集合住宅
【課題】より確実に居住環境の向上を図ることのできる集合住宅を提供すること。
【解決手段】第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とからなる第1住戸10と、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とからなる第2住戸30とを、それぞれ複数設ける。また、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、及び第1住戸下層部15と第2住戸下層部35は、それぞれ同一の居住階層5に設け、第1住戸10及び第2住戸30は、共にメゾネット構造にする。これにより、採光などの居住環境が均等化される。また、エレベータを、概ね隔階に停止可能にする。これにより、エレベータの停止階が減少し、移動時間が短縮される。また、第1住戸10と第2住戸30との全ての端壁部50にバルコニー55を設ける。これにより、各住戸でバルコニー55に対する日当たりの均等化を図ることができる。これらの結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【解決手段】第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とからなる第1住戸10と、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とからなる第2住戸30とを、それぞれ複数設ける。また、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、及び第1住戸下層部15と第2住戸下層部35は、それぞれ同一の居住階層5に設け、第1住戸10及び第2住戸30は、共にメゾネット構造にする。これにより、採光などの居住環境が均等化される。また、エレベータを、概ね隔階に停止可能にする。これにより、エレベータの停止階が減少し、移動時間が短縮される。また、第1住戸10と第2住戸30との全ての端壁部50にバルコニー55を設ける。これにより、各住戸でバルコニー55に対する日当たりの均等化を図ることができる。これらの結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅に関するものである。特に、この発明は、上下方向に積層される複数の住戸を有する集合住宅に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の集合住宅は、複数の住戸を有する階が複数の階層となって積層されている。このため、集合住宅における外面のどの面に面するかが住戸によって異なっているため、例えば採光などの環境が異なっている。このため、従来の集合住宅では、様々な手法でこれらの環境の均等化を図っている。例えば、特許文献1では、1つの住戸を上下に隣接する2つの部屋から構成し、この2つの部屋からなる住戸2つで1組とし、各住戸の部屋を互い違いにしている。つまり、一方の住戸が有する部屋のうち、上階に位置する部屋の下方に、他方の住戸が有する部屋のうちの下階に位置する部屋を位置させる。同様に、一方の住戸が有する部屋のうち、下階に位置する部屋の上方に、他方の住戸が有する部屋のうちの上階に位置する部屋を位置させる。そして、1つの住戸が有する2つの部屋は、階段によって接続する。これにより、各住戸は、上階に位置する部屋と下階に位置する部屋とが、集合住宅の外面のうち互いに異なった面に面することになる。この結果、各住戸における採光などの環境の均等化を図ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開平11−217946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、このような集合住宅では、地上から高い階層に設けられた住戸への出入りを容易にするため、エレベータを設けているものがある。つまり、従来の集合住宅では、階層が積層されている方向に移動し、任意の階で停止可能なエレベータが設けられているものがあり、任意の階に移動する際に、このエレベータで移動することにより、容易に移動することができる。例えば、特許文献1に記載の集合住宅においても、各階に停止可能なエレベータを設けることにより、各住戸への移動の容易性を向上させることができる。しかしながら、この集合住宅では、採光などの環境の均等化を図ることができるが、エレベータは各階に停止可能になっているため、例えば通勤時間帯などエレベータを利用する人が多い場合には、エレベータが停止する階が多くなる場合がある。この場合、エレベータでの移動の時間が長くなる虞がある。さらに、設けられている住戸の数が多く、エレベータを利用する人の数が多い集合住宅では、このようにエレベータが停止する階が多くなった場合に、エレベータ待ちの人数が増え、エレベータ待ちの人が渋滞する虞があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より確実に居住環境の向上を図ることのできる集合住宅を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る集合住宅は、上下方向に積層される複数の居住階層を有すると共に上下方向に移動可能なエレベータが設けられた集合住宅において、前記複数の居住階層には、第1住戸と第2住戸とがそれぞれ複数設けられており、前記第1住戸は、前記居住階層に設けられる第1住戸上層部と、前記第1住戸上層部が設けられる前記居住階層の下方に隣接する前記居住階層に設けられる第1住戸下層部と、を有しており、前記第2住戸は、前記第1住戸上層部が設けられる前記居住階層と同一の前記居住階層に設けられる第2住戸上層部と、前記第1住戸下層部が設けられる前記居住階層と同一の前記居住階層に設けられる第2住戸下層部と、を有しており、前記第1住戸上層部と前記第1住戸下層部とは、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有しており、前記第2住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有しており、前記第1住戸上層部と前記第1住戸下層部とは、双方を連通する第1住戸昇降手段によって接続されており、前記第2住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、双方を連通する第2住戸昇降手段によって接続されており、前記第1住戸には、前記第1住戸上層部または前記第1住戸下層部のいずれか一方に前記第1住戸内に出入り可能に形成された第1住戸玄関部が設けられており、前記第2住戸には、前記第2住戸上層部または前記第2住戸下層部のいずれか一方で、且つ、前記第1住戸玄関部が形成されている前記居住階層と同一の前記居住階層に、前記第2住戸内に出入り可能に形成された第2住戸玄関部が設けられており、前記エレベータは、前記第1住戸玄関部及び前記第2住戸玄関部が形成された前記居住階層に停止可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、第1住戸を、上下方向に積層されると共に、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有する、即ち、互いに水平方向にずれている部分を有する第1住戸上層部と第1住戸下層部とから形成している。同様に、第2住戸を、上下方向に積層されると共に、互いに水平方向にずれている部分を有する第2住戸上層部と第2住戸下層部とから形成している。これにより、第1住戸上層部と第1住戸下層部とは、集合住宅において互いに異なる方向に位置する外面に隣接させることができ、第2住戸上層部と第2住戸下層部とは、集合住宅において互いに異なる方向に位置する外面に隣接させることができる。このため、採光などの居住環境の均等化を図ることができる。
【0008】
また、第1住戸及び第2住戸を、共に2つの居住階層に渡って形成し、第1住戸玄関部と第2住戸玄関部とを、2つの居住階層のうち、一方の居住階層に設けている。さらに、これらの第1住戸玄関部と第2住戸玄関部とを、同一の居住階層に設けている。これにより、第1住戸玄関部と第2住戸玄関部とを、ほぼ隔階に設けることができるので、エレベータが停止する居住階層も、ほぼ隔階に設定することができる。従って、複数が積層されている居住階層に対してエレベータが停止する居住階層を減少させることができ、エレベータで移動する際における移動の時間を短縮することができる。
【0009】
また、さらに、第1住戸玄関部と第2住戸玄関部とを、ほぼ隔階に設けることにより、第1住戸玄関部や第2住戸玄関部に接続される通路など、第1住戸玄関部や第2住戸玄関部を介して第1住戸や第2住戸に出入り可能な部分をほぼ隔階に設けることができる。このため、居住スペースとして利用することができる部分を増加させることができ、第1住戸、または第2住戸の一戸あたりの総面積を増加させることができる。これらの結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0010】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1住戸と前記第2住戸とは、上下方向と直交する方向における両端部に端壁部を有しており、前記第1住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、前記端壁部のうち同一方向に位置する前記端壁部に隣接しており、前記第1住戸下層部と前記第2住戸上層部とは、前記端壁部のうち同一方向に位置する前記端壁部に隣接していることを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1住戸と前記第2住戸とは、それぞれ前記端壁部における前記第1住戸内側の面と反対側の面、または第2住戸内側の面と反対側の面にバルコニーが設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1住戸玄関部及び前記第2住戸玄関部が設けられた前記居住階層には、前記第1住戸玄関部を介して前記第1住戸内に連通可能であると共に、前記第2住戸玄関部を介して前記第2住戸内に連通可能な通路部が設けられており、前記エレベータは、前記エレベータ内が前記通路部に対して連通可能に設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1住戸は、前記第1住戸玄関部を介して内部が前記エレベータ内と連通可能になっており、前記第2住戸は、前記第2住戸玄関部を介して内部が前記エレベータ内と連通可能になっていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1昇降手段は階段により形成されていると共に、前記第1昇降手段の下方には前記第2住戸下層部が位置しており、前記第2昇降手段は階段により形成されていると共に、前記第2昇降手段の下方には前記第1住戸下層部が位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る集合住宅は、より確実に居住環境の向上を図ることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明に係る集合住宅の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る集合住宅の断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1のB−B断面図である。図4は、図1のC−C断面図である。同図に示す集合住宅1は、複数の階層を有しており、複数の居住階層5が上下方向に積層されている。積層される各居住階層5には、内部が互いに隔離された部屋である住戸が複数設けられており、第1住戸10と第2住戸30とが1組となって設けられている。つまり、第1住戸10と第2住戸30とはそれぞれ複数設けられており、さらに、第1住戸10と第2住戸30とによる組が複数設けられている。
【0018】
これらの第1住戸10と第2住戸30とは、共に上下方向で隣接する2つの居住階層5に渡って形成されている。このうち、第1住戸10は、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とを有しており、第1住戸上層部11は、第1住戸下層部15が設けられている居住階層5の上方で隣接する居住階層5に設けられている。また、第2住戸30は、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とを有しており、第2住戸上層部31は、第2住戸下層部35が設けられている居住階層5の上方で隣接する居住階層5に設けられている。
【0019】
このように形成される第1住戸10と第2住戸30とは、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31とが同一の居住階層5に設けられており、第1住戸下層部15と第2住戸下層部35と同一の居住階層5に設けられている。また、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31とは、共に居住階層5の偶数階に設けられており、第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とは、共に居住階層5の奇数階に設けられている。つまり、居住階層5の1階部分には第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とが設けられており、居住階層5の2階部分には第1住戸上層部11と第2住戸上層部31が設けられており、居住階層5の上方の階に向かうに従って第1住戸下層部15と第1住戸上層部11とが交互に設けられ、同様に、居住階層5の上方の階に向かうに従って第2住戸下層部35と第2住戸上層部31とが交互に設けられている。
【0020】
さらに、1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30は、居住階層5の1階部分に設けられる第1住戸10の第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とが、互いに離間しており、居住階層5の2階部分に設けられる第1住戸上層部11と第2住戸上層部31とは、隣接している。これに対し、居住階層5の3階以上の部分で1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30は、奇数階に設けられる第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とが隣接しており、偶数階に設けられる第1住戸上層部11と第2住戸上層部31とは、互いに離間している。
【0021】
また、第1住戸上層部11における第2住戸上層部31側の端部、及び第1住戸下層部15における第2住戸下層部35側の端部には、第1住戸壁部20が形成されており、同様に、第2住戸上層部31における第1住戸上層部11側の端部、及び第2住戸下層部35における第1住戸下層部15側の端部には、第2住戸壁部40が形成されている。これらの第1住戸壁部20と第2住戸壁部40とは、隣接している第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、または第1住戸下層部15と第2住戸下層部35に設けられる第1住戸壁部20と第2住戸壁部40とは一体に形成されており、互いに離間している第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、または第1住戸下層部15と第2住戸下層部35では、第1住戸壁部20と第2住戸壁部40も離間している。
【0022】
またさらに、第1住戸10と第2住戸30とは、上下方向と直交する方向、或いは水平方向のうちの一方向における両端部に、共に端壁部50を有しており、第1住戸上層部11と第2住戸下層部35とは、端壁部50のうち同一方向に位置する端壁部50に隣接している。つまり、第1住戸上層部11と第2住戸下層部35とは、略平面となっている1つの端壁部50に隣接している。同様に、第1住戸下層部15と第2住戸上層部31とは、端壁部50のうち同一方向に位置し、略平面となっている1つの端壁部50に隣接している。換言すると、第1住戸上層部11と第2住戸下層部35との双方に設けられる端壁部50は連続して形成されており、第1住戸下層部15と第2住戸上層部31との双方に設けられる端壁部50は、連続して形成されている。
【0023】
このため、上下方向で隣接する居住階層5に設けられている第1住戸上層部11と第2住戸下層部35とは、上下方向、つまり居住階層5が積層している方向において重なっている部分を有している。これに対し、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とは、異なる端壁部50に隣接しているため、互いに水平方向にずれており、水平方向、或いは上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有している。
【0024】
同様に、上下方向で隣接する居住階層5に設けられている第2住戸上層部31と第1住戸下層部15とは、上下方向において重なっている部分を有しており、これに対し、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とは、異なる端壁部50に隣接しているため、互いに水平方向、或いは上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有している。
【0025】
さらに、第1住戸10と第2住戸30とは、それぞれ端壁部50における第1住戸10内側の面と反対側の面、または第2住戸30内側の面と反対側の面にバルコニー55が設けられている。つまり、第1住戸10に設けられる端壁部50には、外側部分にバルコニー55が設けられており、第2住戸30に設けられる端壁部50にも同様に、外側部分にバルコニー55が設けられている。これらのバルコニー55は周囲に柵が設けられており、またバルコニー55は、第1住戸上層部11、第1住戸下層部15、第2住戸上層部31、第2住戸下層部35が有する全ての端壁部50の外側部分に設けられている。
【0026】
また、1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30とが離間して形成される部分の間には、通路部60が形成されている。つまり、通路部60は、居住階層5の1階部分では第1住戸下層部15と第2住戸下層部35との間に設けられており、居住階層5の3階以上の部分では、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31との間に設けられている。このように、通路部60は居住階層5の1階部分に設けられており、居住階層5の3階以上の部分では、偶数階に設けられているため、居住階層5は概ね隔階に設けられている。
【0027】
また、各居住階層5には、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、または第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とが複数設けられているが、通路部60は、通路部60が設けられている居住階層5における複数の第1住戸上層部11と第2住戸上層部31との間、または第1住戸下層部15と第2住戸下層部35との間にかけて、連続して形成されている。さらに、複数の居住階層5に設けられる複数の通路部60は、ほぼ平行に形成されている。
【0028】
また、当該集合住宅1には、上下方向に延びるエレベータ通路71が設けられており、エレベータ通路71内には、エレベータ70が上下方向に移動可能に設けられている。このエレベータ通路71は、複数の第1住戸10及び第2住戸30が並んでいる方向、つまり、通路部60の形成方向において最も端に位置する第1住戸10と第2住戸30との間に位置している。このため、通路部60が設けられていない居住階層5に設けられ、エレベータ通路71が通る部分に位置する部分を含む第1住戸上層部11、第1住戸下層部15、第2住戸上層部31、第2住戸下層部35のいずれかには、エレベータ通路71の形状に合わせて変形した部分を有している。さらに、このエレベータ通路71には、複数の居住階層5に複数設けられる全ての通路部60の、同一方向の端部が接続されている。
【0029】
エレベータ通路71内を上下方向に移動可能に設けられたエレベータ70は、通路部60が設けられている居住階層5の位置で停止可能になっている。このため、エレベータ通路71内におけるエレベータ70の停止位置であるエレベータ停止位置72は、通路部60が設けられている居住階層5に位置している。これにより、エレベータ70がエレベータ停止位置72に停止し、当該エレベータ70が有する扉(図示省略)が開いた際に、エレベータ70内が通路部60に対して連通可能になるように設けられている。
【0030】
図5は、図3のD部詳細図である。図6は、図4のE部詳細図である。図7は、図5のF−F断面図である。図8は、図5のG−G断面図である。図9は、居住階層の3階以上に設けられた第1住戸の斜視図である。図10は、居住階層の3階以上に設けられた第2住戸の斜視図である。また、1つの第1住戸10が有する第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とは、双方を連通する第1住戸昇降手段である第1住戸階段部25によって内部が接続されている。詳しくは、第1住戸上層部11は、一部が第1住戸下層部15と上下方向において重なっており、第1住戸上層部11には、当該第1住戸上層部11のうち第1住戸下層部15と重なっている部分における床部12の一部に、第1住戸下層部15に対して開口した第1住戸上層部開口部13が形成されている。第1住戸階段部25は、上端部26が第1住戸上層部開口部13から第1住戸上層部11の床部12に接続され、下端部27が第1住戸下層部15の床部16に接続されている。これにより、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とは連通している。
【0031】
同様に、1つの第2住戸30が有する第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とは、双方を連通する第2住戸昇降手段である第2住戸階段部45によって内部が接続されている。つまり、第2住戸上層部31のうち第2住戸下層部35と重なっている部分における床部32の一部に、第2住戸下層部35に対して開口した第2住戸上層部開口部33が形成されており、第2住戸階段部45は、上端部46が第2住戸上層部開口部33から第2住戸上層部31の床部32に接続され、下端部47が第2住戸下層部35の床部36に接続されている。これにより、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とは連通している。
【0032】
また、これらのため、第1住戸10及び第2住戸30は、メゾネット構造として形成されている。さらに、第1住戸10と第2住戸30は、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とをそれぞれ異なる端壁部50に隣接させ、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とをそれぞれ異なる端壁部50に隣接させ、またさらに、第1住戸上層部11と第2住戸下層部35、及び第2住戸上層部31と第1住戸下層部15を、それぞれ連続した端壁部50に隣接させたクロス構造になっている。
【0033】
また、1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30のうち、第2住戸上層部31と離間している第1住戸上層部11に形成された第1住戸壁部20、及び第2住戸下層部35と離間している第1住戸下層部15に形成された第1住戸壁部20には、開閉可能に形成された扉22を有すると共に、第1住戸10内に出入り可能に形成された第1住戸玄関部21が設けられている。
【0034】
また、1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30のうち、第1住戸上層部11と離間している第2住戸上層部31に形成された第2住戸壁部40、及び第1住戸下層部15と離間している第2住戸下層部35に形成された第2住戸壁部40には、開閉可能に形成された扉42を有すると共に、第2住戸30内に出入り可能に形成された第2住戸玄関部41が設けられている。
【0035】
つまり、居住階層5の1階部分と2階部分とにかけて形成される第1住戸10では、第1住戸下層部15に第1住戸玄関部21が形成されており、居住階層5の3階以上の部分に設けられる第1住戸10では、第1住戸上層部11に第1住戸玄関部21が形成されている。また、居住階層5の1階部分と2階部分とにかけて形成される第2住戸30では、第2住戸下層部35に第2住戸玄関部41が形成されており、居住階層5の3階以上の部分に設けられる第2住戸30では、第2住戸上層部31に第2住戸玄関部41が形成される。このため、第2住戸玄関部41が設けられている居住階層5は、第1住戸玄関部21が設けられている居住階層5と同一の居住階層5になっており、第1住戸玄関部21及び第2住戸玄関部41は、通路部60と同様に、概ね居住階層5の隔階に設けられている。
【0036】
また、第1住戸玄関部21が設けられている第1住戸壁部20と、第2住戸玄関部41が設けられている第2住戸壁部40とは、互いに離間しており、前記通路部60は、この第1住戸壁部20と第2住戸壁部40との間に設けられている。また、通路部60は、第1住戸玄関部21を介して第1住戸10内に連通可能であると共に、第2住戸玄関部41を介して第2住戸30内に連通可能になっている。
【0037】
また、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、第1住戸下層部15と第2住戸下層部35は、共に同一の居住階層5に複数設けられており、同一の居住階層5に設けられる第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41は、同一の通路部60の幅方向における両側に設けられている。このため、同一の居住階層5に設けられる第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41は、同一の通路部60に対して第1住戸10内または第2住戸30内に連通可能になっている。
【0038】
この実施例に係る集合住宅1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この集合住宅1の1階及び2階に設けられた第1住戸10、または第2住戸30内に出入りする際には、居住階層5の1階に部分に設けられる通路部60より、第1住戸10内、または第2住戸30内に出入りする。つまり、1階及び2階に設けられた第1住戸10内に出入りする際には、1階の通路部60を通って、第1住戸下層部15に設けられた第1住戸玄関部21から第1住戸下層部15内に入る、または、第1住戸玄関部21を通って第1住戸下層部15から通路部60に出る。同様に、1階及び2階に設けられた第2住戸30内に出入りする際には、1階の通路部60を通って、第2住戸下層部35に設けられた第2住戸玄関部41から第2住戸下層部35内に出入りする。
【0039】
また、集合住宅1の外部から居住階層5の3階以上に設けられている第1住戸10や第2住戸30に向かう際には、まず、1階でエレベータ70に乗り込み、目的の第1住戸10の第1住戸玄関部21、または第2住戸30の第2住戸玄関部41が位置する居住階層5に移動する。その際に、エレベータ70は、目的の居住階層5のエレベータ停止位置72に停止し、エレベータ70から通路部60に向かう。さらに、この通路部60から、第1住戸玄関部21、または第2住戸玄関部41を通って、第1住戸上層部11内、または第2住戸上層部31内に入る。
【0040】
反対に、居住階層5の3階以上に設けられている第1住戸10や第2住戸30から集合住宅1の外に出る際には、まず、第1住戸玄関部21を通って第1住戸上層部11から通路部60、または第2住戸玄関部41を通って第2住戸上層部31から通路部60に出る。さらに、この通路部60から、当該通路部60が形成された居住階層5のエレベータ停止位置72に停止しているエレベータ70に乗り込み、1階方向に向かって1階で降り、集合住宅1の外に出る。
【0041】
また、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15との間を行き来する場合には、第1住戸10内に設けられた第1住戸階段部25を通って行き来する。同様に、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35との間を行き来する場合には、第2住戸30内に設けられた第2住戸階段部45を通って行き来する。これらにより、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とからなる第1住戸10、または、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とからなる第2住戸30を、それぞれ1つの居住空間とすることができる。
【0042】
以上の集合住宅1は、第1住戸10と第2住戸30とを1つの組としてこれらを複数設け、このうち第1住戸10を、上下方向に積層されると共に互いに水平方向にずれている部分を有する第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とから形成している。同様に、第2住戸30を、上下方向に積層されると共に、互いに水平方向にずれている部分を有する第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とから形成している。これにより、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とは、集合住宅1において互いに異なる方向に位置する外面に隣接させることができ、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とは、集合住宅1において互いに異なる方向に位置する外面に隣接させることができる。このため、採光などの居住環境の均等化を図ることができる。
【0043】
また、第1住戸10及び第2住戸30を、共に2つの居住階層5に渡って形成し、第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41とを、2つの居住階層5のうち、一方の居住階層5に設けている。さらに、これらの第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41とを、同一の居住階層5に設けている。これにより、第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41とを、ほぼ隔階に設けることができ、エレベータ停止位置72も、ほぼ隔階に設定することができる。従って、複数が積層されている居住階層5に対してエレベータ停止位置72を低減することができ、エレベータ70が停止する居住階層5を減少させることができる。このため、例えば通勤時間帯などエレベータ70を利用する人が多い場合でも、エレベータ70が停止する階が少ないので、エレベータ70での移動の時間が短くなる。さらに、設けられている住戸の数が多く、エレベータ70を利用する人の数が多い集合住宅1においても、エレベータ70の移動時間が短いため、エレベータ70待ちの人数が増加することを抑制でき、エレベータ70待ちの人が渋滞することを抑制できる。
【0044】
また、さらに、第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41とを、ほぼ隔階に設けることにより、通路部60もほぼ隔階に設けることができるので、居住スペースとして利用することができる部分を増加させることができる。これにより、第1住戸10、または第2住戸30に一戸あたりの総面積を増加させることができる。これらの結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0045】
また、第1住戸10の第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とを、それぞれ異なる端壁部50に隣接させている。また、第2住戸30の第2住戸上層部31を第1住戸下層部15が隣接した端壁部50から連続して形成される端壁部50に隣接させ、第2住戸下層部35は、第1住戸上層部11が隣接した端壁部50から連続して形成される端壁部50に隣接させている。これにより、第1住戸10と第2住戸30とに、共に複数の方向に位置する端壁部50に隣接する部分を設けることができるので、より確実に採光などの居住環境の均等化を図ることができる。この結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0046】
また、第1住戸10と第2住戸30が有する全ての端壁部50の外側部分にバルコニー55を設けているので、第1住戸10と第2住戸30とに、共に複数の方向の位置にバルコニー55を設けることができる。つまり、例えば第1住戸10と第2住戸30とに、共に東側の面と西側の面との双方の面にバルコニー55を設けることができる。これにより、第1住戸10と第2住戸30とで、バルコニー55に対する日当たりの均等化を図ることができ、居住環境の均等化を図ることができる。この結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0047】
また、第1住戸玄関部21が設けられる第1住戸壁部20と、第2住戸玄関部41が設けられる第2住戸壁部40との間に通路部60を設け、第1住戸玄関部21、または第2住戸玄関部41を介して通路部60から第1住戸10内、または第2住戸30内に出入りできるようにしている。さらに、エレベータ70は、エレベータ停止位置72に停止した際のエレベータ70内と、この通路部60とが連通可能になっている。これにより、容易にエレベータ70内と第1住戸10内及び第2住戸30内とを接続することができる。また、通路部60を設けることにより、1つの通路部60に対して複数の第1住戸玄関部21及び第2住戸玄関部41を隣接することができるので、1つエレベータ70内と、複数の第1住戸10内及び第2住戸30内を接続することができる。この結果、容易に居住環境の向上を図ることができる。
【0048】
図11は、本発明の変形例に係る集合住宅の断面図である。図12は、図11のH−H断面図である。図13は、図11のK−K断面図である。なお、上述した集合住宅1では、エレベータ通路71は、第1住戸10と第2住戸30との間に設けられているが、エレベータ通路71は、これ以外の部分に設けてもよい。例えば、図11〜図13に示すように、エレベータ通路81は、通路部60の形成方向において、端の部分に位置する第1住戸10や第2住戸30よりも突出するように設けてもよい。これにより、第1住戸10や第2住戸30をエレベータ通路81の形状に合わせる必要がなく、より確実に所望の形状の第1住戸10や第2住戸30を得ることができる。この結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0049】
図14は、本発明の変形例に係る集合住宅の要図断面図であり、第1住戸上層部及び第2住戸上層部の断面図である。図15は、図14に示した第1住戸上層部に接続される第1住戸下層部、及び第2住戸上層部に接続される第2住戸下層部の断面図である。また、上述した集合住宅1では、エレベータ70は通路部60に接続されているが、通路部60は設けなくてもよい。例えば、図14、図15に示すように、エレベータ通路100と第1住戸90及び第2住戸95と直接隣接させる。さらに、エレベータ通路100の第1住戸上層部91側の部分に第1住戸玄関部93を隣接させ、エレベータ通路100の第2住戸上層部96側の部分に第2住戸玄関部98を隣接させる。また、第1住戸下層部92及び第2住戸下層部97には、双方が隣接する部分にエレベータ通路100が通されている。これらにより、第1住戸90は、第1住戸玄関部93を介して内部が直接エレベータ70(図2参照)内と連通可能になり、第2住戸95は、第2住戸玄関部98を介して内部が直接エレベータ70内と連通可能になる。この結果、エレベータ70を利用する人数がさらに低減するので、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0050】
図16は、本発明の変形例に係る集合住宅の要図断面図である。また、上述した集合住宅1では、第1住戸階段部25の下方には第1住戸下層部15が位置しており、第2住戸階段部45の下方には第2住戸下層部35が位置しているが、第1住戸10及び第2住戸30は、これら以外の形態で形成されていてもよい。例えば、図16に示すように、第1住戸階段部25の下方には、第2住戸下層部35が位置していてもよい。同様に、第2住戸階段部45(図8参照)の下方には第1住戸下層部15が位置していてもよい。このように、第1住戸階段部25や第2住戸階段部45の下方に、他の住戸を位置させることにより、第1住戸10や第2住戸30をより広くすることができる。この結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0051】
また、上述した集合住宅1では、第1住戸昇降手段として第1住戸階段部25が設けられ、第2住戸昇降手段として第2住戸階段部45が設けられているが、第1住戸昇降手段、及び第2住戸昇降手段は、第1住戸階段部25や第2住戸階段部45以外を用いてもよい。例えば、第1住戸昇降手段や第2住戸昇降手段としてエレベータやエスカレータを用いてもよい。第1住戸昇降手段や第2住戸昇降手段は、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15、または第2住戸上層部31と第2住戸下層部35との間を自由に行き来できるものであれば、階段以外の構造のものを用いてもよい。
【0052】
また、上記の集合住宅1では、通路部60が設けられる場合には、第1住戸玄関部21及び第2住戸玄関部41は、扉22、42が直接通路部60に面しているが、扉22、42は直接通路部60に面していなくてもよい。第1住戸玄関部21や第2住戸玄関部41は、扉22、42が直接通路部60に面していなくても、第1住戸玄関部21や第2住戸玄関部41を通ることにより第1住戸10内または第2住戸30内と通路部60とが連通するように形成されていればよい。
【0053】
また、同一の居住階層5に設けられる第1住戸10及び第2住戸30の数はいくつでもよく、その数は問わない。また、通路部60も、1つの居住階層5に複数形成されていてもよく、エレベータ70及びエレベータ通路71も複数設けられていてもよい。さらに、第1住戸玄関部21や第2住戸玄関部41が形成される居住階層5は、上述した居住階層5以外でもよい。第1住戸玄関部21は、第1住戸上層部11または第1住戸下層部15のいずれか一方に設けられていればよく、第2住戸玄関部41は、第2住戸上層部31または第2住戸下層部35のいずれか一方に設けられ、且つ、第1住戸玄関部21が位置する居住階層5に設けられていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明に係る集合住宅は、複数の住戸を有する集合住宅に有用であり、特に、エレベータが設けられた集合住宅に適している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例に係る集合住宅の断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図3のD部詳細図である。
【図6】図4のE部詳細図である。
【図7】図5のF−F断面図である。
【図8】図5のG−G断面図である。
【図9】居住階層の3階以上に設けられた第1住戸の斜視図である。
【図10】居住階層の3階以上に設けられた第2住戸の斜視図である。
【図11】本発明の変形例に係る集合住宅の断面図である。
【図12】図11のH−H断面図である。
【図13】図11のK−K断面図である。
【図14】本発明の変形例に係る集合住宅の要図断面図であり、第1住戸上層部及び第2住戸上層部の断面図である。
【図15】図14に示した第1住戸上層部に接続される第1住戸下層部、及び第2住戸上層部に接続される第2住戸下層部の断面図である。
【図16】本発明の変形例に係る集合住宅の要図断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 集合住宅
5 居住階層
10、90 第1住戸
11、91 第1住戸上層部
12 床部
13 第1住戸上層部開口部
15、92 第1住戸下層部
16 床部
20 第1住戸壁部
21、93 第1住戸玄関部
22 扉
25 第1住戸階段部
26 上端部
27 下端部
30、95 第2住戸
31、96 第2住戸上層部
32 床部
33 第2住戸上層部開口部
35、97 第2住戸下層部
36 床部
40 第2住戸壁部
41、98 第2住戸玄関部
42 扉
45 第2住戸階段部
46 上端部
47 下端部
50 端壁部
55 バルコニー
60 通路部
70 エレベータ
71、81、100 エレベータ通路
72 エレベータ停止位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合住宅に関するものである。特に、この発明は、上下方向に積層される複数の住戸を有する集合住宅に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の集合住宅は、複数の住戸を有する階が複数の階層となって積層されている。このため、集合住宅における外面のどの面に面するかが住戸によって異なっているため、例えば採光などの環境が異なっている。このため、従来の集合住宅では、様々な手法でこれらの環境の均等化を図っている。例えば、特許文献1では、1つの住戸を上下に隣接する2つの部屋から構成し、この2つの部屋からなる住戸2つで1組とし、各住戸の部屋を互い違いにしている。つまり、一方の住戸が有する部屋のうち、上階に位置する部屋の下方に、他方の住戸が有する部屋のうちの下階に位置する部屋を位置させる。同様に、一方の住戸が有する部屋のうち、下階に位置する部屋の上方に、他方の住戸が有する部屋のうちの上階に位置する部屋を位置させる。そして、1つの住戸が有する2つの部屋は、階段によって接続する。これにより、各住戸は、上階に位置する部屋と下階に位置する部屋とが、集合住宅の外面のうち互いに異なった面に面することになる。この結果、各住戸における採光などの環境の均等化を図ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開平11−217946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、このような集合住宅では、地上から高い階層に設けられた住戸への出入りを容易にするため、エレベータを設けているものがある。つまり、従来の集合住宅では、階層が積層されている方向に移動し、任意の階で停止可能なエレベータが設けられているものがあり、任意の階に移動する際に、このエレベータで移動することにより、容易に移動することができる。例えば、特許文献1に記載の集合住宅においても、各階に停止可能なエレベータを設けることにより、各住戸への移動の容易性を向上させることができる。しかしながら、この集合住宅では、採光などの環境の均等化を図ることができるが、エレベータは各階に停止可能になっているため、例えば通勤時間帯などエレベータを利用する人が多い場合には、エレベータが停止する階が多くなる場合がある。この場合、エレベータでの移動の時間が長くなる虞がある。さらに、設けられている住戸の数が多く、エレベータを利用する人の数が多い集合住宅では、このようにエレベータが停止する階が多くなった場合に、エレベータ待ちの人数が増え、エレベータ待ちの人が渋滞する虞があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より確実に居住環境の向上を図ることのできる集合住宅を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明に係る集合住宅は、上下方向に積層される複数の居住階層を有すると共に上下方向に移動可能なエレベータが設けられた集合住宅において、前記複数の居住階層には、第1住戸と第2住戸とがそれぞれ複数設けられており、前記第1住戸は、前記居住階層に設けられる第1住戸上層部と、前記第1住戸上層部が設けられる前記居住階層の下方に隣接する前記居住階層に設けられる第1住戸下層部と、を有しており、前記第2住戸は、前記第1住戸上層部が設けられる前記居住階層と同一の前記居住階層に設けられる第2住戸上層部と、前記第1住戸下層部が設けられる前記居住階層と同一の前記居住階層に設けられる第2住戸下層部と、を有しており、前記第1住戸上層部と前記第1住戸下層部とは、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有しており、前記第2住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有しており、前記第1住戸上層部と前記第1住戸下層部とは、双方を連通する第1住戸昇降手段によって接続されており、前記第2住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、双方を連通する第2住戸昇降手段によって接続されており、前記第1住戸には、前記第1住戸上層部または前記第1住戸下層部のいずれか一方に前記第1住戸内に出入り可能に形成された第1住戸玄関部が設けられており、前記第2住戸には、前記第2住戸上層部または前記第2住戸下層部のいずれか一方で、且つ、前記第1住戸玄関部が形成されている前記居住階層と同一の前記居住階層に、前記第2住戸内に出入り可能に形成された第2住戸玄関部が設けられており、前記エレベータは、前記第1住戸玄関部及び前記第2住戸玄関部が形成された前記居住階層に停止可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、第1住戸を、上下方向に積層されると共に、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有する、即ち、互いに水平方向にずれている部分を有する第1住戸上層部と第1住戸下層部とから形成している。同様に、第2住戸を、上下方向に積層されると共に、互いに水平方向にずれている部分を有する第2住戸上層部と第2住戸下層部とから形成している。これにより、第1住戸上層部と第1住戸下層部とは、集合住宅において互いに異なる方向に位置する外面に隣接させることができ、第2住戸上層部と第2住戸下層部とは、集合住宅において互いに異なる方向に位置する外面に隣接させることができる。このため、採光などの居住環境の均等化を図ることができる。
【0008】
また、第1住戸及び第2住戸を、共に2つの居住階層に渡って形成し、第1住戸玄関部と第2住戸玄関部とを、2つの居住階層のうち、一方の居住階層に設けている。さらに、これらの第1住戸玄関部と第2住戸玄関部とを、同一の居住階層に設けている。これにより、第1住戸玄関部と第2住戸玄関部とを、ほぼ隔階に設けることができるので、エレベータが停止する居住階層も、ほぼ隔階に設定することができる。従って、複数が積層されている居住階層に対してエレベータが停止する居住階層を減少させることができ、エレベータで移動する際における移動の時間を短縮することができる。
【0009】
また、さらに、第1住戸玄関部と第2住戸玄関部とを、ほぼ隔階に設けることにより、第1住戸玄関部や第2住戸玄関部に接続される通路など、第1住戸玄関部や第2住戸玄関部を介して第1住戸や第2住戸に出入り可能な部分をほぼ隔階に設けることができる。このため、居住スペースとして利用することができる部分を増加させることができ、第1住戸、または第2住戸の一戸あたりの総面積を増加させることができる。これらの結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0010】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1住戸と前記第2住戸とは、上下方向と直交する方向における両端部に端壁部を有しており、前記第1住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、前記端壁部のうち同一方向に位置する前記端壁部に隣接しており、前記第1住戸下層部と前記第2住戸上層部とは、前記端壁部のうち同一方向に位置する前記端壁部に隣接していることを特徴とする。
【0011】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1住戸と前記第2住戸とは、それぞれ前記端壁部における前記第1住戸内側の面と反対側の面、または第2住戸内側の面と反対側の面にバルコニーが設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1住戸玄関部及び前記第2住戸玄関部が設けられた前記居住階層には、前記第1住戸玄関部を介して前記第1住戸内に連通可能であると共に、前記第2住戸玄関部を介して前記第2住戸内に連通可能な通路部が設けられており、前記エレベータは、前記エレベータ内が前記通路部に対して連通可能に設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1住戸は、前記第1住戸玄関部を介して内部が前記エレベータ内と連通可能になっており、前記第2住戸は、前記第2住戸玄関部を介して内部が前記エレベータ内と連通可能になっていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明に係る集合住宅は、前記第1昇降手段は階段により形成されていると共に、前記第1昇降手段の下方には前記第2住戸下層部が位置しており、前記第2昇降手段は階段により形成されていると共に、前記第2昇降手段の下方には前記第1住戸下層部が位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る集合住宅は、より確実に居住環境の向上を図ることができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明に係る集合住宅の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る集合住宅の断面図である。図2は、図1のA−A断面図である。図3は、図1のB−B断面図である。図4は、図1のC−C断面図である。同図に示す集合住宅1は、複数の階層を有しており、複数の居住階層5が上下方向に積層されている。積層される各居住階層5には、内部が互いに隔離された部屋である住戸が複数設けられており、第1住戸10と第2住戸30とが1組となって設けられている。つまり、第1住戸10と第2住戸30とはそれぞれ複数設けられており、さらに、第1住戸10と第2住戸30とによる組が複数設けられている。
【0018】
これらの第1住戸10と第2住戸30とは、共に上下方向で隣接する2つの居住階層5に渡って形成されている。このうち、第1住戸10は、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とを有しており、第1住戸上層部11は、第1住戸下層部15が設けられている居住階層5の上方で隣接する居住階層5に設けられている。また、第2住戸30は、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とを有しており、第2住戸上層部31は、第2住戸下層部35が設けられている居住階層5の上方で隣接する居住階層5に設けられている。
【0019】
このように形成される第1住戸10と第2住戸30とは、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31とが同一の居住階層5に設けられており、第1住戸下層部15と第2住戸下層部35と同一の居住階層5に設けられている。また、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31とは、共に居住階層5の偶数階に設けられており、第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とは、共に居住階層5の奇数階に設けられている。つまり、居住階層5の1階部分には第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とが設けられており、居住階層5の2階部分には第1住戸上層部11と第2住戸上層部31が設けられており、居住階層5の上方の階に向かうに従って第1住戸下層部15と第1住戸上層部11とが交互に設けられ、同様に、居住階層5の上方の階に向かうに従って第2住戸下層部35と第2住戸上層部31とが交互に設けられている。
【0020】
さらに、1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30は、居住階層5の1階部分に設けられる第1住戸10の第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とが、互いに離間しており、居住階層5の2階部分に設けられる第1住戸上層部11と第2住戸上層部31とは、隣接している。これに対し、居住階層5の3階以上の部分で1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30は、奇数階に設けられる第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とが隣接しており、偶数階に設けられる第1住戸上層部11と第2住戸上層部31とは、互いに離間している。
【0021】
また、第1住戸上層部11における第2住戸上層部31側の端部、及び第1住戸下層部15における第2住戸下層部35側の端部には、第1住戸壁部20が形成されており、同様に、第2住戸上層部31における第1住戸上層部11側の端部、及び第2住戸下層部35における第1住戸下層部15側の端部には、第2住戸壁部40が形成されている。これらの第1住戸壁部20と第2住戸壁部40とは、隣接している第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、または第1住戸下層部15と第2住戸下層部35に設けられる第1住戸壁部20と第2住戸壁部40とは一体に形成されており、互いに離間している第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、または第1住戸下層部15と第2住戸下層部35では、第1住戸壁部20と第2住戸壁部40も離間している。
【0022】
またさらに、第1住戸10と第2住戸30とは、上下方向と直交する方向、或いは水平方向のうちの一方向における両端部に、共に端壁部50を有しており、第1住戸上層部11と第2住戸下層部35とは、端壁部50のうち同一方向に位置する端壁部50に隣接している。つまり、第1住戸上層部11と第2住戸下層部35とは、略平面となっている1つの端壁部50に隣接している。同様に、第1住戸下層部15と第2住戸上層部31とは、端壁部50のうち同一方向に位置し、略平面となっている1つの端壁部50に隣接している。換言すると、第1住戸上層部11と第2住戸下層部35との双方に設けられる端壁部50は連続して形成されており、第1住戸下層部15と第2住戸上層部31との双方に設けられる端壁部50は、連続して形成されている。
【0023】
このため、上下方向で隣接する居住階層5に設けられている第1住戸上層部11と第2住戸下層部35とは、上下方向、つまり居住階層5が積層している方向において重なっている部分を有している。これに対し、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とは、異なる端壁部50に隣接しているため、互いに水平方向にずれており、水平方向、或いは上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有している。
【0024】
同様に、上下方向で隣接する居住階層5に設けられている第2住戸上層部31と第1住戸下層部15とは、上下方向において重なっている部分を有しており、これに対し、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とは、異なる端壁部50に隣接しているため、互いに水平方向、或いは上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有している。
【0025】
さらに、第1住戸10と第2住戸30とは、それぞれ端壁部50における第1住戸10内側の面と反対側の面、または第2住戸30内側の面と反対側の面にバルコニー55が設けられている。つまり、第1住戸10に設けられる端壁部50には、外側部分にバルコニー55が設けられており、第2住戸30に設けられる端壁部50にも同様に、外側部分にバルコニー55が設けられている。これらのバルコニー55は周囲に柵が設けられており、またバルコニー55は、第1住戸上層部11、第1住戸下層部15、第2住戸上層部31、第2住戸下層部35が有する全ての端壁部50の外側部分に設けられている。
【0026】
また、1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30とが離間して形成される部分の間には、通路部60が形成されている。つまり、通路部60は、居住階層5の1階部分では第1住戸下層部15と第2住戸下層部35との間に設けられており、居住階層5の3階以上の部分では、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31との間に設けられている。このように、通路部60は居住階層5の1階部分に設けられており、居住階層5の3階以上の部分では、偶数階に設けられているため、居住階層5は概ね隔階に設けられている。
【0027】
また、各居住階層5には、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、または第1住戸下層部15と第2住戸下層部35とが複数設けられているが、通路部60は、通路部60が設けられている居住階層5における複数の第1住戸上層部11と第2住戸上層部31との間、または第1住戸下層部15と第2住戸下層部35との間にかけて、連続して形成されている。さらに、複数の居住階層5に設けられる複数の通路部60は、ほぼ平行に形成されている。
【0028】
また、当該集合住宅1には、上下方向に延びるエレベータ通路71が設けられており、エレベータ通路71内には、エレベータ70が上下方向に移動可能に設けられている。このエレベータ通路71は、複数の第1住戸10及び第2住戸30が並んでいる方向、つまり、通路部60の形成方向において最も端に位置する第1住戸10と第2住戸30との間に位置している。このため、通路部60が設けられていない居住階層5に設けられ、エレベータ通路71が通る部分に位置する部分を含む第1住戸上層部11、第1住戸下層部15、第2住戸上層部31、第2住戸下層部35のいずれかには、エレベータ通路71の形状に合わせて変形した部分を有している。さらに、このエレベータ通路71には、複数の居住階層5に複数設けられる全ての通路部60の、同一方向の端部が接続されている。
【0029】
エレベータ通路71内を上下方向に移動可能に設けられたエレベータ70は、通路部60が設けられている居住階層5の位置で停止可能になっている。このため、エレベータ通路71内におけるエレベータ70の停止位置であるエレベータ停止位置72は、通路部60が設けられている居住階層5に位置している。これにより、エレベータ70がエレベータ停止位置72に停止し、当該エレベータ70が有する扉(図示省略)が開いた際に、エレベータ70内が通路部60に対して連通可能になるように設けられている。
【0030】
図5は、図3のD部詳細図である。図6は、図4のE部詳細図である。図7は、図5のF−F断面図である。図8は、図5のG−G断面図である。図9は、居住階層の3階以上に設けられた第1住戸の斜視図である。図10は、居住階層の3階以上に設けられた第2住戸の斜視図である。また、1つの第1住戸10が有する第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とは、双方を連通する第1住戸昇降手段である第1住戸階段部25によって内部が接続されている。詳しくは、第1住戸上層部11は、一部が第1住戸下層部15と上下方向において重なっており、第1住戸上層部11には、当該第1住戸上層部11のうち第1住戸下層部15と重なっている部分における床部12の一部に、第1住戸下層部15に対して開口した第1住戸上層部開口部13が形成されている。第1住戸階段部25は、上端部26が第1住戸上層部開口部13から第1住戸上層部11の床部12に接続され、下端部27が第1住戸下層部15の床部16に接続されている。これにより、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とは連通している。
【0031】
同様に、1つの第2住戸30が有する第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とは、双方を連通する第2住戸昇降手段である第2住戸階段部45によって内部が接続されている。つまり、第2住戸上層部31のうち第2住戸下層部35と重なっている部分における床部32の一部に、第2住戸下層部35に対して開口した第2住戸上層部開口部33が形成されており、第2住戸階段部45は、上端部46が第2住戸上層部開口部33から第2住戸上層部31の床部32に接続され、下端部47が第2住戸下層部35の床部36に接続されている。これにより、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とは連通している。
【0032】
また、これらのため、第1住戸10及び第2住戸30は、メゾネット構造として形成されている。さらに、第1住戸10と第2住戸30は、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とをそれぞれ異なる端壁部50に隣接させ、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とをそれぞれ異なる端壁部50に隣接させ、またさらに、第1住戸上層部11と第2住戸下層部35、及び第2住戸上層部31と第1住戸下層部15を、それぞれ連続した端壁部50に隣接させたクロス構造になっている。
【0033】
また、1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30のうち、第2住戸上層部31と離間している第1住戸上層部11に形成された第1住戸壁部20、及び第2住戸下層部35と離間している第1住戸下層部15に形成された第1住戸壁部20には、開閉可能に形成された扉22を有すると共に、第1住戸10内に出入り可能に形成された第1住戸玄関部21が設けられている。
【0034】
また、1つの組となっている第1住戸10と第2住戸30のうち、第1住戸上層部11と離間している第2住戸上層部31に形成された第2住戸壁部40、及び第1住戸下層部15と離間している第2住戸下層部35に形成された第2住戸壁部40には、開閉可能に形成された扉42を有すると共に、第2住戸30内に出入り可能に形成された第2住戸玄関部41が設けられている。
【0035】
つまり、居住階層5の1階部分と2階部分とにかけて形成される第1住戸10では、第1住戸下層部15に第1住戸玄関部21が形成されており、居住階層5の3階以上の部分に設けられる第1住戸10では、第1住戸上層部11に第1住戸玄関部21が形成されている。また、居住階層5の1階部分と2階部分とにかけて形成される第2住戸30では、第2住戸下層部35に第2住戸玄関部41が形成されており、居住階層5の3階以上の部分に設けられる第2住戸30では、第2住戸上層部31に第2住戸玄関部41が形成される。このため、第2住戸玄関部41が設けられている居住階層5は、第1住戸玄関部21が設けられている居住階層5と同一の居住階層5になっており、第1住戸玄関部21及び第2住戸玄関部41は、通路部60と同様に、概ね居住階層5の隔階に設けられている。
【0036】
また、第1住戸玄関部21が設けられている第1住戸壁部20と、第2住戸玄関部41が設けられている第2住戸壁部40とは、互いに離間しており、前記通路部60は、この第1住戸壁部20と第2住戸壁部40との間に設けられている。また、通路部60は、第1住戸玄関部21を介して第1住戸10内に連通可能であると共に、第2住戸玄関部41を介して第2住戸30内に連通可能になっている。
【0037】
また、第1住戸上層部11と第2住戸上層部31、第1住戸下層部15と第2住戸下層部35は、共に同一の居住階層5に複数設けられており、同一の居住階層5に設けられる第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41は、同一の通路部60の幅方向における両側に設けられている。このため、同一の居住階層5に設けられる第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41は、同一の通路部60に対して第1住戸10内または第2住戸30内に連通可能になっている。
【0038】
この実施例に係る集合住宅1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。この集合住宅1の1階及び2階に設けられた第1住戸10、または第2住戸30内に出入りする際には、居住階層5の1階に部分に設けられる通路部60より、第1住戸10内、または第2住戸30内に出入りする。つまり、1階及び2階に設けられた第1住戸10内に出入りする際には、1階の通路部60を通って、第1住戸下層部15に設けられた第1住戸玄関部21から第1住戸下層部15内に入る、または、第1住戸玄関部21を通って第1住戸下層部15から通路部60に出る。同様に、1階及び2階に設けられた第2住戸30内に出入りする際には、1階の通路部60を通って、第2住戸下層部35に設けられた第2住戸玄関部41から第2住戸下層部35内に出入りする。
【0039】
また、集合住宅1の外部から居住階層5の3階以上に設けられている第1住戸10や第2住戸30に向かう際には、まず、1階でエレベータ70に乗り込み、目的の第1住戸10の第1住戸玄関部21、または第2住戸30の第2住戸玄関部41が位置する居住階層5に移動する。その際に、エレベータ70は、目的の居住階層5のエレベータ停止位置72に停止し、エレベータ70から通路部60に向かう。さらに、この通路部60から、第1住戸玄関部21、または第2住戸玄関部41を通って、第1住戸上層部11内、または第2住戸上層部31内に入る。
【0040】
反対に、居住階層5の3階以上に設けられている第1住戸10や第2住戸30から集合住宅1の外に出る際には、まず、第1住戸玄関部21を通って第1住戸上層部11から通路部60、または第2住戸玄関部41を通って第2住戸上層部31から通路部60に出る。さらに、この通路部60から、当該通路部60が形成された居住階層5のエレベータ停止位置72に停止しているエレベータ70に乗り込み、1階方向に向かって1階で降り、集合住宅1の外に出る。
【0041】
また、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15との間を行き来する場合には、第1住戸10内に設けられた第1住戸階段部25を通って行き来する。同様に、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35との間を行き来する場合には、第2住戸30内に設けられた第2住戸階段部45を通って行き来する。これらにより、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とからなる第1住戸10、または、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とからなる第2住戸30を、それぞれ1つの居住空間とすることができる。
【0042】
以上の集合住宅1は、第1住戸10と第2住戸30とを1つの組としてこれらを複数設け、このうち第1住戸10を、上下方向に積層されると共に互いに水平方向にずれている部分を有する第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とから形成している。同様に、第2住戸30を、上下方向に積層されると共に、互いに水平方向にずれている部分を有する第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とから形成している。これにより、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とは、集合住宅1において互いに異なる方向に位置する外面に隣接させることができ、第2住戸上層部31と第2住戸下層部35とは、集合住宅1において互いに異なる方向に位置する外面に隣接させることができる。このため、採光などの居住環境の均等化を図ることができる。
【0043】
また、第1住戸10及び第2住戸30を、共に2つの居住階層5に渡って形成し、第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41とを、2つの居住階層5のうち、一方の居住階層5に設けている。さらに、これらの第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41とを、同一の居住階層5に設けている。これにより、第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41とを、ほぼ隔階に設けることができ、エレベータ停止位置72も、ほぼ隔階に設定することができる。従って、複数が積層されている居住階層5に対してエレベータ停止位置72を低減することができ、エレベータ70が停止する居住階層5を減少させることができる。このため、例えば通勤時間帯などエレベータ70を利用する人が多い場合でも、エレベータ70が停止する階が少ないので、エレベータ70での移動の時間が短くなる。さらに、設けられている住戸の数が多く、エレベータ70を利用する人の数が多い集合住宅1においても、エレベータ70の移動時間が短いため、エレベータ70待ちの人数が増加することを抑制でき、エレベータ70待ちの人が渋滞することを抑制できる。
【0044】
また、さらに、第1住戸玄関部21と第2住戸玄関部41とを、ほぼ隔階に設けることにより、通路部60もほぼ隔階に設けることができるので、居住スペースとして利用することができる部分を増加させることができる。これにより、第1住戸10、または第2住戸30に一戸あたりの総面積を増加させることができる。これらの結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0045】
また、第1住戸10の第1住戸上層部11と第1住戸下層部15とを、それぞれ異なる端壁部50に隣接させている。また、第2住戸30の第2住戸上層部31を第1住戸下層部15が隣接した端壁部50から連続して形成される端壁部50に隣接させ、第2住戸下層部35は、第1住戸上層部11が隣接した端壁部50から連続して形成される端壁部50に隣接させている。これにより、第1住戸10と第2住戸30とに、共に複数の方向に位置する端壁部50に隣接する部分を設けることができるので、より確実に採光などの居住環境の均等化を図ることができる。この結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0046】
また、第1住戸10と第2住戸30が有する全ての端壁部50の外側部分にバルコニー55を設けているので、第1住戸10と第2住戸30とに、共に複数の方向の位置にバルコニー55を設けることができる。つまり、例えば第1住戸10と第2住戸30とに、共に東側の面と西側の面との双方の面にバルコニー55を設けることができる。これにより、第1住戸10と第2住戸30とで、バルコニー55に対する日当たりの均等化を図ることができ、居住環境の均等化を図ることができる。この結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0047】
また、第1住戸玄関部21が設けられる第1住戸壁部20と、第2住戸玄関部41が設けられる第2住戸壁部40との間に通路部60を設け、第1住戸玄関部21、または第2住戸玄関部41を介して通路部60から第1住戸10内、または第2住戸30内に出入りできるようにしている。さらに、エレベータ70は、エレベータ停止位置72に停止した際のエレベータ70内と、この通路部60とが連通可能になっている。これにより、容易にエレベータ70内と第1住戸10内及び第2住戸30内とを接続することができる。また、通路部60を設けることにより、1つの通路部60に対して複数の第1住戸玄関部21及び第2住戸玄関部41を隣接することができるので、1つエレベータ70内と、複数の第1住戸10内及び第2住戸30内を接続することができる。この結果、容易に居住環境の向上を図ることができる。
【0048】
図11は、本発明の変形例に係る集合住宅の断面図である。図12は、図11のH−H断面図である。図13は、図11のK−K断面図である。なお、上述した集合住宅1では、エレベータ通路71は、第1住戸10と第2住戸30との間に設けられているが、エレベータ通路71は、これ以外の部分に設けてもよい。例えば、図11〜図13に示すように、エレベータ通路81は、通路部60の形成方向において、端の部分に位置する第1住戸10や第2住戸30よりも突出するように設けてもよい。これにより、第1住戸10や第2住戸30をエレベータ通路81の形状に合わせる必要がなく、より確実に所望の形状の第1住戸10や第2住戸30を得ることができる。この結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0049】
図14は、本発明の変形例に係る集合住宅の要図断面図であり、第1住戸上層部及び第2住戸上層部の断面図である。図15は、図14に示した第1住戸上層部に接続される第1住戸下層部、及び第2住戸上層部に接続される第2住戸下層部の断面図である。また、上述した集合住宅1では、エレベータ70は通路部60に接続されているが、通路部60は設けなくてもよい。例えば、図14、図15に示すように、エレベータ通路100と第1住戸90及び第2住戸95と直接隣接させる。さらに、エレベータ通路100の第1住戸上層部91側の部分に第1住戸玄関部93を隣接させ、エレベータ通路100の第2住戸上層部96側の部分に第2住戸玄関部98を隣接させる。また、第1住戸下層部92及び第2住戸下層部97には、双方が隣接する部分にエレベータ通路100が通されている。これらにより、第1住戸90は、第1住戸玄関部93を介して内部が直接エレベータ70(図2参照)内と連通可能になり、第2住戸95は、第2住戸玄関部98を介して内部が直接エレベータ70内と連通可能になる。この結果、エレベータ70を利用する人数がさらに低減するので、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0050】
図16は、本発明の変形例に係る集合住宅の要図断面図である。また、上述した集合住宅1では、第1住戸階段部25の下方には第1住戸下層部15が位置しており、第2住戸階段部45の下方には第2住戸下層部35が位置しているが、第1住戸10及び第2住戸30は、これら以外の形態で形成されていてもよい。例えば、図16に示すように、第1住戸階段部25の下方には、第2住戸下層部35が位置していてもよい。同様に、第2住戸階段部45(図8参照)の下方には第1住戸下層部15が位置していてもよい。このように、第1住戸階段部25や第2住戸階段部45の下方に、他の住戸を位置させることにより、第1住戸10や第2住戸30をより広くすることができる。この結果、より確実に居住環境の向上を図ることができる。
【0051】
また、上述した集合住宅1では、第1住戸昇降手段として第1住戸階段部25が設けられ、第2住戸昇降手段として第2住戸階段部45が設けられているが、第1住戸昇降手段、及び第2住戸昇降手段は、第1住戸階段部25や第2住戸階段部45以外を用いてもよい。例えば、第1住戸昇降手段や第2住戸昇降手段としてエレベータやエスカレータを用いてもよい。第1住戸昇降手段や第2住戸昇降手段は、第1住戸上層部11と第1住戸下層部15、または第2住戸上層部31と第2住戸下層部35との間を自由に行き来できるものであれば、階段以外の構造のものを用いてもよい。
【0052】
また、上記の集合住宅1では、通路部60が設けられる場合には、第1住戸玄関部21及び第2住戸玄関部41は、扉22、42が直接通路部60に面しているが、扉22、42は直接通路部60に面していなくてもよい。第1住戸玄関部21や第2住戸玄関部41は、扉22、42が直接通路部60に面していなくても、第1住戸玄関部21や第2住戸玄関部41を通ることにより第1住戸10内または第2住戸30内と通路部60とが連通するように形成されていればよい。
【0053】
また、同一の居住階層5に設けられる第1住戸10及び第2住戸30の数はいくつでもよく、その数は問わない。また、通路部60も、1つの居住階層5に複数形成されていてもよく、エレベータ70及びエレベータ通路71も複数設けられていてもよい。さらに、第1住戸玄関部21や第2住戸玄関部41が形成される居住階層5は、上述した居住階層5以外でもよい。第1住戸玄関部21は、第1住戸上層部11または第1住戸下層部15のいずれか一方に設けられていればよく、第2住戸玄関部41は、第2住戸上層部31または第2住戸下層部35のいずれか一方に設けられ、且つ、第1住戸玄関部21が位置する居住階層5に設けられていればよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明に係る集合住宅は、複数の住戸を有する集合住宅に有用であり、特に、エレベータが設けられた集合住宅に適している。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例に係る集合住宅の断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図3のD部詳細図である。
【図6】図4のE部詳細図である。
【図7】図5のF−F断面図である。
【図8】図5のG−G断面図である。
【図9】居住階層の3階以上に設けられた第1住戸の斜視図である。
【図10】居住階層の3階以上に設けられた第2住戸の斜視図である。
【図11】本発明の変形例に係る集合住宅の断面図である。
【図12】図11のH−H断面図である。
【図13】図11のK−K断面図である。
【図14】本発明の変形例に係る集合住宅の要図断面図であり、第1住戸上層部及び第2住戸上層部の断面図である。
【図15】図14に示した第1住戸上層部に接続される第1住戸下層部、及び第2住戸上層部に接続される第2住戸下層部の断面図である。
【図16】本発明の変形例に係る集合住宅の要図断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 集合住宅
5 居住階層
10、90 第1住戸
11、91 第1住戸上層部
12 床部
13 第1住戸上層部開口部
15、92 第1住戸下層部
16 床部
20 第1住戸壁部
21、93 第1住戸玄関部
22 扉
25 第1住戸階段部
26 上端部
27 下端部
30、95 第2住戸
31、96 第2住戸上層部
32 床部
33 第2住戸上層部開口部
35、97 第2住戸下層部
36 床部
40 第2住戸壁部
41、98 第2住戸玄関部
42 扉
45 第2住戸階段部
46 上端部
47 下端部
50 端壁部
55 バルコニー
60 通路部
70 エレベータ
71、81、100 エレベータ通路
72 エレベータ停止位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に積層される複数の居住階層を有すると共に上下方向に移動可能なエレベータが設けられた集合住宅において、
前記複数の居住階層には、第1住戸と第2住戸とがそれぞれ複数設けられており、
前記第1住戸は、前記居住階層に設けられる第1住戸上層部と、前記第1住戸上層部が設けられる前記居住階層の下方に隣接する前記居住階層に設けられる第1住戸下層部と、を有しており、
前記第2住戸は、前記第1住戸上層部が設けられる前記居住階層と同一の前記居住階層に設けられる第2住戸上層部と、前記第1住戸下層部が設けられる前記居住階層と同一の前記居住階層に設けられる第2住戸下層部と、を有しており、
前記第1住戸上層部と前記第1住戸下層部とは、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有しており、
前記第2住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有しており、
前記第1住戸上層部と前記第1住戸下層部とは、双方を連通する第1住戸昇降手段によって接続されており、
前記第2住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、双方を連通する第2住戸昇降手段によって接続されており、
前記第1住戸には、前記第1住戸上層部または前記第1住戸下層部のいずれか一方に前記第1住戸内に出入り可能に形成された第1住戸玄関部が設けられており、
前記第2住戸には、前記第2住戸上層部または前記第2住戸下層部のいずれか一方で、且つ、前記第1住戸玄関部が形成されている前記居住階層と同一の前記居住階層に、前記第2住戸内に出入り可能に形成された第2住戸玄関部が設けられており、
前記エレベータは、前記第1住戸玄関部及び前記第2住戸玄関部が形成された前記居住階層に停止可能に設けられていることを特徴とする集合住宅。
【請求項2】
前記第1住戸と前記第2住戸とは、上下方向と直交する方向における両端部に端壁部を有しており、
前記第1住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、前記端壁部のうち同一方向に位置する前記端壁部に隣接しており、
前記第1住戸下層部と前記第2住戸上層部とは、前記端壁部のうち同一方向に位置する前記端壁部に隣接していることを特徴とする請求項1に記載の集合住宅。
【請求項3】
前記第1住戸と前記第2住戸とは、それぞれ前記端壁部における前記第1住戸内側の面と反対側の面、または第2住戸内側の面と反対側の面にバルコニーが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の集合住宅。
【請求項4】
前記第1住戸玄関部及び前記第2住戸玄関部が設けられた前記居住階層には、前記第1住戸玄関部を介して前記第1住戸内に連通可能であると共に、前記第2住戸玄関部を介して前記第2住戸内に連通可能な通路部が設けられており、
前記エレベータは、前記エレベータ内が前記通路部に対して連通可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の集合住宅。
【請求項5】
前記第1住戸は、前記第1住戸玄関部を介して内部が前記エレベータ内と連通可能になっており、
前記第2住戸は、前記第2住戸玄関部を介して内部が前記エレベータ内と連通可能になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の集合住宅。
【請求項6】
前記第1昇降手段は階段により形成されていると共に、前記第1昇降手段の下方には前記第2住戸下層部が位置しており、
前記第2昇降手段は階段により形成されていると共に、前記第2昇降手段の下方には前記第1住戸下層部が位置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の集合住宅。
【請求項1】
上下方向に積層される複数の居住階層を有すると共に上下方向に移動可能なエレベータが設けられた集合住宅において、
前記複数の居住階層には、第1住戸と第2住戸とがそれぞれ複数設けられており、
前記第1住戸は、前記居住階層に設けられる第1住戸上層部と、前記第1住戸上層部が設けられる前記居住階層の下方に隣接する前記居住階層に設けられる第1住戸下層部と、を有しており、
前記第2住戸は、前記第1住戸上層部が設けられる前記居住階層と同一の前記居住階層に設けられる第2住戸上層部と、前記第1住戸下層部が設けられる前記居住階層と同一の前記居住階層に設けられる第2住戸下層部と、を有しており、
前記第1住戸上層部と前記第1住戸下層部とは、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有しており、
前記第2住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、上下方向と直交する方向における位置が異なっている部分を有しており、
前記第1住戸上層部と前記第1住戸下層部とは、双方を連通する第1住戸昇降手段によって接続されており、
前記第2住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、双方を連通する第2住戸昇降手段によって接続されており、
前記第1住戸には、前記第1住戸上層部または前記第1住戸下層部のいずれか一方に前記第1住戸内に出入り可能に形成された第1住戸玄関部が設けられており、
前記第2住戸には、前記第2住戸上層部または前記第2住戸下層部のいずれか一方で、且つ、前記第1住戸玄関部が形成されている前記居住階層と同一の前記居住階層に、前記第2住戸内に出入り可能に形成された第2住戸玄関部が設けられており、
前記エレベータは、前記第1住戸玄関部及び前記第2住戸玄関部が形成された前記居住階層に停止可能に設けられていることを特徴とする集合住宅。
【請求項2】
前記第1住戸と前記第2住戸とは、上下方向と直交する方向における両端部に端壁部を有しており、
前記第1住戸上層部と前記第2住戸下層部とは、前記端壁部のうち同一方向に位置する前記端壁部に隣接しており、
前記第1住戸下層部と前記第2住戸上層部とは、前記端壁部のうち同一方向に位置する前記端壁部に隣接していることを特徴とする請求項1に記載の集合住宅。
【請求項3】
前記第1住戸と前記第2住戸とは、それぞれ前記端壁部における前記第1住戸内側の面と反対側の面、または第2住戸内側の面と反対側の面にバルコニーが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の集合住宅。
【請求項4】
前記第1住戸玄関部及び前記第2住戸玄関部が設けられた前記居住階層には、前記第1住戸玄関部を介して前記第1住戸内に連通可能であると共に、前記第2住戸玄関部を介して前記第2住戸内に連通可能な通路部が設けられており、
前記エレベータは、前記エレベータ内が前記通路部に対して連通可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の集合住宅。
【請求項5】
前記第1住戸は、前記第1住戸玄関部を介して内部が前記エレベータ内と連通可能になっており、
前記第2住戸は、前記第2住戸玄関部を介して内部が前記エレベータ内と連通可能になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の集合住宅。
【請求項6】
前記第1昇降手段は階段により形成されていると共に、前記第1昇降手段の下方には前記第2住戸下層部が位置しており、
前記第2昇降手段は階段により形成されていると共に、前記第2昇降手段の下方には前記第1住戸下層部が位置していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の集合住宅。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図11】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−126887(P2007−126887A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320821(P2005−320821)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(597114384)エアロファシリティー株式会社 (4)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(597114384)エアロファシリティー株式会社 (4)
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