説明

防獣ネット

【課題】
本発明は、風の抵抗の低減化を図った防獣ネットを提供することを目的としている。
【解決手段】
防獣ネットAは、地上に立設するように地面Gに取り付けられた略矩形形状のネット1と、この略矩形形状のネット1の巾方向の上端1Aは、地面Gより遠い側に位置し、ネット1の高さ方向の中途1Bでネット1の巾方向より折曲して、略矩形形状のネット1の巾方向の下端1Cは前記地面に傾斜して取り付けられているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防獣ネットに係り、特に、風の抵抗の低減化を図った防獣ネットに関する。
【背景技術】
【0002】
鹿、猪、うさぎ、ネズミ等の動物が農地へ侵入するのを防ぐものとして、防獣ネットがある(例えば、特許文献1参照)。
この防獣ネットにあっては、繊維ネットが地上に垂直方向に立設され、前記繊維ネットの垂直方向上部とすべき部分を粗い網目に形成し、前記繊維ネットの垂直方向下部とすべき部分を細かい網目に形成されている。
【特許文献1】特開2001−78648号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した防獣ネットにあっては、繊維ネットが全体に亘って地上に垂直方向に立設されているため、特に、防獣ネットの網の目を細かくすると、風の抵抗をより多く受けて、防獣ネットが倒れるという問題点が生じた。
本発明は、上述した問題点を除去するようにした防獣ネットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の防獣ネットは、地上に立設するように地面に取り付けられた略矩形形状のネットと、この略矩形形状のネットの巾方向の上端は、前記地面より遠い側に位置し、前記ネットの高さ方向の中途で前記ネットの巾方向より折曲して、前記略矩形形状のネットの巾方向の下端は前記地面に傾斜して取り付けられているものである。
【0005】
また、請求項2の防獣ネットは、地上に立設するように地面に取り付けられた略矩形形状の第1のネットと、上端を前記第1のネットの高さ方向の中途の前記第1のネットの巾方向に接続され、下端を前記地面に傾斜して取り付けられた略矩形形状の第2のネットとを備えているものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の防獣ネットによれば、ネットの高さ方向の中途でネットの巾方向より折曲して、略矩形形状のネットの巾方向の下端は地面に傾斜して取り付けられ、従来のように略矩形形状のネットが地面に対して略垂直方向に取り付けられていないため、風の抵抗が少なく、しかも、下部のネットが立設する上部のネットに対して傾斜して取り付けられているため、下部のネットが上部のネットの補強となって防獣ネットの支持を強固なものとすることができる。
【0007】
また、 請求項2記載の防獣ネットによれば、第2のネットが立設する第1のネットに対して傾斜して取り付けられ、従来のように略矩形形状のネットが地面に対して略垂直方向に取り付けられていないため、風の抵抗が少なく、しかも、第2のネットが立設する第1のネットに対して傾斜して取り付けられているため、第2のネットが第1のネットの補強となって防獣ネットの支持を強固なものとすることができ、また、鹿、猪等が第1のネットの下方部分を食いちぎろうと防獣ネットに近づこうとしても、第2のネットが傾斜して取り付けれているため、第2のネットが邪魔となって、鹿、猪等が第1のネットに近づくことができず、更に、第1のネットの下方部分に対して、第2のネットが立ちふさがるため、ネズミ、うさぎ等の小動物の侵入に対して二重にブロックすることができる。
【実施例】
【0008】
本発明の一実施例の防獣ネットを図面を参照して説明する。
図1及び図2において、Aは防獣ネットで、防獣ネットAは、地上に、例えば、地上に立設(立設は、例えば、地面Gに対して略垂直方向に立設する)ように地面Gに取り付けられた略矩形形状のネット1を有している。
この略矩形形状のネット1の巾(W)方向の上端IAは、地面Gより遠い側に位置し、ネット1の高さ(H)方向の中途1Bでネット1の巾(W)方向より折曲して、略矩形形状のネット1の巾方向の下端1Cは地面Gに傾斜して取り付けられている。
【0009】
ネット1は、図1に示すように、略矩形形状で、例えば、繊維ネットで形成され、支柱3、4、5の先端を地面Gにそれぞれ埋没させて固定するようにしている。
なお、支柱3、4、5の先端を地面Gに埋没させる代わりに、図示しないが、他の部材(例えば、プラアンカー)を埋没させると共に前記他の部材(図示せず)と支柱3、4、5を連結するようにしても良い。
また、略矩形形状のネット1の巾方向の下端1Cは地面Gに、例えば、ネット1の巾方向の下端1Cに係止するフックを有する部材6を地面Gに埋没させて固定するようにしている。また、繊維ネットは、金網に比べて軽く、しかも、かさばらず、持ち運びに便利なことから、施工場所が、急傾斜地等に適している。
【0010】
従って、この防獣ネットAによれば、ネット1の高さ方向の中途でネット1の巾方向より折曲して、略矩形形状のネット1の巾方向の下端1Cは地面Gに傾斜して取り付けられ、従来のように略矩形形状のネットが地面に対して略垂直方向に取り付けられていないため、風の抵抗が少なく、しかも、下部のネット1bが立設する上部のネット1aに対して傾斜して取り付けられているため、下部のネット1bが上部のネット1aの補強となって防獣ネットAの支持を強固なものとすることができる等の効果を有する。
【0011】
次に、上述した実施例と異なる実施例の防獣ネットAを図3及び図4を参照して説明する。
図3及び図4において、Aは防獣ネットで、防獣ネットAは、地上に、例えば、垂直方向に立設するように地面Gに取り付けられた略矩形形状の第1のネット10と、上端20Aを第1のネット10の高さ(H)方向の中途の第1のネット10の巾(W)方向に接続され、下端20Bを地面Gに傾斜して取り付けられた略矩形形状の第2のネット20とを備えている。
【0012】
第1のネット10は、図3に示すように、略矩形形状で、例えば、繊維ネットで形成され、支柱3、4、5の先端を地面Gにそれぞれ埋没させて固定するようにしている。
なお、支柱3、4、5の先端を地面Gに埋没させる代わりに、図示しないが、他の部材(例えば、プラアンカー)を埋没させると共に前記他の部材(図示せず)と支柱3、4、5を連結するようにしても良い。
また、略矩形形状の第2のネット20の巾方向の下端20Bは地面Gに、例えば、第2のネット20の巾方向の下端20Bに係止するフックを有する部材6を地面Gに埋没させて固定するようにしている。また、繊維ネットは、金網に比べて軽く、しかも、かさばらず、持ち運びに便利なことから、施工場所が、急傾斜地等に適している。
【0013】
従って、第2のネット20が立設する第1のネット10に対して傾斜して取り付けられ、従来のように略矩形形状のネットが地面に対して略垂直方向に取り付けられていないため、風の抵抗が少なく、しかも、第2のネット20が立設する第1のネット10に対して傾斜して取り付けられているため、第2のネット20が第1のネット10の補強となって防獣ネットAの支持を強固なものとすることができ、また、鹿、猪等が第1のネット10の下方部分を食いちぎろうと防獣ネットに近づこうとしても、第2のネット20が傾斜して取り付けれているため、第2のネット20が邪魔となって、鹿、猪等が第1のネット10に近づくことができず、更に、第1のネット10の下方部分に対して、第2のネット20が立ちふさがるため、ネズミ、うさぎ等の小動物の侵入に対して二重にブロックすることができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施例の防獣ネットの概略的斜視図である。
【図2】図2は、図1の防獣ネットの概略的側面図である。
【図3】図3は、図1及び図2記載の本発明の実施例と異なる他の実施例の防獣ネットの概略的斜視図である。
【図4】図4は、図3の防獣ネットの概略的側面図である。
【符号の説明】
【0015】
A ・・・・・防獣ネット
G ・・・・・地面
1 ・・・・・ネット
1A ・・・・・上端
1B ・・・・・中途
1C ・・・・・下端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に立設するように地面に取り付けられた略矩形形状のネットと、
この略矩形形状のネットの巾方向の上端は、前記地面より遠い側に位置し、
前記ネットの高さ方向の中途で前記ネットの巾方向より折曲して、前記略矩形形状のネットの巾方向の下端は前記地面に傾斜して取り付けられている
ことを特徴とする防獣ネット。
【請求項2】
地上に立設するように地面に取り付けられた略矩形形状の第1のネットと、
上端を前記第1のネットの高さ方向の中途の前記第1のネットの巾方向に接続され、下端を前記地面に傾斜して取り付けられた略矩形形状の第2のネットと、
を備えていることを特徴とする防獣ネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−87379(P2006−87379A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278608(P2004−278608)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(591224766)ナカダ産業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】