防音壁
【課題】太陽光発電機能を有し、防音パネルを支持する支柱が不要で景観性が良好な防音壁を提供するとともに、軽量で設置作業効率が高く、設置コストが安価な防音パネルを提供する
【解決手段】FRP製遮音パネル部と、該FRP製遮音パネル部の高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルが取り付けられていることを特徴とする防音壁。
【解決手段】FRP製遮音パネル部と、該FRP製遮音パネル部の高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルが取り付けられていることを特徴とする防音壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車や車両の走行に伴う騒音を遮音、吸音するために、鉄道沿線や道路の高架橋等に併設される防音壁およびその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギーを利用する太陽電池は、クリーンで非枯渇性のエネルギー供給源として一般家庭から大規模発電用までの広範囲な利用が期待されている。
【0003】
その設置場所についても、限られた空間を有効に活用するために様々な工夫がなされている。その中の一つとして、鉄道や道路の沿線に沿って設置される防音壁への太陽電池モジュールの設置が挙げられる。
【0004】
鉄道や道路の沿線に設置される防音壁に太陽電池を取り付け、防音壁に発電機能を持たせるという発明については種々のものが開示されている。例えば、特許文献1には吸音材を内装した防音パネルの前面側に傾斜板が複数設けられ、傾斜板の表面に太陽電池パネルを取り付けることにより、発電効率が高く、かつ吸音効果を有する防音壁が開示されている。一方、特許文献2には太陽光発電機能を有する遮音板と金属製の枠部材により筐体を形成し、そのもう一方の面(開放面)に透光型膜振動吸音板を取り付けた防音壁用吸音パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−215710号公報
【特許文献2】特開2010−121401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の防音壁は、防音パネル自体を支持し、設置後の風荷重等に十分耐え得る構造とするため、H形鋼等の支柱間に防音パネルをはめ込む構造が必須である。この支柱が景観性を損なう原因となっている。特許文献2の防音壁は、金属製の枠部材を必要とするため、重量が大きく、設置作業に大型の重機が必要となり、設置作業効率が低く、大きな設置コストがかかるという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、太陽光発電機能を有し、防音パネルを支持する支柱が不要で景観性が良好な防音壁を提供することを課題とする。また、軽量で設置作業効率が高く、設置コストが安価な防音パネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成としている。すなわち、
(1)FRP製遮音パネル部と、該FRP製遮音パネル部の高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルが取り付けられていることを特徴とする防音壁。
(2)前記太陽電池パネルは、前記FRP製遮音壁から着脱自在に設置されている(1)に記載の防音壁。
(3)前記太陽電池パネルが、前記FRP製遮音壁に機械的に接合されている(1)または(2)に記載の防音壁。
(4)前記太陽電池パネルは、太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールを支持し前記FRP製遮音壁と着脱自在に取り付けられた金属枠体とからなることを特徴とする(3)に記載の防音壁。
(5)前記FRP製遮音壁を建築物躯体の両端に沿って対向させて複数設置し、一方の前記FRP製遮音壁外表面に前記太陽電池パネルを設置するとともに、他方の前記FRP製遮音壁内表面および前記取付部上面に前記太陽電池パネルを設置することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の防音壁。
(6)前記太陽電池パネルの少なくとも一部が、複数のFRP製遮音壁にまたがって固定されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の防音壁。
(7)前記建築物躯体の側面の一部を覆うスカート部が、前記FRP製遮音パネル部から延設されてなることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の防音壁。
(8)前記スカート部表面にも前記太陽電池パネルが取り付けられることを特徴とする(7)に記載の防音壁。
(9)前記FRP製遮音壁の少なくとも一部に吸音パネルが取り付けられていることを特徴とする請(1)〜(8)のいずれかに記載の防音壁。
(10)FRP製遮音パネル部と、該遮音パネルの高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁を建築物躯体へ設置し、その後、前記FRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルを設置することを特徴とする防音壁の施工方法。
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、軽量、高強度なFRP製遮音パネルを採用することにより、支柱が不要で景観性に優れた防音壁を、短工期で容易に設置できる。また、設置作業効率が高く、設置コストが安価な防音パネルを提供することができる。さらに、発電機能を有する太陽電池パネルが取り付けられているため、高架橋等に併設される表示装置や電話機、高架橋下の店舗テナントへの電力供給が可能となり、商用電力の使用量を削減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の防音壁に係る一実施態様の斜視図である。
【図2】図1の防音壁を建築物躯体に取り付けた状態の斜視図である。
【図3】図2の防音壁のA−A矢視の横断面図である。
【図4】本発明における防音壁の他の実施態様の斜視図である。
【図5】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図6】図5の防音壁を建築物躯体に取り付けた状態の斜視図である。
【図7】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図8】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図9】図8の防音壁のB−B矢視の横断面図である。
【図10】本発明における防音壁のさらに他の実施態様に係わる防音壁を建築物躯体の両端に取り付けた状態の断面図である。
【図11】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図12】本発明における防音壁のさらに他の実施態様に係わる防音壁を建築物躯体に取り付けた状態の斜視図である。
【図13】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図14】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図15】図14の防音壁のC−C矢視の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態の例を、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施態様に係わる防音壁の斜視図である。図2は図1の防音壁を建築物躯体7に取り付けた状態の斜視図であり、図3は図2の防音壁のA−A矢視の横断面図である。また、図4〜9は、本発明の他の実施態様に係る防音壁をそれぞれ表している。なお、本発明は、これらの図によって何ら制限されるものではない。
【0013】
図1において、本発明の防音壁1は、繊維強化プラスチック(以下、FRPという。)を用いたFRP製遮音パネル部4と、該FRP製遮音パネル部4の高さHの2〜20%奥行きD(m)を有する取付部5とからなるFRP製遮音壁2と、該FRP製遮音壁2の表面の一部に取り付けられた太陽電池パネル3とからなる。
【0014】
図1において、取付部5は建築物躯体7への接合のための取付部であり、建築物躯体7へ取り付けるための貫通孔6が、アンカーボルト等の位置に対応するように複数設けられている。また、取付部の奥行きD(m)は、高さH(m)のFRP製遮音パネル部4が受けた風圧により発生する曲げモーメントを建築物躯体7に十分伝達できる距離が必要である。取付部5の奥行きD(m)が、高さH(m)の2%未満まで小さくなると、曲げモーメントを建築物躯体7に十分伝達することができない。また、取付部5の奥行きD(m)が、高さH(m)の20%を超えるまで大きくなると、取付部5の奥行きD(m)に対応する建築物躯体7側の取付部の寸法D′(m)も大きくする必要があり、結果として建築物躯体7の重量増とともにサイズが大きくなり、建築物の建設費用が高くなるという問題がある。
【0015】
したがって、取付部5の奥行きD(m)はFRP製遮音パネル部4の高さH(m)の2〜20%とするものである。好ましくは10〜15%である。
【0016】
FRPは成形型に炭素繊維やガラス繊維等の補強繊維を積層し、樹脂を補強繊維に含浸し、硬化させて得るものであり、成形型の形状により自由な形状のFRP製遮音パネル部4を得ることができるという長所がある。
【0017】
取付部5はFRP製遮音パネル部4と同一材料で構成し、図1に示すようにFRP製遮音パネル部4と一体化した構造であっても良いし、図5や図6に示すようにFRP製遮音パネル部4と別部品の取付部材16とし、ボルト・ナットやリベット等の締結部品17により機械接合する構造であっても良い。取付部材16を金属材料とする場合は、屋外設置時の耐食性を向上するため、ステンレス鋼材を使用するか、鉄鋼材に溶融亜鉛メッキすることが好ましい。また、締結部品17と取付部材16間の電位差による電食を防止するため、締結部品17は取付部材16と同一材料とすることが好ましい。
【0018】
太陽電池パネル3はFRP製遮音壁2の表面の少なくとも一部に取り付けられている。図1に示す実施態様においては、FRP製遮音壁2の上部の湾曲部に、取付部5と対向しない面に太陽電池パネル3が取り付けられている。図4および図7に示す実施態様においては、FRP製遮音壁2の取付部5と対向しない面の全面に太陽電池パネル3が取り付けられている。図8に示す実施態様においては、FRP製遮音壁2の取付部5と対向する面に太陽電池パネル3が取り付けられている。
【0019】
太陽電池パネル3の発電効率を最大限に発揮するため、防音壁1の設置場所に合わせて、FRP製遮音パネル部4の形状、角度を適宜、変更することが可能である。また、FRP製遮音パネル部4への太陽電池パネル3を取り付ける部位を設置場所に合わせて適宜、変更することも可能である。
【0020】
太陽電池パネル3は図3および図9に示すように、太陽電池モジュール11と、太陽電池モジュール11を支持する金属枠体12とからなり、取付ステー13を介してFRP製遮音壁2に機械接合により着脱自在に設置される。機械接合の方法としては、FRP製遮音壁2内部に雌ねじ加工した埋設金属14を内包させ、ボルト15で締結する方法等がある。この場合、取付ステー13、ボルト15、埋設金属14間の電位差による電腐を防止するため、取付ステー13、ボルト15、埋設金属14は同一材料とすることが好ましい。ステンレス鋼、溶融亜鉛メッキしたSS鋼材、SM鋼材等が挙げられるが、耐食性からステンレス鋼とすることが好ましい。
【0021】
また図10のように、FRP製遮音壁2aとFRP製遮音壁2bを建築物躯体7の両端に沿って対向させて複数設置することも好ましい。FRP製遮音壁2aの外表面側およびFRP製遮音壁2bの内表面側に太陽光が入射する位置に防音壁1aおよび防音壁1bを設置する場合、太陽電池パネル3の発電効率を最大限に発揮するため、FRP製遮音壁2aの外表面側に太陽電池パネル3aを、FRP製遮音壁2bの内表面側および取付部上面に太陽電池パネル3b、3cを取り付けることが好ましい。
【0022】
さらに図11のように、太陽電池パネル3をFRP製遮音壁2cとFRP製遮音壁2dにまたがって取り付けることも好ましい。特許文献1に記載のH形鋼等の支柱間に防音パネルをはめ込む従来構造の防音壁の場合、太陽電池パネル自体は風荷重に耐え得る強度を保持していないため、太陽電池パネルは支柱に固定することができず、防音パネル自身に固定するしかなかった。したがって太陽電池パネルは防音パネルと同様に、支柱間隔毎に設置せざるを得なかった。本発明の防音壁は支柱を必要とせず、自身で風荷重に耐え得る強度を持ったFRP製遮音壁に太陽電池パネルを取り付けた防音壁であるため、太陽電池パネルはFRP製遮音壁毎に設置する必要はなく、複数のFRP遮音壁をまたいで設置することができる。一例として、図12は1体当たりの設置長さの長いFRP製遮音壁2eに、大型の太陽電池パネル3を取り付けた状態の斜視図である。
【0023】
特許文献2に記載の金属製の枠部材を必要とする防音壁用吸音パネルや、従来のコンクリート工場製品であるプレキャストコンクリート製防音壁は重量が大きく、施工性、ハンドリング性の面から防音壁1体当たりの設置長さを長くすることができないという問題があった。本発明の防音壁に使用するFRP製遮音壁の重量は、同一高さ、同一長さのプレキャストコンクリート製防音壁の重量の約1/5と軽量である。したがって、FRP製遮音壁に太陽電池パネルを先に設置した後、FRP製遮音壁を建築物躯体に設置することが可能である。この場合、FRP製遮音壁1体当たりの設置長さは、特許文献2に記載のような金属製枠部材を必要とする防音壁用吸音パネルやプレキャストコンクリート製防音壁より長くすることができ、設置作業効率を大きく向上することができる。
【0024】
さらにまた、図13のように建築物躯体の側面の一部を覆うスカート部が、FRP製遮音壁から延設されることも好ましい。建築物躯体は通常、建築限界を有し、建築物側面からはみ出して防音壁を設置できる範囲が決まっており、その範囲は通常、数十mmと小さい。したがってスカート部の厚みは数十mm以内である必要がある。上述した従来のプレキャストコンクリート製防音壁はひび割れ等の発生による剥落の懸念があること、内部に補強筋を有する構造のため、厚みを薄くできないという問題から、防音壁にスカート部を設けることが困難である。本発明の防音壁に使用するFRP製遮音壁は、強度、耐久性を確保しながら薄肉化が可能であるため、スカート部を設けることができる。これにより、図13に示すように、スカート部表面にも太陽電池パネルを取り付けることができ、スカート部を有効に活用することができる。スカート部の長さは、太陽光発電効率、風荷重に対する強度の点から50〜1000mmが好ましい。より好ましくは200〜800mmである。
【0025】
また、図14のようにFRP製遮音壁2fの外表面に太陽電池パネルを、内表面に吸音パネル19を取り付けることも好ましい。特許文献2に記載の防音壁は太陽光発電機能と吸音機能を有するものの、金属製の枠部材を必要とするため、重量が大きく、設置作業に大型の重機が必要となり、設置作業効率が低く、大きな設置コストがかかるという問題がある。一方、本発明の防音壁は軽量なFRP製遮音壁2fを使用するため、太陽光発電機能と吸音機能を有しながら、軽量で高い設置効率を確保することができる。吸音パネル19のFRP製遮音壁2fへの取り付けは、太陽電池パネル3の取り付けと同様に、着脱自在に取り付けることが好ましい。図15に示すように、FRP製遮音壁2fの内部に埋設金属14bを内包し、ボルト15b等で機械接合することがより好ましい。吸音パネル19には共鳴器型吸音材や多孔質型吸音材を使用できるが、広い周波数にわたって大きな吸音率をもつ多孔質型吸音材が好ましい。多孔質吸音材としては、ガラスウール、ロックウール、ポリウレタンフォーム、エキスパンドメタル等が使用できる。
【0026】
次に太陽電池パネル3および/または吸音パネル19の交換について説明する。本発明の防音壁によれば、FRP製遮音壁2と太陽電池パネル3およびFRP製遮音壁2と吸音パネル19は完全に一体化したものではなく、ボルト等で組み合わせた構成となる。すなわち、防音壁1を設置後に、太陽電池モジュールおよび/または吸音材のアップグレードや修繕等のために、太陽電池パネルおよび/または吸音パネルを更新したい場合、FRP製遮音壁を建築物躯体から取り外す必要はなく、ボルト等を緩めて外すことによって、太陽電池パネルおよび/または吸音パネルだけを取り外し、新しい太陽電池パネルおよび/または吸音パネルに交換することができる。
【0027】
最後に防音壁の施工方法について説明する。本発明の防音壁1は使用するFRP製遮音壁2の外表面側に太陽電池パネルを取り付ける場合は、作業性、安全性の点からFRP製遮音壁2に先に太陽電池パネル3を取り付けた後、FRP製遮音壁2を建築物躯体7の所定の位置に据え付け、予め設置されているアンカーボルト8とナット10によってFRP製遮音壁2を固定することが好ましい。一方、FRP製遮音壁2の内表面側に太陽電池パネルを取り付ける場合は、最初にFRP製遮音壁2を建築物躯体7の所定の位置に据付け、予め設置されているアンカーボルト8とナット10によってFRP製遮音壁2を固定する。その後に、太陽電池パネル3の取付ステー13と、FRP製遮音壁2に埋め込まれた埋設金属14が一致するように位置調整した後に、ボルト等で締め付けて、太陽電池パネル3をFRP製遮音壁2に固定することが好ましい。
【符号の説明】
【0028】
1、1a、1b 防音壁
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f FRP製遮音壁
3、3a、3b、3c 太陽電池パネル
4 FRP製遮音パネル部
5 取付部
6 取付孔
7 建築物躯体
8 アンカーボルト
9 座金
10 ナット
11 太陽電池モジュール
12 金属枠体
13、13a、13b、13c 取付ステー
14、14a、14b 埋設金属
15、15a、15b ボルト
16 取付部材
17 締結部品
18 スカート部
19 吸音パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車や車両の走行に伴う騒音を遮音、吸音するために、鉄道沿線や道路の高架橋等に併設される防音壁およびその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギーを利用する太陽電池は、クリーンで非枯渇性のエネルギー供給源として一般家庭から大規模発電用までの広範囲な利用が期待されている。
【0003】
その設置場所についても、限られた空間を有効に活用するために様々な工夫がなされている。その中の一つとして、鉄道や道路の沿線に沿って設置される防音壁への太陽電池モジュールの設置が挙げられる。
【0004】
鉄道や道路の沿線に設置される防音壁に太陽電池を取り付け、防音壁に発電機能を持たせるという発明については種々のものが開示されている。例えば、特許文献1には吸音材を内装した防音パネルの前面側に傾斜板が複数設けられ、傾斜板の表面に太陽電池パネルを取り付けることにより、発電効率が高く、かつ吸音効果を有する防音壁が開示されている。一方、特許文献2には太陽光発電機能を有する遮音板と金属製の枠部材により筐体を形成し、そのもう一方の面(開放面)に透光型膜振動吸音板を取り付けた防音壁用吸音パネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−215710号公報
【特許文献2】特開2010−121401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の防音壁は、防音パネル自体を支持し、設置後の風荷重等に十分耐え得る構造とするため、H形鋼等の支柱間に防音パネルをはめ込む構造が必須である。この支柱が景観性を損なう原因となっている。特許文献2の防音壁は、金属製の枠部材を必要とするため、重量が大きく、設置作業に大型の重機が必要となり、設置作業効率が低く、大きな設置コストがかかるという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、太陽光発電機能を有し、防音パネルを支持する支柱が不要で景観性が良好な防音壁を提供することを課題とする。また、軽量で設置作業効率が高く、設置コストが安価な防音パネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成としている。すなわち、
(1)FRP製遮音パネル部と、該FRP製遮音パネル部の高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルが取り付けられていることを特徴とする防音壁。
(2)前記太陽電池パネルは、前記FRP製遮音壁から着脱自在に設置されている(1)に記載の防音壁。
(3)前記太陽電池パネルが、前記FRP製遮音壁に機械的に接合されている(1)または(2)に記載の防音壁。
(4)前記太陽電池パネルは、太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールを支持し前記FRP製遮音壁と着脱自在に取り付けられた金属枠体とからなることを特徴とする(3)に記載の防音壁。
(5)前記FRP製遮音壁を建築物躯体の両端に沿って対向させて複数設置し、一方の前記FRP製遮音壁外表面に前記太陽電池パネルを設置するとともに、他方の前記FRP製遮音壁内表面および前記取付部上面に前記太陽電池パネルを設置することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の防音壁。
(6)前記太陽電池パネルの少なくとも一部が、複数のFRP製遮音壁にまたがって固定されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の防音壁。
(7)前記建築物躯体の側面の一部を覆うスカート部が、前記FRP製遮音パネル部から延設されてなることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の防音壁。
(8)前記スカート部表面にも前記太陽電池パネルが取り付けられることを特徴とする(7)に記載の防音壁。
(9)前記FRP製遮音壁の少なくとも一部に吸音パネルが取り付けられていることを特徴とする請(1)〜(8)のいずれかに記載の防音壁。
(10)FRP製遮音パネル部と、該遮音パネルの高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁を建築物躯体へ設置し、その後、前記FRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルを設置することを特徴とする防音壁の施工方法。
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、軽量、高強度なFRP製遮音パネルを採用することにより、支柱が不要で景観性に優れた防音壁を、短工期で容易に設置できる。また、設置作業効率が高く、設置コストが安価な防音パネルを提供することができる。さらに、発電機能を有する太陽電池パネルが取り付けられているため、高架橋等に併設される表示装置や電話機、高架橋下の店舗テナントへの電力供給が可能となり、商用電力の使用量を削減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の防音壁に係る一実施態様の斜視図である。
【図2】図1の防音壁を建築物躯体に取り付けた状態の斜視図である。
【図3】図2の防音壁のA−A矢視の横断面図である。
【図4】本発明における防音壁の他の実施態様の斜視図である。
【図5】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図6】図5の防音壁を建築物躯体に取り付けた状態の斜視図である。
【図7】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図8】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図9】図8の防音壁のB−B矢視の横断面図である。
【図10】本発明における防音壁のさらに他の実施態様に係わる防音壁を建築物躯体の両端に取り付けた状態の断面図である。
【図11】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図12】本発明における防音壁のさらに他の実施態様に係わる防音壁を建築物躯体に取り付けた状態の斜視図である。
【図13】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図14】本発明における防音壁のさらに他の実施態様の斜視図である。
【図15】図14の防音壁のC−C矢視の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の最良の実施形態の例を、図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施態様に係わる防音壁の斜視図である。図2は図1の防音壁を建築物躯体7に取り付けた状態の斜視図であり、図3は図2の防音壁のA−A矢視の横断面図である。また、図4〜9は、本発明の他の実施態様に係る防音壁をそれぞれ表している。なお、本発明は、これらの図によって何ら制限されるものではない。
【0013】
図1において、本発明の防音壁1は、繊維強化プラスチック(以下、FRPという。)を用いたFRP製遮音パネル部4と、該FRP製遮音パネル部4の高さHの2〜20%奥行きD(m)を有する取付部5とからなるFRP製遮音壁2と、該FRP製遮音壁2の表面の一部に取り付けられた太陽電池パネル3とからなる。
【0014】
図1において、取付部5は建築物躯体7への接合のための取付部であり、建築物躯体7へ取り付けるための貫通孔6が、アンカーボルト等の位置に対応するように複数設けられている。また、取付部の奥行きD(m)は、高さH(m)のFRP製遮音パネル部4が受けた風圧により発生する曲げモーメントを建築物躯体7に十分伝達できる距離が必要である。取付部5の奥行きD(m)が、高さH(m)の2%未満まで小さくなると、曲げモーメントを建築物躯体7に十分伝達することができない。また、取付部5の奥行きD(m)が、高さH(m)の20%を超えるまで大きくなると、取付部5の奥行きD(m)に対応する建築物躯体7側の取付部の寸法D′(m)も大きくする必要があり、結果として建築物躯体7の重量増とともにサイズが大きくなり、建築物の建設費用が高くなるという問題がある。
【0015】
したがって、取付部5の奥行きD(m)はFRP製遮音パネル部4の高さH(m)の2〜20%とするものである。好ましくは10〜15%である。
【0016】
FRPは成形型に炭素繊維やガラス繊維等の補強繊維を積層し、樹脂を補強繊維に含浸し、硬化させて得るものであり、成形型の形状により自由な形状のFRP製遮音パネル部4を得ることができるという長所がある。
【0017】
取付部5はFRP製遮音パネル部4と同一材料で構成し、図1に示すようにFRP製遮音パネル部4と一体化した構造であっても良いし、図5や図6に示すようにFRP製遮音パネル部4と別部品の取付部材16とし、ボルト・ナットやリベット等の締結部品17により機械接合する構造であっても良い。取付部材16を金属材料とする場合は、屋外設置時の耐食性を向上するため、ステンレス鋼材を使用するか、鉄鋼材に溶融亜鉛メッキすることが好ましい。また、締結部品17と取付部材16間の電位差による電食を防止するため、締結部品17は取付部材16と同一材料とすることが好ましい。
【0018】
太陽電池パネル3はFRP製遮音壁2の表面の少なくとも一部に取り付けられている。図1に示す実施態様においては、FRP製遮音壁2の上部の湾曲部に、取付部5と対向しない面に太陽電池パネル3が取り付けられている。図4および図7に示す実施態様においては、FRP製遮音壁2の取付部5と対向しない面の全面に太陽電池パネル3が取り付けられている。図8に示す実施態様においては、FRP製遮音壁2の取付部5と対向する面に太陽電池パネル3が取り付けられている。
【0019】
太陽電池パネル3の発電効率を最大限に発揮するため、防音壁1の設置場所に合わせて、FRP製遮音パネル部4の形状、角度を適宜、変更することが可能である。また、FRP製遮音パネル部4への太陽電池パネル3を取り付ける部位を設置場所に合わせて適宜、変更することも可能である。
【0020】
太陽電池パネル3は図3および図9に示すように、太陽電池モジュール11と、太陽電池モジュール11を支持する金属枠体12とからなり、取付ステー13を介してFRP製遮音壁2に機械接合により着脱自在に設置される。機械接合の方法としては、FRP製遮音壁2内部に雌ねじ加工した埋設金属14を内包させ、ボルト15で締結する方法等がある。この場合、取付ステー13、ボルト15、埋設金属14間の電位差による電腐を防止するため、取付ステー13、ボルト15、埋設金属14は同一材料とすることが好ましい。ステンレス鋼、溶融亜鉛メッキしたSS鋼材、SM鋼材等が挙げられるが、耐食性からステンレス鋼とすることが好ましい。
【0021】
また図10のように、FRP製遮音壁2aとFRP製遮音壁2bを建築物躯体7の両端に沿って対向させて複数設置することも好ましい。FRP製遮音壁2aの外表面側およびFRP製遮音壁2bの内表面側に太陽光が入射する位置に防音壁1aおよび防音壁1bを設置する場合、太陽電池パネル3の発電効率を最大限に発揮するため、FRP製遮音壁2aの外表面側に太陽電池パネル3aを、FRP製遮音壁2bの内表面側および取付部上面に太陽電池パネル3b、3cを取り付けることが好ましい。
【0022】
さらに図11のように、太陽電池パネル3をFRP製遮音壁2cとFRP製遮音壁2dにまたがって取り付けることも好ましい。特許文献1に記載のH形鋼等の支柱間に防音パネルをはめ込む従来構造の防音壁の場合、太陽電池パネル自体は風荷重に耐え得る強度を保持していないため、太陽電池パネルは支柱に固定することができず、防音パネル自身に固定するしかなかった。したがって太陽電池パネルは防音パネルと同様に、支柱間隔毎に設置せざるを得なかった。本発明の防音壁は支柱を必要とせず、自身で風荷重に耐え得る強度を持ったFRP製遮音壁に太陽電池パネルを取り付けた防音壁であるため、太陽電池パネルはFRP製遮音壁毎に設置する必要はなく、複数のFRP遮音壁をまたいで設置することができる。一例として、図12は1体当たりの設置長さの長いFRP製遮音壁2eに、大型の太陽電池パネル3を取り付けた状態の斜視図である。
【0023】
特許文献2に記載の金属製の枠部材を必要とする防音壁用吸音パネルや、従来のコンクリート工場製品であるプレキャストコンクリート製防音壁は重量が大きく、施工性、ハンドリング性の面から防音壁1体当たりの設置長さを長くすることができないという問題があった。本発明の防音壁に使用するFRP製遮音壁の重量は、同一高さ、同一長さのプレキャストコンクリート製防音壁の重量の約1/5と軽量である。したがって、FRP製遮音壁に太陽電池パネルを先に設置した後、FRP製遮音壁を建築物躯体に設置することが可能である。この場合、FRP製遮音壁1体当たりの設置長さは、特許文献2に記載のような金属製枠部材を必要とする防音壁用吸音パネルやプレキャストコンクリート製防音壁より長くすることができ、設置作業効率を大きく向上することができる。
【0024】
さらにまた、図13のように建築物躯体の側面の一部を覆うスカート部が、FRP製遮音壁から延設されることも好ましい。建築物躯体は通常、建築限界を有し、建築物側面からはみ出して防音壁を設置できる範囲が決まっており、その範囲は通常、数十mmと小さい。したがってスカート部の厚みは数十mm以内である必要がある。上述した従来のプレキャストコンクリート製防音壁はひび割れ等の発生による剥落の懸念があること、内部に補強筋を有する構造のため、厚みを薄くできないという問題から、防音壁にスカート部を設けることが困難である。本発明の防音壁に使用するFRP製遮音壁は、強度、耐久性を確保しながら薄肉化が可能であるため、スカート部を設けることができる。これにより、図13に示すように、スカート部表面にも太陽電池パネルを取り付けることができ、スカート部を有効に活用することができる。スカート部の長さは、太陽光発電効率、風荷重に対する強度の点から50〜1000mmが好ましい。より好ましくは200〜800mmである。
【0025】
また、図14のようにFRP製遮音壁2fの外表面に太陽電池パネルを、内表面に吸音パネル19を取り付けることも好ましい。特許文献2に記載の防音壁は太陽光発電機能と吸音機能を有するものの、金属製の枠部材を必要とするため、重量が大きく、設置作業に大型の重機が必要となり、設置作業効率が低く、大きな設置コストがかかるという問題がある。一方、本発明の防音壁は軽量なFRP製遮音壁2fを使用するため、太陽光発電機能と吸音機能を有しながら、軽量で高い設置効率を確保することができる。吸音パネル19のFRP製遮音壁2fへの取り付けは、太陽電池パネル3の取り付けと同様に、着脱自在に取り付けることが好ましい。図15に示すように、FRP製遮音壁2fの内部に埋設金属14bを内包し、ボルト15b等で機械接合することがより好ましい。吸音パネル19には共鳴器型吸音材や多孔質型吸音材を使用できるが、広い周波数にわたって大きな吸音率をもつ多孔質型吸音材が好ましい。多孔質吸音材としては、ガラスウール、ロックウール、ポリウレタンフォーム、エキスパンドメタル等が使用できる。
【0026】
次に太陽電池パネル3および/または吸音パネル19の交換について説明する。本発明の防音壁によれば、FRP製遮音壁2と太陽電池パネル3およびFRP製遮音壁2と吸音パネル19は完全に一体化したものではなく、ボルト等で組み合わせた構成となる。すなわち、防音壁1を設置後に、太陽電池モジュールおよび/または吸音材のアップグレードや修繕等のために、太陽電池パネルおよび/または吸音パネルを更新したい場合、FRP製遮音壁を建築物躯体から取り外す必要はなく、ボルト等を緩めて外すことによって、太陽電池パネルおよび/または吸音パネルだけを取り外し、新しい太陽電池パネルおよび/または吸音パネルに交換することができる。
【0027】
最後に防音壁の施工方法について説明する。本発明の防音壁1は使用するFRP製遮音壁2の外表面側に太陽電池パネルを取り付ける場合は、作業性、安全性の点からFRP製遮音壁2に先に太陽電池パネル3を取り付けた後、FRP製遮音壁2を建築物躯体7の所定の位置に据え付け、予め設置されているアンカーボルト8とナット10によってFRP製遮音壁2を固定することが好ましい。一方、FRP製遮音壁2の内表面側に太陽電池パネルを取り付ける場合は、最初にFRP製遮音壁2を建築物躯体7の所定の位置に据付け、予め設置されているアンカーボルト8とナット10によってFRP製遮音壁2を固定する。その後に、太陽電池パネル3の取付ステー13と、FRP製遮音壁2に埋め込まれた埋設金属14が一致するように位置調整した後に、ボルト等で締め付けて、太陽電池パネル3をFRP製遮音壁2に固定することが好ましい。
【符号の説明】
【0028】
1、1a、1b 防音壁
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f FRP製遮音壁
3、3a、3b、3c 太陽電池パネル
4 FRP製遮音パネル部
5 取付部
6 取付孔
7 建築物躯体
8 アンカーボルト
9 座金
10 ナット
11 太陽電池モジュール
12 金属枠体
13、13a、13b、13c 取付ステー
14、14a、14b 埋設金属
15、15a、15b ボルト
16 取付部材
17 締結部品
18 スカート部
19 吸音パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FRP製遮音パネル部と、該FRP製遮音パネル部の高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルが取り付けられていることを特徴とする防音壁。
【請求項2】
前記太陽電池パネルは、前記FRP製遮音壁から着脱自在に設置されている請求項1に記載の防音壁。
【請求項3】
前記太陽電池パネルが、前記FRP製遮音壁に機械的に接合されている請求項1または2のいずれかに記載の防音壁。
【請求項4】
前記太陽電池パネルは、太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールを支持し前記FRP製遮音壁と着脱自在に取り付けられた金属枠体とからなることを特徴とする請求項3に記載の防音壁。
【請求項5】
前記FRP製遮音壁を建築物躯体の両端に沿って対向させて複数設置し、一方の前記FRP製遮音壁外表面に前記太陽電池パネルを設置するとともに、他方の前記FRP製遮音壁内表面および前記取付部上面に前記太陽電池パネルを設置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防音壁。
【請求項6】
前記太陽電池パネルの少なくとも一部が、複数のFRP製遮音壁にまたがって固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防音壁。
【請求項7】
前記建築物躯体の側面の一部を覆うスカート部が、前記FRP製遮音パネル部から延設されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防音壁。
【請求項8】
前記スカート部表面にも前記太陽電池パネルが取り付けられることを特徴とする請求項7に記載の防音壁。
【請求項9】
前記FRP製遮音壁の少なくとも一部に吸音パネルが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の防音壁。
【請求項10】
FRP製遮音パネル部と、該遮音パネルの高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁を建築物躯体へ設置し、その後、前記FRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルを設置することを特徴とする防音壁の施工方法。
【請求項1】
FRP製遮音パネル部と、該FRP製遮音パネル部の高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルが取り付けられていることを特徴とする防音壁。
【請求項2】
前記太陽電池パネルは、前記FRP製遮音壁から着脱自在に設置されている請求項1に記載の防音壁。
【請求項3】
前記太陽電池パネルが、前記FRP製遮音壁に機械的に接合されている請求項1または2のいずれかに記載の防音壁。
【請求項4】
前記太陽電池パネルは、太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールを支持し前記FRP製遮音壁と着脱自在に取り付けられた金属枠体とからなることを特徴とする請求項3に記載の防音壁。
【請求項5】
前記FRP製遮音壁を建築物躯体の両端に沿って対向させて複数設置し、一方の前記FRP製遮音壁外表面に前記太陽電池パネルを設置するとともに、他方の前記FRP製遮音壁内表面および前記取付部上面に前記太陽電池パネルを設置することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防音壁。
【請求項6】
前記太陽電池パネルの少なくとも一部が、複数のFRP製遮音壁にまたがって固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防音壁。
【請求項7】
前記建築物躯体の側面の一部を覆うスカート部が、前記FRP製遮音パネル部から延設されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防音壁。
【請求項8】
前記スカート部表面にも前記太陽電池パネルが取り付けられることを特徴とする請求項7に記載の防音壁。
【請求項9】
前記FRP製遮音壁の少なくとも一部に吸音パネルが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の防音壁。
【請求項10】
FRP製遮音パネル部と、該遮音パネルの高さの2〜20%の奥行きを有し、建築物躯体に取り付け可能な貫通孔を設けた取付部とから構成されるFRP製遮音壁を建築物躯体へ設置し、その後、前記FRP製遮音壁の表面の少なくとも一部に太陽電池パネルを設置することを特徴とする防音壁の施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−72612(P2012−72612A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−218839(P2010−218839)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】
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