集塵装置
【課題】電気集塵装置で捕集した油等のミストが集塵電極において凝集して液滴となり、装置の内部に蓄積するため、定期的に装置を開閉するなどして、装置内部に溜まった液滴を除去する必要がある。
【解決手段】集塵手段1の電極板2の下辺3を傾斜させることにより、電極板2の板面で凝集する液滴が下辺3に到達した後、下辺3に沿って流動させて、範囲を限定した一箇所で回収し、回収した液滴を、集塵手段1を開閉することなく手軽に廃棄することが出来る。
【解決手段】集塵手段1の電極板2の下辺3を傾斜させることにより、電極板2の板面で凝集する液滴が下辺3に到達した後、下辺3に沿って流動させて、範囲を限定した一箇所で回収し、回収した液滴を、集塵手段1を開閉することなく手軽に廃棄することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄の分野において空気中の粒子状浮遊物質を除去する電気集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中に存在する粒子状浮遊物質、すなわち粉塵は喘息などの疾病の原因として知られており従来から除去の対象となる物質であったが、近年の研究において粒子径2.5マイクロメートル以下の粉塵(いわゆるPM2.5)が肺ガンなどの疾病を誘起する可能性があるとの報告があり、捕集技術の更なる向上が求められている。その中で電気集塵技術を用いた集塵装置は粒子径がマイクロメートル以下の小粒径の粉塵を捕集することに優れていて、従来のフィルタ方式に比べて圧力損失が低く、送風手段への負担が小さいという利点がある。
【0003】
従来、この種の電気集塵装置として、気流中の粉塵をコロナ放電によって帯電させる帯電手段と、帯電した粉塵をクーロン力によって平面状の集塵電極板に付着させて捕集する集塵手段で構成するものが知られている。(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このような電気集塵装置について、図13を用いて説明する。図13において、電気集塵装置101が帯電手段102と集塵手段103で構成され、帯電手段102は放電電極104と接地電極105で構成される。また、集塵手段103は、荷電極板106と集塵電極板107で構成される。帯電手段102の放電電極104と接地電極105の間に電圧をかけると、コロナ放電108が発生する。帯電手段102を通過する気流中の粉塵109はコロナ放電108を受けて帯電し、後段の集塵手段103の荷電極板106と集塵電極板107の間にかかる電場において、クーロン力を受けて集塵電極板107に付着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−9652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような電気集塵装置を、ミスト状になった油等の粒子を捕集、除去する装置として用いる場合、集塵電極板上に付着した粒子は集積していくに従って液状となり、やがて集塵電極から液滴として落下する。落下した液滴は、電気集塵装置の内部に蓄積するため、定期的に装置を開閉するなどして、内部の液滴を除去する必要がある。
【0007】
気流が水平軸方向の場合、集塵手段の下に液滴を受ける容器を設けることで気流を妨害することなく液滴を回収することが可能であるが、並列する一枚一枚の集塵電極板及び荷電極板について、気流の上流側から下流側の全域に渡るどの位置からでも液滴が落下する可能性があるため、液滴を受ける容器は集塵手段の底面積に相当する大きさが必要となり、効率的な回収ができないという課題があった。
【0008】
一方、気流が上方から下方に向かう鉛直軸の場合、集塵手段の下方に液滴を受ける容器を設けることは、気流を妨げることになるという課題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、気流の方向に関わらず気流の妨げを抑制し、集塵手段から落下する液滴を効率的に回収することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電気集塵装置は上記目的を達成するために、集塵手段において電極板の下辺が傾斜していることを特徴とするものである。
【0011】
また、電極板の板厚が、下辺付近において最大であることを特徴とするものである。
【0012】
また、液滴を受ける手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
また、液滴を回収する容器を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の形状を持つ電極板を備えた電気集塵装置によって、捕集したミスト状の油等を液滴として効率的に回収できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1における集塵手段1の斜視図
【図2】本発明の実施の形態2における電極板2の斜視図
【図3】本発明の実施の形態2における電極板2の断面を示す構成図
【図4】本発明の実施の形態2における電極板2の斜視図
【図5】本発明の実施の形態2における電極板2の断面を示す構成図
【図6】本発明の実施の形態3における電極板2の断面を示す構成図
【図7】本発明の実施の形態4における電極板2の断面を示す構成図
【図8】本発明の実施の形態5における集塵手段1の斜視図
【図9】本発明の実施の形態5における集塵手段1の斜視図
【図10】本発明の実施の形態5における集塵手段1の斜視図
【図11】本発明の実施の形態5における集塵手段1の側面を示す構成図
【図12】本発明の実施の形態6における集塵手段1の断面を示す構成図
【図13】従来の電気集塵装置の概念図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の請求項1に記載の電気集塵装置は、放電電極と接地電極で構成する帯電手段と、荷電極板と集塵電極板を鉛直に立てて交互に並列して構成する集塵手段を備え、帯電手段から集塵手段へ向かって気流が入り、その気流に含まれる粉塵を捕集する装置であって、集塵手段の電極板の下辺の面が傾斜して、下辺の板厚が上辺の板厚より厚いことを特徴とするものである。
【0017】
ミスト状の油分等の粒子が電極板の板面に付着して蓄積すると、やがて粒子は液滴となって電極板の板面を下方に向かって流れ、電極板の下辺へ到達するとそこから落下する。気流が水平方向の場合、集塵手段の底面の下に液滴を受ける、液受け手段を設ければ、気流を妨げることなく液滴を集めることができ、蓄積した液滴を定期的に処理することも可能である。このとき、電極板の下辺が水平な直線を成していれば、液滴は下辺上のどの位置からでも落下する可能性があり、液受け手段は集塵手段の水平断面積に相当する大きさを持つ必要がある。したがって集塵手段が大きくなるほど、液受け手段も大きくなり、蓄積した液滴を定期的に処理するときには必ずしも扱いやすくはない。一方、気流が鉛直軸方向である場合、集塵手段の底面の下に液受け手段を配置すると気流の妨げになるため、その位置には設置することができない。
【0018】
本発明の電極板は、鉛直に立てたとき、下辺が水平の線ではなく傾斜し、下辺の板厚が上辺の板厚より厚いものであり、これによって、電極板の板面に付着した油等のミストが凝集して液滴となり、重力の作用を受けて下方に流れ、電極板の下辺に到達した後、傾斜した下辺に沿いながら、辺の最も低くなっている最下端分へ向けて、重力の作用によって移動する。最下端部まで移動した液滴はそこに留まり、流れてくる後続の液滴と融合して最終的にその位置において電極板から剥離し、落下する。液滴の落下する位置が限られた範囲に集中するため、集塵手段の底面の下に液受け手段を設ける場合、その幅は、電極板の整列する方向の全幅すなわちすべての電極板を網羅するだけの寸法が必要となる一方、その長さは、電極板面の横幅方向の全長に相当する長さが必要ではなく、液滴の落下が起こる限定的な範囲を網羅する長さでよい。したがって、液受け手段の大きさは、電極板の面の水平寸法にかかわらず小さくすることができるという効果がある。また、気流が鉛直軸方向である場合、液受け手段は、集塵手段の底面の下全域を覆うことはなく、風路の任意の限られた場所に配置すればよいため、気流をほとんど妨げることがない。
【0019】
電極板の板厚は一般的には数mm程度であるため、電極板の板面から下辺へ流れた液滴が下辺でとどまろうとするための表面張力が小さい。したがって仮に電極板の下辺が傾斜していても、液滴の粘性の度合いによっては、板幅の極大点へと液滴が移動する間に液滴が落下する可能性がある。
【0020】
そこで、電極板の厚みが、下辺において最大となるような断面形状を有することにより、下辺に到達した液滴が表面積の大きい板厚によって十分な表面張力を得るため、下辺から液滴が落下することを回避できる。板厚は、上辺から下辺に向かって徐々に大きくなる断面形状でもよいし、板厚が下辺の直前まで一様で、下辺近傍において急激に増加するような形状でもよい。
【0021】
また、電極板の断面形状に関して、電極板の下辺近傍に凹凸を設けることで、下辺の持つ表面積が増加し、下辺に到達した液滴が得る表面張力がさらに増す効果が得られる。
【0022】
また、電極板の下辺の板幅が極大になる位置において、下方向に伸びる突起を設けることにより、下辺に沿って流れる液滴が突起部分へ差し掛かったときにその突起の先端から液滴が落下するため、液滴の落下位置、すなわち液受け手段を設置する位置を任意に設定できるという効果がある。
【0023】
集塵手段の底面と液受け手段との距離が離れていると、電極板の下辺から液滴が落下している間に液滴が気流の影響を受けて鉛直方向以外の方向へ流された場合に、液受け手段から離れた位置に液滴が着地する可能性がある。そこで、液受け手段を、電極板の下辺の近傍又は接触するように配置することにより、電極板の縁に沿って流れる液滴が空気中を自由落下することなく、電極板の下辺から液受け手段に直接移動するため、液滴が周囲に飛散することがない。
【0024】
電極板から流れる液滴を一時的に蓄積できるように、液受け手段はすべての電極板の下辺と交差するための長さを持つことが理想である。またその形状は、上面が開放の直方体や三角柱状、半円柱状のものが考えられる。
【0025】
電極板の下辺に、下方に伸びる突起を設けた場合は、液受け手段は、突起と接触する部分の周囲だけ開口した上面を持つ形態のものでもよい。この場合は、開口部分が小さいため、液受け手段の内部に液滴が蓄積した状態で電気集塵装置が振動した場合でも、液滴が溢れ出にくいという利点がある。
【0026】
電気集塵装置の内部において、集塵手段に設けた液受け手段に一定量の液滴が蓄積したら、定期的に液滴を排出する必要がある。液受け手段が集塵手段の内部から着脱可能であれば、液滴の定期処理を容易におこなうことができる。
【0027】
また、液受け手段が、すべての電極板の下辺と交差しながら端部へ向けて傾斜して配置すれば、電極板から流れる液滴が、液受け手段へ移った後、液受け手段を流れて一方向へ誘導できれば、例えば電気集塵装置の外部へ液滴を排出する配管等の手段を接続することによって電気集塵装置内部の定期的な廃液処理の必要がなくなる。また、配管等を接続する代わりに、液滴を貯められる容器を電気集塵装置の外部に配置しておけば、配管を設置できない環境条件下において、電気集塵装置を開閉することなく運転状態のまま廃液処理作業を実施することが可能となる。
【0028】
また、液滴を貯められる容器を着脱可能とすることにより、容器が液滴で一杯になったら容器を取外して内容物を廃棄したり、新しい容器に交換したりすることが可能となる。
【0029】
(実施の形態1)
本発明の電気集塵装置の電極板について、図1を用いて説明する。図1において、集塵手段1は電極板2を鉛直に立てて、一定間隔に並列して構成されるものである。電極板2は、荷電極板と集塵電極板を交互に並べるものであるが、図1においては両者の区別はしない。電極板2において、その下辺3は水平な直線を描くものではなく、電極板2の板面の前後方向に傾斜を成したものである。気流が水平軸方向であるならば、電極板2の上流側の端から下流側の端に向かって下っていくような傾斜であれば、電極板2の面上に付着した油等のミストが凝集して液滴となって電極板2の下辺3へ移動したとき、液滴は気流の力を受けながら重力の作用と共に傾斜した下辺3に沿って、電極板2の下流側へ向かって流れていきやすい。液滴が流れていくようにすることが目的であるため、下辺3の形状は直線的でも曲線的でもよい。
【0030】
(実施の形態2)
図2は、電極板2の斜視図である。電極板2には一般的には厚さが1mm程度の薄い板材が用いられるが、電極板2の板面に付着した油等のミストが凝集して液滴となると重力の作用によって板面の下方へと流れ、下辺3へ到達したとき、下辺3における板厚が小さい場合は液滴を支持するための十分な表面張力がないため、液滴がそのまま落下する可能性がある。
【0031】
液滴が落下しないようにするためには、電極板2の下辺3において液滴に対して十分な表面張力を与えられる形状であるとよい。例えば、図2に示すように、電極板2の上辺から下辺3へ向かうに従って板厚が大きくなるような形状である。電極板2の両側面と底面との間に出来る2つのエッジが丸みを帯びた、図3に示すような断面形状を持つ電極板2であれば、液滴の落下を防ぐ効果がより高まる。
【0032】
図4は、電極板2の上辺から下辺3の近傍まで電極板2の板厚が一様で、電極板2の断面が下辺3において厚みが大きくなっている場合の電極板2の斜視図、図5はその断面図である。電極板2の下辺3の部分は、図においては簡略的に、断面形状が円形のもの、すなわち電極板2が下辺3に沿って円柱形状になっているものを描いているが、下辺3の厚みが板厚よりも大きいものであれば、形状は特に限定しない。
【0033】
(実施の形態3)
図6は、電極板2が下辺3において、その断面に凹凸を設けた場合の図である。凹凸があることで下辺3の表面積が増加するため、液滴に与える表面張力が増加し、液滴が下辺3から剥離して落下する可能性を低くすることができる。
【0034】
(実施の形態4)
図7は、下辺3に突起6を設けた電極板2の図である。下辺3に沿って流れてきた液滴が、傾斜の最も低くなった位置に到達した後、表面張力によってすぐには落下しない場合がある。このとき気流の速度が高いと、風圧を受けた液滴が鉛直軸とは異なる方向へ飛散する可能性があるため、なるべく表面張力を小さくした状態で液滴が鉛直方向に落下する方が、液滴を回収する場合において、液滴を受け止める範囲を小さく限定することができる。そのため、傾斜を持つ下辺3において、その傾斜線の最も低くなっている位置において、下方に伸びる突起6を設けることにより、液滴が重力の作用によって突起の先端へ向けて加速的に移動させ、移動方向を鉛直軸に向けると同時に、表面張力を振り切って落下する力を与えることができる。
【0035】
(実施の形態5)
図8と図9は、電極板2の下辺3の下に、液受け手段7を設けた集塵手段1の斜視図である。電極板2の下辺3に沿って流れる液滴が、下辺3の傾斜線の最も低い位置に到達すると、そこで液滴は落下するが、その位置に液受け手段7を設けることによって、集塵手段1によって捕集した油等のミストを液体の状態で一箇所に集めて回収し、定期的にそれを捨てるなどして処理することが可能である。液受け手段7の形状は、液体を貯められる構造であればどのようなものでもよく、円柱又は角柱を水平に置いて、その円柱又は角柱の上面を開放した構造などが考えられる。図8では、水平に置いた円柱の上面部を開放にした半円柱状のものを例にしている。
【0036】
また、電極板2の下辺3に、下方へ伸びる突起6を設けたものであれば、液滴の落下位置は突起6の先端だけとなって落下範囲が小さく限定されるので、液受け手段7は、その上面部において、突起6の先端直下にあたる位置近傍のみに開放部を設けた筒形状の構造でもよい。図9はその一例であり、水平に置いた円柱の上面部に、突起6の先端の一部が円柱内に侵入するように穴8を設けたものである。これによって、液受け手段7の上面部の開放部は小さく限定されるため、液受け手段7の内部に蓄積する液滴が衝撃等によって外部へこぼれ出す可能性を低くすることができる。
【0037】
また、図10は、液受け手段7を着脱可能として、気流が水平方向の場合は、集塵手段1の斜視図、図11はその側面図である。底面において、電極板2の下辺3の最も低い位置に当たる部分が下から取り外しできるような構造とした集塵手段1のである。この構造により、集塵手段1を開閉することなく、液受け手段7だけを着脱できるため、蓄積した液滴を手軽に廃棄することが可能となる。
【0038】
(実施の形態6)
図12は、液受け手段7を、電極板2の並列している方向軸において傾斜させた構造を持つ集塵手段1の図で、電極板2の断面の法線軸方向から見た図である。液受け手段7が図中では左側に向かって低くなっていくような傾斜をもっているが、傾斜の方向はどちらでもよい。この配置によって、電極板2の下辺3から液受け手段7に入った液滴は、液受け手段7の傾斜によって低い方へ流れていく。
【0039】
このとき、液受け手段7を流れてくる液滴を、集塵手段1の外部へ誘導するのであれば、集塵手段1の側面に排出口等の液滴排出手段を設けるなどすることで、集塵手段1の外部で廃液を回収したり廃棄したりすることができる。そのため、液受け手段7から液滴が溢れた状態のまま電気集塵装置を運転し続けたり、液受け手段7に溜まった液滴を回収するために集塵手段1を開閉したりする必要がない。また、液受け手段7を着脱するための機構を備えることができない場合にも有効である。
【0040】
集塵手段1に排出口を設けて、集塵手段1の中の、液受け手段7から流れる液滴を集塵手段1の外部へ誘導し、そのまま液滴を廃棄することもできるが、集塵手段1の排出口に配管を接続し、例えば所定の廃液槽などに液滴を連続的に流し続けることも可能である。また、集塵手段1の外部に液滴を貯められる容器などの液滴貯蔵手段を備えて、液受け手段7と接続することで、集塵手段1を開閉することなく液滴の蓄積量を目視によって確認することができる。したがって、蓄積した液滴を任意の時期に廃棄処理することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明にかかる電気集塵装置は、電極板に付着して捕集される油等のミストが液滴となったものを効率的に回収することで、電気集塵装置の内部の汚れを掃除する手間を回避することが求められる電気集塵装置、例えば工場のオイルミスト集塵機や家庭用空気清浄機、または給気型換気扇などに搭載する電機集塵デバイスとして有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 集塵手段
2 電極板
3 下辺
4 円柱部
5 スリット
6 突起
7 液受け手段
8 穴
101 電気集塵装置
102 帯電手段
103 集塵手段
104 放電電極
105 接地電極
106 荷電極板
107 集塵電極板
108 コロナ放電
109 粉塵
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄の分野において空気中の粒子状浮遊物質を除去する電気集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中に存在する粒子状浮遊物質、すなわち粉塵は喘息などの疾病の原因として知られており従来から除去の対象となる物質であったが、近年の研究において粒子径2.5マイクロメートル以下の粉塵(いわゆるPM2.5)が肺ガンなどの疾病を誘起する可能性があるとの報告があり、捕集技術の更なる向上が求められている。その中で電気集塵技術を用いた集塵装置は粒子径がマイクロメートル以下の小粒径の粉塵を捕集することに優れていて、従来のフィルタ方式に比べて圧力損失が低く、送風手段への負担が小さいという利点がある。
【0003】
従来、この種の電気集塵装置として、気流中の粉塵をコロナ放電によって帯電させる帯電手段と、帯電した粉塵をクーロン力によって平面状の集塵電極板に付着させて捕集する集塵手段で構成するものが知られている。(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このような電気集塵装置について、図13を用いて説明する。図13において、電気集塵装置101が帯電手段102と集塵手段103で構成され、帯電手段102は放電電極104と接地電極105で構成される。また、集塵手段103は、荷電極板106と集塵電極板107で構成される。帯電手段102の放電電極104と接地電極105の間に電圧をかけると、コロナ放電108が発生する。帯電手段102を通過する気流中の粉塵109はコロナ放電108を受けて帯電し、後段の集塵手段103の荷電極板106と集塵電極板107の間にかかる電場において、クーロン力を受けて集塵電極板107に付着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−9652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような電気集塵装置を、ミスト状になった油等の粒子を捕集、除去する装置として用いる場合、集塵電極板上に付着した粒子は集積していくに従って液状となり、やがて集塵電極から液滴として落下する。落下した液滴は、電気集塵装置の内部に蓄積するため、定期的に装置を開閉するなどして、内部の液滴を除去する必要がある。
【0007】
気流が水平軸方向の場合、集塵手段の下に液滴を受ける容器を設けることで気流を妨害することなく液滴を回収することが可能であるが、並列する一枚一枚の集塵電極板及び荷電極板について、気流の上流側から下流側の全域に渡るどの位置からでも液滴が落下する可能性があるため、液滴を受ける容器は集塵手段の底面積に相当する大きさが必要となり、効率的な回収ができないという課題があった。
【0008】
一方、気流が上方から下方に向かう鉛直軸の場合、集塵手段の下方に液滴を受ける容器を設けることは、気流を妨げることになるという課題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、気流の方向に関わらず気流の妨げを抑制し、集塵手段から落下する液滴を効率的に回収することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電気集塵装置は上記目的を達成するために、集塵手段において電極板の下辺が傾斜していることを特徴とするものである。
【0011】
また、電極板の板厚が、下辺付近において最大であることを特徴とするものである。
【0012】
また、液滴を受ける手段を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
また、液滴を回収する容器を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の形状を持つ電極板を備えた電気集塵装置によって、捕集したミスト状の油等を液滴として効率的に回収できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1における集塵手段1の斜視図
【図2】本発明の実施の形態2における電極板2の斜視図
【図3】本発明の実施の形態2における電極板2の断面を示す構成図
【図4】本発明の実施の形態2における電極板2の斜視図
【図5】本発明の実施の形態2における電極板2の断面を示す構成図
【図6】本発明の実施の形態3における電極板2の断面を示す構成図
【図7】本発明の実施の形態4における電極板2の断面を示す構成図
【図8】本発明の実施の形態5における集塵手段1の斜視図
【図9】本発明の実施の形態5における集塵手段1の斜視図
【図10】本発明の実施の形態5における集塵手段1の斜視図
【図11】本発明の実施の形態5における集塵手段1の側面を示す構成図
【図12】本発明の実施の形態6における集塵手段1の断面を示す構成図
【図13】従来の電気集塵装置の概念図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の請求項1に記載の電気集塵装置は、放電電極と接地電極で構成する帯電手段と、荷電極板と集塵電極板を鉛直に立てて交互に並列して構成する集塵手段を備え、帯電手段から集塵手段へ向かって気流が入り、その気流に含まれる粉塵を捕集する装置であって、集塵手段の電極板の下辺の面が傾斜して、下辺の板厚が上辺の板厚より厚いことを特徴とするものである。
【0017】
ミスト状の油分等の粒子が電極板の板面に付着して蓄積すると、やがて粒子は液滴となって電極板の板面を下方に向かって流れ、電極板の下辺へ到達するとそこから落下する。気流が水平方向の場合、集塵手段の底面の下に液滴を受ける、液受け手段を設ければ、気流を妨げることなく液滴を集めることができ、蓄積した液滴を定期的に処理することも可能である。このとき、電極板の下辺が水平な直線を成していれば、液滴は下辺上のどの位置からでも落下する可能性があり、液受け手段は集塵手段の水平断面積に相当する大きさを持つ必要がある。したがって集塵手段が大きくなるほど、液受け手段も大きくなり、蓄積した液滴を定期的に処理するときには必ずしも扱いやすくはない。一方、気流が鉛直軸方向である場合、集塵手段の底面の下に液受け手段を配置すると気流の妨げになるため、その位置には設置することができない。
【0018】
本発明の電極板は、鉛直に立てたとき、下辺が水平の線ではなく傾斜し、下辺の板厚が上辺の板厚より厚いものであり、これによって、電極板の板面に付着した油等のミストが凝集して液滴となり、重力の作用を受けて下方に流れ、電極板の下辺に到達した後、傾斜した下辺に沿いながら、辺の最も低くなっている最下端分へ向けて、重力の作用によって移動する。最下端部まで移動した液滴はそこに留まり、流れてくる後続の液滴と融合して最終的にその位置において電極板から剥離し、落下する。液滴の落下する位置が限られた範囲に集中するため、集塵手段の底面の下に液受け手段を設ける場合、その幅は、電極板の整列する方向の全幅すなわちすべての電極板を網羅するだけの寸法が必要となる一方、その長さは、電極板面の横幅方向の全長に相当する長さが必要ではなく、液滴の落下が起こる限定的な範囲を網羅する長さでよい。したがって、液受け手段の大きさは、電極板の面の水平寸法にかかわらず小さくすることができるという効果がある。また、気流が鉛直軸方向である場合、液受け手段は、集塵手段の底面の下全域を覆うことはなく、風路の任意の限られた場所に配置すればよいため、気流をほとんど妨げることがない。
【0019】
電極板の板厚は一般的には数mm程度であるため、電極板の板面から下辺へ流れた液滴が下辺でとどまろうとするための表面張力が小さい。したがって仮に電極板の下辺が傾斜していても、液滴の粘性の度合いによっては、板幅の極大点へと液滴が移動する間に液滴が落下する可能性がある。
【0020】
そこで、電極板の厚みが、下辺において最大となるような断面形状を有することにより、下辺に到達した液滴が表面積の大きい板厚によって十分な表面張力を得るため、下辺から液滴が落下することを回避できる。板厚は、上辺から下辺に向かって徐々に大きくなる断面形状でもよいし、板厚が下辺の直前まで一様で、下辺近傍において急激に増加するような形状でもよい。
【0021】
また、電極板の断面形状に関して、電極板の下辺近傍に凹凸を設けることで、下辺の持つ表面積が増加し、下辺に到達した液滴が得る表面張力がさらに増す効果が得られる。
【0022】
また、電極板の下辺の板幅が極大になる位置において、下方向に伸びる突起を設けることにより、下辺に沿って流れる液滴が突起部分へ差し掛かったときにその突起の先端から液滴が落下するため、液滴の落下位置、すなわち液受け手段を設置する位置を任意に設定できるという効果がある。
【0023】
集塵手段の底面と液受け手段との距離が離れていると、電極板の下辺から液滴が落下している間に液滴が気流の影響を受けて鉛直方向以外の方向へ流された場合に、液受け手段から離れた位置に液滴が着地する可能性がある。そこで、液受け手段を、電極板の下辺の近傍又は接触するように配置することにより、電極板の縁に沿って流れる液滴が空気中を自由落下することなく、電極板の下辺から液受け手段に直接移動するため、液滴が周囲に飛散することがない。
【0024】
電極板から流れる液滴を一時的に蓄積できるように、液受け手段はすべての電極板の下辺と交差するための長さを持つことが理想である。またその形状は、上面が開放の直方体や三角柱状、半円柱状のものが考えられる。
【0025】
電極板の下辺に、下方に伸びる突起を設けた場合は、液受け手段は、突起と接触する部分の周囲だけ開口した上面を持つ形態のものでもよい。この場合は、開口部分が小さいため、液受け手段の内部に液滴が蓄積した状態で電気集塵装置が振動した場合でも、液滴が溢れ出にくいという利点がある。
【0026】
電気集塵装置の内部において、集塵手段に設けた液受け手段に一定量の液滴が蓄積したら、定期的に液滴を排出する必要がある。液受け手段が集塵手段の内部から着脱可能であれば、液滴の定期処理を容易におこなうことができる。
【0027】
また、液受け手段が、すべての電極板の下辺と交差しながら端部へ向けて傾斜して配置すれば、電極板から流れる液滴が、液受け手段へ移った後、液受け手段を流れて一方向へ誘導できれば、例えば電気集塵装置の外部へ液滴を排出する配管等の手段を接続することによって電気集塵装置内部の定期的な廃液処理の必要がなくなる。また、配管等を接続する代わりに、液滴を貯められる容器を電気集塵装置の外部に配置しておけば、配管を設置できない環境条件下において、電気集塵装置を開閉することなく運転状態のまま廃液処理作業を実施することが可能となる。
【0028】
また、液滴を貯められる容器を着脱可能とすることにより、容器が液滴で一杯になったら容器を取外して内容物を廃棄したり、新しい容器に交換したりすることが可能となる。
【0029】
(実施の形態1)
本発明の電気集塵装置の電極板について、図1を用いて説明する。図1において、集塵手段1は電極板2を鉛直に立てて、一定間隔に並列して構成されるものである。電極板2は、荷電極板と集塵電極板を交互に並べるものであるが、図1においては両者の区別はしない。電極板2において、その下辺3は水平な直線を描くものではなく、電極板2の板面の前後方向に傾斜を成したものである。気流が水平軸方向であるならば、電極板2の上流側の端から下流側の端に向かって下っていくような傾斜であれば、電極板2の面上に付着した油等のミストが凝集して液滴となって電極板2の下辺3へ移動したとき、液滴は気流の力を受けながら重力の作用と共に傾斜した下辺3に沿って、電極板2の下流側へ向かって流れていきやすい。液滴が流れていくようにすることが目的であるため、下辺3の形状は直線的でも曲線的でもよい。
【0030】
(実施の形態2)
図2は、電極板2の斜視図である。電極板2には一般的には厚さが1mm程度の薄い板材が用いられるが、電極板2の板面に付着した油等のミストが凝集して液滴となると重力の作用によって板面の下方へと流れ、下辺3へ到達したとき、下辺3における板厚が小さい場合は液滴を支持するための十分な表面張力がないため、液滴がそのまま落下する可能性がある。
【0031】
液滴が落下しないようにするためには、電極板2の下辺3において液滴に対して十分な表面張力を与えられる形状であるとよい。例えば、図2に示すように、電極板2の上辺から下辺3へ向かうに従って板厚が大きくなるような形状である。電極板2の両側面と底面との間に出来る2つのエッジが丸みを帯びた、図3に示すような断面形状を持つ電極板2であれば、液滴の落下を防ぐ効果がより高まる。
【0032】
図4は、電極板2の上辺から下辺3の近傍まで電極板2の板厚が一様で、電極板2の断面が下辺3において厚みが大きくなっている場合の電極板2の斜視図、図5はその断面図である。電極板2の下辺3の部分は、図においては簡略的に、断面形状が円形のもの、すなわち電極板2が下辺3に沿って円柱形状になっているものを描いているが、下辺3の厚みが板厚よりも大きいものであれば、形状は特に限定しない。
【0033】
(実施の形態3)
図6は、電極板2が下辺3において、その断面に凹凸を設けた場合の図である。凹凸があることで下辺3の表面積が増加するため、液滴に与える表面張力が増加し、液滴が下辺3から剥離して落下する可能性を低くすることができる。
【0034】
(実施の形態4)
図7は、下辺3に突起6を設けた電極板2の図である。下辺3に沿って流れてきた液滴が、傾斜の最も低くなった位置に到達した後、表面張力によってすぐには落下しない場合がある。このとき気流の速度が高いと、風圧を受けた液滴が鉛直軸とは異なる方向へ飛散する可能性があるため、なるべく表面張力を小さくした状態で液滴が鉛直方向に落下する方が、液滴を回収する場合において、液滴を受け止める範囲を小さく限定することができる。そのため、傾斜を持つ下辺3において、その傾斜線の最も低くなっている位置において、下方に伸びる突起6を設けることにより、液滴が重力の作用によって突起の先端へ向けて加速的に移動させ、移動方向を鉛直軸に向けると同時に、表面張力を振り切って落下する力を与えることができる。
【0035】
(実施の形態5)
図8と図9は、電極板2の下辺3の下に、液受け手段7を設けた集塵手段1の斜視図である。電極板2の下辺3に沿って流れる液滴が、下辺3の傾斜線の最も低い位置に到達すると、そこで液滴は落下するが、その位置に液受け手段7を設けることによって、集塵手段1によって捕集した油等のミストを液体の状態で一箇所に集めて回収し、定期的にそれを捨てるなどして処理することが可能である。液受け手段7の形状は、液体を貯められる構造であればどのようなものでもよく、円柱又は角柱を水平に置いて、その円柱又は角柱の上面を開放した構造などが考えられる。図8では、水平に置いた円柱の上面部を開放にした半円柱状のものを例にしている。
【0036】
また、電極板2の下辺3に、下方へ伸びる突起6を設けたものであれば、液滴の落下位置は突起6の先端だけとなって落下範囲が小さく限定されるので、液受け手段7は、その上面部において、突起6の先端直下にあたる位置近傍のみに開放部を設けた筒形状の構造でもよい。図9はその一例であり、水平に置いた円柱の上面部に、突起6の先端の一部が円柱内に侵入するように穴8を設けたものである。これによって、液受け手段7の上面部の開放部は小さく限定されるため、液受け手段7の内部に蓄積する液滴が衝撃等によって外部へこぼれ出す可能性を低くすることができる。
【0037】
また、図10は、液受け手段7を着脱可能として、気流が水平方向の場合は、集塵手段1の斜視図、図11はその側面図である。底面において、電極板2の下辺3の最も低い位置に当たる部分が下から取り外しできるような構造とした集塵手段1のである。この構造により、集塵手段1を開閉することなく、液受け手段7だけを着脱できるため、蓄積した液滴を手軽に廃棄することが可能となる。
【0038】
(実施の形態6)
図12は、液受け手段7を、電極板2の並列している方向軸において傾斜させた構造を持つ集塵手段1の図で、電極板2の断面の法線軸方向から見た図である。液受け手段7が図中では左側に向かって低くなっていくような傾斜をもっているが、傾斜の方向はどちらでもよい。この配置によって、電極板2の下辺3から液受け手段7に入った液滴は、液受け手段7の傾斜によって低い方へ流れていく。
【0039】
このとき、液受け手段7を流れてくる液滴を、集塵手段1の外部へ誘導するのであれば、集塵手段1の側面に排出口等の液滴排出手段を設けるなどすることで、集塵手段1の外部で廃液を回収したり廃棄したりすることができる。そのため、液受け手段7から液滴が溢れた状態のまま電気集塵装置を運転し続けたり、液受け手段7に溜まった液滴を回収するために集塵手段1を開閉したりする必要がない。また、液受け手段7を着脱するための機構を備えることができない場合にも有効である。
【0040】
集塵手段1に排出口を設けて、集塵手段1の中の、液受け手段7から流れる液滴を集塵手段1の外部へ誘導し、そのまま液滴を廃棄することもできるが、集塵手段1の排出口に配管を接続し、例えば所定の廃液槽などに液滴を連続的に流し続けることも可能である。また、集塵手段1の外部に液滴を貯められる容器などの液滴貯蔵手段を備えて、液受け手段7と接続することで、集塵手段1を開閉することなく液滴の蓄積量を目視によって確認することができる。したがって、蓄積した液滴を任意の時期に廃棄処理することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明にかかる電気集塵装置は、電極板に付着して捕集される油等のミストが液滴となったものを効率的に回収することで、電気集塵装置の内部の汚れを掃除する手間を回避することが求められる電気集塵装置、例えば工場のオイルミスト集塵機や家庭用空気清浄機、または給気型換気扇などに搭載する電機集塵デバイスとして有用である。
【符号の説明】
【0042】
1 集塵手段
2 電極板
3 下辺
4 円柱部
5 スリット
6 突起
7 液受け手段
8 穴
101 電気集塵装置
102 帯電手段
103 集塵手段
104 放電電極
105 接地電極
106 荷電極板
107 集塵電極板
108 コロナ放電
109 粉塵
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電電極と接地電極で構成する帯電手段と、荷電極板と集塵電極板を鉛直に立てて交互に並列して構成する集塵手段を備え、帯電手段から集塵手段へ向かって気流が入り、その気流に含まれる粉塵を捕集する電気集塵装置において、集塵手段の電極板の下辺の面が傾斜して、下辺の板厚が上辺の板厚より厚いことを特徴とする電気集塵装置。
【請求項2】
気流が水平方向であることを特徴とする請求項1記載の電気集塵装置。
【請求項3】
電極板の板厚が上辺から下辺に徐々に大きくなることを特徴とする請求項1又は2記載の電気集塵装置。
【請求項4】
電極板の下辺に凹凸を設けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の電気集塵装置。
【請求項5】
各電極板の下辺に、下方へ伸びる突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至4記載の電気集塵装置。
【請求項6】
電極板の板幅が極大になる位置において、並列するすべての電極板の下を横切るように、液滴を受ける液受け手段を配置したことを特徴とする請求項1乃至5記載の電気集塵装置。
【請求項7】
液受け手段が筒状であることを特徴とする請求項1乃至6記載の電気集塵装置。
【請求項8】
液受け手段が着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至7記載の集塵装置。
【請求項9】
液受け手段が、傾斜していることを特徴とする請求項1乃至8記載の集塵装置。
【請求項10】
液受け手段と接続し、液滴を集塵装置の外部へ排出する液滴排出手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至9記載の集塵装置。
【請求項11】
液受け手段を通って誘導された液滴を貯蔵する液滴貯蔵手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至10記載の集塵装置。
【請求項1】
放電電極と接地電極で構成する帯電手段と、荷電極板と集塵電極板を鉛直に立てて交互に並列して構成する集塵手段を備え、帯電手段から集塵手段へ向かって気流が入り、その気流に含まれる粉塵を捕集する電気集塵装置において、集塵手段の電極板の下辺の面が傾斜して、下辺の板厚が上辺の板厚より厚いことを特徴とする電気集塵装置。
【請求項2】
気流が水平方向であることを特徴とする請求項1記載の電気集塵装置。
【請求項3】
電極板の板厚が上辺から下辺に徐々に大きくなることを特徴とする請求項1又は2記載の電気集塵装置。
【請求項4】
電極板の下辺に凹凸を設けたことを特徴とする請求項1乃至3記載の電気集塵装置。
【請求項5】
各電極板の下辺に、下方へ伸びる突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至4記載の電気集塵装置。
【請求項6】
電極板の板幅が極大になる位置において、並列するすべての電極板の下を横切るように、液滴を受ける液受け手段を配置したことを特徴とする請求項1乃至5記載の電気集塵装置。
【請求項7】
液受け手段が筒状であることを特徴とする請求項1乃至6記載の電気集塵装置。
【請求項8】
液受け手段が着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至7記載の集塵装置。
【請求項9】
液受け手段が、傾斜していることを特徴とする請求項1乃至8記載の集塵装置。
【請求項10】
液受け手段と接続し、液滴を集塵装置の外部へ排出する液滴排出手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至9記載の集塵装置。
【請求項11】
液受け手段を通って誘導された液滴を貯蔵する液滴貯蔵手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至10記載の集塵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−143376(P2011−143376A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7720(P2010−7720)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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