集中記帳管理システム、集中記帳管理方法及び集中記帳管理プログラム
【課題】約定返済金の引落処理を、業務負担を軽減しながら効率的かつ確実に実行するための集中記帳管理システム、集中記帳管理方法及び集中記帳管理プログラムを提供する。
【解決手段】集中記帳管理システム20の制御部21は、取引先コード、貸出科目コードが共通しているレコードに対して枝番号割振処理を実行する。過去の引き落としにおいて延滞がある場合には、制御部21は、枝番号の付与は行なわない。一方、延滞がない場合には、制御部21は、取引先/貸出科目/案件/貸出が一致しているかどうかを確認し、一致している場合には、先行レコードに付与した枝番号と同じ枝番号を付与する。一方、一致していない場合には、制御部21は、新たな枝番号を枝番号割振対象レコードに割り振る。そして、この枝番号を付加した古月当月制御コードを含む引落明細レコードを預金管理システム10に供給する。
【解決手段】集中記帳管理システム20の制御部21は、取引先コード、貸出科目コードが共通しているレコードに対して枝番号割振処理を実行する。過去の引き落としにおいて延滞がある場合には、制御部21は、枝番号の付与は行なわない。一方、延滞がない場合には、制御部21は、取引先/貸出科目/案件/貸出が一致しているかどうかを確認し、一致している場合には、先行レコードに付与した枝番号と同じ枝番号を付与する。一方、一致していない場合には、制御部21は、新たな枝番号を枝番号割振対象レコードに割り振る。そして、この枝番号を付加した古月当月制御コードを含む引落明細レコードを預金管理システム10に供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関での預金口座等を用いて融資の約定返済を行なうための集中記帳管理システム及び集中記帳管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
融資の約定返済は、約定支払日に所定の口座からの引落処理により実行されることが多い。このような返済対象には、アドオンローンの元金・利息の回収、残債ローンの元金・利息の回収、証書貸付・特別当座貸越の元金・利息の回収、金利変更調整利息の回収・戻し、手形割引実行に伴う取立手数料の回収、手形貸付の元金・利息の回収、金利変更調整利息の回収・戻し、保証解除保証料の回収金利変更調整保証料の回収・戻し等がある。
【0003】
このような引落処理は、一括して引き落としを行なう集中記帳により行なわれている(例えば、特許文献1を参照。)。集中記帳処理を行なう場合、処理すべき引落明細レコードを集中記帳データファイルに集積しておき、定時に預金口座の残高に基づいて口座ファイルの更新を行なう。このような集中記帳では、現金自動預払機等やオンラインシステムが停止し、口座残高が確定した後に、預金管理システムにおいてバッチ処理で実行されている。例えば、約定支払日の前夜から翌朝までの時間を利用して、口座からの引落処理(約定日前日の夜間集中記帳処理)を行なう。そして、この集中記帳において引き落としができなかった場合、約定日の日中や当日夜間の集中記帳処理により、再度、引き落としが行なわれる(例えば、特許文献2を参照。)。
【0004】
この集中記帳処理において、同一日に同一預金口座から複数の引き落としが行なわれることがある。ここで、残高不足のために処理不能となる引落明細レコードが発生した場合、それ以降に処理される同一取引先・貸出科目の貸出の引落明細レコードも無条件で一律に処理不能とする古月当月制御が行なわれている。
【0005】
ここで、古月当月制御とは、同一口座から同一契約に関する古月分、当月分の引き落としを行なう場合、古月分の引き落としを優先する制御である。具体的には、古月分の引き落としが処理不能となった場合に当月分も処理不能とする。融資の集中記帳処理については、取引先コード及び貸出科目コードが同じ貸出を同一契約(一つのグループ)として扱っており、約定返済日、貸出コード(番号)の順に小さいものを古月、大きいものを当月としている。
【0006】
このような古月当月制御を、図6〜8を用いて説明する。このような回収はローンマネジメントファイル(LMF)220を用いて行なわれる。このローンマネジメントファイル220は、図6に示すように、取引先ファイル221、案件ファイル222、貸出ファイル223、返済ファイル224が階層化されて構成される。
【0007】
この取引先ファイル221は、取引先毎に取引先に関する情報を格納したデータファイルである。取引先ファイル221を構成する各レコードには、図7に示すように、引落口座を特定するための情報(金融機関の本支店コード、口座科目コード、口座番号)及び取引先コードを記録するフィールドが設けられている。
【0008】
また、案件ファイル222は、この取引先に対して貸し付けられた案件を管理するためのデータファイルである。案件ファイル222を構成する各レコードでは、図7に示すように、取引先コードと、貸出科目コード及び案件コードとが関連付けられたフィールドが設けられている。例えば、貸出科目コードフィールドには、残債ローン、証書貸付(証貸
)、手形貸付(手貸)等の貸付の種別を特定するためのコードが記録される。案件コードフィールドには、各貸出科目に対して提供された案件を特定するためのコードが記録される。例えば、一案件に関して与信枠(限度:1000万円)の証貸が設定される。
【0009】
貸出ファイル223は、この取引先に対する案件について、各貸出を管理するためのデータファイルである。貸出ファイル223を構成する各レコードには、図7に示すように、取引先コード、貸出科目コード及び案件コード毎に貸出コードが関連付けられている。例えば、与信枠(限度:1000万円)の中で、複数の貸出が行なわれる場合があり、貸出ファイル223は貸出毎に管理される。この貸出ファイル223には、約定返済日や返済額に関するデータが関連付けられたフィールドが設けられている。この約定返済日フィールドには、「毎月末」や「毎月25日」等の様に返済を行なう予定日に関するデータが記録される。
【0010】
返済ファイル224は、各貸出について、約定返済日が到来した貸付の返済を行なうためのデータファイルである。この返済ファイル224を構成する各レコードには、図7に示すように、到来した返済日や返済のための処理結果に関するデータが記録されるフィールドが設けられている。
【0011】
そして、このローンマネジメントファイル220を用いて引落明細レコード300が生成される。この場合、古月当月制御を行なうために、引落明細レコード300の備考フィールドには、取引先コードと貸出科目コードとから生成された古月当月制御コード(グループ識別子)が記録される。そして、古月当月制御コードはグループ識別子として機能する。そして、古月当月制御コードが共通する引落明細レコードについて、最も古いレコードが引落不能になった場合、それに続く引落明細レコードの引落処理を中止する。
【0012】
例えば、図9には、2月26日夜間集中記帳において既延滞がない場合の約定回収の事例を示す。この事例では、貸出科目として「残債ローン」や「証貸」があり、それぞれ案件として「1」、「2」がある場合を想定する。そして、過去の引落明細レコード500については「済」になっており延滞がない場合を示している。この場合には、今回の引落明細レコード(501〜504)において、取引先コードと貸出科目コードによって一つのグループが形成される。従って、残債ローンに関しては、引落明細レコード501,502の備考フィールドに同値が記録されることにより一つのグループを形成し、この順番に処理される。また、証貸に関しては、引落明細レコード503,504の備考フィールドに同値が記録されることにより一つのグループを形成し、この順番に処理される。すなわち、先行の引落明細レコード501,503が引き落とし可能な場合のみ、後続の引落明細レコード502,504の引き落としが可能になる。
【0013】
図10には、2月26日夜間集中記帳において既延滞がある場合の約定回収の事例を示す。同一貸出科目内に既延滞のない約定回収は預金残高があれば回収して「処理済」となり、預金残高がなければ処理不能となる。また、処理不能となった約定回収がある場合、古月当月制御により、同一貸出科目内では、その約定回収以降に処理される約定回収も同一エラー理由で処理不能となる。
【0014】
図10に示す事例では、過去の引落明細レコード510については「済」になっている一方で、引落明細レコード511については「未済」になっており延滞が発生している。この引落明細レコード511の備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード512,513(「残債ローン」のグループ)は、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して古月当月制御を行なわず処理不能にする。このようなエラー理由が付与された引落明細レコードは引落処理が行われない。証貸に関しては延滞がないため、上述のように引落明細レコード514,515の順番に処理される。
【0015】
図11には、2月26日夜間集中記帳において延滞となった引落明細レコードの再引落の事例を示す。延滞再引き落としは預金残高があれば回収して「処理済」となり、預金残高がなければ処理不能となる。また、処理不能となった延滞再引き落としがある場合、古月当月制御により、同一貸出科目内ではその延滞再引き落とし以降に処理される延滞再引き落としも同一エラー理由で処理不能となる。また、同一貸出科目内に既延滞(延滞再引き落とし)がある約定回収は、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して処理不能にする。
【0016】
図11に示す事例では、過去の引落明細レコード520については「済」になっている一方で、引落明細レコード521〜526については「未済」になっており延滞が発生している。引落明細レコード521が処理不能の場合には、この引落明細レコード521の備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード522も同一エラー理由で処理不能となる。
【0017】
引落明細レコード523が処理不能の場合には、この引落明細レコード523の備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード524も同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード523又は引落明細レコード524が処理不能の場合には、備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード525も同一エラー理由で処理不能となる。同様に、引落明細レコード523〜525の少なくとも一つが処理不能の場合には、備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード526も、同一エラー理由で処理不能となる。
【0018】
一方、残債ローンに関しては延滞がないため、上述のように引落明細レコード527,528の順番に処理される。なお、引落明細レコード529,530については、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して処理不能にする。
【0019】
図12には、既延滞がない約定回収の場合であって、調整利息がある回収例を示す。ここでは、「払」については貸出科目内で古月当月制御を実施する。同一貸出科目内で「払」に連続する「入」かつ「払」が処理不能のときは「入」も処理不能となる。これ以外の「入」については処理済として処理される。
【0020】
図12に示す事例では、引落明細レコード551が処理不能の場合には、引落明細レコード552も同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード551又は引落明細レコード552が処理不能の場合には、引落明細レコード553も同一エラー理由で処理不能となる。
【0021】
引落明細レコード554については、引落明細レコード553が処理不能の場合には、引落明細レコード553と同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード555についても、引落明細レコード553が処理不能の場合には、引落明細レコード553と同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード556については、引落明細レコード551〜553が処理不能の場合、処理不能となる。
【0022】
引落明細レコード557については、「入」のため処理済となる。引落明細レコード559について、引落明細レコード558が処理不能の場合には、引落明細レコード558と同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード560については、引落明細レコード558又は引落明細レコード559が処理不能の場合には、同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード561については、引落明細レコード560が処理不能の場合には、同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード562については、引落明細レコード558〜561が処理不能の場合、処理不能となる。
【0023】
図13には、約定日当日の延滞再引き落としの回収例を示す。延滞利息は約定日当日夜間の再引き落としについては徴収せず、約定日翌日以降の再引き落としから徴収する。既存延滞のない約定日当日の延滞再引き落とし(延滞利息の発生なし)についても延滞利息を徴収しない。同一貸出科目内に既延滞(延滞再引き落とし)がある約定回収は、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して処理不能にする。
【0024】
図13に示す事例では、引落明細レコード602については、引落明細レコード601が処理不能の場合には、引落明細レコード601と同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード603については、引落明細レコード601又は引落明細レコード602が処理不能の場合には、同一エラー理由で処理不能となる。
【0025】
引落明細レコード604と引落明細レコード605とは、同じグループ(「手貸」のグループ)に属しており、備考フィールドに同値が記録される。このため、引落明細レコード605については、引落明細レコード604が処理不能の場合には処理不能となる。また、引落明細レコード606と引落明細レコード607とは、同じグループ(「証貸」のグループ)に属することにより備考フィールドに同値が記録される。このため、引落明細レコード607については、引落明細レコード606が処理不能の場合には処理不能となる。
【0026】
一方、引落明細レコード608は、引落明細レコード604,605と同じグループ(「証貸」のグループ)に属しており、備考フィールドに同値が記録される。ただし、引落明細レコード608と引落明細レコード604,605とは「取引日」が異なっており、更に引落明細レコード604,605は前日夜間処理不能になっている。このような引落明細レコード608に対しては、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して処理不能にする。
【特許文献1】特開平6−4564号公報(第1頁)
【特許文献2】特開平7−93439号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかし、預金残高の範囲内で回収可能な引落明細があるにも関わらず、この古月当月制御により処理不能となることがある。例えば、図9に示す事例において残高7万円の場合、返済額が10万円の引落明細レコード501が、返済額が5万円の引落明細レコード502によりも先行するため、引落明細レコード502の処理が不能になる。この場合、引落漏れとして扱われる可能性がある。
【0028】
また、営業店で預金残高を確認し、回収を行なう場合、営業店では翌朝の処理不能明細表に基づいて残高照会を実施する等の業務負担が発生している。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、業務負担を軽減しながら効率的かつ確実に実行するための集中記帳管理システム、集中記帳管理方法及び集中記帳管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信する送信手段と、前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する結果登録手段とを備えた集中記帳管理システ
ムであって、前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する取引日付与手段と、取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振処理手段とを備えたことを要旨とする。
【0030】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の集中記帳管理システムにおいて、前記枝番号割振処理手段は、取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに枝番号を付与することを要旨とする。
【0031】
請求項3に記載の発明は、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信し、前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する集中記帳管理方法であって、前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する段階と、取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振段階とを備えたことを要旨とする。
【0032】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の集中記帳管理方法において、前記枝番号割振段階は、取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに枝番号を付与することを要旨とする。
【0033】
請求項5に記載の発明は、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信する送信手段と、前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する結果登録手段とを備えた集中記帳管理システムを制御するプログラムであって、前記集中記帳管理システムを、前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する取引日付与手段と、取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振処理手段として機能させることを要旨とする。
【0034】
(作用)
請求項1、3又は5に記載の発明によれば、集中記帳管理システムは、引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する。そして、取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替える。更に、先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コ
ードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振る。そして、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に枝番号を付与する。これにより、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致する場合には、一つのグループを構成し、このグループ毎に引落処理を行なうことができる。預金管理システムにおいては、約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なわれるため、グループを細分化することにより、回収を促進することができる。
【0035】
請求項2又は4に記載の発明によれば、取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに、枝番号割振処理手段が枝番号を付与する。これにより、延滞が発生している引落明細レコードを優先する、いわゆる古月当月制御を行なうことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、約定返済金の引落処理を、業務負担を軽減しながらより効率的かつ確実に実行するための集中記帳管理システム、集中記帳管理方法及び集中記帳管理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図8を用いて説明する。本実施形態では、集中記帳を行なう場合に用いる集中記帳管理システム、集中記帳管理方法及び集中記帳管理プログラムとして説明する。図1に示すように、本実施形態では、預金管理システム10及び集中記帳管理システム20を用いて集中記帳管理を行なう。
【0038】
この集中記帳管理システム20は、集中記帳管理を実行するコンピュータシステムである。この集中記帳管理システム20は、CPU、RAM、ROM等の制御手段から構成された制御部21、ローンマネジメントファイル記憶部22や通信手段等を備える。そして、集中記帳管理システム20は、ネットワークを介して預金管理システム10と接続され、通信を行なう。
【0039】
集中記帳管理システム20の制御部21は、集中記帳管理を行なうための各種データの管理処理等を行なう。この制御部21は、集中記帳管理プログラムを実行することにより後述する処理(引落ファイルの送信段階、返済データ記憶手段への記録段階、取引日の付与段階及び枝番号割振段階を繰り返す処理等)を行なう。そのための集中記帳管理プログラムを実行することにより、制御部21は、図1に示すように取引日付与手段211、送信手段としての回収指示手段212、枝番号割振処理手段213、回収結果登録手段215、調整リスク算出手段216として機能する。
【0040】
ここで、取引日付与手段211は、返済レコードに取引日を付与する。回収指示手段212は、預金管理システムに引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信する。枝番号割振処理手段213は、古月当月制御を行なうための枝番号の割振処理を行なう。回収結果登録手段215は、引落結果を返済レコードに記録する。調整リスク算出手段216は、延滞が発生した場合に、延滞利息を引き落とすための引落明細レコードを生成する。
【0041】
ローンマネジメントファイル記憶部22には、従来と同様に、図6、図7に示すように、取引先ファイル221、案件ファイル222、貸出ファイル223、返済ファイル224が記録される。
【0042】
以上のように構成された集中記帳管理システム20を用いて、集中記帳管理を行なう処理手順を、図2〜図10を用いて説明する。
(返済レコードへの取引日の付与)
まず、集中記帳管理システム20の制御部21は、集中記帳処理の対象である返済ファイル224を生成する。具体的には、制御部21は、貸出ファイル223の約定返済日の前に返済ファイル224を生成する。この返済ファイル224は、今回引落処理を行なう引落明細レコードから構成されている。この引落明細レコードには、約定取引日の到来により新たに生成されたレコードの他に、過去に引落不能を生じたレコードも含まれる。このレコードには、夜間集中記帳や延滞を生じたレコードも含まれる。
【0043】
制御部21の取引日付与手段211は、ローンマネジメントファイル記憶部22から返済ファイル224を取得する。そして、取引日付与手段211は、図3に示すように、レコード現在日付が約定返済日の前日かどうかを確認する(ステップS1−1)。
【0044】
ここで、レコード現在日付が約定返済日の前日でない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、取引日付与手段211は、現在日付を取引日として取引日フィールドに記録する(ステップS1−2)。
【0045】
一方、レコード現在日付が約定返済日の前日である場合(ステップS1−1において「YES」の場合)、取引日付与手段211は、約定返済日を取引日として取引日フィールドに記録する(ステップS1−3)。この取引日設定処理を、返済ファイル224に含まれるすべてのレコードに対して実行する。
【0046】
(集中記帳管理処理)
次に、集中記帳管理システム20は、集中記帳を行なうための管理処理を実行する。この処理は、同じ取引先コードが付与されたレコードを用いて行なわれる。
【0047】
集中記帳管理システム20の制御部21は、引落明細レコードのソート処理を行なう(ステップS2−1)。ここで、枝番号割振処理手段213は、キーとして「取引先コード・貸出科目コード」、「取引日」、「約定返済日」、「案件コード」及び「貸出コード」を、この順番で用いて引落明細レコードの並び替えを行なう。
【0048】
次に、集中記帳管理システム20の制御部21は、取引先コード、貸出科目コードが共通しているレコードに対して枝番号割振処理を実行する(ステップS2−2)。この枝番号割振処理を、図5を用いて説明する。この処理は、引落ファイルの最初のレコードを特定して、順番に実行する。
【0049】
まず、集中記帳管理システム20の制御部21は、古月当月制御コードを記録する(ステップS3−1)。具体的には、引落明細レコードの備考フィールドに、取引先コードと貸出科目コードとから構成された古月当月制御コードを記録する。
【0050】
集中記帳管理システム20の制御部21は、先行レコードの取引日と一致するかどうかを確認する(ステップS3−2)。具体的には、枝番号割振処理手段213が、枝番号割振対象レコードの取引日フィールドに記録された日付と、先のレコード(先行レコード)の取引日フィールドに記録された日付とを比較する。なお、先行レコードが存在しない最初のレコードについては、後述する「先行レコードの取引日と一致」(ステップS3−2において「YES」)の場合と同様に扱う。
【0051】
先行レコードの取引日と一致しない場合(ステップS3−2において「NO」の場合)
には、制御部21の枝番号割振処理手段213は、枝番号割振対象レコードのエラーコードフィールドにエラーコードを付加する(ステップS3−3)。
【0052】
先行レコードの取引日と一致する場合(ステップS3−2において「YES」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、延滞があるかどうかを確認する(ステップS3−4)。具体的には、枝番号割振処理手段213が、枝番号割振対象レコードの約定返済日フィールドに記録された日付と、取引日フィールドに記録された日付とを比較する。取引日が約定返済日より遅い場合には、延滞があることになる。
【0053】
延滞がある場合(ステップS3−4において「YES」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、エラーコードや枝番号の付与は行なわない。なお、一つの引落明細レコードにおいて延滞がある場合には、以降の処理において、取引先コード・貸出科目コードフィールドに同じ番号が記録された引落明細レコードも、延滞として扱う(ステップS3−4において「YES」)。
【0054】
一方、延滞がない場合(ステップS3−4において「NO」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、取引先/貸出科目/案件/貸出が一致しているかどうかを確認する(ステップS3−5)。具体的には、先行レコードの取引先コード、貸出科目コード、案件コード、貸出コードの各フィールドに記録された値と、枝番号割振対象レコードの取引先コード、貸出科目コード、案件コード、貸出コードの各フィールドに記録された値とを比較する。なお、先行レコードが存在しない最初のレコードについては、ステップS3−5において「NO」の場合と同様に扱い、ステップS3−7において、図2に示すように、新たな枝番号「1」を割り振る。
【0055】
そして、取引先/貸出科目/案件/貸出の各フィールドに記録された値が一致している場合(ステップS3−5において「YES」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、図2に示すように、先行レコードに付与した枝番号と同じ枝番号を、枝番号割振対象レコードに付与する(ステップS3−6)。
【0056】
一方、取引先/貸出科目/案件/貸出番号の各フィールドに記録された値が一致していない場合(ステップS3−5において「NO」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、新たな枝番号を枝番号割振対象レコードに割り振る(ステップS3−7)。具体的には、枝番号割振処理手段213は、取引先フィールドや貸出科目フィールドに記録された値が変更されている場合には、図2に示すように、枝番号として「1」を付与する。案件フィールドや貸出フィールドに記録された値が変更されている場合には、先行レコードの枝番号に「1」を加算する。
【0057】
そして、すべての引落明細レコードについての枝番号割振を完了するまで、上述の処理を繰り返す(ステップS3−8)。まだ枝番号割振処理を行なっていない引落明細レコードが残っている場合(ステップS3−8において「NO」の場合)、集中記帳管理システム20の制御部21は、次の引落明細レコードを枝番号割振対象レコードとして特定し(ステップS3−9)、ステップS3−1〜S3−8を繰り返す。
【0058】
この枝番号割振処理手段213の処理例を図8に示す。なお、この図8の図面上では、「貸出科目コード」を「科目コード」として表示している。この例では、まず、備考フィールドに枝番号の初期値として「00000」を記録する。そして、引落明細レコード(1)には新たな枝番号(「00001」)を付与する。
【0059】
引落明細レコード(1)と引落明細レコード(2)とは各コードが共通しているので、引落明細レコード(2)に対しては引落明細レコード(1)と同じ枝番号(「00001
」)を付与する。
【0060】
引落明細レコード(2)と引落明細レコード(3)では、貸出コードが変更されているので、引落明細レコード(3)には新たな枝番号(「00002」)を付与する。
引落明細レコード(3)と引落明細レコード(4)では、貸出科目コードが変更されているので、引落明細レコード(4)には、このレコードの取引先コード・科目コードに対して新たな枝番号(「00001」)を付与する。
【0061】
引落明細レコード(4)と引落明細レコード(5)では、案件コードが変更されているので、引落明細レコード(5)には、共通する取引先コード・科目コードに対して新たな枝番号(「00002」)を付与する。
【0062】
引落明細レコード(5)と引落明細レコード(6)とは、各コードが共通しているので、引落明細レコード(6)には、引落明細レコード(5)と同じ枝番号(「00002」)を付与する。
【0063】
引落明細レコード(6)と引落明細レコード(7)では取引日が変更されており、引落明細レコード(7)は延滞を発生しているので、引落明細レコード(7)にはエラーコード(「E」)を付与して、新たな枝番号を付与しない。この場合には、初期値(「00000」)を維持する。
【0064】
引落明細レコード(7)と引落明細レコード(8)では、取引先コードが変更されているので、引落明細レコード(8)には新たな枝番号(「00001」)を付与する。
引落明細レコード(8)と引落明細レコード(9)とは各コードが共通しているので、引落明細レコード(9)には、引落明細レコード(8)と同じ枝番号(「00001」)を付与する。
【0065】
引落明細レコード(10)、(11)では、引落明細レコード(9)とは取引日が異なり、延滞を生じているので枝番号を付与せず、両者に対してエラーコード(「E」)を付与する。以上により、取引先コード、貸出科目コード及び枝番号を用いて再設定項目が決定される。
【0066】
上述のように、すべての引落明細レコードについての枝番号割振処理を終了した場合(ステップS3−8において「YES」の場合)には、図4の処理に戻る。そして、集中記帳管理システム20の制御部21は、引落ファイルを送信する(ステップS2−3)。具体的には、回収指示手段212は、図2に示すように、取引先コード、貸出科目コード及び枝番号を用いて再設定項目を古月当月制御コードとして引落明細レコードの備考フィールドに記録する。そして、枝番号割振処理手段213が付与した枝番号を付加して引落明細レコードにより構成された引落ファイルを預金管理システム10に供給する。この場合、預金管理システム10は、この引落ファイルを用いて引落処理を実行する。この場合、同一の取引先コード、貸出科目コード、枝番号が付与された引落明細レコードは一つのグループとして扱う。そして、同一グループ内の引落明細レコードについては、レコード順に引落処理を行なう。この場合、先のレコードの引き落としが不能になった場合には、同じグループ内のレコードの引き落としは行なわない。そして、次のグループの引落明細レコードについての引落処理を実行する。
【0067】
集中記帳処理を完了した預金管理システム10は、引落結果データを集中記帳管理システム20に供給する。この引落結果データには、各引落明細レコード毎に、処理結果に関するデータが付加されている。具体的には、引落処理を完了したレコードには「済」フラグが記録され、引落不能となったレコードには「未済」フラグが記録されている。
【0068】
この引落ファイルを受けた集中記帳管理システム20の制御部21は、引落結果を記録する(ステップS2−4)。具体的には、回収結果登録手段215が、ローンマネジメントファイル記憶部22に引落結果を記録する。
【0069】
更に、集中記帳管理システム20の制御部21は、引落不能となったレコードに延滞がある場合に延滞リスクを付加する(ステップS2−5)。具体的には、調整リスク算出手段216が、利息を引き落とすための引落明細レコードを生成して、ローンマネジメントファイル記憶部22に記録する。
【0070】
このような制御を行なった場合の預金管理システム10の処理を、図9〜図13を用いて説明する。
図9は、既延滞がない場合の約定回収の事例(2月26日夜間引落)である。延滞がない場合、従来は貸出科目毎に古月当月制御を行なったが、本願発明では貸出毎に行なわれる。すなわち、今回の引落明細レコード(501〜504)において、取引先コード、貸出科目コード及び案件コードによって一つのグループが形成される。従って、残債ローンに関しては、引落明細レコード501,502の備考フィールドには異なる値が記録されて異なるグループを形成する。また、証貸に関しても、引落明細レコード503,504の備考フィールドには異なる値が記録されて異なるグループを形成する。従って、引落明細レコード501〜504については、先行の引落明細レコードの処理結果に関わらず、後続の引落明細レコードの処理を行なうことができる。
【0071】
図10は、既延滞がある場合の約定回収の事例である。この事例では、引落明細レコード511については「未済」になっており延滞が発生しているため、この引落明細レコード511の備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード512,513(「残債ローン」のグループ)は、従来と同様に、エラー理由として「既延滞優先引落」が付与されているので、古月当月制御を行なわず処理不能にする。証貸に関しては延滞がないため、引落明細レコード514の処理結果に関わらず、引落明細レコード515の処理を行なうことができる。
【0072】
図11は、延滞再引き落としの事例である。この事例では、過去の引落明細レコード520については「済」になっている一方で、引落明細レコード521〜526については「未済」になっており延滞が発生している。延滞がある場合には、従来と同様に、貸出科目毎の古月当月制御が行なわれる。一方、残債ローンに関しては延滞がないため、引落明細レコード527の処理結果に関わらず、引落明細レコード528の処理を行なうことができる。
【0073】
図12は、既延滞がない約定回収の場合であって、調整利息がある回収例である。従来は貸出科目毎に古月当月制御を行なったが、本願発明では貸出毎に行なわれる。引落明細レコード554,555については「入」のため、処理済となる。また、引落明細レコード556,560については、他の引落明細レコードとは無関係に処理が行なわれる。そして、引落明細レコード562については、引落明細レコード561が処理不能の場合、同様に処理不能となる。
【0074】
図13は、約定日当日の延滞再引き落としの回収例を示す。引落明細レコード604、605については前日夜間引落処理での処理不能であり、延滞利息が発生していない。このように延滞利息が発生していない場合には、貸出コードが異なるために、異なる枝番号が付与されている。この結果、引落明細レコード604、605は、貸出毎に古月当月制御が行なわれる。従って、引落明細レコード605は、引落明細レコード604の処理結果に関わらず処理を行なうことができる。
【0075】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、融資(含むローン)の集中記帳処理のうち、約定日前日夜間の初回約定回収、約定日当日の日中引き落とし及び約定日当日夜間の再引き落としにより回収される同一約定返済日の引落明細を対象として、同一貸出科目であっても貸出毎に枝番号が異なる古月当月制御コードが付与される。同一貸出科目の古月当月制御により処理不能となる明細についても、貸出が異なれば処理不能とはせず、預金残高の範囲内での引き落としを行なうことができる。
【0076】
・ 上記実施形態では、過去の延滞が残っている場合、枝番号の付与を行なわない。これにより、現行通り同一取引先、貸出科目内で古月の引き落としを優先させることができる。
【0077】
・ 上記実施形態では、延滞がない場合には、集中記帳管理システム20の制御部21は、取引先/貸出科目/案件/貸出が一致しているかどうかを確認する(ステップS3−5)。この場合、延滞の判定の範囲が狭くなり、引き落とせる明細が多くなる。
【0078】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、夜間集中記帳処理や、約定日の日中や当日夜間の集中記帳処理を行なうが、集中記帳処理の回数はこれらに限定されるものではない。
【0079】
○ 上記実施形態では、約定日前日の夜間集中記帳処理、約定日の日中や当日夜間の集中記帳処理において枝番号の付与を行なったが、枝番号割振処理の実行は、これらの機会に限定されるものではなく、この集中記帳処理の一部の処理の中で行なってもよい。
【0080】
○ 上記実施形態では、証貸、残債ローン、手貸を対象としたが、一つの貸出科目において複数の貸出がある融資であれば、これらに限定されるものではない。
○ 上記実施形態では、取引先コード及び貸出科目コードが一致している先行の引落明細レコードと後続の引落明細レコードとにおいて、先行する引落明細レコードの取引日と、後続する引落明細レコードの取引日とが異なる場合には、後続レコードのグループ識別子に対してエラーコードを付与する。これに代えて、既延滞に引き続き後続レコードについても、エラーコードを付与せずに引落処理を行なうようにしてもよい。これにより、引落処理が可能な場合には、他の引落処理と同様に処理を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態のシステムの概略図。
【図2】引落明細レコードの生成の説明図。
【図3】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図6】ローンマネジメントファイルに含まれるファイル関係の説明図。
【図7】ローンマネジメントファイルに含まれるデータの説明図。
【図8】枝番号を割り振った再設定項目の説明図。
【図9】引落処理の事例の説明図。
【図10】引落処理の事例の説明図。
【図11】引落処理の事例の説明図。
【図12】引落処理の事例の説明図。
【図13】引落処理の事例の説明図。
【符号の説明】
【0082】
10…預金管理システム、20…集中記帳管理システム、21…制御部、211…取引日付与手段、212…回収指示手段、213…枝番号割振処理手段、215…回収結果登録手段、216…調整リスク算出手段、22…ローンマネジメントファイル記憶部、220…ローンマネジメントファイル、221…取引先ファイル、222…案件ファイル、223…貸出ファイル、224…返済ファイル、300,501〜504,510〜515,520〜530,551〜562,601〜608…引落明細レコード。
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関での預金口座等を用いて融資の約定返済を行なうための集中記帳管理システム及び集中記帳管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
融資の約定返済は、約定支払日に所定の口座からの引落処理により実行されることが多い。このような返済対象には、アドオンローンの元金・利息の回収、残債ローンの元金・利息の回収、証書貸付・特別当座貸越の元金・利息の回収、金利変更調整利息の回収・戻し、手形割引実行に伴う取立手数料の回収、手形貸付の元金・利息の回収、金利変更調整利息の回収・戻し、保証解除保証料の回収金利変更調整保証料の回収・戻し等がある。
【0003】
このような引落処理は、一括して引き落としを行なう集中記帳により行なわれている(例えば、特許文献1を参照。)。集中記帳処理を行なう場合、処理すべき引落明細レコードを集中記帳データファイルに集積しておき、定時に預金口座の残高に基づいて口座ファイルの更新を行なう。このような集中記帳では、現金自動預払機等やオンラインシステムが停止し、口座残高が確定した後に、預金管理システムにおいてバッチ処理で実行されている。例えば、約定支払日の前夜から翌朝までの時間を利用して、口座からの引落処理(約定日前日の夜間集中記帳処理)を行なう。そして、この集中記帳において引き落としができなかった場合、約定日の日中や当日夜間の集中記帳処理により、再度、引き落としが行なわれる(例えば、特許文献2を参照。)。
【0004】
この集中記帳処理において、同一日に同一預金口座から複数の引き落としが行なわれることがある。ここで、残高不足のために処理不能となる引落明細レコードが発生した場合、それ以降に処理される同一取引先・貸出科目の貸出の引落明細レコードも無条件で一律に処理不能とする古月当月制御が行なわれている。
【0005】
ここで、古月当月制御とは、同一口座から同一契約に関する古月分、当月分の引き落としを行なう場合、古月分の引き落としを優先する制御である。具体的には、古月分の引き落としが処理不能となった場合に当月分も処理不能とする。融資の集中記帳処理については、取引先コード及び貸出科目コードが同じ貸出を同一契約(一つのグループ)として扱っており、約定返済日、貸出コード(番号)の順に小さいものを古月、大きいものを当月としている。
【0006】
このような古月当月制御を、図6〜8を用いて説明する。このような回収はローンマネジメントファイル(LMF)220を用いて行なわれる。このローンマネジメントファイル220は、図6に示すように、取引先ファイル221、案件ファイル222、貸出ファイル223、返済ファイル224が階層化されて構成される。
【0007】
この取引先ファイル221は、取引先毎に取引先に関する情報を格納したデータファイルである。取引先ファイル221を構成する各レコードには、図7に示すように、引落口座を特定するための情報(金融機関の本支店コード、口座科目コード、口座番号)及び取引先コードを記録するフィールドが設けられている。
【0008】
また、案件ファイル222は、この取引先に対して貸し付けられた案件を管理するためのデータファイルである。案件ファイル222を構成する各レコードでは、図7に示すように、取引先コードと、貸出科目コード及び案件コードとが関連付けられたフィールドが設けられている。例えば、貸出科目コードフィールドには、残債ローン、証書貸付(証貸
)、手形貸付(手貸)等の貸付の種別を特定するためのコードが記録される。案件コードフィールドには、各貸出科目に対して提供された案件を特定するためのコードが記録される。例えば、一案件に関して与信枠(限度:1000万円)の証貸が設定される。
【0009】
貸出ファイル223は、この取引先に対する案件について、各貸出を管理するためのデータファイルである。貸出ファイル223を構成する各レコードには、図7に示すように、取引先コード、貸出科目コード及び案件コード毎に貸出コードが関連付けられている。例えば、与信枠(限度:1000万円)の中で、複数の貸出が行なわれる場合があり、貸出ファイル223は貸出毎に管理される。この貸出ファイル223には、約定返済日や返済額に関するデータが関連付けられたフィールドが設けられている。この約定返済日フィールドには、「毎月末」や「毎月25日」等の様に返済を行なう予定日に関するデータが記録される。
【0010】
返済ファイル224は、各貸出について、約定返済日が到来した貸付の返済を行なうためのデータファイルである。この返済ファイル224を構成する各レコードには、図7に示すように、到来した返済日や返済のための処理結果に関するデータが記録されるフィールドが設けられている。
【0011】
そして、このローンマネジメントファイル220を用いて引落明細レコード300が生成される。この場合、古月当月制御を行なうために、引落明細レコード300の備考フィールドには、取引先コードと貸出科目コードとから生成された古月当月制御コード(グループ識別子)が記録される。そして、古月当月制御コードはグループ識別子として機能する。そして、古月当月制御コードが共通する引落明細レコードについて、最も古いレコードが引落不能になった場合、それに続く引落明細レコードの引落処理を中止する。
【0012】
例えば、図9には、2月26日夜間集中記帳において既延滞がない場合の約定回収の事例を示す。この事例では、貸出科目として「残債ローン」や「証貸」があり、それぞれ案件として「1」、「2」がある場合を想定する。そして、過去の引落明細レコード500については「済」になっており延滞がない場合を示している。この場合には、今回の引落明細レコード(501〜504)において、取引先コードと貸出科目コードによって一つのグループが形成される。従って、残債ローンに関しては、引落明細レコード501,502の備考フィールドに同値が記録されることにより一つのグループを形成し、この順番に処理される。また、証貸に関しては、引落明細レコード503,504の備考フィールドに同値が記録されることにより一つのグループを形成し、この順番に処理される。すなわち、先行の引落明細レコード501,503が引き落とし可能な場合のみ、後続の引落明細レコード502,504の引き落としが可能になる。
【0013】
図10には、2月26日夜間集中記帳において既延滞がある場合の約定回収の事例を示す。同一貸出科目内に既延滞のない約定回収は預金残高があれば回収して「処理済」となり、預金残高がなければ処理不能となる。また、処理不能となった約定回収がある場合、古月当月制御により、同一貸出科目内では、その約定回収以降に処理される約定回収も同一エラー理由で処理不能となる。
【0014】
図10に示す事例では、過去の引落明細レコード510については「済」になっている一方で、引落明細レコード511については「未済」になっており延滞が発生している。この引落明細レコード511の備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード512,513(「残債ローン」のグループ)は、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して古月当月制御を行なわず処理不能にする。このようなエラー理由が付与された引落明細レコードは引落処理が行われない。証貸に関しては延滞がないため、上述のように引落明細レコード514,515の順番に処理される。
【0015】
図11には、2月26日夜間集中記帳において延滞となった引落明細レコードの再引落の事例を示す。延滞再引き落としは預金残高があれば回収して「処理済」となり、預金残高がなければ処理不能となる。また、処理不能となった延滞再引き落としがある場合、古月当月制御により、同一貸出科目内ではその延滞再引き落とし以降に処理される延滞再引き落としも同一エラー理由で処理不能となる。また、同一貸出科目内に既延滞(延滞再引き落とし)がある約定回収は、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して処理不能にする。
【0016】
図11に示す事例では、過去の引落明細レコード520については「済」になっている一方で、引落明細レコード521〜526については「未済」になっており延滞が発生している。引落明細レコード521が処理不能の場合には、この引落明細レコード521の備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード522も同一エラー理由で処理不能となる。
【0017】
引落明細レコード523が処理不能の場合には、この引落明細レコード523の備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード524も同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード523又は引落明細レコード524が処理不能の場合には、備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード525も同一エラー理由で処理不能となる。同様に、引落明細レコード523〜525の少なくとも一つが処理不能の場合には、備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード526も、同一エラー理由で処理不能となる。
【0018】
一方、残債ローンに関しては延滞がないため、上述のように引落明細レコード527,528の順番に処理される。なお、引落明細レコード529,530については、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して処理不能にする。
【0019】
図12には、既延滞がない約定回収の場合であって、調整利息がある回収例を示す。ここでは、「払」については貸出科目内で古月当月制御を実施する。同一貸出科目内で「払」に連続する「入」かつ「払」が処理不能のときは「入」も処理不能となる。これ以外の「入」については処理済として処理される。
【0020】
図12に示す事例では、引落明細レコード551が処理不能の場合には、引落明細レコード552も同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード551又は引落明細レコード552が処理不能の場合には、引落明細レコード553も同一エラー理由で処理不能となる。
【0021】
引落明細レコード554については、引落明細レコード553が処理不能の場合には、引落明細レコード553と同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード555についても、引落明細レコード553が処理不能の場合には、引落明細レコード553と同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード556については、引落明細レコード551〜553が処理不能の場合、処理不能となる。
【0022】
引落明細レコード557については、「入」のため処理済となる。引落明細レコード559について、引落明細レコード558が処理不能の場合には、引落明細レコード558と同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード560については、引落明細レコード558又は引落明細レコード559が処理不能の場合には、同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード561については、引落明細レコード560が処理不能の場合には、同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード562については、引落明細レコード558〜561が処理不能の場合、処理不能となる。
【0023】
図13には、約定日当日の延滞再引き落としの回収例を示す。延滞利息は約定日当日夜間の再引き落としについては徴収せず、約定日翌日以降の再引き落としから徴収する。既存延滞のない約定日当日の延滞再引き落とし(延滞利息の発生なし)についても延滞利息を徴収しない。同一貸出科目内に既延滞(延滞再引き落とし)がある約定回収は、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して処理不能にする。
【0024】
図13に示す事例では、引落明細レコード602については、引落明細レコード601が処理不能の場合には、引落明細レコード601と同一エラー理由で処理不能となる。引落明細レコード603については、引落明細レコード601又は引落明細レコード602が処理不能の場合には、同一エラー理由で処理不能となる。
【0025】
引落明細レコード604と引落明細レコード605とは、同じグループ(「手貸」のグループ)に属しており、備考フィールドに同値が記録される。このため、引落明細レコード605については、引落明細レコード604が処理不能の場合には処理不能となる。また、引落明細レコード606と引落明細レコード607とは、同じグループ(「証貸」のグループ)に属することにより備考フィールドに同値が記録される。このため、引落明細レコード607については、引落明細レコード606が処理不能の場合には処理不能となる。
【0026】
一方、引落明細レコード608は、引落明細レコード604,605と同じグループ(「証貸」のグループ)に属しており、備考フィールドに同値が記録される。ただし、引落明細レコード608と引落明細レコード604,605とは「取引日」が異なっており、更に引落明細レコード604,605は前日夜間処理不能になっている。このような引落明細レコード608に対しては、エラー理由として「既延滞優先引落」を付与して処理不能にする。
【特許文献1】特開平6−4564号公報(第1頁)
【特許文献2】特開平7−93439号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
しかし、預金残高の範囲内で回収可能な引落明細があるにも関わらず、この古月当月制御により処理不能となることがある。例えば、図9に示す事例において残高7万円の場合、返済額が10万円の引落明細レコード501が、返済額が5万円の引落明細レコード502によりも先行するため、引落明細レコード502の処理が不能になる。この場合、引落漏れとして扱われる可能性がある。
【0028】
また、営業店で預金残高を確認し、回収を行なう場合、営業店では翌朝の処理不能明細表に基づいて残高照会を実施する等の業務負担が発生している。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、業務負担を軽減しながら効率的かつ確実に実行するための集中記帳管理システム、集中記帳管理方法及び集中記帳管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信する送信手段と、前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する結果登録手段とを備えた集中記帳管理システ
ムであって、前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する取引日付与手段と、取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振処理手段とを備えたことを要旨とする。
【0030】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の集中記帳管理システムにおいて、前記枝番号割振処理手段は、取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに枝番号を付与することを要旨とする。
【0031】
請求項3に記載の発明は、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信し、前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する集中記帳管理方法であって、前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する段階と、取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振段階とを備えたことを要旨とする。
【0032】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の集中記帳管理方法において、前記枝番号割振段階は、取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに枝番号を付与することを要旨とする。
【0033】
請求項5に記載の発明は、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信する送信手段と、前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する結果登録手段とを備えた集中記帳管理システムを制御するプログラムであって、前記集中記帳管理システムを、前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する取引日付与手段と、取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振処理手段として機能させることを要旨とする。
【0034】
(作用)
請求項1、3又は5に記載の発明によれば、集中記帳管理システムは、引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する。そして、取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替える。更に、先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コ
ードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振る。そして、取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に枝番号を付与する。これにより、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致する場合には、一つのグループを構成し、このグループ毎に引落処理を行なうことができる。預金管理システムにおいては、約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なわれるため、グループを細分化することにより、回収を促進することができる。
【0035】
請求項2又は4に記載の発明によれば、取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに、枝番号割振処理手段が枝番号を付与する。これにより、延滞が発生している引落明細レコードを優先する、いわゆる古月当月制御を行なうことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、約定返済金の引落処理を、業務負担を軽減しながらより効率的かつ確実に実行するための集中記帳管理システム、集中記帳管理方法及び集中記帳管理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図8を用いて説明する。本実施形態では、集中記帳を行なう場合に用いる集中記帳管理システム、集中記帳管理方法及び集中記帳管理プログラムとして説明する。図1に示すように、本実施形態では、預金管理システム10及び集中記帳管理システム20を用いて集中記帳管理を行なう。
【0038】
この集中記帳管理システム20は、集中記帳管理を実行するコンピュータシステムである。この集中記帳管理システム20は、CPU、RAM、ROM等の制御手段から構成された制御部21、ローンマネジメントファイル記憶部22や通信手段等を備える。そして、集中記帳管理システム20は、ネットワークを介して預金管理システム10と接続され、通信を行なう。
【0039】
集中記帳管理システム20の制御部21は、集中記帳管理を行なうための各種データの管理処理等を行なう。この制御部21は、集中記帳管理プログラムを実行することにより後述する処理(引落ファイルの送信段階、返済データ記憶手段への記録段階、取引日の付与段階及び枝番号割振段階を繰り返す処理等)を行なう。そのための集中記帳管理プログラムを実行することにより、制御部21は、図1に示すように取引日付与手段211、送信手段としての回収指示手段212、枝番号割振処理手段213、回収結果登録手段215、調整リスク算出手段216として機能する。
【0040】
ここで、取引日付与手段211は、返済レコードに取引日を付与する。回収指示手段212は、預金管理システムに引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信する。枝番号割振処理手段213は、古月当月制御を行なうための枝番号の割振処理を行なう。回収結果登録手段215は、引落結果を返済レコードに記録する。調整リスク算出手段216は、延滞が発生した場合に、延滞利息を引き落とすための引落明細レコードを生成する。
【0041】
ローンマネジメントファイル記憶部22には、従来と同様に、図6、図7に示すように、取引先ファイル221、案件ファイル222、貸出ファイル223、返済ファイル224が記録される。
【0042】
以上のように構成された集中記帳管理システム20を用いて、集中記帳管理を行なう処理手順を、図2〜図10を用いて説明する。
(返済レコードへの取引日の付与)
まず、集中記帳管理システム20の制御部21は、集中記帳処理の対象である返済ファイル224を生成する。具体的には、制御部21は、貸出ファイル223の約定返済日の前に返済ファイル224を生成する。この返済ファイル224は、今回引落処理を行なう引落明細レコードから構成されている。この引落明細レコードには、約定取引日の到来により新たに生成されたレコードの他に、過去に引落不能を生じたレコードも含まれる。このレコードには、夜間集中記帳や延滞を生じたレコードも含まれる。
【0043】
制御部21の取引日付与手段211は、ローンマネジメントファイル記憶部22から返済ファイル224を取得する。そして、取引日付与手段211は、図3に示すように、レコード現在日付が約定返済日の前日かどうかを確認する(ステップS1−1)。
【0044】
ここで、レコード現在日付が約定返済日の前日でない場合(ステップS1−1において「NO」の場合)、取引日付与手段211は、現在日付を取引日として取引日フィールドに記録する(ステップS1−2)。
【0045】
一方、レコード現在日付が約定返済日の前日である場合(ステップS1−1において「YES」の場合)、取引日付与手段211は、約定返済日を取引日として取引日フィールドに記録する(ステップS1−3)。この取引日設定処理を、返済ファイル224に含まれるすべてのレコードに対して実行する。
【0046】
(集中記帳管理処理)
次に、集中記帳管理システム20は、集中記帳を行なうための管理処理を実行する。この処理は、同じ取引先コードが付与されたレコードを用いて行なわれる。
【0047】
集中記帳管理システム20の制御部21は、引落明細レコードのソート処理を行なう(ステップS2−1)。ここで、枝番号割振処理手段213は、キーとして「取引先コード・貸出科目コード」、「取引日」、「約定返済日」、「案件コード」及び「貸出コード」を、この順番で用いて引落明細レコードの並び替えを行なう。
【0048】
次に、集中記帳管理システム20の制御部21は、取引先コード、貸出科目コードが共通しているレコードに対して枝番号割振処理を実行する(ステップS2−2)。この枝番号割振処理を、図5を用いて説明する。この処理は、引落ファイルの最初のレコードを特定して、順番に実行する。
【0049】
まず、集中記帳管理システム20の制御部21は、古月当月制御コードを記録する(ステップS3−1)。具体的には、引落明細レコードの備考フィールドに、取引先コードと貸出科目コードとから構成された古月当月制御コードを記録する。
【0050】
集中記帳管理システム20の制御部21は、先行レコードの取引日と一致するかどうかを確認する(ステップS3−2)。具体的には、枝番号割振処理手段213が、枝番号割振対象レコードの取引日フィールドに記録された日付と、先のレコード(先行レコード)の取引日フィールドに記録された日付とを比較する。なお、先行レコードが存在しない最初のレコードについては、後述する「先行レコードの取引日と一致」(ステップS3−2において「YES」)の場合と同様に扱う。
【0051】
先行レコードの取引日と一致しない場合(ステップS3−2において「NO」の場合)
には、制御部21の枝番号割振処理手段213は、枝番号割振対象レコードのエラーコードフィールドにエラーコードを付加する(ステップS3−3)。
【0052】
先行レコードの取引日と一致する場合(ステップS3−2において「YES」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、延滞があるかどうかを確認する(ステップS3−4)。具体的には、枝番号割振処理手段213が、枝番号割振対象レコードの約定返済日フィールドに記録された日付と、取引日フィールドに記録された日付とを比較する。取引日が約定返済日より遅い場合には、延滞があることになる。
【0053】
延滞がある場合(ステップS3−4において「YES」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、エラーコードや枝番号の付与は行なわない。なお、一つの引落明細レコードにおいて延滞がある場合には、以降の処理において、取引先コード・貸出科目コードフィールドに同じ番号が記録された引落明細レコードも、延滞として扱う(ステップS3−4において「YES」)。
【0054】
一方、延滞がない場合(ステップS3−4において「NO」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、取引先/貸出科目/案件/貸出が一致しているかどうかを確認する(ステップS3−5)。具体的には、先行レコードの取引先コード、貸出科目コード、案件コード、貸出コードの各フィールドに記録された値と、枝番号割振対象レコードの取引先コード、貸出科目コード、案件コード、貸出コードの各フィールドに記録された値とを比較する。なお、先行レコードが存在しない最初のレコードについては、ステップS3−5において「NO」の場合と同様に扱い、ステップS3−7において、図2に示すように、新たな枝番号「1」を割り振る。
【0055】
そして、取引先/貸出科目/案件/貸出の各フィールドに記録された値が一致している場合(ステップS3−5において「YES」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、図2に示すように、先行レコードに付与した枝番号と同じ枝番号を、枝番号割振対象レコードに付与する(ステップS3−6)。
【0056】
一方、取引先/貸出科目/案件/貸出番号の各フィールドに記録された値が一致していない場合(ステップS3−5において「NO」の場合)には、集中記帳管理システム20の制御部21は、新たな枝番号を枝番号割振対象レコードに割り振る(ステップS3−7)。具体的には、枝番号割振処理手段213は、取引先フィールドや貸出科目フィールドに記録された値が変更されている場合には、図2に示すように、枝番号として「1」を付与する。案件フィールドや貸出フィールドに記録された値が変更されている場合には、先行レコードの枝番号に「1」を加算する。
【0057】
そして、すべての引落明細レコードについての枝番号割振を完了するまで、上述の処理を繰り返す(ステップS3−8)。まだ枝番号割振処理を行なっていない引落明細レコードが残っている場合(ステップS3−8において「NO」の場合)、集中記帳管理システム20の制御部21は、次の引落明細レコードを枝番号割振対象レコードとして特定し(ステップS3−9)、ステップS3−1〜S3−8を繰り返す。
【0058】
この枝番号割振処理手段213の処理例を図8に示す。なお、この図8の図面上では、「貸出科目コード」を「科目コード」として表示している。この例では、まず、備考フィールドに枝番号の初期値として「00000」を記録する。そして、引落明細レコード(1)には新たな枝番号(「00001」)を付与する。
【0059】
引落明細レコード(1)と引落明細レコード(2)とは各コードが共通しているので、引落明細レコード(2)に対しては引落明細レコード(1)と同じ枝番号(「00001
」)を付与する。
【0060】
引落明細レコード(2)と引落明細レコード(3)では、貸出コードが変更されているので、引落明細レコード(3)には新たな枝番号(「00002」)を付与する。
引落明細レコード(3)と引落明細レコード(4)では、貸出科目コードが変更されているので、引落明細レコード(4)には、このレコードの取引先コード・科目コードに対して新たな枝番号(「00001」)を付与する。
【0061】
引落明細レコード(4)と引落明細レコード(5)では、案件コードが変更されているので、引落明細レコード(5)には、共通する取引先コード・科目コードに対して新たな枝番号(「00002」)を付与する。
【0062】
引落明細レコード(5)と引落明細レコード(6)とは、各コードが共通しているので、引落明細レコード(6)には、引落明細レコード(5)と同じ枝番号(「00002」)を付与する。
【0063】
引落明細レコード(6)と引落明細レコード(7)では取引日が変更されており、引落明細レコード(7)は延滞を発生しているので、引落明細レコード(7)にはエラーコード(「E」)を付与して、新たな枝番号を付与しない。この場合には、初期値(「00000」)を維持する。
【0064】
引落明細レコード(7)と引落明細レコード(8)では、取引先コードが変更されているので、引落明細レコード(8)には新たな枝番号(「00001」)を付与する。
引落明細レコード(8)と引落明細レコード(9)とは各コードが共通しているので、引落明細レコード(9)には、引落明細レコード(8)と同じ枝番号(「00001」)を付与する。
【0065】
引落明細レコード(10)、(11)では、引落明細レコード(9)とは取引日が異なり、延滞を生じているので枝番号を付与せず、両者に対してエラーコード(「E」)を付与する。以上により、取引先コード、貸出科目コード及び枝番号を用いて再設定項目が決定される。
【0066】
上述のように、すべての引落明細レコードについての枝番号割振処理を終了した場合(ステップS3−8において「YES」の場合)には、図4の処理に戻る。そして、集中記帳管理システム20の制御部21は、引落ファイルを送信する(ステップS2−3)。具体的には、回収指示手段212は、図2に示すように、取引先コード、貸出科目コード及び枝番号を用いて再設定項目を古月当月制御コードとして引落明細レコードの備考フィールドに記録する。そして、枝番号割振処理手段213が付与した枝番号を付加して引落明細レコードにより構成された引落ファイルを預金管理システム10に供給する。この場合、預金管理システム10は、この引落ファイルを用いて引落処理を実行する。この場合、同一の取引先コード、貸出科目コード、枝番号が付与された引落明細レコードは一つのグループとして扱う。そして、同一グループ内の引落明細レコードについては、レコード順に引落処理を行なう。この場合、先のレコードの引き落としが不能になった場合には、同じグループ内のレコードの引き落としは行なわない。そして、次のグループの引落明細レコードについての引落処理を実行する。
【0067】
集中記帳処理を完了した預金管理システム10は、引落結果データを集中記帳管理システム20に供給する。この引落結果データには、各引落明細レコード毎に、処理結果に関するデータが付加されている。具体的には、引落処理を完了したレコードには「済」フラグが記録され、引落不能となったレコードには「未済」フラグが記録されている。
【0068】
この引落ファイルを受けた集中記帳管理システム20の制御部21は、引落結果を記録する(ステップS2−4)。具体的には、回収結果登録手段215が、ローンマネジメントファイル記憶部22に引落結果を記録する。
【0069】
更に、集中記帳管理システム20の制御部21は、引落不能となったレコードに延滞がある場合に延滞リスクを付加する(ステップS2−5)。具体的には、調整リスク算出手段216が、利息を引き落とすための引落明細レコードを生成して、ローンマネジメントファイル記憶部22に記録する。
【0070】
このような制御を行なった場合の預金管理システム10の処理を、図9〜図13を用いて説明する。
図9は、既延滞がない場合の約定回収の事例(2月26日夜間引落)である。延滞がない場合、従来は貸出科目毎に古月当月制御を行なったが、本願発明では貸出毎に行なわれる。すなわち、今回の引落明細レコード(501〜504)において、取引先コード、貸出科目コード及び案件コードによって一つのグループが形成される。従って、残債ローンに関しては、引落明細レコード501,502の備考フィールドには異なる値が記録されて異なるグループを形成する。また、証貸に関しても、引落明細レコード503,504の備考フィールドには異なる値が記録されて異なるグループを形成する。従って、引落明細レコード501〜504については、先行の引落明細レコードの処理結果に関わらず、後続の引落明細レコードの処理を行なうことができる。
【0071】
図10は、既延滞がある場合の約定回収の事例である。この事例では、引落明細レコード511については「未済」になっており延滞が発生しているため、この引落明細レコード511の備考フィールドに同値が記録される引落明細レコード512,513(「残債ローン」のグループ)は、従来と同様に、エラー理由として「既延滞優先引落」が付与されているので、古月当月制御を行なわず処理不能にする。証貸に関しては延滞がないため、引落明細レコード514の処理結果に関わらず、引落明細レコード515の処理を行なうことができる。
【0072】
図11は、延滞再引き落としの事例である。この事例では、過去の引落明細レコード520については「済」になっている一方で、引落明細レコード521〜526については「未済」になっており延滞が発生している。延滞がある場合には、従来と同様に、貸出科目毎の古月当月制御が行なわれる。一方、残債ローンに関しては延滞がないため、引落明細レコード527の処理結果に関わらず、引落明細レコード528の処理を行なうことができる。
【0073】
図12は、既延滞がない約定回収の場合であって、調整利息がある回収例である。従来は貸出科目毎に古月当月制御を行なったが、本願発明では貸出毎に行なわれる。引落明細レコード554,555については「入」のため、処理済となる。また、引落明細レコード556,560については、他の引落明細レコードとは無関係に処理が行なわれる。そして、引落明細レコード562については、引落明細レコード561が処理不能の場合、同様に処理不能となる。
【0074】
図13は、約定日当日の延滞再引き落としの回収例を示す。引落明細レコード604、605については前日夜間引落処理での処理不能であり、延滞利息が発生していない。このように延滞利息が発生していない場合には、貸出コードが異なるために、異なる枝番号が付与されている。この結果、引落明細レコード604、605は、貸出毎に古月当月制御が行なわれる。従って、引落明細レコード605は、引落明細レコード604の処理結果に関わらず処理を行なうことができる。
【0075】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、融資(含むローン)の集中記帳処理のうち、約定日前日夜間の初回約定回収、約定日当日の日中引き落とし及び約定日当日夜間の再引き落としにより回収される同一約定返済日の引落明細を対象として、同一貸出科目であっても貸出毎に枝番号が異なる古月当月制御コードが付与される。同一貸出科目の古月当月制御により処理不能となる明細についても、貸出が異なれば処理不能とはせず、預金残高の範囲内での引き落としを行なうことができる。
【0076】
・ 上記実施形態では、過去の延滞が残っている場合、枝番号の付与を行なわない。これにより、現行通り同一取引先、貸出科目内で古月の引き落としを優先させることができる。
【0077】
・ 上記実施形態では、延滞がない場合には、集中記帳管理システム20の制御部21は、取引先/貸出科目/案件/貸出が一致しているかどうかを確認する(ステップS3−5)。この場合、延滞の判定の範囲が狭くなり、引き落とせる明細が多くなる。
【0078】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、夜間集中記帳処理や、約定日の日中や当日夜間の集中記帳処理を行なうが、集中記帳処理の回数はこれらに限定されるものではない。
【0079】
○ 上記実施形態では、約定日前日の夜間集中記帳処理、約定日の日中や当日夜間の集中記帳処理において枝番号の付与を行なったが、枝番号割振処理の実行は、これらの機会に限定されるものではなく、この集中記帳処理の一部の処理の中で行なってもよい。
【0080】
○ 上記実施形態では、証貸、残債ローン、手貸を対象としたが、一つの貸出科目において複数の貸出がある融資であれば、これらに限定されるものではない。
○ 上記実施形態では、取引先コード及び貸出科目コードが一致している先行の引落明細レコードと後続の引落明細レコードとにおいて、先行する引落明細レコードの取引日と、後続する引落明細レコードの取引日とが異なる場合には、後続レコードのグループ識別子に対してエラーコードを付与する。これに代えて、既延滞に引き続き後続レコードについても、エラーコードを付与せずに引落処理を行なうようにしてもよい。これにより、引落処理が可能な場合には、他の引落処理と同様に処理を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態のシステムの概略図。
【図2】引落明細レコードの生成の説明図。
【図3】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図4】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図5】本発明の一実施形態の処理手順の説明図。
【図6】ローンマネジメントファイルに含まれるファイル関係の説明図。
【図7】ローンマネジメントファイルに含まれるデータの説明図。
【図8】枝番号を割り振った再設定項目の説明図。
【図9】引落処理の事例の説明図。
【図10】引落処理の事例の説明図。
【図11】引落処理の事例の説明図。
【図12】引落処理の事例の説明図。
【図13】引落処理の事例の説明図。
【符号の説明】
【0082】
10…預金管理システム、20…集中記帳管理システム、21…制御部、211…取引日付与手段、212…回収指示手段、213…枝番号割振処理手段、215…回収結果登録手段、216…調整リスク算出手段、22…ローンマネジメントファイル記憶部、220…ローンマネジメントファイル、221…取引先ファイル、222…案件ファイル、223…貸出ファイル、224…返済ファイル、300,501〜504,510〜515,520〜530,551〜562,601〜608…引落明細レコード。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信する送信手段と、
前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する結果登録手段とを備えた集中記帳管理システムであって、
前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する取引日付与手段と、
取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、
先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、
少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振処理手段と
を備えたことを特徴とする集中記帳管理システム。
【請求項2】
前記枝番号割振処理手段は、
取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに枝番号を付与することを特徴とする請求項1に記載の集中記帳管理システム。
【請求項3】
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信し、
前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する集中記帳管理方法であって、
前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する段階と、
取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、
先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、
少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振段階と
を備えたことを特徴とする集中記帳管理方法。
【請求項4】
前記枝番号割振段階は、
取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに枝番号を付与することを特徴とする請求項3に記載の集中記帳管理方法。
【請求項5】
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細
レコードから構成された引落ファイルを送信する送信手段と、
前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する結果登録手段とを備えた集中記帳管理システムを制御するプログラムであって、
前記集中記帳管理システムを、
前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する取引日付与手段と、
取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、
先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、
少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振処理手段
として機能させることを特徴とする集中記帳管理プログラム。
【請求項1】
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信する送信手段と、
前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する結果登録手段とを備えた集中記帳管理システムであって、
前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する取引日付与手段と、
取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、
先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、
少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振処理手段と
を備えたことを特徴とする集中記帳管理システム。
【請求項2】
前記枝番号割振処理手段は、
取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに枝番号を付与することを特徴とする請求項1に記載の集中記帳管理システム。
【請求項3】
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細レコードから構成された引落ファイルを送信し、
前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する集中記帳管理方法であって、
前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する段階と、
取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、
先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、
少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振段階と
を備えたことを特徴とする集中記帳管理方法。
【請求項4】
前記枝番号割振段階は、
取引先コード及び貸出科目コードが一致している引落明細レコードにおいて、約定返済日が取引日に対して古い延滞した引落明細レコードが返済データ記憶手段に記録されていない場合のみに枝番号を付与することを特徴とする請求項3に記載の集中記帳管理方法。
【請求項5】
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子が共通する引落明細レコードにおいて約定返済日が古い順番に、先行する引落明細レコードの引き落とし完了を条件に口座引落処理を行なう預金管理システムに対して、返済データ記憶手段に記録された引落明細
レコードから構成された引落ファイルを送信する送信手段と、
前記預金管理システムから受信した引落結果を、引落明細レコード毎に返済データ記憶手段に記録する結果登録手段とを備えた集中記帳管理システムを制御するプログラムであって、
前記集中記帳管理システムを、
前記引落明細レコードに対して、約定返済日及び現在日付に基づいて取引日を付与する取引日付与手段と、
取引先コード、貸出科目コード及び取引日に基づいて、引落明細レコードを並び替え、
先行する引落明細レコードに対して、取引先コード、貸出科目コード、案件コード及び貸出コードのすべてが一致している場合には、同じ枝番号を割り振り、
少なくとも一部に一致していないものが含まれている場合には、新たな枝番号を割り振り、
取引先コード、貸出科目コードを含むグループ識別子に前記枝番号を付与する枝番号割振処理手段
として機能させることを特徴とする集中記帳管理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−299160(P2007−299160A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125900(P2006−125900)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【出願人】(592259978)株式会社みずほ銀行 (117)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【出願人】(592259978)株式会社みずほ銀行 (117)
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