説明

除草剤組成物

【課題】本発明の課題は、水の含有量が約0.20重量%未満であり、シクロヘキサンジオン化合物の1つであるクレトジムを活性成分として含有する除草剤組成物を提供する。【解決手段】脱水工程は良好な保存安定性をクレトジム配合物にもたらす。除草剤組成物中の含水量が約0.20重量%未満であるクレトジムを活性成分として含有する除草剤組成物は組成物中のクレトジムの良好な保存安定性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は除草剤組成物および除草剤組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
除草活性を有するシクロヘキサンジオン化合物を含有する幾つかの組成物が米国特許第4,626,276号、米国特許第4,741,768号、米国特許第5,084,087号および米国特許第5,554,576号において知られている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,626,276号
【特許文献2】米国特許第4,741,768号
【特許文献3】米国特許第5,084,087号
【特許文献4】米国特許第5,554,576号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、水の含有量が約0.20重量%未満であり、シクロヘキサンジオン化合物の1つであるクレトジムを活性成分として含有する除草剤組成物を提供することである。さらに、本発明は、クレトジムを活性成分として含有する除草剤組成物の製造方法であって、脱水工程を含む方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(発明1) クレトジムを活性成分として含有することを特徴とする除草剤組成物であって、除草剤組成物中の含水量が約0.20重量%未満である除草剤組成物。
(発明2) クレトジム、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および芳香族炭化水素を含有する発明1に記載の除草剤組成物。
(発明3) 10〜30重量%のクレトジム、0.1〜5重量%のアニオン性界面活性剤、0.1〜20重量%の非イオン性界面活性剤および10〜89.8重量%の芳香族炭化水素を含有する発明1に記載の除草剤組成物。好ましくは、例えば、10〜30重量%のクレトジム、0.1〜5重量%のアニオン性界面活性剤、0.1〜20重量%の非イオン性界面活性剤および10〜89.8重量%の芳香族炭化水素から実質的になるものがあげられる。(但し、除草剤組成物を100重量%とする。)
(発明4) クレトジムを活性成分として含有する除草剤組成物の製造方法であって、脱水工程を含む方法。
(発明5) 除草剤組成物中の含水量が約0.20重量%未満である発明4に記載の方法(発明6) 除草剤組成物がクレトジム、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および芳香族炭化水素を含有する発明4に記載の方法。
(発明7) 除草剤組成物が10〜30重量%のクレトジム、0.1〜5重量%のアニオン性界面活性剤、0.1〜20重量%の非イオン性界面活性剤および0.1〜89.8重量%の芳香族炭化水素を含有する発明4に記載の方法。好ましくは、例えば、除草剤組成物が10〜30重量%のクレトジム、0.1〜5重量%のアニオン性界面活性剤、0.1〜20重量%の非イオン性界面活性剤および0.1〜89.8重量%の芳香族炭化水素から実質的になるものがあげられる。(但し、除草剤組成物を100重量%とする。)
(発明8) 脱水工程が乾燥気体の泡立てを含む発明4に記載の方法。
(発明9) 乾燥気体が窒素である発明8に記載の方法。
(発明10) 脱水工程が水吸収性物質との接触を含む発明4に記載の方法。
(発明11) 水吸収性物質がモレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5Aおよび無水硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1つである発明10に記載の方法。
(発明12) 脱水工程が共沸蒸留を含む発明4に記載の方法。
(発明13) 共沸蒸留がトルエン、キシレン、ベンゼンまたはエチルベンゼンとの共沸蒸留である発明12に記載の方法。
を含むものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、本発明の除草剤組成物または本発明の方法によって製造される除草剤組成物は、組成物中のクレトジムの良好な保存安定性をもたらすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明において、クレトジムは除草活性成分であり、式:
【0008】
【化1】

で示される(±)−2−[(E)−1−[(E)−3−クロロアリルオキシイミノ]プロピル]−5−[2−(エチルチオ)プロピル]−3−ヒドロキシシクロヘクス−2−エノンである。これは市場において入手することができ、例えば、Valent U.S.A.CorporationまたはArvesta Corporationによって販売されている。
【0009】
本発明の除草剤組成物は、一般には、i)クレトジム、ii)アニオン性界面活性剤、iii)非イオン性界面活性剤、およびiv)芳香族炭化水素を含有する。
【0010】
除草剤組成物におけるクレトジムの含有量は、一般には、5重量%〜40重量%、好ましくは、10重量%〜30重量%である。
【0011】
アニオン性界面活性剤としては、スルホネート界面活性剤があげられる。スルホネート界面活性剤は、分子内に少なくとも1つのスルホン酸塩を有するアニオン性界面活性剤を意味する。スルホネート界面活性剤の例には、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、(C8−C15アルキル)ベンゼンスルホネート)、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、脂肪アルコールエーテルスルホン酸塩およびポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテルスルホン酸塩が含まれる。塩の典型的な例はカルシウム、ナトリウムおよびカリウム塩である。スルホネートの典型的な例はドデシルベンゼンスルホネート、ジイソプロピルナフタレンスルホネート、ジイソブチルナフタレンスルホネート、α−オレフィンスルホネートおよびジアルキルスルホスクシネートである。それらのうち、カルシウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネートおよびカリウムドデシルベンゼンスルホネートが好ましく用いられる。
【0012】
除草剤組成物におけるスルホネート界面活性剤の含有量は、一般には、0.1重量%〜10重量%、好ましくは、0.1重量%〜5重量%であり、さらに好ましくは、1重量%〜5重量%である。
【0013】
非イオン性界面活性剤の典型的な例には、ポリオキシアルキレンポリアリールエーテル、ポリオキシエチレン植物油、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪アルコールエーテル、およびポリオキシエチレンアルカノールアミドが含まれる。
【0014】
ポリオキシアルキレンポリアリールエーテルは2つ以上の芳香族環を有する非イオン性界面活性剤を意味し、ここで、少なくとも1つの芳香族環はポリオキシアルキレン基およびエーテル構造を分子内に有する。ポリオキシアルキレンポリアリールエーテルの典型的な例には、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルフェニルエーテルおよびポリオキシアルキレンビスフェニルエーテルが含まれる。ポリオキシアルキレン部分は、一般には、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンまたはポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロック共重合体である。典型的な例はポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル)およびポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル)である。
【0015】
ポリオキシアルキレンポリアリールエーテルのHLBは、好ましくは、12〜15である。HLBは親水性−親油性バランスを意味し、これは界面活性剤の分野において周知である。
【0016】
ポリオキシエチレン植物油は植物油へのエチレンオキシドの付加生成物である。典型的な例はポリオキシエチレンヒマシ油である。
【0017】
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、一般に式: RCOO(AO)H、または、RCOO(AO)CORによって示される非イオン性界面活性剤であり、ここで、Rは6〜21個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基であり、AOはポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンまたはポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロック共重合体であり、nは2〜30である。
【0018】
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは市販品を購入するか、または公知の方法によって製造される。例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルは脂肪酸へのエチレンオキシドの付加またはポリエチレングリコールを用いる脂肪酸のエステル化によって生成することができる。
【0019】
ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルは、好ましくは、8〜16の範囲のHLBである。ポリオキシアルキレン脂肪酸の典型的な例には、モノオレイン酸ポリオキシエチレン、ジオレイン酸ポリオキシエチレン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン、ジラウリン酸ポリオキシエチレンおよびモノステアリン酸ポリオキシエチレンが含まれる。
【0020】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルはソルビタン脂肪酸エステルへのエチレンオキシドの付加生成物であり、ここで、脂肪酸は、一般には、飽和または不飽和C8−C22脂肪酸である。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの例には、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノミリスチン酸ポリオキシエチレンソルビタンおよびポリオキシエチレンソルビタンモノトーレートが含まれる。
【0021】
エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とのブロック共重合体はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体とも呼ばれる。エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体の例は(PO)−(EO)、(EO)−(PO)、(PO)−(EO)−(PO)および(EO)−(PO)−(EO)である。それらのうち、(PO)−(EO)−(PO)、すなわち、
【0022】
【化2】

および、(EO)−(PO)−(EO)、すなわち、
【0023】
【化3】

が好ましく用いられる。
【0024】
ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルはポリオキシアルキレンアルキルフェノールとしても知られ、ポリオキシアルキル化アルキルフェノールである非イオン性界面活性剤を意味する。これは、典型的には、式:R−C−O−(AO)Hによって示され、ここで、Rはアルキルであり、(AO)はポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンまたはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体であり、並びにnは2〜50である。ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルの典型的な例には、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルが含まれる。
【0025】
ポリオキシアルキレン脂肪アルコールエーテルはポリオキシアルキル化脂肪アルコールである非イオン性界面活性剤を意味する。これはポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしても知られる。これは、典型的には、式:R−O−(AO)Hによって示され、ここで、Rは1以上の炭素−炭素二重結合を任意に含む高級アルキルであり、換言すると、Rはアルケニルであってもよく、(AO)はポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンまたはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体であり、mは2〜20である。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの典型的な例には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルおよびポリオキシエチレンオレイルエーテルが含まれる。これは、脂肪アルコール、すなわち、C10−C22脂肪族アルコールのアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド)の付加によって調製される。
【0026】
ポリオキシアルキレンアルカノールアミドは一般にポリオキシアルキル化脂肪酸アミドである。これは、典型的には、式:RCONH(AO)HまたはRCON[(AO)H]によって示され、ここで、Rは6〜21個の炭素原子を有するアルキル基であり、(AO)はポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンまたはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体であり、は2〜30である。RCONH(AO)Hタイプが好ましく用いられる。ポリオキシアルキレンアルカノールアミド界面活性剤の例には、ポリオキシエチレンラウラミド、ポリオキシエチレンステアラミド、ポリオキシエチレンコカミド、ポリオキシプロピレンコカミド、ポリプロピレングリコール2−ヒドロキシエチルイソステアラミドおよびポリプロピレングリコール2−ヒドロキシエチルコカミドが含まれる。
【0027】
除草剤組成物における非イオン性界面活性剤の含有量は、一般には、0.1重量%〜30重量%、好ましくは、0.1重量%〜20重量%、さらに好ましくは、1重量%〜5重量%である。
【0028】
芳香族炭化水素の例には、キシレン、フェニルキシリルエタン、Hisol SAS−296(1−フェニル−1−キシリルエタンと1−フェニル−1−エチルフェニルエタンの混合物、Nippon Petroleum Companyの商品名)、Cactus Solvent HP−DMN(80%のジメチルナフタレンを含有、Nikko Petrochemical Companyの商品名)、Cactus Solvent P−100(9〜10の炭素数を有するアルキルベンゼン、Nikko Petrochemical Companyの商品名)、Aromatic 150(芳香族炭化水素、ExxonMobil Chemicalの商品名)およびAromatic 200(芳香族炭化水素、ExxonMobil Chemicalの商品名)が含まれる。
【0029】
本発明の除草剤組成物における芳香族炭化水素の含有量は、一般には、10重量%〜89.8重量%であり、好ましくは、10重量%〜88重量%、さらに好ましくは、10重量%〜60重量%である。
【0030】
さらに、除草剤組成物は他の溶媒、補助剤、例えば、脂肪酸エステル、酸化防止剤、抗真菌剤、香料、色素等を任意に含む。
【0031】
脂肪酸エステルは、一般には、生物活性の促進剤として作用し得る。脂肪酸エステルの式はRCOOR’であり;ここで、Rは7〜21個の炭素原子を有するアルキル基または7〜21個の炭素原子を有するアルケニル基であり、R’は1〜8個の炭素原子を有するアルキル基である。式RCOによって示される基の例には、パルミトイル、ミリストイル、ステアロイル、ラウロイルおよびオレオイルが含まれる。R’の例はメチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチルおよびオクチルである。脂肪酸エステルの典型的な例はオレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸オクチル、パルミチン酸オクチルおよびステアリン酸ブチルである。
【0032】
脂肪酸エステルが用いられるとき、除草剤組成物における脂肪酸エステルの含有量は、一般には、0.1重量%〜79.8重量%、好ましくは、10重量%〜50重量%である。加えて、脂肪酸エステルが用いられるとき、本発明の除草剤組成物における芳香族炭化水素の含有量は、好ましくは、10重量%〜60重量%である。
【0033】
好ましくは、没食子酸プロピルが酸化防止剤に用いられる;除草剤組成物における没食子酸プロピルの含有量は、一般には、0.01重量%〜10重量%、好ましくは、0.1重量%〜3重量%である。
【0034】
本発明の除草剤組成物の好ましい各成分の重量割合としては、例えば、クレトジム:スルホネート界面活性剤:ポリオキシアルキレン脂肪アルコールエーテルおよび/またはポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル:芳香族炭化水素=10重量%〜30重量%:1重量%〜5重量%:1重量%〜5重量%:10重量%〜88重量%があげられる。
【0035】
本発明は、クレトジムを活性成分として含有する除草剤組成物の製造方法であって、脱水工程を含む方法も提供する。この方法によって得られる除草剤組成物は組成物中のクレトジムの良好な保存安定性を有し、含水量は、一般には、約0.20重量%未満である。
【0036】
本発明の方法を以下に詳細に説明する。
【0037】
脱水工程は混合物または原料に適用することができ、例えば、乾燥気体、例えば、空気および窒素を液体を通して泡立てることにより;液体を水吸収性物質、例えば、多孔性結晶性ゼオライト(例えば、モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A)、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸カルシウム、無水硫酸マグネシウム、塩化カルシウムおよびカルシウムオキシドと接触させることにより;または、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン等を用いる共沸蒸留によって行うことができる。乾燥気体は、気体(例えば、窒素、圧縮空気)を乾燥剤、例えば、塩化カルシウム、シリカ等に通過させることによって調製することができる。乾燥窒素は市販されているシリンダからそのまま利用可能である。
【0038】
すなわち、典型的な手順は、クレトジム、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、芳香族炭化水素および、任意に、他の溶媒、補助剤等を混合し、次いで、その混合物を通して乾燥気体を泡立てるか、またはその混合物を水吸収性物質と接触させることである。他の典型的な手順は、少なくとも1つの原料を通して乾燥気体を泡立てるか、または少なくとも1つの原料を水吸収性物質と接触させた後、クレトジム、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、芳香族炭化水素および、任意に、他の溶媒、補助剤等を混合することである。脱水工程を適用する原料は、一般には、非イオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤および芳香族炭化水素を含む溶媒の両者である。
【0039】
本発明の除草剤組成物は一般には乳化性濃縮物として用いられ、すなわち、水で希釈されてエマルジョンをもたらし、広葉作物(例えば、ダイズ、木綿、サトウダイコン、落花生)農場において雑草、特には、イネ科雑草、例えば、カモジグサ(Agropyron tsukushiense)、イヌビエ(Echinochloa crus−galli)、エノコログサ(Setaria viridis)、アキノエノコログサ(Setaria faberi)、メシヒバ(Digitaria sanguinalis)、スズメノカタビラ(Poa annua)、ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、カラスムギ(Avena sativa)、野生カラスムギ(Avena fatua)、セイバンモロコシ(Sorghum halepense)、シバムギ(Agropyron repens)、ウマノチャヒキ(Bromus tectorum)およびギョウギシバ(Cynodon dactylon)などに散布される。散布用量は、目的の雑草の種類、天候条件等で変化し得るものの、一般には、クレトジムの量でヘクタール当たり10g〜1000gである。除草剤組成物の希釈物は、ヘリコプター、飛行機またはラジコンヘリコプターによる空中散布に用いることもできる。本発明の除草剤組成物は展着剤を含有する水で希釈することができる。展着剤の例には、Agridex(Helena Chemical Corporationの商品名)、Dynamic(Helena Chemical Corporationの商品名)、Induce(Helena Chemical Corporationの商品名)およびSilwet L−77(Nihon Unicarが製造)が含まれる。
【実施例】
【0040】
以下、例を参照して本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の例において限定されるべきではない。
【0041】
実施例1
21.5重量%のクレトジム(純度:93%)、1.7重量%のカルシウムドデシルベンゼンスルホネート(2−エチルヘキサノール中の60%カルシウムドデシルベンゼンスルホネート、Cognisによって供給されるAgnique ABS 60C)、2.0重量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル(HLB 13.5、Rhodiaによって供給されるSoprophor 796P)、4.0重量%のポリオキシエチレンヒマシ油(HLB 13)、4.0重量%のポリオキシエチレンヒマシ油(HLB 10.8)、40.0重量%のオレイン酸メチル(Cognisによって供給されるAgnique ME 181−U)および26.8重量%のAromatic 150(芳香族炭化水素、ExxonMobil Chemicalの商品名)を完全に混合することによって混合物を得た。この混合物中の含水量は0.23重量%であった。
【0042】
参照組成物1
約150mlの参照組成物1を300mlフラスコに入れ、約40ml/秒の乾燥窒素を2時間泡立てた。この混合物中の含水量は0.01重量%となった。(組成物1)
【0043】
実施例2
21.5重量%のクレトジム(純度:93%)、1.7重量%のカルシウムドデシルベンゼンスルホネート(2−エチルヘキサノール中の60%カルシウムドデシルベンゼンスルホネート、Cognisによって供給されるAgnique ABS 60C)、2.0重量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル(HLB 13.5、Rhodiaによって供給されるSoprophor 796P)、11.0重量%のポリオキシエチレンヒマシ油(HLB 10.8)、40.0重量%のステアリン酸ブチルおよび23.8重量%のAromatic 150(芳香族炭化水素、ExxonMobil Chemicalの商品名)を完全に混合することによって混合物を得た。この混合物中の含水量は0.33重量%となった。(参照組成物2)
【0044】
約150mlの参照組成物2を300mlフラスコに入れ、約40ml/秒の乾燥窒素を3時間泡立てた。この混合物中の含水量は0.02重量%となった。(組成物2−1)
【0045】
約30mlの参照組成物2を蓋付き瓶に入れ、約15gのモレキュラーシーブ3Aを添加して3時間放置した。この混合物中の含水量は0.07重量%となった。(組成物2−2)
【0046】
実施例3
21.5重量%のクレトジム(純度:93%)、1.7重量%のカルシウムドデシルベンゼンスルホネート(2−エチルヘキサノール中の60%カルシウムドデシルベンゼンスルホネート、Cognisによって供給されるAgnique ABS 60C)、2.0重量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル(HLB 13.5、Rhodiaによって供給されるSoprophor 796P)、6.0重量%のポリオキシエチレンヒマシ油(HLB 13)、6.0重量%のポリオキシエチレンヒマシ油(HLB 10.8)および64.8重量%のAromatic 150(芳香族炭化水素、ExxonMobil Chemicalの商品名)を完全に混合することによって混合物を得た。この混合物中の含水量は0.32重量%となった。(参照組成物3)
【0047】
約150mlの参照組成物3を300mlフラスコに入れ、約40ml/秒の乾燥窒素を3時間泡立てた。この混合物中の含水量は0.03重量%となった。(組成物3)
【0048】
実施例4
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル(HLB 13.5)中の含水量を測定し、その値は0.14重量%であった。10グラム(10g)のモレキュラーシーブ3Aをこのポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル25mlに添加し、15時間保持した。含水量は0.04重量%となった。
【0049】
カルシウムドデシルベンゼンスルホネート(2−エチルヘキサノール中の60%カルシウムドデシルベンゼンスルホネート、Cognisによって供給されるAgnique ABS 60C)中の含水量を測定し、この値は0.68重量%であった。10グラム(10g)のモレキュラーシーブ3Aをこのカルシウムドデシルベンゼンスルホネート25mlに添加し、15時間保持した。含水量は0.04重量%となった。
【0050】
上で得られた原料は本発明の除草剤組成物を提供することができる。
【試験例】
【0051】
以下の表に列挙される除草剤組成物を60℃のオーブン内に7日間保持し、クレトジムの含有量を測定した。
【0052】
【表1】

【0053】
表によって示されるように、脱水工程によってクレトジムの保存安定性が改善された。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によると、本発明の除草剤組成物または本発明の方法によって製造される除草剤組成物は、組成物中のクレトジムの良好な保存安定性をもたらすことができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレトジムを活性成分として含有することを特徴とする除草剤組成物であって、除草剤組成物中の含水量が約0.20重量%未満である除草剤組成物。
【請求項2】
クレトジム、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および芳香族炭化水素を含有する請求項1記載の除草剤組成物。
【請求項3】
10〜30重量%のクレトジム、0.1〜5重量%のアニオン性界面活性剤、0.1〜20重量%の非イオン性界面活性剤および10〜89.8重量%の芳香族炭化水素を含有する請求項1記載の除草剤組成物(但し、除草剤組成物を100重量%とする)。
【請求項4】
クレトジムを活性成分として含有する除草剤組成物の製造方法であって、脱水工程を含む方法。
【請求項5】
除草剤組成物中の含水量が約0.20重量%未満である請求項4記載の方法。
【請求項6】
除草剤組成物がクレトジム、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および芳香族炭化水素を含有する請求項4記載の方法。
【請求項7】
除草剤組成物が10〜30重量%のクレトジム、0.1〜5重量%のアニオン性界面活性剤、0.1〜20重量%の非イオン性界面活性剤および10〜89.8重量%の芳香族炭化水素を含有する請求項4記載の方法。
【請求項8】
脱水工程が乾燥気体の泡立てを含む請求項4記載の方法。
【請求項9】
乾燥気体が窒素である請求項8記載の方法。
【請求項10】
脱水工程が水吸収性物質との接触を含む請求項4記載の方法。
【請求項11】
水吸収性物質がモレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5Aおよび無水硫酸ナトリウムからなる群より選択される少なくとも1つである請求項10記載の方法。
【請求項12】
脱水工程が共沸蒸留を含む請求項4記載の方法。
【請求項13】
共沸蒸留がトルエン、キシレン、ベンゼンまたはエチルベンゼンとの共沸蒸留である請求項12記載の方法。

【公開番号】特開2006−290868(P2006−290868A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367645(P2005−367645)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】