説明

難燃剤組成物

【課題】可燃性材料を保護するのに適しかつ環境負荷の少ない難燃剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、可燃性材料を保護するのに適しかつ環境負荷の少ない難燃剤組成物、その調製方法及び難燃剤の使用に関する。難燃剤組成物には、臭素化合物やホウ素化合物は含まれない。難燃剤組成物は、所定量の硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物、または所定量の硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する所定量の水性混合物の少なくとも一方を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性材料を保護するのに適しかつ環境負荷の少ない難燃剤組成物、その調製方法及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の難燃剤市場には、多年にわたり、種々の臭素化合物を含む製品が数多く流通している。臭素は、環境へのリスクが高く、人体にも安全と言えないような、既存の最も毒性の強いハロゲンの1つである。とりわけ、臭素系難燃剤製品にはダイオキシンが含まれており、ダイオキシンは長期間にわたってヒトのゲノム(DNA)を突然変異させてしまうことがある。
【0003】
臭素系難燃剤は、これほどまでに大きな被害をもたらすものであるので、世界中の多くの国や地域で臭素系難燃剤の見直しについての議論がなされている。欧州連合は、遅くとも2012年には臭素系難燃剤を廃止し、環境にやさしい製品に置き換えることを既に決定している。スウェーデン一国だけでも約70の臭素系難燃剤ブランドがあるが、これらは全て最終的には禁止されることになる。さらに、アップル(登録商標)社は、遅くとも2012年までに臭素系難燃剤を使用禁止にすることを打ち出している。
【0004】
コペンハーゲンの「王国病院(Rigshospitalet)」で行われた研究からは、難燃剤の使用と男性生殖器の奇形との間に相関関係があることが明らかになった。
【0005】
ストックホルム北部郊外のソルナにあるカロリンスカ研究所で行われた研究からは、臭素系難燃剤と成人及び小児に対する脳障害との間に相関関係があることが明らかになった。
【0006】
そこで、有毒な難燃剤に代わる環境にやさしい代替難燃剤が長年必要とされていた。臭素系難燃剤に関しては特許文献1に記載されている。
【0007】
別の難燃剤成分は、ホウ酸などのホウ素化合物/組成物であるが、これらは高価でありかつ不足している。さらに、ホウ素は今までに認識されているものに比べて毒性が大きいことが懸念されている。地方都市の当局は、難燃剤中にホウ素を使用することを好ましいと思っておらず、その理由は、いつかはホウ素系難燃剤が下水管に行き着き、そこでホウ素が他の化学物質と反応しかねないからである。
【0008】
そこで、難燃剤のホウ素化合物を別の何かに置き換えるインセンティブが働くが、そのことは非特許文献1の論文で指摘されている。この論文には、難燃剤としてリン酸三ナトリウム及び硫酸アンモニウムをホウ砂及びホウ酸と混合することが開示されている。しかし、非特許文献1にはホウ素化合物の部分的な置換だけが開示されており、ホウ素化合物を全部置換することは開示されていない。さらに、非特許文献1には非特許文献2の論文が引用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】英国特許出願公開第2165270 A号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Day, M and Wiles, D. M;" Combustibility of loose fiber fill cellulose insulation II. The role of a third chemical component in a borax: boric acid system"; Journal of Consumer Product Flammability, (Marc 1979), Vol. 6, pages 20-27
【非特許文献2】E. V. Anderson, Boric Acid Future in Insulation Uncertain. Chem. and Eng. News 56, (15) 11 (1978)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記した問題を回避するために、臭素化合物やホウ素化合物を含まずに、硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムのみを含む難燃剤組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
よって、本発明は、可燃性材料を保護するのに適しかつ環境負荷の少ない難燃剤組成物を提供する。本発明の難燃剤組成物は、所定量の硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物、または所定量の硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する所定量の水性混合物の少なくとも一方を含み、かつ臭素化合物及びホウ素化合物を含まない。
【0013】
本発明の一実施形態では、硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物は、固体組成物を構成する。
【0014】
別の実施形態では、硫酸アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム及び水を含有する水性混合物は、液体組成物を構成する。
【0015】
さらに、本発明は、可燃性材料を保護するのに適しかつ環境負荷の少ない難燃剤組成物を調製する方法を提供する。本発明の方法は、所定量の硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムを混合するステップ、または所定量の硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する所定量の水性混合物を混合するステップの少なくとも一方を含み、かつ難燃剤組成物は臭素化合物及びホウ素化合物を含まない。
【0016】
一実施形態では、硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物は、固体組成物を構成する。
【0017】
さらなる実施形態では、硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物は、液体組成物を構成する。
【0018】
さらに、本発明は、環境負荷の少ない組成物からなる難燃剤を提供する。本発明の組成物は、所定量の硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物、または所定量の硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物の少なくとも一方として、可燃性材料を保護するために使用され、臭素化合物及びホウ素化合物を含まない。
【0019】
一実施形態では、硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物は、固体組成物を構成する。
【0020】
別の実施形態では、硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物は、液体組成物を構成する。
【0021】
さらなる実施形態では、硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物は、プラスチックに浸透させるために使用される。
【0022】
さらに別の実施形態では、硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物は、木材を含浸するために用いられる。
【0023】
なおも別の実施形態では、硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物は、布帛を含浸するために用いられる。
【0024】
さらにもう1つのなる実施形態では、硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物は、金属材料または金属合金を含浸するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の難燃剤で処理した試験体を一定レベルの輻射熱を照射することによって試験を行うために用いられるコーンカロリーメータを概略的に示す。
【図2】本発明による難燃剤を塗布した試料AないしCの発熱速度のグラフを示す。
【図3】本発明による難燃剤を塗布した試料Dの発熱速度のグラフを示す。
【図4】本発明による難燃剤を塗布した試料AないしCの煙生成速度のグラフを示す。
【図5】本発明による難燃剤を塗布した試料Dの煙生成速度のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
表の簡単な説明
以下の表は、本明細書の説明を通して参照される。
表1は、発熱及び煙生成を調べる試験を行った材料を示す。
表2は、表1の材料に関して試験中に記録された測定値を示す。
表3は、表1の材料に関するさらなる試験結果を示す。
表4は、難燃剤で処理した綿布に関する試験結果を示す。
表5は、難燃剤で処理しなかった綿布に関する試験結果を示す。
これらの表は、本明細書の最後に載せてある。
【0027】
単語リスト
上記の表に関連して、表中で用いられている省略形及び変数を説明する単語リストを添付する。
【0028】
本発明は、臭素化合物やホウ素化合物を含まないが、硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムのみを含む難燃剤組成物に関する。さらに、本発明は、可燃性材料を保護するための環境負荷の少ない難燃剤組成物を提供する。従って、本発明の1つの組成物は、固体/粉末状化合物として所定量の硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物を含む。
【0029】
本発明の別の組成物は、液体組成物として所定量の硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する所定量の水性混合物を提供する。
【0030】
或る好適実施形態では、2つの塩すなわち硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムからなる水性組成物には、3〜7%の量の硫酸アンモニウムと、3〜7%の量のリン酸水素二ナトリウムと、約80〜90%の水とが含まれる。この組成物はpH値が7.6であり、このことは難燃剤溶液にアンモニウムが溶解している可能性を示しているが、理論的には最大で2%までの量でしかない。液体として、難燃剤は沸点が100℃であり、無色透明な液体である。
【0031】
別の好適実施形態では、本発明の難燃剤が固体の状態及び/または粉末/粒状であるとき、混合して組成物にすると合計が100%になるように、40ないし60%の量の硫酸アンモニウムと、40ないし60%の量のリン酸水素二ナトリウムとが含まれる。これは、20℃で最大7.5%水に溶け、その熱分解温度は240〜280℃である。
【0032】
上記した固体及び液体の難燃剤組成物はいずれも、臭素化合物及びホウ素化合物を含まない製品である。
【0033】
難燃剤の目的は、火災の発生を防ぎかつ/または遅らせることである。難燃剤は、火災の発生を12ないし15分間防止できなければならない。従来型の難燃剤としていわゆる臭素系難燃剤が使用されている。臭素系難燃剤は、目下のところ最も環境に非常に悪い影響を及ぼす可能性があるものの1つであり、長期間にわたってヒトのDNAの突然変異を引き起こしかねない。
【0034】
全世界での1日当たりの火災死者数は約550,000人である。火災は、死亡が伴う事故原因のうちで4番目に多い。それゆえ、防火措置を講じる必要性は高まっており、難燃剤業界は、環境を破壊しない防火に変えるように強い要請を受けている。本発明の難燃剤は、非常に環境にやさしい。本発明の難燃剤は、食品に分類されている2つの塩すなわち硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムをベースとしているので、飲むことさえもできる。
【0035】
難燃剤としての本発明の塩に対して、数多くの試験が、認定研究所であるスウェーデン王国ボラスのスウェーデン王国SP技術研究所(Statens Provningsansatalt)において行われた。全ての試験において、建築材料などのブース用布帛及び表面化粧材を試験し、良好な結果を得たが、これについては以下の説明でさらに詳しく述べる。1つの試験結果においては、本発明の難燃剤は、建築材料を選択するときに建設業者のためのガイドラインとして適用されるスウェーデンの建築材料基準を満たしていた。本発明の難燃剤は、毒性がないので環境にやさしい。
【0036】
本発明の難燃剤を含浸した材料を加熱するとき、難燃剤に含まれる塩との強力な反応が生じる。炭素の層が形成され、この層が酸素を抑制する。酸素がなければ火災が発生しないことはよく知られている。ティッシュペーパーや布帛などの種々の材料に対する試験によれば、本発明の難燃剤で処理した材料に火がつくことはほとんど起こり得ないことが分かっている。
【0037】
SPは、複数回の試験を行い、その全てが良好な結果に終わった。難燃剤を塗布した布帛に、6回の燃焼試験、すなわちSIS 65 00 82の基準に準拠する試験を行い、火がつかなかったので、SPはこの材料を難燃材料に分類した。
【0038】
この他に、木材、軟質板、パーティクルボード、及び合板(いわゆる表面化粧材)の各材料についても試験を行った。通常、これらの材料には、耐火性を最大にするように本発明の難燃剤を高圧含浸しなければならない。しかし、これらの材料は、SPでの試験中に浸しただけであるが、スウェーデンの建築基準に準拠する試験に合格した。
【0039】
現在、難燃剤を添加したプラスチックの燃焼試験が数多く行われている。これらの試験は、2010年に終了することになっており、試験結果に基づいて、世界中でプラスチック製造時の難燃剤の使用が定められることになる。2007年、スウェーデン国内において、火災死亡者は104人、建物火災は1日に約1.5件であった。最近のプラスチックの使用増加により、火災発生までの時間が、過去50年の間に、15分から3分に短縮された。
【0040】
本発明の難燃剤は、粉末/粒状の形態で、プラスチック製品の製造中にプラスチック材料と混合されるので、プラスチック製品に埋め込まれることになり、製造された製品は難燃剤として機能する。
【0041】
図1は、SPにおいて本発明の難燃剤で処理した試験体を一定レベルの輻射熱を照射することによって試験を行うために用いられるコーンカロリーメータ10を概略的に示す。試験中に用いた試験体(試料)を添付の表1に示す。ISO 5660−1に準拠するコーンカロリーメータ10を用いて、0.1×0.1mの試験体を一定レベルの輻射熱に晒す。その結果、試験体の表面が加熱され、試験体から生成される熱分解ガスに、外部スパーク点火器16により着火させる。ガスは、排気フード20によって集められ、排気ブロワ26によって排出される。
【0042】
コーンカロリーメータはロードセル12から構成され、ロードセル12上には試料14が置かれる。コーンヒータ18によりガスをスパーク点火器16から排気フード20まで誘導する。符号22は、ガス試料の採取部を示す。コーンカロリーメータは、温度測定器を含むレーザ消炎ビーム24を有し、符号28を付した場所で温度及び差圧が測定される。
【0043】
発熱速度(HRR)は、排気ダクト内の流量と酸素濃度から算出される酸素消費量の測定により決定される。上記したように、試験体14は、試験中にロードセル12上に置かれている。試験体14の外縁は押さえ枠で覆われ、レーザシステム24によって煙生成速度が測定される。
【0044】
ここで、表2を参照されたい。ISO 5660に規定されている試験体(試料)の数は3個であるが、そうする代わりに、各材料、すなわち、軟質板(試料A)、パーティクルボード,ライト(試料B)、合板(試料C)及びパーティクルボード,ダーク(D)に対して、各1回しか試験を行わなかった。それゆえ、分類または承認の唯一の根拠として表2を用いることはできない。ConeTools(ソフトウェア)によるシミュレーションは、言及した認定試験の一部ではない。
【0045】
全ての製品を、輻射強度35kW/mで試験した。シミュレーションソフトConeToolsは、ISO 5660試験結果に基づくEN 13501−1に準拠する分類を示す。FIGRA値及び分類を含む試験結果の概要を表2に示す。EN 13501−1に準拠する最終的な分類は、煙生成及び燃焼滴下物/焼残物にも基づくが、それはConeToolsによって考慮されないことに留意されたい。
【0046】
スウェーデンの建築基準によれば、クラスBr2及びBr3の建築物の壁及び天井の表面材は、C−s2,d0またはD−s2,d0の性能を有していなければならない。クラスBr1の建築物の避難路では、B−s1,d0及びC−s2,d0の性能が求められる。
【0047】
表3の試験結果は、ISO 5660−1:2002及びISO 5660−2:2002に従って得られたものである。試験した製品は、本発明による水性難燃剤であった。表2中の全ての材料を難燃剤に48時間浸し、次の試験仕様で試験を行った。輻射強度:35kW/m、較正定数(C):0.042221m1/21/21/2、向き:水平、下地材:試験標準で要求される不燃性下地材以外はなし、固定:下地材の上に製品をゆるく載置、注記:押さえ枠を使用。符号は、試験した試験体が着火しなかったために着火データがないことを、符号**は発熱データがないことをそれぞれ示すことに留意されたい。試料A及びDの煙生成は、測定誤差のせいで推定値を僅かに下回った。図4及び図5を参照されたい。
【0048】
図2は、本発明による難燃剤を塗布しかつ輻射強度35kW/mで試験を1回行った試料AないしCの発熱速度のグラフを示す。
【0049】
図3は、本発明による難燃剤を塗布しかつ輻射強度35kW/mで試験を1回行った試料Dの発熱速度のグラフを示す。
【0050】
図4は、本発明による難燃剤を塗布しかつ輻射強度35kW/mで試験を1回行った試料AないしCの煙生成速度のグラフを示す。
【0051】
図5は、本発明による難燃剤を塗布しかつ輻射強度35kW/mで試験を1回行った試料Dの煙生成速度のグラフを示す。
【0052】
表4は、本発明の難燃剤を噴霧により綿布に塗布したときに難燃剤がどのように反応したを示している。未処理の綿布は公称単位面積当たり重量が155g/mであり、難燃剤で処理した綿布は公称単位面積当たり重量が175g/m(乾燥重量)である。スウェーデン王国住居庁(Boverket)発行のスウェーデンの規定(common advices 1993:2)によれば、平均値を計算するときには結果が最も悪かった試験を無視することになっているので、平均値を計算するときに試験番号3を除外した。温度(20+5/−2)℃、相対湿度(65±2)%の条件下で、約0.4mm、単位面積当たり重量約175g/mの試験体の試験を行った。試験に先立ち、洗濯またはドライクリーニングで前処理を行うことはしなかった。
【0053】
最後に、本発明の難燃剤で処理しなかった綿布についても、同一条件下で試験した。試験結果を表5に示す。難燃剤を噴霧しなかったので、布の重量は155g/mであった。
【0054】
表4と表5の結果を比較すると分かるように、本発明の難燃剤は、臭素化合物またはホウ素化合物を用いずに、非常に良好な防炎性を提供する。
【0055】
本発明は、上記した例及び所与の実施形態に制限されるものではない。当業者は、さらなる可能な実施形態を添付の請求項にから得ることができる。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
可燃性材料を保護するのに適しかつ環境負荷の少ない難燃剤組成物であって、
所定量の硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物、または所定量の硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する所定量の水性混合物の少なくとも一方を含み、かつ臭素化合物及びホウ素化合物を含まないことを特徴とする難燃剤組成物。
【請求項2】
前記硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物が、固体組成物を構成することを特徴とする請求項1の難燃剤組成物。
【請求項3】
前記硫酸アンモニウム、リン酸水素二ナトリウム及び水を含む水性混合物が、液体組成物を構成することを特徴とする請求項1の難燃剤組成物。
【請求項4】
可燃性材料を保護するのに適しかつ環境負荷の少ない難燃剤組成物を調製する方法であって、
所定量の硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムを混合するステップ、または所定量の硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する所定量の水性混合物を混合するステップの少なくとも一方を含み、かつ前記難燃剤組成物が臭素化合物及びホウ素化合物を含まないことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物が、固体組成物を構成することを特徴とする請求項4の方法。
【請求項6】
前記硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物が、液体組成物を構成することを特徴とする請求項4の方法。
【請求項7】
環境負荷の少ない組成物からなる難燃剤であって、
前記組成物が、所定量の硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物、または所定量の硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する所定量の水性混合物の少なくとも一方として、可燃性材料を保護するために使用され、かつ臭素化合物及びホウ素化合物を含まないことを特徴とする難燃剤。
【請求項8】
前記硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物が、固体組成物を構成することを特徴とする請求項7の難燃剤。
【請求項9】
前記硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物が、液体組成物を構成することを特徴とする請求項7の難燃剤。
【請求項10】
前記硫酸アンモニウムとリン酸水素二ナトリウムの混合物が、プラスチックに浸透させるために使用されることを特徴とする請求項7の難燃剤。
【請求項11】
前記硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物が、木材を含浸するために用いられることを特徴とする請求項7の難燃剤。
【請求項12】
前記硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物が、布帛を含浸するために用いられることを特徴とする請求項7の難燃剤。
【請求項13】
前記硫酸アンモニウム及びリン酸水素二ナトリウムを含有する水性混合物が、金属材料または金属合金を含浸するために用いられることを特徴とする請求項7の難燃剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−518914(P2011−518914A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506228(P2011−506228)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【国際出願番号】PCT/SE2009/000204
【国際公開番号】WO2009/131515
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(510280291)エコフレイムプロテクト アーベー (1)
【出願人】(510280305)
【Fターム(参考)】