集塵装置用カートリッジエレメント
【課題】カートリッジエレメントを用いた集塵機において、ダウンサイジングを実現すると共に、効果的に払い落としを行うことが可能であり、且つ、構造及び取り扱いが簡単であるカートリッジエレメント及び集塵機を提供する。
【解決手段】カートリッジエレメントは、全体として平板型を成し、シート状濾材をヒダ折り筒状加工した平面状フィルタ1と、その折り目と垂直方向の開口部分を平板形状に保持するためのキャップ2および上端部材3と、平面状フィルタ1の内部に樹脂製パイプ又は丸棒を横渡しにして設けた補強部材4にて構成されており、補強部材4は前記フィルタの逆洗時に内部に吹き込まれる圧縮空気を分散させることができる。
【解決手段】カートリッジエレメントは、全体として平板型を成し、シート状濾材をヒダ折り筒状加工した平面状フィルタ1と、その折り目と垂直方向の開口部分を平板形状に保持するためのキャップ2および上端部材3と、平面状フィルタ1の内部に樹脂製パイプ又は丸棒を横渡しにして設けた補強部材4にて構成されており、補強部材4は前記フィルタの逆洗時に内部に吹き込まれる圧縮空気を分散させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置に使用するカートリッジエレメント、カートリッジエレメントの着脱機構、及び、カートリッジエレメントを用いた集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集塵装置に使用する円筒型カートリッジエレメントは公知である(例えば特開2001‐269528号公報、図1参照)。しかし、この円筒型カートリッジエレメントは集塵装置内に設置すると、そのエレメントスペースに空隙が多くできてしまい、カートリッジエレメントの充填効率が悪くなるという問題点があった。
【0003】
また、従来、集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱方式としては、濾材の一端をフランジにし、パッキンを介在させて装置本体にボルト締めする方式が一般的である(例えば、実開昭58−132524号公報、第3図参照)。
【0004】
しかし、実開昭58−132524号公報のような方式では、ボルトの取り付けピッチが大きい場合には確実なシールができないことがある。したがって、確実にシールさせて取り付けるには多くのボルトで締めなければならず、取り付け作業に多くの時間を要し、さらには製作においてもコストが高くなってしまう問題がある。またボルトを使わない場合においても確実な気密性を有するためには、複雑なフランジ形状が必要であったり、固定するために外力(エアシリンダ、電動機等)を用いたりするため、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
また、円筒形に形成した外側ケージと内側ケージ間にプリーツ濾布を嵌挿した円筒型カ
ートリッジエレメント及びこれを用いた集塵装置は公知にされている(例えば、特開2001−300237号公報、第1頁、第1−6図参照)。
【0006】
しかし、特開2001−300237号公報のような円筒型カートリッジエレメントを用いた集塵装置は、該エレメントを集塵装置内に設置すると、該エレメントが円筒型ゆえに、該エレメント同士の間に空隙が多くできてしまい、該エレメントの充填効率が悪くなるという問題がある。また該エレメントの充填効率が悪いと該エレメントの数は多く必要になるため、特開2001−300237号公報のように該エレメントを縦配置(垂直方向に伸びる配置)する場合、幅広な装置になってしまい、装置の設置スペースが広く必要になるという問題がある。なお該エレメントを横配置(水平方向に伸びる配置)にして該エレメントの数を高さ方向に増やすことも考えられるが、この場合、プリーツが粉塵の進行方向(垂直方向)に対して直角の配置となるため、濾過性能に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0007】
また、従来、カートリッジエレメントを用いたパルスジェット式集塵装置は公知にされている(例えば、実開平6−85016号公報、第1頁、第1−7図参照)。
【0008】
しかし、実開平6−85016号公報のものは、各々のカートリッジエレメントの真上にエア噴出ノズルが配置され、該エア噴出ノズルからエアバルブまでのエア配管の長さが長い。このため、該エア配管が長くなればなるほど抵抗による圧力損失が大きくなり、粉塵の払い落としに必要な吐出圧を確保するためにはエアタンクの供給圧を、より高圧にしなければならず、コンプレッサー等の設備費用が嵩むという問題がある。また濾材の交換に際しては、実開平6−85016号公報の図5、7等に開示されているように、ケージの抜き出し等、前記エレメント上で作業する必要があり、この場合、前記エア配管が邪魔になる。このため、該濾材の交換を行う場合は、該エア噴出ノズルからエアバルブまでのエア配管を毎回取り外さなければならず、大型の集塵装置になると長さも長く本数も多くなるため、作業効率が悪く非常に時間がかかってしまう。また前記エア配管には瞬間的に高圧・高速でエアが流れるために大きな衝撃力がかかる。このため、確実な固定が必要であり、できる限り取り外し等を行わないほうがよい。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、カートリッジエレメントの充填効率を向上させ、集塵装置のダウンサイジングを実現することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、短時間で簡単に着脱することができると共に製造コストを低減させることができる集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、カートリッジエレメントの充填効率を向上させることができると共に装置の設置スペースを小さくでき、且つ、濾過性能を向上させることができる集塵装置を提供することを目的とする。
【0012】
加えて、本発明は、パルスジェットエアの吐出圧低下を防止できると共に濾材を短時間で効率的に交換できるパルスジェット式集塵装置を提供することを目的とする。
【特許文献1】実開昭58−132524号公報
【特許文献2】特開2001−300237号公報
【特許文献3】実開平6−85016号
【発明の概要】
【0013】
上記目的を達成するための本発明における平板型カートリッジエレメントは、相互に対向させヒダ状に折り込んだ2つのシート状濾材を筒状に成した平面状フィルタと、該平面状フィルタの上端に連結されると共に前記平面状フィルタによって構成された突出口を設けた上端部材と、該平面フィルタの下端に連結されたキャップと、を具備する。
【0014】
また、本発明は前記平面状フィルタ内部に、横渡しパイプ等の横渡し補強部材を設け、平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプは補強材を兼ねることができる。
【0015】
さらに、前記平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプが、該平面状フィルタの左右側面を介して横渡しされることができる。
【0016】
また、本発明は前記平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプ若しくは補強部材が、該
平面状フィルタの逆洗時に払い落とし逆洗エアを分散させることができる。
【0017】
さらに、平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプ又は補強部材がフィルタの中心に1本あり、その両端を支持する垂直棒が2本あり全体としてH型を成すことができる。
【0018】
加えて、本発明は前記平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプ若しくは補強部材が溶
接により接合されており、前記上端部材及びキャップが樹脂製とすることができる。
【0019】
また、上記目的を達成するための本発明における平板型カートリッジエレメントは、相互に対向させヒダ状に折り込んだ2つのシート状濾材を筒状に成した平面状フィルタと、該平面状フィルタの内部に着脱可能であって挿入して使用する補強部材と、該平面状フィルタの上端に連結されると共に前記平面状フィルタによって構成された突出口を設けた上端部材と、該平面状フィルタの下端に連結されたキャップと、を具備する。
【0020】
さらに、本発明は前記平面状フィルタ内部に挿入して使用する補強部材に、横渡し部材を設けることができる。
【0021】
加えて、前記平面状フィルタ内部に挿入して使用する補強部材に設けた横渡しパイプが、該平面状フィルタの左右側面を介して横渡しされることができる。
【0022】
また、本発明は前記平面状フィルタ内部に挿入して使用する補強部材に設けた横渡しパイプが、該平面状フィルタの逆洗時に払い落とし逆洗エアを分散させることができる。
【0023】
さらに、本発明は前記平面状フィルタ内部に挿入して使用する補強部材が溶接により接合されており、該補強部材が鉄又はそれに類する剛性をもつ材料製であり、前記上端部材及びキャップが樹脂製とすることができる。
【0024】
このように本発明における平板型カートリッジエレメントは、カートリッジエレメントの形状を平板型とするため、集塵装置内のカートリッジエレメントの充填効率が上がり、同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置の構造がコンパクトになる。
【0025】
また、上記の目的を達成するために本発明の集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構は、ダクトの下部に相互に間隔をおいて取り付けられると共に各々に複数の傾斜長孔が穿孔されたガイド部材と、該ガイド部材の内側に各々配設されると共に各々に前記傾斜長孔に対応する連結孔が穿孔されたレール部材と、前記傾斜長孔及び連結孔を貫通して前記ガイド部材及びレール部材を連結する連結具と、前記レール部材間に搬入されると共に該レール部材で支持されたカートリッジエレメントと、を具備することを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明の集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構は、ダクトの下部に相互に間隔をおいて取り付けられると共に各々に複数の傾斜長孔が穿孔されたガイド部材と、該ガイド部材の内側に各々配設されると共に各々に前記傾斜長孔に対応する連結孔が穿孔されたレール部材と、前記傾斜長孔及び連結孔を貫通して前記ガイド部材及びレール部材を連結する連結具と、前記レール部材上に載置されると共に複数のカートリッジエレメントが挿入される複数の開口が穿設されたスライド部材と、前記スライド部材に穿設された複数の開口に挿入されて前記レール部材間に搬入されると共に該スライド部材を介して該レール部材で支持された前記複数のカートリッジエレメントと、を具備することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構は、前記カートリッジエレメントが平板型のカートリッジエレメントであることを特徴とする。
【0028】
このように本発明の集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構は、ダクトの下部に相互に間隔をおいて取り付けられると共に各々に複数の傾斜長孔が穿孔されたガイド部材と、該ガイド部材の内側に各々配設されると共に各々に前記傾斜長孔に対応する連結孔が穿孔されたレール部材と、前記傾斜長孔及び連結孔を貫通して前記ガイド部材及びレール部材を連結する連結具と、前記レール部材間に搬入されると共に該レール部材で支持されたカートリッジエレメントと、を具備するようにしたから、短時間で簡単に着脱することができると共に製造コストを低減させることができる等種々の効果がある。
【0029】
また、上記の目的を達成するために本発明における集塵装置は、ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通され、且つ、含塵気体の入口部に連通された除塵室と、前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通されたダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトに着脱可能に取り付けられた前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備することを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明における集塵装置は、前記フィルタの内部に横渡し部材を設け、該横渡し部材によって前記フィルタの逆洗時に該フィルタの内部に吹き込まれる圧縮空気を分散させることを特徴とする。
【0031】
また、本発明における集塵装置は、ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通された除塵室と、該複数段の除塵室の各々の上部に間隔をおいて配設されると共に前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通された複数のダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトの下部に各々着脱可能に取り付けられた複数の前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記ダクトの開口に対向して位置された複数のノズルから前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、最上段の前記ダクトの上部に配設されると共に最上段の前記除塵室に連通された含塵気体の入口部と、最下段の前記除塵室の下部に連通連結されたホッパと、を具備することを特徴とする。
【0032】
このように本発明における集塵装置は、ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通され、且つ、含塵気体の入口部に連通された除塵室と、前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通されたダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトに着脱可能に取り付けられた前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備するようにしたから、カートリッジエレメントの充填効率を向上させることができると共に装置の設置スペースを小さくでき、且つ、濾過性能を向上させることができる等種々の効果がある。
【0033】
また、上記の目的を達成するために本発明におけるパルスジェット式集塵装置は、筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にしたカートリッジエレメントを用いたパルスジェット式集塵装置であって、一端が塞がれると共に他端が開口にされた中空のダクトと、該ダクトに着脱可能に取り付けられると共に前記フィルタの内部が該フィルタの開口を介して前記ダクトに連通された前記カートリッジエレメントと、エア噴出ノズルから前記ダクトを介して前記フィルタの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備することを特徴とする。
【0034】
さらに、本発明におけるパルスジェット式集塵装置は、前記カートリッジエレメントが平板型のカートリッジエレメントであることを特徴とする。
【0035】
このように本発明におけるパルスジェット式集塵装置は、筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にしたカートリッジエレメントを用いたパルスジェット式集塵装置であって、一端が塞がれると共に他端が開口にされた中空のダクトと、該ダクトに着脱可能に取り付けられると共に前記フィルタの内部が該フィルタの開口を介して前記ダクトに連通された前記カートリッジエレメントと、エア噴出ノズルから前記ダクトを介して前記フィルタの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備するようにしたから、パルスジェットエアの吐出圧低下を防止できると共に濾材を短時間で効率的に交換できる等種々の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】平板型カートリッジエレメントの外形図である。
【図2】(a)は平面状フィルタと補強部材の外形を示す図である。(b)は平面状フィルタの内部に着脱可能であって挿入して使用する補強部材の外形を示す図である。
【図3】平板型カートリッジエレメントを使用した集塵の過程を示す一部切り欠き図 である。
【図4】フィルタの逆洗の説明図である。
【図5】(a)はキャップの成形工程のうち、平面状フィルタをキャップ用型枠にはめ込む状態を示す図である。(b)はキャップの成形工程のうち、平面状フィルタをキャップ用型枠より取り出した状態を示す図である。
【図6】上端部材の成形工程のうち、平面状フィルタを上端部材用型枠にはめ込む状態を示す図である。(b)は上端部材の成形工程のうち、平面状フィルタを上端部材用型枠より取り出した状態を示す図である。
【図7】実施例2における実施形態を示す全体斜視図である。
【図8】実施例2における実施形態を示す正面図であって、(a)は平板型カートリッジエレメントの取り付け前の状態を示す図で、(b)は取り付け後の状態を示す図である。
【図9】実施例2における実施形態を示す側面断面図であって、(a)は平板型カートリッジエレメントの取り付け前の状態を示す図で、(b)は取り付け後の状態を示す図であ る。
【図10】実施例2における回動レバーによってレール部材を水平移動させる実施形態を示す正面図であって、(a)は平板型カートリッジエレメントの取り付け前の状態を示す図で、(b)は取り付け後の状態を示す図である。
【図11】実施例2におけるスライド部材の一端上部にストッパ部材を設けた実施形態を示す部分拡大正面図であって、(a)は平板型カートリッジエレメントの取り付け前の状態を示す図で、(b)は取り付け後の状態を示す図である。
【図12】実施例3における実施形態を示す正面図(一部断面)である。
【図13】図12におけるA−A矢視図である。
【図14】図12におけるB−B矢視図である。
【図15】実施例3における平板型カートリッジエレメントの実施形態を示す詳細図である。
【図16】実施例3におけるフィルタ内部に横渡し部材を設けた実施形態を説明するための図である。
【図17】実施例3におけるフィルタ内部に横渡し部材を設けた実施形態を説明するための図である。
【図18】実施例4における本発明の実施形態を示す正面断面図(一部省略)である。
【図19】図18におけるA−A矢視図(一部省略)である。
【図20】(a)は実施例4における平板型カートリッジエレメントの実施形態を示す詳細図である。(b)は実施例4における平板型カートリッジエレメントの平面図である。
【図21】(a)、(b)とも実施例4における本発明の別の実施形態を示す正面断面図(一部省略)である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
A.実施例1
以下、本発明における平板型カートリッジエレメントを実施するための形態について説明する。
【0038】
実施例1は、カートリッジエレメントの形状を平板型にすることにより、上記機能を達成するものであり、以下にその内容を示す。
【0039】
まず、カートリッジエレメントの形状を平板型にすることにより、集塵装置内のエレメントスペースを有効に活用でき、カートリッジエレメントの充填効率を上げることができる。
【0040】
本実施形態における平板型カートリッジエレメントとは、集塵装置に組み込んだ状態で概ね平板の形状を成すもののことをいう。その断面は長方形になっており、長辺と短辺の比は1:0.08〜1:0.15になっている。
【0041】
本実施形態の平板型カートリッジエレメントにおけるヒダ状とは、断面形状が山形形状の連続したものであり、その山形形状の辺の傾斜は両側傾斜、片側傾斜を問わない。
【0042】
また、平面状フィルタをヒダ状にすることにより、限られた設置スペースにおいてダストの捕集面積を増やすことができる。加えて、フィルタの逆洗時にヒダが伸縮することによりフィルタに付着したダストを剥離する効果を向上させることができる。
【0043】
以下、図面に基づいて実施例1における本発明の実施形態を説明する。
【0044】
図1において、本実施形態における平板型カートリッジエレメントは、ヒダ状に折り込んだシート状濾材により成る平面状フィルタ1と、該平面状フィルタ1の両端に成型されたキャップ2および上端部材3と、を具備している。
【0045】
また、前記平面状フィルタ1は、ヒダ状に折り込んだ2枚のシート状濾材の各々両側端を接着して概ね平板の筒状に成っている。さらに、図2aに示すように、概ね平板の筒状に形成された平面状フィルタ1の内側には、ABS、PP等の樹脂製パイプ又は丸棒でできた補強部材4が横渡しで差し込まれている。
【0046】
次に、図3を参照して、上記平板型カートリッジエレメントを使用した集塵の過程を示す。
【0047】
図示していない集塵装置に吸引されたダストを含むエアが前記平面状フィルタ1のヒダ状の外面に接触し、ダストのみが平面状フィルタ1の表面に付着する。そして、ダストを取り除かれたエアのみが平面状フィルタ1を通過し、筒状を成す平面状フィルタ1の内側および前記上端部材3に開けられた孔を通って、集塵装置の外部に排気される。
【0048】
また、補強部材4は集塵時のつぶれを防止する作用の他に、逆洗時のパルスエアがこの補強部材4に衝突することによりエアの流れる方向が変化し(図4参照)、パルスエアを効果的に分散させる。このため、パルスエアが平面状フィルタ1の全面に流れる作用がある。また、補強部材4と平面状フィルタ1は接着しない構造とするため、逆洗時にフィルタが外側へ大きくたわみ、前記パルスエアへの作用と加え、付着ダストを剥離させる効果を増幅する作用が働く。
【0049】
さらに、キャップ2及び上端部材3に使用するウレタン樹脂及び補強部材4に使用するABS、PP等の樹脂製パイプ又は丸棒は焼却してもダイオキシン類などの有害物質を発生することはなく、環境負荷に配慮できる。
【0050】
本実施例において、フィルタの逆洗とは図4に示すように集塵によりフィルタの外面に付着した付着ダストによるフィルタの目詰まりを解消するために、前記上端部材3の開口部よりパルスエアを導入し、フィルタの内部から外側に向けてエアを通気することによりフィルタの外面の付着ダストを剥離させることをいう。
【0051】
ここで、本平板型カートリッジエレメントの製造方法は以下の通りである。前記概ね平板の筒状に形成された平面状フィルタ1の一端を、キャップ用型枠5にはめ込み(図5a参照)、液状ウレタン樹脂を流し込み硬化させ成形しキャップ2を成形する(図5b参照)。さらに、前記上端部材用型枠6には、前記概ね平板の筒状に形成された平面状フィルタ1のヒダ状に折られた内面形状と同じ形状の模型が形成されている(図6a参照)。このため、該平面状フィルタ1のもう一方の一端を該上端部材用型枠6の模型にかぶせ(図6a参照)、液状ウレタン樹脂を流し込み硬化させ成形し上端部材3を成形する(図6b参照)ことにより、平面状フィルタ1の上端に前記上端部材3が連結されるとともに、該上端部材3に平面状フィルタ1のヒダ状に折られた内側形状と同じ形状で平面状フィルタ1の内部と連通している孔が形成される。
【0052】
本実施例において、図2(b)に示すように、補強部材8は平面状フィルタ1に脱着可能であって挿入して使用できるようにしてもよい。
【0053】
この場合、概ね平板の筒状に形成された平面状フィルタ1の内側に挿入して使用する補強部材8は、鉄又はそれに類する剛性をもつ材料製とする。この補強部材8は、H型部を有しており、その上部を横渡ししているとともに下部を上端部材3と同じ外形とし、長方形の孔を有している平板で横渡しをする。なお、横渡し部材の数は一本である必要はなく、数本でもよい。
【0054】
ここで、平面状フィルタ1の内側に挿入して使用する補強部材8は、鉄又はそれに類する剛性をもつ材料製のパイプ又は丸棒を使用しているので、平面状フィルタ1を廃棄しても前記補強部材8は再利用を行うことができる。
【0055】
B.実施例2
次に、カートリッジエレメントとして平板型カートリッジエレメント15、15を用いた本発明の実施例2における実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図7において、集塵装置内の所望の箇所に設置されたダクト11の下部には、各々に複数の傾斜長孔12a、12aが穿孔されたガイド部材12、12が相互に間隔をおいて取り付けられており、該ガイド部材12、12の内側には、各々に前記傾斜長孔12a、12aに対応する丸孔の連結孔13a、13aが穿孔されたレール部材13、13が各々配設されている(図9参照)。
【0056】
また前記ガイド部材12、12及びレール部材13、13は、前記傾斜長孔12a、12a及び連結孔13a、13aを貫通する連結具14、14によって連結されており、前記レール部材13、13上には、後述する複数の平板型カートリッジエレメント15、15が挿入される複数の開口16a、16aが穿設されたスライド部材16が載置されている。そして、該スライド部材16に穿設された複数の開口16a、16aには、前記複数(本実施形態では3個)の平板型カートリッジエレメント15、15が挿入されており、該平板型カートリッジエレメント15、15は前記スライド部材16を介して前記レール部材13、13で支持され、該レール部材13、13間に搬入されている。
【0057】
ここで、該平板型カートリッジエレメント15、15について説明する。本実施形態において、平板型とは、全体で概ね平板の形状を成すことをいい、平板型カートリッジエレメントとは、集塵装置に着脱可能な平板型のフィルタユニットのことをいう。以下、本実施形態の平板型カートリッジエレメント15、15を具体的に説明する。ヒダ状に折り込んだ濾材15a、15aを対向させて平板型の筒状にしたフィルタ15bの下端は蓋部材15cが固着されて塞がれており、該フィルタ15bの上端は開口15eにした状態で取り付け部材15dが固着されている。該平板型カートリッジエレメント15、15は前記フィルタ15b、蓋部材15c及び取り付け部材15dによって構成されている。なお本実施形態においてヒダ状とは、断面形状が山形形状の連続したものであり、その山形形状の辺の傾斜は両側傾斜、片側傾斜を問わない。
【0058】
また前記平板型カートリッジエレメント15、15は、前記フィルタ15bが垂直方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材15a、15aによって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置されている。そして、該平板型カートリッジエレメント15、15の各々の上部にはパッキン17が接着されている。
【0059】
このように構成されたものの作動について説明する。まず、連結具14、14が前記傾斜長孔12a、12aの最下位に位置するまでレール部材13、13を引き出す方向に水平移動させる。そして、スライド部材16の前記開口16a、16aに平板型カートリッジエレメント15、15を各々挿入してレール部材13、13間に搬入し、スライド部材16を介してレール部材13、13で支持させて図8の(a)の状態にされる。この際、側面断面は図9の(a)となる。
【0060】
そして、この状態でレール部材13、13を押し込む方向に水平移動させると、連結具14、14が前記傾斜長孔12a、12aに沿って該傾斜長孔12a、12aの最上位に向かって移動するため、これに伴って該レール部材13、13が上昇する。これにより、平板型カートリッジエレメント15、15が上昇し、パッキン17を介してダクト11の下部に密着して図8の(b)の状態にされ、該平板型カートリッジエレメント15、15の取り付けが成される。この際、側面断面は図9の(b)となる。
【0061】
また該平板型カートリッジエレメント15、15を取り外す場合は、レール部材13、13を引き出す方向に水平移動させれば、連結具14、14が前記傾斜長孔12a、12aに沿って該傾斜長孔12a、12aの最下位に向かって移動するため、これに伴って該レール部材13、13が下降する。これにより、平板型カートリッジエレメント15、15が下降し、前記密着が解除され、該平板型カートリッジエレメント15、15の取り外しが成される。該平板型カートリッジエレメント15、15を交換する場合はスライド部材16を引き出して交換作業を行えばよい。
【0062】
なおレール部材13の水平移動は図10に示す実施形態で行ってもよい。詳述すると、ダクト11にピン18で連結されたリンク部材19と、該リンク部材19にピン20で連結された回動レバー21と、を設け、さらに該回動レバー21とレール部材13をピン22で連結する。そして、該回動レバー21の正逆回動によってレール部材13を引き出す方向又は押し込む方向に水平移動させる。これにより、該レール部材13の水平移動を、より容易に行うことができる。
【0063】
またレール部材13、13を押し込む方向に水平移動したときの平板型カートリッジエレメント15、15の水平方向の若干の位置ずれは、フィルタ15bの開口15eよりダクト11底面の開口(図示せず)を小さくしておけば吸収できる。しかし、より好ましくは、図11に示すように、スライド部材16の一端上部にストッパ部材23を設け、スライド部材16をガイド部材12、12間に押し込んだときに該ストッパ部材23をガイド部材12、12の側端面12b、12bに当接させ、該スライド部材16が、それ以上水平移動できないようにする。この状態でレール部材13、13を押し込む方向に水平移動させれば、平板型カートリッジエレメント15、15の水平方向の位置ずれは完全に阻止できる。
【0064】
さらに前記ダクト11及び、これに取り付けられた平板型カートリッジエレメント15、15は、集塵装置内に種々の配置で設置可能である。例えば、水平方向に間隔おいて並列に複数列配置してもよいし、垂直方向に間隔をおいて複数段配置してもよい。さらに該水平方向に間隔おいて並列に複数列配置したものを垂直方向に間隔をおいて複数段配置してもよい。またダクトが一つの大きな部屋状の空間を成す場合は、その下部に所望の配置で複数の平板型カートリッジエレメント15、15を取り付ける構成にすればよい。
【0065】
また集塵時の作動を簡単に説明すると、ダクト11内は図示されない吸引手段(例えば、
ブロアー)による吸引作用が働き、これに伴って含塵気体がフィルタ15bの外側から該フィルタ15bの内部に流入する。この際、含塵気体中の粉塵がフィルタ15b外表面に付着することにより除塵が成される。そして、該フィルタ15bの内部に流入した気体は、清浄気体としてフィルタ15bの開口15eからダクト11内に流入し、該ダクト11から図示されない清浄気体室に流入され、装置外に排出される。
【0066】
なお従来のようなボルト締めによる着脱方式の場合には、ボルト位置で集中荷重が作用
し、均一にパッキンを押えることができないが、本実施形態では、レール部材13、13によってパッキン7に均一に等分布荷重を作用させることができるため、気密性が向上する。
【0067】
また本実施形態では、平板型カートリッジエレメント15の上部にパッキン17を接着するようにしたが、該平板型カートリッジエレメント15における取り付け部材15dの一部又は全部をシール性のある材料で製作した場合、パッキン17は省略できる。
【0068】
さらに本実施形態では、平板型カートリッジエレメント15、15をスライド部材16を介してレール部材13、13で支持させるようにしたが、スライド部材16を省略して平板型カートリッジエレメント15、15を直接、レール部材13、13で支持させるようにしてもよい。この場合、レール部材13、13上に前記取り付け部材15dが載置されることになる。ただし、前記平板型カートリッジエレメント15、15が複数の場合は、上述したようにスライド部材6の開口16a、16aに各々挿入して該スライド部材6で搬入出したほうが、該搬入出が容易で、且つ、搬入時に所望の位置に素早くセットできると共に搬出時にも素早く搬出できるため、より好ましい。
【0069】
さらに本実施形態では、カートリッジエレメントとして平板型カートリッジエレメント15、15を用いたが、カートリッジエレメントはこれに限定されるものではなく、この他には例えば、円筒型カートリッジエレメントを用いるようにしてもよい。ただし、カートリッジエレメントの形状を平板型にすると、集塵装置内のカートリッジエレメントの充填効率が上がり、同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置の構造がコンパクトになるため、より好ましい。
【0070】
また本実施形態では、カートリッジエレメントを水平方向に出し入れするようになっているため、該カートリッジエレメントを垂直方向に複数段配置した場合でも、該カートリッジエレメントを容易に交換することができる。また前記出し入れのスペースを垂直方向に確保する必要がないため、該カートリッジエレメントを垂直方向に複数段配置した場合でも、集塵装置の高さを大幅に低くすることができ、集塵装置がコンパクトになる。このように本実施形態は、カートリッジエレメントを垂直方向に複数段配置した場合に、より効果的である。
【0071】
C.実施例3
続いて、本発明の実施例3における実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図12において、垂直方向に複数段(本実施形態では3段)に配置されて互いに連通された除塵室31、31の各々の上部には、複数のダクト32、32が間隔をおいて(図14参照)配設されている。また前記複数段の除塵室31、31内には複数の平板型カートリッジエレメント33、33が配置されており、該平板型カートリッジエレメント33、33は前記ダクト32、32の下部に各々着脱可能に取り付けられている。
【0072】
ここで、該平板型カートリッジエレメント33、33について説明する。本実施形態において、平板型とは、全体で概ね平板の形状を成すことをいい、平板型カートリッジエレメントとは、集塵装置に着脱可能な平板型のフィルタユニットのことをいう。以下、本実施形態の平板型カートリッジエレメント33、33を図15で具体的に説明する。ヒダ状に折り込んだ濾材33a、33aを対向させて平板型の筒状にしたフィルタ33bの一端(本実施形態では下端)は樹脂製の蓋部材33cが固着されて塞がれており、該フィルタ33bの他端(本実施形態では上端)は開口33eにした状態で樹脂製の取り付け部材33dが固着されている。該平板型カートリッジエレメント33、33は前記フィルタ33b、蓋部材33c及び取り付け部材33dによって構成されている。なお本実施形態においてヒダ状とは、断面形状が山形形状の連続したものであり、その山形形状の辺の傾斜は両側傾斜、片側傾斜を問わない。
【0073】
また前記平板型カートリッジエレメント33、33は、前記フィルタ33bが垂直方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材33a、33aによって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置されている。そして、該平板型カートリッジエレメント33、33は、前記取り付け部材33dを固定手段(図示せず)で前記ダクト32、32の下部に固定するようになっている。なお該固定状態で前記ダクト32、32底面の穴32a(図14参照)を前記取り付け部材33dで塞ぐようになっているが、前記ダクト32、32は前記フィルタ33bの開口33eを介して前記フィルタ33bの内部に連通されている。
【0074】
また図12に示すように、前記ダクト32、32は一端が塞がれており、他端が開口32bにされている。そして、該ダクト32、32は該開口32bを介して、垂直方向に伸びる清浄気体室34に連通されており、該清浄気体室34は、その下部に連結された屈曲ダクト35を介して吸引手段としてのブロアー36に連通されている。また前記清浄気体室34内には前記フィルタ33bの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構37、37が複数段(本実施形態では3段)に配設されており、該パルスジェット機構37、37の複数のノズル37a、37aは前記ダクト32、32の開口32bに対向して位置されている。
【0075】
また最上段の前記ダクト32の上部には、最上段の前記除塵室31に連通された含塵気体の入口部38が配設されており、最下段の前記除塵室31の下部には、落下する粉塵を回収するホッパ39が連通連結されている。なお符号40は着脱可能な点検蓋であり前記除塵室31、31と前記清浄気体室34とを仕切る仕切り部材としての役目も兼ねている。また符号41も着脱可能な点検蓋である。本実施形態では、該点検蓋40、41を外して前記平板型カートリッジエレメント33、33を水平方向に抜き出すことができるため、該平板型カートリッジエレメント33、33が垂直方向に複数段に配置されていても、該平板型カートリッジエレメント33、33を短時間で容易に交換することができる。
【0076】
このように構成されたものの作動について説明する。まず、前記ブロアー36を作動させると該ブロアー36の吸引作用を受けて、入口部38から含塵気体が最上段の除塵室31内に流入される。なお複数のダクト32、32は上述したように間隔をおいて配設されているため、該ダクト32、32間には複数の間隙42、42(図13、14参照)が存在する。この間隙42、42によって複数の除塵室31、31は互いに連通されているため、入口部38から流入される含塵気体は全ての除塵室31、31内に行き渡る。
【0077】
そして、各々の除塵室31、31内に流入された含塵気体は前記フィルタ33bの外側から該フィルタ33bの内部に流入する。この際、含塵気体中の粉塵がフィルタ33b外表面に付着することにより除塵が成される。そして、該フィルタ33bの内部に流入した気体は、清浄気体としてフィルタ33bの開口33eから各々のダクト32、32内に流入し、該ダクト32、32の開口32bから清浄気体室34に流入される。そして、該清浄気体室34に流入された該清浄気体は前記ブロアー36によって吸引され、装置外に排出される。
【0078】
また上述した作動中にフィルタ33b外表面への粉塵の付着量は増加していくため、適宜、フィルタ33bの逆洗を行う。本実施形態においてフィルタの逆洗とは、集塵によりフィルタの外表面に付着した粉塵によるフィルタの目詰まりを解消するために、フィルタの開口からフィルタ内部に圧縮空気を導入し、フィルタ内部から外側に向けて圧縮空気を通気させることによりフィルタ外表面の付着粉塵を剥離させることをいう。該フィルタ33bの逆洗につき詳述すると、パルスジェット機構37、37の複数のノズル37a、37aから圧縮空気が噴射され、各々のダクト32、32を介してフィルタ33bの開口33eからフィルタ33b内部に該圧縮空気が吹き込まれる。これにより該フィルタ33bの逆洗が成され、該逆洗は上述した作動中に間欠的に行われる。
【0079】
そして、該フィルタ33bの逆洗によってフィルタ33bの外表面から剥離された粉塵は下方に落下し、ホッパ39に回収される。そして、該ホッパ39に回収された粉塵は図示されない受け箱に適宜排出される。
【0080】
ここで、前記平板型カートリッジエレメント33、33を次に示す実施形態にしてもよい。すなわち、図16に示すように、フィルタ33bの内部に横渡し部材33fを設けるのである。なお本実施形態ではフィルタ33b全高の略半分の高さ位置に該横渡し部材33fを配置している。この場合、フィルタ33bの逆洗時に該フィルタの33b内部に吹き込まれる圧縮空気が、この横渡し部材33fに衝突することにより、圧縮空気の流れる方向が変化(図16参照)して該圧縮空気を効果的に分散させる。また横渡し部材33fとフィルタ33bは接着しない構造にしているため、フィルタ33bの逆洗時に該フィルタ33bが外側へ大きくたわみ、付着粉塵を剥離させる効果を増幅する作用が働く。なおフィルタ33bの内部に横渡し部材33fを設ける方法としては、例えば、図17に示すように、横渡し部材33fの両端に棒状の支持部材33g、33gを固着させてH型部材とし、該H型部材をフィルタ33bの内部に差し込むようにすればよい。
【0081】
なお本実施形態では上述したように、前記平板型カートリッジエレメント33、33は、前記フィルタ33bが垂直方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材33a、33aによって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置されている。これにより、フィルタ33bのヒダが伸びる方向(垂直方向)と含塵気体が流れる方向(上から下、即ち、垂直方向)とが同じになり、フィルタ33b外表面から剥離された粉塵の動きを落下方向に妨げることがない。また該剥離された粉塵がフィルタ33b外表面に再付着しにくい。このため、濾過性能を向上させることができる。
【0082】
また本実施形態では、含塵気体が上から下に流れるため、前記フィルタ33b外表面から剥離された粉塵が上方に舞い上がって再付着することが無くなる。
【0083】
さらに本実施形態では上述したように、カートリッジエレメントの形状を平板型とするため、集塵装置内のカートリッジエレメントの充填効率が上がり、同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置の構造がコンパクトになる。
【0084】
さらに本実施形態では上述したように、前記フィルタ33bをヒダ状にすることにより、限られた設置スペースにおいて粉塵の捕集面積を増やすことができる。加えて、フィルタ33bの逆洗時にヒダが伸縮することにより、フィルタ33b外表面に付着した粉塵を剥離する効果を向上させることができる。
【0085】
D.実施例4
次に、実施例4として、カートリッジエレメントとして平板型カートリッジエレメント53、53を用いた実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図18において、除塵室51の上部には、一端が塞がれると共に他端が開口52aにされた中空のダクト52、52が水平方向に間隔をおいて並列に複数列(図19参照)配設されている。また前記除塵室51内には複数の平板型カートリッジエレメント53、53が配置されており、該平板型カートリッジエレメント53、53は前記ダクト52、52の下部に各々着脱可能に取り付けられている。
【0086】
ここで、該平板型カートリッジエレメント53、53について説明する。本実施形態において、平板型とは、全体で概ね平板の形状を成すことをいい、平板型カートリッジエレメントとは、集塵装置に着脱可能な平板型のフィルタユニットのことをいう。以下、本実施形態の平板型カートリッジエレメント53、53を図20で具体的に説明する。ヒダ状に折り込んだ濾材53a、53aを対向させて平板型の筒状にしたフィルタ53bの一端(図20では下端)は樹脂製の蓋部材53cが固着されて塞がれており、該フィルタ53bの他端(図20では上端)は開口53eにした状態で樹脂製の取り付け部材53dが固着されている。該平板型カートリッジエレメント53、53は前記フィルタ53b、蓋部材53c及び取り付け部材53dによって構成されている。さらに、フィルタ53の端部開口の間隔を小さくすると、当該フィルタ53の強度を高め長寿命なものとすることができる。
【0087】
なお本実施形態においてヒダ状とは、断面形状が山形形状の連続したものであり、その山形形状の辺の傾斜は両側傾斜、片側傾斜を問わない。また前記フィルタ53bをヒダ状にすることにより、限られた設置スペースにおいて粉塵の捕集面積を増やすことができる。加えて、フィルタ53bの逆洗時にヒダが伸縮することにより、フィルタ53b外表面に付着した粉塵を剥離する効果を向上させることができる。
【0088】
また前記平板型カートリッジエレメント53、53は、前記フィルタ53bが垂直方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材53a、53aによって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置されている。そして、該平板型カートリッジエレメント53、53は、前記取り付け部材53dを固定手段(図示せず)で前記ダクト52、52の下部に固定するようになっている。なお該固定状態で前記ダクト52、52底面の穴52b(図19参照)を前記取り付け部材53dで塞ぐようになっているが、前記ダクト52、52は前記フィルタ53bの開口53eを介して前記フィルタ53bの内部に連通されている。
【0089】
また図18に示すように、前記ダクト52、52は開口52aを介して、垂直方向に伸びる清浄気体室54に連通されており、該清浄気体室54の上部には、複数のエア噴出ノズル55a、55aから前記ダクト52、52を介して前記フィルタ53bの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むパルスジェット機構55が配設されている。なお該パルスジェット機構55は、エアタンク55bと、該エアタンク55bに連通された複数のエアバルブ55c、55cと、該エアバルブ55c、55cに各々連通された前記複数のエア噴出ノズル55a、55aと、を具備しており、該エアバルブ55c、55c及びエア噴出ノズル55a、55aは前記ダクト52、52の数だけ設けられている。また該エア噴出ノズル55a、55aの各々は、その先端が前記清浄気体室54内に挿入され、且つ、前記ダクト52、52の各々の開口52aに対向して位置されている。
【0090】
なお符号56は着脱可能な点検蓋であり前記除塵室51と前記清浄気体室54とを仕切る仕切り部材としての役目も兼ねている。また符号57も着脱可能な点検蓋である。さらに前記ダクト52、52は上述したように水平方向に間隔をおいて並列に複数列配設されているため、該ダクト52、52間には複数の間隙58、58(図19参照)が存在しており、該間隙58、58は含塵気体の入口部(図示せず)に連通されている。
【0091】
このように構成されたものの作動について説明する。まず、清浄気体室54に連通する図示されない吸引手段(例えば、ブロアー)の吸引作用を受けて、図示されない入口部から前記間隙58、58を介して含塵気体が除塵室51内に流入される。そして、除塵室51内に流入された含塵気体は前記フィルタ53bの外側から該フィルタ53bの内部に流入する。この際、含塵気体中の粉塵がフィルタ53b外表面に付着することにより除塵が成される。そして、該フィルタ53bの内部に流入した気体は、清浄気体としてフィルタ53bの開口53eから各々のダクト52、52内に流入し、該ダクト52、52の開口52aから清浄気体室54に流入される。そして、該清浄気体室54に流入された該清浄気体は図示されない吸引手段によって吸引され、装置外に排出される。
【0092】
また上述した作動中にフィルタ53b外表面への粉塵の付着量は増加していくため、適宜、フィルタ53bの逆洗を行う。本実施形態においてフィルタの逆洗とは、集塵によりフィルタの外表面に付着した粉塵によるフィルタの目詰まりを解消するために、フィルタの開口からフィルタ内部に圧縮エアを導入し、フィルタ内部から外側に向けて圧縮エアを通気させることによりフィルタ外表面の付着粉塵を剥離させることをいう。該フィルタ53bの逆洗につき詳述すると、パルスジェット機構55におけるエアタンク55bに連通された複数のエアバルブ55c、55cが開かれると、該エアバルブ55c、55cに各々連通された複数のエア噴出ノズル55a、55aから圧縮エアが噴出され、各々のダクト52、52を介してフィルタ53bの開口53eからフィルタ53b内部に該圧縮エアが吹き込まれる。これにより該フィルタ53bの逆洗が成され、該逆洗は上述した作動中に間欠的に行われる。
【0093】
そして、該フィルタ53bの逆洗によってフィルタ53bの外表面から剥離された粉塵は下方に落下し、図示されないホッパに回収される。そして、該ホッパに回収された粉塵は図示されない受け箱に適宜排出される。
【0094】
なお装置レイアウト等、若干の変更を加えた別の実施形態を図21に基づき簡単に説明する。図21の(a)は、前記ダクト52、52の他端を90度屈曲させ、開口52aを下向きにした例で、前記エア噴出ノズル55a、55aの先端は該開口52aに対向して位置されている。また図21の(b)は、前記ダクト52、52を垂直方向に伸びる配置、前記清浄気体室54を水平方向に伸びる配置にした例である。この場合、前記エア噴出ノズル55a、55aの先端は前記ダクト52、52の開口52aに対向して位置され、前記平板型カートリッジエレメント53、53は、前記フィルタ53bが水平方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材53a、53aによって形成された連続する山形形状の頂線が横縞になるように配置されている。
【0095】
また本実施形態では、カートリッジエレメントとして平板型カートリッジエレメント53、53を用いたが、カートリッジエレメントはこれに限定されるものではなく、この他には例えば、円筒型カートリッジエレメントを用いるようにしてもよい。ただし、カートリッジエレメントの形状を平板型にすると、集塵装置内のカートリッジエレメントの充填効率が上がり、同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置の構造がコンパクトになるため、より好ましい。
【0096】
なお本実施形態では上述したように、前記エア噴出ノズル55a、55aから前記中空のダクト52、52を介して前記フィルタ53bの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むようにしているため、各々のカートリッジエレメントの真上にエア噴出ノズル55a、55aを配置する必要が無く、該エア噴出ノズル55a、55aからエアバルブ55c、55cまでのエア配管の長さを大幅に短くすることができる。これにより、該エア配管の抵抗による圧力損失が大幅に小さくなるため、パルスジェットエアの吐出圧低下を防止でき、コンプレッサー等の設備費用も嵩まない。また濾材の交換は前記点検蓋56、57を取り外せば可能で、エア噴出ノズル55a、55aからエアバルブ55c、55cまでのエア配管を毎回取り外す必要はないから、濾材を短時間で効率的に交換できると共に該エア配管の確実な固定が維持できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、ショットブラスト用集塵機や鋳物工場の作業空間向け集塵機など常温エアの集塵を対象とし、集塵風量600m3/Hr〜72000m3/Hr程度の集塵装置のカートリッジエレメントとしての利用が考えられる。また、ショットブラスト用集塵機では同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置がコンパクトになると考えられる。
【符号の説明】
【0098】
1 平面状フィルタ
2 キャップ
3 上端部材
4 補強部材
5 キャップ用型枠
6 上端部材用型枠
31 除塵室
32 ダクト
33 カートリッジエレメント
34 清浄気体室
35 屈曲ダクト
36 ブロア
37 パルスジェット機構
51 除塵室
52 ダクト
53 カートリッジエレメント
54 清浄気体室
55 パルスジェット機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置に使用するカートリッジエレメント、カートリッジエレメントの着脱機構、及び、カートリッジエレメントを用いた集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、集塵装置に使用する円筒型カートリッジエレメントは公知である(例えば特開2001‐269528号公報、図1参照)。しかし、この円筒型カートリッジエレメントは集塵装置内に設置すると、そのエレメントスペースに空隙が多くできてしまい、カートリッジエレメントの充填効率が悪くなるという問題点があった。
【0003】
また、従来、集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱方式としては、濾材の一端をフランジにし、パッキンを介在させて装置本体にボルト締めする方式が一般的である(例えば、実開昭58−132524号公報、第3図参照)。
【0004】
しかし、実開昭58−132524号公報のような方式では、ボルトの取り付けピッチが大きい場合には確実なシールができないことがある。したがって、確実にシールさせて取り付けるには多くのボルトで締めなければならず、取り付け作業に多くの時間を要し、さらには製作においてもコストが高くなってしまう問題がある。またボルトを使わない場合においても確実な気密性を有するためには、複雑なフランジ形状が必要であったり、固定するために外力(エアシリンダ、電動機等)を用いたりするため、製造コストが高くなるという問題がある。
【0005】
また、円筒形に形成した外側ケージと内側ケージ間にプリーツ濾布を嵌挿した円筒型カ
ートリッジエレメント及びこれを用いた集塵装置は公知にされている(例えば、特開2001−300237号公報、第1頁、第1−6図参照)。
【0006】
しかし、特開2001−300237号公報のような円筒型カートリッジエレメントを用いた集塵装置は、該エレメントを集塵装置内に設置すると、該エレメントが円筒型ゆえに、該エレメント同士の間に空隙が多くできてしまい、該エレメントの充填効率が悪くなるという問題がある。また該エレメントの充填効率が悪いと該エレメントの数は多く必要になるため、特開2001−300237号公報のように該エレメントを縦配置(垂直方向に伸びる配置)する場合、幅広な装置になってしまい、装置の設置スペースが広く必要になるという問題がある。なお該エレメントを横配置(水平方向に伸びる配置)にして該エレメントの数を高さ方向に増やすことも考えられるが、この場合、プリーツが粉塵の進行方向(垂直方向)に対して直角の配置となるため、濾過性能に悪影響を及ぼすという問題がある。
【0007】
また、従来、カートリッジエレメントを用いたパルスジェット式集塵装置は公知にされている(例えば、実開平6−85016号公報、第1頁、第1−7図参照)。
【0008】
しかし、実開平6−85016号公報のものは、各々のカートリッジエレメントの真上にエア噴出ノズルが配置され、該エア噴出ノズルからエアバルブまでのエア配管の長さが長い。このため、該エア配管が長くなればなるほど抵抗による圧力損失が大きくなり、粉塵の払い落としに必要な吐出圧を確保するためにはエアタンクの供給圧を、より高圧にしなければならず、コンプレッサー等の設備費用が嵩むという問題がある。また濾材の交換に際しては、実開平6−85016号公報の図5、7等に開示されているように、ケージの抜き出し等、前記エレメント上で作業する必要があり、この場合、前記エア配管が邪魔になる。このため、該濾材の交換を行う場合は、該エア噴出ノズルからエアバルブまでのエア配管を毎回取り外さなければならず、大型の集塵装置になると長さも長く本数も多くなるため、作業効率が悪く非常に時間がかかってしまう。また前記エア配管には瞬間的に高圧・高速でエアが流れるために大きな衝撃力がかかる。このため、確実な固定が必要であり、できる限り取り外し等を行わないほうがよい。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、カートリッジエレメントの充填効率を向上させ、集塵装置のダウンサイジングを実現することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、短時間で簡単に着脱することができると共に製造コストを低減させることができる集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構を提供することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、カートリッジエレメントの充填効率を向上させることができると共に装置の設置スペースを小さくでき、且つ、濾過性能を向上させることができる集塵装置を提供することを目的とする。
【0012】
加えて、本発明は、パルスジェットエアの吐出圧低下を防止できると共に濾材を短時間で効率的に交換できるパルスジェット式集塵装置を提供することを目的とする。
【特許文献1】実開昭58−132524号公報
【特許文献2】特開2001−300237号公報
【特許文献3】実開平6−85016号
【発明の概要】
【0013】
上記目的を達成するための本発明における平板型カートリッジエレメントは、相互に対向させヒダ状に折り込んだ2つのシート状濾材を筒状に成した平面状フィルタと、該平面状フィルタの上端に連結されると共に前記平面状フィルタによって構成された突出口を設けた上端部材と、該平面フィルタの下端に連結されたキャップと、を具備する。
【0014】
また、本発明は前記平面状フィルタ内部に、横渡しパイプ等の横渡し補強部材を設け、平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプは補強材を兼ねることができる。
【0015】
さらに、前記平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプが、該平面状フィルタの左右側面を介して横渡しされることができる。
【0016】
また、本発明は前記平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプ若しくは補強部材が、該
平面状フィルタの逆洗時に払い落とし逆洗エアを分散させることができる。
【0017】
さらに、平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプ又は補強部材がフィルタの中心に1本あり、その両端を支持する垂直棒が2本あり全体としてH型を成すことができる。
【0018】
加えて、本発明は前記平面状フィルタ内部に設けた横渡しパイプ若しくは補強部材が溶
接により接合されており、前記上端部材及びキャップが樹脂製とすることができる。
【0019】
また、上記目的を達成するための本発明における平板型カートリッジエレメントは、相互に対向させヒダ状に折り込んだ2つのシート状濾材を筒状に成した平面状フィルタと、該平面状フィルタの内部に着脱可能であって挿入して使用する補強部材と、該平面状フィルタの上端に連結されると共に前記平面状フィルタによって構成された突出口を設けた上端部材と、該平面状フィルタの下端に連結されたキャップと、を具備する。
【0020】
さらに、本発明は前記平面状フィルタ内部に挿入して使用する補強部材に、横渡し部材を設けることができる。
【0021】
加えて、前記平面状フィルタ内部に挿入して使用する補強部材に設けた横渡しパイプが、該平面状フィルタの左右側面を介して横渡しされることができる。
【0022】
また、本発明は前記平面状フィルタ内部に挿入して使用する補強部材に設けた横渡しパイプが、該平面状フィルタの逆洗時に払い落とし逆洗エアを分散させることができる。
【0023】
さらに、本発明は前記平面状フィルタ内部に挿入して使用する補強部材が溶接により接合されており、該補強部材が鉄又はそれに類する剛性をもつ材料製であり、前記上端部材及びキャップが樹脂製とすることができる。
【0024】
このように本発明における平板型カートリッジエレメントは、カートリッジエレメントの形状を平板型とするため、集塵装置内のカートリッジエレメントの充填効率が上がり、同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置の構造がコンパクトになる。
【0025】
また、上記の目的を達成するために本発明の集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構は、ダクトの下部に相互に間隔をおいて取り付けられると共に各々に複数の傾斜長孔が穿孔されたガイド部材と、該ガイド部材の内側に各々配設されると共に各々に前記傾斜長孔に対応する連結孔が穿孔されたレール部材と、前記傾斜長孔及び連結孔を貫通して前記ガイド部材及びレール部材を連結する連結具と、前記レール部材間に搬入されると共に該レール部材で支持されたカートリッジエレメントと、を具備することを特徴とする。
【0026】
さらに、本発明の集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構は、ダクトの下部に相互に間隔をおいて取り付けられると共に各々に複数の傾斜長孔が穿孔されたガイド部材と、該ガイド部材の内側に各々配設されると共に各々に前記傾斜長孔に対応する連結孔が穿孔されたレール部材と、前記傾斜長孔及び連結孔を貫通して前記ガイド部材及びレール部材を連結する連結具と、前記レール部材上に載置されると共に複数のカートリッジエレメントが挿入される複数の開口が穿設されたスライド部材と、前記スライド部材に穿設された複数の開口に挿入されて前記レール部材間に搬入されると共に該スライド部材を介して該レール部材で支持された前記複数のカートリッジエレメントと、を具備することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構は、前記カートリッジエレメントが平板型のカートリッジエレメントであることを特徴とする。
【0028】
このように本発明の集塵装置におけるカートリッジエレメントの着脱機構は、ダクトの下部に相互に間隔をおいて取り付けられると共に各々に複数の傾斜長孔が穿孔されたガイド部材と、該ガイド部材の内側に各々配設されると共に各々に前記傾斜長孔に対応する連結孔が穿孔されたレール部材と、前記傾斜長孔及び連結孔を貫通して前記ガイド部材及びレール部材を連結する連結具と、前記レール部材間に搬入されると共に該レール部材で支持されたカートリッジエレメントと、を具備するようにしたから、短時間で簡単に着脱することができると共に製造コストを低減させることができる等種々の効果がある。
【0029】
また、上記の目的を達成するために本発明における集塵装置は、ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通され、且つ、含塵気体の入口部に連通された除塵室と、前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通されたダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトに着脱可能に取り付けられた前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備することを特徴とする。
【0030】
さらに、本発明における集塵装置は、前記フィルタの内部に横渡し部材を設け、該横渡し部材によって前記フィルタの逆洗時に該フィルタの内部に吹き込まれる圧縮空気を分散させることを特徴とする。
【0031】
また、本発明における集塵装置は、ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通された除塵室と、該複数段の除塵室の各々の上部に間隔をおいて配設されると共に前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通された複数のダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトの下部に各々着脱可能に取り付けられた複数の前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記ダクトの開口に対向して位置された複数のノズルから前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、最上段の前記ダクトの上部に配設されると共に最上段の前記除塵室に連通された含塵気体の入口部と、最下段の前記除塵室の下部に連通連結されたホッパと、を具備することを特徴とする。
【0032】
このように本発明における集塵装置は、ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通され、且つ、含塵気体の入口部に連通された除塵室と、前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通されたダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトに着脱可能に取り付けられた前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備するようにしたから、カートリッジエレメントの充填効率を向上させることができると共に装置の設置スペースを小さくでき、且つ、濾過性能を向上させることができる等種々の効果がある。
【0033】
また、上記の目的を達成するために本発明におけるパルスジェット式集塵装置は、筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にしたカートリッジエレメントを用いたパルスジェット式集塵装置であって、一端が塞がれると共に他端が開口にされた中空のダクトと、該ダクトに着脱可能に取り付けられると共に前記フィルタの内部が該フィルタの開口を介して前記ダクトに連通された前記カートリッジエレメントと、エア噴出ノズルから前記ダクトを介して前記フィルタの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備することを特徴とする。
【0034】
さらに、本発明におけるパルスジェット式集塵装置は、前記カートリッジエレメントが平板型のカートリッジエレメントであることを特徴とする。
【0035】
このように本発明におけるパルスジェット式集塵装置は、筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にしたカートリッジエレメントを用いたパルスジェット式集塵装置であって、一端が塞がれると共に他端が開口にされた中空のダクトと、該ダクトに着脱可能に取り付けられると共に前記フィルタの内部が該フィルタの開口を介して前記ダクトに連通された前記カートリッジエレメントと、エア噴出ノズルから前記ダクトを介して前記フィルタの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備するようにしたから、パルスジェットエアの吐出圧低下を防止できると共に濾材を短時間で効率的に交換できる等種々の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】平板型カートリッジエレメントの外形図である。
【図2】(a)は平面状フィルタと補強部材の外形を示す図である。(b)は平面状フィルタの内部に着脱可能であって挿入して使用する補強部材の外形を示す図である。
【図3】平板型カートリッジエレメントを使用した集塵の過程を示す一部切り欠き図 である。
【図4】フィルタの逆洗の説明図である。
【図5】(a)はキャップの成形工程のうち、平面状フィルタをキャップ用型枠にはめ込む状態を示す図である。(b)はキャップの成形工程のうち、平面状フィルタをキャップ用型枠より取り出した状態を示す図である。
【図6】上端部材の成形工程のうち、平面状フィルタを上端部材用型枠にはめ込む状態を示す図である。(b)は上端部材の成形工程のうち、平面状フィルタを上端部材用型枠より取り出した状態を示す図である。
【図7】実施例2における実施形態を示す全体斜視図である。
【図8】実施例2における実施形態を示す正面図であって、(a)は平板型カートリッジエレメントの取り付け前の状態を示す図で、(b)は取り付け後の状態を示す図である。
【図9】実施例2における実施形態を示す側面断面図であって、(a)は平板型カートリッジエレメントの取り付け前の状態を示す図で、(b)は取り付け後の状態を示す図であ る。
【図10】実施例2における回動レバーによってレール部材を水平移動させる実施形態を示す正面図であって、(a)は平板型カートリッジエレメントの取り付け前の状態を示す図で、(b)は取り付け後の状態を示す図である。
【図11】実施例2におけるスライド部材の一端上部にストッパ部材を設けた実施形態を示す部分拡大正面図であって、(a)は平板型カートリッジエレメントの取り付け前の状態を示す図で、(b)は取り付け後の状態を示す図である。
【図12】実施例3における実施形態を示す正面図(一部断面)である。
【図13】図12におけるA−A矢視図である。
【図14】図12におけるB−B矢視図である。
【図15】実施例3における平板型カートリッジエレメントの実施形態を示す詳細図である。
【図16】実施例3におけるフィルタ内部に横渡し部材を設けた実施形態を説明するための図である。
【図17】実施例3におけるフィルタ内部に横渡し部材を設けた実施形態を説明するための図である。
【図18】実施例4における本発明の実施形態を示す正面断面図(一部省略)である。
【図19】図18におけるA−A矢視図(一部省略)である。
【図20】(a)は実施例4における平板型カートリッジエレメントの実施形態を示す詳細図である。(b)は実施例4における平板型カートリッジエレメントの平面図である。
【図21】(a)、(b)とも実施例4における本発明の別の実施形態を示す正面断面図(一部省略)である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
A.実施例1
以下、本発明における平板型カートリッジエレメントを実施するための形態について説明する。
【0038】
実施例1は、カートリッジエレメントの形状を平板型にすることにより、上記機能を達成するものであり、以下にその内容を示す。
【0039】
まず、カートリッジエレメントの形状を平板型にすることにより、集塵装置内のエレメントスペースを有効に活用でき、カートリッジエレメントの充填効率を上げることができる。
【0040】
本実施形態における平板型カートリッジエレメントとは、集塵装置に組み込んだ状態で概ね平板の形状を成すもののことをいう。その断面は長方形になっており、長辺と短辺の比は1:0.08〜1:0.15になっている。
【0041】
本実施形態の平板型カートリッジエレメントにおけるヒダ状とは、断面形状が山形形状の連続したものであり、その山形形状の辺の傾斜は両側傾斜、片側傾斜を問わない。
【0042】
また、平面状フィルタをヒダ状にすることにより、限られた設置スペースにおいてダストの捕集面積を増やすことができる。加えて、フィルタの逆洗時にヒダが伸縮することによりフィルタに付着したダストを剥離する効果を向上させることができる。
【0043】
以下、図面に基づいて実施例1における本発明の実施形態を説明する。
【0044】
図1において、本実施形態における平板型カートリッジエレメントは、ヒダ状に折り込んだシート状濾材により成る平面状フィルタ1と、該平面状フィルタ1の両端に成型されたキャップ2および上端部材3と、を具備している。
【0045】
また、前記平面状フィルタ1は、ヒダ状に折り込んだ2枚のシート状濾材の各々両側端を接着して概ね平板の筒状に成っている。さらに、図2aに示すように、概ね平板の筒状に形成された平面状フィルタ1の内側には、ABS、PP等の樹脂製パイプ又は丸棒でできた補強部材4が横渡しで差し込まれている。
【0046】
次に、図3を参照して、上記平板型カートリッジエレメントを使用した集塵の過程を示す。
【0047】
図示していない集塵装置に吸引されたダストを含むエアが前記平面状フィルタ1のヒダ状の外面に接触し、ダストのみが平面状フィルタ1の表面に付着する。そして、ダストを取り除かれたエアのみが平面状フィルタ1を通過し、筒状を成す平面状フィルタ1の内側および前記上端部材3に開けられた孔を通って、集塵装置の外部に排気される。
【0048】
また、補強部材4は集塵時のつぶれを防止する作用の他に、逆洗時のパルスエアがこの補強部材4に衝突することによりエアの流れる方向が変化し(図4参照)、パルスエアを効果的に分散させる。このため、パルスエアが平面状フィルタ1の全面に流れる作用がある。また、補強部材4と平面状フィルタ1は接着しない構造とするため、逆洗時にフィルタが外側へ大きくたわみ、前記パルスエアへの作用と加え、付着ダストを剥離させる効果を増幅する作用が働く。
【0049】
さらに、キャップ2及び上端部材3に使用するウレタン樹脂及び補強部材4に使用するABS、PP等の樹脂製パイプ又は丸棒は焼却してもダイオキシン類などの有害物質を発生することはなく、環境負荷に配慮できる。
【0050】
本実施例において、フィルタの逆洗とは図4に示すように集塵によりフィルタの外面に付着した付着ダストによるフィルタの目詰まりを解消するために、前記上端部材3の開口部よりパルスエアを導入し、フィルタの内部から外側に向けてエアを通気することによりフィルタの外面の付着ダストを剥離させることをいう。
【0051】
ここで、本平板型カートリッジエレメントの製造方法は以下の通りである。前記概ね平板の筒状に形成された平面状フィルタ1の一端を、キャップ用型枠5にはめ込み(図5a参照)、液状ウレタン樹脂を流し込み硬化させ成形しキャップ2を成形する(図5b参照)。さらに、前記上端部材用型枠6には、前記概ね平板の筒状に形成された平面状フィルタ1のヒダ状に折られた内面形状と同じ形状の模型が形成されている(図6a参照)。このため、該平面状フィルタ1のもう一方の一端を該上端部材用型枠6の模型にかぶせ(図6a参照)、液状ウレタン樹脂を流し込み硬化させ成形し上端部材3を成形する(図6b参照)ことにより、平面状フィルタ1の上端に前記上端部材3が連結されるとともに、該上端部材3に平面状フィルタ1のヒダ状に折られた内側形状と同じ形状で平面状フィルタ1の内部と連通している孔が形成される。
【0052】
本実施例において、図2(b)に示すように、補強部材8は平面状フィルタ1に脱着可能であって挿入して使用できるようにしてもよい。
【0053】
この場合、概ね平板の筒状に形成された平面状フィルタ1の内側に挿入して使用する補強部材8は、鉄又はそれに類する剛性をもつ材料製とする。この補強部材8は、H型部を有しており、その上部を横渡ししているとともに下部を上端部材3と同じ外形とし、長方形の孔を有している平板で横渡しをする。なお、横渡し部材の数は一本である必要はなく、数本でもよい。
【0054】
ここで、平面状フィルタ1の内側に挿入して使用する補強部材8は、鉄又はそれに類する剛性をもつ材料製のパイプ又は丸棒を使用しているので、平面状フィルタ1を廃棄しても前記補強部材8は再利用を行うことができる。
【0055】
B.実施例2
次に、カートリッジエレメントとして平板型カートリッジエレメント15、15を用いた本発明の実施例2における実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図7において、集塵装置内の所望の箇所に設置されたダクト11の下部には、各々に複数の傾斜長孔12a、12aが穿孔されたガイド部材12、12が相互に間隔をおいて取り付けられており、該ガイド部材12、12の内側には、各々に前記傾斜長孔12a、12aに対応する丸孔の連結孔13a、13aが穿孔されたレール部材13、13が各々配設されている(図9参照)。
【0056】
また前記ガイド部材12、12及びレール部材13、13は、前記傾斜長孔12a、12a及び連結孔13a、13aを貫通する連結具14、14によって連結されており、前記レール部材13、13上には、後述する複数の平板型カートリッジエレメント15、15が挿入される複数の開口16a、16aが穿設されたスライド部材16が載置されている。そして、該スライド部材16に穿設された複数の開口16a、16aには、前記複数(本実施形態では3個)の平板型カートリッジエレメント15、15が挿入されており、該平板型カートリッジエレメント15、15は前記スライド部材16を介して前記レール部材13、13で支持され、該レール部材13、13間に搬入されている。
【0057】
ここで、該平板型カートリッジエレメント15、15について説明する。本実施形態において、平板型とは、全体で概ね平板の形状を成すことをいい、平板型カートリッジエレメントとは、集塵装置に着脱可能な平板型のフィルタユニットのことをいう。以下、本実施形態の平板型カートリッジエレメント15、15を具体的に説明する。ヒダ状に折り込んだ濾材15a、15aを対向させて平板型の筒状にしたフィルタ15bの下端は蓋部材15cが固着されて塞がれており、該フィルタ15bの上端は開口15eにした状態で取り付け部材15dが固着されている。該平板型カートリッジエレメント15、15は前記フィルタ15b、蓋部材15c及び取り付け部材15dによって構成されている。なお本実施形態においてヒダ状とは、断面形状が山形形状の連続したものであり、その山形形状の辺の傾斜は両側傾斜、片側傾斜を問わない。
【0058】
また前記平板型カートリッジエレメント15、15は、前記フィルタ15bが垂直方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材15a、15aによって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置されている。そして、該平板型カートリッジエレメント15、15の各々の上部にはパッキン17が接着されている。
【0059】
このように構成されたものの作動について説明する。まず、連結具14、14が前記傾斜長孔12a、12aの最下位に位置するまでレール部材13、13を引き出す方向に水平移動させる。そして、スライド部材16の前記開口16a、16aに平板型カートリッジエレメント15、15を各々挿入してレール部材13、13間に搬入し、スライド部材16を介してレール部材13、13で支持させて図8の(a)の状態にされる。この際、側面断面は図9の(a)となる。
【0060】
そして、この状態でレール部材13、13を押し込む方向に水平移動させると、連結具14、14が前記傾斜長孔12a、12aに沿って該傾斜長孔12a、12aの最上位に向かって移動するため、これに伴って該レール部材13、13が上昇する。これにより、平板型カートリッジエレメント15、15が上昇し、パッキン17を介してダクト11の下部に密着して図8の(b)の状態にされ、該平板型カートリッジエレメント15、15の取り付けが成される。この際、側面断面は図9の(b)となる。
【0061】
また該平板型カートリッジエレメント15、15を取り外す場合は、レール部材13、13を引き出す方向に水平移動させれば、連結具14、14が前記傾斜長孔12a、12aに沿って該傾斜長孔12a、12aの最下位に向かって移動するため、これに伴って該レール部材13、13が下降する。これにより、平板型カートリッジエレメント15、15が下降し、前記密着が解除され、該平板型カートリッジエレメント15、15の取り外しが成される。該平板型カートリッジエレメント15、15を交換する場合はスライド部材16を引き出して交換作業を行えばよい。
【0062】
なおレール部材13の水平移動は図10に示す実施形態で行ってもよい。詳述すると、ダクト11にピン18で連結されたリンク部材19と、該リンク部材19にピン20で連結された回動レバー21と、を設け、さらに該回動レバー21とレール部材13をピン22で連結する。そして、該回動レバー21の正逆回動によってレール部材13を引き出す方向又は押し込む方向に水平移動させる。これにより、該レール部材13の水平移動を、より容易に行うことができる。
【0063】
またレール部材13、13を押し込む方向に水平移動したときの平板型カートリッジエレメント15、15の水平方向の若干の位置ずれは、フィルタ15bの開口15eよりダクト11底面の開口(図示せず)を小さくしておけば吸収できる。しかし、より好ましくは、図11に示すように、スライド部材16の一端上部にストッパ部材23を設け、スライド部材16をガイド部材12、12間に押し込んだときに該ストッパ部材23をガイド部材12、12の側端面12b、12bに当接させ、該スライド部材16が、それ以上水平移動できないようにする。この状態でレール部材13、13を押し込む方向に水平移動させれば、平板型カートリッジエレメント15、15の水平方向の位置ずれは完全に阻止できる。
【0064】
さらに前記ダクト11及び、これに取り付けられた平板型カートリッジエレメント15、15は、集塵装置内に種々の配置で設置可能である。例えば、水平方向に間隔おいて並列に複数列配置してもよいし、垂直方向に間隔をおいて複数段配置してもよい。さらに該水平方向に間隔おいて並列に複数列配置したものを垂直方向に間隔をおいて複数段配置してもよい。またダクトが一つの大きな部屋状の空間を成す場合は、その下部に所望の配置で複数の平板型カートリッジエレメント15、15を取り付ける構成にすればよい。
【0065】
また集塵時の作動を簡単に説明すると、ダクト11内は図示されない吸引手段(例えば、
ブロアー)による吸引作用が働き、これに伴って含塵気体がフィルタ15bの外側から該フィルタ15bの内部に流入する。この際、含塵気体中の粉塵がフィルタ15b外表面に付着することにより除塵が成される。そして、該フィルタ15bの内部に流入した気体は、清浄気体としてフィルタ15bの開口15eからダクト11内に流入し、該ダクト11から図示されない清浄気体室に流入され、装置外に排出される。
【0066】
なお従来のようなボルト締めによる着脱方式の場合には、ボルト位置で集中荷重が作用
し、均一にパッキンを押えることができないが、本実施形態では、レール部材13、13によってパッキン7に均一に等分布荷重を作用させることができるため、気密性が向上する。
【0067】
また本実施形態では、平板型カートリッジエレメント15の上部にパッキン17を接着するようにしたが、該平板型カートリッジエレメント15における取り付け部材15dの一部又は全部をシール性のある材料で製作した場合、パッキン17は省略できる。
【0068】
さらに本実施形態では、平板型カートリッジエレメント15、15をスライド部材16を介してレール部材13、13で支持させるようにしたが、スライド部材16を省略して平板型カートリッジエレメント15、15を直接、レール部材13、13で支持させるようにしてもよい。この場合、レール部材13、13上に前記取り付け部材15dが載置されることになる。ただし、前記平板型カートリッジエレメント15、15が複数の場合は、上述したようにスライド部材6の開口16a、16aに各々挿入して該スライド部材6で搬入出したほうが、該搬入出が容易で、且つ、搬入時に所望の位置に素早くセットできると共に搬出時にも素早く搬出できるため、より好ましい。
【0069】
さらに本実施形態では、カートリッジエレメントとして平板型カートリッジエレメント15、15を用いたが、カートリッジエレメントはこれに限定されるものではなく、この他には例えば、円筒型カートリッジエレメントを用いるようにしてもよい。ただし、カートリッジエレメントの形状を平板型にすると、集塵装置内のカートリッジエレメントの充填効率が上がり、同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置の構造がコンパクトになるため、より好ましい。
【0070】
また本実施形態では、カートリッジエレメントを水平方向に出し入れするようになっているため、該カートリッジエレメントを垂直方向に複数段配置した場合でも、該カートリッジエレメントを容易に交換することができる。また前記出し入れのスペースを垂直方向に確保する必要がないため、該カートリッジエレメントを垂直方向に複数段配置した場合でも、集塵装置の高さを大幅に低くすることができ、集塵装置がコンパクトになる。このように本実施形態は、カートリッジエレメントを垂直方向に複数段配置した場合に、より効果的である。
【0071】
C.実施例3
続いて、本発明の実施例3における実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図12において、垂直方向に複数段(本実施形態では3段)に配置されて互いに連通された除塵室31、31の各々の上部には、複数のダクト32、32が間隔をおいて(図14参照)配設されている。また前記複数段の除塵室31、31内には複数の平板型カートリッジエレメント33、33が配置されており、該平板型カートリッジエレメント33、33は前記ダクト32、32の下部に各々着脱可能に取り付けられている。
【0072】
ここで、該平板型カートリッジエレメント33、33について説明する。本実施形態において、平板型とは、全体で概ね平板の形状を成すことをいい、平板型カートリッジエレメントとは、集塵装置に着脱可能な平板型のフィルタユニットのことをいう。以下、本実施形態の平板型カートリッジエレメント33、33を図15で具体的に説明する。ヒダ状に折り込んだ濾材33a、33aを対向させて平板型の筒状にしたフィルタ33bの一端(本実施形態では下端)は樹脂製の蓋部材33cが固着されて塞がれており、該フィルタ33bの他端(本実施形態では上端)は開口33eにした状態で樹脂製の取り付け部材33dが固着されている。該平板型カートリッジエレメント33、33は前記フィルタ33b、蓋部材33c及び取り付け部材33dによって構成されている。なお本実施形態においてヒダ状とは、断面形状が山形形状の連続したものであり、その山形形状の辺の傾斜は両側傾斜、片側傾斜を問わない。
【0073】
また前記平板型カートリッジエレメント33、33は、前記フィルタ33bが垂直方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材33a、33aによって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置されている。そして、該平板型カートリッジエレメント33、33は、前記取り付け部材33dを固定手段(図示せず)で前記ダクト32、32の下部に固定するようになっている。なお該固定状態で前記ダクト32、32底面の穴32a(図14参照)を前記取り付け部材33dで塞ぐようになっているが、前記ダクト32、32は前記フィルタ33bの開口33eを介して前記フィルタ33bの内部に連通されている。
【0074】
また図12に示すように、前記ダクト32、32は一端が塞がれており、他端が開口32bにされている。そして、該ダクト32、32は該開口32bを介して、垂直方向に伸びる清浄気体室34に連通されており、該清浄気体室34は、その下部に連結された屈曲ダクト35を介して吸引手段としてのブロアー36に連通されている。また前記清浄気体室34内には前記フィルタ33bの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構37、37が複数段(本実施形態では3段)に配設されており、該パルスジェット機構37、37の複数のノズル37a、37aは前記ダクト32、32の開口32bに対向して位置されている。
【0075】
また最上段の前記ダクト32の上部には、最上段の前記除塵室31に連通された含塵気体の入口部38が配設されており、最下段の前記除塵室31の下部には、落下する粉塵を回収するホッパ39が連通連結されている。なお符号40は着脱可能な点検蓋であり前記除塵室31、31と前記清浄気体室34とを仕切る仕切り部材としての役目も兼ねている。また符号41も着脱可能な点検蓋である。本実施形態では、該点検蓋40、41を外して前記平板型カートリッジエレメント33、33を水平方向に抜き出すことができるため、該平板型カートリッジエレメント33、33が垂直方向に複数段に配置されていても、該平板型カートリッジエレメント33、33を短時間で容易に交換することができる。
【0076】
このように構成されたものの作動について説明する。まず、前記ブロアー36を作動させると該ブロアー36の吸引作用を受けて、入口部38から含塵気体が最上段の除塵室31内に流入される。なお複数のダクト32、32は上述したように間隔をおいて配設されているため、該ダクト32、32間には複数の間隙42、42(図13、14参照)が存在する。この間隙42、42によって複数の除塵室31、31は互いに連通されているため、入口部38から流入される含塵気体は全ての除塵室31、31内に行き渡る。
【0077】
そして、各々の除塵室31、31内に流入された含塵気体は前記フィルタ33bの外側から該フィルタ33bの内部に流入する。この際、含塵気体中の粉塵がフィルタ33b外表面に付着することにより除塵が成される。そして、該フィルタ33bの内部に流入した気体は、清浄気体としてフィルタ33bの開口33eから各々のダクト32、32内に流入し、該ダクト32、32の開口32bから清浄気体室34に流入される。そして、該清浄気体室34に流入された該清浄気体は前記ブロアー36によって吸引され、装置外に排出される。
【0078】
また上述した作動中にフィルタ33b外表面への粉塵の付着量は増加していくため、適宜、フィルタ33bの逆洗を行う。本実施形態においてフィルタの逆洗とは、集塵によりフィルタの外表面に付着した粉塵によるフィルタの目詰まりを解消するために、フィルタの開口からフィルタ内部に圧縮空気を導入し、フィルタ内部から外側に向けて圧縮空気を通気させることによりフィルタ外表面の付着粉塵を剥離させることをいう。該フィルタ33bの逆洗につき詳述すると、パルスジェット機構37、37の複数のノズル37a、37aから圧縮空気が噴射され、各々のダクト32、32を介してフィルタ33bの開口33eからフィルタ33b内部に該圧縮空気が吹き込まれる。これにより該フィルタ33bの逆洗が成され、該逆洗は上述した作動中に間欠的に行われる。
【0079】
そして、該フィルタ33bの逆洗によってフィルタ33bの外表面から剥離された粉塵は下方に落下し、ホッパ39に回収される。そして、該ホッパ39に回収された粉塵は図示されない受け箱に適宜排出される。
【0080】
ここで、前記平板型カートリッジエレメント33、33を次に示す実施形態にしてもよい。すなわち、図16に示すように、フィルタ33bの内部に横渡し部材33fを設けるのである。なお本実施形態ではフィルタ33b全高の略半分の高さ位置に該横渡し部材33fを配置している。この場合、フィルタ33bの逆洗時に該フィルタの33b内部に吹き込まれる圧縮空気が、この横渡し部材33fに衝突することにより、圧縮空気の流れる方向が変化(図16参照)して該圧縮空気を効果的に分散させる。また横渡し部材33fとフィルタ33bは接着しない構造にしているため、フィルタ33bの逆洗時に該フィルタ33bが外側へ大きくたわみ、付着粉塵を剥離させる効果を増幅する作用が働く。なおフィルタ33bの内部に横渡し部材33fを設ける方法としては、例えば、図17に示すように、横渡し部材33fの両端に棒状の支持部材33g、33gを固着させてH型部材とし、該H型部材をフィルタ33bの内部に差し込むようにすればよい。
【0081】
なお本実施形態では上述したように、前記平板型カートリッジエレメント33、33は、前記フィルタ33bが垂直方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材33a、33aによって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置されている。これにより、フィルタ33bのヒダが伸びる方向(垂直方向)と含塵気体が流れる方向(上から下、即ち、垂直方向)とが同じになり、フィルタ33b外表面から剥離された粉塵の動きを落下方向に妨げることがない。また該剥離された粉塵がフィルタ33b外表面に再付着しにくい。このため、濾過性能を向上させることができる。
【0082】
また本実施形態では、含塵気体が上から下に流れるため、前記フィルタ33b外表面から剥離された粉塵が上方に舞い上がって再付着することが無くなる。
【0083】
さらに本実施形態では上述したように、カートリッジエレメントの形状を平板型とするため、集塵装置内のカートリッジエレメントの充填効率が上がり、同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置の構造がコンパクトになる。
【0084】
さらに本実施形態では上述したように、前記フィルタ33bをヒダ状にすることにより、限られた設置スペースにおいて粉塵の捕集面積を増やすことができる。加えて、フィルタ33bの逆洗時にヒダが伸縮することにより、フィルタ33b外表面に付着した粉塵を剥離する効果を向上させることができる。
【0085】
D.実施例4
次に、実施例4として、カートリッジエレメントとして平板型カートリッジエレメント53、53を用いた実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。図18において、除塵室51の上部には、一端が塞がれると共に他端が開口52aにされた中空のダクト52、52が水平方向に間隔をおいて並列に複数列(図19参照)配設されている。また前記除塵室51内には複数の平板型カートリッジエレメント53、53が配置されており、該平板型カートリッジエレメント53、53は前記ダクト52、52の下部に各々着脱可能に取り付けられている。
【0086】
ここで、該平板型カートリッジエレメント53、53について説明する。本実施形態において、平板型とは、全体で概ね平板の形状を成すことをいい、平板型カートリッジエレメントとは、集塵装置に着脱可能な平板型のフィルタユニットのことをいう。以下、本実施形態の平板型カートリッジエレメント53、53を図20で具体的に説明する。ヒダ状に折り込んだ濾材53a、53aを対向させて平板型の筒状にしたフィルタ53bの一端(図20では下端)は樹脂製の蓋部材53cが固着されて塞がれており、該フィルタ53bの他端(図20では上端)は開口53eにした状態で樹脂製の取り付け部材53dが固着されている。該平板型カートリッジエレメント53、53は前記フィルタ53b、蓋部材53c及び取り付け部材53dによって構成されている。さらに、フィルタ53の端部開口の間隔を小さくすると、当該フィルタ53の強度を高め長寿命なものとすることができる。
【0087】
なお本実施形態においてヒダ状とは、断面形状が山形形状の連続したものであり、その山形形状の辺の傾斜は両側傾斜、片側傾斜を問わない。また前記フィルタ53bをヒダ状にすることにより、限られた設置スペースにおいて粉塵の捕集面積を増やすことができる。加えて、フィルタ53bの逆洗時にヒダが伸縮することにより、フィルタ53b外表面に付着した粉塵を剥離する効果を向上させることができる。
【0088】
また前記平板型カートリッジエレメント53、53は、前記フィルタ53bが垂直方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材53a、53aによって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置されている。そして、該平板型カートリッジエレメント53、53は、前記取り付け部材53dを固定手段(図示せず)で前記ダクト52、52の下部に固定するようになっている。なお該固定状態で前記ダクト52、52底面の穴52b(図19参照)を前記取り付け部材53dで塞ぐようになっているが、前記ダクト52、52は前記フィルタ53bの開口53eを介して前記フィルタ53bの内部に連通されている。
【0089】
また図18に示すように、前記ダクト52、52は開口52aを介して、垂直方向に伸びる清浄気体室54に連通されており、該清浄気体室54の上部には、複数のエア噴出ノズル55a、55aから前記ダクト52、52を介して前記フィルタ53bの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むパルスジェット機構55が配設されている。なお該パルスジェット機構55は、エアタンク55bと、該エアタンク55bに連通された複数のエアバルブ55c、55cと、該エアバルブ55c、55cに各々連通された前記複数のエア噴出ノズル55a、55aと、を具備しており、該エアバルブ55c、55c及びエア噴出ノズル55a、55aは前記ダクト52、52の数だけ設けられている。また該エア噴出ノズル55a、55aの各々は、その先端が前記清浄気体室54内に挿入され、且つ、前記ダクト52、52の各々の開口52aに対向して位置されている。
【0090】
なお符号56は着脱可能な点検蓋であり前記除塵室51と前記清浄気体室54とを仕切る仕切り部材としての役目も兼ねている。また符号57も着脱可能な点検蓋である。さらに前記ダクト52、52は上述したように水平方向に間隔をおいて並列に複数列配設されているため、該ダクト52、52間には複数の間隙58、58(図19参照)が存在しており、該間隙58、58は含塵気体の入口部(図示せず)に連通されている。
【0091】
このように構成されたものの作動について説明する。まず、清浄気体室54に連通する図示されない吸引手段(例えば、ブロアー)の吸引作用を受けて、図示されない入口部から前記間隙58、58を介して含塵気体が除塵室51内に流入される。そして、除塵室51内に流入された含塵気体は前記フィルタ53bの外側から該フィルタ53bの内部に流入する。この際、含塵気体中の粉塵がフィルタ53b外表面に付着することにより除塵が成される。そして、該フィルタ53bの内部に流入した気体は、清浄気体としてフィルタ53bの開口53eから各々のダクト52、52内に流入し、該ダクト52、52の開口52aから清浄気体室54に流入される。そして、該清浄気体室54に流入された該清浄気体は図示されない吸引手段によって吸引され、装置外に排出される。
【0092】
また上述した作動中にフィルタ53b外表面への粉塵の付着量は増加していくため、適宜、フィルタ53bの逆洗を行う。本実施形態においてフィルタの逆洗とは、集塵によりフィルタの外表面に付着した粉塵によるフィルタの目詰まりを解消するために、フィルタの開口からフィルタ内部に圧縮エアを導入し、フィルタ内部から外側に向けて圧縮エアを通気させることによりフィルタ外表面の付着粉塵を剥離させることをいう。該フィルタ53bの逆洗につき詳述すると、パルスジェット機構55におけるエアタンク55bに連通された複数のエアバルブ55c、55cが開かれると、該エアバルブ55c、55cに各々連通された複数のエア噴出ノズル55a、55aから圧縮エアが噴出され、各々のダクト52、52を介してフィルタ53bの開口53eからフィルタ53b内部に該圧縮エアが吹き込まれる。これにより該フィルタ53bの逆洗が成され、該逆洗は上述した作動中に間欠的に行われる。
【0093】
そして、該フィルタ53bの逆洗によってフィルタ53bの外表面から剥離された粉塵は下方に落下し、図示されないホッパに回収される。そして、該ホッパに回収された粉塵は図示されない受け箱に適宜排出される。
【0094】
なお装置レイアウト等、若干の変更を加えた別の実施形態を図21に基づき簡単に説明する。図21の(a)は、前記ダクト52、52の他端を90度屈曲させ、開口52aを下向きにした例で、前記エア噴出ノズル55a、55aの先端は該開口52aに対向して位置されている。また図21の(b)は、前記ダクト52、52を垂直方向に伸びる配置、前記清浄気体室54を水平方向に伸びる配置にした例である。この場合、前記エア噴出ノズル55a、55aの先端は前記ダクト52、52の開口52aに対向して位置され、前記平板型カートリッジエレメント53、53は、前記フィルタ53bが水平方向に伸びる配置、即ち、前記ヒダ状の濾材53a、53aによって形成された連続する山形形状の頂線が横縞になるように配置されている。
【0095】
また本実施形態では、カートリッジエレメントとして平板型カートリッジエレメント53、53を用いたが、カートリッジエレメントはこれに限定されるものではなく、この他には例えば、円筒型カートリッジエレメントを用いるようにしてもよい。ただし、カートリッジエレメントの形状を平板型にすると、集塵装置内のカートリッジエレメントの充填効率が上がり、同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置の構造がコンパクトになるため、より好ましい。
【0096】
なお本実施形態では上述したように、前記エア噴出ノズル55a、55aから前記中空のダクト52、52を介して前記フィルタ53bの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むようにしているため、各々のカートリッジエレメントの真上にエア噴出ノズル55a、55aを配置する必要が無く、該エア噴出ノズル55a、55aからエアバルブ55c、55cまでのエア配管の長さを大幅に短くすることができる。これにより、該エア配管の抵抗による圧力損失が大幅に小さくなるため、パルスジェットエアの吐出圧低下を防止でき、コンプレッサー等の設備費用も嵩まない。また濾材の交換は前記点検蓋56、57を取り外せば可能で、エア噴出ノズル55a、55aからエアバルブ55c、55cまでのエア配管を毎回取り外す必要はないから、濾材を短時間で効率的に交換できると共に該エア配管の確実な固定が維持できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、ショットブラスト用集塵機や鋳物工場の作業空間向け集塵機など常温エアの集塵を対象とし、集塵風量600m3/Hr〜72000m3/Hr程度の集塵装置のカートリッジエレメントとしての利用が考えられる。また、ショットブラスト用集塵機では同サイズの集塵装置に比べ濾過面積が大きくなり、集塵装置がコンパクトになると考えられる。
【符号の説明】
【0098】
1 平面状フィルタ
2 キャップ
3 上端部材
4 補強部材
5 キャップ用型枠
6 上端部材用型枠
31 除塵室
32 ダクト
33 カートリッジエレメント
34 清浄気体室
35 屈曲ダクト
36 ブロア
37 パルスジェット機構
51 除塵室
52 ダクト
53 カートリッジエレメント
54 清浄気体室
55 パルスジェット機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通され、且つ、含塵気体の入口部に連通された除塵室と、前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通されたダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトに着脱可能に取り付けられた前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備することを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
前記フィルタの内部に横渡し部材を設け、該横渡し部材によって前記フィルタの逆洗時に該フィルタの内部に吹き込まれる圧縮空気を分散させることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通された除塵室と、該複数段の除塵室の各々の上部に間隔をおいて配設されると共に前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通された複数のダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトの下部に各々着脱可能に取り付けられた複数の前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記ダクトの開口に対向して位置された複数のノズルから前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、最上段の前記ダクトの上部に配設されると共に最上段の前記除塵室に連通された含塵気体の入口部と、最下段の前記除塵室の下部に連通連結されたホッパと、を具備することを特徴とする集塵装置。
【請求項4】
筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にしたカートリッジエレメントを用いたパルスジェット式集塵装置であって、一端が塞がれると共に他端が開口にされた中空のダクトと、該ダクトに着脱可能に取り付けられると共に前記フィルタの内部が該フィルタの開口を介して前記ダクトに連通された前記カートリッジエレメントと、エア噴出ノズルから前記ダクトを介して前記フィルタの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備することを特徴とするパルスジェット式集塵装置。
【請求項5】
前記カートリッジエレメントが平板型のカートリッジエレメントであることを特徴とする請求項4記載のパルスジェット式集塵装置。
【請求項1】
ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通され、且つ、含塵気体の入口部に連通された除塵室と、前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通されたダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトに着脱可能に取り付けられた前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備することを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
前記フィルタの内部に横渡し部材を設け、該横渡し部材によって前記フィルタの逆洗時に該フィルタの内部に吹き込まれる圧縮空気を分散させることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
ヒダ状に折り込んだ濾材を対向させて平板型の筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にした平板型カートリッジエレメントを、前記ヒダ状の濾材によって形成された連続する山形形状の頂線が縦縞になるように配置した集塵装置であって、垂直方向に複数段に配置されて互いに連通された除塵室と、該複数段の除塵室の各々の上部に間隔をおいて配設されると共に前記フィルタの開口を介して前記フィルタの内部に連通された複数のダクトと、前記複数段の除塵室内に配置されると共に前記ダクトの下部に各々着脱可能に取り付けられた複数の前記平板型カートリッジエレメントと、前記ダクトに連通された清浄気体室と、該清浄気体室に連通された吸引手段と、前記ダクトの開口に対向して位置された複数のノズルから前記フィルタの内部に圧縮空気を間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、最上段の前記ダクトの上部に配設されると共に最上段の前記除塵室に連通された含塵気体の入口部と、最下段の前記除塵室の下部に連通連結されたホッパと、を具備することを特徴とする集塵装置。
【請求項4】
筒状にしたフィルタを有し、該フィルタの一端を塞ぐと共に該フィルタの他端を開口にしたカートリッジエレメントを用いたパルスジェット式集塵装置であって、一端が塞がれると共に他端が開口にされた中空のダクトと、該ダクトに着脱可能に取り付けられると共に前記フィルタの内部が該フィルタの開口を介して前記ダクトに連通された前記カートリッジエレメントと、エア噴出ノズルから前記ダクトを介して前記フィルタの内部に圧縮エアを間欠的に吹き込むパルスジェット機構と、を具備することを特徴とするパルスジェット式集塵装置。
【請求項5】
前記カートリッジエレメントが平板型のカートリッジエレメントであることを特徴とする請求項4記載のパルスジェット式集塵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−162539(P2010−162539A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48995(P2010−48995)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【分割の表示】特願2005−516468(P2005−516468)の分割
【原出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【分割の表示】特願2005−516468(P2005−516468)の分割
【原出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【出願人】(000191009)新東工業株式会社 (474)
【Fターム(参考)】
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