合に警報音を出力させるために、検知エリア内での人検知時間が30秒以上継続した時に警報音を10秒間出力する場合の、警報音の音圧レベル設定動作を図4のタイムチャートに基づいて説明する。
【0037】
警報音の音圧レベルを“小”に設定するために音圧レベル“小”の設定操作を行うと、音出力部5より出力される警報音の音圧レベルが“小”に設定される。その後、人センサ部2が検知エリア内での人の存在を検知し人体検知信号が継続して30秒以上出力されると、音出力部5から音圧レベル“小”の警報音を10秒間出力する。ここでようやく警報音の音圧レベルが“小”に設定されたことを確認することが出来、設定操作後から少なくとも30秒以上の時間が必要となる。
【0038】
次に警報音の音圧レベルを“小”から“中”へ設定変更する場合、前記警報音の音圧レベル“小“の設定操作と同様に、音圧レベル“中”の設定操作を行うと音出力部5より出力される警報音の音圧レベルが“中”に設定され、その後、人センサ部2が検知エリア内での人の存在を検知し人体検知信号が継続して30秒以上出力されると、音出力部5から音圧レベル“中”の警報音が10秒間出力され、警報音の音圧レベルが“中”に設定されたことが確認出来る。
【0039】
さらに警報音の音圧レベルを“中”から“大”へと切替える場合には、前記と同様の設定操作及び警報音が出力されるまでの時間を要することとなる。
【0040】
以上のように警報音の音圧レベルの設定操作後、検知継続時間人センサ部2が検知エリア内での人の存在を検知することによって音出力部5より警報音出力時間警報音が出力されることとなり、好みの音圧レベルに設定するために非常に手間が掛かってしまうこととなる。
【0041】
そこで、本発明では、音圧レベルを設定変更した際に容易に設定した音圧レベルを確認することが可能な防犯装置を提供しようとするものである。
【0042】
図5は、本発明による通常モード、連続点灯モード及び防犯モードのモード移行動作を示した状態遷移図である。
【0043】
動作モードを防犯モードに設定する場合には、図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作すると、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて照明器具Aの動作モードが防犯モードに設定される。
【0044】
通常モードに設定する場合も前記と同様に、リモコン送信機Bの通常モード選択スイッチ22の操作釦22aを押操作すると、動作モードを通常モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて照明器具Aの動作モードが通常モードに設定される。また、連続点灯モードに設定する場合も同様である。
【0045】
次に、音出力部5より出力される警報音の音圧レベルを設定する場合には、例えば音出力部5より出力される警報音の音圧レベルが、小,中,大の3段階の設定機能を有している場合では、防犯モード内に警報音の音圧レベルを設定するための動作モードとしてアラームモードを備えており、このアラームモードは警報音出力“小”、警報音出力“中”、警報音出力“大”で構成されている。
【0046】
リモコン信号に応じて照明器具Aの警報音の音圧レベル設定を行う動作を図6のタイムチャートに基づいて説明する。
【0047】
前記アラームモードの警報音出力“小”、警報音出力“中”、警報音出力“大”のモード切替えは、図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により切替えられる。
【0048】
まず、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして音出力部5より音圧レベル“小”の警報音でアンサーバック音を2秒間出力させる。
【0049】
次に、もう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして音出力部5より音圧レベル“中”の警報音でアンサーバック音を2秒間出力させる。
【0050】
前記と同様に、もう一度、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして音出力部5より音圧レベル“大”の警報音でアンサーバック音を2秒間出力させる。以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0051】
このように本実施形態では、リモコン送信機Bに設けた防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aが押操作されて防犯モードに設定されると、リモコン信号のアンサーバック音が設定された音圧レベルで出力されることにより、警報音の音圧レベルを設定した時に容易に設定されている音圧レベル(設定音圧レベル)を確認することができる。
【0052】
また、アンサーバック音出力時間は設定音圧レベルを確認することができる短い時間でも良く、実際の警報音出力時間(本実施形態1では10秒間)に対し、設定音圧レベルを確認することができる短い時間(本実施形態1では2秒間)とすることにより、警報音の音圧レベルの設定作業を短時間に行えるという効果をより高めることができる。
【0053】
なお、既存のモード切替え釦21aを使用することにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の音圧レベルの切替えが可能となる。
【0054】
また、本実施形態では“小”,“中”,“大”の3段階設定で、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”の順送りを例にあげているが、上記の設定に限定する趣旨のものではなく、例えばより幅広いユーザーニーズに対応するため、警報音の音圧レベルを“極小”⇒“小”⇒“中”⇒“大”⇒“特大”の5段階設定が可能とした場合や、警報音の音圧レベルの切替え順序を“大”⇒“中”⇒“小”⇒“大”の順送りでも良く、使用用途に応じて適宜設定すればよい。
(実施形態2)
本実施形態の照明器具Aの構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0055】
上述の実施形態1では、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして、音出力部5より設定された警報音の音圧レベルでアンサーバック音を出力させているのに対して、本実施形態では警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させ、点灯または点滅の際の表示部の輝度を変えることにより設定されている警報音の音圧レベルを知らせる。
【0056】
前記リモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させる際の輝度を変える手段の一例として、動作モード表示部8に発光ダイオードを使用し、前記発光ダイオードに流れる電流を可変することにより輝度を変化させる。
【0057】
例えば、警報音の設定音圧レベルが“小”の場合は前記発光ダイオードに流れる電流を少なくし低い輝度で出力する。また警報音の設定音圧レベルが“大”の場合は前記発光ダイオードに流れる電流を多くし高い輝度で出力する。
【0058】
上述の動作を図7のタイムチャートに基づいて説明する。図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を輝度“低”で3回点滅させる。
【0059】
次にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を輝度“中”で3回点滅させる。
【0060】
前記と同様にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を輝度“高”で3回点滅させる。
【0061】
以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0062】
また、実施形態1と同様に既存の動作モード表示部8を使用しアンサーバック出力を行うことにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の設定音圧レベルの表示が可能となる。
【0063】
なお、本実施形態では、動作モード表示部8の点灯または点滅の際の輝度を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせているが、光源部4を点灯または点滅させ、その輝度を変えても良い。
(実施形態3)
本実施形態の照明器具Aの構成は実施形態1,2と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0064】
上述の実施形態2では、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させ、点灯または点滅の際の表示部の輝度を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせるのに対して、本実施形態では警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点滅させ、この点滅回数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせる。
【0065】
例えば、警報音の設定音圧レベルが“小”の場合は動作モード表示部8を1回、“中”の場合は2回、“大”の場合は3回点滅を行う場合の動作を図8のタイムチャートに基づいて説明する。
【0066】
図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8の点滅を1回行う。
【0067】
次にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8の点滅を2回行う。
【0068】
前記と同様にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8の点滅を3回行う。
【0069】
以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0070】
また、実施形態1,2と同様に既存の動作モード表示部8を使用しアンサーバック出力を行うことにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の設定音圧レベルの表示が可能となる。
【0071】
なお、本実施形態では、動作モード表示部8の点滅の際の点滅回数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせているが、光源部4を点滅させ点滅回数を変えても良い。
(実施形態4)
本実施形態の照明器具Aの構成は実施形態1〜3と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0072】
上述の実施形態3では、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点滅させ、この点滅回数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせるのに対して、本実施形態では警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点滅させ、この点滅周波数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせる。
【0073】
例えば、警報音の設定音圧レベルが“小”の場合は動作モード表示部8の点滅周波数が1Hz、“中”の場合は2Hz、“大”の場合は3Hzで点滅する場合の動作を図9のタイムチャートに基づいて説明する。
【0074】
図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を1Hzの点滅周波数で3回点滅させる。
【0075】
次にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を2Hzの点滅周波数で3回点滅させる。
【0076】
前記と同様にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を3Hzの点滅周波数で3回点滅させる。
【0077】
以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0078】
また、実施形態1〜3と同様に既存の動作モード表示部8を使用しアンサーバック出力を行うことにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の設定音圧レベルの表示が可能となる。
【0079】
なお、本実施形態では、動作モード表示部8の点滅の際の点滅周波数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせているが、光源部4を点滅させ点滅周波数を変えても良い。
(実施形態5)
本実施形態の照明器具Aの構成は実施形態1〜4と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付する。
【0080】
上述の実施形態2〜4では、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させ、この点灯または点滅の輝度、点滅回数、点滅周波数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせるのに対して、本実施形態では動作モード表示部8に多色発光部品を使用し、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させる際の光色を変えることにより、設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせる。
【0081】
例えば、動作モード表示部8にRGB三色の多色発光ダイオード部品を使用し、警報音の設定音圧レベルが“小”の場合は動作モード表示部8の点灯または点滅する際の光色を青色、“中”の場合は黄色、“大”の場合は赤色を出力する場合の動作を、図10のタイムチャートに基づいて説明する。
【0082】
図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を青色の光色で3回点滅させる。
【0083】
次にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を黄色の光色で3回点滅させる。
【0084】
前記と同様にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を赤色の光色で3回点滅させる。
【0085】
以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0086】
また、実施形態1〜4と同様に既存の動作モード表示部8を使用しアンサーバック出力を行うことにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の設定音圧レベルの表示が可能となる。
【0087】
なお、本実施形態では大、中、小の3段階設定で、“大”:赤色、“中”:黄色、“小”:青色で発光しアンサーバック出力として点滅する場合を例にあげているが、照明器具Aのデザイン性等を向上させるために赤、黄、青以外の光色を使用しても良く、またアンサーバック出力を点灯させてもよい。
【符号の説明】
【0088】
A 照明器具
1 制御部
2 人センサ部
5 音出力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、人を検知して警報音を発する防犯装置及び防犯機能を備えた照明装置及び照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般住宅用途の簡易型の防犯装置として、図11に示すように所定の検知エリア内の人体から放射される熱線を検知することで人の存否を検出する焦電型の赤外線センサからなる人センサ部2と、スピーカから威嚇や警告や報知のための音を出力する音出力部5と、音出力部5からの音の出力を停止させる設定などを行う設定部11と、各部の動作を制御する制御部1とを備え、電池を電源として動作するものが提供されている。
【0003】
図12はこの防犯装置の動作を説明するタイムチャートであり、時刻t11において、人センサ部2が検知エリア内における人の存在を検知して制御部1に人体検知情報を出力すると、制御部1は、この人体検知情報に基づいて所定時間、音出力部5から単一周波数(例えば4kHz)の音を「ピピピピピ・・・」のように断続的に出力し、検知エリア内に入ってきた人を威嚇したり、家人や近隣の住人に警報を発している。
【0004】
上述のような防犯装置またはこれを組み込んだ照明器具の設置場所は屋内或いは屋外と様々であり、特に屋外で設置される場合には、周囲の環境騒音の影響が大きく、音出力部5から出力される警報音が周囲の環境騒音に埋もれてしまい、充分に聞こえない可能性があった。
【0005】
そのため、ある程度の環境騒音が存在する環境下でも音出力部5からの警報音が確実に聞こえるように、音出力部5からの警報音を例えば90dB程度の大音量で出力させることで、警報音を確実に聞こえるようにした防犯装置もあるが、人センサ部2に焦電型の赤外線センサを用いた簡易型の防犯装置では、人以外の犬、猫などの動物を検知したり、検知エリア内にある植木などの植物が風で揺らいだ場合にその動きを検知するなどして誤報が多発し、その度に大音量の警報音が出力されるため近所迷惑になるという問題があった。そこで、特許文献1では、出力音の音量を大きくすることなく環境騒音が存在する場合でも警報音を聞き取り易くするため、警報音の周波数を時間的、周期的に変化させることにより、音響効果を高める提案がされている。
【0006】
また、特許文献2では、警報音の音圧レベルを防犯装置から1m離れた位置で40〜50dBとすることにより、警報音は防犯装置の近くのみで聞こえ防犯装置から離れた場所では警報音が聞こえないので、侵入者に対して警報音による威嚇効果を発揮できるとともに、警報音が周囲の迷惑にならないようにする提案がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−301355号公報
【特許文献2】特開2005−302318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように周囲の環境騒音の影響等を加味し、警報音を大音量で出力することなく音響効果を高めた上で、防犯装置の近くのみで聞こえ防犯装置から離れた場所では聞こえない警報音の音圧レベル設定を行っているが、実環境下における周囲の環境騒音の影響ばらつきが非常に大きく、防犯装置の近くにおいても警報音が聞こえにくく、不審者に対して心理的圧力を効果的に与え続けるという面ではもの足りない感があるという課題が出てきている。
【0009】
また、防犯装置から出力される警報音を聴かせる対象は、防犯装置の設置された家に侵入しようとする不審者や、その家に居住する家人や、近隣の住人及び通行人などであるが、これら対象者の年齢や性別は様々である。例えば医学的な知見によると、人間は一般的に高齢になるほど聴覚の能力が衰え、特に高音域の音に対する聴覚の衰えが著しい。従って、高齢者には防犯装置からの出力音が聞こえにくいという課題もある。
【0010】
上述のような課題もあり、防犯装置より出力される警報音の音圧レベルをユーザーで任意に設定したいというニーズが非常に高まってきている状況にある。
【0011】
しかしながら、警報音の音圧レベルをユーザーで任意に設定する場合、設定した音圧レベルを容易に確認することが出来ないという課題がある。
【0012】
例えば、テレビの音量レベルを設定変更する場合、音量レベルの変更操作を行うとリアルタイムに変更された音量レベルで音声が出力されるため、好みの音量レベルに容易に変更設定することが可能である。
【0013】
ところが、防犯装置で警報音を出力させるためには、警報音を出力させるための条件が揃う必要があり、変更操作後変更した音圧レベルをリアルタイムに容易に確認することは非常に難しい。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、警報音の音圧レベルを調整する機能を有し、警報音を出力するための条件が揃った場合に警報音を出力する防犯装置において、音圧レベルを設定変更した際に容易に設定されている音圧レベルを確認することが可能な防犯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
請求項1の発明は、上述の目的を達成するために、図1に示すように、所定の検知エリア内における人の存在を検知して人体検知情報を出力する手段を少なくとも具備し、前記人体検知情報を含む周囲の環境情報を検出するセンサ部2と、警報音を出力しその音圧レベルを切替え可能とした音出力部5と、前記センサ部2から前記人体検知情報が入力され警報音を出力させる条件が確定した場合に、前記音出力部5で選択された音圧レベルで、警報音を出力させる制御を行う制御部1と、を備えた防犯装置において、警報音の音圧レベルの切替え設定操作を実施した直後に、前記音出力部5より出力される警報音の音圧レベルを、当該音圧レベルで且つ警報時の警報音出力時間より短い時間で前記音出力部5から出力されるアンサーバック音によりアンサーバックとして出力させる機能を有することを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1記載の防犯装置と、少なくとも1つ以上の照明負荷を備え、前記照明負荷を点灯または点滅させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする照明装置である。
【0017】
請求項3の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記照明負荷を点灯または点滅させる際の輝度を変化させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記照明負荷を点滅させる際の点滅回数を変化させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記照明負荷を点滅させる際の点滅周波数を変化させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、請求項2記載の照明装置において、前記照明負荷を点灯または点滅させる際の光色を変えることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明は、請求項2〜6のいずれかに記載の照明装置を備えた照明器具である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、センサ部から人体検知情報が入力され警報音を出力させる条件が確定した場合に、既定の一定音圧レベルで警報音を出力する機能を有した既存の防犯装置を、警報音の音圧レベルを切替え設定できる防犯装置に変更する場合、警報音の音圧レベルの切替え設定操作を実施した直後に、音出力部より出力される警報音の音圧レベルを、当該音圧レベルで且つ警報時の警報音出力時間より短い時間で音出力部から出力されるアンサーバック音によりアンサーバックとして出力させることで、設定されている音圧レベルを容易に確認することが可能となるとともに、音圧レベルの設定作業を短時間に行えるという効果がある。
【0023】
また、この発明によれば、アンサーバックで出力させる機能として、警報音を出力する音出力部より設定された音圧レベルで出力することにより、上記効果に加えて、設定された音圧レベルのアンサーバック音が出力されることにより、設定するユーザー自身が警報音の音圧レベルを体感することが可能となり、よりユーザーの好み・ニーズに合わせた警報音の音圧レベルの設定が出来るという効果がある。
【0024】
また、警報時の出力時間より短い時間でアンサーバック出力することで、警報音の音圧レベルの設定作業を短時間に行えるという効果をより高めることが可能となるとともに、警報音の音圧レベル設定時の警報音出力による近隣の住人や通行人への迷惑を抑制することができる。
【0025】
請求項2〜5の発明によれば、動作モード表示部の補助照明負荷を点滅させ、その輝度、点滅回数または点滅周波数を変化させ、設定された音圧レベルをアンサーバックとして出力させることにより目視による確認が可能となり、使い勝手が向上する。
【0026】
また、既存の動作モード表示部を使用することにより、特別の回路、構造部品を設けることなく設定されている警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることが可能となり、点灯装置の低コスト化につながる効果がある。
【0027】
請求項6の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、補助照明負荷を点滅させる色を変えることにより、目視による視認性を向上させ、さらに使い勝手が良くなる効果がある。
【0028】
請求項7の発明によれば、警報音を出力させる条件が確定した場合に警報音を出力させる照明装置において、音出力部にて設定された警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させる機能を有する照明装置を備えた照明器具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1の構成を示し、(a)は照明器具のブロック図、(b)はリモコン送信機のブロック図である。
【図2】同上に用いるリモコン送信機の外観を示す正面図である。
【図3】従来の動作を示すタイムチャートであり、(a)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(b),(c)は光源部の光出力の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e)は(d)の時間軸を拡大して表示した出力音の説明図である。
【図4】同上の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図である。
【図5】同上の動作モードを示す状態遷移図である。
【図6】実施形態1の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図である。
【図7】実施形態2の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの操作設定の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e)は動作モード表示部の光出力の説明図である。
【図8】実施形態3の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e)は動作モード表示部の光出力の説明図である。
【図9】実施形態4の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e)は動作モード表示部の光出力の説明図である。
【図10】実施形態5の防犯モードにおける警報音の音圧レベルの設定操作の動作を示すタイムチャートであり、(a)は音出力部より出力される警報音の設定音圧レベルの説明図、(b)は音量設定操作の説明図、(c)は人センサ部の人体検知情報の説明図、(d)は音出力部の出力音の説明図、(e1),(e2),(e3)は動作モード表示部の光出力の説明図である。
【図11】従来例の構成を示すブロック図である。
【図12】従来例の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本発明の防犯装置を照明器具に適用した実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。この照明器具Aは、図1(a)に示すように所定の検知エリア内の人体から放射される熱線を検知することで人の存否を検出する焦電型の赤外線センサからなる人センサ部2と、周囲の明るさを検出するフォトICダイオードやフォトダイオード、フォトトランジスタ等からなる明るさセンサ部3と、所定の照明エリア内で照明を行う光源部4と、威嚇や警告のための警報音を出力する音出力部5と、リモコン送信機Bから赤外線のような光信号からなるワイヤレス信号で送信される動作モード切替え用のリモコン信号を受信するリモコン受信部6と、動作に関わる各種の情報(後述の検知継続時間や点灯保持時間など)を設定するための設定部7と、設定されている動作モードを表示する発光ダイオード等からなる動作モード表示部8と、例えばマイクロコンピュータからなり各部の動作を制御する制御部1とを備える。ここに、本例では検知エリア内の人を検知すると人体検知情報を出力する人センサ部2と、周囲の明るさ(照度)を検出して照度情報を出力する明るさセンサ部3とで、人体検知情報を含む周囲の環境状況(つまり人体検知情報と照度情報)を検出するセンサ部を構成している。
【0031】
一方、リモコン送信機Bは、図1(b)に示すように照明器具Aの動作モードを防犯モード(人センサ部2が人を検知すると光源部4を点滅させるとともに音出力部5から音を出力させて威嚇するモード)に切り替えるための防犯モード選択スイッチ21と、動作モードを通常モード(人センサ部2が人を検知すると光源部4を点灯させて照明エリア内の照明を行うモード)に切り替えるための通常モード選択スイッチ22と、光源部4を連続点灯させるための連続点灯選択スイッチ23と、動作モードを切り替えるためのリモコン信号をワイヤレス信号で送信するリモコン送信部24と、各選択スイッチ21〜23が操作されると操作に応じたリモコン信号をリモコン送信部24から照明器具Aに送信させる制御部20とを備える。
【0032】
図2はリモコン送信機Bの外観図を示し、手で把持できる程度の大きさに形成された樹脂成型品からなるリモコン本体25の表面に、上述の防犯モード選択スイッチ21と通常モード選択スイッチ22と連続点灯選択スイッチ23の操作釦21a,22a,23aが並べて配設されている。そして、何れかの操作釦21a,22a,23aを押操作すると、操作に応じたリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信されるのである。
【0033】
次に、リモコン送信機Bに設けた防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aが押操作されて、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて照明器具Aの動作モードが防犯モードに設定されている場合の照明器具の動作を図3のタイムチャートに基づいて説明する。
【0034】
制御部1は、明るさセンサ部3の検知した周囲の明るさが所定の閾値レベルよりも明るい場合は人センサ部2から人体検知情報が入力されても光源部4を点灯させず、また音出力部5からも威嚇や警告のための音を出力させない。一方、明るさセンサ部3の検知した周囲の明るさが所定の閾値レベルよりも暗くなると、制御部1は光源部4を点灯させて、所定の照明エリア内を照明しており、光源部4が白熱灯からなる場合には光源部4を調光点灯させ(図3(b)参照)、光源部4が無電極放電灯のような蛍光ランプからなる場合には光源部4を全点灯させている(図3(c)参照)。
【0035】
また、明るさセンサ部3の検知した周囲の明るさ入力に関係なく、検知エリア内で人が比較的長い間留まっている場合、すなわち人センサ部2が設定部7で設定された検知継続時間(例えば30秒間)以上継続して人検知情報を出力すると、制御部1は、時刻t1から上記の検知継続時間が経過した時刻t2より所定時間(例えば10秒間)だけ、音出力部5から略一定の音量(例えば45dB)で周波数の異なる2つの音(例えば4kHzと2kHzの音)を交互に出力させて、「ピボピボピボピボ・・・」のような警報音を発する(図3(d)参照)。また、制御部1は、出力音の出力と同時に、出力音の周波数変化に同期して光源部4の点灯/消灯を切り換えて、光源部4を所定時間だけ点滅させており(図3(b),(c)参照)、光と音の両方で検知エリア内に進入した人を威嚇するとともに、家人や近隣の住人および通行人に警報を発している。
【0036】
例えば、検知エリア内で人が比較的長い間留まっている場合に警報音を出力させるために、検知エリア内での人検知時間が30秒以上継続した時に警報音を10秒間出力する場合の、警報音の音圧レベル設定動作を図4のタイムチャートに基づいて説明する。
【0037】
警報音の音圧レベルを“小”に設定するために音圧レベル“小”の設定操作を行うと、音出力部5より出力される警報音の音圧レベルが“小”に設定される。その後、人センサ部2が検知エリア内での人の存在を検知し人体検知信号が継続して30秒以上出力されると、音出力部5から音圧レベル“小”の警報音を10秒間出力する。ここでようやく警報音の音圧レベルが“小”に設定されたことを確認することが出来、設定操作後から少なくとも30秒以上の時間が必要となる。
【0038】
次に警報音の音圧レベルを“小”から“中”へ設定変更する場合、前記警報音の音圧レベル“小“の設定操作と同様に、音圧レベル“中”の設定操作を行うと音出力部5より出力される警報音の音圧レベルが“中”に設定され、その後、人センサ部2が検知エリア内での人の存在を検知し人体検知信号が継続して30秒以上出力されると、音出力部5から音圧レベル“中”の警報音が10秒間出力され、警報音の音圧レベルが“中”に設定されたことが確認出来る。
【0039】
さらに警報音の音圧レベルを“中”から“大”へと切替える場合には、前記と同様の設定操作及び警報音が出力されるまでの時間を要することとなる。
【0040】
以上のように警報音の音圧レベルの設定操作後、検知継続時間人センサ部2が検知エリア内での人の存在を検知することによって音出力部5より警報音出力時間警報音が出力されることとなり、好みの音圧レベルに設定するために非常に手間が掛かってしまうこととなる。
【0041】
そこで、本発明では、音圧レベルを設定変更した際に容易に設定した音圧レベルを確認することが可能な防犯装置を提供しようとするものである。
【0042】
図5は、本発明による通常モード、連続点灯モード及び防犯モードのモード移行動作を示した状態遷移図である。
【0043】
動作モードを防犯モードに設定する場合には、図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作すると、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて照明器具Aの動作モードが防犯モードに設定される。
【0044】
通常モードに設定する場合も前記と同様に、リモコン送信機Bの通常モード選択スイッチ22の操作釦22aを押操作すると、動作モードを通常モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて照明器具Aの動作モードが通常モードに設定される。また、連続点灯モードに設定する場合も同様である。
【0045】
次に、音出力部5より出力される警報音の音圧レベルを設定する場合には、例えば音出力部5より出力される警報音の音圧レベルが、小,中,大の3段階の設定機能を有している場合では、防犯モード内に警報音の音圧レベルを設定するための動作モードとしてアラームモードを備えており、このアラームモードは警報音出力“小”、警報音出力“中”、警報音出力“大”で構成されている。
【0046】
リモコン信号に応じて照明器具Aの警報音の音圧レベル設定を行う動作を図6のタイムチャートに基づいて説明する。
【0047】
前記アラームモードの警報音出力“小”、警報音出力“中”、警報音出力“大”のモード切替えは、図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により切替えられる。
【0048】
まず、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして音出力部5より音圧レベル“小”の警報音でアンサーバック音を2秒間出力させる。
【0049】
次に、もう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして音出力部5より音圧レベル“中”の警報音でアンサーバック音を2秒間出力させる。
【0050】
前記と同様に、もう一度、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして音出力部5より音圧レベル“大”の警報音でアンサーバック音を2秒間出力させる。以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0051】
このように本実施形態では、リモコン送信機Bに設けた防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aが押操作されて防犯モードに設定されると、リモコン信号のアンサーバック音が設定された音圧レベルで出力されることにより、警報音の音圧レベルを設定した時に容易に設定されている音圧レベル(設定音圧レベル)を確認することができる。
【0052】
また、アンサーバック音出力時間は設定音圧レベルを確認することができる短い時間でも良く、実際の警報音出力時間(本実施形態1では10秒間)に対し、設定音圧レベルを確認することができる短い時間(本実施形態1では2秒間)とすることにより、警報音の音圧レベルの設定作業を短時間に行えるという効果をより高めることができる。
【0053】
なお、既存のモード切替え釦21aを使用することにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の音圧レベルの切替えが可能となる。
【0054】
また、本実施形態では“小”,“中”,“大”の3段階設定で、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”の順送りを例にあげているが、上記の設定に限定する趣旨のものではなく、例えばより幅広いユーザーニーズに対応するため、警報音の音圧レベルを“極小”⇒“小”⇒“中”⇒“大”⇒“特大”の5段階設定が可能とした場合や、警報音の音圧レベルの切替え順序を“大”⇒“中”⇒“小”⇒“大”の順送りでも良く、使用用途に応じて適宜設定すればよい。
(実施形態2)
本実施形態の照明器具Aの構成は実施形態1と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0055】
上述の実施形態1では、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして、音出力部5より設定された警報音の音圧レベルでアンサーバック音を出力させているのに対して、本実施形態では警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させ、点灯または点滅の際の表示部の輝度を変えることにより設定されている警報音の音圧レベルを知らせる。
【0056】
前記リモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させる際の輝度を変える手段の一例として、動作モード表示部8に発光ダイオードを使用し、前記発光ダイオードに流れる電流を可変することにより輝度を変化させる。
【0057】
例えば、警報音の設定音圧レベルが“小”の場合は前記発光ダイオードに流れる電流を少なくし低い輝度で出力する。また警報音の設定音圧レベルが“大”の場合は前記発光ダイオードに流れる電流を多くし高い輝度で出力する。
【0058】
上述の動作を図7のタイムチャートに基づいて説明する。図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を輝度“低”で3回点滅させる。
【0059】
次にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を輝度“中”で3回点滅させる。
【0060】
前記と同様にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を輝度“高”で3回点滅させる。
【0061】
以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0062】
また、実施形態1と同様に既存の動作モード表示部8を使用しアンサーバック出力を行うことにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の設定音圧レベルの表示が可能となる。
【0063】
なお、本実施形態では、動作モード表示部8の点灯または点滅の際の輝度を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせているが、光源部4を点灯または点滅させ、その輝度を変えても良い。
(実施形態3)
本実施形態の照明器具Aの構成は実施形態1,2と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0064】
上述の実施形態2では、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させ、点灯または点滅の際の表示部の輝度を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせるのに対して、本実施形態では警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点滅させ、この点滅回数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせる。
【0065】
例えば、警報音の設定音圧レベルが“小”の場合は動作モード表示部8を1回、“中”の場合は2回、“大”の場合は3回点滅を行う場合の動作を図8のタイムチャートに基づいて説明する。
【0066】
図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8の点滅を1回行う。
【0067】
次にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8の点滅を2回行う。
【0068】
前記と同様にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8の点滅を3回行う。
【0069】
以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0070】
また、実施形態1,2と同様に既存の動作モード表示部8を使用しアンサーバック出力を行うことにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の設定音圧レベルの表示が可能となる。
【0071】
なお、本実施形態では、動作モード表示部8の点滅の際の点滅回数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせているが、光源部4を点滅させ点滅回数を変えても良い。
(実施形態4)
本実施形態の照明器具Aの構成は実施形態1〜3と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0072】
上述の実施形態3では、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点滅させ、この点滅回数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせるのに対して、本実施形態では警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点滅させ、この点滅周波数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせる。
【0073】
例えば、警報音の設定音圧レベルが“小”の場合は動作モード表示部8の点滅周波数が1Hz、“中”の場合は2Hz、“大”の場合は3Hzで点滅する場合の動作を図9のタイムチャートに基づいて説明する。
【0074】
図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を1Hzの点滅周波数で3回点滅させる。
【0075】
次にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を2Hzの点滅周波数で3回点滅させる。
【0076】
前記と同様にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を3Hzの点滅周波数で3回点滅させる。
【0077】
以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0078】
また、実施形態1〜3と同様に既存の動作モード表示部8を使用しアンサーバック出力を行うことにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の設定音圧レベルの表示が可能となる。
【0079】
なお、本実施形態では、動作モード表示部8の点滅の際の点滅周波数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせているが、光源部4を点滅させ点滅周波数を変えても良い。
(実施形態5)
本実施形態の照明器具Aの構成は実施形態1〜4と同様であるので、共通する構成要素には同一の符号を付する。
【0080】
上述の実施形態2〜4では、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させ、この点灯または点滅の輝度、点滅回数、点滅周波数を変えることにより設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせるのに対して、本実施形態では動作モード表示部8に多色発光部品を使用し、警報音の音圧レベルの設定後にリモコン信号のアンサーバックとして動作モード表示部8を点灯または点滅させる際の光色を変えることにより、設定されている警報音の音圧レベル(設定音圧レベル)を知らせる。
【0081】
例えば、動作モード表示部8にRGB三色の多色発光ダイオード部品を使用し、警報音の設定音圧レベルが“小”の場合は動作モード表示部8の点灯または点滅する際の光色を青色、“中”の場合は黄色、“大”の場合は赤色を出力する場合の動作を、図10のタイムチャートに基づいて説明する。
【0082】
図2に示すリモコン送信機Bの防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作により、動作モードを防犯モードに切り替えるためのリモコン信号がリモコン送信機Bから照明器具Aに送信され、このリモコン信号に応じて警報音出力“小”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を青色の光色で3回点滅させる。
【0083】
次にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“中”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を黄色の光色で3回点滅させる。
【0084】
前記と同様にもう一度防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aを押操作することにより、警報音出力“大”のモードに設定され、リモコン受信のアンサーバックとして動作モード表示部8を赤色の光色で3回点滅させる。
【0085】
以降においては、防犯モード選択スイッチ21の操作釦21aの押操作毎に警報音出力の設定が、“小”⇒“中”⇒“大”⇒“小”と順送りに切替えられる。
【0086】
また、実施形態1〜4と同様に既存の動作モード表示部8を使用しアンサーバック出力を行うことにより、特別の回路、構造部品を設けることなく、警報音の設定音圧レベルの表示が可能となる。
【0087】
なお、本実施形態では大、中、小の3段階設定で、“大”:赤色、“中”:黄色、“小”:青色で発光しアンサーバック出力として点滅する場合を例にあげているが、照明器具Aのデザイン性等を向上させるために赤、黄、青以外の光色を使用しても良く、またアンサーバック出力を点灯させてもよい。
【符号の説明】
【0088】
A 照明器具
1 制御部
2 人センサ部
5 音出力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検知エリア内における人の存在を検知して人体検知情報を出力する手段を少なくとも具備し、前記人体検知情報を含む周囲の環境情報を検出するセンサ部と、
警報音を出力しその音圧レベルを切替え可能とした音出力部と、
前記センサ部から前記人体検知情報が入力され警報音を出力させる条件が確定した場合に、前記音出力部で選択された音圧レベルで、警報音を出力させる制御を行う制御部と、を備えた防犯装置において、
警報音の音圧レベルの切替え設定操作を実施した直後に、前記音出力部より出力される警報音の音圧レベルを、当該音圧レベルで且つ警報時の警報音出力時間より短い時間で前記音出力部から出力されるアンサーバック音によりアンサーバックとして出力させる機能を有することを特徴とする防犯装置。
【請求項2】
請求項1記載の防犯装置と、少なくとも1つ以上の照明負荷を備え、前記照明負荷を点灯または点滅させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記照明負荷を点灯または点滅させる際の輝度を変化させることにより、警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記照明負荷を点滅させる際の点滅回数を変化させることにより、警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項5】
前記照明負荷を点滅させる際の点滅周波数を変化させることにより、警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項6】
前記照明負荷を点灯または点滅させる際の光色を変えることにより、警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の照明装置を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項1】
所定の検知エリア内における人の存在を検知して人体検知情報を出力する手段を少なくとも具備し、前記人体検知情報を含む周囲の環境情報を検出するセンサ部と、
警報音を出力しその音圧レベルを切替え可能とした音出力部と、
前記センサ部から前記人体検知情報が入力され警報音を出力させる条件が確定した場合に、前記音出力部で選択された音圧レベルで、警報音を出力させる制御を行う制御部と、を備えた防犯装置において、
警報音の音圧レベルの切替え設定操作を実施した直後に、前記音出力部より出力される警報音の音圧レベルを、当該音圧レベルで且つ警報時の警報音出力時間より短い時間で前記音出力部から出力されるアンサーバック音によりアンサーバックとして出力させる機能を有することを特徴とする防犯装置。
【請求項2】
請求項1記載の防犯装置と、少なくとも1つ以上の照明負荷を備え、前記照明負荷を点灯または点滅させることにより警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記照明負荷を点灯または点滅させる際の輝度を変化させることにより、警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記照明負荷を点滅させる際の点滅回数を変化させることにより、警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項5】
前記照明負荷を点滅させる際の点滅周波数を変化させることにより、警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項6】
前記照明負荷を点灯または点滅させる際の光色を変えることにより、警報音の音圧レベルをアンサーバックとして出力させることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれかに記載の照明装置を備えたことを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−138108(P2012−138108A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−54839(P2012−54839)
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【分割の表示】特願2006−347699(P2006−347699)の分割
【原出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月12日(2012.3.12)
【分割の表示】特願2006−347699(P2006−347699)の分割
【原出願日】平成18年12月25日(2006.12.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]