説明

防除防疫及び作物生育のため、除毒されない硫黄と有用微生物群とを液状混合する方法及びその組成物

【課題】有用微生物を活性化させて有用微生物の力価を高めることができる防除防疫及び作物生育のため、除毒されない硫黄と有用微生物群を液状混合する方法及びその組成物を提供すること。
【解決手段】EM原液、活性液、醗酵液を含む液状形態の有用微生物群(EM:Effective Microorganism)と、除毒されない硫黄粉末を1:1〜99:1の体積割合で混合した液状混合物を、収容する保存槽の内外部に、加熱装置を設けて、間接加熱で25〜60℃の温度に24時間保持するステップと、除毒されない硫黄と有用微生物群の液状混合物を、撹拌装置で撹拌するステップと、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防除防疫及び作物の生育のため、除毒されない硫黄と有用微生物群とを液状混合する方法及びその組成物に関するものである。詳細には、水に溶解されず、除毒されない硫黄を有用微生物群と液状混合して作物の薬剤防除のための効果はもちろん、作物の細胞膜を丈夫にし、かつ栄養分の細胞内の吸収を円滑に助けて作物がよく育つようにするだけでなく、硫黄の強抗酸化作用により作物の保存性を高めて、増収効果及び品質が向上し、硫黄の殺菌、
殺虫力により土壌に含まれている有害な微生物を死滅及び増殖を抑制することにより、有用微生物を活性化させて有用微生物の力価を高めることができる防除防疫及び作物生育のために、除毒されない硫黄と有用微生物群とを液状混合する方法及びその組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
硫黄は、土壌の7大必須栄養素であり地球上のすべての有機体の必須元素であるとともに、硫黄特有の毒性を持っていて害虫と有害菌防除にも効果が卓越すると知られている。近年、生活の質が高くなり消費者が有機農産物を多く求めるようになると、化学肥料や農薬の代わりに硫黄を害虫と有害菌防除及び作物生育に使用して親環境農産物を生産しようとする農家が増えている。
【0003】
農薬の代わりに硫黄で効果的な薬剤防除をするためには、硫黄をすべての植物に効果的に塗布するための液状化が先行されなければならないが、硫黄は水に溶解されないため、粉末状で植物と土壌に直接撤かざるを得なくなる。
このような場合、硫黄粉末が風により飛ばされたり凝集されたりするなど、作物に均等に粘着されないため薬剤防除効果が低下し、特に、粉末状であるため、植物の吸収率が低くなり必要な時期に植物の栄養素的機能も期待することができない。
また、粉末硫黄は、作業者が不注意に特定地域、特定部位に適正量を超過して過量散布する場合、その周辺の作物と土壌微生物に致命的なことがあり、粉末状の硫黄は、広域散布が可能な液状に比べて、作業能率が劣るため、結局、生産費用の上昇の要因となる。
【0004】
このように硫黄は、すべての植物の栄養素的機能と害虫、有害菌を退治死滅する薬剤防除の機能も持っているが、粉末状の硫黄は、液状に比べて植物の円滑な吸収を期待し難く、植物の葉や幹に適正水準まで癒着されないため、持続的な栄養供給と薬剤防除を遂行し難い問題点があった。
【0005】
従来には、水に溶解されない硫黄を液状化することを目的に、石灰と硫黄を混合、高熱で沸かして粘液質の状態(石灰硫黄合剤)に作って、20〜40ccを20リットルの水に溶いて使用したり、 硫黄を苛性ソーダ(NaOH)に溶かして液状化した後、黄土とその他の農業資材を混合した黄土硫黄合剤を作って使用している。
また、近年には、硫黄粉末を液状化するため、洗濯石鹸液、台所用洗剤などを硫黄粉末とともにミキサーで高速回転して水に溶けるようにするコロイド化する方法を用いたこともある。
また、界面活性剤である糖蜜と硫黄粉末をミキサーで高速回転して粘液質化した後、水に溶いて使用しているが、この方法は糖蜜の糖分により、むしろ有害菌と害虫が群集する問題が現れて、一部の耕作者は、有害菌、害虫の群集を予防するため、糖蜜に過酸化水素、塩素などを添加していることが実情である。
【0006】
しかし、従来の硫黄を加熱して液状化する方法は、硫黄を加熱する過程で悪臭及び有毒ガスが発生、作業者の健康と安全を脅かすなど過程が非常に煩わしく、硫黄を苛性ソーダ(NaOH−pH13)、即ち、灰汁に溶かして液状化する黄土硫黄合剤方法は、作業者はもちろん、作物にも非常に危ないだけでなく、消費者も灰汁を用いて生産する農産物を忌避するため、好ましくない。
また、硫黄粉末を洗濯石鹸液や台所用洗剤を界面活性剤として用いて液状化する方法は、土壌と河川に富栄養化現象をもたらすなど、他の汚染源となる問題点があり、消費者も洗濯石鹸や台所用洗剤が付いた農産物を忌避するようになり問題がある。
また、 糖蜜の糖分により有害菌と害虫が群集する問題点を解決するため、糖蜜に過酸化水素、塩素などを添加しなければならないが、これは植物の細胞を損傷させる致命的な物質であるため、この方法も好ましくないという結論に到逹した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、防除防疫及び作物生育のために硫黄を好適に適用できる方法及びその組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の防除防疫及び作物の生育用に用いるため、除毒されない硫黄と有用微生物群を液状混合する方法は、EM原液、活性液、醗酵液を含む液状形態の有用微生物群(EM:Effective Microorganism)と除毒されない硫黄粉末とを1:1ないし99:1の体積割合で混合した液状混合物を保存する保存槽の内外部に加熱装置を設けて間接加熱で25〜60℃の温度が保持された状態で24時間放置するステップと、その後、除毒されない硫黄と有用微生物群の液状混合物を木棒や撹拌装置で撹拌するステップと、からなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の防除防疫及び作物の生育用に用いるため、除毒されない硫黄と有用微生物群を液状混合した組成物は、EM原液、 活性液、 醗酵液を含む液状形態の有用微生物群(EM:Effective Microorganism)と除毒されない硫黄粉末を1:1 ないし99:1の体積割合で混合した液状混合物を保存する保存槽の内外部に加熱装置を設けて間接加熱で25〜60℃の温度が保持された状態で24時間放置するステップと、その後、除毒されない硫黄と有用微生物群の液状混合物を木棒や撹拌装置で撹拌するステップと、により製造されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、水に溶解されない、除毒されない硫黄を有用微生物群と液状混合して作物の薬剤防除のための効果はもちろん、作物の細胞膜を丈夫にし、栄養分の細胞内の吸収を円滑に助けて作物をよく育つようにするだけでなく、強抗酸化作用により作物の保存性を高めて、増収効果及び品質が向上される効果がある。
また、硫黄の殺菌、殺虫力により土壌に含まれている有害な微生物を死滅させたり、増殖を抑制することにより、土壌を消毒し、土壌内の有用微生物を活性化させて有用微生物の力価を高めることができる有用な発明である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
先ず、除毒されない硫黄を粉末状に作った後、除毒されない硫黄をえさにして活動する有用微生物群の菌を混合する。
前記のように有用微生物群と除毒されない硫黄粉末を混合する時の割合は、1:1ないし99: 1の体積割合で混合する。
ここで、前記有用微生物群(EM:Effective Microorganism)とは、乳酸菌群、 酵母菌群、 光合性菌群を含む。
【0012】
一方、前記の割合で液状混合した状態で25〜60℃の温度が保持されるようにしながら24時間を放置すると、
硫黄をえさにして活動する有用微生物群の活性液が触れる部分から除毒されない硫黄が徐々に沈み始める。
その後、2日目からは除毒されない硫黄と有用微生物群の液状混合物を木棒や攪拌機装置を用いてかき混ぜるが、これは、有用微生物群の菌の中で好気性微生物の活性化のため、適正量の空気が入るようにして活性を誘導するとともに、除毒されない硫黄と有用微生物群を撹拌して早く混合されるようにするためのものである。
【0013】
有用微生物群の菌の中で植物の光合性活動に有用であり、植物を丈夫で健康にする微生物である光合性菌は、25〜60℃で活性度が最も高く、温度が下がるほど活性が鈍化され、5℃以下で生命活動がほとんど停止するため、常に25〜60℃を保持することが好ましい。
もちろん、乳酸菌、酵母のような一部微生物は、60℃を超過しても活性度が高いものの、植物の生長、発育のために光合性菌が必ず必要であるため、有用微生物群の活性液の最高温度は、60℃を超過してはならないのである。
【0014】
このように有用微生物群の活性液の適正温度を保持するため、保存槽の加熱装置に温度調節装置を付けると、作業者が現場を離れていても望みの温度を続けて保持することができるため、便利である。
この時、加熱装置を有用微生物群の活性液に直接投入、加熱することになると、加熱器に近接した微生物が高温により死滅する恐れがあるため、保存槽の内外部に加熱装置を設けて間接加熱することが好ましい。
【0015】
ここで、前記有用微生物群のうち、乳酸菌の種類は、PH4に近い酸性である時、活動性が最も強く作用することになるが、このような有用な乳酸菌の種類は、土壌と作物に使用する時、有害な微生物の生育を抑制したり、またはえさ活動を阻害するため、有害微生物を死滅させる役目をすることになる。
このような有用微生物群の活性液に含まれる除毒されない硫黄は、特有の殺菌、殺虫力により土壌と作物の有害微生物の死滅及び増殖を抑制しながら、 有用微生物群を活性化させ、除毒されない硫黄は、有用微生物群中の一部の乳酸菌の代謝活動に用いられるが、このような過程で生成される代謝産物は、土壌内の難分解性物質を可溶化し、これを作物が栄養分として用いることになる。
【0016】
前記のような方法により製造された本発明の防除防疫及び作物の生育のため、除毒されない硫黄と有用微生物群を液状混合する方法により組成された組成物は、一般の水によく希釈されて作物に直接散布することができ、 本願の除毒されない硫黄と有用微生物群の液状混合物が散布された作物は、害虫の中でアブラムシの場合、3日後 76.0%、7日後82.9%の防除効果を表した。
また、有害菌の中で白粉病の場合、作物に散布7日後、85.9%の防除効果が表れることが観察され、栄養供給が同時に可能であるため、作物の細胞膜を丈夫にし、細胞内の栄養分の吸収を円滑に助けて作物をよく育つようにするだけでなく、強抗酸化作用により生産作物の保存性を高め、増収効果及び品質が向上する効果を表した。
【0017】
以下に、実施例を示す。
【実施例】
【0018】
<実施例1>
唐辛子のワタアブラムシ防除試験:
この試験は、韓国公州大学校産業科学大学に依頼して表れた資料に基づいて作成した。
1.試験目的:優れた製剤を選抜して作物害虫管理用資材に活用しようとする。
2.試験方法:
イ.試験作物(品種):唐辛子(緑光)
ロ.対象害虫:唐辛子ワタアブラムシ(Aphis gossypii)
ハ.対象害虫発生状況:薬剤処理前の無処理区の発生密度が、区当たり平均82.5匹であり、防除効果を検討するに十分である。
ニ.耕種概要: 一般農家慣行栽培法に準じた。 他の害虫の防除のための薬剤散布はなかった。
ホ.試験区配置及び面積:乱塊法3回繰り返し
【0019】
【表1】

【0020】
ヘ.処理内容
【0021】
【表2】

【0022】
ト.薬剤散布前後の気象状況
薬効に影響を及ぼすに値する特別な気象状況はなかった。
【0023】
3.調査方法:
【0024】
【表3】

【0025】
4.試験成績:
イ.薬効試験
− 唐辛子ワタアブラムシに対する薬剤防除効果(薬剤処理3日後)
【0026】
【表4】

【0027】
−唐辛子ワタアブラムシに対する薬剤防除効果(薬剤処理7日後)
【0028】
【表5】

【0029】
ロ.薬害試験
−薬剤処理後3、5、7日後の調査
【0030】
【表6】

【0031】
5.結果要約:
イ.薬効
唐辛子ワタアブラムシに対する試験薬剤である除毒されない硫黄(硫黄+有用微生物)は、薬剤処理3日後、76.0%、薬剤処理7日後、82.9%の防除効果を表した。
ロ.薬害
前記試験薬剤の基準量及び倍量をそれぞれ茎葉処理した後、3回にかけて薬害有無を逹観調査した結果、薬剤処理で症状が観察されなかった。
6.試験担当者意見:
試験薬剤が唐辛子ワタアブラムシに対する防除薬剤として実用性があると判断される。
【0032】
<実施例2>
いちご白粉病防除試験:
この試験は、韓国公州大学校産業科学大学に依頼して表れた資料に基づいて作成した。
1.試験目的:優れた製剤を選抜して作物病害管理用資材に活用しようとする。
2.試験方法:
イ.試験作物(品種):いちご(梅香)
ロ.対象病害:いちご白粉病(Sphaerotheca fuliginea)
ハ.対象病害発生状況:薬剤処理前の無処理区のいちご白粉病の発病度は、区当り46.5であり、薬剤間の防除効果を検討するに十分である。
ニ.耕種概要: 一般農家の慣行栽培法に準じた。 他の病害の防除のための薬剤散布はなかった。
ホ.試験区配置及び面積:乱塊壊法3回繰り返し
【0033】
【表7】

【0034】
ヘ.処理内容
【0035】
【表8】

【0036】
ト.薬剤散布前後の気象状況
薬効に影響を及ぼすに値する特別な気象状況はなかった。
3.調査方法:
【0037】
【表9】

【0038】
4.試験成績:
イ.薬効試験
−いちご白粉病に対する薬剤防除効果(薬剤処理7日後)
【0039】
【表10】

【0040】
ロ.薬害試験
−薬剤処理後3、5、7日後の調査
【0041】
【表11】

【0042】
5.結果要約:
イ.薬効
いちご白粉病に対する試験薬剤である除毒されない硫黄(硫黄+有用微生物)は、薬剤処理7日後、85.9%の防除効果を表した。
ロ.薬害
前記試験薬剤の基準量及び倍量をそれぞれ茎葉処理した後、3回にかけて薬害有無を逹観調査した結果、薬剤処理で薬害症状が観察されなかった。
6.試験担当者意見:
試験薬剤が比較的高い防除効果を表して、いちご白粉病に対する防除薬剤に実用性があると判断される。
前記のように本願の除毒されない硫黄と有用微生物群(EM)の液状混合物が散布された唐辛子は、アブラムシの場合、3日後76.0%、7日後82.9%の防除効果が表れ、いちご白粉病の場合、7日後85.9%の防除効果が表れるものと観察された。
【0043】
<実施例3>
2011.4.〜2011.6. 韓国国立江原大学
1.試験目的:千年硫黄−ゲル(硫黄+有用微生物)が作物に及ぶ効果を知るためのものである(肥効)
2.試験方法:
イ. 試験作物(品種):きゅうり
ロ.処理方法:茎葉散布
ハ.処理内容
【0044】
【表12】

【0045】
ホ.生育特性
【0046】
【表13】

*肥害:0−肥害無し、5 − 枯死
【0047】
ヘ.収穫特性
【0048】
【表14】

【0049】
ヘ.果実特性
【0050】
【表15】

【0051】
3.肥効試験結果:
完全任意配置法で40cm間隔で1株ずつ定植し、定植15日後、15日間隔で4回茎葉散布し、最後の散布後、17日後に生育及び収穫量を調査した結果、きゅうり生育の特性である草長が無処理区より処理区で有意的に高い傾向を表す。
きゅうりの収獲特性である果径の場合、収穫量が無処理区より有意的に高い傾向を示す。 また、きゅうり果実特性の場合、無処理区より千年硫黄−ゲル処理区で非定常果率が有意的に減少(71.8%)する傾向を表した。
4.試験担当者の意見:
千年硫黄−ゲル(硫黄+有用微生物)は、肥害が全然なくて無処理区に比べて有意的に優れた生育効果及び収獲特性を表すと判断される。
【0052】
<実施例4>
1.試験目的:千年硫黄−ゲル(硫黄+有用微生物)が作物に及ぶ効果を知るためのものである。(肥効)
2.試験方法:
イ.試験作物(品種):じゃがいも
ロ.処理方法:茎葉散布
ハ.処理内容
【0053】
【表16】

【0054】
ホ.生育特性
【0055】
【表17】

*肥害:0−肥害無し、5−枯死
【0056】
ヘ.収穫特性
【0057】
【表18】

【0058】
3.肥効試験結果:
完全任意配置法により40cm間隔1株ずつ定植し、定植40日後、10日間隔で3回降雨により15日後、1回茎葉散布し、最後の散布後、17日後に生育及び収穫量を調査した結果、じゃがいも生育の特性である草長、葉長、葉幅、及びSPADは、無処理区より処理区で有意的に高い傾向を表した。
収穫量及び果長の場合にも無処理区より有意的に高い傾向(15.4%増収)を表す。
4.試験担当者の意見
千年硫黄−ゲルは、肥害が全然なく、無処理区に比べて有意的に優れた生育効果及び収獲特性を表すと判断される。
【0059】
<実施例5>
1.試験目的:千年硫黄−ゲル(硫黄+有用微生物)が作物に及ぶ効果を知るためのものである。(肥効)
2.試験方法:
イ.試験作物(品種):チシャ
ロ.処理方法:茎葉散布
ハ.処理内容
【0060】
【表19】

【0061】
ホ.生育特性
【0062】
【表20】

【0063】
ヘ.収穫量
【0064】
【表21】

【0065】
3.肥効試験結果:
完全任意配置法及び40cm間隔で1株ずつ定植し、定植21日後、基準量1,000倍及び倍量500倍を7日間隔で3回茎葉散布し、最後の散布14日後(2011.3.7)調査したところ、チシャの生育特性である葉長及び葉幅、葉重及び個重が有意的に優れて高く、SPAD も千年硫黄−ゲル処理区が無処理区より有意的に高く、チシャの「千年硫黄−ゲル」肥料処理区が無処理区よりさらに高い収穫量(34.67%増収)を表した。
4.試験担当者意見:
千年硫黄−ゲル処理区は、肥害が全然なく、無処理区に比べて有意的に優れた生育効果を表す。
【0066】
<実施例6>
1.試験目的:千年硫黄−ゲル(硫黄+有用微生物)が作物に及ぶ効果を知るためのものである。(肥効)
2.試験方法:
イ.試験作物(品種):トマト
ロ.処理方法:茎葉散布
ハ.処理内容
【0067】
【表22】

【0068】
ホ.生育特性
【0069】
【表23】

*肥害:0 − 肥害無し、5 − 枯死
【0070】
ヘ.収穫量
【0071】
【表24】

【0072】
3.肥効試験結果:
40cm間隔で1株ずつ定植21日後、基準量1,000倍及び倍量500倍を7日間隔で3回茎葉散布し、14日後に2011年3月7日に調査したところ、トマトの生育特性である草長、葉長、葉幅、茎径が無処理区より千年硫黄−ゲルが有意的に優れ、 SPADも千年硫黄−ゲル処理区が無処理区より有意的に高く、収穫量においても「千年硫黄−ゲル」肥料処理区が無処理区より高い収穫量(14.50%増収)を表した。
4.試験担当者の意見:
千年硫黄−ゲル肥料は、肥害が全然なく、無処理区に比べて有意的に優れた生育効果を表すと判断される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明によると、硫黄を好適に適用し、防除防疫及び作物生育に寄与するので、産業上利用価値が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EM原液、活性液、醗酵液を含む液状形態の有用微生物群(EM:Effective Microorganism)と、除毒されない硫黄粉末を1:1〜99:1の体積割合で混合した液状混合物を、収容する保存槽の内外部に、加熱装置を設けて、間接加熱で25〜60℃の温度に24時間保持するステップと、
除毒されない硫黄と有用微生物群の液状混合物を、撹拌装置で撹拌するステップと、を有する
ことを特徴とする防除防疫及び作物生育のために除毒されない硫黄と有用微生物群を液状混合する方法。
【請求項2】
EM原液、活性液、醗酵液を含む液状形態の有用微生物群(EM:Effective Microorganism)と、除毒されない硫黄粉末を1:1〜99:1の体積割合で混合した液状混合物を、収容する保存槽の内外部に、加熱装置を設けて、間接加熱で25〜60℃の温度に24時間保持するステップと、
除毒されない硫黄と有用微生物群の液状混合物を、撹拌装置で撹拌するステップと、により製造された
ことを特徴とする防除防疫及び作物生育のために除毒されない硫黄と有用微生物群を液状混合した組成物。

【公開番号】特開2013−103934(P2013−103934A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−224586(P2012−224586)
【出願日】平成24年10月9日(2012.10.9)
【出願人】(512261780)株式会社 ファンセムバイオ (1)
【Fターム(参考)】