説明

電動ハンマ

【課題】前カバーの固定を簡単且つ合理的に行う。
【解決手段】電動ハンマ1において、バレル8の外面に突条34を突設し、前カバー31の内面に溝33を凹設して、突条34と溝33との嵌合によって前カバー31をバレル8に対して回り止めすると共に、ロックリング28の周縁に、突条34及び溝33よりも前方で前カバー31の内面に設けられた段部37に係止するフランジ35を設けて、フランジ35と段部37との係止によって前カバー31の前方への移動を規制するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状のバレルに収容した打撃機構によって先端のビットを打撃する電動ハンマに関する。
【背景技術】
【0002】
電動ハンマは、後方ハウジング内にモータを収容し、後方ハウジングの前方に連結した筒状のバレルの後方部に、シリンダ内で往復動するピストンと、そのピストンと空気室を介して連動する打撃子とを有する打撃機構を収容して、バレルの前方部では、前端にビットの装着部を備えたツールホルダを軸支している。よって、モータの駆動によってピストンが往復動すると、空気バネの作用で打撃子が連動して往復動し、ツールホルダに装着されるビットを直接、或いは中間子を介して間接的に打撃することになる(例えば特許文献1参照)。
このような電動ハンマにおいては、ビットの軸線回りの角度を任意に調整可能とする角度調整機構が設けられる場合がある。この角度調整機構は、ツールホルダを回転可能に設けてその外周にチェンジリングを一体回転可能且つ軸方向へスライド可能に外装し、そのチェンジリングの後方でツールホルダに、チェンジリングと係合するカム面を有したロックリングを回転不能に外装して、常態ではコイルバネ等の付勢手段によってチェンジリングをロックリングとの係合位置へ後退させてツールホルダ及びビットの角度を固定する一方、チェンジリングを付勢手段に抗して前進させてロックリングとの係合を解くと、チェンジリングの回転によってツールホルダ及びビットが任意の角度へ回転可能となるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−155369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、バレルはアルミニウム等の金属製で、直接把持すると打撃作動時に発生する熱が手に伝わり、使用感の低下が生じることから、バレルには合成樹脂製のバレルカバーが外装される。このバレルカバーは、後端が後方ハウジングにネジ止めされ、前端はチェンジリングに設けたチェンジリングカバー等の前側部品と係合している。よって、バレルを後方ハウジングから分離してバレル内部の打撃機構の修理や部品の交換等を行う場合、まずバレルカバーをバレルから抜き取るために、チェンジリングカバーや装着部等の前側部品を分解して取り外す必要があり、修理等に伴う分解や組み立てに時間と手間とが掛かっていた。そこで、バレルカバーを、バレルの前方部に外装される前カバーと、バレルの後方部に外装される後カバーとに二分割して、後カバーのみを着脱可能とする構造も採用されているが、前カバーの回転及び前後方向での固定に新たな構造が必要となり、構造の複雑化とコストアップとを招いてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、バレルカバーを前後に分割したものにおいて、前カバーの固定を簡単且つ合理的に行うことができる電動ハンマを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、モータを収容した後方ハウジングに筒状のバレルを連結し、そのバレル内の前端に、先端にビットの装着部を備えたツールホルダを同軸で回転可能に保持させ、バレル内の後方部に、モータの駆動によってビットを打撃する打撃機構を収容して、ツールホルダにおける装着部の後方に、ツールホルダと一体回転可能且つ前後方向へ移動可能で、外部から回転及び移動操作可能なチェンジリングと、そのチェンジリングとバレルとの間に設けられ、チェンジリングの後退位置でチェンジリングと係合してその回転を規制するロックリングとを夫々外装する一方、バレルに、バレルの前方部を覆う筒状の前カバーと、バレルの後方部を覆い、後方ハウジングに組み付けられる筒状の後カバーとを夫々外装した電動ハンマであって、バレルの外面と前カバーの内面との何れか一方に、前端から後方へ向けて突条を突設し、他方に、突条に嵌合する溝を凹設して、突条と溝との嵌合によって前カバーをバレルに対して回り止めすると共に、ロックリングの周縁に、突条及び溝よりも前方で前カバーの内面に設けられた被係止部に係止する係止部を設けて、係止部と被係止部との係止によって前カバーの前方への移動を規制することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、後カバーの内径を、その前方に位置する各構成部よりも大径にして、後カバーを単独で前方から着脱可能としたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、前カバーにサイドハンドルの取付部が外装されるものにあっては、突条と溝との嵌合部位と取付部の外装位置とを前後方向で隣接或いは重合させたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3の構成において、前カバーの軸長を、バレルを後方ハウジングに連結する連結具の着脱と干渉しない長さに設定したことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れかの構成において、前カバーの後端と後カバーの前端とを重合させると共に、前カバーと後カバーとの何れか一方に、重合部分をシールするシール部材を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、既存のバレル及びロックリングを利用して前カバーの位置決めを簡単且つ合理的に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、バレル内部での打撃機構等の部品交換や修理が必要となった場合には、前方の装着部等を分解することなく後カバーのみを取り外して、バレルを簡単に後方ハウジングから分離することができる。よって、修理やメンテナンスに係る作業性が良好となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、サイドハンドルの取付部の緊締力によってバレルに対する前カバーの一体性が高まり、前カバーの固定に係る信頼性が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3の効果に加えて、後カバーの単独での着脱がスムーズに行え、修理等に係る作業性の一層の向上が期待できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の何れかの効果に加えて、バレルカバーを前後カバーに分離しても好適なシール性が維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電動ハンマの一部縦断面図である。
【図2】A−A線断面図である。
【図3】B−B線断面図である。
【図4】C−C線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電動ハンマの一例を示す一部縦断面図で、電動ハンマ1は、後方(図1の右側)のモータハウジング2内にモータ3を収容し、その上方でモータハウジング2に組み付けられたクランクハウジング5内に出力軸4を突出させている。このモータハウジング2及びクランクハウジング5が本発明の後方ハウジングとなる。
クランクハウジング5内には、出力軸4が噛み合うギア7を備えたクランクシャフト6が出力軸4と平行に軸支されており、クランクハウジング5の前方には、筒状のバレル8が連結具としての複数のネジ9によって出力軸4と直交方向に連結されて、バレル8の内部に打撃機構10が収容されている。
【0011】
この打撃機構10は、バレル8の後方部で同軸に保持されるシリンダ11と、シリンダ11内へ前後移動可能に収容され、クランクシャフト6の上面に突設した偏心ピン12とコネクティングロッド13を介して連結されるピストン14と、ピストン14の前方でシリンダ11内に収容され、空気室15を介してピストン14と連動する打撃子16と、バレル8の前端で回転可能に保持された筒状のツールホルダ17の後方部内で前後移動可能に収容される中間子18と、を含んでなる。
【0012】
一方、バレル8から突出するツールホルダ17の前方部には、ビットの装着部19が設けられている。この装着部19は、ツールホルダ17の前端に嵌着されたキャップ20と、キャップ20の後方でツールホルダ17へ前後移動可能に外装される操作スリーブ21と、その操作スリーブ21を前方へ付勢するコイルバネ22と、ツールホルダ17に設けた前後方向の長孔23からツールホルダ17の軸心側へ出没可能に収容され、操作スリーブ21の前後移動に追従する一対の押圧体24,24と、その押圧体24の前方にあって、操作スリーブ21の前進位置で押圧体24をツールホルダ17の軸心側への突出位置へ案内する案内リング25と、を備えている。
【0013】
また、ツールホルダ17の内面には、図示しないビットの後端外周に形成した溝に嵌合する一対の突条26,26が軸方向に突設されている。
よって、操作スリーブ21をコイルバネ22の付勢に抗して後退させて押圧体24の押圧を解いた状態で、ビットの後端を突条26と溝との位相を合わせてツールホルダ17に差し込み、操作スリーブ21を再び前進させると、ツールホルダ17の軸心側へ突出する押圧体24,24がビットの後端に設けた凹部に嵌合してビットを抜け止めし、溝と突条26との嵌合によってビットを回り止めすることになる。
【0014】
さらに、コイルバネ22の後方でツールホルダ17には、図3,4にも示すように、チェンジリング27とロックリング28とが夫々外装されている。チェンジリング27は、ツールホルダ17にスプライン結合されて前後移動可能で、常態ではコイルバネ22により、ロックリング28と当接する後退位置へ付勢されている。
ロックリング28は、ツールホルダ17外周のリングスプリング29と、バレル8の前端で保持されるツールホルダガイド30との間で回転不能に固定されて、後退位置に付勢されるチェンジリング27の回転を、両者の対向面に形成した図示しないカム面同士の係合により規制するようになっている。このロックリング28は鉄製で、アルミニウム製のバレル8と鉄製のチェンジリング27とを係脱させるとバレル8側に摩耗が生じることから、両者の間に介在させてバレル8に摩耗を生じさせないようにしたものである。
【0015】
そして、バレル8には、バレル8の前方部を覆う筒状の前カバー31と、バレル8の後方部を覆って前カバー31よりも大径の筒状である後カバー32とが夫々外装されている。両カバー31,32は何れも合成樹脂製である。
まず、前カバー31の内面には、図2にも示すように、前端から後方へ向けて4つの溝33,33・・が周方向に等間隔で形成されて、バレル8の外面には、溝33に対応して前端から後方へ向けて4つの突条34,34・・が突設されている。よって、溝33と突条34との位相を合わせて前カバー31をバレル8に外装すると、溝33と突条34とが嵌合して前カバー31が回り止めされることになる。
【0016】
また、前カバー31の前端内周には、ロックリング28の外周に周設した係止部としてのフランジ35が嵌合する嵌合孔36が、溝33よりも前方で、且つ各溝33の底部を含む同心円よりも大径に形成されて、嵌合孔36と溝33との間に、フランジ35が係止する被係止部としての段部37を形成している。38は、チェンジリング27へ一体に外装されて後端のフランジ部39が前カバー31の前端を覆うチェンジリングカバーである。
【0017】
次に、後カバー32は、後端に設けた連結部40がネジ41によってクランクハウジング5へ固定される一方、前端には、前カバー31の後端に外側から重合して掛止する掛止部42が形成されて、バレル8の後方部をネジ9の外側から覆うようになっている。前カバー31における後カバー32との重合部分には、後カバー32の固定状態で後カバー32の内面に圧接されるシール部材としてのOリング43が設けられている。
ここでは、後カバー32よりも前方に位置する前カバー31、チェンジリングカバー38、操作スリーブ21、キャップ20等の前側部品は全て後カバー32の内径よりも小さくなっている。よって、ネジ41を取り外してクランクハウジング5との連結を解除すると、後カバー32は、バレル8や装着部19を取り外すことなく、単独で前方へ移動させて電動ハンマ1の先端から抜き取り可能となる。
【0018】
44は、着脱可能なサイドハンドルで、前カバー31に外装される取付部45と、取付部45に連結されるグリップ部46とを有して、バレル8及びツールホルダ17の軸心からグリップ部46を直交状に突設させている。このサイドハンドル44の取付部45の外装位置は、前カバー31が回り止めされる溝33と突条34との嵌合部位の後方で隣接している。
【0019】
以上の如く構成された電動ハンマ1の組付けは、以下の手順で行われる。
まず、前カバー31をバレル8に外装した後、バレル8の後方からツールホルダ17を差し込んでツールホルダガイド30で保持させる。次に、バレル8から突出したツールホルダ17に、ロックリング28、チェンジリング27及びチェンジリングカバー38、そして装着部19を夫々組み付ける。その後、バレル8の後方から打撃機構10(但し、ピストン14はコネクティングロッド13によってクランクシャフト6側に連結されているため、ピストン14は後でシリンダ11に挿入される。)を組み付けて、バレル8をネジ9により、モータハウジング2を組み付けたクランクハウジング5にネジ止めする。
【0020】
ここで、前カバー31の軸長は、前カバー31の後方でネジ9を前からねじ込むストロークが確保されるように、すなわち、ネジ9の着脱に前カバー31が干渉しないように設定されているため、バレル8の組付けに支障は生じない。
このバレル8の組み付け状態で、前カバー31は、溝33と突条34との嵌合によってバレル8に対して回り止めと後方への移動規制とがなされる一方、ロックリング28の組付けに伴うフランジ35の段部37への当接によって前方への移動規制(抜け止め)がなされることになる。
そして、後カバー32を前方から外装して後方へスライドさせ、掛止部42を前カバー31の後端に掛止させて連結部40をネジ41によってクランクハウジング5へ連結すると、電動ハンマ1の組付けが完了する。
【0021】
この電動ハンマ1においては、図示しないスイッチの操作によってモータ3を駆動させて出力軸4が回転すると、クランクシャフト6が回転して偏心ピン12の円運動をコネクティングロッド13を介してピストン14の往復動に変換する。よって、空気室15の空気バネの作用で打撃子16がピストン14に連動して往復動する。ビットをツールホルダ17に差し込み装着した状態では、ビットの後端が中間子18を後退させてその後端をシリンダ11内へ突出させているため、往復動する打撃子16が中間子18を連続して打撃することで、ビットも打撃される。
【0022】
そして、ビットの軸線回りの角度を変更したい場合は、チェンジリングカバー38のフランジ部39を把持してチェンジリングカバー39及びチェンジリング27を前進させると、チェンジリング27がロックリング28から離間して回転規制が解かれるため、ツールホルダ17の回転はフリーとなる。よって、そのままチェンジリングカバー38を回転操作してツールホルダ17ごとビットの角度を任意に変更することができる。角度を決定した後、チェンジリングカバー38を後退させれば、チェンジリング27も後退して再びロックリング28と係合するため、当該角度でツールホルダ17及びビットが固定される。
【0023】
このように、上記形態の電動ハンマ1によれば、バレル8の外面に突条34を突設し、前カバー31の内面に溝33を凹設して、突条34と溝33との嵌合によって前カバー31をバレル8に対して回り止めすると共に、ロックリング28の周縁に、突条34及び溝33よりも前方で前カバー31の内面に設けられた段部37に係止するフランジ35を設けて、フランジ35と段部37との係止によって前カバー31の前方への移動を規制するようにしたことで、既存のバレル8及びロックリング28を利用して前カバー31の固定を簡単且つ合理的に行うことができる。
【0024】
特にここでは、後カバー32の内径を、その前方に位置する前カバー31や装着部19等の各構成部よりも大径にして、後カバー32を単独で前方から着脱可能としているため、バレル8内部での打撃機構10等の部品交換や修理が必要となった場合には、前方の装着部19等を分解することなく後カバー32のみを取り外して、バレル8を簡単にクランクハウジング5から分離することができる。よって、修理やメンテナンスに係る作業性が良好となる。
また、突条34と溝33との嵌合部位と、サイドハンドル44の取付部45の外装位置とを前後方向で隣接させているので、取付部45の緊締力によってバレル8に対する前カバー31の一体性が高まり、前カバー31の固定に係る信頼性が向上する。
【0025】
さらに、前カバー31の軸長を、バレル8をクランクハウジング5に連結するネジ9の着脱と干渉しない長さに設定しているため、後カバー32の単独での着脱がスムーズに行え、修理等に係る作業性の一層の向上が期待できる。
そして、前カバー31の後端と後カバー32の前端とを重合させると共に、前カバー31に、後カバー32との重合部分をシールするOリング43を設けたことで、バレル8のカバーを前後カバー31,32に分離しても好適なシール性が維持できる。
【0026】
なお、上記形態では、前カバーに溝を、バレルに突条を夫々設けているが、これと逆に、前カバーに突条を、バレルに溝を夫々設けるようにしてもよい。勿論溝及び突条の数や形状は適宜変更可能である。
また、ロックリングの係止部もフランジに限らず、放射状に突設した複数の突起としたり、バレルに設ける被係止部も、突起に合わせた凹部としたり等、バレルの抜け止めが可能であれば他の構造も採用できる。
さらに、上記形態では、後カバーを筒状にしているが、左右の半割形状にして組み付けることも可能で、シール部材も、数や形状、種類の変更は勿論、前後カバーの組み付け構造によっては省略しても差し支えない。
【0027】
一方、前カバー及びバレルの突条と溝との嵌合部位とサイドハンドルの取付部との位置関係は、両者が隣接する形態に限らず、嵌合部位と取付部とが部分的或いは完全に重なるように設けてもよい。
その他、打撃機構や装着部の構造等も適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0028】
1・・電動ハンマ、2・・モータハウジング、3・・モータ、4・・出力軸、5・・クランクハウジング、6・・クランクシャフト、8・・バレル、9,41・・ネジ、10・・打撃機構、11・・シリンダ、14・・ピストン、16・・打撃子、17・・ツールホルダ、18・・中間子、19・・装着部、21・・操作スリーブ、22・・コイルバネ、27・・チェンジリング、28・・ロックリング、31・・前カバー、32・・後カバー、33・・溝、34・・突条、35・・フランジ、37・・段部、42・・掛止部、43・・Oリング、44・・サイドハンドル、45・・取付部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを収容した後方ハウジングに筒状のバレルを連結し、そのバレル内の前端に、先端にビットの装着部を備えたツールホルダを同軸で回転可能に保持させ、前記バレル内の後方部に、前記モータの駆動によって前記ビットを打撃する打撃機構を収容して、前記ツールホルダにおける前記装着部の後方に、前記ツールホルダと一体回転可能且つ前後方向へ移動可能で、外部から回転及び前後移動操作可能なチェンジリングと、そのチェンジリングとバレルとの間に設けられ、前記チェンジリングの後退位置で前記チェンジリングと係合してその回転を規制するロックリングとを夫々外装する一方、
前記バレルに、前記バレルの前方部分を覆う筒状の前カバーと、前記バレルの後方部分を覆い、前記後方ハウジングに組み付けられる筒状の後カバーとを夫々外装した電動ハンマであって、
前記バレルの外面と前カバーの内面との何れか一方に、前端から後方へ向けて突条を突設し、他方に、前記突条に嵌合する溝を凹設して、前記突条と溝との嵌合によって前記前カバーを前記バレルに対して回り止めすると共に、前記ロックリングの周縁に、前記突条及び溝よりも前方で前記前カバーの内面に設けられた被係止部に係止する係止部を設けて、前記係止部と被係止部との係止によって前記前カバーの前方への移動を規制するようにしたことを特徴とする電動ハンマ。
【請求項2】
前記後カバーの内径を、その前方に位置する各構成部よりも大径にして、前記後カバーを単独で前方から着脱可能としたことを特徴とする請求項1に記載の電動ハンマ。
【請求項3】
前記前カバーにサイドハンドルの取付部が外装されるものにあっては、前記突条と溝との嵌合部位と取付部の外装位置とを前後方向で隣接或いは重合させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動ハンマ。
【請求項4】
前記前カバーの軸長を、前記バレルを前記後方ハウジングに連結する連結具の着脱と干渉しない長さに設定したことを特徴とする請求項2又は3に記載の電動ハンマ。
【請求項5】
前記前カバーの後端と後カバーの前端とを重合させると共に、前記前カバーと後カバーとの何れか一方に、前記重合部分をシールするシール部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電動ハンマ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−221361(P2010−221361A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72360(P2009−72360)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】