説明

電力供給システム

【課題】 電力変換の容量を増大させることなく高速充電を可能とする電力供給システムを提供する。
【解決手段】 太陽電池14から供給された電力を変換するPV用DC/DCコンバータ13と、住宅側バス11から供給された電力を変換して電動車両EVに供給可能なEV用DC/DCコンバータ1と、住宅内リレー12と、高速充放電用リレー3と、結合部1Aとを有し、制御部2が、住宅内リレー12をオフとすると共に高速充放電用リレー3をオンとし、EV用DC/DCコンバータ1により変換した電力とR2を介して結合部1Aに供給された電力とを合算した電力を、電動車両用配線R3を介して電動車両EVに出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に電力を供給する電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両に電力を充電する技術としては、下記の特許文献1に記載されたものが知られている。この特許文献1には、太陽光発電装置によって得られた電力と、外部系統の深夜電力と一般電力とのコストを比較して、コストの安い電力を優先的に住宅用電気設備と、住宅用蓄電池および電気自動車の車両用蓄電池に供給することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−178237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、商用電力、蓄電値、太陽電池の電力を電気自動車に充電する構成であっても、コンバータ(インバータ)容量を超える電力では電気自動車に充電できず、長時間の充電が必要となる。一方、コンバータの容量を増大させると、当該コンバータのサイズが大きくなると共にコストが高くなる。更に、定常時の電力変換効率の低下を招いてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、電力変換の容量を増大させることなく高速充電を可能とする電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る電力供給システムは、太陽電池に接続され、当該太陽電池から供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅内電力用配線に出力する第1電力変換部と、前記住宅内電力用配線から第1経路を介して供給された電力を変換し、電動車両用配線を介して電動車両に供給可能な第2電力変換部と、前記第1電力変換部と前記住宅内電力用配線との間に配置された第1リレー部と、前記第1電力変換部と前記第2電力変換部との間に配置された第2リレー部と、前記第2電力変換部に設けられ、前記第2リレー部と第2経路を介して接続された結合部と、前記第1リレー部をオフとすると共に前記第2リレー部をオンとし、前記第2電力変換部により変換した電力と前記第2経路を介して前記結合部に供給された電力とを合算した電力を、前記電動車両用配線を介して前記電動車両に出力させる制御部とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の第2の態様に係る電力供給システムは、二次電池に接続され、当該二次電池から供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅内電力用配線に出力する第1電力変換部と、前記住宅内電力用配線から第1経路を介して供給された電力を変換し、電動車両用配線を介して電動車両に供給可能な第2電力変換部と、前記第1電力変換部と前記住宅内電力用配線との間に配置された第1リレー部と、前記第1電力変換部と前記第2電力変換部との間に配置された第2リレー部と、前記第2電力変換部に設けられ、前記第2リレー部と第2経路を介して接続された結合部と、前記第1リレー部をオフとすると共に前記第2リレー部をオンとし、前記第2電力変換部により変換した電力と前記第2経路を介して前記結合部に供給された電力とを合算した電力を、前記電動車両用配線を介して前記電動車両に出力させる制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様に係る電力供給システムは、燃料電池に接続され、当該燃料電池から供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅内電力用配線に出力する第1電力変換部と、前記住宅内電力用配線から第1経路を介して供給された電力を変換し、電動車両用配線を介して電動車両に供給可能な第2電力変換部と、前記第1電力変換部と前記住宅内電力用配線との間に配置された第1リレー部と、前記第1電力変換部と前記第2電力変換部との間に配置された第2リレー部と、前記第2電力変換部に設けられ、前記第2リレー部と第2経路を介して接続された結合部と、前記第1リレー部をオフとすると共に前記第2リレー部をオンとし、前記第2電力変換部により変換した電力と前記第2経路を介して前記結合部に供給された電力とを合算した電力を、前記電動車両用配線を介して前記電動車両に出力させる制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の態様に係る電力供給システムは、上記第1乃至第3の何れかの態様の電力供給システムに対し、前記第1電力変換部に接続された電池以外の電力出力用電源が接続され、当該電力出力用電源から供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅内電力用配線に出力する第3電力変換部と、前記第3電力変換部と前記住宅内電力用配線との間に配置された第3リレー部と、前記第3電力変換部と前記第2電力変換部とを接続する第3経路に配置された第4リレー部とを更に備え、前記結合部は、前記第3経路を介して前記第4リレー部と接続され、前記制御部は、前記第1リレー部及び前記第3リレー部をオフとすると共に前記第2リレー部及び前記第4リレー部をオンとし、前記第2電力変換部により変換した電力と前記第2経路を介して前記結合部に供給された電力と前記第3経路を介して前記結合部に供給された電力とを合算した電力を、前記電動車両用配線を介して前記電動車両に出力させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、太陽電池、二次電池又は燃料電池に接続された第1電力変換部の変換電力と、住宅内電力用配線に接続された第2電力変換部の変換電力とを合算した電力を電動車両に出力できるので、電力変換の容量を増大させることなく高速充電が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態として示す電力供給システムの構成を示すブロック図である。
【図2】比較例としての電力供給システムを示すブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態として示す電力供給システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3実施形態として示す電力供給システムの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第4実施形態として示す電力供給システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態として示す電力供給システムは、例えば図1に示すように構成される。この電力供給システムは、電動車両EVに搭載された蓄電池に電力を充放電するものである。
【0014】
この電力供給システムは、EV用DC/DCコンバータ1、制御部2、高速充放電用リレー3を含む。また、この電力供給システムは、住宅側バス11に接続された住宅内リレー12と、PV用DC/DCコンバータ13と、太陽電池パネル(PV)14とを含む。更に電力供給システムは、住宅側バス11に接続されたDC−ACコンバータ15を備える。このDC−ACコンバータ15は、電力系統16と接続されている。
【0015】
この電力供給システムは、各構成要素としてのEV用DC/DCコンバータ1、制御部2、高速充放電用リレー3、住宅側バス11、住宅内リレー12、PV用DC/DCコンバータ13、太陽電池パネル14の設置個所は限定していない。したがって、電力供給システムにおいて、EV用DC/DCコンバータ1、制御部2、高速充放電用リレー3が住宅とは別の装置で構成されていてもよい。また、EV用DC/DCコンバータ1、制御部2、高速充放電用リレー3が住宅内に設置されていてもよい。
PV用DC/DCコンバータ13(第1電力変換部)は、太陽電池パネル14に接続されている。PV用DC/DCコンバータ13は、当該太陽電池パネル14から供給された電力の電圧を、住宅内で利用できる電圧に変換する。PV用DC/DCコンバータ13は、住宅内リレー12がオン状態(導通状態)となっている場合には、変換した電力を、住宅内に設けられた住宅内電力用配線としての住宅側バス11に出力する。一方、PV用DC/DCコンバータ13は、住宅内リレー12がオフ状態(解列状態)となっている場合には、太陽電池パネル14により発電した電力を、高速充放電用経路R2に供給可能となる。
【0016】
また、PV用DC/DCコンバータ13は、制御部2との間で通信が可能となっている。PV用DC/DCコンバータ13は、制御部2から供給された制御信号に従って起動又は停止する。
【0017】
本実施形態において、PV用DC/DCコンバータ13は、例えば、単位時間当たりに4kWの電力を出力するよう構成されている。
【0018】
住宅内リレー12(第1リレー部)は、PV用DC/DCコンバータ13と住宅側バス11との間に配置されている。住宅内リレー12は、制御部2によって、オン(導通)状態とオフ(遮断)状態とが切り換えられる。
【0019】
高速充放電用リレー3(第2リレー部)は、PV用DC/DCコンバータ13とEV用DC/DCコンバータ1とを接続する第2経路R2に設けられている。高速充放電用リレー3は、制御部2によってオン(導通)状態と、オフ(遮断)状態とが切り換えられる。
【0020】
EV用DC/DCコンバータ1(第2電力変換部)は、電動車両用配線R3を介して電動車両EVに接続可能となっている。EV用DC/DCコンバータ1は、住宅側バス11から第1経路としての通常充放電用経路R1を介して供給された電力を変換する。具体的には、EV用DC/DCコンバータ1は、住宅側バス11から供給された電圧を昇降圧して電動車両EVに供給可能である。また、EV用DC/DCコンバータ1は、電動車両EVから電力が供給された場合には、この電圧を昇降圧して住宅側バス11に電力を供給する。例えば電動車両EV用の電圧は0V〜500Vであり、住宅側バス11用の電圧は300V〜400Vとなる。
【0021】
本実施形態において、EV用DC/DCコンバータ1は、例えば、単位時間当たりに4kWの電力を出力するよう構成されている。
【0022】
EV用DC/DCコンバータ1には、第2経路としての高速充放電用経路R2が接続された結合部1Aが設けられている。結合部1Aは、EV用DC/DCコンバータ1の出力端に設けられる。結合部1Aは、高速充放電用経路R2上の高速充放電用リレー3を介して供給された電力と、EV用DC/DCコンバータ1により変換された電力とを合算した電力を電動車両EVに供給する。結合部1Aは、PV用DC/DCコンバータ13の変換電力とEV用DC/DCコンバータ1の変換電力とを結合させるような構成で有ればよく、特に回路構成は限定しない。
【0023】
制御部2は、高速充放電用リレー3、住宅内リレー12の状態をオン状態とオフ状態との間で切り替える制御信号を供給する。また、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1の動作とPV用DC/DCコンバータ13の動作とを同調させるよう通信を行う。この「同調させる」とは、EV用DC/DCコンバータ1とPV用DC/DCコンバータ13とが同時に動作して、EV用DC/DCコンバータ1の変換電力とPV用DC/DCコンバータ13の変換電力とを同時に結合部1Aに供給可能な状態である。
【0024】
この制御部2は、電動車両EVに対して通常の単位時間当たりの充電電力量で充電を行う場合には、住宅内リレー12をオン状態としておき、高速充放電用リレー3をオフ状態としておく。また、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1の動作とPV用DC/DCコンバータ13の動作とを同調させる制御を行わない。これにより、EV用DC/DCコンバータ1は、電動車両EVが電動車両用配線R3によって接続された状態で、所定の電力(単位時間当たり4kW)を電動車両EVに供給できる。
【0025】
一方、制御部2は、電動車両EVに対して高速充電を行うことができる。このとき、制御部2は、住宅内リレー12をオフ(解列)とすると共に高速充放電用リレー3をオンとする。この状態で、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1の動作とPV用DC/DCコンバータ13の動作とを同調させる。これにより、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1により変換した電力と、高速充放電用経路R2(第2経路)を介して結合部1Aに供給された電力とを合算した電力を、電動車両用配線R3を介して電動車両EVに出力させる。具体的には、EV用DC/DCコンバータ1の変換電力の4kWとPV用DC/DCコンバータ13の変換電力の4kWとを合算した単位時間当たり8kWの電力を供給できる。
【0026】
以上のように、この電力供給システムによれば、EV用DC/DCコンバータ1の変換電力にPV用DC/DCコンバータ13の変換電力を結合して、合計した電力を電動車両EVに供給できる。これにより、電力供給システムによれば、EV用DC/DCコンバータ1の電力変換容量を増大させることなく高速充電を可能とする。
【0027】
ここで、比較例としての電力供給システムは、例えば図2のようになる。この電力供給システムでは、EV用DC/DCコンバータ1の容量を超える電力は電動車両EVに出力できない。また、EV用DC/DCコンバータ1の容量を増加させると、サイズ、コストの増大を招く。
【0028】
しかし、本実施形態の電力供給システムは、PV用DC/DCコンバータ13とEV用DC/DCコンバータ1とを接続し、PV用DC/DCコンバータ13と住宅側バス11とを解列する住宅内リレー12を設けている。このような電力供給システムによれば、リレーおよび配線を追加したという簡易な構成であるため、大容量のEV用DC/DCコンバータ1を設置するよりも、小型化、低コスト化で高速充電を実現できる。
【0029】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る電力供給システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0030】
第2実施形態として示す電力供給システムは、例えば図3に示すように構成される。この第2実施形態として示す電力供給システムは、太陽電池パネル14に代えて二次電池14aを備え、PV用DC/DCコンバータ13に代えてSB用DC/DCコンバータ13aを備える。
【0031】
二次電池14aは、いわゆるストレージバッテリ(Storage Battery:SB)である。二次電池14aは、電力系統16から供給された電力を、DC−ACコンバータ15、住宅側バス11、SB用DC/DCコンバータ13aを介して蓄積する。また、二次電池14aは、太陽電池や燃料電池等の発電装置の電力をSB用DC/DCコンバータ13aを介して蓄積するものであってもよい。
【0032】
SB用DC/DCコンバータ13aは、住宅内リレー12がオン状態(導通状態)となっている場合には、二次電池14aに蓄電した電力を、住宅側バス11に供給可能となっている。SB用DC/DCコンバータ13aは、住宅内リレー12がオフ状態(解列状態)となっている場合には、二次電池14aに蓄電した電力を、高速充放電用経路R2に供給可能となる。
【0033】
このような電力供給システムにおいても、上述した第1実施形態と同様に、電動車両EVに対して通常の単位時間当たりの充電電力量で充電を行う場合には、住宅内リレー12をオン状態としておき、高速充放電用リレー3をオフ状態としておく。また、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1の動作とSB用DC/DCコンバータ13aの動作とを同調させる制御を行わない。これにより、EV用DC/DCコンバータ1は、電動車両EVが電動車両用配線R3によって接続された状態で、所定の電力(単位時間当たり4kW)を電動車両EVに供給できる。
【0034】
一方、制御部2は、電動車両EVに対して高速充電を行うことができる。このとき、制御部2は、住宅内リレー12をオフ(解列)とすると共に高速充放電用リレー3をオンとする。更に、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1の動作とSB用DC/DCコンバータ13aの動作とを同調させる。これにより、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1により変換した電力と、高速充放電用経路R2(第2経路)を介して結合部1Aに供給された電力とを合算した電力を、電動車両用配線R3を介して電動車両EVに出力させる。
【0035】
以上のように、この電力供給システムによれば、EV用DC/DCコンバータ1の変換電力にSB用DC/DCコンバータ13aの変換電力を結合して、合計した電力を電動車両EVに供給できる。これにより、電力供給システムによれば、EV用DC/DCコンバータ1の電力変換容量を増大させることなく高速充電を可能とする。
【0036】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る電力供給システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0037】
第3実施形態として示す電力供給システムは、例えば図4に示すように構成される。この第2実施形態として示す電力供給システムは、太陽電池パネル14に代えて燃料電池14bを備え、PV用DC/DCコンバータ13に代えてFC用DC/DCコンバータ13bを備える。
【0038】
燃料電池14bは、例えば燃料ガスとしての水素と酸化剤ガスとしての空気が供給されることによって発電する。燃料電池14bは、発電した電力を、FC用DC/DCコンバータ13bを介して住宅側バス11又は高速充放電用経路R2に供給可能となっている。
【0039】
FC用DC/DCコンバータ13bは、住宅内リレー12がオン状態(導通状態)となっている場合には、燃料電池14bの発電電力を、住宅側バス11に供給可能となっている。FC用DC/DCコンバータ13bは、住宅内リレー12がオフ状態(解列状態)となっている場合には、燃料電池14bの発電電力を、高速充放電用経路R2に供給可能となる。
【0040】
このような電力供給システムにおいても、上述した第1実施形態と同様に、電動車両EVに対して通常の単位時間当たりの充電電力量で充電を行う場合には、住宅内リレー12をオン状態としておき、高速充放電用リレー3をオフ状態としておく。また、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1の動作とFC用DC/DCコンバータ13bの動作とを同調させる制御を行わない。これにより、EV用DC/DCコンバータ1は、電動車両EVが電動車両用配線R3によって接続された状態で、所定の電力(単位時間当たり4kW)を電動車両EVに供給できる。
【0041】
一方、制御部2は、電動車両EVに対して高速充電を行うことができる。このとき、制御部2は、住宅内リレー12をオフ(解列)とすると共に高速充放電用リレー3をオンとする。更に、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1の動作とFC用DC/DCコンバータ13bの動作とを同調させる。これにより、制御部2は、EV用DC/DCコンバータ1により変換した電力と高速充放電用経路R2(第2経路)を介して結合部1Aに供給された電力とを合算した電力を、電動車両用配線R3を介して電動車両EVに出力させる。
【0042】
以上のように、この電力供給システムによれば、EV用DC/DCコンバータ1の変換電力にFC用DC/DCコンバータ13bの変換電力を結合して、合計した電力を電動車両EVに供給できる。これにより、電力供給システムによれば、EV用DC/DCコンバータ1の電力変換容量を増大させることなく高速充電を可能とする。
【0043】
[第4実施形態]
つぎに、第4実施形態に係る電力供給システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0044】
第4実施形態として示す電力供給システムは、上述した第1実施形態の電力供給システムにおいて、PV用DC/DCコンバータ13に接続された太陽電池パネル14以外の電力出力用電源を有するものである。この電力出力用電源としては、太陽電池、二次電池、燃料電池、AC電力系統やその他の電源が挙げられる。図5には、電力出力用電池として、二次電池14aを示している。なお、本実施形態では、太陽電池パネル14と二次電池14aとを備えているが、これ以外に、燃料電池14bを備えていてもよいことは勿論である。
【0045】
この電力供給システムは、第1実施形態と同様に、PV用DC/DCコンバータ13に、住宅内リレー12a及び高速充放電用リレー3aが接続されている。PV用DC/DCコンバータ13は、上述と同様に、住宅内リレー12aがオフ(解列)されると共に高速充放電用リレー3aがオン状態である場合に、高速充放電用経路R2aを介して変換電力をEV用DC/DCコンバータ1に出力する。
【0046】
この電力供給システムは、電力出力用電池としての二次電池14aから供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅側バス11に電力を出力するSB用DC/DCコンバータ13a(第3電力変換部)を備える。また、電力供給システムは、SB用DC/DCコンバータ13aに接続された住宅内リレー12b(第3リレー部)と、高速充放電用リレー3b(第4リレー部)とを備える。
【0047】
住宅内リレー12bは、SB用DC/DCコンバータ13aと住宅側バス11との間に配置されている。この住宅内リレー12bは、住宅内リレー12aと同様に制御部2の制御に従ってオンとオフが制御される。
【0048】
高速充放電用リレー3bは、SB用DC/DCコンバータ13aとEV用DC/DCコンバータ1とを接続する高速充放電用経路R2b(第3経路)に接続されている。この高速充放電用リレー3bは、高速充放電用リレー3aと同様に制御部2の制御に従ってオンとオフが制御される。
【0049】
EV用DC/DCコンバータ1の結合部1Aは、高速充放電用リレー3a及び高速充放電用リレー3bと接続されている。結合部1Aは、高速充放電用リレー3a及び高速充放電用リレー3bがオン状態とされた場合において、PV用DC/DCコンバータ13及びSB用DC/DCコンバータ13aから変換電力が供給される。これにより、結合部1Aは、EV用DC/DCコンバータ1の変換電力と、PV用DC/DCコンバータ13の変換電力と、SB用DC/DCコンバータ13aの変換電力とを合算した電力を、電動車両用配線R3を介して電動車両EVに出力させる。
【0050】
例えばEV用DC/DCコンバータ1、PV用DC/DCコンバータ13、SB用DC/DCコンバータ13aのそれぞれの変換電力が4kWである場合、結合部1Aは、12kWの電力を電動車両EVに供給できる。
【0051】
以上のように、この電力供給システムによれば、複数の分散電源電力を結合することができる。具体的には、EV用DC/DCコンバータ1の変換電力にFC用DC/DCコンバータ13bの変換電力を結合して、合計した電力を電動車両EVに供給できる。これにより、電力供給システムによれば、EV用DC/DCコンバータ1の電力変換容量を増大させることなく高速充電を可能とする。
【0052】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
1 EV用DC/DCコンバータ(第2電力変換部)
1A 結合部
2 制御部
3 高速充放電用リレー(第2リレー部)
3b 高速充放電用リレー(第4リレー部)
11 住宅側バス(住宅内電力用配線)
12 住宅内リレー(第1リレー部)
12a 住宅内リレー(第1リレー部)
12b 住宅内リレー12(第3リレー部)
13 PV用DC/DCコンバータ(第1電力変換部)
13a SB用DC/DCコンバータ(第1電力変換部、第3電力変換部)
13b FC用DC/DCコンバータ(第1電力変換部)
14 太陽電池パネル
14a 二次電池
14b 燃料電池
EV 電動車両
R1 通常充放電用経路(第1経路)
R3 電動車両用配線(電動車両用配線)
R2 高速充放電用経路(第2経路)
R2b 高速充放電用経路(第3経路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池に接続され、当該太陽電池から供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅内電力用配線に出力する第1電力変換部と、
前記住宅内電力用配線から第1経路を介して供給された電力を変換し、電動車両用配線を介して電動車両に供給可能な第2電力変換部と、
前記第1電力変換部と前記住宅内電力用配線との間に配置された第1リレー部と、
前記第1電力変換部と前記第2電力変換部との間に配置された第2リレー部と、
前記第2電力変換部に設けられ、前記第2リレー部と第2経路を介して接続された結合部と、
前記第1リレー部をオフとすると共に前記第2リレー部をオンとし、前記第2電力変換部により変換した電力と前記第2経路を介して前記結合部に供給された電力とを合算した電力を、前記電動車両用配線を介して前記電動車両に出力させる制御部と
を備えることを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
二次電池に接続され、当該二次電池から供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅内電力用配線に出力する第1電力変換部と、
前記住宅内電力用配線から第1経路を介して供給された電力を変換し、電動車両用配線を介して電動車両に供給可能な第2電力変換部と、
前記第1電力変換部と前記住宅内電力用配線との間に配置された第1リレー部と、
前記第1電力変換部と前記第2電力変換部との間に配置された第2リレー部と、
前記第2電力変換部に設けられ、前記第2リレー部と第2経路を介して接続された結合部と、
前記第1リレー部をオフとすると共に前記第2リレー部をオンとし、前記第2電力変換部により変換した電力と前記第2経路を介して前記結合部に供給された電力とを合算した電力を、前記電動車両用配線を介して前記電動車両に出力させる制御部と
を備えることを特徴とする電力供給システム。
【請求項3】
燃料電池に接続され、当該燃料電池から供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅内電力用配線に出力する第1電力変換部と、
前記住宅内電力用配線から第1経路を介して供給された電力を変換し、電動車両用配線を介して電動車両に供給可能な第2電力変換部と、
前記第1電力変換部と前記住宅内電力用配線との間に配置された第1リレー部と、
前記第1電力変換部と前記第2電力変換部との間に配置された第2リレー部と、
前記第2電力変換部に設けられ、前記第2リレー部と第2経路を介して接続された結合部と、
前記第1リレー部をオフとすると共に前記第2リレー部をオンとし、前記第2電力変換部により変換した電力と前記第2経路を介して前記結合部に供給された電力とを合算した電力を、前記電動車両用配線を介して前記電動車両に出力させる制御部と
を備えることを特徴とする電力供給システム。
【請求項4】
前記第1電力変換部に接続された電池以外の電力出力用電源が接続され、当該電力出力用電源から供給された電力を変換して、住宅内に設けられた住宅内電力用配線に出力する第3電力変換部と、
前記第3電力変換部と前記住宅内電力用配線との間に配置された第3リレー部と、
前記第3電力変換部と前記第2電力変換部とを接続する第3経路に配置された第4リレー部とを更に備え、
前記結合部は、前記第3経路を介して前記第4リレー部と接続され、
前記制御部は、前記第1リレー部及び前記第3リレー部をオフとすると共に前記第2リレー部及び前記第4リレー部をオンとし、前記第2電力変換部により変換した電力と前記第2経路を介して前記結合部に供給された電力と前記第3経路を介して前記結合部に供給された電力とを合算した電力を、前記電動車両用配線を介して前記電動車両に出力させること
を特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電力供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−110871(P2013−110871A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254363(P2011−254363)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】