説明

障害物撤去装置

【課題】送配電用の設備およびその周辺における障害物の撤去作業にかかる作業負担の軽減を図ること。
【解決手段】障害物撤去装置100は、先端が内側に向かって鈎状に曲がった複数の棒体部材111と、複数の棒体部材111を外周側から覆う管形状をなし、複数の棒体部材111を先端側から露出させるように複数の棒体部材111の長手方向に沿ってスライド可能に設けられたカバー部材112と、複数の棒体部材111の長手方向に沿ってカバー部材112をスライドさせる操作部120と、複数の棒体部材111およびカバー部材112がなす把持部110と操作部120とを所定間隔以上離間させた状態で連結する柄部130と、を備え、複数の棒体部材111が、先端がカバー部材112から露出する状態において、当該先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開くように付勢されていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば腕金の周辺に営巣された鳥の巣など、送配電路における正常な送配電の障害となる障害物の撤去に際して用いる障害物撤去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラスなどの野鳥は、電柱に取り付けられた腕金の上など、送配電用の設備に営巣することがある。営巣によって作られた巣は、金属製のハンガーなど導電性を有する材料を含んでいることがあり、腕金や当該腕金が支持する電線、変圧器あるいは開閉器などにおける短絡事故を発生させる原因となりうる。このため、送配電用の設備に作られた巣は、発見次第、早急に撤去することが好ましい。
【0003】
送配電用の設備に作られた巣の撤去作業は、たとえば停電状態を極力発生させないためなどの理由から、電気が流れている状態の送配電線すなわち活線に対しておこなうことがある。このため、送配電用の設備に作られた巣の撤去作業は、各種の間接活線工具を用いて、送電線や配電線などの活線あるいは巣の近傍にある送配電用の設備などに作業者が直接触れることのないような状態でおこなっている。
【0004】
送配電用の設備に作られた巣の撤去作業に際しては、当該撤去作業によって落下物が発生することがある。このため、通行人や車両などの立ち入りを制限する立ち入り制限区域を設け、この立ち入り制限区域内で巣の撤去作業をおこなうことによって、落下物が地上の通行人や車両などに当たることを回避し、公衆安全を確保するようにしている。
【0005】
営巣主となる野鳥が、たとえばカラスなどのように或る程度大型の鳥である場合、直径が50cm程度の大型の巣が作られることがある。従来、大型の巣の撤去に際しては、撤去作業をおこなう作業者が高所作業車のバケットに乗り、ホットスティックなどの工具を使用して巣を小さく砕きながら撤去していた。
【0006】
また、従来、架線の補修箇所を保持するために使用されるスティックなどの活線作業用工具を、高所作業車のバケットなどの所定の作業箇所に、工具先端の向きおよびその移動が自在に調整できるように固定する活線作業用工具の固定装置があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−246705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、鳥の巣にはやわらかい木の枝、草、獣毛などの軽量な巣材が含まれていることがある。ホットスティックを使用して鳥の巣を撤去する上述した従来の技術では、撤去作業中に風などが吹いた場合や撤去対象とする巣を移動させた場合などに、鳥の巣に含まれる軽量な巣材が周囲に飛散してしまうという問題があった。
【0009】
また、上述した従来の技術では、巣を小さく砕きながら撤去していたため、軽量な巣材に限らず、巣材が周囲に飛散してしまうという問題があった。このため、飛散した巣材を回収する作業をおこなわなくてはならず、撤去した後の後片付けに時間がかかるという問題があった。特に、軽量な巣材を含む巣の撤去作業に際しては、飛散する範囲が広くなるため、撤去した後の後片付けに一層時間がかかるという問題があった。
【0010】
また、上述した従来の技術では、巣を小さく砕くことによって巣材が周囲に飛散しやすくなるため、巣材が飛散しうると想定される範囲のすべてを立ち入り制限区域とする場合、特に、軽量な巣材を含む巣の撤去作業に際しては広範囲にわたって立ち入りを制限しなくてはならない。このために、公衆の日常生活に支障をきたしかねないという問題があった。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、送配電用の設備およびその周辺における障害物の撤去作業にかかる作業負担の軽減を図ることができる障害物撤去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる障害物撤去装置は、先端が内側に向かって鈎状に曲がった複数の棒体部材と、前記複数の棒体部材を外周側から覆う管形状をなし、前記複数の棒体部材を前記先端側から露出させるように前記複数の棒体部材の長手方向に沿ってスライド可能に設けられた筒状部材と、前記複数の棒体部材の長手方向に沿って前記筒状部材をスライドさせる操作部と、前記複数の棒体部材および前記筒状部材と前記操作部とを所定間隔以上離間させた状態で連結する柄部と、を備え、前記複数の棒体部材は、前記先端が前記筒状部材から露出する状態において、当該先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開くように付勢されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、操作部を操作して筒状部材をスライドさせることにより、撤去作業をおこなう作業者と撤去対象物との間に所定の間隔を確保した状態で、複数の棒体部材の長手方向に沿って筒状部材をスライドさせ、複数の棒体部材の先端を開閉することができる。そして、この発明によれば、先端が外周方向に開いた状態とされた複数の棒体部材の間に撤去対象物を捉え、その後、複数の棒体部材の先端を閉じることにより、複数の棒体部材によって撤去対象物を包み込むようにして捕捉することができる。
【0014】
これによって、撤去対象物を砕くなどして分割することなく、撤去対象物を一度に撤去することができるので、撤去対象物を砕きながら撤去する従来の撤去作業と比較して、撤去作業時間の短縮を図ることができる。また、撤去対象物を砕くなどして分割することなく、撤去対象物を一度に撤去することができるので、撤去対象物を砕きながら撤去する従来の撤去作業と比較して、撤去作業に際しての落下物を大幅に減らすことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0015】
また、この発明にかかる障害物撤去装置は、上記の発明において、前記複数の棒体部材111が、前記筒状部材から露出する露出量が多いほど、先端どうしが大きく外周方向に開くように付勢されていることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、撤去対象物の大きさに応じて、複数の棒体部材の筒状部材からの露出量を調整することによって、大きさの異なる様々な撤去対象物を複数の棒体部材111によって包み込むようにして捕捉することができる。
【0017】
これによって、たとえば電柱の上など足場の限られた場所に多くの工具を持ち込むことなく、撤去作業をおこなう作業者が身軽な状態で撤去作業をおこなうことができるので、撤去作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
【0018】
また、この発明にかかる障害物撤去装置は、上記の発明において、前記複数の棒体部材111が、当該複数の棒体部材を前記先端から露出させるように前記筒状部材が移動した場合に、自身の弾性によって前記先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開くように付勢されていることを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、複数の棒体部材の開閉を、簡易な構成によって実現することができる。これによって、たとえば電柱の上など足場の限られた場所に重量の大きい工具を持ち込むことなく、撤去作業をおこなう作業者が身軽な状態で撤去作業をおこなうことができるので、撤去作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
【0020】
また、この発明にかかる障害物撤去装置は、上記の発明において、前記操作部が、前記複数の棒体部材の長手方向に沿ってスライドする前記筒状部材の位置を所定の位置で固定するロック機構を備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、撤去対象物を包み込むようにして捕捉した状態を維持することができるので、撤去作業の途中で撤去対象物が複数の棒体部材から落下することを防止できる。これによって、撤去作業にかかる作業者が、作業の間中操作部を押さえておく必要がないので、作業者の負担軽減を図ることができる。
【0022】
また、この発明にかかる障害物撤去装置は、上記の発明において、前記柄部が、屈曲可能に設けられていることを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、撤去作業をおこなう作業者に対する撤去対象物の位置に応じて柄部を曲げることによって、極力足場が安定した位置で撤去作業をおこなうことができる。これによって、撤去作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
この発明にかかる障害物撤去装置によれば、撤去作業をおこなう作業者と撤去対象物との間に所定の間隔を確保した状態で、撤去対象物を包み込むようにして捕捉することができるので、送配電用の設備およびその周辺における障害物の撤去作業にかかる作業負担の軽減を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明にかかる実施の形態の障害物撤去装置を示す説明図(その1)である。
【図2】この発明にかかる実施の形態の障害物撤去装置を示す説明図(その2)である。
【図3】撤去対象物の一例を示す説明図(その1)である。
【図4】撤去対象物の一例を示す説明図(その2)である。
【図5】この実施の形態1の障害物撤去装置を用いた鳥の巣の撤去作業手順を示す説明図(その1)である。
【図6】この実施の形態1の障害物撤去装置を用いた鳥の巣の撤去作業手順を示す説明図(その2)である。
【図7】この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置(その1)を示す説明図である。
【図8−1】この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置(その2)を示す説明図である。
【図8−2】この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置(その3)を示す説明図である。
【図9】この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置(その4)を示す説明図である。
【図10】この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置を示す説明図(その1)である。
【図11】この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置を示す説明図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる障害物撤去装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0027】
(実施の形態1)
まず、この発明にかかる実施の形態1の障害物撤去装置について説明する。図1および図2は、この発明にかかる実施の形態1の障害物撤去装置を示す説明図である。図1においては、この発明にかかる実施の形態1の障害物撤去装置の保管あるいは運搬時の形態を示している。図2においては、この発明にかかる実施の形態1の障害物撤去装置の使用時の形態を示している。
【0028】
図1および図2において、この発明にかかる実施の形態1の障害物撤去装置100は、把持部110と操作部120とを備えている。把持部110と操作部120とは、柄部130を介して連結されている。把持部110は、束ねられた複数本の棒体部材111と、束ねられた状態の棒体部材111を、外側から覆うカバー部材112とを備えている。複数の棒体部材111およびカバー部材112は、導電性が低く、絶縁性の高い材料を用いて形成されていることが好ましい。
【0029】
複数本の棒体部材111は、それぞれ、先端が内側に向かって鈎状に曲がった棒形状をなしており、当該先端から操作部120側に所定距離離間した位置において1つに束ねられている。複数本の棒体部材111は、それぞれ、所定の柔軟性および弾性を有する材料によって形成されている。
【0030】
カバー部材112は、両端が開口した管形状をなし、一端側の開口を外部に対して開放した状態で、複数の棒体部材111を外周側から覆うように設けられている。カバー部材112は、一端側の開口を介して、複数の棒体部材111を、各棒体部材111の先端側から露出させるように、複数の棒体部材111の長手方向に沿ってスライド可能に設けられている。この実施の形態においては、カバー部材112によって筒状部材を実現することができる。
【0031】
柄部130は、棒形状をなし、一端が、複数の棒体部材111における鈎状に曲がった先端とは反対側の端部に連結されている。柄部130の他端は、操作部120に連結されている。これにより、把持部110と操作部120とが、柄部130を介して連結されている。柄部130は、複数の棒体部材111とともに、カバー部材112の内側に設けられている。カバー部材112は、柄部130の軸心方向に沿って、柄部130に対して相対的に移動可能とされている。
【0032】
操作部120は、柄部130の一端に設けられ、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122とを備えている。第1のグリップ部材121には、柄部130の一端が固定されている。第2のグリップ部材122は、略円筒形状あるいは管形状をなし、柄部130の外周側に設けられている。すなわち、柄部130は、第2のグリップ部材122の内側に設けられている。
【0033】
第2のグリップ部材122は、柄部130の軸心方向に沿って、柄部130に対して相対的に移動可能とされている。これにより、第2のグリップ部材122は、第1のグリップ部材121に対して接離する方向に移動可能とされている。第2のグリップ部材122において、第1のグリップ部材121とは反対側には、カバー部材112の一端が取り付けられている。これにより、第2のグリップ部材122およびカバー部材112は、柄部130の軸心方向に沿って一体的に移動する。
【0034】
第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との間には、バネ123が設けられている。バネ123は、コイル形状をなす圧縮スプリングであって、外力が加えられていない状態において伸長した状態となり、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122とを離間させる。また、バネ123は、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122とを近接させる方向に外力が加えられた場合に圧縮状態となり、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との距離を近づける。
【0035】
また、操作部120は、ロック機構124を備えている。ロック機構124は、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係を固定する。ロック機構124は、たとえば柄部130に突起124aを設けるとともに当該突起124aに係合するロック用の係合孔124bを第2のグリップ部材122に設け、ロック用の係合孔124bに突起124aを係合させることによって、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係を固定する構成とすることができる。
【0036】
具体的には、たとえばロック機構124における突起124aは、柄部130の半径方向に突出させる。突起124aの長さは、柄部130の外周面から突出した突起124aの先端が、第2のグリップ部材122に設けられた係合孔124bに係合することが可能な長さとされている。また、具体的には、たとえばロック機構124における係合孔124bは、柄部130の軸心方向に平行な直進孔124baと、当該直進孔124baから第2のグリップ部材122の外周方向に沿って分岐した位置決め孔124bbと、からなる。
【0037】
第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との距離を近づけたり離間させたりする場合は、突起124aを直進孔124baに沿って移動させる。そして、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係を固定したい位置で、柄部130に対して第2のグリップ部材122およびカバー部材112を回転させ、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係を固定したい位置にある位置決め孔124bbに突起124aを係合させる。
【0038】
このように、位置決め孔124bbに突起124aを係合させることにより、軸心方向における突起124aの移動が制限され、柄部130に対する第2のグリップ部材122の位置が定められる。柄部130は、第1のグリップ部材121に固定されているため、柄部130に対する第2のグリップ部材122の位置を定めることによって、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係を固定することができる。
【0039】
第2のグリップ部材122およびカバー部材112は、突起124aが、位置決め孔124bbにおける直進孔124baとは反対側の端部(先端部)に当接するまで回転させる。これにより、たとえば障害物撤去装置100の使用中に、第1のグリップ部材121すなわち柄部130に対して第2のグリップ部材122が回転するような外力が加わった場合にも、位置決め孔124bbに対する突起124aの係合状態を維持することができる。これによって、位置決め孔124bbに係合した突起124aが直進孔124baに移動することによって、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係がずれてしまうことを防止することができる。
【0040】
この実施の形態1において、位置決め孔124bbは、直進孔124baとは反対側において、第1のグリップ部材121側に屈曲した形状とされている。これにより、たとえば障害物撤去装置100の使用中に、第1のグリップ部材121すなわち柄部130に対して第2のグリップ部材122が回転するような外力が加わった場合にも、位置決め孔124bbに対する突起124aの係合状態を確実に維持することができる。これによって、位置決め孔124bbに係合した突起124aが直進孔124baに移動することによって、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係がずれてしまうことを確実に防止することができる。
【0041】
把持部110における複数の棒体部材111は、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122とが離間した状態においてカバー部材112の内側に収容される。また、複数の棒体部材111は、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122とが近づいた状態においてはカバー部材112の端面よりも第1のグリップ部材121から離反する方向に突出した状態となる。
【0042】
複数の棒体部材111は、当該複数の棒体部材111を先端から露出させるようにカバー部材112が移動した場合に、自身の弾性によって先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開くように付勢されている。複数の棒体部材111は、カバー部材112から露出する露出量が多いほど、先端どうしが大きく外周方向に開くように付勢されている。カバー部材112は第2のグリップ部材122に連結されているため、カバー部材112から露出する複数の棒体部材111の露出量は、第1のグリップ部材121に対する第2のグリップ部材122の位置に応じて調整することができる。
【0043】
複数の棒体部材111は、カバー部材112の端面よりも第1のグリップ部材121から離反する方向に突出した状態では、カバー部材112の端面よりも第1のグリップ部材121から離反する方向に突出した部分(以下、適宜「先端部」という)が、複数の棒体部材111を形成する材料が有する弾性によって先端部どうしが離間するように広がる。複数の棒体部材111の先端部が広がる大きさは、カバー部材112の端面から複数の棒体部材111が突出する量(長さ)を調整することによって調整することができる。
【0044】
カバー部材112の端面から複数の棒体部材111が突出する量(長さ)は、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係を調整することによって調整することができる。第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122とが離間するほど、カバー部材112の端面から複数の棒体部材111が突出する量(長さ)は少なく(短く)なる。第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122とが近づくほど、カバー部材112の端面から複数の棒体部材111が突出する量(長さ)は多く(長く)なる。
【0045】
カバー部材112の端面から複数の棒体部材111が突出する量(長さ)は、たとえば撤去対象とする鳥の巣(図4を参照)の大きさによって調整する。撤去対象とする鳥の巣が大きい場合、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122とを近づけ、カバー部材112の端面から複数の棒体部材111が突出する量(長さ)を多く(長く)する。
【0046】
(撤去対象物の一例)
図3および図4は、撤去対象物の一例を示す説明図である。図3および図4においては撤去対象物の一例として鳥の巣を示している。図3においては、電柱の腕金部分に営巣された鳥の巣およびその周囲の状況を示している。図4においては、営巣された鳥の巣を示している。
【0047】
図3および図4において、電柱301の腕金302部分に営巣された鳥の巣303は、地上から数メートル以上の高さに営巣されている。電柱301は、たとえば11メートル、12メートル、13メートル、14メートル、15メートル、16メートルなどのように、10メートル以上の高さがある。図3に示した腕金302は電柱301の頂部に設けられているため、電柱301の高さが10メートル以上ある場合、鳥の巣303は10メートル以上の高さに営巣されていることになる。
【0048】
電柱301におけるもっとも高い位置に架線されている電線304は、高圧電線であるため、鳥の巣303の巣材に導電性を有する部材が混ざっていたり、鳥の巣303自体が雨に濡れるなどして導電性を持っている場合、鳥の巣303を原因として短絡や地絡が発生することが危惧される。このため、電柱301の腕金302部分に営巣された鳥の巣303は、発見次第、早急に撤去することが好ましい。
【0049】
(撤去作業手順)
つぎに、この実施の形態1の障害物撤去装置100を用いた鳥の巣303の撤去作業手順について説明する。図5および図6は、この実施の形態1の障害物撤去装置100を用いた鳥の巣303の撤去作業手順を示す説明図である。
【0050】
図5および図6において、この実施の形態1の障害物撤去装置100を用いた鳥の巣303の撤去作業に際して、まず、撤去作業をおこなう作業者は、電柱301など、営巣されている建造物に上り、障害物撤去装置100が撤去対象とする鳥の巣303に届く位置まで移動する。
【0051】
つぎに、複数の棒体部材111の先端を鳥の巣303に近づけ、この状態で第2のグリップ部材122を第1のグリップ部材121側に移動させる。これにより、複数の棒体部材111がカバー部材112から露出し、複数の棒体部材111自身の弾性によって付勢されて、複数の棒体部材111の先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開く。
【0052】
このとき、ロック機構124におけるロック用の係合孔124bに、柄部130に設けられた突起124aを係合させることにより、第2のグリップ部材122が第1のグリップ部材121に近づいた状態すなわち複数の棒体部材111の先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開いた状態で、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係を固定することができる。
【0053】
撤去作業をおこなう作業者は、複数の棒体部材111の先端が外周方向に開いた状態で、当該複数の棒体部材111を鳥の巣303に押しつけるように、障害物撤去装置100を動かす。これにより、先端が外周方向に開いた状態とされた複数の棒体部材111の間に撤去対象物を捉えることができる。
【0054】
その後、複数の棒体部材111の先端を閉じるように、柄部130に対してカバー部材112をスライドさせる。第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との間にはバネ123が設けられているため、ロック機構124におけるロック用の係合孔124bと柄部130に設けられた突起124aとの係合を解除することにより、バネ123の弾性によって、カバー部材112を複数の棒体部材111の先端を閉じる方向にスライドさせることができる。
【0055】
複数の棒体部材111の間に撤去対象物を捉えた状態で、複数の棒体部材111の先端を閉じることにより、複数の棒体部材111によって撤去対象物を包み込むようにして捕捉することができる。このとき、複数の棒体部材111は、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との間に設けられたバネ123の弾性力によって、閉じる方向に付勢されている。これによって、複数の棒体部材111によって撤去対象物を安定して包み込むことができる。
【0056】
さらに、複数の棒体部材111によって撤去対象物を包み込むようにして捕捉した状態において、ロック機構124におけるロック用の係合孔124bのうち、複数の棒体部材111に近い側に設けられた係合孔124bに柄部130に設けられた突起124aを係合させることにより、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との位置関係を固定し、複数の棒体部材111によって撤去対象物である鳥の巣303を確実に包み込むことができる。
【0057】
営巣主となる野鳥が、たとえばカラスなどのように或る程度大型の鳥である場合、直径が50cm程度の大型の巣が作られることがある。このような大型の巣は重量が大きいため、端の方の一部分をつかんだ状態では撤去する際の安定性に劣る。また、撤去作業をおこなう足場が狭く、作業者は不安定な足場で作業をおこなっていることもあり、ホットスティックなどの長い工具で鳥の巣303の端部をつかんだだけではバランスが悪い。
【0058】
この実施の形態1の障害物撤去装置100は、棒体部材111の先端から第1のグリップ部材121の端部までの長さが、160cm程度であることが好ましい。これによって、作業に支障をきたすことなく、作業者から離れた位置に営巣された鳥の巣303を撤去することができる。
【0059】
鳥の巣303全体を当該鳥の巣303の外側から覆うようにして捕捉し、捕捉した状態をロック機構124によって固定することができる。そして、複数の棒体部材111によって撤去対象物を包み込んだ状態で、障害物撤去装置100を移動させることによって、電柱301の腕金302など、営巣されている建造物から鳥の巣303を撤去することができる。これによって、撤去作業の途中で鳥の巣303を落下させてしまうことなく、撤去作業を安全におこなうことができる。
【0060】
以上説明したように、この実施の形態1の障害物撤去装置100は、先端が内側に向かって鈎状に曲がった複数の棒体部材111と、複数の棒体部材111を外周側から覆う管形状をなし、複数の棒体部材111を先端側から露出させるように複数の棒体部材111の長手方向に沿ってスライド可能に設けられたカバー部材112と、複数の棒体部材111の長手方向に沿ってカバー部材112をスライドさせる操作部120と、複数の棒体部材111およびカバー部材112がなす把持部110と操作部120とを所定間隔以上離間させた状態で連結する柄部130と、を備え、複数の棒体部材111が、先端がカバー部材112から露出する状態において、当該先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開くように付勢されていることを特徴としている。
【0061】
この実施の形態1の障害物撤去装置100によれば、操作部120を操作してカバー部材112をスライドさせることにより、撤去作業をおこなう作業者と撤去対象物との間に所定の間隔を確保した状態で、複数の棒体部材111の長手方向に沿ってカバー部材112をスライドさせ、複数の棒体部材111の先端を開閉することができる。そして、この実施の形態1の障害物撤去装置100によれば、先端が外周方向に開いた状態とされた複数の棒体部材111の間に撤去対象物を捉え、その後、複数の棒体部材111の先端を閉じることにより、複数の棒体部材111によって撤去対象物を包み込むようにして捕捉することができる。
【0062】
これによって、撤去対象物である鳥の巣303を砕くなどして分割することなく、鳥の巣303を一度に撤去することができる。これにより、鳥の巣303を砕きながら撤去する従来の撤去作業と比較して、撤去作業時間の短縮を図ることができる。また、鳥の巣303を砕くなどして分割することなく、当該鳥の巣303を一度に撤去することができるので、鳥の巣303を砕きながら撤去する従来の撤去作業と比較して、撤去作業に際しての落下物を大幅に減らすことができ、安全性の向上を図ることができる。
【0063】
また、撤去対象物である鳥の巣303を砕くなどして分割することなく、鳥の巣303を一度に撤去することができるので、従来、巣を小さく砕くことによって拡大する傾向にあった巣材の飛散を抑制するとともに、飛散する範囲を小さくすることができる。これによって、鳥の巣303の撤去作業のために立ち入りを制限する範囲を小さくすることができ、公衆の日常生活への影響を極力抑えることができる。
【0064】
また、この実施の形態1の障害物撤去装置100は、複数の棒体部材111が、カバー部材112から露出する露出量が多いほど、先端どうしが大きく外周方向に開くように付勢されていることを特徴としている。この実施の形態1の障害物撤去装置100によれば、撤去対象物の大きさに応じて、複数の鈎部材のカバー部材112からの露出量を調整することによって、大きさの異なる様々な撤去対象物を確実に包み込んで捕捉することができる。
【0065】
これによって、たとえば電柱301の上など足場の限られた場所に多くの工具を持ち込むことなく、撤去作業をおこなう作業者が身軽な状態で撤去作業をおこなうことができるので、撤去作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
【0066】
また、この実施の形態1の障害物撤去装置100は、複数の棒体部材111が、当該複数の棒体部材111を先端から露出させるようにカバー部材112が移動した場合に、自身の弾性によって先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開くように付勢されていることを特徴としている。この実施の形態1の障害物撤去装置100によれば、複数の棒体部材111の開閉を、簡易な構成によって実現することができる。
【0067】
これによって、たとえば電柱301の上など足場の限られた場所に重量の大きい工具を持ち込むことなく、撤去作業をおこなう作業者が身軽な状態で撤去作業をおこなうことができるので、撤去作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
【0068】
また、この実施の形態1の障害物撤去装置100は、操作部120が、複数の棒体部材111の長手方向に沿ってスライドするカバー部材112の位置を所定の位置で固定するロック機構124を備えたことを特徴としている。この実施の形態1の障害物撤去装置100によれば、鳥の巣303を包み込むようにして捕捉した状態を維持することができるので、撤去作業の途中で鳥の巣303が把持部110から落下することを防止できる。これによって、撤去作業にかかる作業者が、作業の間中、操作部120を押さえておく必要がないので、作業者の負担軽減を図ることができる。
【0069】
(実施の形態2)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置について説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分については同一符号で示し、説明を省略する。
【0070】
図7、図8−1、図8−2および図9は、この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置を示す説明図である。図7においては、この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置の保管あるいは運搬時の形態を示している。図8−1および図8−2においては、この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置の一部を示している。図9においては、この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置の一部の断面を示している。
【0071】
図7、図8−1、図8−2および図9において、この発明にかかる実施の形態2の障害物撤去装置700における柄部130は、屈曲可能な構成とされている。柄部130を屈曲させることにより、第1のグリップ部材121と第2のグリップ部材122との配列方向に対する、把持部110の角度を調整することができる。柄部130は、柄部130を屈曲可能とする関節部710を備えている。
【0072】
関節部710は、柄部130を構成する2つの管状部材701、702の間に設けられている。関節部710は、2つの管状部材801、802の間に設けられた突起803付きのベアリング(コア抜き)804を備えている。
【0073】
2つの管状部材801、802において、ベアリング804に対向する位置には、受け皿部材801a、802aが設けられている。受け皿部材801a、802aは、ベアリング804の表面形状に沿って、受け皿部材801a、802aの間にベアリング804を挟み込むようにして保持可能に湾曲している。
【0074】
受け皿部材801a、802aには、それぞれ、ベアリング804が備える突起803が嵌り込む凹部805が設けられている。関節部710は、2つの管状部材801、802に設けられた凹部805に対して、ベアリング804における突起が嵌り込む状態を変えることによって柄部130の角度を変えることができる。
【0075】
ベアリング804の中央には、2つの管状部材801、802の対向方向に沿って貫通する孔806が設けられている。柄部130は、ベアリング804の中央に設けられた孔806を介して、2つの管状部材801、802の内側に位置づけられている。関節部710において、管状部材801、802およびベアリング804は、柄部130によって連結されている。
【0076】
これによって、管状部材801、802およびベアリング804をそれぞれ別体で構成した場合にも、管状部材801、802およびベアリング804が分解してしまうことを防止することができる。なお、ベアリング804は、2つの管状部材701、702のいずれか一方に固定されていてもよい。
【0077】
なお、柄部130に代えて、ベアリング804の中央に設けられた孔806を介して、2つの管状部材801、802の内側に複数の棒体部材111を位置づけるようにしてもよい。この場合、関節部710において、管状部材801、802およびベアリング804は、複数の棒体部材111によって連結されることとなる。
【0078】
2つの管状部材801、802のうち、棒体部材111の先端側に位置する管状部材802の先端部には、複数の棒体部材111がそれぞれ貫通する複数の孔901が設けられている。複数の棒体部材111のそれぞれを、複数の孔901のそれぞれに個別に貫通させることによって、カバー部材112から突出した複数の棒体部材111が均等に開くようにすることができる。
【0079】
このような構成において、鳥の巣303の撤去作業に際しては、2つの管状部材801、802に設けられた凹部805に対して、ベアリング804における突起803が嵌り込む状態を調整する。これによって、柄部130の角度を、撤去作業をおこなう作業者の任意の角度に調整することができる。
【0080】
柄部130の角度を調整した後は、柄部130を屈曲させた状態で、上述した実施の形態1と同様にして複数の棒体部材111の先端を鳥の巣303に近づけ、この状態で第2のグリップ部材122と第1のグリップ部材121とを近づける。このとき、第2のグリップ部材122に対して第1のグリップ部材121を押しつけるようにすることで、複数の棒体部材111をカバー部材112の先端から押し出すようにして露出させることができる。
【0081】
カバー部材112の外に露出した複数の棒体部材111は、それぞれ複数の棒体部材111自身の弾性によって付勢されて、複数の棒体部材111の先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開く。
【0082】
以上説明したように、この実施の形態2の障害物撤去装置700は、柄部130が、屈曲可能に設けられていることを特徴としている。この実施の形態2の障害物撤去装置700によれば、撤去作業をおこなう作業者に対する鳥の巣303の位置に応じて柄部130を曲げることによって、極力足場が安定した位置で撤去作業をおこなうことができる。これによって、撤去作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
【0083】
また、撤去作業をおこなう作業者に対する鳥の巣303の位置に応じて柄部130を曲げることによって、鳥の巣303に対する作業者の作業位置を限定することがないので、作業者は、足場が確保でき、安全で自身が作業しやすい場所において撤去作業をおこなうことができる。
【0084】
これによって、撤去作業に際しての作業性の向上を図り、撤去作業にかかる作業時間の短縮を図ることができる。そして、作業性の向上および作業時間の短縮を図ることによって、送配電用の設備およびその周辺における鳥の巣303の撤去作業にかかる作業負担の軽減を図ることができる。
【0085】
(実施の形態3)
つぎに、この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置について説明する。実施の形態3においては、上述した実施の形態1および実施の形態2と同一部分については同一符号で示し、説明を省略する。
【0086】
図10および図11は、この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置を示す説明図である。図10においては、この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置の一態様を示している。図11においては、この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置の別の一態様を示している。
【0087】
図10および図11において、この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置1000は、上述した実施の形態1と比較して、柄部130およびカバー部材112を形成する材料が異なっている。この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置1000における柄部130は、カバー部材112の内側において屈曲可能な柔軟性を備えた材料を用いて形成されている。
【0088】
柄部130は、当該柄部130を屈曲させる外力が加えられた場合に屈曲し、一旦屈曲した場合は、その後外力から解放された場合にも屈曲した形状を維持できるように、所定の硬さを有する材料を用いて形成されている。
【0089】
また、この発明にかかる実施の形態3の障害物撤去装置1000におけるカバー部材112は、屈曲した柄部130に沿って変形可能とされている。具体的には、カバー部材112は、たとえばゴムホースのようにそれ自体が柔軟性を有する材料を管状に成型することによって形成することができる。カバー部材112は、絶縁性に優れた材料を用いて形成されていることが好ましい。
【0090】
カバー部材112は、当該カバー部材112を形成する材料が有する弾性によって屈曲するものに限らない。たとえば柄部130の長手方向を伸縮方向とする蛇腹形状をなす管状部材によってカバー部材を実現してもよい。これによっても、カバー部材112を、屈曲した柄部130に沿って変形させることができる。
【0091】
このような障害物撤去装置1000を用いての、鳥の巣303などの障害物を撤去する撤去作業に際しては、作業者は、まず、電柱301の上などの作業位置から鳥の巣303の捕捉に適した角度に柄部130を屈曲させる。そして、柄部130を屈曲させた状態で、複数の棒体部材111の先端を鳥の巣303に近づけ、この状態で第2のグリップ部材122を第1のグリップ部材121側に移動させる。
【0092】
このとき、カバー部材112は、柄部130の形状に沿って屈曲位置を変えながら、第2のグリップ部材122とともに、第1のグリップ部材121側へ移動する。これにより、複数の棒体部材111がカバー部材112から露出し、複数の棒体部材111自身の弾性によって付勢されて、複数の棒体部材111の先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開く。
【0093】
以上説明したように、この実施の形態3の障害物撤去装置1000は、柄部130が、屈曲可能に設けられていることを特徴としている。この実施の形態3の障害物撤去装置1000によれば、撤去作業をおこなう作業者に対する鳥の巣303の位置に応じて柄部130を曲げることによって、極力足場が安定した位置で撤去作業をおこなうことができる。これによって、撤去作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
【0094】
また、撤去作業をおこなう作業者に対する鳥の巣303の位置に応じて柄部130を曲げることによって、鳥の巣303に対する作業者の作業位置を限定することがないので、作業者は、足場が確保でき、安全で自身が作業しやすい場所において撤去作業をおこなうことができる。
【0095】
これによって、撤去作業に際しての作業性の向上を図り、撤去作業にかかる作業時間の短縮を図ることができる。そして、作業性の向上および作業時間の短縮を図ることによって、送配電用の設備およびその周辺における鳥の巣303の撤去作業にかかる作業負担の軽減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上のように、この発明にかかる障害物撤去装置は、送配電路における正常な送配電の障害となる障害物の撤去に際して用いる障害物撤去装置に有用であり、特に、送配電用の設備およびその近傍に営巣された鳥の巣の撤去に際して用いる障害物撤去装置に適している。
【符号の説明】
【0097】
100 障害物撤去装置
111 棒体部材
120 操作部
130 柄部
700 障害物撤去装置
1000 障害物撤去装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が内側に向かって鈎状に曲がった複数の棒体部材と、
前記複数の棒体部材を外周側から覆う管形状をなし、前記複数の棒体部材を前記先端側から露出させるように前記複数の棒体部材の長手方向に沿ってスライド可能に設けられた筒状部材と、
前記複数の棒体部材の長手方向に沿って前記筒状部材をスライドさせる操作部と、
前記複数の棒体部材および前記筒状部材と前記操作部とを所定間隔以上離間させた状態で連結する柄部と、
を備え、
前記複数の棒体部材は、前記先端が前記筒状部材から露出する状態において、当該先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開くように付勢されていることを特徴とする障害物撤去装置。
【請求項2】
前記複数の棒体部材は、前記筒状部材から露出する露出量が多いほど、先端どうしが大きく外周方向に開くように付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の障害物撤去装置。
【請求項3】
前記複数の棒体部材は、当該複数の棒体部材を前記先端から露出させるように前記筒状部材が移動した場合に、自身の弾性によって前記先端どうしがそれぞれ離反して外周方向に開くように付勢されていることを特徴とする請求項1または2に記載の障害物撤去装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記複数の棒体部材の長手方向に沿ってスライドする前記筒状部材の位置を所定の位置で固定するロック機構を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の障害物撤去装置。
【請求項5】
前記柄部は、屈曲可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の障害物撤去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−252750(P2010−252750A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109325(P2009−109325)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】