説明

電力管理システム、エネルギー管理装置、情報管理装置、制御装置

【課題】本発明は、分散型電源の大量導入といった需要家側での発電手段の増加に伴う余剰電力対策が必要となる状況下において、余剰電力を流通させるための手段やインセンティブを管理する電力管理システムを提供する。
【解決手段】本発明にかかる電力管理システムは、需要家側に設けられ、発電電力を供給する発電手段101と、需要家側に設けられ、発電電力及び外部電力の少なくとも一方を消費するエンドデバイス102と、サービサー側に設けられ、発電電力のうちエンドデバイス102において消費されず余剰となった余剰電力を蓄電する蓄電手段113と、外部電力を需要家に供給するための配電網A109と、余剰電力を需要家から蓄電手段113に供給するための配電網B110と、需要家側の情報に基づいて、需要家の、配電網A109及び配電網B110に対する接続状態を制御する制御装置115とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力管理システム、エネルギー管理装置、情報管理装置、制御装置に関し、特に、スマートグリッドの需要家側において、発生した余剰電力の利活用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境意識の高まりから、太陽光発電、風力発電といった分散型電源の普及が拡大している。分散型電源は電力事業者の配電系統に系統連携され、発電電力量が消費電力量を上回る場合の余剰電力を、電力事業者に売電することができる。
【0003】
今後、分散型電源の更なる増加が見込まれているものの、分散型電源の不安定な出力変動がもたらす配電網の電圧上昇や、周波数変動等の問題により、電力調整が困難な状況になり、電力の供給信頼度が低下する懸念がある。分散型電源は、需要家側に設置されるものが多く、配電網の電圧安定化のための出力抑制などの電力調整機能をコミュニティ単位で担う必要が出てくる。
【0004】
コミュニティ単位で電力調整を行うためのシステムとしては、マイクログリッドが注目されている。マイクログリッドは、分散型電源、電力貯蔵装置、需要設備等から構成される小規模系統を、商用系統と一点で連携、又は、商用系統から孤立させて、この中で需給制御を行うことを可能としたシステムであり、CO2削減や電力供給信頼度の維持、エネルギーコスト低減への効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−125290号公報
【特許文献2】特開2007−287021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コミュニティ単位で電力供給を行うマイクログリッドとしては、特許文献1に開示される、高圧系統の異常時に低圧系統の需要家が電力供給を維持するために高圧系統を分離し、低圧系統内で分散型電源による自律運転を可能とするマイクログリッドがある。
【0007】
ここで、需要家側に分散型電源が大量に接続された配電系統においては、逆潮流の発生による電圧安定化等が特に困難である。
【0008】
一方、特許文献1に開示されるマイクログリッドでは、高圧系統の異常時のみ、低圧系統内で自律運転を可能とするが、平常時の逆潮流に対する対策は特になされていない。また、高圧系統と低圧系統との連携点が一点であることから、再び系統連携するために時間がかかると、マイクログリッドシステム全体の回復時間が左右される。
【0009】
電力の利活用面においては、サービサー(サービス事業者、電力事業者等)が需要家に対して電気料金の削減に繋がるインセンティブを提供することで、需要家がメリットを享受可能なサービスとして、データベース化した需要家の電力利用情報を用いて、より経済的な電力利用プランを提供するシステムが開示されている(特許文献2参照)。
【0010】
余剰電力の発生に電力系統側で対策するとなると、系統側に大規模な蓄電池を設置することや、電力網の広域監視、さらには、分散型電源の出力抑制対策等が必要となる。複雑な需給調整を実現するためには、電力事業者側で多大な設備投資が必要となり、電力事業者の費用対効果は低い。
【0011】
また、需要家側にとっても分散型電源の出力抑制のメリットがなく、余剰電力を無駄にしないように使い切りたいニーズがあるものの、その流通手段が課題となる。また、需要家機器を扱う関係上、セキュリティ対策も考慮する必要がある。
【0012】
なお、需要家側で発電した電力の買取り制度は、電力事業者が逆潮流した余剰電力を買い取る方法と、需要家が発電した電力を全量買い取る方法の2パターンがある。今後は前述した余剰電力対策費用として電気料金にサーチャージが上乗せされる可能性があることで、分散型電源設備を持たない需要家は負担を被る懸念があり、将来的に電力の売買スキームがどうなるかは不透明である。
【0013】
また、需要家側での発電手段の増加に伴う余剰電力対策が必要となる状況下では、余剰電力を有効に活用し、需要家が電力品質とコストとを天秤に掛けて、ライフスタイルに応じた電力供給を受けたいというニーズが出てくると考えられるが、需要家、サービサーが一体となった電力管理システムは、未だ確立されていない。
【0014】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、逆潮流を適切に利用し、余剰電力を適切に流通させることができる電力管理システム、エネルギー管理装置、情報管理装置、制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明にかかる電力管理システムは、需要家側に設けられ、電力を発電し、発電電力を供給する発電手段と、需要家側に設けられ、前記発電電力及び外部電力の少なくとも一方を消費する消費デバイスと、サービサー側に設けられ、前記発電電力のうち前記消費デバイスにおいて消費されず余剰となった余剰電力を蓄電する蓄電手段と、前記外部電力を前記需要家に供給するための第1配線網と、前記余剰電力を前記需要家から前記蓄電手段に供給するための第2配線網と、前記需要家側の情報に基づいて、前記需要家の、前記第1配線網及び前記第2配線網に対する接続状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる電力管理システムによれば、需要家側に設けられ、電力を発電し、発電電力を供給する発電手段と、需要家側に設けられ、前記発電電力及び外部電力の少なくとも一方を消費する消費デバイスと、サービサー側に設けられ、前記発電電力のうち前記消費デバイスにおいて消費されず余剰となった余剰電力を蓄電する蓄電手段と、前記外部電力を前記需要家に供給するための第1配線網と、前記余剰電力を前記需要家から前記蓄電手段に供給するための第2配線網と、前記需要家側の情報に基づいて、前記需要家の、前記第1配線網及び前記第2配線網に対する接続状態を制御する制御手段とを備えることにより、逆潮流を、第1配線網とは異なる第2配線網を介して適切に流通させ、余剰電力を適切に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の前提技術としての、分散型電源を適用する電力管理システムの全体構成を示す概略図である。
【図3】需要家の配電網接続形態の状態遷移を示す概念図である。
【図4】切替方法の全体動作フローを示す概略構成図である。
【図5】需要家の電力量関係式の例を示す図である。
【図6】需要家の発電比率と閾値を比較して切替制御を行う場合の例示のフローチャートである。
【図7】切替制御の例示のフローチャートである。
【図8】蓄電手段の蓄電比率と閾値を比較して切替制御を行う場合の例示のフローチャートである。
【図9】需要家の切替優先度を決定する例示のフローチャートである。
【図10】情報データベース内の顧客情報を管理するテーブルの例を示す図である。
【図11】情報データベース内の計測情報を管理するテーブルの例を示す図である。
【図12】情報データベース内の切替状態を管理するテーブルの例を示す図である。
【図13】情報データベース内の切替履歴を管理するテーブルの例を示す図である。
【図14】情報データベース内の課金情報を管理するテーブルの例を示す図である。
【図15】エネルギー管理装置内の設備情報を管理する、テーブルの例を示す図である。
【図16】エネルギー管理装置内の切替パラメータを管理する、テーブルの例を示す図である。
【図17】エネルギー管理装置内の契約情報を管理する、テーブルの例を示す図である。
【図18】本発明によるビジネスモデルの例を示す図である。
【図19】図18における契約関係の例を示す図である。
【図20】本発明の構成を拡張したシステムの例を示す概略図である。
【図21】拡張システムの切替方式の全体動作フローを示す概略構成図である。
【図22】図18に分散電源事業者を追加した場合のビジネスモデルの例を示す図である。
【図23】図22における契約関係の例を示す図である。
【図24】スイッチ切替制御の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<A.実施の形態1>
<A−1.構成>
図1は、本発明にかかる電力管理システムの構成を概念的に示した図である。
【0019】
需要家側の設備としては、通信ネットワーク108とそれぞれ通信可能なエネルギー管理装置103、消費デバイスとしてのエンドデバイス102、発電手段101、スイッチ105、計測手段A106、計測手段B107を備えている。スイッチ105、計測手段A106、計測手段B107のそれぞれは、後述する配電網を切り替えるための構成であるが、配電網を切り替えることができる構成であれば、当該構成に限られない。
【0020】
エネルギー管理装置103及びエンドデバイス102と、発電手段101とは、分電盤104を介してスイッチ105に接続され、スイッチ105の切替に応じて、計測手段A106と計測手段B107とのいずれかに接続される。エンドデバイス102は、発電手段101より供給される発電電力か、基幹・送電系統から供給される外部電力のうちの少なくとも一方の電力を消費する。
【0021】
計測手段A106は、さらに配電網A109に接続され、計測手段B107は、配電網B110に接続されている。需要家は、それぞれの配電網を介して電力供給を受け、又は電力を供給することができる。なお、配線網は複数備えられていればよく、2系統に限られるものではない。
【0022】
第1配電網としての配電網A109は外部電力を需要家側の例えばエンドデバイス102に供給するための配電網であり、トランス112より上位の基幹・送電系統に接続される。第2配電網としての配電網B110は、配電網A109とは系統連携せず、サービサー側の蓄電手段113に接続される。蓄電手段113は、発電手段101における発電電力のうち、エンドデバイス102を含む需要家側設備において消費されず余剰となった余剰電力を蓄電する。
【0023】
計測手段A106及び計測手段B107は、それぞれ需要家の受電端に設置され、電力量の計測を行う。
【0024】
発電手段101は、需要家が所有する分散型電源であり、例えば太陽光発電や風力発電が該当する。
【0025】
エンドデバイス102は、需要家が所有する情報家電、住設機器などの電力を消費する端末である。
【0026】
エネルギー管理装置103は、需要家側におけるエネルギーの管理手段である。
【0027】
通信ネットワーク108は、アクセス系通信ネットワーク111を経由して、サービサー側の、蓄電手段113、情報データベース114、制御装置115のそれぞれに接続される。
【0028】
ここで、図1における実線は回路及び電力の流れを概念的に示したものであり、点線は、通信の流れを概念的に示したものである。
【0029】
図2は、本発明の前提技術となる分散型電源を適用した電力管理システムの全体構成を示す概略図である。
【0030】
制御装置215は、計測手段206において計測した電力量を監視する装置である。図1との違いとして、特にスイッチ105が備えられていないことが挙げられる。このため、例えば電力管理システム内に発電手段を大量に導入する場合には、余剰電力の発生により、1つのみ設けられた配電網209の電力品質、供給信頼性に悪影響を与えるため、余剰電力の抑制対策が別途必要になる。
【0031】
需要家の配電網接続における状態遷移の実施態様は、例えば図3に示すように、需要家の配電網接続状態が、電力品質を重視する配電網A接続状態301と、電力コストを重視する配電網B接続状態302と、いずれにも接続しない独立運転状態303とに相互に遷移するものとすることができる。
【0032】
電力管理システム304は、通信ネットワーク305を介して収集する、需要家の発電電力量及び消費電力量、サービサー側の蓄電電力量といった需要家側の情報(パラメータ)を基に、制御手段としての制御装置115、さらにはエネルギー管理装置103を用いて、需要家と接続される配電網を切り替えることが可能である。なお当該切替には、いずれの配電網にも接続しない接続状態への切替も含む。
【0033】
例えば、配電網A接続状態301においては、需要家の発電電力量が増加、又は消費電力量が減少した場合には、独立運転状態303、又は配電網B接続状態302へ遷移するものとする。独立運転状態303、配電網B接続状態302のいずれの接続状態へ遷移するかは、発電電力量の増加量、又は消費電力量の減少量に起因する。
【0034】
配電網B接続状態302においては、需要家の発電電力量が減少、又は消費電力量が増加、又は蓄電電力量が減少した場合には、配電網A接続状態301、又は独立運転状態303へ遷移するものとする。独立運転状態303、配電網A接続状態301のいずれの接続状態へ遷移するかは、発電電力量の減少量、又は消費電力量の増加量、又は蓄電電力量の減少量に起因する。
【0035】
独立運転状態303においては、需要家の消費電力量が増加、又は発電電力量が減少した場合には、配電網A接続状態301へ遷移するものとする。また、需要家の消費電力量が減少、又は発電電力量が増加した場合には、配電網B接続状態302へ遷移するものとする。
【0036】
<A−2.動作>
図4は、切替方法の全体動作を示す図である。
【0037】
情報データベース114は、エネルギー管理装置103に対して、ポーリングやトラップ等の監視手段によりアクセスし、切替制御、切替インセンティブ、コンテンツ情報等を与え、発電電力量、消費電力量、蓄電電力量、課金情報、切替管理情報等を受け取る。
【0038】
また情報データベース114は、配電網B接続状態302における発電電力量、蓄電電力量といった電力情報を受け取る。
【0039】
制御装置115は、情報データベース114内の発電電力量や消費電力量といった加工情報を受け取り、切替アルゴリズム401に用いて切替制御を実行する。切替制御に関する情報(切替制御、切替インセンティブ、コンテンツ情報等)は、情報データベース114に与えられる。
【0040】
エネルギー管理装置103は、切替制御に関する情報に基づいて、スイッチ105を操作する。
【0041】
なお、上記の切替インセンティブは、発電電力量及び消費電力量の変動や配電網の蓄電電力量を需要家に示すことにより、切替に対するインセンティブを需要家に与え、需要家からの要望を切替制御に寄与させることを可能とするものである。
【0042】
需要家の電力量の相互関係については、図5の事例に示すように、
買電量=消費電力量−発電電力量+余剰電力量
の関係式が成り立ち、余剰電力量は売電量とみなせる。すなわち、余剰となり蓄電手段113に蓄積された電力はサービサー側へ売られ、需要家の収入となる。例えば、消費電力量が30kWh、発電電力量が12kWh、発電電力量の内訳3kWhが余剰電力量とした場合、
買電量=30−12+3
=21(kWh)
となる。
【0043】
図4を例とした場合では、配電網A接続状態301で電力供給を受けているとき、余剰電力が発生する前に、配電網B接続状態302に切り替えて2kWhを、独立運転状態303に切り替えて1kWhを売電していることを示す。
【0044】
また、余剰電力として売電した分は買い戻す必要がある。買電先は需要家の状況に応じて選択されるものとし、図4は、配電網A接続状態301で10kWh、配電網B接続状態302で10kWh、独立運転状態303で1kWhの買電をしていることを示している。
【0045】
以下、切替アルゴリズム401の基本パターンの実施態様として、需要家の発電比率と閾値とを比較して切替制御を行う場合と、サービサーの蓄電比率と閾値とを比較して切替制御を行う場合との2例を示す。なお、これらの切替制御の方法は、それぞれが独立に用いられてもよいし、双方を組み合わせて用いることもできる。
【0046】
図6は、需要家の発電比率と閾値を比較して切替制御を行う場合のフローチャートを示す。
【0047】
まず、制御装置115の切替アルゴリズム401において発電比率を計算する(ステップS101)。発電比率は発電電力量÷消費電力量で示され、時々刻々と変化する瞬時値とする。
【0048】
なお、切替制御に先立ち、サービサーと需要家との間で、切替判断を行う切替条件の閾値を設定しておくものとする。例えば上限閾値を80%として配電網B110に切り替えて、下限閾値を20%として配電網A109に切り替えるよう設定しておく。
【0049】
次に、発電比率が上限閾値以上であるか、又は下限閾値未満であるかを確認する(ステップS102)。そして、上限閾値以上である場合にはステップS103へ、下限閾値未満である場合にはステップS107へそれぞれ進む。それ以外の場合、すなわち上限閾値未満、かつ、下限閾値以上の発電比率である場合には、動作を終了する。
【0050】
発電比率が上限閾値以上である場合に、例えば配電網B110に切り替えるに先立って、切替前後で配電網が異なるかを判断する(ステップS103)。切替前後で配電網が異なる場合、すなわち、切替前が配電網B110以外の配電網状態である場合には、ステップS104へ進む。切替前後で配電網が異ならない場合には、動作を終了する。
【0051】
切替前後で配電網が異なる場合、発電比率の再計測及び/又は再計算を行う(ステップS104)。再計算を行うのは、瞬間値の閾値付近での揺らぎを考慮し、誤検出を軽減するためである。ポーリング回数N、再計測周期Tについては、パラメータ設定により変更可能とする。
【0052】
次に、再計測及び/又は再計算した発電比率が、上限閾値以上であるかを判断する(ステップS105)。上限閾値以上である場合には、ステップS106へ、上限閾値未満である場合には、動作を終了する。
【0053】
次に、配電網の切替フローを実行する(ステップS106)。ここでは、配電網B110への切替フローを実行する(詳細なフローについては、図7に示す)。
【0054】
一方、発電比率が下限閾値未満である場合に、例えば配電網A109に切り替えるに先立って、切替前後で配電網が異なるかを判断する(ステップS107)。切替前後で配電網が異なる場合、すなわち、切替前が配電網A109以外の配電網状態である場合には、ステップS108へ進む。切替前後で配電網が異ならない場合には、動作を終了する。
【0055】
切替前後で配電網が異なる場合、発電比率の再計測及び/又は再計算を行う(ステップS108)。再計算を行うのは、瞬間値の閾値付近での揺らぎを考慮し、誤検出を軽減するためである。
【0056】
次に、再計測及び/又は再計算した発電比率が、下限閾値未満であるかを判断する(ステップS109)。下限閾値未満である場合には、ステップS110へ、下限閾値以上である場合には、動作を終了する。
【0057】
次に、配電網の切替フローを実行する(ステップS110)。ここでは、配電網A109への切替フローを実行する(詳細なフローについては、図7に示す)。
【0058】
図7は、上記の切替制御のフローチャートを示す。ここでは、配電網A109に切り替える場合及び配電網B110に切り替える場合の両方について、共通のフローを用いて説明する。
【0059】
まず、これから切り替える配電網種別の切替フラグを立て(ステップS201)、エネルギー管理装置103に対し、情報データベース114を介して切替制御確認メッセージを送信する(ステップS202)。
【0060】
需要家応答設定が手動になっていた場合(ステップS203)には、需要家側で切替判断がされた後、需要家側からの切替許可応答メッセージを受けるまで待機する(ステップS204)。一方、需要家応答設定が手動になっていない場合(ステップS203)には、ステップS206へ進む。
【0061】
一定時間内に切替許可応答メッセージがあった場合(ステップS205)は、ステップS206へ進む。一定時間内に切替許可応答メッセージがなかった場合(ステップS205)には、ステップS207へ進む。
【0062】
ステップS206では、需要家のスイッチ105を切り替えて、情報データベース114内の配電網状態を切替後の配電網種別とする。そして、ステップS207へ進む。
【0063】
ステップS207では、切替フラグを落として動作を終了する。
【0064】
図8は、サービサーの蓄電手段113の蓄電比率と閾値を比較して切替制御を行う場合のフローチャートを示す。
【0065】
まず、制御装置115の切替アルゴリズム401において蓄電比率を計算する(ステップS301)。蓄電比率は蓄電電力量÷蓄電容量とする。
【0066】
なお、切替制御に先立ち、切替条件の閾値を設定しておくものとする。例えば上限閾値を70%として配電網B110に切り替えて、下限閾値を20%として配電網B110以外に切り替えるように設定しておく。
【0067】
次に、蓄電比率が上限閾値以上であるか、又は下限閾値未満であるかを確認する(ステップS302)。そして、上限閾値以上である場合にはステップS303へ、下限閾値未満である場合にはステップS307へそれぞれ進む。それ以外の場合、すなわち上限閾値未満、かつ、下限閾値以上の発電比率である場合には、動作を終了する。
【0068】
ステップS303及びステップS307において、図9に示す切替優先権決定処理フローチャートを実行する。
【0069】
切替優先度が決定した後、ステップS304においては、サービサー側から切替インセンティブメッセージを送信し、切替インセンティブメッセージを受け入れた需要家に対して切替制御を実行する。このとき、単に不特定多数の需要家に対して切替インセンティブメッセージを送信するのではなく、配電網Bの切替優先度に従い、切替インセンティブメッセージを受け入れやすい需要家グループから順番にマルチキャスト送信することで、需要家応答を効率化させ、切替開始を早めることが可能となる。
【0070】
切替優先度が決定した後、ステップS308においては、サービサー側から切替インセンティブメッセージを送信し、切替インセンティブメッセージを受け入れた需要家に対して切替制御を実行する。このとき、単に不特定多数の需要家に対して切替インセンティブメッセージを送信するのではなく、配電網B以外の切替優先度が高い、切替インセンティブメッセージを受け入れやすい需要家グループから順番にマルチキャスト送信することで、需要家応答を効率化させ、切替開始を早めることが可能となる。
【0071】
次に、ステップS305及びステップS309において、需要家から一定時間内に受入応答があれば、ステップS306及びステップS310に進む。一定時間内に受入応答がなければ、動作を終了する。
【0072】
次にステップS306において、受付順に、切替制御フローを実行する(図7参照)。
【0073】
またステップS310においては、配電網A優先度が独立運転優先度よりも高いかを判断し、配電網A優先度が高い場合にはステップS311に進み、独立運転優先度が高い場合にはステップS312に進む。
【0074】
次にステップS311及びステップS312において、受付順に、切替制御フローを実行する(図7参照)。
【0075】
図9は、情報データベース114に登録されている需要家の切替優先度を決定するフローチャートを示す。
【0076】
まず、需要家番号X=1、優先度値を初期化し、情報データベース114に登録されている需要家数Yの優先度を算出する(ステップS401)。
【0077】
次に、需要家番号Xより需要家数Yが大きいかを判断し(ステップS402)、需要家数Yが大きい場合にはステップS403に進む。需要家番号Xが需要家数Y以上である場合には、動作を終了する。
【0078】
次に、配電網をチェックする(ステップS403)。そして、配電網状態がA(配電網A109)である場合には、配電網B優先度を1加算し、独立運転優先度を1加算する(ステップS404)。配電網状態がB(配電網B110)である場合には、配電網A優先度を1加算し、独立運転優先度を1加算する(ステップS405)。配電網状態がそれら以外である場合には、配電網A優先度を1加算し、配電網B優先度を1加算する(ステップS406)。
【0079】
次に、発電比率をチェックする(ステップS407)。そして、発電比率が上限閾値以上である場合には、配電網B優先度を1加算し、独立運転優先度を1加算する(ステップS408)。発電比率が下限閾値未満である場合には、配電網A優先度を1加算する(ステップS409)。発電比率がそれら以外の値である場合には、そのままステップS410へ進む。
【0080】
次に、切替要求状態をチェックする(ステップS410)。そして、切替要求が配電網Bである場合には、配電網B優先度を1加算する(ステップS411)。切替要求が配電網Aである場合には、配電網A優先度を1加算する(ステップS412)。切替要求が独立運転である場合には、独立運転優先度を1加算する(ステップS413)。切替要求がそれら以外である場合には、そのままステップS414へ進む。
【0081】
次にステップS414では、需要家番号Xに1加算して、ステップS402へ戻る。このようにして、情報データベース114に登録されている、需要家に対する切替優先度パラメータを更新する。
【0082】
上記フローにおいて、例えば、配電網A109状態において、発電比率が上限閾値及び下限閾値の間にあり、配電網B110への切替要求を出しているユーザは、配電網B切替優先度=2となる。
【0083】
図10〜図14は、情報データベース114内のデータテーブルの実施態様を示したものであり、図15〜図17は、エネルギー管理装置103内のデータテーブルの実施態様を示したものである。
【0084】
情報データベース114におけるデータとして、図10の顧客情報を管理するテーブルD101は、顧客毎に各種ID(設備構成)や、発電容量及び蓄電容量(設備容量)、契約プラン等のデータを保持する。サービス事業者ID、制御装置ID、エネルギー管理装置IDのそれぞれは、顧客がどの事業者、装置下においてサービスを受けているかを示し、暗号化ユーザIDは、サービス事業者に隠蔽するために用いるIDである。
【0085】
図11の顧客毎の計測情報を管理するテーブルD201は、電力の瞬時値、電力量の積算値、配電網接続別の買電量、売電量等のデータを保持する。
【0086】
図12の切替状態を管理するテーブルD301は、顧客毎に配電網接続状態、切替要求状態、制御装置115の切替インセンティブの送信時に参照する切替優先度等のデータを保持する。
【0087】
図13の切替履歴を管理するテーブルD401は、過去の切替と切替時の買電量、売電量の履歴等のデータを保持する。本履歴情報とエネルギー管理装置103、計測手段A106、計測手段B107において計測した電力量とを比較することにより、需要家とサービス事業者との双方で課金情報をトレースすることが可能である。
【0088】
図14の課金情報を管理するテーブルD501は、配電網種別毎の電気料金単価等のデータを保持する。
【0089】
一方エネルギー管理装置103におけるデータとして、図15の設備情報を管理するテーブルD601は、エネルギー管理装置103が監視対象とする設備全ての電力の瞬時値、電力量の積算値等のデータを保持する。
【0090】
図16の切替パラメータを設定するテーブルD701は、エネルギー管理装置103が制御装置115の切替制御時に必要とするパラメータである応答設定、契約プラン、切替時の発電比率の閾値等のデータを保持する。
【0091】
図17の契約プラン情報を登録するテーブルD801は、何を以って切替インセンティブを提供するかについて、サービサーと需要家との間で参照するパラメータ等のデータを保持する。
【0092】
図18は、本発明にかかる電力管理システムを用いたビジネスモデルの例を示す。ビジネスプレイヤーは、サービス事業者501、情報管理事業者502、需要家503、電力事業者504であるとする。サービス事業者501が例えば制御装置115を用いて切替制御を行い、その際、情報管理事業者502が管理する情報データベース114を利用する関係にある。
【0093】
需要家503は、ユーザ情報を情報管理事業者502に提供し、また情報管理事業者502が保有する情報を利用する。電力事業者504から高品質の電力供給を受け、これを買う。ユーザ情報としては、顧客情報(ユーザID、暗号化ユーザID、サービス事業者ID、制御装置ID、エネルギー管理装置ID、発電容量、蓄電容量)、計測情報(積算電力量、瞬時電力)、切替管理情報(切替状態、切替履歴)、課金情報(買電データ、売電データ、取引可能電力量)等が含まれる。
【0094】
また需要家503は、サービス事業者501から低価格電力の供給サービス及び配電網の切替制御サービスを提供され、当該サービスを利用する。具体的には、切替制御、コンテンツ情報、売電(低品質)、買電(低品質)、需要予測データ、蓄電手段取引の仲介等のサービスを受ける。さらに、需要家503間において電力売買をすることが可能となる。
【0095】
以上により、本来捨てるはずの余剰電力の売電することや、必要とする電力品質に応じた価格で買電することによるメリットを得る。
【0096】
サービス事業者501は、情報管理事業者502から、需要家503より開示を許可されたユーザ情報の一部である加工情報を取得することにより、この情報を利用して切替サービスを提供する。切替サービスを提供できることにより料金収入を得ることができる。また、配電設備を電力事業者504から購入又は借入することにより、設備投資費用を抑えることができる。
【0097】
情報管理事業者502は、サービス事業者501及び需要家503から、情報管理サービスを提供することによる料金収入を得ることができる。
【0098】
電力事業者504は、特に本システム導入による設備投資を必要とせず、サービス事業者501に逆潮流対策を代行してもらうことで、自身の配電網の電力品質を確保することができる。また、電気料金の収入は減少するものの、サービス事業者501への設備売却及び貸出による収入やピークカットを実現することができる。
【0099】
図19は、図18における契約関係の例を示す。
【0100】
需要家503は、電力事業者504に対して、電力利用契約を結び、情報データベース114を運営する情報管理事業者502に対して、ユーザ情報提供契約を結び、制御装置115を運営するサービス事業者501に対して、サービス利用契約、及び、分散電源提供及び利用契約を結ぶ。
【0101】
情報管理事業者502は、サービス事業者501に対して、プライバシー情報を除く加工情報提供及び利用契約を結び、サービス事業者501は、需要家503に対して、サービス提供契約を結ぶ。これらの契約内容を示す情報は、情報データベース114に記憶することができる。
【0102】
契約内容に従うことで、配電網の接続状態の制御に際し、サービス料を徴収し、プレイヤー相互間で利益を享受可能とする。
【0103】
上記の関係において、スイッチ切替制御の詳細な動作フローを示すと、図24のようになる。
【0104】
まず、需要家503におけるエネルギー管理装置103は、乱数を生成するエネルギー管理装置用乱数生成手段801と、乱数と、情報管理事業者502がユーザを識別するユーザIDと、ユーザ情報と、情報管理事業者暗号鍵と、サービス事業者検証鍵と、暗号化ユーザIDとを記憶するエネルギー管理装置用記憶手段802と、乱数と、ユーザIDとを情報管理事業者暗号鍵を用いて暗号化し、暗号化ユーザIDを生成するエネルギー管理装置用暗号手段803と、暗号化ユーザIDとユーザ情報とを、情報管理事業者502へ送るエネルギー管理装置用ユーザ情報送信手段804と、現在時刻を取得するエネルギー管理装置用時刻取得手段806と、情報管理事業者502から切替制御情報を受け取るエネルギー管理装置用切替制御情報受信手段807と、切替制御情報に含まれる暗号化ユーザIDと、エネルギー管理装置用暗号手段803において生成した暗号化ユーザIDとを比較する、エネルギー管理装置用暗号化ユーザID比較手段805と、切替制御情報に含まれる処理時刻と現在時刻とを比較する、エネルギー管理装置用時刻比較手段808と、暗号化ユーザIDと、処理時刻と、切替制御情報に含まれる署名付スイッチング制御指示とを、サービス事業者検証鍵を用いて検証するエネルギー管理装置用検証手段809と、スイッチ105を切り替えるエネルギー管理装置用スイッチ切替制御手段810とを備える。
【0105】
また、情報管理事業者502は、情報データベース114を用いて情報を提供するが、エネルギー管理装置103から送信される情報を処理してサービス事業者501に提供すべく、図24に示すような構成の情報管理装置を管理する。
【0106】
具体的には、エネルギー管理装置103から、暗号化ユーザIDとユーザ情報とを受け取る情報管理事業者用ユーザ情報受信手段811と、暗号化ユーザIDとユーザ情報から、プライバシー情報を除いた加工情報を生成する情報管理事業者用加工情報生成手段812と、暗号化ユーザIDと加工情報とをサービス事業者501へ送付する情報管理事業者用加工情報送信手段813と、情報管理事業者復号鍵を記憶する情報管理事業者用記憶手段814と、サービス事業者501から切替制御情報を受け取る情報管理事業者用切替制御情報受信手段815と、情報管理事業者復号鍵を用いて、受け取った切替制御情報に含まれる暗号化ユーザIDから、乱数とユーザIDとを復号する情報管理事業者用復号手段816と、復号したユーザIDから送付先のユーザを決定し、切替制御情報をエネルギー管理装置103へ送る情報管理事業者用切替制御情報送付手段817とを備える。
【0107】
また、サービス事業者501の制御装置は、具体的には、情報管理事業者502から、暗号化ユーザIDと加工情報とを受け取るサービス事業者用加工情報受信手段818と、現在時刻を取得するサービス事業者用時刻取得手段819と、加工情報をもとにスイッチング制御を判定し、スイッチング制御指示を生成するサービス事業者用スイッチング制御判定手段820と、サービス事業者署名鍵を記憶するサービス事業者用記憶手段822と、処理時刻と、暗号化ユーザIDと、スイッチング制御指令とに対して、サービス事業者署名鍵を用いて署名をして、署名付スイッチング制御指示を生成するサービス事業者用署名手段821と、暗号化ユーザIDと、処理時刻と、署名付スイッチング制御指示とを、切替制御情報として情報管理事業者502へ送る、サービス事業者用切替制御情報送付手段823とを備えている。
【0108】
続いて、スイッチ切替制御の動作フローを説明する。
【0109】
あらかじめ、エネルギー管理装置103は、ユーザIDと、情報管理事業者暗号鍵と、サービス事業者検証鍵とをエネルギー管理装置用記憶手段802に記憶しておく。
【0110】
また情報管理事業者502は、情報管理事業者復号鍵を情報管理事業者用記憶手段814に記憶しておく。
【0111】
またサービス事業者501は、サービス事業者署名鍵をサービス事業者用記憶手段822に記憶しておく。
【0112】
さらにエネルギー管理装置103は、電力情報となるユーザ情報をエネルギー管理装置用記憶手段802に記憶する。
【0113】
まず、エネルギー管理装置103から情報管理事業者502へユーザ情報を提供する際に、エネルギー管理装置用乱数生成手段801により乱数を生成し、エネルギー管理装置用記憶手段802に記憶する。
【0114】
そして、エネルギー管理装置用暗号手段803により、エネルギー管理装置用記憶手段802に記憶されている乱数とユーザIDとを、情報管理事業者暗号鍵を用いて暗号化して暗号化ユーザIDを生成し、エネルギー管理装置用記憶手段802に記憶する。さらに、エネルギー管理装置用ユーザ情報送信手段804により、暗号化ユーザIDとユーザ情報とを情報管理事業者502へ送付する。
【0115】
次に、情報管理事業者502は、情報管理事業者用ユーザ情報受信手段811において、エネルギー管理装置103からの暗号化ユーザIDとユーザ情報とを受け取り、情報管理事業者用加工情報生成手段812により、暗号化ユーザIDとユーザ情報とからプライバシー情報を除いた加工情報を生成し、情報管理事業者用加工情報送信手段813により、暗号化ユーザIDと加工情報とをサービス事業者501へ送付する。
【0116】
次に、サービス事業者501は、サービス事業者用加工情報受信手段818において、情報管理事業者502からの暗号化ユーザIDと加工情報とを受け取り、サービス事業者用スイッチング制御判定手段820により、加工情報をもとにスイッチング制御を判定してスイッチング制御指示を生成する。また、サービス事業者用時刻取得手段819により、現在時刻を処理時刻として取得する。サービス事業者用署名手段821により、処理時刻と、暗号化ユーザIDと、スイッチング制御指令に対してサービス事業者用記憶手段822に記憶されたサービス事業者署名鍵を用いて署名をした署名付スイッチング制御指示とを生成し、サービス事業者用切替制御情報送付手段823により、暗号化ユーザIDと、処理時刻と、署名付スイッチング制御指示とを切替制御情報として、情報管理事業者502へ送付する。
【0117】
次に、情報管理事業者502は、情報管理事業者用切替制御情報受信手段815により、サービス事業者501から切替制御情報を受け取り、情報管理事業者用復号手段816により、受け取った切替制御情報に含まれる暗号化ユーザIDから、情報管理事業者用記憶手段814に記憶された情報管理事業者復号鍵を用いて、乱数とユーザIDとを復号し、情報管理事業者用切替制御情報送付手段817により、復号したユーザIDから送付先のユーザを決定し、切替制御情報をエネルギー管理装置103へ送付する。
【0118】
次に、エネルギー管理装置103は、エネルギー管理装置用切替制御情報受信手段807により、情報管理事業者502から切替制御情報を受け取り、エネルギー管理装置用時刻取得手段806により現在時刻を取得し、エネルギー管理装置用時刻比較手段808により、切替制御情報に含まれる処理時刻と現在時刻とを比較し、一定の時間内であれば有効と判定する。そして、エネルギー管理装置用暗号化ユーザID比較手段805により、切替制御情報に含まれる暗号化ユーザIDと、エネルギー管理装置用暗号手段803により生成した暗号化ユーザIDとを比較し、一致した場合は有効と判定する。さらに、エネルギー管理装置用検証手段809により、暗号化ユーザIDと、処理時刻と、切替制御情報に含まれる署名付スイッチング制御指示とを、サービス事業者検証鍵を用いて検証し、検証結果が有効な場合は、エネルギー管理装置用スイッチ切替制御手段810により、スイッチ105を切り替える。
【0119】
本実施の形態においては、ユーザを特定するユーザIDを情報管理事業者暗号鍵で暗号化することで、情報需要家と情報管理事業者とサービス事業者の契約関係に基づき、ユーザのプライバシー情報は情報管理事業者のみが知り得ることとなり、プライバシー情報の保護が可能である。
【0120】
買電及び売電手段の多様化による、更なる電力利活用効率の向上や省エネ効果が得られ、電力事業者に対しては、余剰電力対策コストの削減と設備利活用効率の向上が得られ、サービサーに対しては、本システムを活用して、電力売買の仲介やデマンド制御サービスの提供、セキュリティ対策によるサービスの信頼性向上、プライバシー情報の保護といった利点が得られる。
【0121】
また、サービス事業者がスイッチング制御指示にサービス事業者署名鍵により署名し、エネルギー管理装置がサービス事業者検証鍵により検証することで、情報需要家と情報管理事業者とサービス事業者との契約関係に基づき、サービス事業者のみがスイッチング制御を指示可能となり、セキュリティ対策によるサービスの信頼性が向上できる。
【0122】
<A−3.効果>
本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、需要家側に設けられ、電力を発電し、発電電力を供給する発電手段101と、需要家側に設けられ、発電電力及び外部電力の少なくとも一方を消費する消費デバイスとしてのエンドデバイス102と、サービサー側に設けられ、発電電力のうちエンドデバイス102において消費されず余剰となった余剰電力を蓄電する蓄電手段113と、外部電力を需要家に供給するための第1配線網としての配電網A109と、余剰電力を需要家から蓄電手段113に供給するための第2配線網としての配電網B110と、需要家側の情報に基づいて、需要家の、配電網A109及び配電網B110に対する接続状態を制御する制御手段としての制御装置115とを備えることを特徴とすることで、逆潮流の流通を動的に制御でき、第1配線網とは異なる第2配線網を介して適切に流通させ、余剰電力を適切に利用することができる。
【0123】
また、電力流通量が分散することで余剰電力も相対的に減少し、電力利活用効率を向上させ、余剰電力対策コストを抑えることができる。
【0124】
また、本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、制御手段としての制御装置115が、サービサー側に設けられることで、サービサー側が、ネットワーク等を介して配線網の接続状態を制御することができる。
【0125】
また、本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、制御手段が、需要家側に設けられるエネルギー管理装置103をさらに備えることで、制御装置115とエネルギー管理装置103とが相互に通信し、配電網の接続状態の制御を行うことができる。
【0126】
また、本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、エネルギー管理装置103において生成した制御情報を暗号化してサービサー側へ通知し、サービサー側において制御手段としての制御装置115が署名し、情報管理装置が復号化して再びエネルギー管理装置103に通知することで、配電網の接続状態を制御することで、制御装置115とエネルギー管理装置103との間に介在する、例えばサービサーである情報管理事業者のみがプライバシー情報にアクセス可能となり、プライバシー情報の保護を可能とする。
【0127】
また、制御装置115を運用するサービサーであるサービス事業者が、切替制御指示をサービス事業者の証明鍵により署名し、エネルギー管理装置103においてサービス事業者の検証鍵により検証することで、サービス事業者のみが切替制御を指示可能となり、セキュリティ対策によるサービスの信頼性を向上させる。
【0128】
また、本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、制御手段としての制御装置115が、発電手段101より供給される発電電力量、及び、消費デバイスとしてのエンドデバイス102における消費電力量に基づいて、接続状態を制御することで、発電電力の余剰である余剰電力を効率的に利用できるよう、配電網を切り替えることができる。
【0129】
また、本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、制御手段としての制御装置115が、余剰電力の蓄電電力量、及び、蓄電手段113の蓄電容量に基づいて、接続状態を制御することで、蓄電電力を効率的に利用できるよう、配電網を切り替えることができる。
【0130】
また、本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、消費デバイスとしてのエンドデバイス102は、発電手段101より供給される発電電力量、エンドデバイス102における消費電力量、余剰電力の蓄電電力量のうち少なくとも1つに基づいて、接続状態に関して制御手段としての制御装置115に要求可能であり、制御装置115が、要求に応じて、接続状態を制御することで、需要家の要望を考慮しつつ、平常時の逆潮流の流通を動的に制御でき、余剰電力を適切に利用することができる。
【0131】
また、本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、消費デバイスとしてのエンドデバイス102を複数備え、制御手段としての制御装置115が、複数のエンドデバイス102のうち、予め設定された優先度の高いエンドデバイス102から順に、接続状態を制御することで、切替インセンティブメッセージを受け入れやすい需要家グループから順番にマルチキャスト送信し、需要家応答を効率化させることができる。
【0132】
<B.実施の形態2>
<B−1.構成>
図20は、実施の形態1を拡張した電力管理システムを示す概略図である。実施の形態1と同様の構成については、詳細な説明は省略する。
【0133】
図に示す電力管理システムは、需要家が複数存在しており、それぞれにおいて、蓄電手段901及び認証機能付コンセント902が追加して備えられている。それぞれの需要家が配電網A109及び配電網B110に接続可能であり、アクセス系通信ネットワーク111に接続されている。
【0134】
アクセス系通信ネットワーク111は、モバイル端末905にも接続され、実施の形態1においても接続されていた制御装置115(サービス事業者に帰属)は、サービス事業者が複数存在することに対応して、複数接続されている。それぞれの制御装置115には、切替アルゴリズム401が備えられ、いずれかの制御装置を用いて配電網の接続状態を制御できる。なお当該制御には、後述の発電手段903における発電電力量及び消費電力量、また蓄電手段1001における蓄電電力量及び蓄電容量に基づいて行うことができる。
【0135】
またアクセス系通信ネットワーク111は、情報管理事業者に帰属する情報データベース114に接続され、情報データベースにおいては、制御部1000が、顧客情報、計測情報、切替管理情報、課金情報を制御可能となっている。
【0136】
配電網B110は、複数の分散電源事業者にそれぞれ帰属する、複数の蓄電手段1001に接続されている。また、同様に分散電源事業者にそれぞれ帰属する発電手段903にも接続され、蓄電手段1001及び発電手段903は、分散電源事業者にそれぞれ帰属する制御端末904に制御される。
【0137】
この電力管理システムでは、複数の需要家及び複数のサービサーが介在することで、例えば、需要家は、エネルギー管理装置103の共用による機器コストの削減や、自身以外の電力需給状況に応じた切替判断のほか、複数の制御装置115、サービスメニューが選択可能となる。またサービサーは、統計多重効果による運用面の効率化や、電力融通手段の増加により、サービス範囲を拡大することが可能となる。
【0138】
需要家側の蓄電手段901は、例えば、配電網B接続状態302において、自身の余剰電力を優先的に利用することで電気料金の削減が可能となり、独立運転状態303においては、災害時のバックアップ電源として利用することが可能である。
【0139】
需要家側の認証機能付コンセント902は、独立運転状態303における売電手段として、需要家側に設置するサービスコンセントであり、需要家に限定せずホットスポット的な電力供給サービスとしてサービスに加入しているユーザが利用可能である。ユーザは、自身の認証手段と情報データベース114とにより、認証機能付コンセント902にアクセス可能とする。
【0140】
サービサー側の発電手段903は、例えば、配電網B接続状態302において、需要家からの余剰電力供給が少ない場合、発電した電力を優先的に利用することで、配電網B110の電力供給不足を解消することが可能である。
【0141】
モバイル端末905は、制御装置115において提供されるコンテンツ情報を、遠隔から確認可能な端末であり、切替制御要求を発信することが可能である。
【0142】
<B−2.動作>
図21は、切替方法の全体動作を示す図である。
【0143】
複数備わるエネルギー管理装置103を区別して、例えばエネルギー管理装置A707及びエネルギー管理装置B708とする。
【0144】
エネルギー管理装置A707の配下に、発電手段A701、蓄電手段A702、エンドデバイスA703のそれぞれが接続され、エネルギー管理装置B708の配下に、発電手段B704、蓄電手段B705、エンドデバイスB706のそれぞれが接続されている。
【0145】
情報データベース114は、エネルギー管理装置A707、エネルギー管理装置B708のそれぞれから、ポーリングやトラップ等の監視手段により、発電電力量、消費電力量、蓄電電力量、課金情報、切替管理情報等のデータを収集し、蓄積する。
【0146】
制御装置A711及び制御装置B712は、情報データベース114内の発電電力量や消費電力量といった加工情報に基づき、切替アルゴリズム401を用いて切替制御の実行を判断することができる。また、他の需要家の電力使用量の変動や、配電網B110における蓄電電力量を、需要家に切替インセンティブとして提供することにより、需要家からの切替要望を受け付け切替制御を実行することも可能である。
【0147】
需要家は、複数のサービス事業者との契約により、コンテンツ情報A713を配信する制御装置A711、及び、コンテンツ情報B714を配信する制御装置B712それぞれに接続可能とする。モバイル端末715は、エネルギー管理装置103からの切替インセンティブメッセージやコンテンツ情報を受信可能であり、情報データベース114に対して、切替管理情報を送信可能とする。
【0148】
図21では、スイッチA709が配電網A109接続となり、スイッチB710が配電網B110接続となっているが、例えば、エネルギー管理装置B708配下の需要家の消費量が増加し、配電網Aへの切替が必要となった場合、エネルギー管理装置A707配下の、消費量に余裕がある需要家のモバイル端末715に切替インセンティブメッセージが送信され、双方の需要家において切替制御の受け入れが可能と判断された場合、スイッチA709は配電網B110へ、スイッチB710は配電網A109へと切替が実行されるようにすることもできる。
【0149】
図22は、図18に対してビジネスプレイヤーに分散電源事業者605を追加した場合である。図18と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
【0150】
分散電源事業者605は、サービス事業者501から、売電(低品質)、買電(低品質)、需給予測データ、蓄電データ等のサービスを提供され、当該サービスを利用する。
【0151】
また分散電源事業者605は、情報管理事業者502から、分散電源事業者605とサービス事業者501との契約に基づく、ユーザ情報の一部である加工情報を取得し、この情報を利用する。また分散電源事業者605は、蓄電手段を需要家503に売却又は貸出する。
【0152】
分散電源事業者605は、配電網B110の蓄電手段113を運用するプレイヤーであり、制御端末904(図20参照)から得るサービス事業者501からの監視及び制御情報により、複数の分散電源事業者605が発電手段903から得る発電電力量と蓄電手段1001から得る蓄電電力量とを相互融通することで、配電網B110の流通手段を拡大することができる。
【0153】
図23は、図22における契約関係の例を示す。
【0154】
需要家503は、電力事業者504に対して、電力利用契約を結び、情報データベース114を運営する情報管理事業者502に対して、ユーザ情報提供契約を結び、制御装置115を運営するサービス事業者501に対して、サービス利用契約、及び、分散電源提供及び利用契約を結ぶ。
【0155】
情報管理事業者502は、サービス事業者501に対して、プライバシー情報を除く加工情報提供及び利用契約を結び、サービス事業者501は、需要家503に対して、サービス提供契約を結ぶ。
【0156】
分散電源事業者605は、サービス事業者501に対して、サービス情報提供契約及び分散電源提供契約を結び、情報データベース114を運営する情報管理事業者502に対して、プライバシー情報を除く加工情報利用契約を結び、需要家503に対して、蓄電手段の売買及び賃貸契約を結ぶことにより、サービス料を徴収する。
【0157】
サービス事業者は501は、電力事業者504に対して、設備賃貸及び売買契約を結ぶ。
【0158】
本実施の形態においては、複数の需要家が参加し、コミュニティを形成することで、個々の電力融通からコミュニティレベルの電力融通に繋がる。
【0159】
また、複数のサービス事業者が参加することにより、サービスの多様化や電力流通市場の活性化を促進する効果が得られる。
【0160】
<B−3.効果>
本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、複数の発電手段903のうち少なくとも1つは、サービサー側に設けられることで、需要家からの余剰電力供給が少ない場合、発電した電力を優先的に利用することで、配電網B110の電力供給不足を解消することが可能である。
【0161】
また、本発明にかかる実施の形態によれば、電力管理システムにおいて、複数の蓄電手段901のうち少なくとも1つは、需要家側に設けられることで、自身の余剰電力を優先的に利用することで電気料金の削減が可能となり、また、災害時のバックアップ電源として利用することが可能である。
【0162】
なお本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階では、要旨を変更しない範囲で変形することが可能である。
【符号の説明】
【0163】
101,903 発電手段、102 エンドデバイス、103 エネルギー管理装置、104 分電盤、105 スイッチ、106 計測手段A、107 計測手段B、108 通信ネットワーク、109 配電網A、110 配電網B、111 アクセス系通信ネットワーク、112 トランス、113,901,1001 蓄電手段、114 情報データベース、115,215 制御装置、206 計測手段、209 配電網、301 配電網A接続状態、302 配電網B接続状態、303 独立運転状態、304 電力管理システム、305 情報通信ネットワーク、401 切替アルゴリズム、501 サービス事業者、502 情報管理事業者、503 需要家、504 電力事業者、605 分散電源事業者、701 発電手段A、702 蓄電手段A、703 エンドデバイスA、704 発電手段B、705 蓄電手段B、706 エンドデバイスB、707 エネルギー管理装置A、708 エネルギー管理装置B、709 スイッチA、710 スイッチB、711 制御装置A、712 制御装置B、713 コンテンツ情報A、714 コンテンツ情報B、715 モバイル端末、801 エネルギー管理装置用乱数生成手段、802 エネルギー管理装置用記憶手段、803 エネルギー管理装置用暗号手段、804 エネルギー管理装置用ユーザ情報送信手段、805 エネルギー管理装置用暗号化ユーザID比較手段、806 エネルギー管理装置用時刻取得手段、807 エネルギー管理装置用切替制御情報受信手段、808 エネルギー管理装置用時刻比較手段、809 エネルギー管理装置用検証手段、810 エネルギー管理装置用スイッチ切替制御手段、811 情報管理事業者用ユーザ情報受信手段、812 情報管理事業者用加工情報生成手段、813 情報管理事業者用加工情報送信手段、814 情報管理事業者用記憶手段、815 情報管理事業者用切替制御情報受信手段、816 情報管理事業者用復号手段、817 情報管理事業者用切替制御情報送付手段、818 サービス事業者用加工情報受信手段、819 サービス事業者用時刻取得手段、820 サービス事業者用スイッチング制御判定手段、821 サービス事業者用署名手段、822 サービス事業者用記憶手段、823 サービス事業者用切替制御情報送付手段、902 認証機能付コンセント、904 制御端末、905 モバイル端末、1000 制御部、D101〜D801 テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要家側に設けられ、電力を発電し、発電電力を供給する発電手段と、
需要家側に設けられ、前記発電電力及び外部電力の少なくとも一方を消費する消費デバイスと、
サービサー側に設けられ、前記発電電力のうち前記消費デバイスにおいて消費されず余剰となった余剰電力を蓄電する蓄電手段と、
前記外部電力を前記需要家に供給するための第1配線網と、
前記余剰電力を前記需要家から前記蓄電手段に供給するための第2配線網と、
前記需要家側の情報に基づいて、前記需要家の、前記第1配線網及び前記第2配線網に対する接続状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とする、
電力管理システム。
【請求項2】
前記制御手段が、前記サービサー側に設けられた制御装置を備えることを特徴とする、
請求項1に記載の電力管理システム。
【請求項3】
前記制御手段が、通信ネットワークを介した遠隔操作によって、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1又は2に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記制御手段が、前記需要家側に設けられるエネルギー管理装置をさらに備えることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記接続状態が、電力品質を重視する接続状態と、電力コストを重視する接続状態とを含むことを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記制御手段が、前記発電手段より供給される発電電力量、及び、前記消費デバイスにおける消費電力量に基づいて、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1〜5のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項7】
前記制御手段が、前記発電手段より供給される発電電力量と前記消費デバイスにおける消費電力量との比率に応じて、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項6に記載の電力管理システム。
【請求項8】
前記制御手段が、前記余剰電力の蓄電電力量、及び、前記蓄電手段の蓄電容量に基づいて、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1〜7のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項9】
前記制御手段が、前記余剰電力の蓄電電力量と前記蓄電手段の蓄電容量との比率に応じて、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項8に記載の電力管理システム。
【請求項10】
前記消費デバイスは、前記発電手段より供給される発電電力量、前記消費デバイスにおける消費電力量、前記余剰電力の蓄電電力量のうち少なくとも1つに基づいて、前記接続状態に関して前記制御手段に要求可能であり、
前記制御手段が、前記要求に応じて、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1〜9のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項11】
前記需要家側の情報が、前記消費デバイスにおける、設備構成及び設備容量を示す情報、積算電力量を示す情報、接続状態を示す情報、瞬時電力の情報のうちの少なくとも1つに基づいて判断されることを特徴とする、
請求項1〜10のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項12】
前記発電手段を複数備え、
前記制御手段が、各前記発電手段より供給される発電電力量、及び、前記消費デバイスにおける消費電力量に基づいて、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1〜11のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項13】
複数の前記発電手段のうち少なくとも1つは、前記サービサー側に設けられることを特徴とする、
請求項12に記載の電力管理システム。
【請求項14】
前記蓄電手段を複数備え、
前記制御手段が、各前記蓄電手段における、前記余剰電力の蓄電電力量及び蓄電容量に基づいて、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1〜13のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項15】
複数の前記蓄電手段のうち少なくとも1つは、前記需要家側に設けられることを特徴とする、
請求項14に記載の電力管理システム。
【請求項16】
前記消費デバイスを複数備え、
前記制御手段が、複数の前記消費デバイスのうち、予め設定された優先度の高い前記消費デバイスから順に、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1〜15のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項17】
前記制御手段を複数備え、
複数の前記制御手段のうちの少なくとも1つが、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1〜16のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項18】
前記サービサー側に設けられ、前記需要家と前記サービサーとの間、及び前記サービサー間で締結された契約の内容について記憶する情報データベースをさらに備え、
前記制御手段が、前記情報データベースにおける前記契約の内容に基づいて、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項1〜17のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項19】
前記サービサーは、電力を供給する電力事業者、前記情報データベースを管理する情報管理事業者、前記制御手段を管理するサービス事業者を含み、
前記契約は、前記需要家が電力を利用するための、前記電力事業者との間の電力利用契約と、前記需要家がユーザ情報を提供する、前記情報管理事業者との間のユーザ情報提供契約と、前記需要家がサービス料を支払って当該サービスを利用するための、前記サービス事業者との間のサービス利用契約と、前記サービス事業者がプライバシー情報を除く加工情報の提供を受けるための、前記情報管理事業者との間の加工情報提供契約とを含むことを特徴とする、
請求項18に記載の電力管理システム。
【請求項20】
前記需要家側に設けられ、電力供給を行うサービスコンセントをさらに備え、
前記サービスコンセントは、当該サービスに加入しているユーザのみが使用可能であることを特徴とする、
請求項1〜19のいずれかに記載の電力管理システム。
【請求項21】
前記制御手段が、前記エネルギー管理装置において生成した制御情報を暗号化して前記サービサー側へ通知し、前記サービサー側において署名し復号化して再び前記エネルギー管理装置に通知することで、前記接続状態を制御することを特徴とする、
請求項4に記載の電力管理システム。
【請求項22】
請求項21記載の電力管理システムにおいて、
前記サービサーは、電力を供給する電力事業者、情報データベースを管理する情報管理事業者、前記制御手段を管理するサービス事業者を含み、
乱数を生成するエネルギー管理装置用乱数生成手段と、
前記乱数と、前記情報管理事業者がユーザを識別するユーザIDと、ユーザ情報と、情報管理事業者暗号鍵と、サービス事業者検証鍵と、暗号化ユーザIDとを記憶する、エネルギー管理装置用記憶手段と、
前記乱数と前記ユーザIDとを、前記情報管理事業者暗号鍵を用いて暗号化し、前記暗号化ユーザIDを生成するエネルギー管理装置用暗号手段と、
前記暗号化ユーザIDと前記ユーザ情報とを、前記情報管理事業者へ送るエネルギー管理装置用ユーザ情報送信手段と、
現在時刻を取得するエネルギー管理装置用時刻取得手段と、
前記情報管理事業者から切替制御情報を受け取るエネルギー管理装置用切替制御情報受信手段と、
前記切替制御情報に含まれる前記暗号化ユーザIDと、エネルギー管理装置用暗号手段により生成した前記暗号化ユーザIDとを比較する、エネルギー管理装置用暗号化ユーザID比較手段と、
前記切替制御情報に含まれる処理時刻と前記現在時刻とを比較する、エネルギー管理装置用時刻比較手段と、
前記暗号化ユーザIDと、前記処理時刻と、前記切替制御情報に含まれる署名付スイッチング制御指示とを、前記サービス事業者検証鍵を用いて検証するエネルギー管理装置用検証手段と、
スイッチを切り替えるエネルギー管理装置用スイッチ切替制御手段とを備えることを特徴とする、
エネルギー管理装置。
【請求項23】
請求項21記載の電力管理システムにおいて、
前記サービサーは、電力を供給する電力事業者、情報データベースを管理する情報管理事業者、前記制御手段を管理するサービス事業者を含み、
前記エネルギー管理装置から、暗号化ユーザIDとユーザ情報とを受け取る情報管理事業者用ユーザ情報受信手段と、
前記暗号化ユーザIDと前記ユーザ情報とから、プライバシー情報を除いた加工情報を生成する情報管理事業者用加工情報生成手段と、
前記暗号化ユーザIDと前記加工情報とをサービス事業者へ送付する情報管理事業者用加工情報送信手段と、
情報管理事業者復号鍵を記憶する情報管理事業者用記憶手段と、
前記サービス事業者から切替制御情報を受け取る情報管理事業者用切替制御情報受信手段と、
前記情報管理事業者復号鍵を用いて、受け取った前記切替制御情報に含まれる前記暗号化ユーザIDから、乱数とユーザIDとを復号する情報管理事業者用復号手段と、
復号した前記ユーザIDから送付先のユーザを決定し、前記切替制御情報を前記エネルギー管理装置へ送る情報管理事業者用切替制御情報送付手段とを備えることを特徴とする、
情報管理装置。
【請求項24】
請求項21記載の電力管理システムにおいて、
前記サービサーは、電力を供給する電力事業者、情報データベースを管理する情報管理事業者、前記制御手段を管理するサービス事業者を含み、
前記制御手段において、前記サービス事業者側に設けられ、
前記情報管理事業者から、暗号化ユーザIDと加工情報とを受け取るサービス事業者用加工情報受信手段と、
現在時刻を取得するサービス事業者用時刻取得手段と、
加工情報をもとにスイッチング制御を判定し、スイッチング制御指示を生成するサービス事業者用スイッチング制御判定手段と、
サービス事業者署名鍵を記憶するサービス事業者用記憶手段と、
前記暗号化ユーザIDと前記スイッチング制御指示とに対して、前記サービス事業者署名鍵を用いて署名をして、署名付スイッチング制御指示を生成するサービス事業者用署名手段と、
前記暗号化ユーザIDと、処理時刻と、前記署名付スイッチング制御指示とを、切替制御情報として前記情報管理事業者へ送る、サービス事業者用切替制御情報送付手段とを備えることを特徴とする、
制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2013−21798(P2013−21798A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152495(P2011−152495)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】