説明

電力線マーキングデバイス

少なくとも1つの電力線シート(5)が装備された支持プレート(2)と、支持プレート(2)の片側に揺動可能に連接され、揺動軸線の反対側で支持プレート(2)にロック可能な圧力レバー(3)とを有する電力線(11)のマーキングデバイス(1)であって、圧力レバー(3)のロック状態に対して、電力線凹部(5)が、圧力レバー(3)に向かって対面する支持プレート(2)の内側に配設され、少なくとも圧力レバー(3)が可撓性があり弾力性があるものにされるマーキングデバイス

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力線シートが装備された支持プレートと、支持プレートの片側に揺動可能に連接され、揺動軸線の反対側で支持プレートにロック可能な圧力レバーとを有する電力線マーキングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のマーキングデバイスにおいて、支持プレートには、ジョイントの両側に位置するエリアが角度位置に移動可能なように、中央エリアにジョイントが設けられる。電力線用のシートが、圧力レバーから見て外方に向いた側にクランプ式に設けられる。圧力レバーが支持プレートにロックされれば、クランプ式のシートは、差し込み線が固定されるように、またはマーキングデバイスが電力線に固定されるように閉じられる。
【0003】
別のマーキングデバイスにおいて、支持プレートには、同様に中央エリアにジョイントが設けられているが、横方向のエリアにアンダカットブリッジが設けられる。支持プレートがレバー位置にないとき、マーキングデバイスを電力線に固定し、または締め付けるように、アンダカットブリッジ間の側面からレバープレートを差し込むことができる。
【0004】
ケーブルシートを構成するクランプにより、これらの既知のマーキングデバイスの構造的高さは比較的高いため、対応する設備空間が必要となるが、通常、電気設備には複数の電力線があるため、これらの空間は電気設備にはないことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、既知のモデルと比較して、圧力レバーが支持プレートにロックされたときに構造的高さが低くなるように、さらに詳細に最初に記載した方法のマーキングデバイスを設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この問題を解消するために、圧力レバーのロック状況に関して、電力線シートは、圧力レバーに対面する支持プレートの内側に配設され、少なくとも圧力レバーは、弾力的に可撓性を有するものであるように作られる。
【0007】
圧力レバーは、少なくとも可能な構造的高さが支持プレートにロックされたときの状態になり得るように設計され得る。圧力レバーは弾力的に可撓性を有するため、マーキングデバイスは、異なる直径を有する弾力性のある電力線にしっかりと締め付けられ得る。支持プレートおよび圧力レバーは、一体型のプラスチック成形部品を構成するため、射出成形方法を用いることによって、対応する設計のツールとともに特に経済的な生産が可能となる。また、支持プレートも弾性的に可撓性を有するものであることがあり得る。しかしながら、好ましい実施形態において、支持プレートが曲げ抵抗をもつように設けられる。さらに、電力線シートは、支持プレートの中央エリアに設けられるようにされる。これにより、電力線シートと圧力レバーの横方向の縁部との間の間隔が可能な限り大きくなるため、ロック状態で圧力レバーの弾性変形が促される。
【0008】
電力線シートは、互いから間隔を空けて配設された少なくとも2つのシートプリズムからなるようにされる。次に、差し込まれた電力線と接触する表面は、互いに対して鈍角に位置付けられることで、異なる直径を有する電力線にマーキングデバイスを配置するのに最適な必要条件が得られる。さらに、シートプリズムは、電力線にしっかりと締め付けられた後、電力線が圧力レバーの揺動軸線から間隔を空けて平行に伸びるような形状にされる。
【0009】
さらに、圧力レバーは、ヒンジ、好ましくは、フィルムヒンジによって支持プレートに固定されるように設けられる。この支持プレートには4つの角があり、長手方向(縦方向)の辺は、横方向の縁部より明らかに長い。ヒンジは、横方向の縁部に対して配置され、または成形され、支持プレートおよび圧力レバーのキャッチ要素は、対向する横方向の縁部に対して配設され、または成形される。
【0010】
電力線の異なる直径に関して、弾性変形するための圧力レバーは十分に変形可能であるが、電力線に作用する圧力が十分であることを確保するために、圧力レバーは、電力線シートに対して正確な位置に圧力レバーを強化する加圧部分を有するように設けられる。その結果、圧力レバーは、このエリアにおいて、弾性変形可能であったとしても、ほんのわずかである。加圧部分に隣接するエリアにおいて、特に強い力をかけることなく、圧力レバーの弾性変形が可能であることを確保するために、加圧部分に隣接するエリアにおいて圧力レバーには、少なくとも1つの長手方向の辺に、末端エリアに対して幅を短くすることができるように凹部が設けられるようにされる。
【0011】
さらに、圧力レバーを支持プレートでロックするために、ヒンジの反対側の支持プレート上に、電力線シートを有する側に配設された少なくとも1つのキャッチ突起が成形される。
【0012】
さらに、支持プレートでロックするために、ヒンジから見て外方に向いて設置された圧力レバーの末端エリアを弾性変形させるため、この末端エリアは開口を有するように設けられる。さらに、開口に隣接する外側外部の周辺エリアは、ロックする目的のキャッチ凹部を有し、この凹部において、支持プレートに対して配置または成形されたキャッチ突起が、ロック状態に係合可能であるように設けられる。
【0013】
電力線の異なる直径に適応するために、加圧部分のいずれかの側にある圧力レバーは、いくつかの角度をもつように設けられる。これにより、締め付け力が十分であり、マーキングデバイスが移動しないように、あらゆる直径に対して十分な弾性変形が得られる。
【0014】
さらに、キャッチ突起がアンダカットされ、このキャッチ突起は、マーキングデバイスがロック位置にあるときにキャッチ凹部によってアンダカットされ、ヒンジから見て外方に向いたキャッチ突起の表面は、斜面として作られることで、支持プレートに対してなす角度は、好ましくは、90°未満の鋭角である。さらに、斜面は弧をなすように設けられる。これにより、特に、比較的大きな直径を有する電力線の場合、キャッチ凹部を形成するキャッチ縁部が、斜面に沿って押されるという利点が得られる。キャッチ突起は、さらに、加圧部分に電力線がかける力が圧力レバーをキャッチ突起内に引き入れることで、確実なロック作用が得られるように作られる。キャッチ突起は、このロック作用が意図せずに開かないようにアンダカットされる。
【0015】
添付の図面は、本発明をさらに詳細に説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】圧力レバーが支持プレートの面へと揺動した状態の本発明のマーキングデバイスの例示的な実施形態の斜視図である。
【図2】図1に対応する側面図である。
【図3】支持プレートをロックするまでのさまざまな位置にある圧力プレートを示す。
【図4】支持プレートをロックするまでのさまざまな位置にある圧力プレートを示す。
【図5】支持プレートをロックするまでのさまざまな位置にある圧力プレートを示す。
【図6】支持プレートをロックするまでのさまざまな位置にある圧力プレートを示す。
【図7】異なる直径を有する電力線に対して配置されたマーキングデバイスを示す。
【図8】異なる直径を有する電力線に対して配置されたマーキングデバイスを示す。
【図9】異なる直径を有する電力線に対して配置されたマーキングデバイスを示す。
【図10】図1に対応するが、180°回転させた位置にある図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1によるマーキングデバイス1は、寸法的に安定した支持プレート2と、圧力カバー3とからなり、フィルムヒンジ4の形状のヒンジによって、支持プレート2の横方向の縁部に固締される。図1に示すように、支持プレート2には4つの角があり、2つの長手方向の辺は、2つの横方向の辺より明らかに長い。図示した例示的な実施形態において、支持プレート2には、2つのプリズム状の電力線シート5が装備されており、これらの電力線シート5は、互いから短い間隔を空けて設けられ、長手方向の辺に対して中央エリアに設置される。図2から図9に示すように、電力線11に接触する表面は、互いに鈍角をなす。圧力レバー3の中央エリアには、圧力レバー3がロック状態にあるとき、プリズム状の電力線シート5に対して位置的に正確に配置される加圧部分6が設けられる。圧力レバー3が、異なる直径を有する電力線に確実に締め付けられ得るように十分に弾力性があるものにするために、この圧力レバーには、長手方向の一辺に凹部8が設けられる。ヒンジ4とは反対の周辺エリアの支持プレート2に対して、キャッチ突起9が配置または成形される。また、ヒンジ4から見て外方に向いた末端エリアにおいて、圧力レバー3に開口7が設けられ、外側の自由周辺エリアがアンダカットされ、キャッチ縁部10を形成する。図1にさらに示すように、加圧部分6が、凹部8に関連付けられた縁部とは反対の両側に突出する。
【0018】
図2は、開始位置にあるマーキングデバイス1を示し、図1によれば、締め付けレバー3が、支持プレート2の面へ揺動される。プリズム状の電力線シート5に差し込まれた電力線11を固締するために、圧力レバー3は、180°の範囲内の角度でヒンジ4の軸線に沿って揺動される。
【0019】
図3によれば、圧力部分6は、依然として電力線11から間隔を空けた位置にあるのに対して、図4に示す説明図によれば、この圧力部分6は、電力線11に接触しているが、圧力レバー3は、最初の開始形状を維持したままである。図5によれば、ヒンジ4と反対の圧力レバー3の周辺エリアに手動で圧力がかけられ、この際、この圧力が圧力レバー3を変形させる。図6に示す変形は、圧力レバー3のキャッチ縁部10が、支持プレート2に対して配置されるキャッチ突起9をアンダカットする程度に大きい。
【0020】
図2から図9は、加圧部分6の両側にある圧力レバー3がいくつかの角度を有し、図示した例示的な実施形態において、2つの角度を有することを示す。これにより、図7から図9によれば、電力線11の異なる直径に対して適応できるように、圧力レバー3が最大限に変形可能になる。また、この設計により、生産者およびユーザに関して種類の多様化が回避される。
【0021】
図に示すように、支持プレート2に成形されたキャッチ突起9には、電力線シート5から見て外方に向いた斜面12が設けられる。支持プレート2の平面との間の角度は、鋭角であり、90°未満である。斜面12は、わずかに弧状である。キャッチ突起9が上述した設計を有する結果として、電力線11が圧力部分6にかける力に対して、圧力レバーが、キャッチ突起9のアンダカット13に確実に引き込まれるようにすることができる。さらに、キャッチ作用により、意図せずに分離することがないようにされる。
【0022】
図10は、キャッチ凹部14が、キャッチ突起9に関連付けられることを示し、このキャッチ凹部は、開口7を有するキャッチ縁部10の側に設けられる。
【0023】
本発明は、図示した例示的な実施形態に制限されるものではない。本発明の本質は、圧力レバー3のロック状態に関連して、電力線11用の電力線シート5が支持プレート2の内側に配設されることで、圧力レバー3が、弾性的に可撓性を有するものにされることである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電力線シート(5)が装備された支持プレート(2)と、
前記支持プレート(2)の片側に揺動可能に連接され、揺動軸線の反対側で前記支持プレート(2)にロック可能な圧力レバー(3)と
を有する電力線(11)のマーキングデバイス(1)において、
前記圧力レバー(3)のロック状態に対して、前記電力線シート(5)が、前記支持プレート(2)の内側に配設され、前記内側が、前記圧力レバー(3)に対面し、少なくとも前記圧力レバー(3)が弾性的に可撓性を有するよう作られていることを特徴とする、マーキングデバイス。
【請求項2】
前記支持プレート(2)が、曲げに対して抵抗を有するよう作られていることを特徴とする、請求項1に記載のマーキングデバイス。
【請求項3】
前記電力線シートが、互いから間隔を空けた位置に配設された少なくとも2つのシートプリズム(5)からなることを特徴とする、請求項1に記載のマーキングデバイス。
【請求項4】
前記電力線(11)に接触させて配置可能な前記シートプリズム(5)の表面が、互いに対して鈍角の位置にあることを特徴とする、請求項3に記載のマーキングデバイス。
【請求項5】
前記圧力レバー(3)が、ヒンジによって、好ましくはフィルムヒンジ(4)によって支持プレート(2)に枢着されていることを特徴とする、請求項1に記載のマーキングデバイス。
【請求項6】
前記支持プレート(2)が4つの角を有し、長手方向の縁部が、横方向の縁部より長く、前記ヒンジ(4)が、横方向の縁部に配置または成形可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項または複数項に記載のマーキングデバイス。
【請求項7】
前記圧力レバー(3)が、前記シートプリズム(5)に対して位置的に正確に配置される加圧部分(6)を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項または複数項に記載のマーキングデバイス。
【請求項8】
前記圧力レバー(3)が、少なくとも1つの長手方向の辺および中央エリアに凹部(8)を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項または複数項に記載のマーキングデバイス。
【請求項9】
前記ヒンジ(4)と反対側の前記支持プレート(2)に、前記圧力レバー(3)とロックするためのキャッチ突起(9)が成形され、前記突起が、前記電力線シート(5)を有する側に配設されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項または複数項に記載のマーキングデバイス。
【請求項10】
前記圧力レバー(3)に、前記ヒンジ(4)と反対の末端エリアに開口(7)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項または複数項に記載のマーキングデバイス。
【請求項11】
前記キャッチ突起(9)が、当該マーキングデバイス(1)がロック位置にあるとき、キャッチ縁部(10)のキャッチ凹部(14)によってアンダカットされるアンダカット(13)を有し、前記ヒンジ(4)と反対の面が、斜面(12)として作られ、前記支持プレート(2)の平面となす角度が、90°未満の鋭角であることを特徴とする、請求項〜ら10のいずれか一項または複数項に記載のマーキングデバイス。
【請求項12】
前記斜面(12)が弧状であることを特徴とする、請求項11に記載のマーキングデバイス。
【請求項13】
前記キャッチ縁部(10)には、前記開口(7)に向かって対面する側に前記キャッチ凹部(14)が設けられることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項または複数項に記載のマーキングデバイス。
【請求項14】
加圧部品(6)の両側にある前記圧力レバー(3)が、いくつかの角度を有し、好ましくは、2つの角度を有することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項または複数項に記載のマーキングデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−538599(P2010−538599A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523475(P2010−523475)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/061154
【国際公開番号】WO2009/033946
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(505422464)ワイドミュラー インターフェース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】Weidmueller Interface GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Klingenbergstrasse 16, D−32758 Detmold, Germany