説明

陰唇間パッド

【課題】 通液孔付き陰唇パッドと併用パッドを密接に接合して経血等の体液を併用パッドに導き併用パッド上拡散及び漏洩を防止する。
【解決手段】
陰唇パッド10は、吸収体本体15と吸収体本体15の非肌当接面側に取り付ける下面シート16とからなり、吸収体本体15は、表面シート12と、裏面シート13と、前記両シート間に配置された吸収体14とからなる。前記裏面シート13と下面シート16には、吸収体14で吸収された経血等の体液を通す複数の通液孔が設けられており、下面シートの複数の通液孔22を囲むように粘着剤17を設け、粘着剤17により吸収体本体15と併用パッドの吸収体とを接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキンなどの吸収性物品の位置ズレに伴う経血などの体液の漏れを防止するため、陰唇間に装着する陰唇間パッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸収体を備え経血などの体液を吸収する吸収性物品として女性用生理用品が広く用いられているが、生理用品は一般に下着やショーツなどに取付けて用いるため、着用者の衣類の動きに従って動き、着用者の股間部との密着性が低下して、着用者と生理用品との間の隙間を伝って経血が漏れてしまうことがあった。
そこで、生理用ナプキンに補助具を用いて身体との密着性を向上し、径血の漏れを防止するようにすることが行われているが、これらの補助具は、生理用ナプキンに固着して用いられることから、着用者の活動時に生理用ナプキンに位置ズレやヨレ等の変形が生じた場合には、補助具も一緒に位置ズレや変形を起こしてしまうことになる。
【0003】
そこで、着用者の股間部との密着性を維持しながら、装着ズレを起こした場合であっても経血等の体液モレの発生を低減できるようにするため、吸収物品取付け用補助パッドを、着用者の股間部に密着状に位置させて体液を吸収する吸収体と、この吸収体を被覆するカバーシートからなる吸収シート体と、生理用ナプキンに取り付けるための粘着剤が身体側と反対側に塗布された吸収シート体と、前記吸収体と接合シート体とを繋ぐ連結茎体で構成し、これを生理用ナプキンに取り付け、着用中生理用ナプキンが動いても連結茎体が介在することにより、吸収シート体が常に着用者の内股に密着できるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、補助パッドを陰唇に密着するように身体側に凸になるように折り曲げ、その状態で生理用ナプキンに粘着剤で直接取り付けるものであって、この補助パッドの生理用ナプキンに対する取付位置の位置決めを容易にするため、生理用ナプキンの身体側に案内溝(圧搾溝)を形成し、この圧搾溝を目安に補助パッドを取り付け、かつ補助パッドの肌当接面に粘着剤を塗布して、着用者の臀部に補助パッドを密着させるようにしたものも知られている(特許文献2参照)。
【0005】
更に、陰唇間に直接パッドを装着する陰唇間パッドも知られている(特許文献3参照)。
この陰唇間パッドは、その反身体側(非肌当接側)面に指挿入用口及び指挿入用空間を形成するためのミニシート片を備え、その指挿入用口に指を挿入し、他方の手の指で陰唇を開きながら陰唇内の適当な位置に装着し、使用後に取り出すときも前記指挿入用口に指を挿入して取り出すことで、指を汚すことなく陰唇間パッドの取り替え等が可能である。
【0006】
他の例として、特許文献4に記載された陰唇間吸収体(interlabial absorbent article)では、陰唇間パッドに指挿入用の保持用フラップ(retainer flap)を設け、この保持用フラップに指を挿入して前記パッドを陰唇間に装脱できるようにすると共に、バックシートに孔(apertures)が設けられており、この孔を通して陰唇間吸収体に吸収された体液を下側の吸収体に流下させるようにしている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたものは、補助パッドとナプキンとの間を連結茎体で連結する構造であるから、連結のための特別の部材を要しその構造は複雑であり、その分コストも掛かる。さらに、連結茎体に補助パッドを支える機能を有しなければ身体と密着性を維持できないが、このような構造では違和感を生じてしまう。また、特許文献2に記載されたものでは、特許文献1の補助パッドに比して構造は簡単であるが、補助パッドを直接股間接合するものであるから、汗などにより接合が離れないとも限らず、そのため接着性を強化すると、使用後に外し難くなる虞がある。更に特許文献3,4に記載された陰唇間パッド(陰唇間吸収物品)では、経血が多い場合などには吸収できず漏れる虞があるが、そのような場合に整理用ナプキンを併用するにしても、生理用ナプキンと接合する手段を有さず、また、陰唇間部は生理用に密着させるための応力が及び難い部位であるから、同ナプキンとの間にすきまができてそこから経血等が漏れる虞があり、さらに陰唇間パッドの交換時にパッドが床に落ちる等の不都合が生じる。
【0008】
【特許文献1】特開2003−38560号公報
【特許文献2】特開2003−38564号公報
【特許文献3】WO2002/094146号公報
【特許文献4】WO2004/060247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上で説明した従来の補助パッド又は陰唇間パッドの問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、経血などが陰唇間パッドと併用パッドである例えば生理用ナプキンの間から漏れることがないようにすると共に、使用後は、直接手を触れずに予めショーツに取り付けられた併用パッドと一緒に外すことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、表面シートと、裏面シートと、両シート間に配置された吸収体とからなる陰唇間パッドであって、前記裏面シートに複数の通液孔を備え、該複数の通液孔を囲むように配置された粘着層を備えていることを特徴とする。
請求項2の発明は、表面シートと、液不透過性のシートに複数の通液孔を備えるか又は液透過性のシートからなる裏面シートと、両シート間に配置された吸収体とからなるパッド本体と、該パッド本体の非肌当接面側に接合した下面シートを有する陰唇間パッドであって、前記下面シートは複数の通液孔及び該複数の通液孔を囲むように配置された粘着層を備えていることを特徴とする。
請求項5の発明は、いずれも液透過性である表面シート及び裏面シートと、両シート間に配置された吸収体とからなり、該裏面シートに粘着層が形成された陰唇間パッドであって、前記裏面シートには通液のための複数の粘着剤非塗工部分が形成されていることを特徴とする。
なお、経血その他の体液を吸収することを目的に陰唇間に装着する衛生用品を陰唇間パッドと総称する。
【0011】
(作用)
本発明に係る陰唇間パッドは、手で持つか又は非肌当接面側(身体側と反対側)に設けた指挿入部に利き手の指を挿入し、他方手の指で例えば陰唇を開き或いは当てて前記パッドを装着する。
陰唇間パッドは、その通液孔の周りの粘着剤により生理用ナプキン等の併用パッドに接合し、透過孔を介して経血等を併用パッドに誘導すると共に、陰唇間パッドと併用パッド間からの液漏れを防ぐ。更に、使用後に併用パッドと一緒に外す。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、陰唇間パッドから併用パッドへの経血などの体液は、通液孔を通して併用パッドに確実に導かれるため併用パッドの液拡がりが抑制され漏れの虞がない。また、使用後は併用パッドを取り付けたショーツを下げたときに一緒に下がり誤って落下したり或いは手を汚すことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を図面に示す実施形態に従って説明する。
図1Aは、本発明の第1の実施形態である陰唇間パッドの身体装着側からみた斜視図であり、図1Bは、その陰唇間パッド10を非肌当接面側からみた平面図、図1Cは、図1Aに示す陰唇間パッドの長手方向略中央部を横断する線X−Xで切断した断面図であり、図1Dは、装着された状態での陰唇間パッドの長手方向略中央部を横断する線X−Xで切断した断面図である。
第1の実施形態に係る陰唇間パッド10は、図1A及び図1Cに示すようにその身体側となる液透過性の表面シート12と、装着側と反対側つまり非肌当接面側の液不透過性の裏面シート13と、両シート間に収容された吸収体14とからなるパッド本体15を有し、吸収体14を介在した状態で両シート12、13周縁部を、例えばヒートシール、高周波シール等の周知の熱接合手段で接合して吸収体14を封止し、かつ裏面シート13の下側に更に別の下面シート16を同様に周知の接合手段で接合し、図示のように二つ折りしてそのパッド本体15のシールした表面シート12及び裏面シート13の両端間に所定の間隔を持たせて液不透過性の下面シート16を熱接合する。
【0014】
このように、下面シート16と表面シート12及び裏面シート13を熱接合することで、パッド本体15の裏面シート13と下面シート16との間には断面略3角形の指挿入口20が形成される。
【0015】
この陰唇間パッド10は、図1Bに示すように、その非肌当接面側の下面シート16にはそれぞれ通液孔22が複数個適当な間隔を距てて設けられており、パッド本体15を構成する裏面シート12は、好ましくは液透過性材料により構成されている。
17は、陰唇間パッド10の下面シート17に設けられた粘着剤であって、後記するような従来周知の粘着剤が前記通液孔22を囲むようにパッド本体15の裏面の縁全周にわたって連続して設けられており、この粘着剤17よって図示しない生理用ナプキン等の併用パッドの吸収体に直接接合するようになっている。
【0016】
パッド本体15の下面に連続した粘着剤17を設けたことにより、通液孔22を通して陰唇間パッド10の吸収体14から流れ出した経血は、下面シート16の通液孔22を通って併用パッドの吸収体に吸収される。この場合、仮に経血の流出量が多い場合でも、併用パッドの吸収体上に溢れた経血等は、前記下面シート16と併用パッドの吸収体とが密接に接合しているために漏洩することがない。
なお、粘着剤17を連続層とすることが好ましいが、粘着剤17は、前記通液孔22の周りに設けるものであれば、必ずしも連続していなくともよい。例えば、粘着剤の層を破線状に形成することで、同様に密接させたり、側部領域のみに形成することで、経血の幅方向の拡がりを抑えることができる。
【0017】
さらに、図1Dに示されるように、装着後の裏面シート13は、裏面シート同士が接触する部位と下面シート16と接触する部位を有している。装着時の逆T字形状を安定して形成すると、下面シートに形成された通液孔を通して経血を生理用ナプキン等の併用パッドの吸収体に導き易い。逆T字形状を安定して形成するには、裏面シート13と下面シート16の接合を粘着剤形成位置と重なるように施すようにする。
【0018】
図2は、第2の実施形態に係る陰唇間パッド10の非肌当接面側を示す平面図である。
この実施形態は、図2に示す陰唇間パッド10の非肌当接面側の粘着剤17以外の構成は、第1の実施形態と同じであり、図示のように、通液孔22の部分を除き下面シート全面に粘着剤を設けている。粘着剤17をこのように設けることにより、陰唇間パッド10と併用パッドの粘着剤との結合はより一層強固であるから、前記下面シート16と併用パッドの吸収体からの経血等の漏洩は完全に防止できる。
なお、本実施形態において、前記下面シートに液透過性シートを用い、通液のための粘着剤非塗工部分を前記通液孔と同様に複数箇所設けるようにしてもよい。この場合、裏面シート12は液透過性でも或いは液不透過性シートに複数の通液孔を設けたものでもよい。
【0019】
図3は陰唇間のパッド10の第3の実施形態を示す。
この陰唇間パッド10は、身体側の液透過性の表面シート12と、身体側と反対側つまり非肌当接面側の液不透過性の裏面シート13と、両シート間に内包された吸収体14とからなるパッド本体15を備えているが、吸収体14が図示のように下面は平らで上に向かって凸状をなし、裏面シート13がその吸収体14の下面に沿って配置されていると共に、
裏面シート13には、複数の通液孔22とそれを囲むようにして粘着剤17が形成されている。
なお、陰唇間パッド10の非肌当接面側の粘着剤17の構成は、前記第1の実施形態のものと同じであるが、図2に示す第2の実施形態と同様に、その裏面シート13の通液孔22を除く全体に粘着剤17を設けるようにしても、或いは、裏面シート13を液透過性とし通液のための粘着剤非塗工部分を前記通液孔と同様に複数箇所設けるようにしてもよい。
【0020】
この実施形態では、吸収体14の容量が大きいため、より多くの経血などを吸収でき、かつ裏面シート20に直接粘着剤17を設けたことにより、経血等は、吸収体14から図示しない併用パッドの吸収体に直接導かれる。この構成では別途下面シートを用いていないため、構成は簡単である。
【0021】
図4Aは、本発明の第4の実施形態に係る陰唇間パッドの図4Bの線X−Xを通る断面図であり、図4Bはその非肌当接面側からみた平面図である。
第4の実施形態に係る陰唇間パッド10は、図4Aに示すように、第1の実施形態に係る陰唇間パッドと同様にその身体側となる液透過性の表面シート12と、装着側と反対側つまり非肌当接面側の液不透過性の裏面シート13と、両シート間に収容された吸収体14とからなるパッド本体15を有し、吸収体14を介在された状態で両シート12、13を例えばヒートシール、高周波シール等の周知の熱接合手段で接合して吸収体14を封止し、かつ裏面シート13の下側に更に別の下面シート16を同様に周知の接合手段で接合し、図示のように二つ折りしてそのパッド本体15のシールした表面シート12及び裏面シート13の両端間に所定の間隔を持たせて液不透過性の下面シート16に熱接合する。
【0022】
この下面シート16と表面シート12及び裏面シート13を以上のように熱接合することにより、パッド本体15の裏面シート13と下面シート16との間には断面略3角形の指挿入口及び空間20が形成される。
【0023】
この陰唇間パッド10は、図4Bに示すように、その非肌当接面側の下面シート16にはそれぞれ通液孔22が複数個適当な間隔を距てて設けられており、かつ、これと同様の通液孔がパッド本体15を構成する裏面シート13にも設けられている。
17は、陰唇間パッド10の下面シート17に設けられた粘着剤であって、後記するような従来周知の粘着剤が前記通液孔22を囲むようにパッド本体15の裏面の縁全周にわたって連続して設けられており、この粘着剤17よって図示しない生理用ナプキン等の併用パッドの吸収体に直接接合するようになっている。
なお、粘着剤を図2に示すように、パッド本体15に対応する下面シートの前記通液孔22を除く全面に施してもよい。又、この場合も下面シートに液透過性シートを用い、通液のための粘着剤非塗工領域を前記通液孔と同様に複数個設けた構成でもよい。
【0024】
下面シート16は、図4A及び図4Bに示すように、前記パッド本体15の側縁から横方向に所定の長さ延在して前記側縁部全体にウイングWを形成する。このウイングWには、ウイングWの下側つまり非肌当接面側には陰唇間パッド10を図示しないショーツに取り付けた生理用ナプキンなどの併用パッドのシートに接合するための粘着剤18がそれぞれ対称の位置に設けられている。
【0025】
前記ウイングWは、この実施形態ではウイング形成用シート16で形成され、このシート16に表面シート12と裏面シート13をヒートシール等で熱接合しているが、表面シート12,裏面シート13,ウイング形成用シート16を一体に接合してウイングWを形成するものであってもよい。
【0026】
なお、以上で説明したウイングWの幅は、前記実施形態に限らずパッド本体15の側縁部の長手方向略中央部のみに所定の幅で延在させてもよく、その場合には、ウイング形成用シートは、ウイングの幅と同一でも、或いはパッド本体15の長手方向長さと同じ長さに形成し、ウイングWの部分のみを細幅に形成してもよい。
【0027】
また、吸収体従って吸収体及びウイングの形状は以上の実施例に限らず任意であり、吸収体は円形、楕円形、矩形或いは一方のみの幅を大きくしたもの、また構成も一体のものに限らず左右二つのパッド本体を張り合わせたものでもよく、またウイングWも例えば、半円形その他の形状であってもよい。
更に、前記各粘着層には、通常行うように剥離紙を貼り付けておき、使用時に剥離紙を剥がして粘着剤を露出させ、例えば併用パッドの吸収体と接合する。
【0028】
以上で説明した陰唇間パッド10を装着するには、陰唇間パッドを手に持ち、或いは陰唇間パッド10に指層入部20があるものでは、その指挿入部20に利き手の人差し指を挿入し、他方の手の指で陰唇を開き表面シートを陰唇内に装着して陰唇との摩擦や陰唇部の閉じる力により保持する。
装着の際、陰唇間パッド10のウイングWは挿入部20に挿入した指以外の指をカバーするため、経血などで指が汚れるのが防止できる。
陰唇間パッド10を装着した状態で、次に図示しないショーツに取り付けた生理用ナプキンを前記パッド10に当接し、前記パッド10のウイングWの非肌当接面側に設けた粘着剤を生理用ナプキンに接合することで一体する。
【0029】
とくに経血が多い場合、前記陰唇間パッド10の吸収体14の吸収容量を越え前記パッド10から漏洩することがあるが、一体に接合した生理用ナプキンで漏洩した経血を吸収できるので外に漏れる虞はない。
また、ウイングが前記パッド10の吸収体14の側方に延在しているのでショーツや生理用ナプキンを汚れから保護することができる。
【0030】
使用後は、一体に接合された生理用ナプキンと一体の状態で外すことができるため、汚れた陰唇間パッド10を誤って落とすことがなく安心して取り替えが可能である。
【0031】
以上の各部材を構成する材料としては当該技術分野において通常用いられているものをそのまま用いることができる。即ち、本実施形態の陰唇間パッド10に用いる表面シート12,裏面シート13及び吸収体14の材料は、特に制限されず、例えば、通常の生理用ナプキンや陰唇間パッドに用いられるものが用いられる。
例えば表面シート12としては、親水性且つ液透過性不織布や、開孔フィルムを用いることができる。裏面シート13としては液不透過性のフィルム等を用いることができる。
【0032】
上記裏面シート13並びにウイングWの材料としては、ポリオレフィン、オレフィンとアクリル酸エステル、酢酸ビニル等の他のビニルモノマーとの共重合体、ポリエステル、ポリアミド又はポリマーブレンド系等の疎水性熱可塑性樹脂等が挙げられ、これらのうちでも、風合い、取り扱いの面からポリオレフィンもしくはオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体、またはポリマーブレンド系の疎水性熱可塑性樹脂が好ましく、単独若しくは混合物として用いることができる。そして、疎水性熱可塑性樹脂を成形して、シートにする等して得られるフィルムを、裏面シート13並びにウイングWとして用いることができる。更に、前記疎水性熱可塑性樹脂には、TiO2 やタルク等の無機フィラーを内添し、得られるフィルムのカバーリング性や表面べたつきを抑えるのが好ましい。また、上記シートを2つ以上用いて形成した積層シートからなるフィルムは、本発明における上記裏面シート13並びにウイングWとして、特に好ましく用いることができる。
【0033】
表面シート12は、上記裏面シート13並びにウイングWの材料と同様のものを用いることができが、直接に着用者の肌に接するものであるため、柔軟で着用感を阻害しない液透過性のある周知の材料を使用する。例えば、繊維シート、開孔繊維シート、開孔フォームフィルム、スルーエア不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブロン不織布等を使用することができる。繊維材料としては、セルロース繊維、レーヨン、アセテート、また、天然セルロース繊維を使用することができる。
【0034】
吸収体14は、液透過性材料と同様に、陰唇部分又は陰唇付近に当たるため柔軟な周知の材料、例えば、パルプ、レーヨン、コットン等の親水性繊維の積繊体や、これに高吸収性ポリマーの粒子を分散混合したものなど公知のものを特に制限無く用いることができる。
材料例としては、解繊パルプを主材とし、高分子吸水ポリマーを併用したものが好ましく、そのほか熱可塑性樹脂、セルロース繊維、高分子吸水ポリマーの混合物に熱処理したものなどが好ましい。高分子吸水ポリマーは、パルプと混合したものであってもよく、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、アクリル酸(塩)重合体などが好ましい。
【0035】
更に吸収体14の他の材料としては、ティッシュ、親水性処理を施した発泡シート、親水性処理を施したメルトプロン不織布、親水性繊維を主体とした繊維ウエブ、繊維ウエブをシート化することにより得られるスパンレース不織布、サーマルボンド不織布等の不織布材料から選ばれるシート若しくは粉砕状物、エアレイドバルブ不織布などが挙げられる。
【0036】
パッド本体15の非肌当接面側面に塗布される粘着剤には、SBS(スチレン‐ブタジェン‐スチレンブロック共重合体)、SIS(スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体)などの合成ゴムを主体としたホットメルトから選ぶことが望ましい。このような粘着剤は、面状、筋状、ドット状、螺旋状などのパターンで、非肌当接面のほぼ全面にわたって塗布される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1Aは本発明の第1の実施形態に係る陰唇間パッドの斜視図、図1Bはその反身体取付側からみた平面図、図1Cは図1Aの線X−Xに沿った断面図である。
【図2】第2の実施形態に係る陰唇間パッドの非肌当接面側からみた平面図である。
【図3】第3の実施形態に係る陰唇パッドの断面構造を示す図1Cと同様の断面図である。
【図4】図4Aは、第4の実施形態に係る陰唇パッドの非肌当接面側からみた平面図、図4Bはその断面構造を示す図1Cと同様の断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10・・・陰唇間パッド、12・・・表面シート、13・・・裏面シート、14・・・吸収体、15・・・パッド本体、16・・・下面シート、17、18・・・粘着剤、20・・・指挿入孔、22・・・通液孔、W・・・ウイング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面シートと、裏面シートと、両シート間に配置された吸収体とからなる陰唇間パッドであって、
前記裏面シートに複数の通液孔を備え、該複数の通液孔を囲むように配置された粘着層を備えていることを特徴とする陰唇間パッド。
【請求項2】
表面シートと、液不透過性のシートに複数の通液孔を備えるか又は液透過性のシートからなる裏面シートと、両シート間に配置された吸収体とからなるパッド本体と、該パッド本体の非肌当接面側に接合した下面シートを有する陰唇間パッドであって、
前記下面シートは複数の通液孔及び該複数の通液孔を囲むように配置された粘着層を備えていることを特徴とする陰唇間パッド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された陰唇間パッドにおいて、
前記粘着層は前記複数の通液孔全体を囲むように連続形成されていることを特徴とする陰唇間パッド。
【請求項4】
請求項1または2に記載された陰唇間パッドにおいて、
前記粘着層は前記通液孔除く全面に形成されていることを特徴とする陰唇間パッド。
【請求項5】
いずれも液透過性である表面シート及び裏面シートと、両シート間に配置された吸収体とからなり、該裏面シートに粘着層が形成された陰唇間パッドであって、
前記裏面シートには通液のための複数の粘着剤非塗工部分が形成されていることを特徴とする陰唇間パッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−97960(P2007−97960A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294119(P2005−294119)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】