集積回路チップのための宇宙線検出器
いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、第1先端部を備えるカンチレバーを含む。検出器はまた、第2先端部と、第1先端部と第2先端部との間の距離を示す信号を、宇宙線相互作用事象によって引き起こされた場合に与えるための回路と、を含む。その他の実施例が記載かつ請求される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)本願は、同じ発明者による「宇宙線検出に応答する装置」という名称の出願(ドケット番号42P18584)と同日に出願される。関連出願および技術分野の部分を除いて2つの出願は同一の明細書および図面を有するが、請求項は異なる。
【0002】
(技術分野)本発明は、集積回路チップのための宇宙線検出器に関する。
【背景技術】
【0003】
地球表面上の通常のバックグラウンド放射線環境は、コンピュータに使用されるメモリチップのような半導体集積回路チップの信頼性に影響を及ぼすことが時々ある電離要素を有する。侵入粒子がチップのpn接合部付近にあると、ソフトエラーすなわち単事象誤動作が誘起されることがあり、これは信号に電圧変化を生じさせ、それゆえ、データのビットに電圧値変化を生じさせる可能性がある。侵入粒子をきっかけとして過剰な電子正孔対が発生する。pn接合部付近の場は、十分に強ければ、これらの電子および正孔を再結合前に分離し、所定の符号の過剰なキャリアを付近のデバイス接触部まで運び去る。この集められた電荷が臨界しきい値を越えるとランダムな信号が登録される。
【0004】
中性子または陽子の形態をとる宇宙粒子は、チップ内のシリコン原子核とランダムに衝突してそのいくつかを破砕し、反跳原子核を含むアルファ粒子およびその他の2次粒子を生成することができる。これらは、極めて高くなり得るエネルギー(とはいっても入射核子のエネルギーよりは低いのは当然である)を有してあらゆる方向に移動することができる。こうして生成されるアルファ粒子の経路は、時にはシリコンを通過して百ミクロンまで延びることがある。電離粒子の飛跡は、チップの関心容積を通過して1ミクロンから数ミクロンまで延び、それをきっかけとして、3.6eV(電子ボルト)のエネルギー損失当たり1対の割合で電子正孔対を生成する。典型的な飛跡は、百万対の正孔および電子に相当する。
【0005】
宇宙線に誘起されたコンピュータの故障が発生しており、デバイス(例えばトランジスタ)のチップにおけるサイズの減少に伴い、その頻度は増加するものと見込まれている。この問題は、次の十年間においてコンピュータ信頼性の主要な制限要因になると予測されている。
【0006】
チップ内の宇宙線相互作用に起因するソフトエラーの数をゼロにするまたは低減するために、様々なアプローチが提案されている。特にデバイスのサイズが減少し続けているので、こうしたアプローチのいずれも完全に成功しているわけではない。
【0007】
別のアプローチは、ある程度はソフトエラーが生じることを受け入れて、全ての計算に冗長性を持たせるようにメモリおよび論理回路を設計するというものである。このアプローチは、より多くのゲートと、寄与冗長要素間の十分な空間的分離とを含み、同じ宇宙線による共通のソフトエラーを防止するというものである。このアプローチは、多数のチップに対しては実用的でない。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、以下に与えられる詳細な説明から、および本発明の実施例の添付の図面から、さらに十分に理解されよう。しかし、これらは、記載の具体的な実施例に本発明を限定するものとしてとらえるべきではなく、説明および理解のみを目的としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
A.チップおよび装置の例
図1を参照すると、チップ20は、入力信号を導体22で受信し、出力信号を出力導体28に与える回路24を含む。回路24は、多種の回路のいずれかを含み、多種の機能のいずれかを実行する。宇宙線検出器26は、チップ20に入る少なくともいくつかの宇宙線を検出する。宇宙線検出器26は、宇宙線検出の表示を回路24に与える。宇宙線検出信号は様々な方法で表示される。例えば、宇宙線検出信号が宇宙線検出器26から回路24までは導体上で論理ハイ電圧である一方で、同じ導体上の論理ロー電圧は宇宙線検出を表示しないが、このことが必須というわけではない。図1には示されない付加的な回路が宇宙線検出器26と回路24との間に存在してもよい。よって、宇宙線検出信号は、宇宙線検出器26と回路24との間で、その形態、状態またはその他の特徴を変化させてよい。用語「宇宙線」は、本明細書で使用されているが、チップ内の信号の電圧を変化させる様々な宇宙線または宇宙粒子を含むように広く解釈されることを意図している。
【0010】
いくつかの実施例において、宇宙線検出器26は、宇宙線とチップまたはチップパッケージとの相互作用の効果を検出することによって宇宙線を間接的に検出するものであり、宇宙線自体を直接的に検出するものではない。その他の実施例においては、宇宙線検出器26は宇宙線を直接的に検出する。いくつかの実施例においては、宇宙線検出器26は、宇宙線を直接的および間接的の両方で検出することができる。検出された宇宙線には、ソフトエラーを引き起こすものもあれば、ソフトエラーを引き起こさないものもあると思われる。宇宙線検出器26には、宇宙線が実際にソフトエラーを引き起こすかどうかはわからない。また、いくつかの宇宙線検出器が、誤って宇宙線を識別し、その誤った識別に応答して宇宙線検出信号を生成することが時には起こる可能性もある。
【0011】
実施例によって、回路24が宇宙線検出信号の受信に応答する方法は様々である。例えば、いくつかの実施例において、回路24は、出力信号を導体28に送信することを一時的に停止する。回路24の内部のいくつかのまたは全ての信号は破棄され、入力信号の少なくともいくつかが回路24によって再び処理される。以下に説明するように、いくつかの実施例において、いくつかの内部信号は破棄されるのではなく、保存されて再使用される。入力信号が再処理された後に、結果的に得られる出力信号が導体28に与えられる。出力信号は、クロック信号による出力信号のクロック処理を阻止することによって、一時的に停止される。いくつかの実施例において、導体28は、一時的に高インピーダンス状態(トライステート状態とも呼ばれる)に置かれるが、このことが必須というわけではない。
【0012】
いくつかの実施例において、宇宙線が検出されると、回路24は当初の状態で再起動される。これは、ソフトエラーは生じないだろうという予測における、新規な種類の投機実行である。ビット値または複数のビットが、チップ動作中の論理処理ユニット付近での宇宙線の事象を記録する。多くの動作に対しては、その動作が終了してその結果が別の論理要素によって使用されているとしても、単数のまたは複数の信号が(潜在的に)エラーを受ける可能性があったという事実を記録すれば十分である。
【0013】
図2は、図1の回路24の例を与えるが、回路24がこうした詳細を含むことが必須というわけではない。図2の例において、回路24は、サブ回路SC1、SC2およびSC3を含む。サブ回路は、非常に単純な回路から、数百万のトランジスタを含む非常に大規模な回路までのいずれの回路でもよい。サブ回路SC1は、入力信号を受信して、それに対して所定の動作を実行して内部信号IS1を生成する。サブ回路SC2は内部信号IS1を受信して、それに応答して内部信号IS2を生成する。サブ回路SC3は、内部信号IS2を受信してそれを出力信号として選択的に導体28に与える出力回路である。サブ回路SC3が出力信号を出力することは、論理32からの出力制御信号によって(例えば、クロック信号による出力信号のクロック処理を阻止することによって)選択的に阻止される。サブ回路SC3は、単純な論理ゲートでもよく、またはより複雑であってもよい。サブ回路は、図示のものに加えて、入力信号および出力信号を受信してもよい。
【0014】
動作中は、通常、宇宙線検出器26は宇宙線を検出せず、宇宙線検出信号は回路24の論理32に適用されない。宇宙線検出信号が受信されない場合、検出された宇宙線ゆえに信号IS32が出力導体28まで移動することを、論理32がサブ回路SC3に阻止させることはない(論理32が出力信号を阻止するのは別の理由もあるのだが)。他方、宇宙線検出信号が受信された場合、論理32は、出力制御信号によって、一時的にサブ回路SC3に内部信号IS2を移動させないようにする。いくつかの実施例において、サブ回路SC3は、IS2が出力されるのに適切になるまで再び有効にされることはない。
【0015】
図2において、サブ回路SC1の内部信号およびSC2の内部信号は、新しい入力が適用されてそれらが変化するだけで破棄される。または、図3に示されるように、論理32がSC1およびSC2に破棄信号を与えることによって内部信号が破棄される。
【0016】
いくつかの実施例において、論理32はまた、入力信号の少なくともいくつかが、回路24にまたはサブ回路のいくつかに再適用されるようにする。これによって、回路24は、以前の信号の状態に基づいて動作する。
【0017】
いくつかの実施例において、入力信号は一時記憶装置に格納されて、一時記憶装置から回路24に再適用されるが、かかる一時記憶装置が全ての実施例に含まれるわけではない。いくつかの実施例において、いくつかの内部信号もまた、再使用のために一時記憶装置に格納される。これらの実施例において、所定の入力信号と内部信号との組み合わせは当初の状態を構成する。例えば、論理32は、回路24に一時記憶装置からの読み取りを行わせることができる。
【0018】
図4は、回路24の一部として一時記憶装置48を備えるチップ40を示す。一時記憶装置48は、レジスタ、SRAM、DRAM、フラッシュまたはその他の種類のメモリを含む。図5は、一時記憶装置48が回路24からさらに分離されてはいるがなおも回路24と同じチップ内にある、チップ50を示す。一時記憶装置が回路24から分離されている利点は、宇宙線が回路24に当たっても一時記憶装置48が回路24から空間的に離れていれば、一時記憶装置48も影響を受ける可能性はより低いという点である。図6は、回路24と、一時記憶装置48を保持する別のチップ66とを含むチップ60を示す。図6には示されない付加的な回路が一時記憶装置48と回路24との間に存在してもよい。
【0019】
例えば、図7は、キャッシュ82からデータおよび命令を受信する回路24を含むチップ80を示す。キャッシュ82は多重キャッシュを表す。図7に示されるように、回路24は、フェッチ回路86、パイプライン88および論理92を含むが、これらの要素が全ての実施例に必須というわけではない。通常の動作において、フェッチ回路86はキャッシュ82から命令をフェッチする。パイプライン88は、フェッチされた命令の少なくともいくつかを実行する。キャッシュ82からのデータは、直接的にまたはフェッチ回路86を介してパイプライン88に与えることができる。宇宙線が検出されると、宇宙線検出信号は、図2の論理32と同一のまたは類似する論理92によって受信される。図7の例において、論理92は、パイプライン88の全てまたは一部をフラッシュしてデータが導体28に出力されるのを阻止する。論理92は、フェッチ回路86にパイプライン88のための命令を再フェッチさせる。パイプライン88もまた、必要に応じて、キャッシュ82からデータを取り出すことができる。宇宙線に起因してパイプライン88のデータまたは命令のいくつかにエラーが導入されても、こうして、データとともに命令を再実行することができる。
【0020】
図8は図7に類似するが、異なるのは、図8のチップ96が、宇宙線検出事象においてパイプライン88によって使用されるべきデータを保持する一時記憶装置48を含む点である。パイプライン88は、命令およびデータを処理している際に、一時記憶装置48に格納することができる、およびいくつかの実施例においてはキャッシュ82にも格納することができる内部データを生成する。宇宙線検出信号が論理92によって検出されると、論理92によって、パイプライン88は、データの少なくともいくつかを一時記憶装置48から必要に応じて取り出すことができる。いくつかの実施例において、キャッシュ82からのいくつかのデータもまた、一時記憶装置48に格納することができる。いくつかの実施例において、一時記憶装置48はまた、キャッシュ82からの少なくともいくつかの命令およびデータを保持することができる。データがエラーを有するかどうかを知るために使用されるエラー検出技術があってもよいが、これが必須というわけではない。
【0021】
当然のことであるが、図示のまたは記載の各チップは、宇宙線検出に応答した再実行の際に使用されることがない様々なデータを一時的に格納する、図示されない様々なメモリを有してもよい。いくつかのメモリは、再実行の際に使用される信号も、再実行の際に使用されない信号も保持してよい。
【0022】
図9は、対応する一時記憶装置TS1、TS2およびTS3を備えた回路C1、回路C2および回路C3を含むチップ100を示す。回路C1は、出力信号Out1を与える。回路C2およびC3は、Out1およびOut2の各々の入力信号と、出力信号Out2およびOut3の各々とを有する。回路はまた、その他の入力信号(例えば、回路C2に入力として示されるものを参照)、およびその他の出力信号(図示せず)を有してもよい。論理32または82に類似する論理が含まれる。3つの宇宙線検出器CRD1、CRD2およびCRD3は異なる位置に存在する。いくつかの実施例において、CRD1は回路C1に最も近く、CRD2は回路C2に最も近く、およびCRD3は回路C3に最も近い。
【0023】
図10において、チップ110は図9のチップ100に類似する。チップ100とチップ110との違いの一つは、チップ110の一時記憶装置TS1、TS2およびTS3がメモリ構造116に組み合わされている点である。対照的に、図9においては、TS1、TS2およびTS3は空間的に分離されている。もう一つの違いは、チップ110においては、CRD1、CRD2およびCRD3の各々が回路C1、C2およびC3の各々に宇宙線検出信号を与える点である。こうする理由は、いくつかの宇宙線検出器が、チップ内の任意の場所から、または、チップのかなり大きな容積から、宇宙線を検出するからである。よって、一つ以上の検出器が所定の宇宙線を検出する。どの宇宙線検出器が宇宙線相互作用に最も近いのかは明確ではない。この場合、全ての回路に事象を知らせることが最も安全である。宇宙線検出器が、検出器においてのみの、または検出器のすぐ近くにおいてのみの相互作用を検出するのであれば、CRD1、CRD2およびCRD3の各々が回路の一つのみに宇宙線検出信号を与えることが好ましい。宇宙線相互作用が発生する場所をさらに正確に決定するために、さらに複雑な回路が使用されてもよい。例えば、所定の三角測量またはタイミング回路を使用してもよいが、これが必須というわけではない。図9においては、宇宙線検出信号は、全ての上流側回路に与えられる。図12においては、宇宙線検出信号は、各回路の一つにのみ適用される。
【0024】
単なる例であるが、図8のキャッシュ82は、メモリ116に含まれる一時記憶装置48を備える図10のC1であってもよい。図8は、図9に示されるように、キャッシュ82およびパイプライン88に対して異なる一時記憶装置を有してもよい。
【0025】
図11はチップ120および128を示す。回路24は、チップ128の回路134に出力信号を与える。さらに、回路24は、チップ128の宇宙線応答回路130に宇宙線事象信号を選択的に与える。宇宙線事象信号は、宇宙線が検出されて回路24からの出力信号に潜在的なエラーがもたらされたかもしれないことを示す。宇宙線応答回路130は、チップ120からの出力信号の潜在的なエラーをどうするべきかを決定する。例えば、いくつかの実施例において、宇宙線応答回路130によって、回路134は、入力信号を無視してチップ120からの新たな(再処理された)出力信号を待つ。回路130は、別の出力信号を再処理して送信するようにチップ120に要求してもよい。その他の実施例では、宇宙線応答回路130によって、回路134は、入力信号に関する様々なテストが成功した場合は入力信号を受け入れ、そうでない場合は入力信号を無視して新たな入力信号を待つことができる。
【0026】
図24を参照すると、図11の宇宙線応答回路130は、出力信号のエラーを検出して訂正するためのエラー検出訂正回路302を含む。エラーは、ソフトエラー、またはソフトエラーによって引き起こされたその他のエラーである。宇宙線事象信号がない場合(またはそれが断定できない場合)、(チップ120からの出力である)入力信号は、回路134を通過する。宇宙線事象信号がある場合、できればエラーが検出され、かつ、できれば訂正される。図25を参照すると、回路24および(その回路)は、エラー検出訂正回路306を含む。この点において、応答は、信号を再処理すべきものではなく、エラーを検出訂正すべきものである。当然のことであるが、多くの場合は、エラーを検出および/または訂正することができないかもしれないので、再処理することが宇宙線検出に対する所定の応答となる。よって、いくつかの実施例において、回路24および130は、エラー検出またはエラー訂正の回路を有していない。
【0027】
回路24と回路134との間に付加的な回路(図示せず)があってもよく、回路24と宇宙線応答回路130との間に付加的な回路(図示せず)があってもよい。よって、出力信号および宇宙線事象信号は、形態、状態またはその他の特性が変化してよい。さらに、出力信号および宇宙線事象信号は、並列または直列の形態で同じ導体上で時間多重化またはパケット化されてよい。
【0028】
図12は、本発明のいくつかの実施例に係るチップ140の詳細を示すが、その他の実施例がこの詳細を含むというわけではない。図12を参照すると、チップ140は、図9のチップ100に類似する。しかし、回路C3は、単数または複数の導体148上に宇宙線事象信号を選択的に与える。宇宙線事象信号は、チップ140に関連する宇宙線が検出されたことを示す。チップ140はまた、回路C1からC2へ宇宙線事象信号を与える単数または複数の導体144と、回路C2からC3へ宇宙線事象信号を与える単数または複数の導体146とを含む。いくつかの実施例において、単数または複数の導体144上の宇宙線事象信号は、単数または複数の導体150から直接的にもたらされるが、その他の実施例においては間接的である。いくつかの実施例において、単数または複数の導体146上の宇宙線事象信号は、単数または複数の導体144または152から直接的にもたらされるが、その他の実施例においては間接的である。いくつかの実施例において、単数または複数の導体148上の宇宙線事象信号は、単数または複数の導体146または154から直接的にもたらされるが、その他の実施例においては間接的である。
【0029】
異なる実施例においては、宇宙線検出器は異なる位置に配置される。例えば、図13は、活性シリコン領域170を基板172(これもまたシリコンでよい)上に備えるチップを示す。宇宙線検出器CRD1およびCRD2は、シリコンの活性領域内に形成される。図14においては、宇宙線検出器CRD1およびCRD2は、活性シリコン領域180を支持する基板182内に形成される。図15においては、宇宙線検出器CRD1およびCRD2は、活性シリコン領域180が形成された基板192を支持するパッケージ196内に形成される。発明は、これらの詳細に制限されるわけではない。図13から19および21のチップは、(例えばフリップチップ配置で)反転されてよい。図15においては、CRD1およびCRD2は、活性シリコン180の反対側に置かれる。すなわち、図15は、CRD1およびCRD2を、図15に示されるような活性シリコン204の下方ではなく上方になるように変更してもよい(ここで「上方」および「下方」は必ずしも重力の方向とは限らない)。
【0030】
チップに対して唯一の宇宙線検出器がある実施例もあれば、多数の検出器を含む一つ以上の検出器がある実施例もある。
【0031】
宇宙線検出器は、チップの相対的サイズに対して図示のものよりも大きくても小さくてもよい。実際、図面は全て本質的に模式的であり、図面内の要素の実際のまたは相対的なサイズを示すことを意図するものではない。
【0032】
異なる実施例においては、宇宙線検出器は、チップの頂面または底面に対して異なる配向となる。宇宙線検出器は、頂面および底面に対して平行または垂直であってよく、またはそれらに対してその他の角度であってもよい。
【0033】
本明細書に記載されるチップは、シリコン基板上に製造されてもよく、または、ガリウムひ素チップのようなその他のタイプのチップであってもよい。様々なタイプの製造加工機が使用されてよい。チップは、製造技術の発展に伴い図示のものとは異なる特性を有するかもしれないが、本発明の原理はなおも適用される。
【0034】
B.宇宙線検出器
現在入手可能な、およびこれから作られる、様々なタイプの宇宙線検出器が使用される。現行の集積回路チップは、全ての活性要素を含み厚さが恐らく1ミクロンに過ぎないシリコンの上部層を有する。ナノテクノロジの進歩に伴い、作動厚さは減少すると考えられる。ソフトエラーを引き起こす宇宙線は、結果的にシリコン原子核を分裂させ、百ミクロンのオーダの長さの飛跡にわたり破片を電離しようとする。次に放出されるエネルギーは、数百万電子ボルトとなり、最終的な生成物は、各粒子に対して数電子ボルトのエネルギーを典型的に備える数百万の電子正孔対となる。様々なタイプの宇宙線検出器が、これらの電子正孔対を検出する。
【0035】
異なる実施例において、宇宙線検出器は、電気的、光学的、機械的もしくは音響的な要素、または、電気的、光学的、機械的もしくは音響的な要素の一つ以上の組み合わせを含む。いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、電気的、光学的、機械的または音響的ではない要素を含んでよい。
【0036】
いくつかの実施例において、宇宙線検出器は宇宙線の破片の経路を検出する。いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、電荷を集めるための大きな分散したpn接合部を含む。いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、ダイヤモンド熱拡散材のような、いくつかの光学的に透明な支持絶縁体内に埋め込まれた光学的な宇宙線検出器を含む。例えば、百万の電子正孔対は、多数の再結合光子を生成する。いくつかの実施例において、シンチレータパネル(荷電粒子がこれを透過すると微小な閃光(光子)を発する)、シンチレータからの光を方向付けるための光導波路、および光子検出器が使用される。
【0037】
いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、一連のマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)を含む。MEMS宇宙線検出器は、非常に微小な大きさの機械的要素、センサ、アクチュエータおよび電子部品の集合体である。宇宙線検出器は先端部またはその他のひずみ検出器を含み、基板を通じて伝播する音波によって原子核衝突からの衝撃波を検出する。
【0038】
なお、宇宙線がシリコン原子核を破砕すると、約10MeV(メガ電子ボルト)すなわち1pJ(ピコジュール)のエネルギーが1ナノ秒よりも短い時間に放出される。電子と正孔とが再結合した後、正味の宇宙線エネルギーが、衝撃領域から広がる局所的加熱または一群のフォノンの形態で現れる。再結合がナノ秒程度のうちに発生することを仮定し、約10Km/sec(キロメートル/秒)という格子内のフォノンの速度を考慮すると、宇宙線が、0.01mm(ミリメートル)の厚さのオーダの波面を備えた激しい音波に変換されたことがわかる。音源から5mmの距離においては、この波形は、0.3mW/cm2(ミリワット/平方センチメートル)のピーク音響出力密度を生成する。波長の2乗のアパチャにわたり、0.3nW(ナノワット)のピーク出力が受信される。この信号(1/ns)(ナノ秒)のギガヘルツ帯域幅に対しては、熱雑音は約10−11ワットになる。したがって、この波形に対しては、非常に大きな信号対雑音となる。回路のスイッチングに起因するその他の雑音源が存在するかもしれないが、この形態の加熱の形跡は大きく異なる。なお、具体的な例においては、実際の数字が変化することがある。
【0039】
非常に敏感なひずみ宇宙線検出器をカンチレバーに組み込むことによって、高速な音響宇宙線検出器を作ることができる。一つの可能性は、走査型トンネル顕微鏡(STM)構造をカンチレバーに組み込むことである。STM構造は、原子直径の1万分の1もの微小な変位を検出することができる。いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、遅い音波には応答しない非常に微小なカンチレバーを含む。カンチレバーは、0.01mmのオーダの長さであれば、宇宙線事象の急峻な波形に最適に応答する。さらに大きなまたは小さなカンチレバーは、このサイズの外乱を無視する。しかし、カンチレバーの所望の長さは様々な要因に応じて変化する。カンチレバーの剛性またはその他の特性が所望の長さに影響し、所望の動きを達成するべく選択される。カンチレバーの第1の共振または応答周波数は、宇宙線から予測される優位周波数に整合される。(当然ながら、いくつかの実施例においては、宇宙線検出器はカンチレバーを含まない。)
【0040】
いくつかの実施例において、単数または複数の宇宙線検出器は、宇宙線事象から予測される音響波形にチューニングされた一つ以上のMEMS構造を含む。STM構造先端部は、極めて敏感な音波のひずみ検出を与えることができる。
【0041】
事象全体が、1ナノ秒よりも短い時間でそのエネルギーを放出する。したがって、ソフトエラーの単数または複数のビットは、計算がはるかに進行してしまう前に設定することができる。ソフトエラーの単数または複数のビットは、使用される場合、論理32および論理82に存在する。
【0042】
図16は、カンチレバー212、STM構造先端部204およびエッチングされたシリコン先端部218を含む宇宙線検出器206を備えるチップ202を示す。宇宙線火球220は、活性シリコン204付近の基板208における宇宙線とシリコンとの相互作用を表す。相互作用に応答して、波がSTM構造先端部214と先端部218との間の距離に変化を及ぼす。この変化が検出されて、宇宙線によって引き起こされたものとして解釈される。オプションとしての増幅器216が、宇宙線検出器206と活性シリコン204との間に示される。実際には、増幅器216は、宇宙線検出器206の一部、活性シリコン204の一部、またはそれらの間に存在する。簡便のため、増幅器216および宇宙線火球220はその他の図面には示されない。
【0043】
図17はチップ222を示す。これは、図16のチップ202に類似するが、宇宙線検出器206がサポート232によって支持されたチャンバ234内に存在するようにチップの方向が反転された点が異なる。
【0044】
図18はチップ232を示す。これは、図17のチップ222に類似するが、図17に示されるよりもチャンバ234が活性シリコン204に近づいている点が異なる。
【0045】
図19は、パッケージ246内にあるチップ242およびチャンバ234を示す。宇宙線検出器206は、活性シリコン204の反対側に置かれる。すなわち、図19は、宇宙線検出器206を、図19に示されるような活性シリコン204の上方ではなく下方になるように変更してもよい(ここで「上方」および「下方」は必ずしも重力の方向とは限らない)。
【0046】
図20は、宇宙線検出器206のいくつかの実施例に含まれるが全ての実施例に必須というわけではない、電流測定回路250を示す。電流測定回路250は、先端部214および218間の電流の変化を検出する。この電流は、先端部間の距離が変化するにつれて変化し得る。いくつかの実施例において、電流測定回路250は、電流の突然の変化を検出して、それに応答して増幅器216に信号を与える。別の実施例において、電流測定回路250は、電流が所定のしきい量よりも上がるまたは下がるときを検出する。その他の可能性も存在する。
【0047】
図21は、カンチレバー274およびひずみゲージ272を備える宇宙線検出器270を有するチップ262を示す。宇宙線相互作用事象に応答して、ひずみゲージ272が曲がる。曲がり検出回路278が、ひずみゲージ272の曲がりが宇宙線相互作用事象によって引き起こされたタイプのものかどうかを決定する。増幅器もまた存在する。曲がり検出回路278は、基板266内に示されているが、カンチレバーに隣接しても、活性シリコン204内でも、または基板266内でもよい。宇宙線検出器270は、例えば図17−19に示されるようなその他の場所に存在してもよい。
【0048】
図22および23は、宇宙線検出器CRD1、CRD2およびCRD3に関するチップ282および286を示す。図23における宇宙線検出器は、図22におけるよりも小さい。宇宙線検出器は、チップのサイズに対して示されるよりも、実際には大きいかまたは小さい。検出器は、十分に小さければ、活性シリコン内に経済的に配置される。宇宙線検出器は、活性シリコンの中、上もしくは下、またはパッケージの中に存在してよい。なお、いくつかの宇宙線検出器は、宇宙線検出器から著しく離れた宇宙線相互作用事象を検出することができる。4つよりも多いかまたは少ない検出器が使用されてよい。図22および23の宇宙線検出器は、カンチレバーを有する検出器、電荷を集めるべく分散されたpn接合部を有する検出器、および光センサを有する検出器を含む記載のまたは図示の宇宙線検出器のいずれかを表す。
【0049】
異なる実施例において、宇宙線検出器は、チップの頂面および底面に対して異なる向きで存在する。宇宙線検出器は、頂面および底面に対して平行または垂直であってよく、またはそれらに対してその他の角度であってもよい。
【0050】
C.付加的情報
宇宙線相互作用および検出に関して上述した様々な数字および詳細は正しいものと考えられるが、様々な理由に起因する近似または誤りに過ぎないかもしれない。しかし、本発明の原理はなおも適用される。
【0051】
図13−19および22において、活性シリコン領域は、基板全体にわたっているようには示されていない。しかし、活性シリコン領域は、基板全体にわたって、または、図示よりも大きいかもしくは小さく広がっていてもよい。
【0052】
宇宙線検出器は、チップに無線を使って結合されてもよい。
【0053】
用語「第1回路」が請求項で使用されている場合、必ずしも第2回路が存在することが当てはまるとは限らないが、そうであってもよい。
【0054】
実施例は、本発明の実施または例示である。本明細書における「実施例」、「一つの実施例」、「いくつかの実施例」または「その他の実施例」への参照は、実施例に関連して記載される具体的な特徴、構造または特性が、本発明の少なくともいくつかの実施例に含まれるが必ずしも全ての実施例に含まれるわけではないことを意図している。「実施例」、「一つの実施例」または「いくつかの実施例」が様々に現れているが、これは必ずしも全てが同じ実施例を参照しているわけではない。
【0055】
本明細書が、要素、特徴、構造または特性が含まれ「てもよい」、「ることができる」または「るかもしれない」と述べていても、その具体的な要素、特徴、構造または特性が含まれることが必須なわけではない。本明細書または請求項が「一つの」または「単数の」要素を言及していても、それは、要素が一つしか存在しないことを意図するわけではない。本明細書または請求項が「付加的な」要素を言及していても、それは、付加的な要素が一つ以上存在することを排除するものではない。
【0056】
本発明は、本明細書に記載の具体的な詳細に制限されるものではない。実際、上述の記載および図面のその他の多くの変形例を、本発明の範囲内でなすことが可能である。このため、なんらかの補正を含む以下の請求項が、本発明の範囲を画定する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のいくつかの実施例に係る回路および宇宙線検出器を有するチップを含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明のいくつかの実施例に係る図1のチップの回路を示す模式的なブロック図である。
【図3】本発明のいくつかの実施例に係る図1のチップの回路を示す模式的なブロック図である。
【図4】本発明のいくつかの実施例に係るチップの模式的なブロック図である。
【図5】本発明のいくつかの実施例に係るチップの模式的なブロック図である。
【図6】本発明のいくつかの実施例に係る2つのチップを備える装置である。
【図7】本発明のいくつかの実施例に係るチップを示す模式的なブロック図である。
【図8】本発明のいくつかの実施例に係るチップを示す模式的なブロック図である。
【図9】本発明のいくつかの実施例に係るチップおよび3つの宇宙線検出器を含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図10】本発明のいくつかの実施例に係るチップおよび3つの宇宙線検出器を含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図11】本発明のいくつかの実施例に係る複数のチップおよび単数の宇宙線検出器を含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図12】本発明のいくつかの実施例に係るチップおよび3つの宇宙線検出器を含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図13】本発明のいくつかの実施例に係る2つの宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図14】本発明のいくつかの実施例に係る2つの宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図15】本発明のいくつかの実施例に係る2つの宇宙線検出器を含むチップとパッケージの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図16】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図17】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図18】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図19】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップおよびパッケージの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図20】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器、電流測定回路および増幅器を示す模式的なブロック図である。
【図21】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図22】本発明のいくつかの実施例に係る複数の宇宙線検出器に関するチップを示す模式的なブロック図である。
【図23】本発明のいくつかの実施例に係る複数の宇宙線検出器に関するチップを示す模式的なブロック図である。
【図24】本発明のいくつかの実施例に従って使用される複数の回路を示す模式的なブロック図である。
【図25】本発明のいくつかの実施例に従って使用される複数の回路を示す模式的なブロック図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願)本願は、同じ発明者による「宇宙線検出に応答する装置」という名称の出願(ドケット番号42P18584)と同日に出願される。関連出願および技術分野の部分を除いて2つの出願は同一の明細書および図面を有するが、請求項は異なる。
【0002】
(技術分野)本発明は、集積回路チップのための宇宙線検出器に関する。
【背景技術】
【0003】
地球表面上の通常のバックグラウンド放射線環境は、コンピュータに使用されるメモリチップのような半導体集積回路チップの信頼性に影響を及ぼすことが時々ある電離要素を有する。侵入粒子がチップのpn接合部付近にあると、ソフトエラーすなわち単事象誤動作が誘起されることがあり、これは信号に電圧変化を生じさせ、それゆえ、データのビットに電圧値変化を生じさせる可能性がある。侵入粒子をきっかけとして過剰な電子正孔対が発生する。pn接合部付近の場は、十分に強ければ、これらの電子および正孔を再結合前に分離し、所定の符号の過剰なキャリアを付近のデバイス接触部まで運び去る。この集められた電荷が臨界しきい値を越えるとランダムな信号が登録される。
【0004】
中性子または陽子の形態をとる宇宙粒子は、チップ内のシリコン原子核とランダムに衝突してそのいくつかを破砕し、反跳原子核を含むアルファ粒子およびその他の2次粒子を生成することができる。これらは、極めて高くなり得るエネルギー(とはいっても入射核子のエネルギーよりは低いのは当然である)を有してあらゆる方向に移動することができる。こうして生成されるアルファ粒子の経路は、時にはシリコンを通過して百ミクロンまで延びることがある。電離粒子の飛跡は、チップの関心容積を通過して1ミクロンから数ミクロンまで延び、それをきっかけとして、3.6eV(電子ボルト)のエネルギー損失当たり1対の割合で電子正孔対を生成する。典型的な飛跡は、百万対の正孔および電子に相当する。
【0005】
宇宙線に誘起されたコンピュータの故障が発生しており、デバイス(例えばトランジスタ)のチップにおけるサイズの減少に伴い、その頻度は増加するものと見込まれている。この問題は、次の十年間においてコンピュータ信頼性の主要な制限要因になると予測されている。
【0006】
チップ内の宇宙線相互作用に起因するソフトエラーの数をゼロにするまたは低減するために、様々なアプローチが提案されている。特にデバイスのサイズが減少し続けているので、こうしたアプローチのいずれも完全に成功しているわけではない。
【0007】
別のアプローチは、ある程度はソフトエラーが生じることを受け入れて、全ての計算に冗長性を持たせるようにメモリおよび論理回路を設計するというものである。このアプローチは、より多くのゲートと、寄与冗長要素間の十分な空間的分離とを含み、同じ宇宙線による共通のソフトエラーを防止するというものである。このアプローチは、多数のチップに対しては実用的でない。
【発明の開示】
【0008】
本発明は、以下に与えられる詳細な説明から、および本発明の実施例の添付の図面から、さらに十分に理解されよう。しかし、これらは、記載の具体的な実施例に本発明を限定するものとしてとらえるべきではなく、説明および理解のみを目的としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
A.チップおよび装置の例
図1を参照すると、チップ20は、入力信号を導体22で受信し、出力信号を出力導体28に与える回路24を含む。回路24は、多種の回路のいずれかを含み、多種の機能のいずれかを実行する。宇宙線検出器26は、チップ20に入る少なくともいくつかの宇宙線を検出する。宇宙線検出器26は、宇宙線検出の表示を回路24に与える。宇宙線検出信号は様々な方法で表示される。例えば、宇宙線検出信号が宇宙線検出器26から回路24までは導体上で論理ハイ電圧である一方で、同じ導体上の論理ロー電圧は宇宙線検出を表示しないが、このことが必須というわけではない。図1には示されない付加的な回路が宇宙線検出器26と回路24との間に存在してもよい。よって、宇宙線検出信号は、宇宙線検出器26と回路24との間で、その形態、状態またはその他の特徴を変化させてよい。用語「宇宙線」は、本明細書で使用されているが、チップ内の信号の電圧を変化させる様々な宇宙線または宇宙粒子を含むように広く解釈されることを意図している。
【0010】
いくつかの実施例において、宇宙線検出器26は、宇宙線とチップまたはチップパッケージとの相互作用の効果を検出することによって宇宙線を間接的に検出するものであり、宇宙線自体を直接的に検出するものではない。その他の実施例においては、宇宙線検出器26は宇宙線を直接的に検出する。いくつかの実施例においては、宇宙線検出器26は、宇宙線を直接的および間接的の両方で検出することができる。検出された宇宙線には、ソフトエラーを引き起こすものもあれば、ソフトエラーを引き起こさないものもあると思われる。宇宙線検出器26には、宇宙線が実際にソフトエラーを引き起こすかどうかはわからない。また、いくつかの宇宙線検出器が、誤って宇宙線を識別し、その誤った識別に応答して宇宙線検出信号を生成することが時には起こる可能性もある。
【0011】
実施例によって、回路24が宇宙線検出信号の受信に応答する方法は様々である。例えば、いくつかの実施例において、回路24は、出力信号を導体28に送信することを一時的に停止する。回路24の内部のいくつかのまたは全ての信号は破棄され、入力信号の少なくともいくつかが回路24によって再び処理される。以下に説明するように、いくつかの実施例において、いくつかの内部信号は破棄されるのではなく、保存されて再使用される。入力信号が再処理された後に、結果的に得られる出力信号が導体28に与えられる。出力信号は、クロック信号による出力信号のクロック処理を阻止することによって、一時的に停止される。いくつかの実施例において、導体28は、一時的に高インピーダンス状態(トライステート状態とも呼ばれる)に置かれるが、このことが必須というわけではない。
【0012】
いくつかの実施例において、宇宙線が検出されると、回路24は当初の状態で再起動される。これは、ソフトエラーは生じないだろうという予測における、新規な種類の投機実行である。ビット値または複数のビットが、チップ動作中の論理処理ユニット付近での宇宙線の事象を記録する。多くの動作に対しては、その動作が終了してその結果が別の論理要素によって使用されているとしても、単数のまたは複数の信号が(潜在的に)エラーを受ける可能性があったという事実を記録すれば十分である。
【0013】
図2は、図1の回路24の例を与えるが、回路24がこうした詳細を含むことが必須というわけではない。図2の例において、回路24は、サブ回路SC1、SC2およびSC3を含む。サブ回路は、非常に単純な回路から、数百万のトランジスタを含む非常に大規模な回路までのいずれの回路でもよい。サブ回路SC1は、入力信号を受信して、それに対して所定の動作を実行して内部信号IS1を生成する。サブ回路SC2は内部信号IS1を受信して、それに応答して内部信号IS2を生成する。サブ回路SC3は、内部信号IS2を受信してそれを出力信号として選択的に導体28に与える出力回路である。サブ回路SC3が出力信号を出力することは、論理32からの出力制御信号によって(例えば、クロック信号による出力信号のクロック処理を阻止することによって)選択的に阻止される。サブ回路SC3は、単純な論理ゲートでもよく、またはより複雑であってもよい。サブ回路は、図示のものに加えて、入力信号および出力信号を受信してもよい。
【0014】
動作中は、通常、宇宙線検出器26は宇宙線を検出せず、宇宙線検出信号は回路24の論理32に適用されない。宇宙線検出信号が受信されない場合、検出された宇宙線ゆえに信号IS32が出力導体28まで移動することを、論理32がサブ回路SC3に阻止させることはない(論理32が出力信号を阻止するのは別の理由もあるのだが)。他方、宇宙線検出信号が受信された場合、論理32は、出力制御信号によって、一時的にサブ回路SC3に内部信号IS2を移動させないようにする。いくつかの実施例において、サブ回路SC3は、IS2が出力されるのに適切になるまで再び有効にされることはない。
【0015】
図2において、サブ回路SC1の内部信号およびSC2の内部信号は、新しい入力が適用されてそれらが変化するだけで破棄される。または、図3に示されるように、論理32がSC1およびSC2に破棄信号を与えることによって内部信号が破棄される。
【0016】
いくつかの実施例において、論理32はまた、入力信号の少なくともいくつかが、回路24にまたはサブ回路のいくつかに再適用されるようにする。これによって、回路24は、以前の信号の状態に基づいて動作する。
【0017】
いくつかの実施例において、入力信号は一時記憶装置に格納されて、一時記憶装置から回路24に再適用されるが、かかる一時記憶装置が全ての実施例に含まれるわけではない。いくつかの実施例において、いくつかの内部信号もまた、再使用のために一時記憶装置に格納される。これらの実施例において、所定の入力信号と内部信号との組み合わせは当初の状態を構成する。例えば、論理32は、回路24に一時記憶装置からの読み取りを行わせることができる。
【0018】
図4は、回路24の一部として一時記憶装置48を備えるチップ40を示す。一時記憶装置48は、レジスタ、SRAM、DRAM、フラッシュまたはその他の種類のメモリを含む。図5は、一時記憶装置48が回路24からさらに分離されてはいるがなおも回路24と同じチップ内にある、チップ50を示す。一時記憶装置が回路24から分離されている利点は、宇宙線が回路24に当たっても一時記憶装置48が回路24から空間的に離れていれば、一時記憶装置48も影響を受ける可能性はより低いという点である。図6は、回路24と、一時記憶装置48を保持する別のチップ66とを含むチップ60を示す。図6には示されない付加的な回路が一時記憶装置48と回路24との間に存在してもよい。
【0019】
例えば、図7は、キャッシュ82からデータおよび命令を受信する回路24を含むチップ80を示す。キャッシュ82は多重キャッシュを表す。図7に示されるように、回路24は、フェッチ回路86、パイプライン88および論理92を含むが、これらの要素が全ての実施例に必須というわけではない。通常の動作において、フェッチ回路86はキャッシュ82から命令をフェッチする。パイプライン88は、フェッチされた命令の少なくともいくつかを実行する。キャッシュ82からのデータは、直接的にまたはフェッチ回路86を介してパイプライン88に与えることができる。宇宙線が検出されると、宇宙線検出信号は、図2の論理32と同一のまたは類似する論理92によって受信される。図7の例において、論理92は、パイプライン88の全てまたは一部をフラッシュしてデータが導体28に出力されるのを阻止する。論理92は、フェッチ回路86にパイプライン88のための命令を再フェッチさせる。パイプライン88もまた、必要に応じて、キャッシュ82からデータを取り出すことができる。宇宙線に起因してパイプライン88のデータまたは命令のいくつかにエラーが導入されても、こうして、データとともに命令を再実行することができる。
【0020】
図8は図7に類似するが、異なるのは、図8のチップ96が、宇宙線検出事象においてパイプライン88によって使用されるべきデータを保持する一時記憶装置48を含む点である。パイプライン88は、命令およびデータを処理している際に、一時記憶装置48に格納することができる、およびいくつかの実施例においてはキャッシュ82にも格納することができる内部データを生成する。宇宙線検出信号が論理92によって検出されると、論理92によって、パイプライン88は、データの少なくともいくつかを一時記憶装置48から必要に応じて取り出すことができる。いくつかの実施例において、キャッシュ82からのいくつかのデータもまた、一時記憶装置48に格納することができる。いくつかの実施例において、一時記憶装置48はまた、キャッシュ82からの少なくともいくつかの命令およびデータを保持することができる。データがエラーを有するかどうかを知るために使用されるエラー検出技術があってもよいが、これが必須というわけではない。
【0021】
当然のことであるが、図示のまたは記載の各チップは、宇宙線検出に応答した再実行の際に使用されることがない様々なデータを一時的に格納する、図示されない様々なメモリを有してもよい。いくつかのメモリは、再実行の際に使用される信号も、再実行の際に使用されない信号も保持してよい。
【0022】
図9は、対応する一時記憶装置TS1、TS2およびTS3を備えた回路C1、回路C2および回路C3を含むチップ100を示す。回路C1は、出力信号Out1を与える。回路C2およびC3は、Out1およびOut2の各々の入力信号と、出力信号Out2およびOut3の各々とを有する。回路はまた、その他の入力信号(例えば、回路C2に入力として示されるものを参照)、およびその他の出力信号(図示せず)を有してもよい。論理32または82に類似する論理が含まれる。3つの宇宙線検出器CRD1、CRD2およびCRD3は異なる位置に存在する。いくつかの実施例において、CRD1は回路C1に最も近く、CRD2は回路C2に最も近く、およびCRD3は回路C3に最も近い。
【0023】
図10において、チップ110は図9のチップ100に類似する。チップ100とチップ110との違いの一つは、チップ110の一時記憶装置TS1、TS2およびTS3がメモリ構造116に組み合わされている点である。対照的に、図9においては、TS1、TS2およびTS3は空間的に分離されている。もう一つの違いは、チップ110においては、CRD1、CRD2およびCRD3の各々が回路C1、C2およびC3の各々に宇宙線検出信号を与える点である。こうする理由は、いくつかの宇宙線検出器が、チップ内の任意の場所から、または、チップのかなり大きな容積から、宇宙線を検出するからである。よって、一つ以上の検出器が所定の宇宙線を検出する。どの宇宙線検出器が宇宙線相互作用に最も近いのかは明確ではない。この場合、全ての回路に事象を知らせることが最も安全である。宇宙線検出器が、検出器においてのみの、または検出器のすぐ近くにおいてのみの相互作用を検出するのであれば、CRD1、CRD2およびCRD3の各々が回路の一つのみに宇宙線検出信号を与えることが好ましい。宇宙線相互作用が発生する場所をさらに正確に決定するために、さらに複雑な回路が使用されてもよい。例えば、所定の三角測量またはタイミング回路を使用してもよいが、これが必須というわけではない。図9においては、宇宙線検出信号は、全ての上流側回路に与えられる。図12においては、宇宙線検出信号は、各回路の一つにのみ適用される。
【0024】
単なる例であるが、図8のキャッシュ82は、メモリ116に含まれる一時記憶装置48を備える図10のC1であってもよい。図8は、図9に示されるように、キャッシュ82およびパイプライン88に対して異なる一時記憶装置を有してもよい。
【0025】
図11はチップ120および128を示す。回路24は、チップ128の回路134に出力信号を与える。さらに、回路24は、チップ128の宇宙線応答回路130に宇宙線事象信号を選択的に与える。宇宙線事象信号は、宇宙線が検出されて回路24からの出力信号に潜在的なエラーがもたらされたかもしれないことを示す。宇宙線応答回路130は、チップ120からの出力信号の潜在的なエラーをどうするべきかを決定する。例えば、いくつかの実施例において、宇宙線応答回路130によって、回路134は、入力信号を無視してチップ120からの新たな(再処理された)出力信号を待つ。回路130は、別の出力信号を再処理して送信するようにチップ120に要求してもよい。その他の実施例では、宇宙線応答回路130によって、回路134は、入力信号に関する様々なテストが成功した場合は入力信号を受け入れ、そうでない場合は入力信号を無視して新たな入力信号を待つことができる。
【0026】
図24を参照すると、図11の宇宙線応答回路130は、出力信号のエラーを検出して訂正するためのエラー検出訂正回路302を含む。エラーは、ソフトエラー、またはソフトエラーによって引き起こされたその他のエラーである。宇宙線事象信号がない場合(またはそれが断定できない場合)、(チップ120からの出力である)入力信号は、回路134を通過する。宇宙線事象信号がある場合、できればエラーが検出され、かつ、できれば訂正される。図25を参照すると、回路24および(その回路)は、エラー検出訂正回路306を含む。この点において、応答は、信号を再処理すべきものではなく、エラーを検出訂正すべきものである。当然のことであるが、多くの場合は、エラーを検出および/または訂正することができないかもしれないので、再処理することが宇宙線検出に対する所定の応答となる。よって、いくつかの実施例において、回路24および130は、エラー検出またはエラー訂正の回路を有していない。
【0027】
回路24と回路134との間に付加的な回路(図示せず)があってもよく、回路24と宇宙線応答回路130との間に付加的な回路(図示せず)があってもよい。よって、出力信号および宇宙線事象信号は、形態、状態またはその他の特性が変化してよい。さらに、出力信号および宇宙線事象信号は、並列または直列の形態で同じ導体上で時間多重化またはパケット化されてよい。
【0028】
図12は、本発明のいくつかの実施例に係るチップ140の詳細を示すが、その他の実施例がこの詳細を含むというわけではない。図12を参照すると、チップ140は、図9のチップ100に類似する。しかし、回路C3は、単数または複数の導体148上に宇宙線事象信号を選択的に与える。宇宙線事象信号は、チップ140に関連する宇宙線が検出されたことを示す。チップ140はまた、回路C1からC2へ宇宙線事象信号を与える単数または複数の導体144と、回路C2からC3へ宇宙線事象信号を与える単数または複数の導体146とを含む。いくつかの実施例において、単数または複数の導体144上の宇宙線事象信号は、単数または複数の導体150から直接的にもたらされるが、その他の実施例においては間接的である。いくつかの実施例において、単数または複数の導体146上の宇宙線事象信号は、単数または複数の導体144または152から直接的にもたらされるが、その他の実施例においては間接的である。いくつかの実施例において、単数または複数の導体148上の宇宙線事象信号は、単数または複数の導体146または154から直接的にもたらされるが、その他の実施例においては間接的である。
【0029】
異なる実施例においては、宇宙線検出器は異なる位置に配置される。例えば、図13は、活性シリコン領域170を基板172(これもまたシリコンでよい)上に備えるチップを示す。宇宙線検出器CRD1およびCRD2は、シリコンの活性領域内に形成される。図14においては、宇宙線検出器CRD1およびCRD2は、活性シリコン領域180を支持する基板182内に形成される。図15においては、宇宙線検出器CRD1およびCRD2は、活性シリコン領域180が形成された基板192を支持するパッケージ196内に形成される。発明は、これらの詳細に制限されるわけではない。図13から19および21のチップは、(例えばフリップチップ配置で)反転されてよい。図15においては、CRD1およびCRD2は、活性シリコン180の反対側に置かれる。すなわち、図15は、CRD1およびCRD2を、図15に示されるような活性シリコン204の下方ではなく上方になるように変更してもよい(ここで「上方」および「下方」は必ずしも重力の方向とは限らない)。
【0030】
チップに対して唯一の宇宙線検出器がある実施例もあれば、多数の検出器を含む一つ以上の検出器がある実施例もある。
【0031】
宇宙線検出器は、チップの相対的サイズに対して図示のものよりも大きくても小さくてもよい。実際、図面は全て本質的に模式的であり、図面内の要素の実際のまたは相対的なサイズを示すことを意図するものではない。
【0032】
異なる実施例においては、宇宙線検出器は、チップの頂面または底面に対して異なる配向となる。宇宙線検出器は、頂面および底面に対して平行または垂直であってよく、またはそれらに対してその他の角度であってもよい。
【0033】
本明細書に記載されるチップは、シリコン基板上に製造されてもよく、または、ガリウムひ素チップのようなその他のタイプのチップであってもよい。様々なタイプの製造加工機が使用されてよい。チップは、製造技術の発展に伴い図示のものとは異なる特性を有するかもしれないが、本発明の原理はなおも適用される。
【0034】
B.宇宙線検出器
現在入手可能な、およびこれから作られる、様々なタイプの宇宙線検出器が使用される。現行の集積回路チップは、全ての活性要素を含み厚さが恐らく1ミクロンに過ぎないシリコンの上部層を有する。ナノテクノロジの進歩に伴い、作動厚さは減少すると考えられる。ソフトエラーを引き起こす宇宙線は、結果的にシリコン原子核を分裂させ、百ミクロンのオーダの長さの飛跡にわたり破片を電離しようとする。次に放出されるエネルギーは、数百万電子ボルトとなり、最終的な生成物は、各粒子に対して数電子ボルトのエネルギーを典型的に備える数百万の電子正孔対となる。様々なタイプの宇宙線検出器が、これらの電子正孔対を検出する。
【0035】
異なる実施例において、宇宙線検出器は、電気的、光学的、機械的もしくは音響的な要素、または、電気的、光学的、機械的もしくは音響的な要素の一つ以上の組み合わせを含む。いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、電気的、光学的、機械的または音響的ではない要素を含んでよい。
【0036】
いくつかの実施例において、宇宙線検出器は宇宙線の破片の経路を検出する。いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、電荷を集めるための大きな分散したpn接合部を含む。いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、ダイヤモンド熱拡散材のような、いくつかの光学的に透明な支持絶縁体内に埋め込まれた光学的な宇宙線検出器を含む。例えば、百万の電子正孔対は、多数の再結合光子を生成する。いくつかの実施例において、シンチレータパネル(荷電粒子がこれを透過すると微小な閃光(光子)を発する)、シンチレータからの光を方向付けるための光導波路、および光子検出器が使用される。
【0037】
いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、一連のマイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)を含む。MEMS宇宙線検出器は、非常に微小な大きさの機械的要素、センサ、アクチュエータおよび電子部品の集合体である。宇宙線検出器は先端部またはその他のひずみ検出器を含み、基板を通じて伝播する音波によって原子核衝突からの衝撃波を検出する。
【0038】
なお、宇宙線がシリコン原子核を破砕すると、約10MeV(メガ電子ボルト)すなわち1pJ(ピコジュール)のエネルギーが1ナノ秒よりも短い時間に放出される。電子と正孔とが再結合した後、正味の宇宙線エネルギーが、衝撃領域から広がる局所的加熱または一群のフォノンの形態で現れる。再結合がナノ秒程度のうちに発生することを仮定し、約10Km/sec(キロメートル/秒)という格子内のフォノンの速度を考慮すると、宇宙線が、0.01mm(ミリメートル)の厚さのオーダの波面を備えた激しい音波に変換されたことがわかる。音源から5mmの距離においては、この波形は、0.3mW/cm2(ミリワット/平方センチメートル)のピーク音響出力密度を生成する。波長の2乗のアパチャにわたり、0.3nW(ナノワット)のピーク出力が受信される。この信号(1/ns)(ナノ秒)のギガヘルツ帯域幅に対しては、熱雑音は約10−11ワットになる。したがって、この波形に対しては、非常に大きな信号対雑音となる。回路のスイッチングに起因するその他の雑音源が存在するかもしれないが、この形態の加熱の形跡は大きく異なる。なお、具体的な例においては、実際の数字が変化することがある。
【0039】
非常に敏感なひずみ宇宙線検出器をカンチレバーに組み込むことによって、高速な音響宇宙線検出器を作ることができる。一つの可能性は、走査型トンネル顕微鏡(STM)構造をカンチレバーに組み込むことである。STM構造は、原子直径の1万分の1もの微小な変位を検出することができる。いくつかの実施例において、宇宙線検出器は、遅い音波には応答しない非常に微小なカンチレバーを含む。カンチレバーは、0.01mmのオーダの長さであれば、宇宙線事象の急峻な波形に最適に応答する。さらに大きなまたは小さなカンチレバーは、このサイズの外乱を無視する。しかし、カンチレバーの所望の長さは様々な要因に応じて変化する。カンチレバーの剛性またはその他の特性が所望の長さに影響し、所望の動きを達成するべく選択される。カンチレバーの第1の共振または応答周波数は、宇宙線から予測される優位周波数に整合される。(当然ながら、いくつかの実施例においては、宇宙線検出器はカンチレバーを含まない。)
【0040】
いくつかの実施例において、単数または複数の宇宙線検出器は、宇宙線事象から予測される音響波形にチューニングされた一つ以上のMEMS構造を含む。STM構造先端部は、極めて敏感な音波のひずみ検出を与えることができる。
【0041】
事象全体が、1ナノ秒よりも短い時間でそのエネルギーを放出する。したがって、ソフトエラーの単数または複数のビットは、計算がはるかに進行してしまう前に設定することができる。ソフトエラーの単数または複数のビットは、使用される場合、論理32および論理82に存在する。
【0042】
図16は、カンチレバー212、STM構造先端部204およびエッチングされたシリコン先端部218を含む宇宙線検出器206を備えるチップ202を示す。宇宙線火球220は、活性シリコン204付近の基板208における宇宙線とシリコンとの相互作用を表す。相互作用に応答して、波がSTM構造先端部214と先端部218との間の距離に変化を及ぼす。この変化が検出されて、宇宙線によって引き起こされたものとして解釈される。オプションとしての増幅器216が、宇宙線検出器206と活性シリコン204との間に示される。実際には、増幅器216は、宇宙線検出器206の一部、活性シリコン204の一部、またはそれらの間に存在する。簡便のため、増幅器216および宇宙線火球220はその他の図面には示されない。
【0043】
図17はチップ222を示す。これは、図16のチップ202に類似するが、宇宙線検出器206がサポート232によって支持されたチャンバ234内に存在するようにチップの方向が反転された点が異なる。
【0044】
図18はチップ232を示す。これは、図17のチップ222に類似するが、図17に示されるよりもチャンバ234が活性シリコン204に近づいている点が異なる。
【0045】
図19は、パッケージ246内にあるチップ242およびチャンバ234を示す。宇宙線検出器206は、活性シリコン204の反対側に置かれる。すなわち、図19は、宇宙線検出器206を、図19に示されるような活性シリコン204の上方ではなく下方になるように変更してもよい(ここで「上方」および「下方」は必ずしも重力の方向とは限らない)。
【0046】
図20は、宇宙線検出器206のいくつかの実施例に含まれるが全ての実施例に必須というわけではない、電流測定回路250を示す。電流測定回路250は、先端部214および218間の電流の変化を検出する。この電流は、先端部間の距離が変化するにつれて変化し得る。いくつかの実施例において、電流測定回路250は、電流の突然の変化を検出して、それに応答して増幅器216に信号を与える。別の実施例において、電流測定回路250は、電流が所定のしきい量よりも上がるまたは下がるときを検出する。その他の可能性も存在する。
【0047】
図21は、カンチレバー274およびひずみゲージ272を備える宇宙線検出器270を有するチップ262を示す。宇宙線相互作用事象に応答して、ひずみゲージ272が曲がる。曲がり検出回路278が、ひずみゲージ272の曲がりが宇宙線相互作用事象によって引き起こされたタイプのものかどうかを決定する。増幅器もまた存在する。曲がり検出回路278は、基板266内に示されているが、カンチレバーに隣接しても、活性シリコン204内でも、または基板266内でもよい。宇宙線検出器270は、例えば図17−19に示されるようなその他の場所に存在してもよい。
【0048】
図22および23は、宇宙線検出器CRD1、CRD2およびCRD3に関するチップ282および286を示す。図23における宇宙線検出器は、図22におけるよりも小さい。宇宙線検出器は、チップのサイズに対して示されるよりも、実際には大きいかまたは小さい。検出器は、十分に小さければ、活性シリコン内に経済的に配置される。宇宙線検出器は、活性シリコンの中、上もしくは下、またはパッケージの中に存在してよい。なお、いくつかの宇宙線検出器は、宇宙線検出器から著しく離れた宇宙線相互作用事象を検出することができる。4つよりも多いかまたは少ない検出器が使用されてよい。図22および23の宇宙線検出器は、カンチレバーを有する検出器、電荷を集めるべく分散されたpn接合部を有する検出器、および光センサを有する検出器を含む記載のまたは図示の宇宙線検出器のいずれかを表す。
【0049】
異なる実施例において、宇宙線検出器は、チップの頂面および底面に対して異なる向きで存在する。宇宙線検出器は、頂面および底面に対して平行または垂直であってよく、またはそれらに対してその他の角度であってもよい。
【0050】
C.付加的情報
宇宙線相互作用および検出に関して上述した様々な数字および詳細は正しいものと考えられるが、様々な理由に起因する近似または誤りに過ぎないかもしれない。しかし、本発明の原理はなおも適用される。
【0051】
図13−19および22において、活性シリコン領域は、基板全体にわたっているようには示されていない。しかし、活性シリコン領域は、基板全体にわたって、または、図示よりも大きいかもしくは小さく広がっていてもよい。
【0052】
宇宙線検出器は、チップに無線を使って結合されてもよい。
【0053】
用語「第1回路」が請求項で使用されている場合、必ずしも第2回路が存在することが当てはまるとは限らないが、そうであってもよい。
【0054】
実施例は、本発明の実施または例示である。本明細書における「実施例」、「一つの実施例」、「いくつかの実施例」または「その他の実施例」への参照は、実施例に関連して記載される具体的な特徴、構造または特性が、本発明の少なくともいくつかの実施例に含まれるが必ずしも全ての実施例に含まれるわけではないことを意図している。「実施例」、「一つの実施例」または「いくつかの実施例」が様々に現れているが、これは必ずしも全てが同じ実施例を参照しているわけではない。
【0055】
本明細書が、要素、特徴、構造または特性が含まれ「てもよい」、「ることができる」または「るかもしれない」と述べていても、その具体的な要素、特徴、構造または特性が含まれることが必須なわけではない。本明細書または請求項が「一つの」または「単数の」要素を言及していても、それは、要素が一つしか存在しないことを意図するわけではない。本明細書または請求項が「付加的な」要素を言及していても、それは、付加的な要素が一つ以上存在することを排除するものではない。
【0056】
本発明は、本明細書に記載の具体的な詳細に制限されるものではない。実際、上述の記載および図面のその他の多くの変形例を、本発明の範囲内でなすことが可能である。このため、なんらかの補正を含む以下の請求項が、本発明の範囲を画定する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のいくつかの実施例に係る回路および宇宙線検出器を有するチップを含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明のいくつかの実施例に係る図1のチップの回路を示す模式的なブロック図である。
【図3】本発明のいくつかの実施例に係る図1のチップの回路を示す模式的なブロック図である。
【図4】本発明のいくつかの実施例に係るチップの模式的なブロック図である。
【図5】本発明のいくつかの実施例に係るチップの模式的なブロック図である。
【図6】本発明のいくつかの実施例に係る2つのチップを備える装置である。
【図7】本発明のいくつかの実施例に係るチップを示す模式的なブロック図である。
【図8】本発明のいくつかの実施例に係るチップを示す模式的なブロック図である。
【図9】本発明のいくつかの実施例に係るチップおよび3つの宇宙線検出器を含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図10】本発明のいくつかの実施例に係るチップおよび3つの宇宙線検出器を含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図11】本発明のいくつかの実施例に係る複数のチップおよび単数の宇宙線検出器を含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図12】本発明のいくつかの実施例に係るチップおよび3つの宇宙線検出器を含む装置を示す模式的なブロック図である。
【図13】本発明のいくつかの実施例に係る2つの宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図14】本発明のいくつかの実施例に係る2つの宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図15】本発明のいくつかの実施例に係る2つの宇宙線検出器を含むチップとパッケージの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図16】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図17】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図18】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図19】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップおよびパッケージの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図20】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器、電流測定回路および増幅器を示す模式的なブロック図である。
【図21】本発明のいくつかの実施例に係る宇宙線検出器を含むチップの側断面図を示す模式的なブロック図である。
【図22】本発明のいくつかの実施例に係る複数の宇宙線検出器に関するチップを示す模式的なブロック図である。
【図23】本発明のいくつかの実施例に係る複数の宇宙線検出器に関するチップを示す模式的なブロック図である。
【図24】本発明のいくつかの実施例に従って使用される複数の回路を示す模式的なブロック図である。
【図25】本発明のいくつかの実施例に従って使用される複数の回路を示す模式的なブロック図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1先端部を備えるカンチレバーと、
第2先端部と、
前記第1先端部と第2先端部との間の距離を示す信号を、宇宙線相互作用事象によって引き起こされた場合に与えるための回路と、
を含む宇宙線検出器。
【請求項2】
前記第1先端部は走査型トンネル顕微鏡構造の先端部である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回路は、前記第1先端部と第2先端部との間の電流を測定するための電流測定回路である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1先端部と第2先端部との間の距離は、音響的な波面との相互作用に応答して変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記カンチレバーの長さおよび剛性は、宇宙線相互作用事象に応答して前記第1先端部と第2先端部との間の距離を特性的に変化させ、そうでない場合はさせないように設計される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第1回路を含む活性領域と、
前記活性領域を支持する基板と、
第1宇宙線検出器と、
を含むチップ。
【請求項7】
前記第1宇宙線検出器は前記活性領域内に存在する、請求項6に記載のチップ。
【請求項8】
前記第1宇宙線検出器は前記基板内に存在する、請求項6に記載のチップ。
【請求項9】
前記第1宇宙線検出器は、前記第1回路によって受信されるべき宇宙線検出信号を与える、請求項6に記載のチップ。
【請求項10】
前記第1宇宙線検出器は、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)宇宙線検出器である、請求項6に記載のチップ。
【請求項11】
前記第1宇宙線検出器は、
第1先端部を備えるカンチレバーと、
第2先端部と、
前記第1先端部と第2先端部との間の距離を示す信号を、宇宙線相互作用事象によって引き起こされた場合に与えるための回路と、
を含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項12】
前記第1先端部は走査型トンネル顕微鏡構造の先端部である、請求項11に記載のチップ。
【請求項13】
信号を与えるための前記回路は、前記第1先端部と第2先端部との間の電流を測定するための電流測定回路である、請求項11に記載のチップ。
【請求項14】
前記第1宇宙線検出器はひずみゲージを含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項15】
前記第1宇宙線検出器は、電荷を集めるための分散したpn接合部を含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項16】
前記第1宇宙線検出器は光子検出器を含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項17】
前記第1宇宙線検出器は音波検出器である、請求項6に記載のチップ。
【請求項18】
前記宇宙線検出器は第1宇宙線検出器であり、
前記チップは、
第2回路と、
前記第2回路に宇宙線検出信号を与えるための第2宇宙線検出器と、
をさらに含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項19】
前記第1回路および第2回路は各々、第1宇宙線検出信号および第2宇宙線検出信号を受信する、請求項18に記載のチップ。
【請求項20】
第1チップを含み、
前記第1チップは、
第1回路を含む活性領域と、
前記活性領域を支持する基板と、
前記チップをパッケージ化するパッケージと、
を含み、
前記パッケージは第1宇宙線検出器を含む装置。
【請求項21】
前記第1宇宙線検出器は、前記第1回路によって受信されるべき宇宙線検出信号を与える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1宇宙線検出器は、
第1先端部を備えるカンチレバーと、
第2先端部と、
前記第1先端部と第2先端部との間の距離を示す信号を、宇宙線相互作用事象によって引き起こされた場合に与えるための回路と、
を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記第1先端部は走査型トンネル顕微鏡構造の先端部である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
信号を与えるための前記回路は、前記第1先端部と第2先端部との間の電流を測定するための電流測定回路である、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記第1宇宙線検出器はひずみゲージを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記第1宇宙線検出器は、電荷を集めるための分散したpn接合部を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項27】
前記第1宇宙線検出器は光子検出器を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項28】
前記第1宇宙線検出器は音波検出器である、請求項20に記載の装置。
【請求項1】
第1先端部を備えるカンチレバーと、
第2先端部と、
前記第1先端部と第2先端部との間の距離を示す信号を、宇宙線相互作用事象によって引き起こされた場合に与えるための回路と、
を含む宇宙線検出器。
【請求項2】
前記第1先端部は走査型トンネル顕微鏡構造の先端部である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記回路は、前記第1先端部と第2先端部との間の電流を測定するための電流測定回路である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1先端部と第2先端部との間の距離は、音響的な波面との相互作用に応答して変化する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記カンチレバーの長さおよび剛性は、宇宙線相互作用事象に応答して前記第1先端部と第2先端部との間の距離を特性的に変化させ、そうでない場合はさせないように設計される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第1回路を含む活性領域と、
前記活性領域を支持する基板と、
第1宇宙線検出器と、
を含むチップ。
【請求項7】
前記第1宇宙線検出器は前記活性領域内に存在する、請求項6に記載のチップ。
【請求項8】
前記第1宇宙線検出器は前記基板内に存在する、請求項6に記載のチップ。
【請求項9】
前記第1宇宙線検出器は、前記第1回路によって受信されるべき宇宙線検出信号を与える、請求項6に記載のチップ。
【請求項10】
前記第1宇宙線検出器は、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)宇宙線検出器である、請求項6に記載のチップ。
【請求項11】
前記第1宇宙線検出器は、
第1先端部を備えるカンチレバーと、
第2先端部と、
前記第1先端部と第2先端部との間の距離を示す信号を、宇宙線相互作用事象によって引き起こされた場合に与えるための回路と、
を含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項12】
前記第1先端部は走査型トンネル顕微鏡構造の先端部である、請求項11に記載のチップ。
【請求項13】
信号を与えるための前記回路は、前記第1先端部と第2先端部との間の電流を測定するための電流測定回路である、請求項11に記載のチップ。
【請求項14】
前記第1宇宙線検出器はひずみゲージを含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項15】
前記第1宇宙線検出器は、電荷を集めるための分散したpn接合部を含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項16】
前記第1宇宙線検出器は光子検出器を含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項17】
前記第1宇宙線検出器は音波検出器である、請求項6に記載のチップ。
【請求項18】
前記宇宙線検出器は第1宇宙線検出器であり、
前記チップは、
第2回路と、
前記第2回路に宇宙線検出信号を与えるための第2宇宙線検出器と、
をさらに含む、請求項6に記載のチップ。
【請求項19】
前記第1回路および第2回路は各々、第1宇宙線検出信号および第2宇宙線検出信号を受信する、請求項18に記載のチップ。
【請求項20】
第1チップを含み、
前記第1チップは、
第1回路を含む活性領域と、
前記活性領域を支持する基板と、
前記チップをパッケージ化するパッケージと、
を含み、
前記パッケージは第1宇宙線検出器を含む装置。
【請求項21】
前記第1宇宙線検出器は、前記第1回路によって受信されるべき宇宙線検出信号を与える、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1宇宙線検出器は、
第1先端部を備えるカンチレバーと、
第2先端部と、
前記第1先端部と第2先端部との間の距離を示す信号を、宇宙線相互作用事象によって引き起こされた場合に与えるための回路と、
を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記第1先端部は走査型トンネル顕微鏡構造の先端部である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
信号を与えるための前記回路は、前記第1先端部と第2先端部との間の電流を測定するための電流測定回路である、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記第1宇宙線検出器はひずみゲージを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記第1宇宙線検出器は、電荷を集めるための分散したpn接合部を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項27】
前記第1宇宙線検出器は光子検出器を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項28】
前記第1宇宙線検出器は音波検出器である、請求項20に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2008−505343(P2008−505343A)
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523577(P2007−523577)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/023252
【国際公開番号】WO2007/001307
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/023252
【国際公開番号】WO2007/001307
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】
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