説明

除草活性を有する置換されたピラジン(チオ)ピラン類

【課題】
【解決手段】本発明は、式I[式中、可変要素は明細書の記述によって定義されている。]の置換されたピラジン類、そのピラジン類の農業上好適な塩、式Iのピラジン類を製造する方法およびそのための中間体、そのピラジン類を含む手段そのピラジン類の除草剤としての、すなわち雑草を防除するための使用、ならびに除草作用を有する量の少なくとも1種類の式Iのピラジン化合物を植物、それの種子および/またはそれの生息環境に作用させる望ましくない植物の防除方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下記式Iの置換されたピラジンに関する。
【化1】

【0002】
式中、可変要素は下記の意味を有し;
R1はO-RAまたはS(O)n-RAまたはOS(O)n-RAであり;
RAは、水素、C1-C4-アルキル、Z-C3-C6-シクロアルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、Z-C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルキニル、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-C(=O)-Ra、Z-P(=O)(Ra)2、3から7員の単環式または9員もしくは10員の二環式飽和、不飽和もしくは芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含み、基Raおよび/またはRbによって部分もしくは完全置換されていることができ、炭素もしくは窒素を介して結合している。)であり、
Raは、水素、OH、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、Z-C3-C6-シクロアルキル、C2-C8-アルケニル、Z-C5-C6-シクロアルケニル、C2-C8-アルキニル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-ハロアルコキシ、Z-C3-C8-アルケニルオキシ、Z-C3-C8-アルキニルオキシ、NRiRii、C1-C6-アルキルスルホニル、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-フェニル、Z-フェノキシ、Z-フェニルアミノまたは5員もしくは6員の単環式または9員もしくは10員の二環式複素環(O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含み、その環状基は置換されていないか1、2、3もしくは4個の基Rbによって置換されている。)であり;
Ri、Riiは互いに独立に水素、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-アルケニル、C3-C8-アルキニル、Z-C3-C6-シクロアルキル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシであり;
RiおよびRiiが、それらが結合している窒素原子とともに、O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員の単環式または9員もしくは10員の二環式複素環を形成していても良く;
Zは共有結合またはC1-C4-アルキレンであり;
nは0、1または2であり;
R2は、フェニル、ナフチルまたは5員もしくは6員の単環式または9員もしくは10員の二環式芳香族複素環(O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含み、その環状基は置換されていないか1、2、3もしくは4個の基Rbによって置換されている。)であり;
Rbは互いに独立に、Z-CN、Z-OH、Z-NO2、Z-ハロゲン、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシ、Z-C3-C10-シクロアルキル、O-Z-C3-C10-シクロアルキル、Z-C(=O)-Ra、NRiRii、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-フェニルおよびS(O)nRbbであり、
RbbはC1-C8-アルキルまたはC1-C6-ハロアルキルであり、
nは0、1または2であり;
Rb1、Rb2は、Rbに関して言及した基のうちの一つであり;
Rb、Rb1、Rb2は互いに独立に、隣接した炭素原子に結合した基Rb、Rb1またはRb2とともに、炭素原子以外にO、NおよびSからなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含んでいても良い5員もしくは6員の飽和または部分もしくは完全不飽和の環を形成していても良く;
YはOまたはSであり;
XはO、SまたはN-R3であり;
R3は、水素、C1-C6-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C3-C6-アルキニル、Z-C3-C10-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキル、C1-C6-シアノアルキル、Z-フェニル、Z-C(=O)-Ra2またはトリ-C1-C4-アルキルシリルであり;
Ra2は、C1-C6-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-ハロアルコキシまたはNRiRiiであり;
基RA、R2、R3およびそれらの置換基において、炭素鎖および/または環状基は基RaもしくはN-オキサイドまたはそれらの農業上好適な塩によって部分もしくは完全置換されていることができる。
【0003】
さらに、本発明は、式Iのピラジン類およびそれのN-オキサイド、それの農業上有用な塩を製造するための方法および中間体、ならびにそれらを含む活性化合物の組み合わせ、それらを含む組成物および除草剤としての、すなわち有害植物を防除する上でのそれらの使用、さらには除草剤的に有効量の少なくとも1種類の式Iのピラジン化合物もしくは式Iの農業上好適な塩を植物、それの種子および/またはそれの生息環境に作用させる段階を有する望ましくない植物の防除方法に関するものである。
【0004】
本発明の別の実施態様は、特許請求の範囲、説明および実施例にある。理解すべき点として、本発明の主題の上記の特徴および下記で説明される特徴は、個々の示された組み合わせだけでなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて他の組み合わせにも適用可能である。
【背景技術】
【0005】
WO2008/009908およびWO2008/071918には、除草性ピラジン類が記載されている。しかしながら、低施用量でのそれらの除草活性および/または作物とのそれらの適合性については、改良の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2008/009908
【特許文献2】WO2008/071918
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、除草活性を有する化合物を提供することにある。提供すべきものは特には、特に低施用量であっても強力な除草活性を有し、作物との適合性が商業的使用に十分なものである活性化合物である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらおよびさらに別の目的は、最初に定義された式Iの化合物ならびにそれらのN-オキサイド、さらにはそれらの農業上好適な塩によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明による化合物は、標準的な有機化学プロセスに従って、例えば下記の合成経路に従って製造することができる。
【0010】
式IIのピリジンカルボン酸を式IIIの化合物と反応させて、式IVの化合物を得ることができる。式IIおよびIIIにおいて、可変要素は式Iに関して示した意味を有する。基R1はC1-C4-アルコキシであり、Halはハロゲン原子またはアルコキシまたはフェノキシなどの別の好適な求核性脱離基であり、SGは例えば置換されていても良いベンジルなどのYの反応性を低下させる保護基である。
【化2】

【0011】
この反応は通常、塩基の存在下に不活性有機溶媒中にて-78℃から120℃、好ましくは-20℃から50℃の温度で行う(Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley参照)。
【0012】
好適な溶媒は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、o-、m-およびp-キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソールおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンおよびtert-ブチルメチルケトンなどのケトン類、そしてジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルアセトアミド、特に好ましくは塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類である。上記の溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0013】
好適な塩基は、通常は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水素化物、リチウムアミド、ナトリウムアミドおよびカリウムアミドなどのアルカリ金属アミド類、炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩ならびに重炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩のような無機化合物、有機金属化合物、特にはメチルリチウム、ブチルリチウムおよびフェニルリチウムなどのアルカリ金属アルキル類、メチルマグネシウムクロライドなどのアルキルマグネシウムハライド類そしてナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドおよびジメトキシマグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属アルコキシド類、さらには有機塩基、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびN-メチルピペリジンなどの3級アミン類、ピリジン、コリジン、ルチジンおよび4-ジメチルアミノピリジンなどの置換されたピリジン類、そして二環式アミン類である。好ましいものは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物であり、特に好ましくは水酸化ナトリウムである。塩基は通常、触媒量で用いられる。しかしながら、それらは等モル量、過剰量または適切である場合には溶媒として用いることも可能である。
【0014】
原料は通常、等モル量で互いに反応させる。
【化3】

【0015】
式Vの適切な酸は、式IVの化合物から遊離される。この反応は通常、塩基の存在下に不活性有機溶媒中で-78℃から120℃、好ましくは-20℃から50℃の温度で行われる(Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters (2006) vol. 16(3), 718-721参照)。
【0016】
好適な溶媒は、水、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールなどのアルコール類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、o-、m-およびp-キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソールおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンおよびtert-ブチルメチルケトンなどのケトン類、さらにはジメチルスルホキシド、DMFおよびジメチルアセトアミド、特に好ましくは塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類である。上記の溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0017】
好適な塩基は、通常は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属酸化物類、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水素化物類、リチウムアミド、ナトリウムアミドおよびカリウムアミドなどのアルカリ金属アミド類、炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩、さらには重炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩のような無機化合物、有機金属化合物、特にはメチルリチウム、ブチルリチウムおよびフェニルリチウムなどのアルカリ金属アルキル類、メチルマグネシウムクロライドなどのアルキルマグネシウムハライド類、さらにはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドおよびジメトキシマグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属アルコキシド類、さらには有機塩基、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびN-メチルピペリジンなどの3級アミン類、ピリジン、コリジン、ルチジンおよび4-ジメチルアミノピリジンなどの置換されたピリジン類、さらには二環式アミン類である。好ましいものは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物であり、特に好ましくは水酸化リチウムである。塩基は通常、触媒量で用いられる。しかしながら、それらは等モル量、過剰量または適切である場合には溶媒として用いることも可能である。
【0018】
式Vの化合物は、脱離基L1を導入することで活性化される。好適な脱離基L1は通常、カルボニル基の求核性を高める基であり、例えばO-アルキル、O-アリール、ハライド、活性化エステルもしくはアルデヒド(例えば、ワインレブアミドなど)、特にペンタフルオロフェノキシなどがある。
【化4】

【0019】
この反応は通常、例えばトリエチルアミンなどの塩基(J. Agric. and Food Chem. 1994, 42(4), 1019-1025参照)、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドなどの触媒(Egyptian Journal of Chemistry 1994, 37(3), 273-282参照)または他の公知のカップリング剤の存在下に不活性有機溶媒中、-78℃から120℃、好ましくは-20℃から50℃の温度で行う。
【0020】
好適な溶媒は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、o-、m-およびp-キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソールおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンおよびtert-ブチルメチルケトンなどのケトン類、さらにはジメチルスルホキシド、DMFおよびジメチルアセトアミド、特に好ましくは塩化メチレンおよびトルエンである。上記の溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0021】
好適な塩基は、通常、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物類、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属酸化物、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水素化類、リチウムアミド、ナトリウムアミドおよびカリウムアミドなどのアルカリ金属アミド類、炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩類、さらには重炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類のような無機化合物類、有機金属化合物、特にメチルリチウム、ブチルリチウムおよびフェニルリチウムなどのアルカリ金属アルキル類、メチルマグネシウムクロライドなどのアルキルマグネシウムハライド類、さらにはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドおよびジメトキシマグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属アルコキシド類、さらには有機塩基、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびN-メチルピペリジンなどの3級アミン類、ピリジン、置換されたコリジン、ルチジンおよび4-ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類、さらには二環式アミン類である。特に好ましいものは、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムおよび炭酸ルビジウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩である。塩基は通常、触媒量で用いられる。しかしながら、それらは等モル量、過剰量または適切である場合には溶媒として用いることも可能である。
【0022】
原料は通常、等モル量で互いに反応させる。
【0023】
好適な薬剤H-L1は、アルコール類、置換されていても良いフェノール類、N,O-ジアルキルヒドロキシルアミン、特にペンタフルオロフェノールまたはN,O-ジメチルヒドロキシルアミンである。
【0024】
式VIの化合物を式VIIの酢酸誘導体と反応させて、式VIIIの化合物を得る。
【化5】

【0025】
この反応は、塩基もしくはルイス酸または触媒の存在下に不活性有機溶媒中、-78℃から120℃、好ましくは-20℃から50℃の温度で行う[Bioorganic & Medicinal Chemistry (2004) vol. 12(6), 1357-1366参照]。
【0026】
好適な溶媒は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、o-、m-およびp-キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソールおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンおよびtert-ブチルメチルケトンなどのケトン類、さらにはジメチルスルホキシド、DMFおよびジメチルアセトアミド、特に好ましくはアセトニトリルおよびDMFである。上記の溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0027】
好適な塩基は、通常、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物類、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属酸化物類、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属水素化物類、リチウムアミド、ナトリウムアミドおよびカリウムアミドなどのアルカリ金属アミド類、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウムおよび炭酸ルビジウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属炭酸塩類、さらには重炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類のような無機化合物、有機金属化合物、特にはメチルリチウム、ブチルリチウムおよびフェニルリチウムなどのアルカリ金属アルキル類、メチルマグネシウムクロライドなどのアルキルマグネシウムハライド類、さらにはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシドおよびジメトキシマグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属アルコキシド類、さらには有機塩基、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンおよびN-メチルピペリジンなどの3級アミン類、ピリジン、コリジン、ルチジンおよび4-ジメチルアミノピリジンなどの置換されたピリジン類、さらには二環式アミン類である。好ましいものは、アルカリ金属およびアルカリ土類金属アルコキシドであり、特に好ましくはカリウムtert-ブトキシドである。
【0028】
塩基は通常、触媒量で用いられる。しかしながら、それらは等モル量、過剰量または適切である場合には溶媒として用いることも可能である。
【0029】
原料は通常、等モル量で互いに反応させる。
【化6】

【0030】
保護基を除去することで、式IXの化合物を式VIIIの化合物から遊離させることができる。反応条件は、保護基SGの性質によって決まる。置換されていても良いベンジル基の脱離は、例えばトリフルオロ酢酸を用い、-78℃から100℃、好ましくは-20℃から50℃の温度で、不活性有機溶媒中で達成される[Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley参照]。
【0031】
式Iの化合物またはそれの前駆体への酸素とは異なる基XおよびYの導入は、一般に公知の方法を用いて行う。
【0032】
式IXの化合物およびそれの前駆体は、二つの互変異型で存在し得る。本発明は、両方の互変異体に関するものである。明瞭を期すため、説明においては通常、一方のみの互変異体について言及する。
【化7】

【0033】
式IXの化合物は、環化によって式Iの化合物に変換することができる。その環化は、-30℃から150℃、好ましくは30℃から100℃の温度で、飽和塩化ナトリウム溶液および有機溶媒を用いて達成される。
【化8】

【0034】
この反応は通常、-78℃から120℃、好ましくは-20℃から50℃の温度で行う。
【0035】
好適な溶媒は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、o-、m-およびp-キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソールおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンおよびtert-ブチルメチルケトンなどのケトン類、さらにはジメチルスルホキシド、DMFおよびジメチルアセトアミド、特に好ましくは塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類である。上記の溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0036】
式Iの化合物の硫化は、硫化剤[S]を用いてそれ自体公知の条件下で行う。それは通常、不活性有機溶媒中、0℃から180℃、好ましくは20℃から140℃の温度で行う[Liebigs Ann. Chem., p.177 (1989)参照]。
【化9】

【0037】
好適な溶媒は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンおよび石油エーテルなどの脂肪族炭化水素類、トルエン、o-、m-およびp-キシレンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、アニソールおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル類、さらにはジメチルスルホキシド、特に好ましくはトルエンおよびテトラヒドロフランである。上記の溶媒の混合物を用いることも可能である。
【0038】
好適な硫化剤は、例えば五硫化リンまたはローソン試薬である。
【0039】
式Iの化合物での基N-R3、またはR1、またはRAの導入は、公知の条件下で行う。
【0040】
R1がSを介して結合した基である式Iの化合物は、例えばクロロチオカルボニル化合物を原料としてニューマン-クワート(Newman-Kwart)に従った反応手順によって得ることができる[J. Org. Chem., Vol. 59(21), pp.6318-21 (1994)参照]。
【0041】
反応混合物は通常の方法で、例えば水と混合し、相を分離し、適切な場合は粗生成物のクロマトグラフィー精製を行うことで後処理する。中間体および最終生成物のうちの一部は、無色または若干褐色様の油状物の形態で得られ、それを精製するか、減圧下かつ中等度に高い温度で揮発性成分を除去する。中間体および最終生成物が固体として得られる場合、精製は再結晶または温浸によって行うことができる。
【0042】
個々の化合物Iが、上記の経路によって得ることができない場合、それらは他の化合物Iの誘導体化によって製造することが可能である。
【0043】
合成によって異性体の混合物が生じる場合、個々の異性体が使用に向けた後処理時または施用時に相互変換する可能性のある場合があることから(例えば光、酸または塩基の作用下で)、必ずとは限らないが分離が必要とされる。そのような変換は、施用後でも、例えば処理される植物または防除対象の有害植物での植物処理の場合に起こる可能性もある。
【0044】
本発明による化合物の置換基に関して言及した有機部分は、個々の基の構成員の個々の列挙に対する総称である。アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ならびにアルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N-アルキルスルホニルアミノ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アルコキシアミノ、アルキルアミノスルホニルアミノ、ジアルキルアミノスルホニルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、N-(アルケニル)-N-(アルキル)アミノ、N-(アルキニル)-N-(アルキル)アミノ、N-(アルコキシ)-N-(アルキル)アミノ、N-(アルケニル)-N-(アルコキシ)アミノまたはN-(アルキニル)-N-(アルコキシ)アミノでのアルキル部分およびアルケニル部分のような全ての炭化水素鎖が、直鎖であるか分岐であることができる。
【0045】
接頭語Cn-Cm-は、炭化水素単位の個々の炭素数を示す。別段の断りがない限り、ハロゲン化置換基は好ましくは、1から5個の同一もしくは異なるハロゲン原子、特にはフッ素原子もしくは塩素原子を有する。
【0046】
ハロゲンの意味は、各場合でフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。
【0047】
他の意味の例には次のものがある。
【0048】
アルキルおよび例えばアルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、N-アルキルスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニルアミノ、ジアルキルアミノスルホニルアミノ、N-(アルケニル)-N-(アルキル)アミノ、N-(アルキニル)-N-(アルキル)アミノ、N-(アルコキシ)-N-(アルキル)アミノでのアルキル部分:1以上の炭素原子、例えば1もしくは2個、1から4個または1から6個の炭素原子を有する飽和の直鎖もしくは分岐炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピルなどのC1-C6-アルキル。本発明による1実施形態において、アルキルはC1-C4-アルキルなどの小さいアルキル基を指す。本発明による別の実施形態において、アルキルは、C5-C6-アルキルなどの比較的大きいアルキル基を指す。
【0049】
ハロアルキル:水素原子の一部または全てがフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素などのハロゲン原子によって置換された上記で挙げたアルキル基、例えばクロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、2-ブロモエチル、2-ヨードエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、2-フルオロプロピル、3-フルオロプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、2,3-ジフルオロプロピル、2-クロロプロピル、3-クロロプロピル、2,3-ジクロロプロピル、2-ブロモプロピル、3-ブロモプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,3-トリクロロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエチル、1-(クロロメチル)-2-クロロエチル、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエチル、4-フルオロブチル、4-クロロブチル、4-ブロモブチルおよびノナフルオロブチル。
【0050】
シクロアルキルおよび例えばシクロアルコキシまたはシクロアルキルカルボニルでのシクロアルキル部分:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどの3個以上の炭素原子、例えば3から6個の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基。
【0051】
アルケニルおよび例えばアルケニルアミノ、アルケニルオキシ、N-(アルケニル)-N-(アルキル)アミノ、N-(アルケニル)-N-(アルコキシ)アミノにおけるアルケニル部分:2個以上の炭素原子、例えば2から4個、2から6個または3から6個の炭素原子およびいずれかの位置での二重結合を有するモノ不飽和の直鎖もしくは分岐炭化水素基、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル、1-エチル-2-メチル-2-プロペニルなどのC2-C6-アルケニル。
【0052】
シクロアルケニル:シクロペンテン-1-イル、シクロペンテン-3-イル、シクロヘキセン-1-イル、シクロヘキセン-3-イル、シクロヘキセン-4-イルなどの3から6個、好ましくは5または6個の炭素環員を有する単環式モノ不飽和炭化水素基。
【0053】
アルキニルおよび例えばアルキニルオキシ、アルキニルアミノ、N-(アルキニル)-N-(アルキル)アミノまたはN-(アルキニル)-N-(アルコキシ)アミノにおけるアルキニル部分:2個以上の炭素原子、例えば2から4個、2から6個または3から6個の炭素原子およびいずれかの位置での三重結合を有する直鎖もしくは分岐の炭化水素基、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、3-メチル-1-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-1-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、4-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニル、1-エチル-1-メチル-2-プロピニルなどのC2-C6-アルキニル。
【0054】
アルコキシ:酸素原子を介して結合している上記で定義のアルキル、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシまたは1,1-ジメチルエトキシ、ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシまたは1-エチル-2-メチルプロポキシ。
【0055】
5員もしくは6員の複素環:5または6個の環原子を有し、1、2、3または4個の環原子がO、SおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子である環状基であって、その環状基が飽和、部分不飽和または芳香族であるもの。
【0056】
式Iの化合物は、置換パターンに応じて、1以上のさらなるキラリティー中心を含む可能性がある。従って、本発明による化合物は、純粋なエナンチオマーもしくはジアステレオマーとして、またはエナンチオマーもしくはジアステレオマー混合物として存在し得る。本発明は、純粋なエナンチオマーもしくはジアステレオマーおよびそれらの混合物の両方を提供するものである。
【0057】
式Iの化合物は、N-オキサイドおよび/またはそれらの農業上有用な塩の形態で存在することもでき、塩の種類は一般に重要ではない。好適な塩は、それらのカチオンの塩またはカチオンおよびアニオンがそれぞれ化合物Iの除草活性に対して有害効果を持たない酸の酸付加塩である。
【0058】
好適なカチオンは、特にはアルカリ金属、好ましくはリチウム、ナトリウムまたはカリウム、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウムまたはマグネシウム、そして遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛または鉄のイオンである。使用可能な別のカチオンはアンモニウムであり、その場合に、所望に応じて、1から4個の水素原子がC1-C4-アルキル、ヒドロキシ-C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、ヒドロキシ-C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル、フェニルまたはベンジル、好ましくはアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、2-(2-ヒドロキシエト-1-オキシ)エト-1-イルアンモニウム、ジ(2-ヒドロキシエト-1-イル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウムによって置き換わっていることができる。別の好適なアンモニウムカチオンは、アルキル化またはアリール化によって4級化された式Iのピリジン窒素原子である。やはり好適なものとしては、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホニウム、またはスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホキソニウムがある。
【0059】
好適な酸付加塩のアニオンは主として塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、二水素リン酸イオン、リン酸水素イオン、硝酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、ヘキサフルオロケイ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、安息香酸イオンであり、C1-C4-アルカン酸類のアニオン、好ましくはギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオンまたはトリフルオロ酢酸イオンもある。
【0060】
可変要素に関しては、中間体の特に好ましい実施形態は、式Iの基のものに相当する。
【0061】
ある特定の実施形態では、式Iの化合物の可変要素は下記の意味を有するものであり、これらの意味は、それ自体と互いとの組み合わせの両方で、式Iの化合物の特定の実施形態である。
【0062】
本発明の第1の好ましい実施形態では、R1はO-RAである。
【0063】
本発明の別の好ましい実施形態では、R1はS(O)n-RAであり、nは好ましくは0または2、特には0である。
【0064】
RAは特には、H、C(O)CH3、C(O)CH2CH3、C(O)CH(CH3)2またはC(O)C(CH3)3などのC1-C6-アルキルカルボニル;シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニルまたはシクロヘキシルカルボニルなどのC1-C6-シクロアルキルカルボニル;C(O)CH=CH2またはC(O)CH2CH=CH2などのC2-C6-アルケニルカルボニル、C(O)C6H5、C(O)[2-CH3-C6H4]、C(O)[4-CH3-C6H4]、C(O)[2-F-C6H4]、C(O)[4-F-C6H4]などの置換されていても良いベンゾイル、またはカルボニル基を介して結合しているピリジンなどの置換されていても良いヘテロアリールである。
【0065】
別の好ましい態様では、RAはH、C1-C6-アルキル、置換されていても良いフェニル、ジ-C1-C6-アルキルアミノカルボニル、C1-C6-アルキルカルボニルまたはベンゾイルである。
【0066】
特に好ましくは、RAはHまたはC1-C6-アルキルカルボニルである。
【0067】
本発明の別の好ましい実施形態では、RAは、好ましくは1、2、3もしくは4個の窒素原子または1個の酸素原子もしくは1個の硫黄原子、そして適切な場合は環員としての1もしくは2個の窒素原子を有し、置換されていないかRbから選択される1個もしくは2個の置換基を有していても良い、上記で定義のようにRbによって置換されていても良い5員もしくは6員の複素環である。好ましいものは、窒素を介して結合している飽和もしくは不飽和の基であり、それには例えば、
ヘテロ芳香族基:ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピラジン-2-イル、2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、ピラゾール-1-イル、ピラゾール-3-イル、ピラゾール-4-イル、イソオキサゾール-3-イル、イソオキサゾール-4-イル、イソオキサゾール-5-イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イル、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、オキサゾール-5-イル、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イルおよびチアゾール-5-イルなどがある。
【0068】
別の態様において、RAは炭素を介して結合したヘテロ芳香族基であり、それにはピラゾール-3-イル、イミダゾール-5-イル、オキサゾール-2-イル、チアゾール-2-イル、チアゾール-4-イル、チアゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピリダジン-4-イル、ピラジン-2-イル、[1H]-テトラゾール-5-イルおよび[2H]-テトラゾール-5-イルなどがあり、その場合に、例示的に本明細書で言及される各複素環は、Rbから選択される1個もしくは2個の置換基を有することができる。好ましい基Rbは特には、F、Cl、CN、NO2、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、OCHF2、OCF3およびCF3である。
【0069】
別の好ましい態様では、R2は、置換されていないか、基Rbによって部分置換もしくは完全置換されているフェニルである。特に好ましいものは、基Rbがオルト位に位置している化合物である。そのような式Iの化合物は、下記式I.Aによって記載される。
【化10】

【0070】
式I.Aにおいて、指数nは0から4の整数、好ましくは0、1または2、特には0または1である。R5およびR6は最初に定義された基Rbであり、好ましくはハロゲン、NO2、C1-C4-アルキル、C1-C2-ハロアルキルおよびC1-C4-アルコキシである。一つの基R6は好ましくは、5位に位置する。
【0071】
好ましい実施形態において、XはOである。
【0072】
別の実施形態において、XはSである。
【0073】
別の実施形態において、XはNR3である。
【0074】
R3は好ましくは、H、CH3、C2H5、n-C3H7、CH(CH3)2、n-C3H9もしくはC(CH3)3などのC1-C6-アルキル;シクロプロピルメチルなどのC3-C6-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、CH2CH=CH2、CH2C(CH3)=CH2、CH2CH2H=CH2、CH2CH2C(CH3)-CH2、CH2CH2CH2CH=CH2、CH2CH2CH2C(CH3)=CH2などのC3-C6-アルケニル、またはC6H5、4-CH3-C6H4、4-F-C6H4などの置換されていても良いフェニルまたはS(O)n-RNであり、RNはCH2CF3、CH2CHF2などのC1-C6-ハロアルキルである。R3は特に好ましくは、水素以外である。特別に好ましくは、R3は、CH2CF3またはCH2CHF2などのC1-C6-ハロアルキルである。
【0075】
好ましい実施形態では、YはOである。
【0076】
別の実施形態では、YはSである。
【0077】
別の実施形態は、Rb1およびRb2がそれぞれ水素である式Iの化合物に関するものである。
【0078】
別の実施形態は、式Iの化合物のN-オキサイドに関するものである。
【0079】
別の実施形態は、式Iの化合物の塩、特には、好ましくは式Iの化合物のアルキル化もしくはアリール化によって起こり得る少なくとも1個のピラジン窒素原子の4級化によって得ることができる塩に関するものである。従って、その化合物の好ましい塩は、N-アルキル塩、特にはN-メチル塩およびN-フェニル塩である。
【0080】
特に、使用を目的とすると、下記の表に編集されている式Iの化合物が好ましく、それらの化合物は、Rb1およびRb2がそれぞれ水素である式I.Aに相当する(式I.AA)。
【化11】

【0081】
表中で置換基に関して言及されている基は、さらにそれ自体、それらが言及されている組み合わせとは独立に、対象となる置換基の特に好ましい態様である。
【0082】
表1
XおよびYがOであり、化合物についてのR1、R5および(R6)nの組み合わせが各場合で、表Aの一つの列に相当する式Iの化合物。
【0083】
表2
XがOであり、YがSであり、化合物についてのR1、R5および(R6)nの組み合わせが各場合で、表Aの一つの列に相当する式Iの化合物。
【0084】
表3
XおよびYがSであり、化合物についてのR1、R5および(R6)nの組み合わせが各場合で、表Aの一つの列に相当する式Iの化合物。
【0085】
表4
XがSであり、YがOであり、化合物についてのR1、R5および(R6)nの組み合わせが各場合で、表Aの一つの列に相当する式Iの化合物。
【0086】
表A
Rb1およびRb2がそれぞれ水素である式I.Aに相当する式Iの化合物(式I.AA)
【化12】

【表1】

【0087】

【0088】

【0089】

【0090】

【0091】

【0092】

【0093】

【0094】

【0095】

【0096】

【0097】

【0098】

【0099】

【0100】

【0101】

【0102】

【0103】

【0104】

【0105】

【0106】

【0107】

【0108】

【0109】

【0110】

【0111】

【0112】

【0113】
化合物Iおよびそれの農業上有用な塩は、異性体混合物としておよび純粋な異性体の形態の両方で、除草剤として好適である。それらは、それ自体で、または適切に製剤された組成物として好適である。化合物I、特にそれの好ましい態様を含む除草剤組成物は、非常に効率的に、特に高施用量で、非作物区域での植生を防除する。それらは、作物に対してほとんど損傷を生じることなく、小麦、米、トウモロコシ、大豆および棉などの作物における広葉雑草およびイネ科雑草に対して作用する。この効果は主として、低施用量で認められる。
【0114】
対象となる施用方法に応じて、化合物I、特にはそれの好ましい態様またはそれらを含む組成物はさらに、望ましくない植物を排除するためにさらに多くの作物で用いることができる。好適な作物の例には、下記のものがある。
【0115】
タマネギ(Allium cepa)、パイナップル(Ananas comosus)、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、エン麦(Avena sativa)、テンサイ(Beta vulgaris spec. altissima)、ベタ・ブルガリス種ラパ(Beta vulgaris spec. rapa)、ブラシカ・ナプス変異株ナプス(Brassica napus var. napus)、ブラシカ・ナプス変異株ナポブラシカ(Brassica napus var. napobrassica)、ブラシカ・ラパ変異株シルベストリス(Brassica rapa var. silvestris)、キャベツ(Brassica oleracea)、クロガラシ(Brassica nigra)、チャ(Camellia sinensis)、ベニバナ(Carthamus tinctorius)、ペカン(Carya illinoinensis)、レモン(Citrus limon)、オレンジスウィート(Citrus sinensis)、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica)(ロブスタコーヒーノキ(Coffea canephora)、リベリアコーヒーノキ(Coffea liberica))、キュウリ(Cucumis sativus)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、ニンジン(Daucus carota)、アブラヤシ(Elaeis guineensis)、エゾヘビイチゴ(Fragaria vesca)、ダイズ(Glycine max)、リクチワタ(Gossypium hirsutum)(キダチワタ(Gossypium arboreum)、アジアワタ(Gossypium herbaceum)、ゴシピウム・ビチフォリウム(Gossypium vitifolium))、ヒマワリ(Helianthus annuus)、パラゴム(Hevea brasiliensis)、オオムギ(Hordeum vulgare)、ホップ(Humulus lupulus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、シナノグルミ(Juglans regia)、ヒラマメ(Lens culinaris)、アマ(Linum usitatissimum)、トマト(Lycopersicon lycopersicum)、リンゴ属の木(Malus spec.)、キャッサバ(Manihot esculenta)、アルファルファ(Medicago sativa)、バナナ属の木(Musa spec.)、タバコ(Nicotiana tabacum)(マルバタバコ(N.rustica))、オリーブ(Olea europaea)、イネ(Oryza sativa)、ライマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ドイツトウヒ(Picea abies)、マツ属の木(Pinus spec.)、ピスタチオ(Pistacia vera)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウウミザクラ(Prunus avium)、モモ(Prunus persica)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、アンズ(Prunus armeniaca)、スミノミザクラ(Prunus cerasus)、アーモンド(Prunus dulcis)およびプルーン(Prunus domestica)、フサスグリ(Ribes sylvestre)、ヒマ(Ricinus communis)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、シロガラシ(Sinapis alba)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、モロコシ(Sorghum bicolor(s.vulgare))、カカオ(Theobroma cacao)、アカツメクサ(Trifolium pratense)、コムギ(Triticum aestivum)、ライコムギ(Triticale)、マカロニコムギ(Triticum durum)、ソラマメ(Vicia faba)、ブドウ(Vitis vinifera)、トウモロコシ(Zea mays)。
【0116】
「作物」という用語は、育種、突然変異誘発または遺伝子操作によって改変された植物も含む。遺伝子組み換え植物は、異種交配、突然変異または自然の組換え(すなわち、遺伝情報の再構成)によって自然条件下では起こらない形で遺伝物質が組み換えられている植物である。ここで、1以上の遺伝子が植物の遺伝物質に組み込まれることで、その植物の特性が改善される。
【0117】
従って、「作物」という用語は、ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害薬、例えばスルホニル尿素類(EP-A257993、US5,013,659)またはイミダゾリノン類(例えば、US6,222,100、WO01/82685、WO00/26390、WO97/41218、WO98/02526、WO98/02527、WO04/106529、WO05/20673、WO03/14357、WO03/13225、WO03/14356、WO04/16073参照)などのアセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害薬、例えばグリホサート(例えば、WO92/00377参照)などのエノールピルビルシキミ酸3−リン酸シンターゼ(EPSPS)阻害薬、例えばグルホシネート(例えば、EP-A242236、EP-A242246参照)などのグルタミンシンターゼ(GS)阻害薬、またはオキシニル(oxynil)系除草剤(例えば、US5,559,024参照)などのある種の除草剤に対する耐性を育種および遺伝子操作によって獲得している植物も含む。
【0118】
多くの作物、例えば、イミダゾリノン類、例えばイマザモックスに対して耐性であるクリアフィールド(Clearfield;登録商標)アブラナが、旧来の育種法(突然変異誘発)を活用して作り出されている。商標名ラウンドアップレディー(登録商標)(グリホサート)およびリバティーリンク(登録商標)(グルホシネート)下に入手可能なグリホサートまたはグルホシネートに対して抵抗性である大豆、棉、トウモロコシ、ビートおよびアブラナなどの作物は、遺伝子工学的方法を利用して作り出されたものである。
【0119】
従って、「作物」という用語は、遺伝子工学を利用して、1以上の毒素、例えば細菌株バチルス属の毒素を産生する植物も含む。そのような遺伝子改変植物によって産生される毒素には、例えば内毒素Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1F、Cry1Fa2、Cry2Ab、Cry3A、Cry3Bb1、Cry9c、Cry34Ab1またはCry35Ab1などのバチルス属、特にバチルス・チューリンゲンシスの殺虫性タンパク質;または植物性の殺虫性タンパク質(VIPs)、例えばVIP1、VIP2、VIP3またはVIP3A;線虫コロニー形成細菌(nematode-colonizing bacteria)、例えばフォトラブダス属またはゼノラブダス属の殺虫性タンパク質;動物生命体の毒素、例えばスズメバチ、クモまたはサソリの毒;例えば放線菌からの真菌毒素;例えばエンドウ豆または大麦からの植物レクチン類;アグルチニン類;プロテイナーゼ阻害剤、例えばトリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン、シスタチンまたはパパイン阻害剤、リボソーム不活性化タンパク質(RIPs)、例えばリシン、トウモロコシ-RIP、アブリン、ルフィン(luffin)、サポリンまたはブリオジン(bryodin);ステロイド代謝酵素、例えば3-ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDPグリコシルトランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤またはHMG-CoAレダクターゼ;イオンチャンネル遮断剤、例えばナトリウムチャンネルまたはカルシウムチャンネルの阻害剤;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモンの受容体(ヘリコキニン受容体);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼまたはグルカナーゼなどがある。植物では、これらの毒素は、前毒素、ハイブリッドタンパク質または切断もしくは他の形での改変タンパク質としても産生され得る。ハイブリッドタンパク質は、異なるタンパク質ドメインの新たな組み合わせを特徴とする(例えばWO2002/015701参照)。そのような毒素またはそれらの毒素を産生する遺伝子改変植物の別の例は、例えば、EP-A374753、WO93/007278、WO95/34656、EP-A427529、EP-A451878、WO03/18810およびWO03/52073に開示されている。これらの遺伝子改変植物の製造方法は、当業者に公知であり、例えば上記の刊行物中に開示されている。上記で述べた毒素のうちの多くのものが、それらを産生する植物に対して、全ての分類学的種類の節足動物からの害虫、特に甲虫(鞘翅目)、双翅類(双翅目)、および蝶(鱗翅目)ならびに線虫(線形動物)に対する耐性を与える。
【0120】
殺虫性毒素をコードする1以上の遺伝子を産生する遺伝子改変植物は、例えば上記の刊行物に記載され、その一部は市販されており、例えば、YieldGard(登録商標)(Cry1Ab毒素を産生するトウモロコシ品種)、YieldGard(登録商標)Plus(Cry1AbおよびCry3Bb1毒素を産生するトウモロコシ品種)、Starlink(登録商標)(Cry9c毒素を産生するトウモロコシ品種)、Herculex(登録商標)RW(Cry34Ab1、Cry35Ab1および酵素ホスフィノトリシン-N-アセチルトランスフェラーゼ[PAT]を産生するトウモロコシ品種);NuCOTN(登録商標)33B(Cry1Ac毒素を産生する棉品種)、Bollgard(登録商標)I(Cry1Ac毒素を産生する棉品種)、Bollgard(登録商標)II(Cry1AcおよびCry2Ab2毒素を産生する棉品種);VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を産生する棉品種);Newleaf(登録商標)(Cry3A毒素を産生するジャガイモ品種);Bt-Xtra(登録商標)、NatureGard(登録商標)、KnockOut(登録商標)、BiteGard(登録商標)、Protecta(登録商標)、Bt11(例えば、Agrisure(登録商標)CB)およびSyngenta Seeds SAS, Franceから販売されているBt176(Cry1Ab毒素およびPAT酵素を産生するトウモロコシ品種)、Syngenta Seeds SAS, Franceから販売されているMIR604(Cry3A毒素の改変型を産生するトウモロコシ品種、WO03/018810参照)、Monsanto Europe S.A., Belgiumから販売されているMON863(Cry3Bb1毒素を産生するトウモロコシ品種)、Monsanto Europe S.A., Belgiumから販売されているIPC 531(Cry1Ac毒素の改変型を産生する棉品種)およびPioneer Overseas Corporation, Belgiumから販売されている1507(Cry1F毒素およびPAT酵素を産生するトウモロコシ品種)などがある。
【0121】
従って、「作物」という用語には、遺伝子操作を用いて、より堅牢であり、細菌、ウイルスまたは真菌の病原体に対する抵抗性が高くなった1種以上のタンパク質を産生する植物も包含され、それには例えば、発病関連タンパク質(PRタンパク質、EP-A392225参照)、抵抗性遺伝子(例えばメキシコの野生ジャガイモであるソラヌム・ブルボカスタヌム(Solanum bulbocastanum)由来のフィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対する二つの抵抗性遺伝子を産生するジャガイモ品種)またはT4-リゾチーム(例えば、このタンパク質を産生することで、エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylvora)などの細菌に対して抵抗性となっているジャガイモ品種)がある。
【0122】
従って、「作物」という用語には、遺伝子操作法を使用して、例えば潜在収量(例えばバイオマス、禾穀類収穫量、デンプン、オイルまたはタンパク質含量)、干ばつ、塩分その他の成長制限環境因子に対する耐性、または有害生物および真菌、細菌およびウイルス病原体に対する耐性を高めることで生産性が改善された植物も包含される。
【0123】
「作物」という用語には、遺伝子操作法を用いて、特には例えば健康を促進する長鎖オメガ3脂肪酸またはモノ不飽和オメガ9脂肪酸を生産する油料作物(例えばNexera(登録商標)アブラナ)によって、ヒトまたは動物の食事を改善するよう成分が改変された植物も包含される。
【0124】
「作物」という用語には、遺伝子操作法を用いて、例えばジャガイモ中のアミロペクチン含有量を高めることで原料生産を改善するよう改変された植物(Amflora(登録商標)ジャガイモ)も包含される。
【0125】
さらに、式Iの化合物が植物部分の落葉および/または乾燥にも好適であり、それには棉、ジャガイモ、アブラナ、ヒマワリ、大豆またはフィールド豆類、特には棉などの作物が好適であることが認められた。この点に関しては、植物の乾燥および/または落葉のための組成物、それら組成物の製造方法および式Iの化合物を用いる植物の乾燥および/または落葉方法が見出された。
【0126】
乾燥剤としては、式Iの化合物は、ジャガイモ、アブラナ、ヒマワリおよび大豆などの作物の地上部分だけでなく、禾穀類の乾燥にも特に好適である。これによって、これらの重要な作物の完全に機械化された収穫が可能となる。
【0127】
一定期間内での裂開の集中および柑橘類果実、オリーブおよび他の種および品種の梨果果実、核果およびナッツにおける木への付着の低減によって可能となる収穫促進は経済的にも重要である。同じ機序、すなわち植物の果実部分と葉部分およびシュート部分の間の離脱組織の発達促進も、有用植物、特には棉の容易に制御可能な落葉には必須である。
【0128】
さらに、個々の棉植物が成熟する期間の短縮によって、収穫後の繊維の品質が高くなる。
【0129】
化合物Iまたは化合物Iを含む除草剤組成物は、例えば即時噴霧水溶液、散剤、懸濁液、さらには高濃度の水系、油系その他の懸濁液もしくは分散液、乳濁液、オイル分散液、ペースト、粉剤、散播用資材または粒剤の形態で、噴霧、霧化、散粉、拡散、灌水または種子の処理もしくは種子との混合によって用いることができる。使用形態は所期の用途によって決まるものであり、各場合においてそれらの形態は、本発明による有効成分の最も微細な可能な分配を保証すべきものである。
【0130】
前記除草剤組成物は、除草剤的に有効量の少なくとも1種類の式Iの化合物またはIの農業上有用な塩、ならびに作物保護剤の製剤において一般的な補助剤を含む。
【0131】
作物保護剤の製剤において一般的な補助剤の例は、不活性補助剤、固体担体、界面活性剤(分散剤、保護コロイド、乳化剤、湿展剤および粘着付与剤など)、有機および無機の増粘剤、殺菌剤、不凍剤、消泡剤、適切であれば着色剤、そして種子製剤の場合には接着剤である。
【0132】
増粘剤(すなわち、製剤に改善された流動特性、すなわち静止状態での高粘度および運動時の低粘度を与える化合物)の例には、キサンタンガム(KelcoからのKelzan(登録商標))、Rhodopol(登録商標)23(Rhone Poulenc)またはVeegum(登録商標)(R.T. Vanderbiltから)などの多糖類、さらにはAttaclay(登録商標)(Engelhardtから)などの有機および無機の層状ケイ酸塩がある。
【0133】
消泡剤の例には、シリコーン乳濁液(例えば、Silikon(登録商標)SRE、WackerまたはRhodiaからのRhodorsil(登録商標)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物およびこれらの混合物がある。
【0134】
殺菌剤は、水系除草剤製剤を安定化させるために加えることができる。殺菌剤の例には、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマル(ICIからのProxel(登録商標)またはThor ChemieからのActicide(登録商標)RSおよびRohm & HaasからのKathon(登録商標)MK)、さらにはアルキルイソチアゾリノン類およびベンゾイソチアゾリノン類(Thor ChemieからのActicideMBS)などのイソチアゾリノン誘導体に基づく殺菌剤がある。
【0135】
不凍剤の例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素またはグリセリンがある。
【0136】
着色剤の例には、難水溶性顔料および水溶性色素の両方がある。言及することができる例には、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112およびC.I.溶媒レッド1、さらにはピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108の名称で知られている色素がある。
【0137】
接着剤の例には、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびチロースがある。
【0138】
好適な不活性補助剤は、例えば、
灯油およびディーゼル油などの中ないし高沸点の鉱油留分、さらにはコールタール油および植物もしくは動物起源の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素、例えばパラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン類およびそれらの誘導体、アルキル化ベンゼン類およびそれらの誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびシクロヘキサノールなどのアルコール類、シクロヘキサノンなどのケトン類または強力に極性の溶媒、例えばN-メチルピロリドンなどのアミン類および水である。
【0139】
固体担体は、シリカ類、シリカゲル類、ケイ酸塩類、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、赤土、黄土、クレイ、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの鉱物、粉砕合成資材、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび尿素などの肥料、ならびに穀粉、樹皮粉、木粉および堅果殻粉などの植物起源の製品、セルロース粉末その他の固体担体である。
【0140】
好適な界面活性剤(補助剤、湿展剤、粘着付与剤、分散剤、さらには乳化剤)は、例えばリグノスルホン酸類(例えば、Borrespers型、Borregaard)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwet型、Akzo Nobel)およびジブチルナフタレンスルホン酸(Nekal型、BASF SE)などの芳香族スルホン酸類ならびに脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩、アルキルスルホン酸塩およびアルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ラウリルエーテル硫酸塩および脂肪アルコール硫酸塩、ならびに硫酸化ヘキサ、ヘプタおよびオクタデカノールの塩、さらには脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレンおよびその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチル、オクチルもしくはノニルフェノール、アルキルフェニルまたはトリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール類、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキサイド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類またはポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル類、リグノサルファイト廃液およびタンパク質、変性タンパク質、多糖類(例えば、メチルセルロース)、疎水変性デンプン、ポリビニルアルコール(モウィオール型、Clariant)、ポリカルボキシレート(BASF SE、ソカラン型)、ポリアルコキシレート類、ポリビニルアミン(BASF SE、Lupamine型)、ポリエチレンイミン(BASF SE、ルパゾール型)、ポリビニルピロリドンおよびそのコポリマーである。
【0141】
散剤、散布用資材および粉剤は、有効成分を固体担体とともに混和または粉砕することで製造することができる。
【0142】
粒剤、例えば被覆粒剤、含浸粒剤および均一粒剤は、有効成分を固体担体に結合させることで製造することができる。
【0143】
水系の使用形態は、水を加えることで乳濁濃縮液、懸濁液、ペースト、水和剤または水分散性粒剤から製造することができる。乳濁液、ペーストまたはオイル分散液を調製するには、式IまたはIaの化合物を、そのままであるかオイルもしくは溶媒中に溶解させて、湿展剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤によって水中で均質化することができる。あるいは、活性物質、湿展剤、粘着付与剤、分散剤もしくは乳化剤および所望に応じて水による希釈に好適である溶媒もしくはオイルを含む濃縮液を調製することも可能である。
【0144】
即時使用製剤中の式Iの化合物の濃度は、広い範囲で変動し得るものである。通常、その製剤は、0.001から98重量%、好ましくは0.01から95重量%の少なくとも1種類の活性化合物を含む。その活性化合物は、90%から100%、好ましくは95%から100%(NMRスペクトラムによる)の純度で用いられる。
【0145】
本発明の化合物は、例えば下記のように製剤することができる。
【0146】
1.水で希釈する製品
A.水溶性濃縮物
活性化合物10重量部を、90重量部の水または水溶性溶媒に溶かす。代替法として、湿展剤その他の補助剤を加える。活性化合物は、水で希釈すると溶解する。これによって、活性化合物含有量10重量%を有する製剤が得られる。
【0147】
B.分散性濃縮物
活性化合物20重量部を、10重量部の例えばポリビニルピロリドンなどの分散剤を加えて70重量部シクロヘキサノンに溶かす。水で希釈すると分散液が得られる。活性化合物含有量は20重量%である。
【0148】
C.乳化性濃縮物
活性化合物15重量部を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびヒマシ油エトキシレート(各場合で5重量部)を加えて75重量部の有機溶媒(例:アルキル芳香族)に溶かす。水で希釈することで乳濁液が得られる。その製剤は、活性化合物含有量15重量%を有する。
【0149】
D.乳濁液
活性化合物25重量部を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびヒマシ油エトキシレート(各場合で濃度5重量部)を加えて35重量部の有機溶媒(例:アルキル芳香族)に溶かす。乳化装置(例:ウルトラチュラックス(Ultraturrax))によってその混合物を30重量部の水に加え、均一乳濁液とする。水で希釈することで乳濁液が得られる。その製剤は、活性化合物含有量25重量%を有する。
【0150】
E.懸濁液
攪拌ボールミル中、活性化合物20重量部を、10重量部の分散剤および湿展剤ならびに70重量部の水または有機溶媒を加えて粉砕して、微細な活性化合物懸濁液を得る。水で希釈することで、活性化合物の安定な懸濁液が得られる。製剤中の活性化合物含有量は20重量%である。
【0151】
F.水分散性粒剤および水溶性粒剤
活性化合物50重量部を、50重量部の分散剤および湿展剤を加えて微粉砕し、工業機器(例えば押出、噴霧タワー、流動床)によって水分散性粒剤または水溶性粒剤とする。水で希釈することで、活性化合物の安定な分散液または液剤が得られる。その製剤は、活性化合物含有量50重量%を有する。
【0152】
G.水分散性散剤および水溶性散剤
活性化合物75重量部を、25重量部の分散剤、湿展剤およびシリカゲルを加えてローター-ステーターミルで粉砕する。水で希釈することで、活性化合物の安定な分散液または液剤が得られる。製剤の活性化合物含有量は75重量部である。
【0153】
H.ゲル製剤
ボールミルで、活性化合物20重量部、分散剤10重量部、ゲル化剤1重量部および水もしくは有機溶媒70重量部を粉砕して、微細懸濁液を得る。水で希釈することで、活性化合物含有量20重量%の安定な懸濁液が得られる。
【0154】
2.未希釈で施用される製品
I.粉剤
活性化合物5重量部を微粉砕し、95重量部の微粉砕カオリンと十分に混和する。それによって、活性化合物含有量5重量%のダスト粉剤が得られる。
【0155】
J.粒剤(GR、FG、GG、MG)
活性化合物0.5重量部を微粉砕し、99.5重量部の担体と混合する。現行の方法は、押出、スプレー乾燥または流動床である。それによって、活性化合物含有量0.5重量%の未希釈施用される粒剤が得られる。
【0156】
K.ULV液剤(UL)
活性化合物10重量部を、例えばキシレンなどの90重量部の有機溶媒に溶かす。それによって、活性化合物含有量10重量%の未希釈で施用される製品が得られる。
【0157】
化合物Iまたはそれを含む除草剤組成物は、発芽前もしくは発芽後に、または作物の種子とともに施用することができる。除草剤組成物または活性化合物で前処理した作物の種子を用いることで、除草剤組成物または活性化合物の施用を行うことも可能である。活性化合物について、ある種の作物による耐容があまり良くない場合、それらが感受性の作物植物の葉とできるだけ接触せず、活性化合物がその下で成長する望ましくない植物の葉または覆われていない土壌表面に到達する(ポストディレクテッド(post-directed)、レイバイ(lay-by))ような形で、噴霧器を利用して除草剤組成物を噴霧する施用技術を用いることが可能である。
【0158】
別の実施形態において、式Iの化合物または除草剤組成物は、種子を処理することで施用することができる。
【0159】
種子の処理は、本発明による式Iの化合物またはそれから製造される組成物に基づく当業者であれば習熟している実質的に全ての手順(種子粉衣、種子コーティング、種子粉付け、種子浸漬、種子フィルムコーティング、種子多層コーティング、種子外皮被覆(encrusting)、種子滴下および種子ペレット化)を含むものである。ここで、除草剤組成物は希釈してまたは希釈せずに施用することができる。
【0160】
「種子」という用語は、例えばコーン、種子、果実、塊茎、挿し木および同様の形態などの全ての種類の種子を含む。本明細書では好ましくは、種子という用語はコーンおよび種子を説明するものである。
【0161】
使用される種子は、上記の有用植物の種子であることができるが、トランスジェニック植物または従来の育種法によって得られる植物の種子であることもできる。
【0162】
活性化合物の施用量は、活性物質(a.s.)0.001から3.0、好ましくは0.01から1.0kg/haであり、それは防除標的、季節、標的植物および成長段階によって決まる。種子を処理するには、化合物Iは0.001から10kg/種子100kgの量で用いる。
【0163】
式Iの化合物を薬害軽減剤を組み合わせて用いることも有利な場合がある。薬害軽減剤は、望ましくない植物に対する式Iの化合物の除草活性にほとんど影響を与えることなく、有用な植物に対する障害を防止または軽減する化合物である。それらは播種前(例えば、種子の処理で、または挿し木もしくは苗に対する処理で)および有用植物の発芽前もしくは発芽後の両方で用いることができる。薬害軽減剤および式Iの化合物は、同時にまたは順次で用いることができる。好適な薬害軽減剤は、例えば、(キノリン-8-オキシ)酢酸類、1-フェニル-5-ハロアルキル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸類、1-フェニル-4,5-ジヒドロ-5-アルキル-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボン酸類、4,5-ジヒドロ-5,5-ジアリール-3-イソオキサゾールカルボン酸類、ジクロロアセトアミド類、α-オキシイミノフェニルアセトニトリル類、アセトフェノンオキシム類、4,6-ジハロ-2-フェニルピリミジン類、N-[[4-(アミノカルボニル)フェニル]スルホニル]-2-ベンズアミド類、1,8-ナフタル酸無水物、2-ハロ-4-(ハロアルキル)-5-チアゾールカルボン酸類、ホスホロチオレート類およびO-フェニルN-アルキルカーバメート類およびそれらの農業上有用な塩、そしてそれらが酸官能基を有する場合には、アミド、エステルおよびチオエステルなどのそれらの農業上有用な誘導体である。
【0164】
活性スペクトラムを広げ、相乗効果を得るために、式Iの化合物は、他の除草剤または成長調節群の活性化合物の多くの代表的なものまたは薬害軽減剤と混和または併用することができる。好適な混和相手は、例えば1,2,4-チアジアゾール類、1,3,4-チアジアゾール類、アミド類、アミノリン酸類およびそれの誘導体、アミノトリアゾール類、アニリド類、アリールオキシ/ヘテロアリールオキシアルカン酸類およびそれらの誘導体、安息香酸およびそれの誘導体、ベンゾチアジアジノン類、2-(ヘタロイル/アロイル)-1,3-シクロヘキサンジオン類、ヘテロアリールアリールケトン類、ベンジルイソオキサゾリジノン類、メタ-CF3-フェニル誘導体、カーバメート類、キノリンカルボン酸およびそれの誘導体、クロロアセトアニリド類、シクロへキセノンオキシムエーテル誘導体、ジアジン類、ジクロロプロピオン酸およびそれの誘導体、ジヒドロベンゾフラン類、ジヒドロフラン-3-オン類、ジニトロアニリン類、ジニトロフェノール類、ジフェニルエーテル類、ジピリジル類、ハロカルボン酸類およびそれらの誘導体、尿素類、3-フェニルウラシル類、イミダゾール類、イミダゾリノン類、N-フェニル-3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド類、オキサジアゾール類、オキシラン類、フェノール類、アリールオキシ-およびヘテロアリールオキシフェノキシプロピオン酸エステル類、フェニル酢酸およびそれの誘導体、2-フェニルプロピオン酸およびそれの誘導体、ピラゾール類、フェニルピラゾール類、ピリダジン類、ピリジンカルボン酸およびそれの誘導体、ピルニジルエーテル類、スルホンアミド類、スルホニル尿素類、トリアジン類、トリアジノン類、トリアゾリノン類、トリアゾールカルボキサミド類、ウラシル類ならびにフェニルピラゾリン類およびイソオキサゾリン類ならびにそれらの誘導体である。
【0165】
さらに、化合物Iを単独でまたは他の除草剤と併用すること、あるいは別の作物保護剤と一緒に、例えば害虫または植物病原性の真菌もしくは細菌を防除するための組成物と混合することが有用である場合がある。栄養欠乏および微量元素欠乏を軽減するのに用いられる無機塩溶液との混和性も興味深いものである。非植物毒性のオイルおよびオイル濃縮物などの他の添加剤も加えることができる。
【0166】
本発明による式Iのピリジン化合物と併用可能な除草剤の例は、下記のものである。
【0167】
b1)脂質生合成阻害剤:
アロキシジム、アロキシジム-ナトリウム、ブトロキシジム、クレトジム、クロジナホップ、クロジナホップ-プロパルギル、シクロキシジム、シハロホップ、シハロホップ-ブチル、ジクロホップ、ジクロホップ-メチル、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-エチル、フェノキサプロップ-P、フェノキサプロップ-P-エチル、フルアジホップ、フルアジホップ-ブチル、フルアジホップ-P、フルアジホップ-P-ブチル、ハロキシホップ、ハロキシホップ-メチル、ハロキシホップ-P、ハロキシホップ-P-メチル、メタミホップ、ピノキサデン、プロホキシジム、プロパキザホップ、キザロホップ、キザロホップ-エチル、キザロホップ-テフリル、キザロホップ-P、キザロホップ-P-エチル、キザロホップ-P-テフリル、セトキシジム、テプラロキシジム、トラルコキシジム、ベンフレセート、ブチレート、シクロエート、ダラポン、ジメピペレート、EPTC、エスプロカルブ、エトフメセート、フルプロパネート、モリネート、オルベンカルブ、ペブレート、プロスルホカルブ、TCA、チオベンカルブ、チオカルバジル、トリアレートおよびベルノレートの群からのもの;
b2)ALS阻害剤:
アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、ベンスルフロン-メチル、ビスピリバック、ビスピリバック-ナトリウム、クロリムロン、クロリムロン-エチル、クロルスルフロン、シノスルフロン、クロランスラム、クロランスラム-メチル、シクロスルファムロン、ジクロスラム、エタメツルフロン、エタメツルフロン-メチル、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フロラスラム、フルカルバゾン、フルカルバゾン-ナトリウム、フルセトスルフロン、フルメツラム、フルピルスルフロン、フルピルスルフロン-メチル-ナトリウム、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、ハロスルフロン-メチル、イマザメタベンズ、イマザメタベンズ-メチル、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、ヨードスルフロン-メチル-ナトリウム、メソスルフロン、メトスラム、メトスルフロン、メトスルフロン-メチル、ニコスルフロン、オルソスルファムロン、オキサスルフロン、ペノキススラム、プリミスルフロン、プリミスルフロン-メチル、プロポキシカルバゾン、プロポキシカルバゾン-ナトリウム、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、ピラゾスルフロン-エチル、ピリベンゾキシム、ピリミスルファン、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミノバック-メチル、ピリチオバック、ピリチオバック-ナトリウム、ピロックススラム、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホメツロン-メチル、スルホスルフロン、チエンカルバゾン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チフェンスルフロン-メチル、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリベヌロン-メチル、トリフロキシスルフロン、トリフルスルフロン、トリフルスルフロン-メチルおよびトリトスルフロンの群からのもの;
b3)光合成阻害剤:
アメトリン、アミカルバゾン、アトラジン、ベンタゾン、ベンタゾン-ナトリウム、ブロマシル、ブロモフェノキシム、ブロモキシニルおよびその塩およびエステル、クロロブロムロン、クロリダゾン、クロロトルロン、クロロクスロン、シアナジン、デスメジファム、デスメトリン、ジメフロン、ジメタメトリン、ジコート、ジコート-ジブロミド、ジウロン、フルオメツロン、ヘキサジノン、イオキシニルおよびそれの塩およびエステル、イソプロツロン、イソウロン、カルブチラート、レナシル、リニュロン、メタミトロン、メタベンズチアズロン、メトベンズロン、メトキスロン、メトリブジン、モノリヌロン、ネブロン、パラコート、パラコート-ジクロライド、パラコートジ-メチルスルフェート、ペンタノクロル、フェンメディファム、フェンメディファム-エチル、プロメトン、プロメトリン、プロパニル、プロパジン、ピリダフォル、ピリデート、シデュロン、シマジン、シメトリン、テブチウロン、ターバシル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、チアジアズロンおよびトリエタジンの群からのもの;
b4)プロトポルフィリノーゲン-IXオキシダーゼ阻害剤:
アシフルオルフェン、アシフルオルフェン-ナトリウム、アザフェニジン、ベンカルバゾン、ベンズフェンジゾン、ビフェノックス、ブタフェナシル、カルフェントラゾン、カルフェントラゾン-エチル、クロメトキシフェン、シニドン-エチル、フルアゾレート、フルフェンピル、フルフェンピル-エチル、フルミクロラック、フルミクロラック-ペンチル、フルミオキサジン、フルオログリコフェン、フルオログリコフェン-エチル、フルチアセト、フルチアセト-メチル、ホメサフェン、ハロサフェン(halosafen)、ラクトフェン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキシフルオルフェン、ペントキサゾン、プロフルアゾール、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラフルフェン-エチル、サフルフェナシル、スルフェントラゾン、チジアジミン、2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-1(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-[(イソプロピル)-メチルスルファモイル]ベンズアミド(B-1;CAS372137-35-4)、[3-[2-クロロ-4-フルオロ-5-(1-メチル-6-トリフルオロメチル-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロピリミジン-3-イル)フェノキシ]-2-ピリジルオキシ]酢酸エチル(B-2;CAS353292-31-6)、N-エチル-3-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド(B-3;CAS452098-92-9)、N-テトラヒドロフルフリル-3-(2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド(B-4;CAS915396-43-9)、N-エチル-3-(2-クロロ-6-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド(B-5;CAS452099-05-7)およびN-テトラヒドロフルフリル-3-(2-クロロ-6-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェノキシ)-5-メチル-1H-ピラゾール-1-カルボキサミド(B-6;CAS45100-03-7)の群からのもの;
b5)白化除草剤:
アクロニフェン、アミトロール、ベフルブタミド、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、クロマゾン、ジフルフェニカン、フルリドン、フルロクロリドン、フルルタモン、イソキサフルトール、メソトリオン、ノルフルラゾン、ピコリナフェン、ピラスルホトール、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、スルコトリオン、テフリルトリオン、テンボトリオン、トプラメゾン、4-ヒドロキシ-3-[[2-[(2-メトキシエトキシ)メチル]-6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]カルボニル]ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-エン-2-オン(B-7;CAS352010-68-5)および4-(3-トリフルオロメチルフェノキシ)-2-(4-トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン(B-8;CAS180608-33-7)の群からのもの;
b6)EPSPシンターゼ阻害剤:
グリホサート、グリホサート-イソプロピルアンモニウムおよびグリホサート-トリメシウム(スルホサート)の群からのもの;
b7)グルタミンシンターゼ阻害剤:
ビラナホス(ビアラホス)、ビラナホス-ナトリウム、グルホシネートおよびグルホシネート-アンモニウムの群からのもの;
b8)DHPシンターゼ阻害剤:
アシュラムの群からのもの;
b9)有糸分裂阻害剤:
アミプロホス、アミプロホス-メチル、ベンフルラリン、ブタミホス、ブトラリン、カルベタミド、クロルプロファム、クロルタール、クロルタール-ジメチル、ジニトラミン、ジチオピル、エタルフルラリン、フルクロラリン、オリザリン、ペンジメタリン、プロジアミン、プロファム、プロピズアミド、テブタム、チアゾピルおよびトリフルラリンの群からのもの;
b10)VLCFA阻害剤:
アセトクロール、アラクロール、アニロホス、ブタクロール、カフェンストロール、ジメタクロール、ジメタナミド(dimethanamid)、ジメテナミド-P、ジフェナミド、フェントラザミド、フルフェナセット、メフェナセト、メタザクロール、メトラクロール、メトラクロール-S、ナプロアニリド、ナプロパミド、ペトキサミド、ピペロホス、プレチラクロール、プロパクロール、プロピソクロール、ピロキサスルホン(KIH-485)およびテニルクロールの群からのもの;
下記式2の化合物:
【化13】

【0168】
[式中、
可変要素は下記の意味を有し、
Yは、フェニルまたは最初で定義の5員もしくは6員のヘテロアリールであり、その基は1から3個の基Raaによって置換されていても良く;R21,R22,R23,R24はH、ハロゲンまたはC1-C4-アルキルであり;XはOまたはNHであり;Nは0または1である。]である。
【0169】
式2の化合物は、特には下記の意味を有し、
Yは
【化14】

【0170】
であり、
式中、#は分子の骨格への結合を指し;
R21,R22,R23,R24はH、Cl、FまたはCH3であり;R25はハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルであり;R26はC1-C4-アルキルであり;R27はハロゲン、C1-C4-アルコキシまたはC1-C4-ハロアルコキシであり;R28はH、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキルまたはC1-C4-ハロアルコキシであり;Mは0、1、2または3であり;Xは酸素であり;Nは0または1である。
【0171】
好ましい式2の化合物は、下記の意味を有し、
Yは
【化15】

【0172】
であり、
R21はHであり;R22,R23はFであり;R24はHまたはFであり;Xは酸素であり;Nは0または1である。
【0173】
式2の特に好ましい化合物は、3-[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-イルメタンスルホニル]-4-フルオロ-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(2-1);3-{[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-イル]フルオロメタンスルホニル}-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(2-2);4-(4-フルオロ-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-スルホニルメチル)-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-3);4-[(5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-スルホニル)フルオロメチル]-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-4);4-(5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-スルホニルメチル)-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-5);3-{[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-イル]ジフルオロメタンスルホニル}-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(2-6);4-[(5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-スルホニル)ジフルオロメチル]-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-7);3-{[5-(2,2-ジフルオロエトキシ)-1-メチル-3-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-4-イル]ジフルオロメタンスルホニル}-4-フルオロ-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール(2-8);4-[ジフルオロ-(4-フルオロ-5,5-ジメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-スルホニル)メチル]-2-メチル-5-トリフルオロメチル-2H-[1,2,3]トリアゾール(2-9);
b11)セルロース生合成阻害剤:
クロルチアミド、ジクロベニル、フルポキサムおよびイソキサベンの群からのもの;
b12)脱共役除草剤:
ジノセブ、ジノテルブならびにDNOCおよびその塩の群からのもの;
b13)オーキシン除草剤:
2,4-Dおよびその塩およびエステル、2,4-DBおよびその塩およびエステル、アミノピラリドおよびその塩およびそのエステル、例えば、アミノピラリド-トリス(2-ヒドロキシプロピル)アンモニウムおよびそのエステル、ベナゾリン、ベナゾリン-エチル、クロランベンおよびその塩およびエステル、クロメプロプ、クロピラリドおよびその塩およびエステル、ジカンバおよびその塩およびエステル、ジクロルプロプおよびその塩およびエステル、ジクロルプロプ-Pおよびその塩およびエステル、フルロキシピル、フルロキシピル-ブトメチル、フルロキシピル-メプチル、MCPAおよびその塩およびエステル、MCPA-チオエチル、MCPBおよびその塩およびエステル、メコプロプおよびその塩およびエステル、メコプロプ-Pおよびその塩およびエステル、ピクロラムおよびその塩およびエステル、キンクロラック、キンメラック、TBA(2,3,6)およびその塩およびエステル、トリクロピルおよびその塩およびエステル、ならびに5,6-ジクロロ-2-シクロプロピル-4-ピリミジンカルボン酸(B-9;CAS858956-08-8)およびその塩およびエステルの群からのもの;
b14)オーキシン輸送阻害剤:
ジフルフェンゾピル、ジフルフェンゾピル-ナトリウム、ナプタラムおよびナプタラム-ナトリウムの群からのもの;
b15)他の除草剤:
ブロモブチド、クロルフルレノール、クロルフルレノール-メチル、シンメチリン、クミルロン、ダラポン、ダゾメット、ジフェンゾコート、ジフェンゾコート-メチルサルフェート、ジメチピン、DSMA、ダイムロン、エンドタールおよびその塩、エトベンザニド、フラムプロプ、フラムプロプ-イソプロピル、フラムプロプ-メチル、フラムプロプ-M-イソプロピル、フラムプロプ-M-メチル、フルレノール、フルレノール-ブチル、フルルプリミドール、ホサミン、ホサミン-アンモニウム、インダノファン、マレイン酸ヒドラジド、メフルイジド、メタム、アジ化メチル、臭化メチル、メチル-ダイムロン、ヨウ化メチル、MSMA、オレイン酸、オキサジクロメホン、ペラルゴン酸、ピリブチカルブ、キノクラミン、トリアジフラム、トリジファンならびに6-クロロ-3-(2-シクロプロピル-6-メチルフェノキシ)-4-ピリダジノール(B-10;CAS499223-49-3)およびその塩およびエステルの群からのもの。
【0174】
好ましい薬害軽減剤Cの例は、ベノキサコール、クロキントセット、シオメトリニル、シプロスルファミド、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトレート、フェンクロラゾール、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン、メフェンピル、メフェナート、ナフタル酸無水物、オキサベトリニル、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン(B-11;MON4660、CAS71526-07-3)および2,2,5-トリメチル-3-(ジクロロアセチル)-1,3-オキサゾリジン(B-12;R-29148、CAS52836-31-4)である。
【0175】
群b1)からb15)の活性化合物および薬害軽減剤Cは、公知の除草剤および薬害軽減剤であって、例えば、The Compendium of Pesticide Common Names (http://www.alanwood.net/pesticides/);B. Hock, C. Fedtke, R. R. Schmidt, Herbizide [Herbicides], Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1995を参照する。別の除草活性化合物は、WO96/26202、WO97/41116、WO97/41117、WO97/41118、WO01/83459およびWO2008/074991から、そしてW. Kramerら(編)「Modern Crop Protection Compounds」, Vol. 1, Wiley VCH, 2007とそこでの引用文献から公知である。
【0176】
本発明は、少なくとも1種類の式Iのピリジン化合物および好ましくは群b1からb15の活性化合物から選択される少なくとも1種類の別の活性化合物、および少なくとも1種類の固体もしくは液体の担体および/または1以上の界面活性剤および所望に応じて作物保護組成物に一般的な1以上の補助剤を含む活性化合物の組み合わせを含む1成分組成物として製剤された作物保護組成物の形態での組成物に関するものである。
【0177】
本発明はさらに、少なくとも1種類の式Iのピリジン化合物、固体もしくは液体の担体および/または1以上の界面活性剤を含む第1の成分および群b1からb15の活性化合物から選択される少なくとも1種類の別の活性化合物、固体もしくは液体の担体および/または1以上の界面活性剤を含む第2の成分を含み、さらに両方の成分が作物保護組成物に一般的な別の補助剤を含んでいても良い2成分組成物として製剤された作物保護組成物の形態での組成物に関するものである。
【0178】
成分Aとしての少なくとも1種類の式Iの化合物および少なくとも1種類の除草剤Bを含む2成分組成物において、活性化合物A:Bの重量比は、1:1000から1000:1の範囲、好ましくは1:500から500:1の範囲、特には1:250から250:1の範囲、特に好ましくは1:75から75:1の範囲である。
【0179】
成分Aとしての少なくとも1種類の式Iの化合物および少なくとも1種類の薬害軽減剤Cを含む2成分組成物において、活性化合物A:Cの重量比は、1:1000から1000:1の範囲、好ましくは1:500から500:1の範囲、特には1:250から250:1の範囲、特に好ましくは1:75から75:1の範囲である。
【0180】
成分Aとしての少なくとも1種類の式Iの化合物、少なくとも1種類の除草剤BCの両方および少なくとも1種類の薬害軽減剤を含む3成分組成物において、成分A:Bの相対的重量部は、1:1000から1000:1の範囲、好ましくは1:500から500:1の範囲、特に1:250から250:1の範囲、特に好ましくは1:75から75:1の範囲であり;成分A:Cの重量比は1:1000から1000:1の範囲、好ましくは1:500から500:1の範囲、特には1:250から250:1の範囲、特に好ましくは1:75から75:1の範囲であり;成分B:Cの重量比は1:1000から1000:1の範囲、好ましくは1:500から500:1の範囲、特には1:250から250:1の範囲、特に好ましくは1:75から75:1の範囲である。好ましくは、成分A+Bの成分Cに対する重量比は、1:500から500:1の範囲、特には1:250から250:1の範囲、特に好ましくは1:75から75:1の範囲である。
【0181】
各場合で1種類の個別の式Iの化合物および1種類の混合相手もしくは混合相手の組み合わせを含む本発明による特に好ましい組成物の例を下記の表Bに示してある。
【0182】
本発明の別の態様は、下記の表Bに挙げた組成物B-1からB-1235に関するものであり、各場合で、表Bの一つの列は、上記の説明で個別の式Iの化合物のうちの一つ(成分1)および群b1)からb15)からの別の活性化合物および/または対象の列において各場合で言及されている薬害軽減剤C(成分2)を含む除草剤組成物に相当する。記載の組成物中の活性化合物は各場合で、好ましくは相乗的に有効な量で存在する。
【表2】

【0183】

【0184】

【0185】

【0186】

【0187】

【0188】

【0189】

【0190】

【0191】

【0192】

【0193】

【0194】

【0195】

【0196】

【0197】

【0198】

【0199】

【0200】

【0201】

【0202】

【0203】

【0204】

【0205】

【0206】

【0207】

【0208】

【0209】

【0210】

【0211】

【0212】

【0213】

【0214】

【0215】

【0216】
化合物Iおよび本発明による組成物は、植物強化作用も有し得る。従って、それらは、有害真菌だけでなくウィルスおよび細菌などの望ましくない微生物による攻撃に対して植物の防御系を動員する上で好適である。植物強化(抵抗誘発性)物質は、本発明の文脈において、後に望ましくない微生物を接種した場合に、処理された植物がそれら微生物に対してかなりの程度の抵抗性を示すように、処理された植物の防御系を刺激することができる物質を意味するものと理解すべきである。
【0217】
化合物Iは、処理後一定期間内に望ましくない微生物による攻撃に対して植物を保護するのに用いることができる。それらの保護が行われる期間は、化合物Iで植物を処理してから1から28日間、好ましくは1から14日間、または種子処理後は、播種から9ヶ月以内にわたる。
【0218】
化合物Iおよび本発明による組成物は、収穫高を増やす上でも好適である。
【0219】
さらに、それらは毒性を低下させており、植物によって良好に耐容される。
【実施例】
【0220】
以下、実施例によって、式Iのピリジン化合物の製造について説明するが、本発明の主題は下記に示す実施例に制限されるものではない。
【0221】
合成例
原料に適切な修飾を加え、下記の合成例に示した手順を用いて、別の化合物Iを得た。このようにして得られた化合物を、下記の表にそれの物理データとともに挙げてある。
【0222】
下記で示す生成物は、MSスペクトル測定によって測定される質量[m/z](M+H)(四重極エレクトロスプレーイオン化、80V陽イオンモード)の測定によって特性決定した。
【0223】
実施例1:8-ヒドロキシ-7-o-トリルピラノ[2,3-b]ピラジン-6-オン[I-2]の製造
段階1:3-(4-メトキシベンジルオキシ)ピラジン-2-カルボン酸
p-メトキシベンジルクロライド12.2gおよびCs2CO3 84.7gを加えた後、3-ヒドロキシピラジン-2-カルボン酸メチル10gのDMF中溶液を20℃で約14時間撹拌した。濾過後、濾液を飽和NaCl溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、有機相を脱水後に溶媒除去した。残留物からの粗3-(4-メトキシベンジルオキシ)ピラジン-2-カルボン酸メチル8gをメタノール/水2:1に取っておいたものに、LiOH 81.4gを加え、混合物を20から25℃で2時間撹拌した。メタノールを蒸留によって除去した後、溶液をpH3から4に調節し、酢酸エチルで抽出した。溶媒留去によって、標題化合物5.54gを得た。
【0224】
段階2:3-ヒドロキシ-3-[3-(4-メトキシベンジルオキシ)ピラジン-2-イル]-2-(2-トリフルオロメチルフェニル)アクリル酸メチル
段階1からのカルボン酸5.2gをDMFに溶かし、カルボニルジイミダゾールを加え、溶液を20から25℃で30分間撹拌した。2-トリフルオロメチルフェニル酢酸メチル4.8gおよび60%NaH 1.6gを加えた後、混合物をさらに2時間撹拌し、飽和NH4Cl溶液を加えた。酢酸エチルで抽出後、有機相をNaCl溶液で洗浄し、脱水し、溶媒を除去した。残留物をシリカゲルでクロマトグラフィー精製することで、461のmass(m/z)を有する標題化合物2.5gを得た。
【0225】
段階3:3-ヒドロキシ-3-(3-ヒドロキシピラジン-2-イル)-2-(2-トリフルオロメチルフェニル)アクリル酸メチル
40℃で、段階2からのエステル2.5gをトリフルオロ酢酸中にて約14時間撹拌し、トリフルオロ酢酸を留去し、生成物についてシリカゲルでのクロマトグラフィー精製を行った。これによって標題化合物1.0gを得た。
【0226】
段階4:8-ヒドロキシ-7-o-トリルピラノ[2,3-b]ピラジン-6-オン
100℃で、段階3からのエステル1.0gを、DMSO/飽和NaCl水溶液の混合液(5:1)5mL中で2時間撹拌した。混合物をHCl/NaCl溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出した。脱水後、有機相を溶媒除去し、残留物を分取HPLCによって精製した。これによって、標題化合物135mgを得た。
【0227】
1HNMR(MeOD;400MHz):δ8.69-8.64(d、J=2.4Hz、2H)、7.81(d、J=8Hz、1H)、7.71(d、J=8Hz,1H)、7.61(d、J=8Hz,1H)、7.44(d、J=8Hz,1H)。
【0228】
表I:式I.AAに相当する式Iの化合物
【化16】

【表3】

【0229】
使用例
式Iの化合物の除草活性を、下記の温室実験によって示した。
【0230】
使用した栽培容器は、基質として約3.0%の腐葉土を加えたローム性砂を入れたプラスチック製植木鉢とした。試験植物の種子を、各植物種について別個に播種した。
【0231】
発芽前処理のため、微細散布ノズルによって、水に懸濁もしくは乳濁させておいた活性化合物を播種後に直接施用した。容器にはやさしく水を引いて、発芽および成長を促進させ、次に植物が根付くまで透明プラスチックフードで覆った。このカバーによって、活性化合物によって障害されていない限りは、試験植物の均一な発芽が生じた。
【0232】
発芽後処理のため、試験植物を最初に、草性に応じて3から15cmの高さまで成長させ、次に水に懸濁もしくは乳濁させておいた活性化合物で処理した。それに関して、試験植物を直接播種して同じ容器で成長させるか、最初に苗として別個に成長させ、処理の数日前に試験容器に移植した。
【0233】
植物種に応じて、植物は10から25℃または20から35℃に維持した。試験期間は2から4週間にわたるものとした。この期間中、植物の手入れを行い、個々の処理に対するそれらの応答を評価した。
【0234】
評価は、0から100のスケールを用いて実施した。100は植物の発芽がないこと、または少なくとも地上部分が完全に破壊されていることを意味し、0は障害がないか正常な成長経過をたどっていることを意味する。良好な除草活性は少なくとも70の値で与えられ、非常に良好な除草活性は少なくとも85の値で与えられる。
【0235】
温室実験で使用した植物は、下記の植物種に属するものであった。
【表4】

【0236】
1)施用量0.5kg/haで、発芽後法によって施用された活性化合物I-1、I-2、I-3およびI-4が、CHEALに対して非常に良好な除草活性を示した。
【0237】
2)施用量0.5kg/haで、発芽後法によって施用された活性化合物I-1およびI-2が、ECHCGに対して良好な除草活性を示した。
【0238】
3)施用量0.5kg/haで、発芽後法によって施用された活性化合物I-1およびI-2が、SETVIに対して非常に良好な除草活性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iのピラジン化合物。
【化1】

[式中、可変要素は下記の意味を有し;
R1はO-RAまたはS(O)n-RAまたはOS(O)n-RAであり;
RAは、水素、C1-C4-アルキル、Z-C3-C6-シクロアルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、Z-C3-C6-シクロアルケニル、C2-C6-アルキニル、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-C(=O)-Ra、Z-P(=O)(Ra)2、3から7員の単環式または9員もしくは10員の二環式飽和、不飽和もしくは芳香族の複素環(O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含み、基Raおよび/またはRbによって部分もしくは完全置換されていることができ、炭素もしくは窒素を介して結合している。)であり、
Raは、水素、OH、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、Z-C3-C6-シクロアルキル、C2-C8-アルケニル、Z-C5-C6-シクロアルケニル、C2-C8-アルキニル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-ハロアルコキシ、Z-C3-C8-アルケニルオキシ、Z-C3-C8-アルキニルオキシ、NRiRii、C1-C6-アルキルスルホニル、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-フェニル、Z-フェノキシ、Z-フェニルアミノまたは5員もしくは6員の単環式または9員もしくは10員の二環式複素環(O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含み、その環状基は置換されていないか1、2、3もしくは4個の基Rbによって置換されている。)であり;
Ri、Riiは互いに独立に水素、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-アルケニル、C3-C8-アルキニル、Z-C3-C6-シクロアルキル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシであり;
RiおよびRiiが、それらが結合している窒素原子とともに、O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員の単環式または9員もしくは10員の二環式複素環を形成していても良く;
Zは共有結合またはC1-C4-アルキレンであり;
nは0、1または2であり;
R2は、フェニル、ナフチルまたは5員もしくは6員の単環式または9員もしくは10員の二環式芳香族複素環(O、NおよびSからなる群から選択される1、2、3もしくは4個のヘテロ原子を含み、その環状基は置換されていないか1、2、3もしくは4個の基Rbによって置換されている。)であり;
Rbは互いに独立に、Z-CN、Z-OH、Z-NO2、Z-ハロゲン、C1-C8-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、Z-C1-C8-アルコキシ、Z-C1-C8-ハロアルコキシ、Z-C3-C10-シクロアルキル、O-Z-C3-C10-シクロアルキル、Z-C(=O)-Ra、NRiRii、Z-(トリ-C1-C4-アルキル)シリル、Z-フェニルおよびS(O)nRbbであり、
RbbはC1-C8-アルキルまたはC1-C6-ハロアルキルであり、
nは0、1または2であり;
Rb1、Rb2は、Rbに関して言及した基のうちの一つであり;
Rb、Rb1、Rb2は互いに独立に、隣接した炭素原子に結合した基Rb、Rb1またはRb2とともに、炭素原子以外にO、NおよびSからなる群から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含んでいても良い5員もしくは6員の飽和または部分もしくは完全不飽和の環を形成していても良く;
YはOまたはSであり;
XはO、SまたはN-R3であり;
R3は、水素、C1-C6-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C3-C6-アルキニル、Z-C3-C10-シクロアルキル、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキル、C1-C6-シアノアルキル、Z-フェニル、Z-C(=O)-Ra2またはトリ-C1-C4-アルキルシリルであり;
Ra2は、C1-C6-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、Z-C1-C6-アルコキシ、Z-C1-C4-ハロアルコキシまたはNRiRiiであり;
基RA、R2、R3およびそれらの置換基において、炭素鎖および/または環状基は基RaもしくはN-オキサイドまたはそれらの農業上好適な塩によって部分もしくは完全置換されていることができる。]
【請求項2】
YがOである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
YがSである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
RAが水素またはC1-C6-アルキルカルボニルである請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
XがOである請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
XがSである請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
下記式I.Aに相当する請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【化2】

[式中、R5およびR6は基Rbであり、nは0から4の整数である。]
【請求項8】
下記式IIのピラジンカルボン酸:
【化3】

を、塩基性条件下に下記式IIIのカルボニル化合物:
【化4】

[式中、Halはハロゲン原子または別の好適な求核性脱離基である。]と反応させて下記式IVの化合物:
【化5】

を得て、それを薬剤H-L1[L1は求核性脱離基である。]によって下記式Vの化合物:
【化6】

に変換し、それを塩基性条件下で環化させて式Iの化合物を得ることによる、請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の式Iの化合物の製造方法。
【請求項9】
請求項8による式IIのピラジンカルボン酸を請求項8による薬剤H-L1と反応させて下記式VIのピラジンカルボン酸誘導体:
【化7】

を得て、それを塩基性条件下に請求項8による式IIIのカルボニル化合物と反応させて請求項8による式Vの化合物を得て、それを塩基性条件下に環化させて式Iの化合物を得ることによる、請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の式Iの化合物の製造方法。
【請求項10】
除草剤的に有効量の少なくとも1種類の請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の式Iのピラジン化合物またはそれの農業上好適な塩および作物保護剤を製剤する上で一般的な補助剤を含む組成物。
【請求項11】
少なくとも1種類の別の活性化合物を含む請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
除草剤および/または薬害軽減剤の群からの2種類の別の活性化合物を含む請求項10または11に記載の組成物。
【請求項13】
除草剤的に有効量の少なくとも1種類の請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の式Iのピラジン化合物またはそれの農業上好適な塩を、植物、植物の種子および/または植物の生息環境に作用させる段階を含む、望ましくない植物の防除方法。

【公表番号】特表2012−528821(P2012−528821A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513578(P2012−513578)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【国際出願番号】PCT/EP2010/057522
【国際公開番号】WO2010/139657
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】