説明

階段と階段室の構築方法及び階段の構築方法並びに階段部材

【目的】 作業人員を削減して工期の短縮を計り、より安全な階段を構築する。
【構成】 基準階F1 の階段設置位置10の両側に夫々支持杆16、17を垂直に取外し可能に立設し、既設階段部材A1 の踊り場3、A2 の踊り場2上に支持杆の巻揚機22、23を取外し可能に設置する。支持杆16、17にハンガー24、25を取外し可能に設置し、支持杆16、17を次階階段部材の高さまで上昇し、ハンガー24、25に階段部材B2 、A3 を架設仮着し、コンクリート打設予定階F2 の躯体の構築に先行して1階半分の階段部材A2 、B2 、A3 を構築し、階段部材のささら桁及び踊り場端面に夫々内型枠を固定する。次に内型枠の外面側に所定間隔をおいて、鉄筋を配置し、内型枠に対応する外型枠を構築し、両型枠内にコンクリートを打設し、外型枠を外す。以降、順次所定階まで階段及び階段室を構築する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンクリート構造物で躯体の構築に先行して階段及び階段室を構築する階段の構築方法及び階段と階段室の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリート構造物で躯体の構築に先行して階段を構築する方法は種々提案され、例えば先行する階段材を支持する支持杆をクレーンあるいは他の特殊重機で吊り揚げ、積み重ねながら階段を構築していた(特開平3−180657号)。また、従来、階段室は階段の周囲に従来工法で内側及び外側に型枠を組み構築し、階段室の構築後に型枠を取り外して型枠を廃棄していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の技術では、支持杆を吊り揚げる為の特殊重機あるいはクレーンを必要とする為、階段設置予定位置以外の場所での支持杆を吊り揚げる為にクレーン操作作業を必要とし、作業効率が悪いと共に正確に設置する為に手間を要する問題点があった。また、支持杆及び受柱材は設置現場毎に使い捨てである為材料の無駄を生じると共に、実施の度に支持杆を製作する手間を生じてていた。
【0004】また、階段室は従来工法で型枠を組み構築していたので、コンクリート打設後に型枠を取り外す手間を要する問題点があった。また、階段と階段室壁との間に型枠の厚さ分だけ隙間を生じ、階段室内の美観が悪いと共に階段室の内装仕上げに手間を要する問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】然るにこの発明は、昇降手段を取り付けた支持杆にハンガーを着脱しながらを支持杆を昇降させて階段部材を架設するので、前記一方の問題点を解決した。更に、階段部材を構成するささら桁の外側に掛止金具を固定したので、他方の問題点も解決した。
【0006】即ちこの発明は、基準階の階段設置位置の両側の中央部に夫々支持杆を垂直に取り外し可能に立設し、前記階段設置位置に設置された既設階段部材の踊り場上に前記支持杆を昇降できる昇降手段を取り外し可能に設置し、前記支持杆に階段部材の踊り場側を掛止するハンガーを取り外し可能に設置し、前記支持杆を次階階段部材の高さまで上昇し、前記両ハンガーに階段部材を架設仮着し、コンクリート打設予定階の躯体の構築に先行して少なくとも1階半分の階段を構築し、前記階段部材のささら桁及び踊り場端面に夫々内型枠を固定し、前記内型枠の外面側に所定間隔をおいて、鉄筋を配置し、前記内型枠に対応する外型枠を構築し、前記両型枠内にコンクリートを打設して順次所定階まで階段及び階段室を構築することを特徴とした階段と階段室の構築方法である。また、回転手段の軸にピニオンを取り付けて昇降手段を構成し、前記ピニオンと咬合うラックを両支持杆の表面に取り付けた階段と階段室の構築方法である。
【0007】また、所定の方法によりコンクリート打設予定階の躯体の構築に先行して少なくとも1階半分だけ階段部材を構築し、前記階段部材のささら桁及び踊り場端面に夫々内型枠を固定し、前記内型枠の外面側に所定間隔をおいて、鉄筋を配置し、前記内型枠に対応する外型枠を構築し、前記内外両型枠内にコンクリートを打設して、順次所定階まで階段及び階段室を構築することを特徴とした階段と階段室の構築方法である。
【0008】また、階段部材のささら桁の外面に階段室用の内型枠を掛止できる掛止金具を予め固定した階段部材を構築し、前記掛止金具に内型枠の上下両端を掛止固定した階段と階段室の構築方法である。
【0009】また、基準階上の階段設置位置の中間踊り場側及びフロア踊り場側に所定高さの受架台を夫々設置して、前記各受架台上に階段の半階分を構成する階段部材を1階半分架設設置し、既設階段部材とする。中間踊り場側中央部に第一支持杆を垂直方向に昇降自在に設置すると共に、該第一支持杆の昇降手段を前記既設階段部材の中間踊り場上に設置する。フロア踊り場中央部に垂直方向に第二支持杆を昇降自在に設置すると共に、該第二支持杆の昇降手段を前記既設階段部材のフロア踊り場上に設置する。次に、(ア) 前記第一支持杆に次階用の階段部材の中間踊り場側を支持するハンガーを仮着し、前記第二支持杆に次階用の階段部材のフロア踊り場を支持するハンガーを夫々仮着する。
【0010】(イ) 前記両ハンガーが次階の階段部材設置高さに至るまで両支持杆を上昇させる。次に両ハンガーにジャッキーを取り付け、該ジャッキーを既設階段部材の両踊り場上に夫々支持する。
【0011】(ウ) 次階用の階段部材の両端部を、前記受架台と前記ハンガーとに、あるいは両ハンガーとに夫々架設設置する。前記昇降手段を既設階段部材から取り外し、次階用の階段部材上に取り付ける。
【0012】(エ) 所定の型枠を構築し、1階分のコンクリートを打設し、階段部材の両端部をコンクリート内に埋設する。
【0013】(オ) コンクリートの固化後にハンガーと支持杆との連結を外す。
【0014】以下、(ア)乃至(オ)を繰り返して、所定階まで順次コンクリートを打設することを特徴とした階段の構築方法である。
【0015】また、回転手段の軸にピニオンを取り付けて昇降手段を構成し、前記ピニオンと咬合うラックを両支持杆の表面に取り付けた階段の構築方法である。
【0016】更に、外ささら桁の外側面に階段室形成用の内型枠を掛止できる掛止金具を固定し、該外ささら桁と内ささら桁との間に所定数の踏板の両端部を固定して形成したことを特徴とする階段部材である。
【0017】前記における階段部材は、所定数の踏板の上下に、中間踊り場及びフロア踊り場を連結し、前記踏板、中間踊り場及びフロア踊り場をささら桁4、5で挟み、互いに一体に連結固定して半階分の階段部材を構成する。
【0018】
【作用】支持杆は垂直に昇降できるので、ハンガーを所定高さに配置でき、ハンガーはジャッキーで支持するので、上部の階段部材を支持できる。階段室用の内型枠はささら桁の掛止金具に上下両端を掛止固定することにより構築できる。
【0019】
【実施例】図面に基づきこの発明の実施例を説明する。
【0020】[階段部材の構成]所定数の踏板1の上下に中間踊り場2、フロア踊り場3を連結し、踏板1、中間踊り場2及びフロア踊り場3をささら桁4、5で挟み、互いに連結固定して半階分の階段部材6を構成する。前記階段部材6の外側のささら桁4(階段を構築した際に外側に位置するささら桁を指す。他方を内側のささら桁5とする)の外面4aに階段室形成用の内型枠の上端部を掛止できる掛止金具7、及び階段室形成用の他の内型枠の下端部を掛止できる掛止金具8を夫々固着する(図11(a))。前記掛止金具7、8の夫々の先端部7a、8aは、ささら桁4とは反対の側に屈曲して形成してある。
【0021】また、階段部材6は、1階床から2階床を構成する階段部材をA1 、B1 とし、2階床から3階床を構成する階段部材6をA2 、B2 とし、更にn階床からn+1階床を構成する階段部材をAn 、Bn とする。各階段部材は階高に応じて所定高さに形成されていると共に、最下段用の階段部材A1 はフロア踊り場2を省略した形状としてある(図11(b))。
【0022】[内型枠の構成]階段部材のささら桁の形状に応じた所定形状の軽量コンクリート板41の所定位置に取付孔41a、41aを穿設し内型枠26を形成する(図12(a))。
【0023】[基準部分の階段の構築方法]
( 1) 基準階F1 の階段構築位置10の中間踊り場側11にスラブ13上に踊り場の全幅に亘る長さの中間踊り場受架台(第一受架台)14を設置する。前記階段構築位置10のフロア踊り場側(第二受架台)12にフロア踊り場受架台15を設置する。
【0024】( 2) 前記階段構築位置10に合わせて、中間踊り場受架台14に階段部材A1 (第一階段部材)の中間踊り場側を掛止固定する。前記階段部材A1 の中間踊り場側の他側端部をスラブ13上に突出したアンカーボルト(図示していない)に固定する。
【0025】( 3) 中間踊り場受架台14とフロア側踊り場受架台15とに階段部材B1(第二の階段部材)の中間踊り場2側とフロア踊り場3側を夫々掛止固定する。前記階段部材A1 と階段部材B1 とは平面上で所定間隔おいて設置してある。
【0026】( 4) 前記階段構築位置10の中間踊り場側11の前記階段部材A1 と階段部材B1 との間に第一昇降杆16を垂直に配置し、該第一昇降杆16の下端16aをスラブ13に仮固定する。同様に、前記階段構築位置10のフロア踊り場側12の前記階段部材A2 と階段部材B1 との間に第二昇降杆17を垂直に配置し、該第二昇降杆17の下端17aをスラブ13に仮固定する。前記第一昇降杆17と第二昇降杆とは互いに平行になるように、夫々の上端部を連結梁23で連結してある。
【0027】( 5) 前記第一昇降杆の所定高さ位置(直上の階段部材の下面の高さに合わせて)に直上の階段部材の下面を支持できるハンガー18をボルト及びナットで仮固定し、該ハンガー18の両端部に昇降自在のパイプジャッキー19、19の上端部を取り付け、該パイプジャッキー19の下端を夫々階段部材A1 、B1 の中間踊り場2、2上に支持する。前記ハンガー18とパイプジャッキー19とで第三受架台を構成する。
【0028】( 6) 前記階段部材A1 の上方に階段部材A2 (第3の階段部材)を配置し、該階段部材A2 の中間踊り場2側を前記ハンガー18に掛止固定し、フロア側踊り場3側をフロア踊り場受架台15に掛止固定する(図1)。
【0029】( 7) 前記階段部材A2 の中間踊り場2上に昇降杆の巻揚機21を取り外し可能に設置し、該巻揚部21aを前記第一昇降杆16に嵌装する。同様に、前記階段部材A2 のフロア側踊り場3上に昇降杆の巻揚機22を取り外し可能に設置し、該巻揚部22aを前記第二昇降杆17に嵌装する。前記昇降杆16、17には上下方向にラック20が設置され、前記巻揚機21、22の巻揚部21a、22aには前記ラック20に咬合うピニオン40が夫々取り付けてあり、前記ピニオン40の軸はモーターなどの動力に連結され、かつ反転防止用のストッパーが取り付けてある(図示していない)。
【0030】[繰り返し部分の階段の構築方法]
( 8) 第一昇降杆16の所定高さ位置にハンガー24をボルト及びナットで仮固定し、第二昇降杆で、前記ハンガー24に対応した位置にハンガー25をボルト及びナットで仮固定する。また、第一昇降杆16とハンガー18とを固定しているボルト及びナットを外し、第一昇降杆16とスラブ13とを固定しているボルト及びナットを外し、同様にして、第二昇降杆17とハンガー20と、第二昇降杆17とスラブ13とを固定しているボルト及びナットを外す。
【0031】( 9) 巻揚機21、22を作動し、第一昇降杆16及び第二昇降杆17を上昇させ、ハンガー18が直上の階段部材の中間踊り場位置及びハンガー20が直上の階段部材のフロア踊り場位置となった高さで、巻揚機21、22を停止する。この状態で、第一昇降杆16の下端16a及び第二昇降杆17の下端部17aは構築予定の2階床F2 の上面より上方に位置している(図3)。
【0032】(10) ハンガー25にパイプジャッキー19、19の上端部を取り付け、パイプジャッキー19、19を下方に延ばし、該下端を夫々、階段部材B1 のフロア踊り場3、階段部材A2 のフロア踊り場3に支持する。次に、階段部材B1 の上方に階段部材B2 を配置し、該階段部材B2 の中間踊り場2側を前記ハンガー24に掛止固定し、該階段部材B2 のフロア踊り場3側をハンガー25に掛止固定する。
【0033】(11) ハンガー24にパイプジャッキー19、19の上端部を取り付け、パイプジャッキー19、19を下方に延ばし、該下端を夫々、階段部材A2 の中間踊り場2、階段部材B2 の中間踊り場2に支持する(図4)。
【0034】(12) 階段部材A2 の上方に階段部材A3 を配置し、階段部材A3 の中間踊り場2をハンガー24に掛止固定し、階段部材A3 のフロア踊り場3をハンガー25に掛止固定する。次に、巻揚機21を前記階段部材A2 の中間踊り場2から取り外し、前記階段部材A3 の中間踊り場2に取り外し可能に設置する。同様に、巻揚機21を前記階段部材A2 のフロア側踊り場3から取り外し、上に昇降杆の巻揚機22を取り外し可能に設置し、前記階段部材A3 のフロア踊り場3に取り外し可能に設置する(図4鎖線図示)。
【0035】(13) 階段部材A1 及び階段部材B1 の掛止金具7、7と、スラブ13との間に所定形状に形成した階段室の内型枠26、26を掛止固定する。同様に、階段部材A1 の掛止金具8、8と階段部材A2 の掛止金具7、7の間、及び階段部材B1 の掛止金具8、8と階段部材B2 の掛止金具7、7の間に、夫々内型枠27を掛止固定する。また、階段部材A2 の掛止金具8、8と階段部材A3 の掛止金具7、7の間に、夫々内型枠28を掛止固定する(図7、図8)。図中29は階段室から室内への出入り口を構成する開口である。
【0036】(14) 前記内型枠26、27、28に沿って鉄筋31、31を所定の配筋をし、前記内型枠に対応する階段室の外型枠30を配置すると共に、内型枠と外型枠30とを従来の締め金具(セパレーター32、フォームタイ33、パイプ34など)で一体に連結する(図10)。また、他の躯体構築用型枠も同様に構築してコンクリートを打設し、2階床F2 まで躯体を構築する。
【0037】(15) ( 8)〜(14)を繰り返し所定階まで階段部材を積み上げると共に、階段室用の内型枠を構築し、階段及び階段室を構築する。
【0038】(16) コンクリートが固化後、巻揚げ装置21、22、第一昇降杆16、第二昇降杆17、各ハンガー、ジャッキー、及び外型枠30を取り外す。
【0039】ここで、内型枠26、27、28、・・・は捨型枠であり、取り外さず、塗装などで内面を仕上げあるいは仕上げずに、階段室の内壁を構成する。
【0040】[他の実施例]前記実施例において、平板状の軽量コンクリート板41から内型枠26を形成したが、内型枠26は長さ方向の全長に亘る凹条42、42及び凸条43、43を有する形状とすることもできる(図12(b))。また、内型枠26は図13に示すように、並列配置した波形屈曲鉄筋45、45の上端部を上部鉄筋46を介して連結すると共に、波形屈曲鉄筋45、45の下端部をコンクリート板44内に埋設した構成とすることもできる(図13(a)(b)(c))。更に内型枠はコンクリート系の材質としたが、鋼板、木板、石板その他、捨て型枠として使用できる材質であれば、材質は問わない。更に内型枠の形状も階段室内の仕上げに応じて適宜選択して使用できる。
【0041】前記実施例において、階段部材A1 、中間踊り場受架台14、フロア踊り場受架台15は直接スラブ13に固定したが、図1の鎖線図示のように、スラブ13に支持枠36を固定あるいは埋設し、該支持枠36に固定することもできる。
【0042】また、前記実施例において、図1乃至図6の鎖線図示のように、平面位置で階段構築位置10の外周に沿って即ち階段室の壁内に埋設される位置に、かつ階段部材A2 のフロア踊り場の下部の高さで、囲い枠37を構築した後に、各階段部材を構築することもできる。
【0043】また、前記実施例において、階段部材の外側のささら桁4の外面4aに階段室形成用の内型枠の上端部を掛止できる掛止金具7、及び階段室形成用の他の内型枠の下端部を掛止できる掛止金具8を夫々固着し、掛止金具7、8を固着した階段部材を使用すれば、他の方法によって階段を構築する際にも利用できる(図示していない)。ただし、この際の階段の構築方法はコンクリート打設予定の躯体の構築に先行して少なくとも1階半分の階段を構築できれなければならない。
【0044】また、前記実施例において、掛止金具7、8を取り付けていない階段部材を使用し、同様の方法で階段部材を順次積み重ね、階段部材のささら桁及び中間踊り場及びフロア踊り場に、捨て型枠とする内型枠を接着して固定することも可能であり、また接着以外の方法で固定することもできる。
【0045】更に、前記実施例において、掛止金具7、8を取り付けていない階段部材を使用し、前記( 1)乃至(12)の方法で階段部材を順次積み重ね階段を構築し、従来の方法で内型枠及び外型枠を構築することもできる。この際は、コンクリートを打設して階段室を構築後に、内外両型枠を取り外す。
【0046】
【発明の効果】既設階段部材上に設置した昇降手段により垂直に配置した支持杆を昇降させ、ハンガーを着脱しながら階段を構築できるので、階段構築作業を簡略化し、支持杆を昇降する為の他の重機などを不要とするので、作業人員を削減し、工期の短縮を計ることができる効果がある。また、階段の踊り場上のみの作業で支持杆を引き揚げることができるので、他の構築作業に支障を与えることを防止できる効果がある。
【0047】また、掛止金具に内型枠を掛止固定することにより、階段室用の内型枠を階段部材の構築と同工程で構築できると共にコンクリート打設後に内型枠を取り外す手間を省くので、型枠構築作業を簡略化し、熟練工を削減できるので、工期を短縮できる効果がある。
【0048】また、階段室用の内型枠は捨て型枠として、階段部材に密着固定されるので階段室壁と階段との間に隙間を生じことがないので、より安全な階段を構築でき、様々な内装仕上げに対応できる効果がある。更に、従来の使い捨ての型枠の使用量を削減でき、木材資源を節約できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の階段構築途中の縦断面図である。
【図2】図1のC−C線における断面図である。
【図3】この発明の実施例の階段構築途中の縦断面図である。
【図4】この発明の実施例の階段構築途中の縦断面図である。
【図5】図4のD−D線における断面図である。
【図6】図4のE−E線における断面図である。
【図7】この発明の実施例の階段構築途中で、内型枠を取り付けた状態の正面図である。
【図8】図7のF−F線における断面図である。
【図9】(a)は内型枠と掛止金具の取り付け状態を示す一部拡大正面図、(b)は図9(a)のH−H線における断面図である。
【図10】内型枠と外型枠との取り付け状態を示す一部拡大横断面図である。
【図11】(a)(b)はこの発明に使用する階段部材の斜視図である。
【図12】(a)はこの発明の実施例に使用する内型枠の斜視図で、(b)は同じく他の内型枠の斜視図である。
【図13】この発明の実施例の他の内型枠で、(a)は平面、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【符号の説明】
1 踏板
2 中間踊り場
3 フロア踊り場
4 ささら桁(外側)
5 ささら桁(内側)
6 階段部材
7、8 掛止金具
10 階段構築予定位置
14 中間踊り場受架台
15 フロア踊り場受架台
16 第一昇降杆
17 第二昇降杆
18 ハンガー
19 ジャッキー
21、22 巻揚機
24、25 ハンガー
26、27、28 内型枠
30 外型枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基準階の階段設置位置の両側の中央部に夫々支持杆を垂直に取り外し可能に立設し、前記階段設置位置に設置された既設階段部材の踊り場上に前記支持杆を昇降できる昇降手段を取り外し可能に設置し、前記支持杆に階段部材の踊り場側を掛止するハンガーを取り外し可能に設置し、前記支持杆を次階階段部材の高さまで上昇し、前記両ハンガーに階段部材を架設仮着し、コンクリート打設予定階の躯体の構築に先行して少なくとも1階半分の階段を構築し、前記階段部材のささら桁及び踊り場端面に夫々内型枠を固定し、前記内型枠の外面側に所定間隔をおいて、鉄筋を配置し、前記内型枠に対応する外型枠を構築し、前記両型枠内にコンクリートを打設して順次所定階まで階段及び階段室を構築することを特徴とした階段と階段室の構築方法。
【請求項2】 回転手段の軸にピニオンを取り付けて昇降手段を構成し、前記ピニオンと咬合うラックを両支持杆の表面に取り付けた請求項1記載の階段と階段室の構築方法。
【請求項3】 所定の方法によりコンクリート打設予定階の躯体の構築に先行して少なくとも1階半分だけ階段部材を構築し、前記階段部材のささら桁及び踊り場端面に夫々内型枠を固定し、前記内型枠の外面側に所定間隔をおいて、鉄筋を配置し、前記内型枠に対応する外型枠を構築し、前記内外両型枠内にコンクリートを打設して、順次所定階まで階段及び階段室を構築することを特徴とした階段と階段室の構築方法。
【請求項4】 階段部材のささら桁の外面に階段室用の内型枠を掛止できる掛止金具を予め固定した階段部材を構築し、前記掛止金具に内型枠の上下両端を掛止固定した請求項1又は3記載の階段と階段室の構築方法。
【請求項5】 基準階上の階段設置位置の中間踊り場側及びフロア踊り場側に所定高さの受架台を夫々設置して、前記各受架台上に階段の半階分を構成する階段部材を1階半分架設設置し、既設階段部材とする。中間踊り場側中央部に第一支持杆を垂直方向に昇降自在に設置すると共に、該第一支持杆の昇降手段を前記既設階段部材の中間踊り場上に設置する。フロア踊り場中央部に垂直方向に第二支持杆を昇降自在に設置すると共に、該第二支持杆の昇降手段を前記既設階段部材のフロア踊り場上に設置する。次に、(ア) 前記第一支持杆に次階用の階段部材の中間踊り場側を支持するハンガーを仮着し、前記第二支持杆に次階用の階段部材のフロア踊り場を支持するハンガーを夫々仮着する。
(イ) 前記両ハンガーが次階の階段部材設置高さに至るまで両支持杆を上昇させる。次に両ハンガーにジャッキーを取り付け、該ジャッキーを既設階段部材の両踊り場上に夫々支持する。
(ウ) 次階用の階段部材の両端部を、前記受架台と前記ハンガーとに、あるいは両ハンガーとに夫々架設設置する。前記昇降手段を既設階段部材から取り外し、次階用の階段部材上に取り付ける。
(エ) 所定の型枠を構築し、1階分のコンクリートを打設し、階段部材の両端部をコンクリート内に埋設する。
(オ) コンクリートの固化後にハンガーと支持杆との連結を外す。
以下、(ア)乃至(オ)を繰り返して、所定階まで順次コンクリートを打設することを特徴とした階段の構築方法。
【請求項6】 回転手段の軸にピニオンを取り付けて昇降手段を構成し、前記ピニオンと咬合うラックを両支持杆の表面に取り付けた請求項5記載の階段の構築方法。
【請求項7】 外ささら桁の外側面に階段室形成用の内型枠を掛止できる掛止金具を固定し、該外ささら桁と内ささら桁との間に所定数の踏板の両端部を固定して形成したことを特徴とする階段部材。

【図1】
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【図2】
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【図8】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【図7】
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【図10】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開平6−93726
【公開日】平成6年(1994)4月5日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−269327
【出願日】平成4年(1992)9月11日
【出願人】(390010065)株式会社横森製作所 (11)