説明

集束照明場と観測されるサンプルとの間の相互作用から生じる3次元電磁場を分析するベクトル偏光測定方法および装置

測定面にわたった光の偏光状態の分布を特徴付けることによって、集束照明ビームと観測されるサンプルとの間の相互作用に起因する3次元電磁場を分析するための方法および装置であって、該方法は、照明光ビームを生成するステップと、光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御するステップと、該照明光ビームを焦点に集束させるステップであって、該焦点は、緊密な焦点であり、該集束光は、焦点において好適な3次元ベクトル構造を有する、ステップと、照明された集束場および該サンプルの3次元ベクトル電磁相互作用に関する情報を検索するように、測定面の幅にわたった異なる位置における反射光の偏光状態を検出および測定するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベクトル偏光測定に関する。具体的には、本発明は、顕微鏡法、計測学、分子撮像、および光データ記憶への適用によるベクトル偏光測定法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁(EM)放射ビームは、所与の方向に沿って伝搬するベクトル場として表すことができ、本書ではZで示される。図1は、領域Ωにおける光学システムΣによって集束されている光ビームの略図である。図1は、正方向Zに沿って伝搬する典型的ビーム様場E(x、y、z)を示す。場のより明確な表示は、場の時間の考えられる変化、例えば、機械的または光電子的手段による誘起変調を示すことができる時間的変数、E(x、y、z、t)を必要とする。本発明の主題は、時間変動電磁場にも適用できる。便宜上、本書の残りにおいて、場の考えられる時間的変動は、黙示的なものとされ、時間的変数は、本書に含まれない。光ビームが、光ビーム等方性媒体を通して伝搬する場合、ビーム内のあらゆる位置におけるそのEMベクトル場は、伝搬方向に垂直である平面(X−Y)上にある。言い換えると、ビーム様場に対して、伝搬方向Zに沿ったEM場の要素はなく、またはEM場の縦方向要素はない。図1中、E(x、y、z)は、そのようなビーム様場の一実施例の表示である。
【0003】
光が、十分に大きな開口数(N.A.)を有する光学システム(例えば、図1中のz=0におけるΣであり、ここで、Σは、ビームを集束させるいかなる光学システム、例えば、屈折面および/または反射面、回折格子等の組み合わせであることが可能である)によって焦点に合わせられる時、焦点周辺の領域Ωにおいて形成されるEM場(E(x’、y’、z))は、もはや必ずしも元のビームの伝搬方向に垂直な単一平面上にあるとは限らない。焦点領域Ωの近傍において、一般EM場は、元のビームの伝搬方向に平行である縦方向要素、E(x’、y’、z)、ならびに平面X’−Y’に平行な横方向要素、Ex’(x’、y’、z)およびEy’(x’、y’、z)を有する。プライム付き座標x’およびy’は、xおよびyと同一であることに留意されたい。焦点領域周辺のプライム付き座標系は、ビーム様場と集束場との間の差を強調するために選択された。集束場の全縦方向要素は、元のビームの偏光状態、またはより正確には、元のビームの横断面にわたった偏光状態の分布、例えば、図1中、z=0における場分布E(x、y、z=0)に依存する。これは、無収差系における集束場を分析した、RichardsおよびWolfによる1959年の影響の大きい論文の刊行物以来よく知られるようになり、また系が無収差でない場合、例えば、光学収差または誘電体界面の存在下である場合でさえ、N.A.が十分に大きい限り真実でもある。高N.A.集束システムの焦点領域中のEM場のベクトル構造は、ここ数年にわたって研究されてきた。その最も一般的な用途は、光学式記憶、顕微鏡法および走査型光学顕微鏡法、フォトニック力顕微鏡法、リソグラフィ、レーザ微細加工、粒子誘導または捕捉、および単一分子撮像の分野にある。強く集束される前のビームの偏光状態の空間分布の集束されたEM場に対する影響もまた、大いに研究されてきた。恐らく、最も一般的な分布のうちの1つは、円筒形ベクトルビームの分布であり、それは、ラジアル偏光および方位角偏光を含むが、無数の他の可能性が存在する。異なる偏光分布は、例えば、ピクセル化空間光変調器等の個別偏光構成要素、新たに報告された空間可変波長板等の連続偏光デバイスを使用することによって、または単一位相および振幅マスクによって達成することができる。円筒形ベクトル場は、スカラー回折理論が予測するものよりも小さい集束光点を生成することができる。Susanne Quabisらは、2000年に極めて明確かつ直感的な論文を発表し、その中で、彼らは、環状瞳開口およびラジアル偏光を使用して、0.1λ(ここで、λは、集束ビームの波長を表すために使用される)と同じくらい小さい領域の光の焦点を生じることができることを報告している。ビームの偏光状態の分布を調整または設計するための努力の大部分は、焦点の領域における可能な限り小さい光点を生成し、したがって回折限界を超える撮像と一般的に呼ばれるものを達成することを目的としてきた。サブ回折限界撮像法と呼ばれるこれらの計画は、スカラー回折が予測するものに対して小さい光点から散乱された光の全ての強度の検出に、それらのいわゆる「超解像」の基礎を置いている。
【0004】
EllisおよびDogariuによって2005年に報告された方法への参照が行われ、その中で、彼らは、ある点における電場ベクトルが3次元で変動し得る電磁場の偏光特性を特徴付けるための近接場法を記載している。彼らの刊行物の中で、彼らは、3つの独立したレーザ源によって生成される3つの直交レーザ光ビームの重ね合わせ(それらが交差する点において3次元電磁場を形成する)をモデリングおよび測定している。EllisおよびDogariuは、ビームの交差点に極めて接近して配置される2つの反対の近接場の鋭いファイバかなる成る近接場検出器の9つの異なる構成を使用した。彼らの研究の本発明との関連性は、近接場法に用いるものではあるが、3次元電磁場において重要かつ検索可能な情報が存在するという実験的証明であり、彼らは、この偏光情報の検索を「3次元光学的偏光測定法」と呼ぶ。
【0005】
上記は、十分に高いN.A.を有する光学システムを使用して、そのウエストにわたった偏光状態の選択された分布を有する光ビームを集束させることによって、3次元電磁場を設計することが可能となる方法の原理を記載する。そのような照明集束ビームが、観測される、すなわち、光学的に分析されるサンプルに影響を与える場合、照明光およびサンプルの相互作用に起因する電磁場は、一般に、3次元ベクトル場となる。
【0006】
データを記憶し読み取るための、また材料および生物組織を分析するための現在の光学的方法は、観測下の記録された媒体またはサンプルの光学的共役である平面における光信号の照明、検出、および処理に基づいている。このことから、情報は、それらの方法が生成することができるサンプル上の最小の光点のサイズによって制限される。光学式記憶法の大多数は、共焦点顕微鏡の原理に基づいており、それは、1つの検出器におけるサンプルから散乱されたエネルギーの全ての収集に依存する。これは、サンプルの集束場および縦方向要素の相互作用に関する情報を検索するためのいかなる手段も提供しない。
【0007】
散乱された場の全強度を検出するだけではなく、サンプルと共役である平面における偏光状態の分析も行う他の方法がある。Toeroekらによる多重化法がそうであり、その中で、彼らは、光ディスクにおける階段状の特徴の角度配向でコード化される信号を多重化するための、偏光ビームスプリッタの使用を提案している。偏光を使用することによって、彼らは、階段状の特徴の異なる配向を検出することができることを主張している。散乱された場の縦方向要素の光学システムの瞳に対する影響に関して、Toeroekらによる特許中に説明はない。
【0008】
2つの特許および1つの科学刊行物のみが、観測下の対象の光学的特性を評価するために、瞳平面上の偏光状態の情報の限られた部分を利用してきた。ZhanおよびLeggerによる特許ならびにGoldらによる特許において、均一な直線偏光のみが使用され、それは、電場の縦方向要素が、集束点の中心(光軸上)においてゼロであり、光軸近傍の位置においてごくわずかであることを意味する。したがって、サンプルを照明するために使用するEM場は、3次元場と見なされていない。ZhanおよびLeggerならびにGoldらによる特許は、エリプソメトリとして既知の不完全な偏光測定法に関する。両方の発明は、照明場散乱された場を、単にサンプル上の異なる入射角を有する有限数の光線によって構成されているものとして扱い、集束領域上で形成される場が、照明アームの入射瞳上の偏光状態の分布に依存することを認識さえしていない。
【0009】
著者らが、集束場の縦方向要素に対するサンプルの効果の評価をシミュレートすることができると主張する、一科学論文が発表された。報告された技術は、「Z偏光共焦点顕微鏡法」と呼ばれる。この技術の最大の制限は、それが、場の縦方向要素に対するサンプルの効果を測定しようと試みるだけであり、集束場の横方向要素に対するサンプルの効果をどのように測定するかに関して戦略に言及していないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、現在の最先端の技術のいずれにも利用可能ではない情報を検索することができるサンプルを光学的に検査するための新しい方法または戦略を提供することである。そのような方法または戦略は、読み取られ記憶されるサンプルからの情報に対する新しい領域を開くであろう。
【0011】
本発明のさらなる目的は、近接場プローブを必要とすることなく3次元電磁場を測定または評価するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、本発明は、測定面にわたった光の偏光状態の分布を特徴付けることによって、集束照明ビームと観測されるサンプルとの間の相互作用に起因する3次元電磁場を分析するためのベクトル偏光測定装置および方法を提供する。
【0013】
本発明の装置は、
a)光ビームを生成するための照明源と、光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御するための手段とを備える、空間偏光状態発生器と、
b)該照明光ビームを焦点に合わせるための集束システムであって、焦点において好適な3次元ベクトル構造を有する緊密な焦点を生じるのに十分高い開口数を有する、集束システムと、
c)照明された集束場およびサンプルの3次元ベクトル電磁相互作用に関する情報を検索するように、測定面の幅にわたった異なる位置におけるサンプルからの光の偏光状態を測定することができる偏光感知検出器を備える、少なくとも1つの空間偏光状態分析器と、
を備える。
【0014】
本発明の一実施形態に従って、装置は、照明光ビームおよび、サンプルからの反射光の両方が通過し、また照明光を反射光から分離するための光スプリッタをさらに備える。
【0015】
好ましくは、光スプリッタは、少なくとも1つのビームスプリッタを備える。ビームスプリッタは、好ましくは、非偏光ビームスプリッタである。光スプリッタはまた、サンプルからの光を空間偏光状態分析器に向かって反射する働きをしてもよい。
【0016】
光スプリッタは、サンプルに向かって光の一部を反射し、検出アームに向かって光の一部を通過させるよう、照明の断面の一部のみを覆う少なくとも1つの鏡を備えてもよいが、代替設計が予測され、採用されてもよい。
【0017】
本発明の一実施形態に従って、装置は、サンプルによって散乱された光を捕捉するための高開口数光学コレクタをさらに備える。
【0018】
本発明の一実施形態に従って、装置は、反射構成で機能してもよい。代替として、装置は、透過構成で機能してもよい。
【0019】
好ましくは、光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御するための手段は、好ましくは、照明光および検出された光の両方の偏光状態を制御するようにさらに適合される、空間偏光状態制御である。
【0020】
本発明の一実施形態に従って、上記または各空間偏光状態分析器は、ストークスベクトルの空間分布を測定するように適合される。
【0021】
好ましくは、またいずれの実施形態にも従って、空間偏光状態分析器は、測定面上の異なる位置における偏光状態を測定するための手段を備える。空間偏光状態分析器は、測定面の幅にわたって偏光状態分析器と、空間分解能を有する強度検出器とを備えてもよい。
【0022】
本発明の一実施形態に従って、偏光状態分析器は、ピクセル化検出器と組み合わせて偏光状態を測定することができる波長板および偏光子の連続的な組み合わせを備える。
【0023】
装置は、複数の偏光分析器を備え、各偏光分析器は、測定面において異なる位置で光強度測定を行う。次いで、複数の光強度測定は、時間的に連続して実行されてもよい。代替として、複数の光強度測定は、光を分割し、2つ以上の光検出器を使用することによって同時に実行されてもよい。
【0024】
好ましくは、検出器は、測定表面にわたった異なる位置で強度偏光測定を行うための少なくとも1つのピクセル化検出器を備える。少なくとも1つのピクセル化検出器は、CCDであってもよい。少なくとも1つのピクセル化検出器は、代替として、フォトダイオードアレイまたはいかなる他の種類のピクセル化検出器であってもよい。
【0025】
好ましくは、装置は、制御および処理ユニットをさらに備える。
【0026】
制御および処理ユニットは、
空間偏光状態発生器を制御するための手段と、
空間偏光状態分析器の測定を同期化するための手段と、
観測されたサンプルの3次元ベクトル場および/または特徴を評価するように、取得されたデータを処理するための手段と、
を備えてもよい。
【0027】
制御ユニットは、動作および装置によって測定されたデータを同期化および処理するように配設されてもよい。
【0028】
本発明の一実施形態に従って、本発明の装置は、
測定面の幅にわたった異なる位置における反射光または透過光の偏光状態を測定することができる偏光感知検出器を備える、少なくとも1つの空間偏光状態分析器と、
サンプルの共焦点偏光感知画像とともに、照明された集束場とサンプルとの間の3次元ベクトル電磁相互作用に関する情報を検索するように、サンプル内の異なる位置から戻る光の偏光状態を測定することができる偏光感知検出器を備える、少なくとも1つの共焦点偏光状態分析器と、
をさらに備える。
【0029】
加えて、本実施形態は、サンプルからの反射光を少なくとも1つの空間偏光状態分析器に方向付けるための第1の光スプリッタと、サンプルからの反射光を少なくとも1つの共焦点偏光状態分析器に方向付けるための第2の光スプリッタとを備えてもよい。
【0030】
好ましくは、該共焦点偏光状態分析器は、サンプル内の異なる深度から戻る測定値を選択するように適合される。
【0031】
一実施形態に従って、第1のビームスプリッタは、サンプルから戻る光が、最初に空間偏光状態分析器に向かって、次いで、共焦点偏光状態分析器に向かって方向付けられるように配設される。
【0032】
さらなる実施形態に従って、第1のビームスプリッタは、サンプルから戻る光が、最初に共焦点偏光状態分析器に向かって、次いで、空間偏光状態分析器に向かって方向付けられるように配設される。
【0033】
照明/光源は、少なくとも1つのレーザを備えてもよい。一実施形態に従って、光源は、レーザの出力を拡張し、得られる平行ビームを生じるためのコリメータレンズと組み合わせて、レーザと、空間フィルタとを備える。
【0034】
照明/光源は、1つの波長または波長の組み合わせを含んでもよい。
【0035】
好ましくは、光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御するための手段は、空間偏光状態制御である。好ましくは、空間偏光状態制御は、ピクセルまたは連続空間光変調器(SLM)を備える。空間偏光状態制御は、液晶SLM、続いて、いかなる偏光光学、例えば、偏光子、プリズム、および波長等、または他の光学構成要素を備えてもよい。
【0036】
光ビームの幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御するための手段は、好適に、個別偏光構成要素を備えてもよい。そのような個別偏光構成要素は、ピクセル化空間光変調器、連続偏光デバイス、または位相および振幅マスクを含む群から選択されてもよい。
【0037】
好ましくは、偏光状態発生器は、ビームの幅にわたって選択的に作用することができる。
【0038】
集束システムは、屈折面および/または反射面の組み合わせを備えてもよい。集束システムは、好適に、回折格子を備えてもよい。
【0039】
集束システムは、サンプルからの反射光をさらに収集するように配設されてもよい。
【0040】
本発明の装置は、光学測定面を選択するための光学システムをさらに備えてもよい。測定面は、集束システムの入射瞳と共役であってもよい。好ましくは、光学システムは、空間偏光状態制御の出射面と集束システムの入射瞳とを光学的に共役させるための手段を備える。光学システムは、好ましくは、4fシステムである。
【0041】
光学システムは、集束システムの同一入射瞳の画像を検出器測定面上に生じるための手段をさらに備えてもよい。好ましくは、測定面は、光学システムの射出瞳である。
【0042】
本発明は、測定面にわたった光の偏光状態の分布を特徴付けることによって、集束照明ビームと観測されるサンプルとの間の相互作用に起因する3次元電磁場を分析するための方法をさらに提供し、該方法は、
a)照明光ビームを生成するステップと、
b)光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御するステップと、
c)該照明光ビームを焦点に集束させるステップであって、該焦点は、緊密な焦点であり、該集束光は、焦点において好適な3次元ベクトル構造を有する、ステップと、
d)照明された集束場およびサンプルの3次元ベクトル電磁相互作用に関する情報を検索するように、測定面の幅にわたった異なる位置における反射光の偏光状態を検出および測定するステップと、
を含む。
【0043】
好ましくは、方法は、検出された光の偏光状態を制御するステップをさらに含む。
【0044】
本発明の一実施形態に従って、方法は、ストークスベクトルの空間分布を測定するステップをさらに含む。
【0045】
好ましくは、方法は、射出瞳上の異なる位置における偏光状態を測定するステップをさらに含む。
【0046】
方法は、測定面において異なる位置で光強度測定を行うステップをさらに含んでもよい。複数の光強度測定は、時間的に連続して実行されてもよい。代替として、複数の光強度測定は、光を分割し、2つ以上の光検出器を使用することによって同時に実行されてもよい。
【0047】
好ましくは、方法は、観測されたサンプルの3次元ベクトル場および/または特徴を評価するように、取得されたデータを処理するステップをさらに含む。
【0048】
本発明の一実施形態に従って、方法は、
焦点領域中の照明光ビームの電磁場を計算するステップと、
焦点領域の中心における光軸上の場および点散乱体の相互作用に起因する電磁場を計算するステップと、
照明光とサンプルとの間の相互作用に関する情報を検索するための手段として、システムの瞳にわたって変動する偏光量を判定するステップと、
をさらに含む。
【0049】
また、コンピュータプログラムに上記の方法を実行させるためのプログラム命令を備える、コンピュータプログラムも提供され、それは、記録媒体、キャリア信号、または読み取り専用メモリ上に統合されてもよい。
【0050】
したがって、本発明は、測定面にわたった光の偏光状態の分布を特徴付けることによって、集束照明ビームと観測されるサンプルとの間の相互作用に起因する3次元電磁場を分析するための方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム命令を備える、コンピュータプログラムをさらに提供し、該方法は、
e)照明光ビームを生成するステップと、
f)光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御するステップと、
g)該照明光ビームを焦点に集束させるステップであって、該焦点は、緊密な焦点であり、該集束光は、焦点において好適な3次元ベクトル構造を有する、ステップと、
h)照明された集束場およびサンプルの3次元ベクトル電磁相互作用に関する情報を検索するように、測定面の幅にわたった異なる位置における反射光の偏光状態を検出および測定するステップと、
を含む。
【0051】
本書に開示される本発明は、例えば、情報記憶、顕微鏡法、分子撮像、および光計測学に適用する、情報を読み取りコード化するための光ベクトル撮像法に関する。方法は、必ずしも集束点または観測下のサンプルと共役な表面であるとは限らない光学システムの検出アームの軸方向位置における光の完全または不完全な偏光状態の空間分布を測定することによって、強集束光源および観測下のサンプルの相互作用に関する情報を検索することができる。表面それ自体は、顕微鏡または共焦点顕微鏡の射出瞳であることができるが、これらに限定されない。検出システム上の偏光状態のこの空間分布は、照明ビームおよび観測下のサンプルにわたった偏光状態の分布に依存し、本発明は、測定ビームおよび/または検出されたビームにわたった偏光状態の空間分布に対するサンプルまたは情報記憶媒体の効果を評価するための、いかなる偏光測定法の使用も含む。
【0052】
本発明は、EllisおよびDogariuによって2005年に報告された方法(その中で、彼らは、ある点における電場ベクトルが、3次元で変動し得る電磁場の偏光特性を特徴付けるための近接場法を記載している)への新規遠距離場代替を構成するが、これに限定されない。
【0053】
前述のように、照明集束場が、観測される、すなわち、光学的に分析されるサンプルに影響を与える場合、照明光およびサンプルの相互作用に起因する電磁場は、一般に、3次元ベクトル場となる。本書に開示される本発明は、近接場プローブを必要とすることなく、この得られる3次元電磁場を測定または評価するための方法に関する。この特徴付けのために、少なくとも1つの照明ベクトルEM場が必要とされるが、ロバスト性および/または重複決定のために、2つ以上の照明場を(例えば、連続的に)使用することができる。
【0054】
本発明が、上述の技術のいずれかの単純な代替ではなく、現在の最先端の技術のいずれにも利用可能ではない情報を検索することができるサンプルを光学的に検査するための新しい方法または戦略を構成することを理解されるであろう。したがって、それは、読み取られ記憶されるサンプルからの情報に対する新しい領域を開くであろう。
【0055】
本発明の主題は、サンプル内の異なる位置の偏光特性が、撮像光学システムを使用して一度に測定される、撮像偏光測定として既知の技術と比較されてはならない。撮像偏光測定において、これらの異なる位置は、スカラー理論に従って、撮像システムを用いて、解像されるために十分に分離されなければならず、測定は、サンプルと共役である平面上で行われる。
【0056】
同様に、本発明は、偏光収差測定とも比較されてはならない。集束点のサイズに対する偏光収差の効果は、数年にわたって研究されてきたが、今日まで、光が観測下の対象から散乱された後の光学システムの瞳に関する偏光情報の測定の報告はない。
【0057】
本明細書に報告される本発明は、全体の3次元EMベクトル場に対するサンプルの効果を評価するための、また集束場のいかなる考えられる構成のための戦略を示す。Z偏光共焦点顕微鏡法において、位相マスクは、瞳平面の位置において使用されるが、収集された光の検出は、共焦点システムを用いて行われ、したがって、瞳位相マスクを通過する場は、平均化され、決して空間的に解像されることはない。
【0058】
光学瞳は、場の縦方向要素が投影され、有意な効果を及ぼすことができる可能な限り大きい領域にアクセスすることができる。N数のピクセルを有する瞳上に空間分割検出器を配置することによって、光多重化の次元性および可能性は、原則としてN倍に増加し得る。一実施例として、容易に入手可能な64×64CCD検出器を使用し、少なくとも4096倍(各検出器ピクセルでの検出ビット深度および偏光状態の4次元がさらに乗じられる)、多重化方式の範囲を増加させることが可能である。
【0059】
「3次元」という用語が、十分に高い開口数(N.A.)の光学システムの焦点周辺の体積領域におけるあらゆる点において、電磁場の振動が、3つの直交空間方向のいずれかまたは全てで同時に生じ得ることを示すために使用されることを理解されるであろう。
【0060】
焦点周辺の体積領域において、空間のあらゆる点における電気ベクトルの3つ全ての構成要素は、非ゼロであり得る。
【0061】
【数1】

本願全体にわたって開口数に言及する際にここで使用される「高い」という用語は、集束場の縦方向要素が、有意になり始める約0.6以上の開口数を意味する。
【0062】
本発明において、方法および装置は、光ビームが、高い開口数で集束される時に形成される3次元場を分析することを目的としている。これらのいわゆる「強」集束ビームの3次元性質は、十分に裏付けされている(背景技術の項を参照)。本発明は、これらの3次元場の情報を抽出するための方法および装置に関する。これは、過去に提案されておらず、従来の技術システムは、この情報を抽出することができない。本発明において、方法および装置は、照明が固定されたままである時でさえ、無数の異なるストークスベクトルが、対象内の一点から測定されることが可能であるような方法および装置である。
【0063】
本明細書では「遠距離場ベクトル偏光測定」と呼ばれる本発明において、照明は、顕微鏡対物によって光を集束させる前に、瞳にわたった均一な分布であると仮定されない。偏光状態のこの分布は、焦点周囲の領域の各点における電磁ベクトルの3つの構成要素を判定する。焦点領域のあらゆる点におけるこの3次元電磁場に対して、9つの線形独立の可能性がある(EllisおよびDogariu、2005)。同様に、焦点領域中のサンプル内の小体積部分(ピクセル)および照明の相互作用の結果に対して、9つの線形独立の可能性がある。焦点周辺のこの場の構造は、照明ビームの瞳にわたった偏光状態の分布によっても決定され、瞳にわたった偏光状態の分布選択に対して、無数の可能性がある。エアリーディスク等の伝統的な分解能基準は、プローブされているサンプルの部分のサイズを判定するためには全く役に立たないが、サンプルは、3次元ボリュームも占める。ベクトル偏光測定法の次元性は少なくとも(9X9)X3=243であるが、空間偏光状態発生器(PSG)が、本発明に記載されるように使用される場合、照明における選択数は大きい。空間PSGは、例えば、液晶空間光変調器を用いて、集束されるビームの瞳にわたった異なる位置における異なる偏光状態を生成することができるPSGを意味する。焦点領域の形状の可能性の数は、使用されるデバイスに依存し、それは、照明および得られる電磁場に対して、さらなる独立した可能性(次元)を追加することができる。本発明は、全てのこれらの効果に関連した信号を記録するための方法である。
【0064】
ここで使用される「空間偏光状態発生器」という用語は、照明光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御することができるデバイスを指す。デバイスは、ビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態のピクセルまたは連続不均一制御を有する必要がある。そのようなデバイスの一実施例は、照明ビームの幅にわたった個々のピクセル(位置)によって導入される偏光遅延を制御することができ、これによって、ビームの幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御することができる、ピクセル化空間光変調器である。従来の「空間フィルタ」は、いかなる場合でもこの役割を果たすことができない。
【0065】
本発明において、サンプルにおける各点に対して、またいかなる所与の照明に対して、好適な測定面の異なる位置における偏光状態が測定されるものとする。そのような測定面は、集束対物レンズの入射瞳と共役であることができ、したがって、一点または一ピンホールに制限されない。例えば、ピクセル化検出器(CCD等)は、測定面の空間分割を実行することができる。
【0066】
本発明は、添付図面を参照した以下の説明からより明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】領域Ωにおける光学システムΣによって集束されている光ビームの略図である(従来の技術)。
【図2】領域Ωにおける光学システムΣによって集束されている光ビームのさらなる略図である(従来の技術)。
【図3a】領域Ωにおける光学システムΣによって集束されている光ビーム、および照明とサンプルとの間の相互作用に起因するEM場
【0068】
【数2】

の略図である(従来の技術)。
【図3b】領域Ωにおける光学システムΣによって集束されている光ビーム、および照明とサンプルとの間の相互作用に起因するEM場
【0069】
【数3】

のさらなる略図である(従来の技術)。
【図4】光学システムを通して、偏光状態の分布が、本発明に記載される方法および装置を用いて測定されることができる平面Γ上に伝搬する、集束場およびサンプルの相互作用に起因する光の略図である。
【図5】本発明の装置内の反射構成の表示である。
【図6】好適な測定表面の表示である。
【図7】本発明の種々の実施形態に従ったベクトル偏光測定装置を示す。
【図8】本発明に従ったベクトル偏光測定装置の一実施形態の詳細な表示である。
【図9】本発明に従ったベクトル偏光測定装置のさらなる実施形態の詳細な表示である。
【図10】本発明に従ったベクトル偏光測定装置のさらなる実施形態の詳細な表示である。
【図11】本発明に従った方法および装置を用いて検索することができる多重化情報を記憶し得る、人工サブ回折限界サンプルの実施例の表示である。
【図12】本明細書に報告される数値計算を行うために使用される幾何学形状の略図である。
【図13a】本発明に従ったベクトル偏光測定装置を使用して実行されるシミュレーションの結果を示す。
【図13b】本発明に従ったベクトル偏光測定装置を使用して実行されるシミュレーションの結果を示す。
【図13c】本発明に従ったベクトル偏光測定装置を使用して実行されるシミュレーションの結果を示す。
【図13d】本発明に従ったベクトル偏光測定装置を使用して実行されるシミュレーションの結果を示す。
【図14a】本発明に従ったベクトル偏光測定装置を使用して実行されるシミュレーションの結果を示す。
【図14b】本発明に従ったベクトル偏光測定装置を使用して実行されるシミュレーションの結果を示す。
【図14c】本発明に従ったベクトル偏光測定装置を使用して実行されるシミュレーションの結果を示す。
【図14d】本発明に従ったベクトル偏光測定装置を使用して実行されるシミュレーションの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
集束ビームの焦点領域ΩにおけるEM場は、元のビームによって覆われる領域にわたったEM場の最初の空間分布(集束が生じる前)、光波長、および集束システムのN.A.およびその収差に依存する。最初のEM場は、その空間分布が、座標xおよびyのいかなる関数であり得ることを強調するために、E(x、y)と示される。ビームにわたった光の偏光状態が、必ずしも座標(x、y)を有するすべての点において同一であるとは限らないことを理解されたい。
【0071】
図1および2は、領域Ωにおける光学システムΣによって集束されている光ビームの略図である。図2は、図1の横断面を表す。
【0072】
前述のように、光が焦点に合わせられる、Ωで示される焦点周辺の領域において、EM場は、一般に、3つのベクトル構成要素を有し、それらは、空間座標x’、y’、およびzの関数として変動し得る。この3次元場は、
【0073】
【数4】

で示され、ここで、記号
【0074】
【数5】

は、焦点領域が、軸方向位置z=z周辺に小さいが有限の広がりを有することを単に示している。サンプル(光学観測下の対象、またはある情報が、コード化されているか、もしくは読み出されている媒体)が、照明によって生成されるこの一般EM場と相互作用する際に、3次元ベクトルEM場でもあるEM場が生じる。明らかに、得られるEM場は、照明の縦方向要素に対するその効果を含む、サンプルに依存している可能性がある。例えば、単一分子の得られるEM場が、分子の電気双極子モーメントの配向に依存している可能性がある場合、またデータ記憶媒体の場合、記録された媒体のサブ回折限界特徴はまた、照明の3つのベクトル構成要素のいずれかまたは全てと相互作用し得る。この得られるEM場は、図3aおよび3bにおいて
【0075】
【数6】

で示される。
【0076】
図3aは、領域Ωにおける光学システムΣによって集束されている光ビーム、および照明とサンプルとの間の相互作用に起因するEM場
【0077】
【数7】

の略図である。
【0078】
図3bは、領域Ωにおける光学システムΣによって集束されている光ビーム、および照明とサンプルとの間の相互作用に起因するEM場
【0079】
【数8】

の略図である。この図は、図3aの横断面を表す。
【0080】
本発明は、場照明およびサンプルの相互作用に起因するEM場
【0081】
【数9】

を研究、測定、分析、検出等するための新しい方法を含む。方法は、必ずしも焦点領域Ωと共役であるとは限らない平面上の
【0082】
【数10】

の偏光状態の空間または時空間的分布の評価から成る。光学システムの射出瞳は、そのような平面、または射出瞳に光学的に近傍のいかなる他の平面の好個の実施例である。光学における射出瞳は、画像空間から光学システムを通して見られるような光学システムの開口絞りの画像として定義される。これは、偏光状態の分布を測定するための平面の好個の実施例であるが、集束場および/または照明およびサンプルの相互作用に起因する場の縦方向要素の投影が無視できない、他の平面も使用され得る。
【0083】
図4は、収集(撮像)アームが照明アームに面し、それが透過構成をもたらす、特定の場合におけるそのような測定の一実施例の略図を示す。しかしながら、本発明は、対象を集束する照明が、図5またはいかなる反射型顕微鏡システムにあるように、集光器としても機能する、反射構成も含む。システムの光学瞳が測定のための優れた候補であるため、測定面Γは、瞳平面と呼ばれるが、Γは、集束場の縦方向要素の投影が無視できない、いかなる他の表面であることができる。図6を参照されたい。
【0084】
図4は、光学システムを通して伝搬する、集束場およびサンプルの相互作用に起因する光の略図である。本発明は、射出瞳Γ等の平面にわたった光の偏光状態の分布を完全にまたは不完全に特徴付けるという考えに関する。十字は、サンプル点の実施例を表すが、分布は、いかなる幾何学形状またはいかなるピクセル形状およびサイズを使用して測定することができる。
【0085】
図6に見られるように、好適な測定表面Γは、集束場の縦方向要素の投影が、偏光測定が有意義となるように無視できる大きさを有していない、光学システムにおけるいかなる表面であることができる。
【0086】
瞳Γ上の各位置における偏光状態の測定は、既存の、または開発される偏光測定法またはエリプソメトリ法によって行うことができる。偏光状態の分布の空間識別は、例えば、測定面を任意の選択された形状およびサイズの小ピクセル素子に分割する、CCD等の空間分割検出器で実行することができる。CCDの前で、検出器のピクセル分布の関数として偏光状態を判定するために、いかなる偏光状態分析器(PSA)を使用することができる。明らかに、最適な偏光測定法に応じて、2つ以上のピクセル化検出器を使用することができる。光の偏光状態の評価は、今日、確立した偏光測定法を使用して日常的に行うことができる。本発明の最も重要な主張は、瞳平面上の偏光状態の分布を測定および分析することによって、照明集束場およびサンプルの3次元ベクトルEM相互作用に関する情報を検索することができるということであり、これは過去に誰も報告していない。さらに、この分析は、単に、上記で説明されるように、照明アームの入射瞳上の偏光状態の分布を設計することによって、異なる照明場を使用して2回以上繰り返すことができる。
【0087】
図7a)は、本発明の一実施形態に従ったベクトル偏光測定装置を示す。装置は、反射構成を有する。その基本的構成要素は、空間偏光状態発生器102、光スプリッタ104、集束システム106、空間偏光状態分析器108、および制御および処理ユニット110である。サンプル112の特徴および設計は、光データ記憶の一実施形態における装置の一部であることができる。図11を参照されたい。
【0088】
空間偏光状態発生器102は、光(照明)源、およびビーム幅にわたった異なる位置における偏光状態を制御するための手段を備える。これは、例えば、ピクセル化空間光変調器等の個別偏光構成要素、空間可変波長板等の連続偏光デバイスによって、または単一位相および振幅マスクによって達成することができる。
【0089】
光スプリッタは、照明アームを検出アームから分離することができるいかなるデバイスである。これは、光ビームスプリッタ、例えば、キューブ、薄膜、またはプレート等によって容易に行うことができる。別の代替は、サンプルに向かって光の一部を反射し、検出アームに向かって光の一部を通過させるよう、照明の断面の一部のみを覆う鏡を使用することである。いかなる他の光スプリッタの使用もまた、本発明に含まれる。
【0090】
この構成における集束システムΣは、光を焦点に合わせることに関与し、また、サンプルから戻る光の集光器としても機能する。先に述べたように、このシステムは、屈折面および/または反射面、回折格子、またはいかなる他の好適な光学システムの組み合わせであることができる。唯一の要件は、開口数が、焦点において好適な3次元ベクトル構造を有する緊密な焦点を生じるのに十分高いことである。
【0091】
空間偏光状態分析器は、測定面Γの幅にわたった異なる位置における偏光状態を測定することができる偏光感知検出器を備える。例えば、ストークスベクトルの空間分布の測定は、空間偏光状態分析器が実行することができる好適な種類の測定である。この特定の種類の測定は、いかなるよく知られており確立した、または新たに開発された偏光測定技術であることができる。繰り返すが、本発明に対する要件は、偏光状態が測定面Γにわたった異なる位置で測定、調整、および評価されることである。ストークスベクトルの実施例を続けると、Γの各位置におけるこの測定は、典型的には、4つの光強度測定を必要とし、各々は、異なる偏光状態分析器を使用する。測定は、時間的に連続して、または光を分割し、異なる偏光分析器および2つ以上の光検出器を使用することによって同時に実行することができる。ピクセル化検出器、例えば、CCDまたはフォトダイオードアレイ等は、測定表面Γにわたった異なる位置で強度偏光測定を実行するための適切な手段であり得る。光が分割される場合、2つ以上のピクセル化検出器が必要であり得る。
【0092】
制御および処理ユニット110は、空間偏光状態発生器を制御し、空間偏光状態分析器の測定を同期化し、観測されたサンプルの3次元ベクトル場および/または特徴を評価するように、取得されたデータを処理するための手段を備える。
【0093】
図7b)は、本発明に従った透過構成のベクトル偏光測定装置を示す。その基本的な構成要素は、反射構成の装置と同様であるが、光スプリッタは、厳密には必要ではなく、個別高開口数光学コレクタΣ’114が、サンプルによって散乱された光を捕捉するために必要である。残りの構成要素に関する説明は、図7a)に示される反射構成の実施例と同一である。
【0094】
図7c)は、照明および検出アームに対する空間偏光状態制御を使用する、本発明のさらなる実施形態に従った反射構成のベクトル偏光測定装置を示す。装置は、照明源116および個別空間偏光状態制御118を備える。装置は、空間偏光状態検出器120をさらに備える。当業者は、そのような構成の利点を特定することができる。所与のサンプルに対する測定面Γにわたった偏光特徴が十分に特定される場合、必ずしもサンプルの全ての偏光特性を測定することなく、図7c)のようなシステムを設計し得る。
【0095】
図8は、本発明に従ったベクトル偏光測定装置のさらなる実施形態を示す。図8のシステムにおいて、照明光源116は、レーザであることができ、それは、次いで、例えば、コリメータレンズ124との典型的空間フィルタの組み合わせ122を用いて拡張される。得られるビーム126は、平行にされ得るが、空間偏光状態制御デバイス128を通過する。このデバイスは、ピクセルまたは連続空間光変調器(SLM)であることができる。その一実施例は、液晶SLM、続いて、いかなる偏光光学、例えば、偏光子、プリズム、および波長等である。先に述べたように、目的は、その幅にわたった異なる位置において制御された偏光状態を有するビームを生成することである。これは、ビームの幅にわたって選択的に作用することができる、前述の、またはいかなる他の偏光状態発生器の組み合わせによって達成される。次いで、ビームは、非偏光ビームスプリッタであることができるビームスプリッタ104を通過し、サンプル112に向かって反射される。ビームスプリッタと集束システムΣとの間の任意選択の光学システム130、例えば、4fシステムは、集束システムΣ106の入射瞳と共役である光学面を選択するために使用することができる。
【0096】
例えば、1つの考えられる選択は、空間偏光状態制御の出射面と集束システムΣの入射瞳とを光学的に共役させることである。同時に、この任意選択の光学システムは、集束システムΣの同一入射瞳の画像を検出器測定面Γ上に生成することができる。集束システムは、以前の実施例のように説明することができる。一度光がサンプルから戻り、集束システムΣおよび任意選択の光学システムを通過すると、光はビームスプリッタを通過する。ビームスプリッタの通過および関連するいかなる光学の通過の両方は、適切に調整されるべきである。これは、いかなる容易に利用可能な方法、または新たに開発された方法によっても可能である。
【0097】
ビームスプリッタの後、瞳上の異なる位置における偏光状態は、空間偏光状態分析器108によって測定される。これは、偏光状態分析器132、および測定面Γの幅にわたって空間分解能を有する強度検出器134によって形成され得る。
【0098】
この場合の偏光状態分析器132は、ピクセル化検出器と組み合わせて偏光状態を測定することができる波長板および偏光子の連続的な組み合わせによって形成され得る。この場合もやはり、制御ユニット110は、動作および装置によって測定されるデータを同期化および処理する。
【0099】
図9は、本発明に従ったベクトル偏光測定装置のさらなる実施形態を示す。本実施形態は、共焦点偏光状態分析器136を備える。
【0100】
空間偏光状態発生器(PSG)102によって生成される光は、集束システムΣ206であるLlに達する前に、ビームスプリッタBSlおよび204およびBS2 304を通過する。サンプルから戻る光は、Ll 206によって収集され、次いで、BS2 304によって再び分離される。
【0101】
1つの分岐137は、ここでは同時測定のために4つの光学的に同一の表面の組である測定表面Γにわたった異なる位置における偏光状態を測定する、ピクセル化検出器CCDl〜CCD4 140〜143を有する振幅分割偏光計(DOAP)である、空間偏光状態分析器138に向かう。BS5 404およびBS6 504は、非偏光であることができるビームスプリッタである。PBS2 146は、ピクセル化検出器CCDl140およびCCD2 141に2つの直交の偏光状態を方向付ける偏光ビームスプリッタである(例えば、線形水平および線形垂直)。QWP2 148は、線形偏光子P4 150に対して45度で配向される線形1/4波長板であることができ、P3 152は、45度での線形偏光子であることができる。そのようなDOAPは、検出器において全てのピクセルでストークスベクトルを測定することができ、ただし、それらは、適切に、瞬時に登録される。これは空間偏光状態分析器の別の実施例であるが、他の種類が使用されてもよい。
【0102】
反射されることなくサンプルから戻り、BS2 304を通過する光は、BSl 204を再び通過し、次いで、サンプル内の異なる深度から戻る測定値を選択するために使用することができる、共焦点偏光状態分析器136に入る。
【0103】
図10は、本発明に従ったベクトル偏光測定装置のさらなる実施形態を示す。本実施形態と前の実施形態との間の違いは、図10に示される実施形態において、サンプル112から戻る光が、最初に、ビームスプリッタ704によって共焦点偏光状態分析器138に向かって、次いで、ビームスプリッタ604によって空間偏光状態分析器136に向かって方向付けられる点であるが、動作は同一である。この違いを通じて、どの偏光状態分析器がサンプル112から戻る光をより多く受容するかを選択することが可能である。
【0104】
情報およびデータ記憶アプリケーションにおいて、例えば、データを多重化するために使用することができる記憶媒体内の考えられる「ピット」の形状は、図11に示されるサンプルΩ112の実施例等の幾何学的散乱体であるが、これらに限定されない。散乱体160の例えば、配向、サイズ、および形状は、多重化された情報を記憶するために使用され得る。多重化されたデータの量は、空間偏光状態分析器において使用されるピクセル数、信号対雑音比、および装置内の空間偏光状態発生器によって生じる偏光状態の入射分布に依存する。小さい人工サンプルの形状、サイズ、配向、深度、高さ等は、情報を記憶するために使用することができ、その情報は、次いで、本発明に従った方法および装置を使用して読み取ることができる。これは、情報を記憶するための手段の一実施例であるが、使用されている特徴が、測定面にわたった偏光状態の分布に影響を及ぼす限り、言及される特徴に制限されなくてもよい。
【0105】
一実施例として、シミュレートされた測定値として理解することができる、この効果の数値結果が提供される。照明ビームにわたった偏光状態の一定分布(水平線形に偏光された(X方向に沿って)が選択された(しかしながら、本発明は、一定ではない場合があるいかなる空間分布を含む)。シミュレーションは、図12にあるような反射走査顕微鏡を使用する。図12は、本願に報告される数値計算を行うために使用される幾何学形状の略図である。測定面Γは、点散乱体によって再び散乱された光を収集する。焦点領域Ω中のEM場を計算するために、RichardsおよびWolfの方法が使用され、次いで、集束領域Ωの中心における光軸上のこの場および点散乱体の相互作用に起因するEM場が計算された。この場は、以下散乱場と呼ぶ。
【0106】
図13a〜13dは、集光器/対物レンズの開口後方の散乱された場の4つのストークスパラメータの空間分布を示す。図13a〜13dは、点散乱体によって散乱された場の集光器/対物レンズの開口後方の4つのストークスパラメータ(S、S、S、S)の空間分布の数値計算を示す。点散乱体は、集束が生じる前に均一に水平線形に偏光されて開始した、N.A.=0.85で集束された場で照明された。画像は、単位最大全強度まで正規化される。座標軸VおよびVの尺度は、N.A.に対する光学単位である。ストークスパラメータの測定は、いかなる偏光測定法またはエリプソメトリ法を用いても行うことができる。座標軸VおよびVの尺度は、0.85のN.A.に対する光学単位である。一度散乱された光がレンズによってビーム様場に再び収集されたとしても、サンプルとの3次元EM場の相互作用の本質は、開口にわたった偏光状態の不均一分布として存在することに留意されたい。これは、本発明が関連する情報検索の種類である。
【0107】
図14a〜14dは、別のシミュレーションの結果を示す。今回は、水平線形に偏光されたものの代わりに、照明ビームにわたった均一に分布された直円偏光が選択された。残りのシミュレーションパラメータは、同一になるように選択された。目視検査のみによってでさえ明らかにわかることだが、2つのシナリオは容易に識別することができる。ストークスパラメータは、偏光の最も完全な測定のうちの1つを構成するため、実施例に対して選択されたが、本発明は、照明とサンプルとの間の相互作用に関する情報を検索するための手段として、システムの瞳にわたって変動するいかなる偏光量も含むものとする。図14は、点散乱体によって散乱された場の集光器/対物レンズの開口後方の4つのストークスパラメータ(S、S、S、S)の空間分布の数値計算を示す。点散乱体は、集束が生じる前に均一に直円に偏光されて開始した、N.A.=0.85で集束された場で照明された。画像は、単位最大全強度まで正規化される。座標軸VおよびVの尺度は、N.A.に対する光学単位である。
【0108】
生体撮像、集合分子層および構造の撮像、リソグラフィ、光学データコード化、記憶および読み取り/検索、ならびに他の一般的な撮像用途を含むがこれらに限定されない、本発明の多数の考えられる適用がある。
【0109】
本発明が採用され得る生体撮像分野の実施例には、分子撮像、細胞撮像、および医用撮像が含まれる。
【0110】
本発明の重要な用途は、光データ記憶の分野におけるものである。マイクロリソグラフィ法を用いて容易に利用可能な、サンプル内の異なるサブ波長特徴は、本発明の領域において光学システムの瞳上に異なるEM場分布を生成することができる。これらのパターンは、情報を記憶するために使用することができる記号として示すことができる。サンプルの構造が、回折限界点よりも大きい必要はないため、本発明は、光学データを多重化するための新しい方法を提供する。
【0111】
この分野への本発明の適用は、光学式記憶を実行するために青色または紫外線レーザを使用するもの等の、高開口数光学システムを使用して記憶されるデータ密度の増加をもたらし得る。
【0112】
システムの較正は、非常にロバストな既存の方法を考慮して、非常に単純であることができる。また、本発明は、サンプル内の深度識別が要求される場合、共焦点測定と結合することができる。共焦点開口で収集される強度を有する瞳上で測定される信号に加重することによって、サンプルが照明点でスキャンされる場合、「共焦点遠距離場3次元光学的偏光測定法」による測定または画像を得ることができる。
【0113】
本発明の一般的な動作は、すでに説明されており、当業者は、本明細書に開示される方法を実施する特定の実施形態を思い付くであろう。そのような実施形態のいくつかの実施例が示され、いくつかの適用が説明される。本明細書に開示される方法を使用する他の実施形態も、本発明に含まれることを理解されたい。
【0114】
本発明はまた、コンピュータプログラム、具体的には、本発明を実行するように適合されるキャリア上またはキャリア内に記憶されるコンピュータプログラムにまで及ぶ。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形等のコード中間ソースおよびオブジェクトコードの形、あるいは本発明に従った方法の実施で使用するために好適ないかなる他の形であってもよい。キャリアは、例えば、CD ROM等のROM、またはフロッピー(登録商標)ディスクもしくはハードディスク等の磁気録音媒体等の記憶媒体を備えてもよい。キャリアは、電気もしくは光ケーブルを介して、またはラジオもしくは他の手段によって伝送されてもよい電気もしくは光信号であってもよい。
【0115】
本発明に関連して本明細書で使用される「備える(comprises/comprising)」という単語および「有する/含む」という単語は、規定された特徴、整数、ステップ、または構成要素の存在を特定するために使用されるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはそれらの群の存在または追加を除外しない。
【0116】
明確にするために、別々の実施形態と関連して記載される、本発明のある特定の特徴が、1つの実施形態で組み合わせて提供されてもよいことは十分に理解される。反対に、簡潔にするために、1つの実施形態に関連して記載される、本発明の種々の特徴はまた、別々に、またはいかなる好適な小さい組み合わせで提供されてもよい。本発明は、以上に記載される実施形態に制限されず、構造および詳細の両方が変更されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定面にわたった光の偏光状態の分布を特徴付けることによって、集束照明ビームと観測されるサンプルとの間の相互作用に起因する3次元電磁場を分析するためのベクトル偏光測定装置であって、該装置は、
a)光ビームを生成するための照明源と、該光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における該偏光状態を制御するための手段とを備えている、空間偏光状態発生器と、
b)該照明光ビームを焦点に合わせるための集束システムであって、該集束システムは、該焦点において適切な3次元ベクトル構造を有する緊密な焦点を生じるのに十分高い開口数を有する、集束システムと、
c)該照明された集束場および該サンプルの該3次元ベクトル電磁相互作用に関する情報を検索するように、該測定面の幅にわたった異なる位置における該サンプルからの該光の偏光状態を測定することができる偏光感知検出器を備えている、少なくとも1つの空間偏光状態分析器と
を備えている、装置。
【請求項2】
前記照明光ビームおよび前記サンプルからの反射光の両方が通過し、該照明光を該反射光から分離するための光スプリッタをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光スプリッタは、前記サンプルに向かって前記光の一部を反射し、検出アームに向かって該光の一部を通過させるように前記照明の断面の一部のみを覆う少なくとも1つの鏡を備えている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
d)前記サンプルによって散乱された前記光を捕捉するための高開口数光学コレクタ
をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における前記偏光状態を制御するための前記手段は、前記照明光および検出された光の両方の前記偏光状態を制御するようにさらに適合されている空間偏光状態制御である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの空間偏光状態分析器は、ストークスベクトルの空間分布を測定するように適合されている、請求項1〜5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記空間偏光状態分析器は、前記測定面上の異なる位置における前記偏光状態を測定するための手段を備えている、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記空間偏光状態分析器は、前記測定面の幅にわたって、偏光状態分析器と、空間分解能を有する強度検出器とを備えている、請求項1〜7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記偏光状態分析器は、ピクセル化検出器と組み合わせて前記偏光状態を測定することができる、波長板および偏光子の連続的な組み合わせを備えている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、複数の偏光分析器を備え、各偏光分析器は、前記測定面において異なる位置で光強度測定を行う、請求項1〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記複数の光強度測定は、時間的に連続して実行される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の光強度測定は、前記光を分割し、2つ以上の光検出器を使用することによって同時に実行される、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記検出器は、前記測定表面にわたった異なる位置で強度偏光測定を実行するための、少なくとも1つのピクセル化検出器を備えている、請求項1〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
制御および処理ユニットをさらに備えている、請求項1〜13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記制御および処理ユニットは、
前記空間偏光状態発生器を制御するための手段と、
該空間偏光状態分析器の前記測定を同期化するための手段と、
前記観測されたサンプルの3次元ベクトル場および/または特徴を評価するように、取得されたデータを処理するための手段と
を備えている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記測定面の幅にわたった異なる位置における前記光の前記偏光状態を測定することができる偏光感知検出器を備えている、少なくとも1つの空間偏光状態分析器と、
前記サンプルの共焦点偏光感知画像とともに、前記照明された集束場と前記サンプルとの間の前記3次元ベクトル電磁相互作用に関する情報を検索するように、該サンプル内の異なる位置から戻る光の偏光状態を測定することができる偏光感知検出器を備えている、少なくとも1つの共焦点偏光状態分析器と、
該サンプルからの反射光を該少なくとも1つの空間偏光状態分析器に方向付けるための第1の光スプリッタと、
該サンプルからの反射光を該少なくとも1つの共焦点偏光状態分析器に方向付けるための第2の光スプリッタと
をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記共焦点偏光状態分析器は、前記サンプル内の異なる深度から戻る測定値を選択するように適合されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記光源は、レーザを備えている、請求項1〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記光源は、レーザの出力を拡張し、得られる平行ビームを生じるためのコリメータレンズと組み合わせて、レーザと、空間フィルタとを備えている、請求項1〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における前記偏光状態を制御するための前記手段は、個別の偏光構成要素を備えている、請求項1〜19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記個別の偏光構成要素は、ピクセル化空間光変調器、連続偏光デバイス、または位相および振幅マスクを含む群から選択される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記偏光状態発生器は、ビームの幅にわたって選択的に作用することができる、請求項1〜21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記光学測定面を選択するための光学システムをさらに備えている、請求項1〜22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記測定面は、前記集束システムの入射瞳と共役である、請求項1〜23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記光学システムは、前記空間偏光状態制御の出射面と前記集束システムの前記入射瞳とを光学的に共役させるための手段を備えている、請求項23または24に記載の装置。
【請求項26】
前記光学システムは、前記集束システムの同一入射瞳の画像を前記検出器測定面上に生じるための手段を備えている、請求項23〜25のうちのいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記測定面は、射出瞳である、請求項1〜26のいずれかに記載の装置。
【請求項28】
測定面にわたった光の偏光状態の分布を特徴付けることによって、集束照明ビームと観測されるサンプルとの間の相互作用に起因する3次元電磁場を分析するための方法であって、該方法は、
a)照明光ビームを生成するステップと、
b)該光ビームのビーム幅にわたった異なる位置における該偏光状態を制御するステップと、
c)該照明光ビームを焦点に集束させるステップであって、該焦点は、緊密な焦点であり、該集束光は、該焦点において適切な3次元ベクトル構造を有する、ステップと、
d)該照明された集束場および該サンプルの該3次元ベクトル電磁相互作用に関する情報を検索するように、該測定面の幅にわたった異なる位置における反射光の該偏光状態を検出および測定するステップと
を含む、方法。
【請求項29】
前記検出された光の前記偏光状態を制御するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ストークスベクトルの空間分布を測定するためのステップをさらに含む、請求項28または請求項29に記載の方法。
【請求項31】
射出瞳上の異なる位置における前記偏光状態を測定するステップをさらに含む、請求項28〜30のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記測定面の異なる位置で光強度測定を行うステップをさらに含む、請求項28〜31のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項33】
複数の光強度測定は、時間的に連続して実行される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
複数の光強度測定は、前記光を分割し、2つ以上の光検出器を使用することによって同時に実行される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記観測されたサンプルの3次元ベクトル場および/または特徴を評価するように、取得されたデータを処理するステップをさらに含む、請求項28〜34のうちのいずれかに記載の方法。
【請求項36】
焦点領域中の前記照明光ビームの前記電磁場を計算することと、
該焦点領域の中心における光軸上の集束場および点散乱体の相互作用に起因する該電磁場を計算することと、
該照明光と前記サンプルとの間の前記相互作用に関する情報を検索するための手段として、前記システムの前記瞳にわたって変動する偏光量を判定することと
をさらに含む、請求項28〜35のうちのいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図14d】
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【公表番号】特表2010−525349(P2010−525349A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504725(P2010−504725)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055191
【国際公開番号】WO2008/135438
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509237767)ナショナル ユニバーシティー オブ アイルランド, ゴールウェイ (12)