説明

電位治療装置及び組合せ電気治療装置

【課題】治療対象が一定電位による刺激に慣れることを防止し、人にリラックス感を与えることができ、関節リウマチ患者の痛みを和らげる電位治療装置を提供する。
【解決手段】電位治療装置1は、所定の電圧を発生させる電圧発生部14,15,24と、電圧発生部で発生させる電圧、電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるための制御部2と、治療対象に電圧発生部からの電位を印加するための電位治療導子28,29とを備える。制御部が、電圧発生部で発生させる電圧と出力時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させ、かつ出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるための出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する出力電圧制御データを、1/fゆらぎ変換プログラムに従って生成する処理部と、処理部によって生成された出力電圧制御データを記憶する記憶部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に電位を印加して治療を施す電位治療装置及び電位治療と低周波治療とを実行することのできる組合せ電気治療装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人体の全体又は一部に交流高圧電位を印加することにより、頭痛、肩こり、慢性便秘、不眠症等の治療を行う電位治療装置や、人体の全体又は一部に低周波電流を印加することにより、肩こり、筋肉疲労等の治療を行う低周波治療装置が知られている。
【0003】
例えば、図10に示すような電位治療装置100においては、AC100Vの交流電源101からスイッチSWを介してトランス102に給電され、トランス102で高圧に変換された電圧が、3つの抵抗R,R,R及びダイオードDにより正負非対称にされて電床103に与えられ、電床103から人体に対して電位が印加される(特許文献1参照)。この電位治療装置100では、トランス102の一次側のタップをスイッチSWで切り換えることにより、出力電圧を調整している。
【0004】
出力電圧としては、一般的に、例えば3000V、6000V、9000V等が設定されるが、上記のような構成を有する電位治療装置100では、スイッチSWで設定された一定の電位が人体に印加されることとなる。このように、一定の電位が人体に印加されると、人体がその電位による刺激に慣れてしまい、治療効果が弱まってしまうという問題があった。そこで、出力電圧を変化させ、一定の電位が人体に印加されないようにする電位治療装置が種々提案されている。
【0005】
一方、電位治療装置における出力電圧の変化が一定のパターンに基づくものである場合、人によってはその変化に対応できず、治療途中又は治療後に気分障害を引き起こすおそれがあり、快適に治療を行うことができないという問題があった。そのため、本願発明者らは、特許文献2に係る特許出願において、自然界の水、風、光等に見られる一定のリズムであり、人にリラックス効果を与えることが知られている「1/fゆらぎ」を用いて、電位治療装置において出力電圧及び出力時間を変化させる発明を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭58−146361号公報
【特許文献2】特開2008−055041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、代表的な膠原病の一つとして、自己の免疫が主に手足の関節を侵し、これにより関節痛、関節の変形が生じる関節リウマチがある。関節リウマチの治療法として、関節リウマチの病気の勢いそのものを弱めるためには、一般に抗リウマチ剤や生物学的製剤が用いられる。また、関節リウマチの痛みを和らげるための対症療法としては、一般に非ステロイド系消炎鎮痛剤等を用いることが知られている。
【0008】
その後の研究の結果、本発明者は、電位治療装置において、出力電圧及び出力時間に加えて、従来の電位治療装置においては固定されていた出力周波数をも「1/fゆらぎ」を用いて変化させることにより、電位治療装置が関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果を発揮することを発見した。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、治療対象が一定電位又は一定電流による刺激に慣れることを防止するとともに、人にリラックス感を与えることができ、なおかつ関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげることのできる電位治療装置及び組合せ電気治療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、第一に、本発明は、所定の電圧を発生させる電圧発生部と、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるための制御部と、治療対象に前記電圧発生部からの電位を印加するための電位治療導子とを備え、前記制御部が、前記電圧発生部で発生させる電圧を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるとともに、当該電圧の出力時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させ、かつ出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるための出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する出力電圧制御データを、1/fゆらぎ変換プログラムに従って生成する処理部と、前記処理部によって生成された出力電圧制御データを記憶する記憶部とを有し、前記処理部が、前記出力電圧制御データに基づいて前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を変化させることを特徴とする電位治療装置を提供する(発明1)。
【0011】
電圧発生部としては、変圧器(トランス)等を例示することができるが、これに限定されるものではない。また、電圧制御部としては、コンピュータのCPU(中央演算処理装置)と、LPF(ローパスフィルタ)、増幅器又は変圧器のタップを切り換えるスイッチ等とを組み合わせたものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
さらに、電位治療導子は、治療対象(人体)の全体に電位を印加する電床であってもよいし、治療対象(人体)の一部に電位を印加するペン型等の局所導子であってもよい。
【0013】
上記発明(発明1)によれば、治療対象(人体)に印加する電位を1/fゆらぎに基づいて変化させることができるとともに、治療対象(人体)に印加する電位の出力時間も1/fゆらぎに基づいて変化させることができるため、治療対象が電位による刺激に慣れることを防止することができるとともに、刺激の変化を人体のリズムにより近づけることができ、ユーザにリラックス感を与えながら治療を行うことができる。さらに、治療対象(人体)に印加する電位及び治療対象(人体)に印加する電位の出力時間に加えて、治療対象(人体)に印加する電圧の周波数も1/fゆらぎに基づいて変化させることができるため、関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげることができる。
【0014】
上記発明(発明1)においては、前記出力電圧制御データが、256個、1024個又は4096個の出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する20分間、40分間又は60分間の出力電圧制御データであることが好ましい(発明2)。
【0015】
上記発明(発明1,2)においては、前記処理部が、出力周波数を前記出力電圧制御データに基づいて45〜80Hzの範囲で変化させることが好ましい(発明3)。周波数を1/fゆらぎに基づいて変化させる際に、狭い範囲で変化させるだけでは関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果が限定的となる一方で、45〜80Hzの範囲を超えて変化させようとすると、変圧器(トランス)等の電圧発生部に求められる性能が上がってしまい、コスト増加につながる懸念がある。
【0016】
上記発明(発明1〜3)においては、通電時間を制御するタイマーと、通電時間を設定することのできるタイマー操作部とをさらに備え、前記処理部が、前記タイマー操作部にて設定された通電時間が終了するまで、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることが好ましい(発明4)。
【0017】
上記発明(発明4)によれば、タイマー操作部で設定された通電時間中、制御部による電圧、出力時間及び出力周波数の1/fゆらぎ周期に基づく変化を途切らせることなく連続的に行うことができる。
【0018】
上記発明(発明4)においては、前記タイマー操作部にて設定された通電時間が終了すると、前記記憶部が、前記通電時間が終了した時の前記出力電圧制御データにおける終了点に関する情報を記憶し、前記記憶部に前記終了点に関する情報が記憶されている場合に、前記制御部が、前記終了点に関する情報に従い、前記終了点以後の前記出力電圧制御データに基づいて、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることが好ましい(発明5)。
【0019】
タイマー操作部により設定された通電時間によっては、電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データの途中で通電が終了することがあるが、上記発明(発明5)によれば、例えば、20分間の長さを有する電圧制御データ及び時間制御データの途中(例えば、15分間)で治療が終了した場合に、再度治療を行うときには終了した後(15分以降)の電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データに基づいて治療対象に電位が印加されるため、治療回ごとに電位の変化パターンが異なり、治療対象が電位による刺激に慣れることを防止することができる。
【0020】
第二に、本発明は、所定の電圧を発生させる電圧発生部と、所定のパルス電圧を発生させるパルス電圧発生部と、前記電圧発生部及び前記パルス電圧発生部を制御する制御部と、治療対象に前記電圧発生部からの電位を印加する電位治療導子と、治療対象に前記パルス電圧発生部からのパルス電流を印加する低周波治療導子とを備え、前記制御部が、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるための出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する出力電圧制御データ、並びに前記パルス電圧発生部で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのパルス高、パルス幅及び休止時間に関するデータ列を有するパルス電圧制御データを、1/fゆらぎ変換プログラムに従って生成する処理部と、前記処理部によって生成された出力電圧制御データ及びパルス電圧制御データを記憶する記憶部とを有し、前記処理部が、前記出力電圧制御データに基づいて前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を変化させるとともに、前記パルス電圧制御データに基づいて前記パルス電圧発生部で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を変化させることを特徴とする組合せ電気治療装置を提供する(発明6)。
【0021】
上記発明(発明6)によれば、電位治療及び低周波治療の両方の治療が行える組合せ電気治療装置において、電位治療を行うときには、1/fゆらぎ周期に基づいて電圧及び当該電圧の出力時間を変化させることができるとともに、低周波治療を行うときには、1/fゆらぎ周期に基づいてパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を変化させることができ、これによりパルス周波数も1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることができるため、電位治療又は低周波治療を行うときに、治療対象が電位又は電流による刺激に慣れることを防止することができるとともに、刺激の変化を人体のリズムにより近づけることで、ユーザにリラックス感を与えることができる。さらに、電位治療を行うときには、電圧及び当該電圧の出力時間に加えて治療対象(人体)に印加する電圧の周波数も1/fゆらぎに基づいて変化させることができるため、関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげることができる。
【0022】
上記発明(発明6)においては、前記出力電圧制御データが、256個、1024個又は4096個の出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する20分間、40分間又は60分間の出力電圧制御データであって、
前記パルス電圧制御データが、256個、1024個又は4096個のパルス高、パルス幅及び休止時間に関するデータ列を有する20分間、40分間又は60分間のパルス電圧制御データであることが好ましい(発明7)。
【0023】
上記発明(発明6,7)においては、前記処理部が、出力周波数を前記出力電圧制御データに基づいて45〜80Hzの範囲で変化させることが好ましい(発明8)。周波数を1/fゆらぎに基づいて変化させる際に、狭い範囲で変化させるだけでは関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果が限定的となる一方で、45〜80Hzの範囲を超えて変化させようとすると、変圧器(トランス)等の電圧発生部に求められる性能が上がってしまい、コスト増加につながる懸念がある。
【0024】
上記発明(発明6〜8)においては、通電時間を制御するタイマーと、通電時間を設定することのできるタイマー操作部とをさらに備え、前記処理部が、前記タイマー操作部にて設定された通電時間が終了するまで、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるとともに、前記パルス電圧発生部で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることが好ましい(発明9)。
【0025】
上記発明(発明9)によれば、タイマー操作部で設定された通電時間中、制御部による電圧、出力時間及び出力周波数の1/fゆらぎ周期に基づく変化、並びにパルス高、パルス幅及び休止時間の1/fゆらぎ周期に基づく変化を途切らせることなく連続的に行うことができる。
【0026】
上記発明(発明9)においては、前記タイマー操作部にて設定された通電時間が終了すると、前記記憶部が、前記通電時間が終了した時の前記出力電圧制御データにおける第1の終了点に関する情報を記憶するとともに、前記通電時間が終了したときの前記パルス電圧制御データにおける第2の終了点に関する情報を記憶し、前記記憶部に前記第1の終了点に関する情報が記憶されている場合に、前記処理部が、前記第1の終了点に関する情報に従い、前記第1の終了点以後の前記出力電圧制御データに基づいて、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させ、前記記憶部に前記第2の終了点に関する情報が記憶されている場合に、前記処理部が、前記第2の終了点以後の前記パルス電圧制御データに基づいて、前記パルス電圧発生部で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることが好ましい(発明10)。
【0027】
タイマー操作部により設定された通電時間によっては、電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データの途中で通電が終了したり、パルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データの途中で通電が終了したりすることがあるが、上記発明(発明10)によれば、例えば、20分間の長さを有する電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データ、又はパルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データの途中(例えば、15分間)で治療が終了した場合に、再度治療を行うときには終了した後(15分以降)の電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データ、又はパルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データに基づいて治療対象に電位又はパルス電圧が印加されるため、治療対象が電位又はパルス電圧による刺激に慣れることを防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、治療対象が一定電位又は一定電流による刺激に慣れることを防止するとともに、人にリラックス感を与えることができ、なおかつ関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげることのできる電位治療装置及び組合せ電気治療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る組合せ電気治療装置を示す回路ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る組合せ電気治療装置における制御部を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る組み合わせ電気治療装置において電床を用いて電位治療を行う際の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る組合せ電気治療装置におけるエラー表示処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る組合せ電気治療装置において低周波治療用プローブを用いて低周波治療を行う際の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】実施例1におけるVASの推移を示すグラフである。
【図7】実施例1におけるDASの推移を示すグラフである。
【図8】実施例2及び比較例1におけるVASの推移を示すグラフである。
【図9】実施例2及び比較例1におけるDAS28疼痛数の推移を示すグラフである。
【図10】従来の電位治療装置を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係る組合せ電気治療装置を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る組合せ電気治療装置を示す回路ブロック図であり、図2は、本実施形態に係る組み合わせ電気治療装置の制御部を示すブロック図であり、図3は、本実施形態に係る組合せ電気治療装置における電位治療の処理動作を示すフローチャートであり、図4は、本実施形態に係る組合せ電気治療装置におけるエラー表示の処理動作を示すフローチャートであり、図5は、本実施形態に係る組合せ電気治療装置における低周波治療の処理動作を示すフローチャートである。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係る組合せ電気治療装置1は、制御部2と、制御部2に接続される操作部3、タイマー4、受信部5、音声IC6及び画像IC7と、音声IC6に接続されるスピーカ61と、画像IC7に接続される液晶ディスプレイ(LCD,Liquid Crystal Display)71と、制御部2に接続される第1の正弦波発生器(LPF,Low Pass Filter)8及び第2の正弦波発生器9と、第1の正弦波発生器8及び制御部2に接続される第1の可変抵抗器10と、第2の正弦波発生器9及び制御部2に接続される第2の可変抵抗器11と、第1の正弦波発生器8及び第1の可変抵抗器10を介して制御部2に接続される第1の増幅器12と、第1の増幅器12に第1のスイッチ13を介して接続される第1のトランス14及び第2のトランス15と、第1のトランス14及び第2のトランス15のそれぞれに接続される第1のコネクタ16及び第2のコネクタ17と、第1のコネクタ16及び第2のコネクタ17のそれぞれに接続される第1のセンサ18及び第2のセンサ19と、制御部2に接続される第3の可変抵抗器20と、第3の可変抵抗器20を介して制御部2に接続されるパルス波生成回路21と、第2のスイッチ22を介して第2の可変抵抗器11及びパルス波生成回路21に接続される第2の増幅器23と、第2の増幅器23に接続される第3のトランス24と、第3のトランス24に接続される第3のコネクタ25と、第3のコネクタ26に接続される第3のセンサ27とを備えている。
【0032】
図2に示すように、制御部2は、CPU201、主記憶装置202及び補助記憶装置203から構成される。主記憶装置201は、出力電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数、並びにパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間(パルスの立下りから立ち上がりまでの時間)を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させる各制御データを生成することのできる1/fゆらぎ変換プログラム、組合せ電気治療装置1を作動させるためのプログラム等を記憶する。
【0033】
CPU201は、主記憶装置202に記憶されているプログラムに従って、組合せ電気治療装置1に設けられた各構成要素との間で信号の入出力を行う。また、CPU201は、主記憶装置202に記憶されている1/fゆらぎ変換プログラムに従って、1/fゆらぎ周期に基づいて出力電圧を変換させるための電圧制御データ、電圧の出力時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変換させるための時間制御データ及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変換させるための周波数制御データを生成する。この電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データは、出力設定に応じた20分間の出力電圧制御データであるが、これに限定されるものではなく、例えば、40分間の出力電圧制御データであってもよいし、60分間の出力電圧制御データであってもよい。少なくとも20分間の出力電圧制御データに基づいて電圧、出力時間及び出力周波数を制御し、変化させることで、人体に刺激の変化に対する慣れを生じさせることがない。また、少なくとも20分間の出力電圧制御データに基づいて電圧、出力時間及び出力周波数を制御して変化させることで、関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果が生じる。この出力電圧制御データは、データ列ナンバー1〜256の出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有しており、CPU201は、出力電圧制御データにおけるデータ列ナンバー1から順にこの出力電圧制御データに基づいて所定の電圧と所定の周波数とを所定の時間出力し、ナンバー256のデータに基づいて所定の電圧と所定の周波数とを所定の時間出力した後ナンバー1のデータに戻ることで、繰り返し実行される。なお、本実施形態において、出力電圧制御データは、データ列ナンバー1〜256の出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有しているが、これに限定されるものではなく、例えば、データ列ナンバー1〜1024の出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有していてもよいし、データ列ナンバー1〜4096の出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有していてもよい。
【0034】
さらに、CPU201は、主記憶装置202に記憶されている1/fゆらぎ変換プログラムに従って、1/fゆらぎ周期に基づいてパルス高を変換させるためのパルス高制御データ、1/fゆらぎ周期に基づいてパルス幅を変換させるためのパルス幅制御データ及び1/fゆらぎ周期に基づいて休止時間を変換させるための休止時間制御データを生成する。このパルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データからなるパルス電圧制御データは、出力設定に応じた20分間のパルス電圧制御データであるが、これに限定されるものではなく、例えば、40分間のパルス電圧制御データであってもよいし、60分間のパルス電圧制御データであってもよい。少なくとも20分間のパルス電圧制御データに基づいてパルス高、パルス幅及び休止時間を制御し、変化させることで、人体に刺激の変化に対する慣れを生じさせることがない。このパルス電圧制御データは、データ列ナンバー1〜256のパルス高、パルス幅及び休止時間に関するデータ列を有しており、CPU201は、パルス電圧制御データにおけるデータ列ナンバー1から順にこのパルス電圧制御データに基づいてパルス電圧を制御し、ナンバー256のデータに基づいてパルス電圧を制御した後ナンバー1のデータに戻り、繰り返し実行される。なお、本実施形態において、出力電圧制御データは、データ列ナンバー1〜256のパルス高、パルス幅及び休止時間に関するデータ列を有しているが、これに限定されるものではなく、例えば、データ列ナンバー1〜1024のパルス高、パルス幅及び休止時間に関するデータ列を有していてもよいし、データ列ナンバー1〜4096のパルス高、パルス幅及び休止時間に関するデータ列を有していてもよい。
【0035】
CPU201は、電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データに基づいて、第1の可変抵抗10や第1の正弦波発生器8を制御したり、パルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データに基づいて、第2の可変抵抗11や第3の可変抵抗20を制御したりする。
【0036】
補助記憶装置203は、例えば、不揮発メモリ等により構成されており、CPU201により生成された電圧制御データと時間制御データと周波数制御データとを関連付けて記憶したり、電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データに基づく電位の出力が終了したポイントに関する情報(第1の出力終了ポイント情報)を記憶したりする。また、補助記憶装置203は、CPU201により生成されたパルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データを関連付けて記憶したり、パルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データに基づくパルス電圧の出力が終了したポイントに関する情報(第2の出力終了ポイント情報)を記憶したりする。
【0037】
第1の正弦波発生器8及び第2の正弦波発生器9は、制御部2からの制御信号に基づいて、所定の周波数を有する正弦波を発生させる。第1の正弦波発生器8において、所定の周波数は周波数制御データに基づいて制御されるが、このとき、第1の正弦波発生器8は、発生させる周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて45〜80Hzの範囲で調整する。周波数を1/fゆらぎに基づいて変化させる際に、狭い範囲で変化させるだけでは関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果が限定的となる一方で、45〜80Hzの範囲を超えて変化させようとすると、変圧器(トランス)等の電圧発生部に求められる性能が上がってしまい、コスト増加につながる懸念がある。
【0038】
第1の可変抵抗10、第2の可変抵抗11及び第3の可変抵抗20は、制御部2(CPU201)からの制御信号に基づいて、出力電圧を調整する。第1の可変抵抗10は、第1の正弦波発生器8より発振された正弦波を所定の出力電圧に調整する。第2の可変抵抗11は、第2の正弦波発生器9より発振された正弦波を所定の出力電圧に調整するとともに、所定のパルス波を生成する。第3の可変抵抗20は、制御部2(CPU201)からの制御信号に基づき、所定の出力電圧に調整する。第1の可変抵抗10は、出力電圧を0〜15Vの範囲で調整し、第2の可変抵抗11は、出力電圧を0〜20Vの範囲で調整し、第3の可変抵抗20は、出力電圧を0〜20Vの範囲で調整する。
【0039】
第1の増幅器12及び第2の増幅器23は、入力電圧を増幅して出力する。第1の増幅器12は、入力電圧を0〜60Vの範囲で増幅して出力し、第2の増幅器23は、入力電圧を0〜30Vの範囲で増幅して出力する。
【0040】
第1のトランス14、第2のトランス15及び第3のトランス24は、入力電圧を変換(昇圧又は降圧)して出力する。第1のトランス14は、入力電圧を0〜9000Vの範囲で変換して出力し、第2のトランス15は、入力電圧を0〜1600Vの範囲で変換して出力し、第3のトランス24は、入力電圧を0〜30Vの範囲で変換して出力する。
【0041】
パルス波生成回路21は、第3の可変抵抗20により出力された電圧に従って、所定の周波数を有するパルス波を生成する。
【0042】
第1のコネクタ16は、電床27のプラグが挿入されるコネクタであり、第1のコネクタ16に接続されている第1のセンサ18は、第1のコネクタ16に電床27のプラグが挿入されたことを検知し、制御部2に第1の検知信号を送信する。
【0043】
第2のコネクタ17は、電位治療用プローブ28のプラグが挿入されるコネクタであり、第2のコネクタ17に接続されている第2のセンサ19は、第2のコネクタ17に電位治療用プローブ28のプラグが挿入されたことを検知し、制御部2に第2の検知信号を送信する。
【0044】
第3のコネクタ25は、低周波治療用プローブ29のプラグが挿入されるコネクタであり、第3のコネクタ25に接続されている第3のセンサ26は、第3のコネクタ25に低周波治療用プローブ29のプラグが挿入されたことを検知し、制御部2に第3の検知信号を送信する。
【0045】
なお、第1のコネクタ16は電床27専用のコネクタであり、第2のコネクタ17は電位治療用プローブ28専用のコネクタであり、第3のコネクタ25は低周波治療用プローブ29専用のコネクタである。したがって、第1〜第3のコネクタ16,17,25のいずれかに他のプローブのプラグが挿入されると、第1〜第3のコネクタ16,17,25は、他のプローブのプラグが挿入されている旨のエラー信号を制御部2に送信する。例えば、第1のコネクタ16に低周波治療用プローブ29のプラグが挿入されると、第1のセンサ18は、他のプラグが挿入されている旨のエラー信号を制御部2に送信する。
【0046】
操作部3には、主電源のスイッチ、「高」、「中」及び「低」の出力レベル設定スイッチ、治療時間設定(5〜20分の5分刻み)スイッチ及び治療スタート/ストップのスイッチ、低周波治療を行う際に筋刺激治療又は神経刺激治療を選択するためのスイッチが設けられている。
【0047】
第1のスイッチ13は、電床27又は電位治療用プローブ28に電流を供給するための切替スイッチであり、電床27のプラグが第1のコネクタ16に挿入されたことを第1のセンサ18が検知し、第1の検知信号が制御部2に送信されると、制御部2(CPU201)からの制御信号に従い、第1のスイッチ13が電床27側に切り替えられる。一方、電位治療用プローブ28のプラグが第2のコネクタ17に挿入されたことを第2のセンサ19が検知し、第2の検知信号が制御部2に送信されると、制御部2(CPU201)からの制御信号に従い、第1のスイッチ13が電位治療用プローブ28側に切り替えられる。
【0048】
第2のスイッチ22は、筋刺激治療又は神経刺激治療を行うために低周波治療用プローブ29に低周波電流を供給するための切替スイッチであり、ユーザが操作部3にて筋刺激治療を選択すると、制御部2(CPU201)からの制御信号に従い、第2のスイッチ22が第2の正弦波発生器9及び第2の可変抵抗11側(筋刺激治療側)に切り替えられる。一方、ユーザが操作部3にて神経刺激治療を選択すると、制御部2(CPU201)からの制御信号に従い、第2のスイッチ22が第3の可変抵抗20及びパルス波生成回路21側(神経刺激治療側)に切り替えられる。
【0049】
電床27は、例えば、絶縁布の中に導体布を設け、その導体布の一端に端子を介して高圧コードを接続してなるものであり、椅子の座部や足元等に設置される。電位治療用プローブ28は、例えば、導体を備え、導体の一端に端子を介して高圧コードを接続してなるものであり、導体を治療対象部位に接触させることにより、治療対象部位に局所的に電位を印加することができる。低周波治療用プローブ29は、例えば、表面に粘着性を有するパッドの中に電極を設け、電極の一端に端子を介して高圧コードを接続してなるものであり、パッドを治療対象部位に貼付することにより、治療対象部位にパルス電流(低周波電流)を印加することができる。
【0050】
本実施形態に係る組合せ電気治療装置は、図示しない電源回路を有している。かかる電源回路は、組合せ電気治療装置1の主電源のON/OFFを実行するものであり、操作部3にて主電源のスイッチがON又はOFFにされると、その信号がCPU201に送信され、CPU201からの信号に従って、電源回路が組合せ電気治療装置1の主電源をON又はOFFにする。
【0051】
タイマー4は、制御部2(CPU201)に接続されており、操作部3にて治療時間の設定がなされた場合、制御部2(CPU201)からの制御信号に基づき、設定された治療時間を計時する機能を有する。
【0052】
受信部5は、赤外線を受信し得る赤外線センサを有しており、リモコン30から送信された赤外線信号を受信し、制御部2(CPU201)に送信する。これにより、リモコン30を用いて主電源のON/OFF、出力レベルの設定、治療時間の設定、治療スタート/ストップ等の操作をすることができる。
【0053】
音声IC6は、制御部2(CPU201)からの制御信号に基づいて、音声データを生成し、当該音声データに基づいて、スピーカ61から音声を出力する。例えば、CPU201から送信される報知信号に基づいて、報知メッセージを音声として出力する。
【0054】
画像IC7は、制御部2(CPU201)からの制御信号に基づいて、画像データを生成し、当該画像データに基づいて、液晶ディスプレイ(LCD)71に画像を表示する。例えば、画像IC7は、CPU201からの操作画像生成信号に基づいて、操作用画像データを生成し、液晶ディスプレイ71に操作用画像を表示したり、CPU201からの報知画像生成信号に基づいて、報知画像データを生成し、液晶ディスプレイ71に報知画像を表示したりする。
【0055】
次に、組合せ電気治療装置1における電床27を用いた電位治療の処理動作について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0056】
まず、ユーザが、操作部3における主電源のスイッチをONにすると、その信号が操作部3からCPU201に送信され、CPU201からの制御信号により電源回路が交流電源から給電し、組合せ電気治療装置1の主電源をONにする。
【0057】
ユーザが、電床27のプラグを第1のコネクタ16に挿入すると、第1のセンサ18が第1のコネクタ16に電床27のプラグが挿入されたことを検知し、第1の検知信号をCPU201に送信し、CPU201は、第1のセンサ18からの第1の検知信号を受信する(S101)。
【0058】
CPU201は、第1のセンサ18から送信された第1の検知信号を受信すると、第2の検知信号又は第3の検知信号を受信中であるか否かを判断する(S102)。第2の検知信号又は第3の検知信号を受信中であると判断した場合(S102,Yes)、CPU201は、エラー表示処理を行う(S103)。
【0059】
図4に示すように、エラー表示処理において、CPU201は、エラーメッセージを音声で出力させるための報知信号を音声IC6に送信するとともに、エラーメッセージを画像として表示させるための報知画像生成信号を画像IC7に送信する(S103−1)。
【0060】
音声IC6は、CPU201からの報知信号に基づいて音声データを生成し、画像IC7は、CPU201からの報知画像生成信号に基づいて画像データを生成する。そして、音声IC6は、生成した音声データに基づいてスピーカ61からエラーメッセージを音声として出力するとともに、画像IC7は、生成した画像データに基づいて液晶ディスプレイ71にエラーメッセージ画像を表示させる。
【0061】
CPU201は、第1の検知信号、第2の検知信号又は第3の検知信号のいずれかのみを受信中であるか否かを判断する(S103−2)。ユーザが、電位治療用プローブ28のプラグや低周波治療用プローブ29のプラグを第2のコネクタ17や第3のコネクタ25から抜き、電床27のプラグのみが挿入されている状態にすると、CPU201は、第1の検知信号のみを受信中であると判断し(S103−2,Yes)、音声出力を中止させるための信号を音声IC6に送信するとともに、画像表示を中止させるための信号を画像IC7に送信する(S103−3)。これにより、エラー表示処理が終了する。このように、本実施形態に係る組合せ電気治療装置1は、第1〜第3のコネクタ16,17,25のうちの2以上にプラグが挿入されている場合、エラーメッセージを音声及び画像として報知するため、ユーザに治療方法の選択を促すことができるとともに、1のプラグのみが挿入されている状態でない限りは治療を行うことができないため、安全に治療を行うことができる。
【0062】
エラー表示処理(S103)が終了すると、又は上記ステップS102にて第2の検知信号及び第3の検知信号を受信していないと判断すると(S102,No)、CPU201は、第1のスイッチ13を電床27側に切り替えるとともに、電床27を用いた電位治療に関する操作画像を生成するための信号を画像IC7に送信する(S104)。
【0063】
画像IC7は、CPU201からの信号に基づいて、操作画像に関するデータを生成し、生成した操作画像に関するデータに基づいて、液晶ディスプレイ71に操作画像を表示する。これにより、ユーザは、電床27を用いた電位治療に関する設定操作を行うことができる。
【0064】
CPU201は、操作部3にて出力設定が「高」、「中」及び「低」のうちのいずれかに設定されたか否かを判断する(S105)。例えば、ユーザが操作部3にて出力設定を「高」に設定すると、CPU201は、操作部3からの出力設定信号に基づいて、設定された出力設定「高」に対応する第1の出力終了ポイント情報が補助記憶装置203に記憶されているか否かを判断する(S106)。
【0065】
補助記憶装置203に出力設定「高」に対応する第1の出力終了ポイント情報が記憶されていない場合(S106,No)、CPU201は、主記憶装置202に記憶されている1/fゆらぎ変換プログラムを読み出し、当該1/fゆらぎ変換プログラムに従って、出力設定「高」に対応する電圧制御データを生成する(S107)。なお、出力設定「高」に対応する電圧制御データとは、出力電圧を0〜9000Vの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことである。そして、CPU201は、生成した電圧制御データを補助記憶装置203に記憶する(S108)。
【0066】
なお、ユーザが操作部3にて出力設定を「中」又は「低」に設定し、補助記憶装置203にそれらの出力設定に対応する第1の出力終了ポイント情報が記憶されていない場合、CPU201は、主記憶装置202に記憶されている1/fゆらぎ変換プログラムを読み出し、当該1/fゆらぎ変換プログラムに従って、出力設定「中」又は「低」に対応する電圧制御データを生成し(S107)、電圧制御データを補助記憶装置203に記憶する(S108)。出力設定「中」に対応する電圧制御データとは、出力電圧を0〜7000Vの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことであり、出力設定「低」に対応する電圧制御データとは、出力電圧を0〜5000Vの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことである。
【0067】
次に、CPU201は、1/fゆらぎ変換プログラムに従い、生成した電圧制御データに基づく電圧の出力時間を1/fゆらぎ周期に変換した時間制御データを生成し(S109)、生成した時間制御データを、電圧制御データに関連付けて補助記憶装置203に記憶する(S110)。時間制御データとは、電圧制御データに基づいて変化された電圧が出力される時間を、0.1〜10秒の範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことである。
【0068】
続いて、CPU201は、1/fゆらぎ変換プログラムに従って、周波数制御データを生成し(S111)、生成した周波数制御データを、電圧制御データ及び時間制御データに関連付けて補助記憶装置203に記憶する(S112)。なお、周波数制御データとは、出力周波数を45〜80Hzの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことである。
【0069】
一方、出力設定「高」に対応する第1の出力終了ポイント情報が補助記憶装置203に記憶されている場合(S106,Yes)、CPU201は、補助記憶装置203に記憶されている第1の出力終了ポイント情報を読み出す(S113)。
【0070】
CPU201は、操作部3にて治療時間が設定されたか否かを判断する(S114)。ユーザが操作部3にて治療時間を設定すると、CPU201はその設定された治療時間を補助記憶装置203に記憶する(S115)。そして、CPU201は、操作部3にて治療スタートのスイッチがONにされたか否かを判断する(S116)。
【0071】
ユーザが操作部3にて治療スタートのスイッチをONにすると、CPU201は、設定治療時間に関する信号をタイマー4に送信し(S117)、補助記憶装置203に記憶されている電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データを読み出す(S118)。
【0072】
そして、CPU201は、読み出した電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データに基づいて、第1の正弦波発生器8と第1の可変抵抗10とを制御する(S119)。このとき、CPU201は、1000V/0.5秒の比率で電圧を漸次上下するように第1の正弦波発生器8と第1の可変抵抗10とを制御する。このように、電圧を漸次上下することにより、突入電流を小さくし、回路及び人体に対する悪影響を低減することができる。また、上記ステップS113において第1の出力終了ポイント情報を読み出した場合、CPU201は、読み出した第1の出力終了ポイント情報に従い、電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データにおける出力終了ポイント以後の制御データに基づいて、第1の正弦波発生器8と第1の可変抵抗10とを制御する(S119)。
【0073】
CPU201が第1の可変抵抗10を制御することによって、第1の増幅器12を介して第1のトランス14の二次側で発生させる出力電圧が1/fゆらぎ周期に基づいて変化するように制御される。そして、第1のトランス14で発生させた、1/fゆらぎ周期に基づいて変化する電圧が電床27に出力され、電床27から人体に電位が印加される。
【0074】
CPU201は、起動させたタイマー4からの治療時間終了に関する信号を受信すると(S120)、かかる信号に基づいて、電圧の発生を停止させて(S121)処理動作を終了するとともに、電圧の出力を終了したポイントに関する情報(第1の出力終了ポイント情報)を補助記憶装置203に記憶する(S122)。
【0075】
このように、CPU201は、電圧制御データ、時間制御データ及び周波数制御データを読み出し、それらのデータに基づいて、設定された治療時間が終了するまで第1の正弦波発生器8や第1の可変抵抗10、ひいては第1のトランス14を制御し、発生させた電圧を電床27に出力する。したがって、ユーザには、1/fゆらぎ周期に基づいて変化する電位が印加されることとなる。このようにして、本実施形態に係る組合せ電気治療装置1は、ユーザが電位による刺激に慣れることを防止し、治療効果を持続させることができるとともに、ユーザにリラックス感を与えることもできる。さらに、電圧及び当該電圧の出力時間とともに、出力周波数も1/fゆらぎ周期に基づいて変化することにより、関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果を発揮することができる。
【0076】
続いて、本実施形態に係る組合せ電気治療装置1における低周波治療用プローブ29を用いた低周波治療の処理動作について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0077】
まず、ユーザが、操作部3における主電源のスイッチをONにすると、その信号が操作部3からCPU201に送信され、CPU201からの制御信号により電源回路が交流電源から給電し、組合せ電気治療装置1の主電源をONにする。
【0078】
ユーザが、低周波治療用プローブ29のプラグを第3のコネクタ25に挿入すると、第3のセンサ26が第3のコネクタ25に低周波治療用プローブ29のプラグが挿入されたことを検知し、第3の検知信号をCPU201に送信し、CPU201は、第3のセンサ26からの第3の検知信号を受信する(S201)。
【0079】
CPU201は、第3のセンサ26から送信された第3の検知信号を受信すると、第1の検知信号又は第2の検知信号を受信中であるか否かを判断する(S202)。第1の検知信号又は第2の検知信号を受信中であると判断した場合(S202,Yes)、CPU201は、図4に示すように、エラー表示処理を行う(S203)。
【0080】
エラー表示処理(S203)が終了すると、又は上記ステップS202にて第1の検知信号及び第2の検知信号を受信していないと判断すると(S202,No)、CPU201は、低周波治療用プローブ29を用いた低周波治療に関する操作画像を生成するための信号を画像IC7に送信する(S204)。
【0081】
画像IC7は、かかる操作画像生成信号に基づいて、操作画像に関するデータを生成し、生成した操作画像に関するデータに基づいて、液晶ディスプレイ71に操作画像を表示する。具体的には、ユーザに筋刺激治療又は神経刺激治療を選択させるための画像が液晶ディスプレイ71に表示される。
【0082】
ユーザが、液晶ディスプレイ71に表示された操作画像に従い、操作部3にて筋刺激治療又は神経刺激治療を選択すると、CPU201は、操作部3から送信された筋刺激治療が選択された旨の信号又は神経刺激治療が選択された旨の信号(治療方法選択信号)を受信し(S205)、当該治療方法選択信号に基づいて、第2のスイッチ22を第2の可変抵抗11側(筋刺激治療側)又はパルス波生成回路21側(神経刺激治療側)に切り替える(S206)。例えば、ユーザが操作部3にて筋刺激治療を選択すると、CPU201は、操作部3からの治療方法選択信号に基づいて、第2のスイッチ22を第2の可変抵抗11側に切り替えるための制御信号を第2のスイッチ22に送信し、第2のスイッチ22を第2の可変抵抗11側に切り替える。
【0083】
CPU201は、操作部3からの出力設定に関する信号(出力設定信号)を受信し、操作部3にて出力設定が「高」、「中」及び「低」のうちのいずれかに設定されたか否かを判断する(S207)。例えば、ユーザが操作部3にて出力設定を「高」に設定すると、CPU201は、操作部3からの出力設定信号に基づいて、設定された出力設定に対応する第2の出力終了ポイント情報が補助記憶装置203に記憶されているか否かを判断する(S208)。
【0084】
補助記憶装置203に出力設定「高」に対応する第2の出力終了ポイント情報が記憶されていない場合(S208,No)、CPU201は、主記憶装置202に記憶されている1/fゆらぎ変換プログラムを読み出し、当該1/fゆらぎ変換プログラムに従って、出力設定「高」に対応するパルス高制御データを生成する(S209)。なお、出力設定「高」に対応するパルス高制御データとは、パルス高を0〜30Vの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことである。そして、CPU201は、生成したパルス高制御データを補助記憶装置203に記憶する(S210)。
【0085】
なお、ユーザが操作部3にて出力設定を「中」又は「低」に設定し、補助記憶装置203にそれらの出力設定に対応する第2の出力終了ポイント情報が記憶されていない場合、CPU201は、主記憶装置202に記憶している1/fゆらぎ変換プログラムを読み出し、当該1/fゆらぎ変換プログラムに従って、出力設定「中」又は「低」に対応するパルス高制御データを生成し(S209)、パルス高制御データを補助記憶装置203に記憶する(S210)。出力設定「中」に対応するパルス高制御データとは、パルス高を0〜15Vの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことであり、出力設定「低」に対応するパルス高制御データとは、パルス高を0〜10Vの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことである。
【0086】
次に、CPU201は、1/fゆらぎ変換プログラムに従い、パルス幅を1/fゆらぎ周期に変換したパルス幅制御データを生成し(S211)、生成したパルス幅制御データを、パルス高制御データに関連付けて補助記憶装置203に記憶する(S212)。パルス幅制御データとは、パルス幅を2〜20msの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことである。
【0087】
さらに、CPU201は、1/fゆらぎ変換プログラムに従い、休止時間を1/fゆらぎ周期に変換した休止時間制御データを生成し(S213)、生成した休止時間制御データを、パルス高制御データ及びパルス幅関連データに関連付けて補助記憶装置203に記憶する(S214)。休止時間制御データとは、休止時間(パルスの立下りから立ち上がりまでの時間)を2〜20msの範囲で1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのデータのことである。
【0088】
一方、出力設定「高」に対応する第2の出力終了ポイント情報が補助記憶装置203に記憶されている場合(S208,Yes)、CPU201は、補助記憶装置203に記憶されている出力設定「高」に対応する第2の出力終了ポイント情報を読み出す(S215)。
【0089】
CPU201は、操作部3にて治療時間が設定されたか否かを判断する(S216)。ユーザが操作部3にて治療時間を設定すると、CPU201はその設定された治療時間を補助記憶装置203に記憶する(S217)。そして、CPU201は、操作部3にて治療スタートのスイッチがONにされたか否かを判断する(S218)。
【0090】
ユーザが操作部3にて治療スタートのスイッチをONにすると、CPU201は、設定治療時間に関する信号をタイマー4に送信し(S219)、補助記憶装置203に記憶されているパルス高制御データ、パルス幅関連データ及び休止時間制御データを読み出す(S220)。
【0091】
そして、CPU201は、読み出したパルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データに基づいて、第2の可変抵抗11(上記ステップS205にて神経刺激治療を選択した旨の信号を受信した場合には第3の可変抵抗20)を制御する(S221)。上記ステップS215において第2の出力終了ポイント情報を読み出した場合、CPU201は、読み出した第2の出力終了ポイント情報に従い、パルス高制御データ、パルス幅制御データ及び休止時間制御データのうちの第2の出力終了ポイント以後の制御データに基づいて、第2の可変抵抗11(又は第3の可変抵抗20)を制御する(S221)。
【0092】
CPU201が第2の可変抵抗11(又は第3の可変抵抗20)を制御することによって、第2の増幅器23を介して第3のトランス24の二次側で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間が1/fゆらぎ周期に基づいて変化するように制御される。パルス幅及び休止時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化することにより、結果としてパルス周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化することができる。そして、第3のトランス24で発生させたパルス電圧は低周波治療用プローブ29に出力され、低周波治療用プローブ29から人体に1/fゆらぎ周期に基づいてパルス高、パルス幅及び休止時間の変化したパルス電流が印加される。
【0093】
CPU201は、起動させたタイマー4からの治療時間終了に関する信号を受信すると(S222)、かかる信号に基づいて、パルス電圧の発生を停止させて(S223)処理動作を終了するとともに、出力終了ポイントに関する情報(第2の出力終了ポイント情報)を補助記憶装置203に記憶する(S224)。
【0094】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0095】
例えば、本実施形態に係る組合せ電気治療装置1に比較回路を設け、比較回路で第1のトランス14、第2のトランス15又は第3のトランス24の出力電圧値を測定し、測定結果を制御部2(CPU201)に入力して、設定電圧値と異なる場合には、その設定電圧値になるように制御部2(CPU201)によって第1の可変抵抗10、第2の可変抵抗11又は第3の可変抵抗20を制御するようにしてもよい。
【0096】
また、本実施形態に係る組合せ電気治療装置1にスパーク検出器を設け、スパークを検出した場合には、その情報を制御部2(CPU201)に送信し、制御部2(CPU201)からの指示によって電圧の出力を停止するようにしてもよい。
【実施例】
【0097】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0098】
〔実施例1〕
関節リウマチ患者に図1に示す組み合わせ電気治療装置1を使用してもらい、患者の感じる関節の痛みやこわばり、炎症や手足等の機能に対して組み合わせ電気治療装置1が効果を有するかどうかの試験を行った。
【0099】
被験者は、米国リウマチ学会(ACR)の診断基準により試験責任医師が関節リウマチと診断した30歳から70歳までの患者19名である。これら被験者に出力設定を「高」に設定して電床27を用いた電位治療を行った。治療は1日1回20分の使用を2週間行い、その後12週目までは1日1回60分の使用を行った。
【0100】
試験開始後4週間毎に、被験者それぞれのRF(リウマチ因子)値、赤沈(赤血球沈降速度)値、CRP(C反応性蛋白)、MMP−3(マトリックスメタロプロテアーゼ−3)、VAS(Visual Analogue Scale:疼通の視覚的アナログ尺度)、DAS(Disease Activity Score:被験者の活動性スコア)、STAS(Serum Total Antioxidant Status:抗酸化能測定)、PAO(Potential Anti Oxidant:抗酸化能測定)を計測した。それぞれの計測項目毎の計測値を表1に示す。なお、計測値は全て「平均値±平均誤差」で示されている。
【0101】
【表1】

【0102】
表1に示した計測の結果のうち特に、VASの試験期間中の推移を図6に、DASの試験期間中の推移を図7に示した。図6及び図7に示すように、本実施形態に係る組み合わせ電気治療装置1は、関節リウマチ患者のVAS及びDAS改善に大きな効果を上げており、関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果があることが確認された。本実施形態に係る組み合わせ電気治療装置1においては、1/fゆらぎ周期に基づいて変化する電位が印加されるが、電圧及び当該電圧の出力時間とともに、発生させる周波数をも1/fゆらぎ周期に基づいて45〜80Hzの範囲で調整しており、これによって関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果が発揮されることが確認された。
【0103】
〔実施例2〕
関節リウマチ患者に図1に示す組み合わせ電気治療装置1を使用してもらい、患者の感じる関節の痛みやこわばり、炎症や手足等の機能に対して組み合わせ電気治療装置1が効果を有するかどうかの試験を行った。
【0104】
被験者は、米国リウマチ学会(ACR)の診断基準により試験責任医師が関節リウマチと診断した30歳から70歳までの患者12名であり、かつ、BMIが40.0以下、血圧が160/100mmHg以下、脈拍数100回/分以下の患者である。これら被験者に出力設定を「高」に設定して電床27を用いた電位治療を行った。治療は1日1回20分の使用を2週間行い、その後12週目までは1日1回60分の使用を行った。さらにその後16週目までは、電位を印加しないように設定した組み合わせ電気治療装置1を使用継続してもらった。
【0105】
〔比較例1〕
また、実施例2と同じ被験者に対して、電位をいっさい印加しないように設定した組み合わせ電気治療装置を使用してダミー治療を行った。ダミー治療は1日1回20分の使用を2週間行い、その後16週目までは1日1回60分の使用を行った。被験者に対しては電位を印加していないことは一切伝えず、それ故に被験者は電位治療が行われていると信じた状態でダミー治療を受けている。
【0106】
実施例2及び比較例1それぞれの試験開始後4週間毎に、被験者それぞれのRF値、赤沈値、CRP、MMP−3、VAS、EULAR(欧州リウマチ学会)基準(DAS28)疼痛数、STAS、PAOを計測した。それぞれの計測項目毎の計測値を表2に示す。なお、計測値は全て「平均値±平均誤差」で示されている。
【0107】
【表2】

【0108】
表2に示した計測の結果のうち、VASの試験期間中の推移を図8に、DAS28疼痛数の試験期間中の推移を図9に示した。図8及び図9に示すように、本実施形態に係る組み合わせ電気治療装置1は、関節リウマチ患者のVAS及びDAS28疼痛数改善に大きな効果を上げており、関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果があることが確認された。本実施形態に係る組み合わせ電気治療装置1においては、1/fゆらぎ周期に基づいて変化する電位が印加されるが、電圧及び当該電圧の出力時間とともに、発生させる周波数をも1/fゆらぎ周期に基づいて45〜80Hzの範囲で調整しており、これによって関節リウマチ患者の感じる痛みを和らげる効果が発揮されることが確認された。
【符号の説明】
【0109】
1…組合せ電気治療装置
2…制御部
201…CPU(処理部)
202…主記憶装置(記憶部)
203…補助記憶装置(記憶部)
3…操作部
4…タイマー
6…音声IC
61…スピーカ
7…画像IC
71…液晶ディスプレイ
8,9…正弦波発生器
10,11,20…可変抵抗
12,23…増幅器
13,22…スイッチ
14,15,24…トランス(電圧発生部,パルス電圧発生部)
16,17,25…コネクタ
18,19,26…センサ
21…パルス波生成回路
27…電床(電位治療導子)
28…電位治療用プローブ(電位治療導子)
29…低周波治療用プローブ(低周波治療導子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の電圧を発生させる電圧発生部と、
前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるための制御部と、
治療対象に前記電圧発生部からの電位を印加するための電位治療導子とを備え、
前記制御部が、前記電圧発生部で発生させる電圧を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるとともに、当該電圧の出力時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させ、かつ出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるための出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する出力電圧制御データを、1/fゆらぎ変換プログラムに従って生成する処理部と、前記処理部によって生成された出力電圧制御データを記憶する記憶部とを有し、
前記処理部が、前記出力電圧制御データに基づいて前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を変化させることを特徴とする電位治療装置。
【請求項2】
前記出力電圧制御データが、256個、1024個又は4096個の出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する20分間、40分間又は60分間の出力電圧制御データであることを特徴とする請求項1に記載の電位治療装置。
【請求項3】
前記処理部が、出力周波数を前記出力電圧制御データに基づいて45〜80Hzの範囲で変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電位治療装置。
【請求項4】
通電時間を制御するタイマーと、
通電時間を設定することのできるタイマー操作部と
をさらに備え、
前記処理部が、前記タイマー操作部にて設定された通電時間が終了するまで、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電位治療装置。
【請求項5】
前記タイマー操作部にて設定された通電時間が終了すると、前記記憶部が、前記通電時間が終了した時の前記出力電圧制御データにおける終了点に関する情報を記憶し、
前記記憶部に前記終了点に関する情報が記憶されている場合に、前記制御部が、前記終了点に関する情報に従い、前記終了点以後の前記出力電圧制御データに基づいて、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることを特徴とする請求項4に記載の電位治療装置。
【請求項6】
所定の電圧を発生させる電圧発生部と、
所定のパルス電圧を発生させるパルス電圧発生部と、
前記電圧発生部及び前記パルス電圧発生部を制御する制御部と、
治療対象に前記電圧発生部からの電位を印加する電位治療導子と、
治療対象に前記パルス電圧発生部からのパルス電流を印加する低周波治療導子とを備え、
前記制御部が、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるための出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する出力電圧制御データ、並びに前記パルス電圧発生部で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるためのパルス高、パルス幅及び休止時間に関するデータ列を有するパルス電圧制御データを、1/fゆらぎ変換プログラムに従って生成する処理部と、前記処理部によって生成された出力電圧制御データ及びパルス電圧制御データを記憶する記憶部とを有し、
前記処理部が、前記出力電圧制御データに基づいて前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を変化させるとともに、前記パルス電圧制御データに基づいて前記パルス電圧発生部で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を変化させることを特徴とする組合せ電気治療装置。
【請求項7】
前記出力電圧制御データが、256個、1024個又は4096個の出力電圧、出力時間及び出力周波数に関するデータ列を有する20分間、40分間又は60分間の出力電圧制御データであって、
前記パルス電圧制御データが、256個、1024個又は4096個のパルス高、パルス幅及び休止時間に関するデータ列を有する20分間、40分間又は60分間のパルス電圧制御データであることを特徴とする請求項6に記載の組合せ電気治療装置。
【請求項8】
前記処理部が、出力周波数を前記出力電圧制御データに基づいて45〜80Hzの範囲で変化させることを特徴とする請求項6又は7に記載の電位治療装置。
【請求項9】
通電時間を制御するタイマーと、
通電時間を設定することのできるタイマー操作部と
をさらに備え、
前記処理部が、前記タイマー操作部にて設定された通電時間が終了するまで、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させるとともに、前記パルス電圧発生部で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の組合せ電気治療装置。
【請求項10】
前記タイマー操作部にて設定された通電時間が終了すると、前記記憶部が、前記通電時間が終了した時の前記出力電圧制御データにおける第1の終了点に関する情報を記憶するとともに、前記通電時間が終了したときの前記パルス電圧制御データにおける第2の終了点に関する情報を記憶し、
前記記憶部に前記第1の終了点に関する情報が記憶されている場合に、前記処理部が、前記第1の終了点に関する情報に従い、前記第1の終了点以後の前記出力電圧制御データに基づいて、前記電圧発生部で発生させる電圧、当該電圧の出力時間及び出力周波数を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させ、
前記記憶部に前記第2の終了点に関する情報が記憶されている場合に、前記処理部が、前記第2の終了点以後の前記パルス電圧制御データに基づいて、前記パルス電圧発生部で発生させるパルス電圧のパルス高、パルス幅及び休止時間を1/fゆらぎ周期に基づいて変化させることを特徴とする請求項9に記載の組合せ電気治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−103107(P2013−103107A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251301(P2011−251301)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(502320817)ココロカ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】