説明

電動工具

【課題】
特別な操作をすることなくクラッチモード時とドリルモード時の出力特性を切り替えることで、慣性力の影響が少なくして、安定したクラッチ動作を行うことができる電動工具を提供する。
【解決手段】
モータ3と、ハウジング2と、モータ3の駆動力を伝達又は遮断する機械式のクラッチ機構40と、クラッチ機構40の作動トルクを設定するダイヤル5と、クラッチ機構40の出力により回転されるチャック12を有する電動工具1において、ダイヤル5によって設定された作動トルクに応じてモータ3の出力トルクを変更するように構成した。このために、ハウジング2側にホール素子26を設け、ダイヤル5側に磁石27を固定し、磁石27とホール素子26が近接又は離間したことを検出してモータ3の駆動制御を変更するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の締め付けトルクを設定できる電動工具に関し、特に、クラッチ機構の締め付けトルク値に応じてモータの制御を変更する電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ネジ等を締め付けるための電動工具として、ドライバドリルが広く用いられている。ドライバドリルはモータの回転力を、減速機構とクラッチ機構を介して伝達し、チャック等の先端工具保持部を回転させる。クラッチ機構は、所定の締め付けトルクに達した際に動力の伝達を遮断させる。このようなドライバドリルは特許文献1に開示されており、クラッチ機構として、いわゆる機械式のクラッチが用いられている。これは遊星歯車減速機構のインターナルギヤの前端面に形成された複数の軸方向に延びるクラッチ爪にボールが係合し、これらの係合状態が解除されることによりクラッチとして作用する。このボールは、ギヤケースに対して回転不能及び軸方向に移動可能に設けられたクラッチプレートによりインターナルギヤ側に常時付勢される。クラッチプレートは、押圧部材との間に挟持されるコイルスプリングにより付勢される。押圧部材は回転式のダイヤルを回すことによって軸方向に移動可能であり、この移動によってコイルスプリングの圧縮量が調整され、ボールへの付勢力を変化させることによってクラッチが動作する際の締め付けトルクの大きさを設定する。一方、ドライバドリルにおいては、コイルスプリングの圧縮量を最大量にしてクラッチ爪とボールの係合状態が解除できないようにしてクラッチ機構の動作を制限するドリルモードを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−205569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された電動工具においては、モータとして直流モータを使用しており、クラッチ機構の設定トルクを変更した場合や、クラッチモードからドリルモードに変更した場合であってもモータの駆動制御を変えることがなく、モータの出力は一定であった。近年、先端工具をモータによって回転駆動して所要の作業を行う電動工具において、ブラシレスモータが使われるようになってきた。ブラシレスモータは、例えばブラシ(整流用刷子)の無いDC(直流)モータであり、コイルをステータ側に、マグネットをロータ側に用い、インバータで駆動された電力を所定のコイルへ順次通電することによりロータを回転させる。ブラシレスモータでは、ステータに巻かれたコイルへの通電をオン・オフさせるためのFET(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子を回路基板上に配置し、これらの制御を行うためにマイクロプロセッサを有する制御装置を設ける。
【0005】
制御装置を用いることによりモータのきめ細かな回転制御が可能となるが、発明者らの実験により、この回転制御を用いることにより従来の電動工具をさらに改良できることが判明した。例えば、ドリルモードの場合は素早い回転が必要なためにモータの回転速度を早く設定したいが、この目的にあわせて回転速度を早くしすぎると、クラッチモード時のネジ着座時に、モータや減速機構、先端工具保持部の慣性力によりクラッチ設定トルクより大きなトルクが瞬時に発生してしまう恐れがある。その結果、クラッチ動作時のリングギヤ回転数が速くなってクラッチ機構の摩耗が進みやすく、またクラッチ動作時の衝撃音が大きくなってしまう。
【0006】
クラッチモード時の動作を安定させるためにはモータの回転速度を遅くする必要があるが、ドリルモードでの穴あけ作業ではモータの回転数が速いほうが作業効率が良いため、ドリルモードの際の締め付け速度に不満が出てしまう。特許文献1のドライバドリルでは、減速機構に回転数切り替え用のスイッチが設けられるが、操作が煩わしい上に、この切り替えだけでは上述の矛盾する課題を十分満足できない。
【0007】
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は特別な操作をすることなくクラッチモード時とドリルモード時のモータの出力特性を切り替えることで、安定したクラッチトルクの調整を可能にした電動工具を実現することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、クラッチモードにおける設定トルクに応じてモータの出力特性を切り替えることにより、慣性力の影響が少なく、安定して作業ができるようにした電動工具を実現することにある。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、機械的な部品を用いることなくクラッチ機構を実現して、安価で軽量な構造の電動工具を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。
【0011】
本発明の一つ特徴によれば、モータと、モータを収容するハウジングと、モータの駆動力を伝達又は遮断する機械式のクラッチ機構と、クラッチ機構の作動トルクを設定する設定手段と、クラッチ機構の出力により回転される先端工具保持部を有する電動工具において、設定手段によって設定された作動トルクに応じてモータの回転数を変更するように構成した。電動工具は、クラッチ機構によってモータの駆動力を遮断する複数の作動トルクを有するクラッチモードと、クラッチ機構の動作を制限して駆動力を連続的に伝達するドリルモードを有し、モータの制御装置はクラッチモードとドリルモードの切り替えを検出して、モータの回転数を変更する。ドリルモードにおけるモータの回転数は、クラッチモードにおけるモータの回転数よりも高くなるように設定する。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、設定手段はハウジングにより回転可能に設けられるダイヤルであり、先端工具保持部はダイヤルより前方に突出するように設けられる。ダイヤルには誘導手段が設けられ、誘導手段と対応する位置のハウジングには受動手段を設けるようにした。例えば、誘導手段は磁石であり、受動手段はハウジングに収容されるホール素子である。ハウジングには複数のホール素子が固定され、ダイヤルには複数の磁石が固定される。磁石とホール素子が近接又は離間したことを検出して、ダイヤルの設定位置を検出してモータの制御を変更する。モータの駆動制御は、例えば、モータへの供給電流の最大値を変更することによって行う。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、電動工具において、設定手段によって設定された作動トルクに応じてモータの回転数を変更するので、クラッチ動作時の慣性力の悪影響を少なくでき、作業条件に左右されない適正なクラッチ動作を実現できる。
【0014】
請求項2の発明によれば、電動工具は、クラッチ機構によってモータの駆動力を遮断する複数の作動トルクを有するクラッチモードと、クラッチ機構の動作を制限して駆動力を連続的に伝達するドリルモードの2つのモードを有するので、回転させる先端工具にあわせて適切なモードを設定することができる。また慣性力の影響が少ない安定したクラッチトルクの調整を可能にすると共に、ドリルモード時に効率良く作業を行うことができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、クラッチモードとドリルモードの切り替えを検出して、モータの回転数を変更するので、設定されたトルク以上の出力を制御することで無駄な消費を抑えることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、ドリルモードにおけるモータの回転数は、クラッチモードにおけるモータの回転数よりも高く設定したので、ドリルモード時に高速に穴開け又は締め付け作業を行うことができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、設定手段はハウジングにより回転可能に設けられるダイヤルであり、先端工具保持部はダイヤルより前方に突出するように設けられ、ダイヤルに誘導手段を設け、誘導手段と対応するハウジングの位置に受動手段を設けたので、特別な操作をすることなくクラッチモード時とドリルモード時の出力特性を切り替えることができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、誘導手段は磁石であり、受動手段はハウジングに収容されるホール素子であるので、簡単な構造でクラッチモードとドリルモードの切り替えを認識することができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、ハウジングには複数のホール素子が固定され、ダイヤルには複数の磁石が固定されるので、多段階ある操作部の設定位置を正確に検出することができ、きめ細かくモータ出力を切り替えることができる。
【0020】
請求項8の発明によれば、磁石とホール素子が近接又は離間したことを検出して、モータの駆動制御を変更するので、非接触状態でダイヤル位置を検出可能であり、がたつきや経年変化による摩耗等を防止でき、寿命が長く安定して動作できる電動工具を実現できる。
【0021】
請求項9の発明によれば、モータの駆動制御は、モータへの供給電流の最大値を変更するので、設定されたトルク以上の出力を制御することで、無駄な消費電力を抑えることができる。
【0022】
請求項10の発明によれば、電動工具において、設定手段に固定される誘導手段とハウジングに収容される受動手段を設けたので、簡単な構造で設定手段による設定の切り替えを認識することができる。
【0023】
請求項11の発明によれば、誘導手段は磁石であり、受動手段はハウジングに収容されるホール素子であり、ハウジングには複数のホール素子が固定されるので、簡単な構造で設定手段による複数レベルの設定状態を認識することができる。
【0024】
請求項12の発明によれば、設定手段には複数の磁石が固定されるので、複数個のホールICにより操作部の設定位置を精密に検出することができる。
【0025】
請求項13の発明によれば、磁石とホール素子が近接又は離間したことを検出して、モータの駆動制御を変更するので、非接触状態で設定手段の位置を検出可能であり、がたつきや経年変化による摩耗等を防止でき、寿命が長く安定して動作できる電動工具を実現できる。
【0026】
請求項14の発明によれば、ハウジングに回転可能に設けられるダイヤルによってモータの制御を変更可能としたので、使い勝手が良く作業性に優れた電動工具を実現できる。
【0027】
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例に係るドライバドリル1の全体構造を示す断面図である。
【図2】図1のクラッチ機構部40の拡大断面図である。
【図3】図2のA−A部の断面図である。
【図4】図1のダイヤル5をB方向(上側)から見た部分上面図である。
【図5】ダイヤル5の設定位置とホールIC27の出力の関係を示す図である。
【図6】クラッチモード/ドリルモードとモータの出力モードとの関係を示す図である。
【図7】モータ3の出力特性を示す図である。
【図8】モータ3の出力特性を示す別の図である。
【図9】本発明の第2の実施例に係るクラッチトルクの調整部の拡大断面図である。
【図10】図9のC−C部の断面図である。
【図11】図9のD−D部の断面図である。
【図12】第2の実施例に係る電動工具の磁石とホールICの位置関係を示す図である。
【図13】第2の実施例に係る電動工具のダイヤル75の設定位置と各ホールIC65の出力とモータ3の出力モードとの関係を示す図である。
【図14】第2の実施例に係る電動工具のモータ3の出力特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明において、上下前後の方向は、図1に示す方向として説明する。
【0030】
図1は本発明の実施例に係る電動工具であるドライバドリル1の全体構造を示す断面図である。図1に示すように、ドライバドリル1には、ハウジング2の胴体部2a内にブラシレス直流方式のモータ3が収容され、モータ3の回転力を減速する減速機構部30とクラッチ機構部40等の動力伝達部を介してスピンドル(出力軸)16に装着されたチャック(先端工具保持部)12に着脱自在に保持されるドライバまたはドリル等の図示しない先端工具に回転力を与える。ハウジング2の胴体部2a内であってモータ3の後端側には、モータ3を駆動するためのインバータ回路基板6が設けられる。モータ3は、いわゆるインナーロータ型のブラシレスDCモータであり、回転軸3eにマグネット3bを有するロータ3aが取り付けられ、ハウジング2側にステータコイル3dを有するステータ3cが固定される。ステータコイル3dへの駆動電流の供給には、FET(Field effect transistor)等のスイッチング素子7を用いた公知のインバータ回路が用いられる。モータ3の前方側において、回転軸3eと同軸上に小型の冷却ファン17が設けられる。モータ3が回転することによって冷却ファン17も回転し、ハウジング2の後方に設けられる空気取入口10から外気が吸引され、外気はスイッチング素子7やモータ3の周囲を流れることによりこれらを冷却し、ハウジング2の側方に設けられる図示しない排出口から排出される。
【0031】
胴体部2a先端側に配置されるクラッチ機構部40は、減速機構部30の出力軸に得られる回転トルクをスピンドル16の負荷に応答してスピンドル16に伝達するか否かを制御する。これにより、予めトルク調整及びモード切り替え用のダイヤル5によって所望の締付けトルク(負荷トルク)に設定しておくと、クラッチ機構部40は、減速機構部30の出力軸の回転力が設定した締付けトルクに達したとき、その出力軸が空転してスピンドル16及びチャック12への回転伝達を遮断する機能を持つ。減速機構部30は、モータ3の回転軸3eのピニオンギアに噛合う、例えば、3段の遊星歯車減速機構(変速ギアケース)から構成される。減速機構部30は、変速比を切換えるためのシフトノブ15を有する。使用者の手動によるシフトノブ15の切換え操作により低速と高速の2段階で変速が可能となる。
【0032】
ハウジング2のバッテリ取付部2cには、モータ3の駆動電源となるバッテリ4が着脱可能に装着される。バッテリ4の上部には、モータ3のインバータ回路基板6を制御するための制御回路基板9が前後左右方向に延びるように設けられる。ハンドル部2bの上端部にはトリガスイッチ13が配設され、トリガスイッチ13のトリガ操作部13aがバネ力によって押された状態でハンドル部2bから前方に突出する。使用者はハンドル部2bを片手で把持し、人差し指等によってトリガ操作部13aを後方に引くことによって、トリガ押込量(操作量)を調整し、モータ3の回転数を制御することができる。モータ3の回転方向は、正逆切替レバー14を操作することによって切り替えることができる。
【0033】
バッテリ4は、トリガスイッチ13および制御回路基板9へ動作電源を供給するとともに、インバータ回路基板6へモータ3の駆動電力を供給する。バッテリ4を構成する二次電池は、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッカド電池等を用いることができる。
【0034】
ハウジング2の胴体部2aは、ハンドル部2b及びバッテリ取付部2cと共に合成樹脂材料の一体成型により製造され、モータ3の回転軸3eを通る鉛直面で左右に2分割されるように形成される。組立の際にはハウジング2の左側部材と右側部材を準備し、予め、図1の断面図で示すような一方のハウジング2(例えば左側のハウジング)に、モータ3、減速機構部30、クラッチ機構部40等の組込みを行い、しかる後、他方のハウジング2(例えば右側のハウジング)を重ねて、複数のネジ8で締め付ける方法が取られる。
【0035】
図2は、図1のクラッチ機構部40の拡大断面図である。クラッチ機構は、クラッチ爪たるピン42と、ピン42の先端を案内するものであって円周方向に複数の軸方向貫通穴が形成されたギヤケース41を含んで構成される。第3段目の遊星歯車減速機構を構成するリングギヤ37の前端面には軸方向に延びるクラッチ爪(図示せず)が設けられており、この凸状の爪は円周方向に均等間隔で6つ設けられ、それぞれの爪の凹部分にはピン42の略半球状の後端部が係合する。複数のピン42は、ギヤケース41に対して回転不能であって軸方向に移動可能に設けられたクラッチプレート43に固定される。クラッチプレート43の前方側はコイルスプリング44が配置され、コイルスプリング44の前方側は軸方向に移動可能な押圧部材45により保持される。押圧部材45はダイヤル5を回転することによって同期して回転するように構成される。押圧部材45の内壁側には、ギヤケース41の外周部に設けられたねじ部と螺合可能なねじ部が形成され、ダイヤル5を回転操作されることにより押圧部材45も回転し、押圧部材45はねじ部にそってコイルスプリング44の軸方向に移動する。ダイヤル5と押圧部材45は、回転方向に固定されており、軸方向に移動可能である。この押圧部材45の軸方向(前後方向)に移動することによりピン42の後方への付勢力の強さを調整することが可能となる。このようにダイヤル5を回転させることにより締付けトルク(負荷トルク)を調整できる。尚、図2ではスピンドル16の上側には、最前位置にある押圧部材45の断面図を示しており、スピンドル16の下側には、最後位置にある押圧部材45’の断面図を示しているが、これらは理解を助けるためにそのように上下で非対称に図示した。45がダイヤルを回す前であってコイルスプリング44が最も伸びた状態であり、45’がダイヤルを回した後でコイルスプリング44が圧縮された状態である。押圧部材45は、円周方向に連続したリング状の部材であるため、実際には上下で対称な形状となる。
【0036】
リングギヤ37の前端面に形成された爪とピン42の後端部の形状によって、スピンドル16に伝わる伝達トルクが増大した場合、爪の斜面がピン42を前方に押し出す作用をする。そして、コイルスプリング44の付勢力に抗してピン42を軸方向前方に移動させることにより爪とピン42の係合が解除され、リングギヤ37が回転することによりスピンドル16への回転伝達が解除される。この解除される際のトルクが、いわゆる締め付けトルクとなるが、締め付けトルクはコイルスプリング44の圧縮量を調節することにより調節可能である。ここで、先端工具としてドリルビットを取り付けて穿孔作業をするような場合は、大きな締め付けトルクをスピンドル16に伝達する必要があるが、押圧部材45をコイルスプリング44が十分圧縮されるまでダイヤル5を回動させ、図2の押圧部材45’の位置にセットしてピン42の軸方向の動きを抑止すれば良い。このように設定すると、リングギヤ37の爪がピン42を軸方向に移動しようとしても、コイルスプリング44をそれ以上圧縮できないためにクラッチプレート43の軸方向の移動が抑止され、ピン42が移動できず、結果的にリングギヤ37の回転が阻止される。
【0037】
本実施例では、押圧部材45を回転させることによって前後方向に移動させるためのダイヤル5の後端に磁石27が固定して設けられる。磁石27は円周方向の1箇所に設けたもので、磁石27はダイヤル5の回転と共にスピンドル16の中心軸を中心に回転する。さらに、磁石27が移動する経路と軸方向に対向する位置に、ホールIC26を設けた。ホールIC26は基板25上に搭載される。基板25はハウジング2の胴体部2aに固定され、ホールIC26の出力信号は信号線24を介して制御回路基板9に伝達される。尚、ダイヤル5、磁石27とホールIC26は所定の間隔を隔てて配置され、互いに非接触である。従って、ダイヤル5を回転させてもホールIC26には何ら機械的な力は作用しないので耐久性が良い。
【0038】
図3は、図2のA−A部の断面図である。本実施例に係るドライバドリル1のハウジング2は、モータ3の回転軸3eを通る鉛直な分割面にて左右に2分割できるように構成される。ギヤケース41には、円周方向に均等間隔で6の軸方向貫通穴が形成され、その貫通穴を介してピン42が軸方向に貫通する。スピンドル16は、回転方向へのロック機能を有する回転ロック機構18を介して回転可能に保持される。A−A部の断面位置においては、ハウジング2の胴体部2aの内側にダイヤル5の後端部が入り込むように構成される。ダイヤル5の後端付近の外周側には複数の溝5a、5b、5c、5d...が形成され、ギヤケース41には溝5a等と係合する凸部を有する板ばね28が設けられる。このように複数の溝5a等と板ばね28によってダイヤル5を回転させる際の段階的な固定を可能とするとともに、操作上のクリック感を実現している。ダイヤル5の円環状の後端面の一部には磁石27が設けられる。磁石27は、ドリルモード時に板ばね28と対向する溝5aと、クラッチモード時の最大締め付けトルク位置となる溝5bとの間の中間付近に1つだけ設けられる。
【0039】
図4は、図1のクラッチ動作の調整用のダイヤル5を上から見た(図2のB方向から見た)部分上面図である。ハウジング2の胴体部2aの一部には三角マーク29が設けられる。三角マーク29に対向するダイヤル5の円周方向には、ドリルマーク51、クラッチ設定値を示す目盛り数値52が表示され、目盛り数値52によってクラッチ機構の動作するトルクの大きさを容易に認識することができる。目盛り数値52は、例えば1、3、5..19までが奇数数値で表示され、19の後には22が表示される。また、各数値表示の数値には、“・”マーク53が表示され、ダイヤル5を三角マーク29にあわせる際の指標を示している。ドリルマーク51は、ドリルビット等の先端工具を絵文字で表示したもので、三角マーク29をドリルマーク51にあわせた状態の際に、押圧部材45が最後位置になってコイルスプリング44を最大圧縮してピン42の軸方向の動きを抑止し、クラッチが動作しないようになる。目盛り数値52が“22”からドリルマーク51の間の位置は、この位置のまま使用してはいけない位置であるので、横線54が引かれてこの位置にダイヤル5をあわせないように使用者に注意を促している。
【0040】
図5はダイヤル5の設定位置とホールIC27の出力の関係を示す図である。横軸はダイヤル5を回転させて設定できる調整方向を示している。上述したようにダイヤル5の設定位置は、クラッチモードが1〜22の22段階有り、それにクラッチ機構部40が動作しないドリルモードがある。本実施例においては、クラッチモードとドリルモードでのモータ3の駆動制御を切り替えるようにした。そのため、モータ3の図示しない制御部は、ダイヤル5の設定がクラッチモードであるかドリルモードであるかを認識する必要がある。そこで、本実施例ではダイヤル5に設けられた磁石27が、ホールIC26に正対する際にホールIC26の出力信号55がロー状態からハイ状態に変化することを検出することによって、制御部はクラッチモードかドリルモードかを検出できるように構成した。即ち、ダイヤル5がクラッチモードの22からドリルモードに移行する間の位置でホールIC26と磁石27が正対するように、磁石27がダイヤル5に取り付けられる。そして、制御部はホールIC26の出力信号がローからハイに切り替わるエッジを検出することによりモードの切り替えを検出する。クラッチモードにある時は、ホールIC26の出力信号の立ち上がり56にてドリルモードへの切り替えを検出し、ドリルモードにある時は、ホールIC26の出力信号の立ち上がり57にてドリルモードへの切り替えを検出する。このようにクラッチモードとドリルモードを切り替えるダイヤル5に磁石27を装着し、ホールIC26によりクラッチモードとドリルモードの切り替えを検知することによりモータ3の出力を変更するので、特別な操作をすることなくクラッチモード時とドリルモード時のモータ3の出力特性を切り替えることが可能となる。また、ダイヤル5がクラッチモードからドリルモードに移行する間の位置でホールICが磁石と正対するので、ドリルモードにおいてホールIC26と磁石27が正対する際に比較して誤動作が少なくなる。即ち、ドリルモードに設定した際にホールIC26と磁石27が正対するように構成する場合には、振動によってドリルモードでの作業時に、ホールIC26の出力信号がハイとローを交互に繰り返してしまう恐れがある。しかしながら、本実施例による磁石27の配置では、モータ3が回転していない非稼働時にホールIC26と磁石27が正対するので誤動作の恐れがほとんど無い。
【0041】
図6はクラッチモード/ドリルモードと、モータ3の出力モードとの関係を示す図である。本実施例ではクラッチモードとドリルモードでは、モータ3の出力モード(回転制御モード)を変更するようにした。例えば、ダイヤル5の設定が1〜22の位置の場合は出力モードAで制御し、ダイヤル5の設定位置がドリルモード位置の場合は出力モードBで制御する。出力モードAと出力モードBをどのように設定するかは任意であるが、あらかじめ制御部に含まれる記憶装置にその制御手順を格納しておいてマイクロプロセッサ等により制御するようにすると良い。図7はその制御例を示すもので、本実施例ではブラシレス方式のモータ3の進角制御を変更し、出力モードAの際にはモータ進角制御0度とし、出力モードBの際にはモータ進角制御50度とする。進角制御を変えることにより出力モードBの場合は、より早い回転数でモータ3を回転させることができるので、ドリルモード時のチャック12の回転数を早くすることができ、迅速に穴開け作業等を行うことができる。一方、クラッチモードの際には、必要以上にモータ3の回転数が上昇しないので、ネジ着座時にクラッチ設定トルクより大きなトルクが瞬時に発生してしまう現象を効果的に防止できる。このようにクラッチモードとドリルモードによって、モータ3の進み角を制御することにより適切なモータ3の回転速度を設定でき、高効率で適切なモータ駆動を実現できる。
【0042】
尚、本実施例においてモータ3の出力モードを切り替えるにあたり進角制御を用いるように構成したが、この方法だけに限られずに別の制御方法を用いても良い。図8は本実施例の変形例に係るものであり、クラッチモードとドリルモードでは、モータ3の出力モード(回転制御モード)を変更する点では同じであるが、出力モードを切り替えの仕方が異なる。即ち、出力モードAと出力モードBでは、回転数の制限値Naを用いるか否かで制御を変えるようにしている。出力モードAにおいては、最大モータ回転数がNaとなるようモータの回転数制御を行うようにしたが、出力モードBにおいては回転数制御(制限)を行わない。この結果、出力モードBの場合は、より早い回転数でモータ3を回転させるのでドリルモード時の作業効率を向上させることができ、出力モードAの際には、必要以上にモータ3の回転数が上昇しないので、慣性力の影響が少ない安定したクラッチ動作が可能になる。
【実施例2】
【0043】
次に図9から図14を用いて本発明の第2の実施例を説明する。図9は本発明の第2の実施例に係るクラッチトルクの調整部の拡大断面図である。第2の実施例において第1の実施例と異なる点は、クラッチを機械式の機構で実現するのではなく、電子式のクラッチで実現したことにある。図9においてダイヤル75は、ハウジング2の胴体部2aの先端側に回転可能に保持されるが、内部には機械的なクラッチ構成要素、即ち、図2のピン42、クラッチプレート43、コイルスプリング44、押圧部材45に相当する部材を持たない。一方、ダイヤル75の後端付近には磁石67が設けられ、磁石67と対向するギヤケース71には扇状の基板65が設けられ、基板65には複数のホールIC66が設けられる。ホールIC66の出力は、信号線64を介して制御回路基板9(図1参照)に伝達される。尚、第2の実施例における電動工具においては、ダイヤル75を胴体部2aの前方側に設ける必然性はなく、他の任意の場所、例えば制御回路基板9近傍の制御パネル11(図1参照)付近に、操作ボタンと表示部を用いて設定できるように構成しても良い。しかしながら本実施例においては、従来の電動工具との操作性の統一性を重視したために外観形状が第1の実施例と同様の形状、同一の操作性となるように構成した。
【0044】
ギヤケース71は内周側にてスピンドル76を保持するベアリング74を保持する点で第1の実施例の構造と同じである。しかし、本実施例では図2の押圧部材45に相当する部材を持たないため、外周側にはねじ山が形成されない。また、図2のピン42に相当する部材が設けられないために軸方向に貫通する穴も形成されない。3段目の遊星歯車減速機構を構成するリングギヤ77、キャリヤ78の構成は第1の実施例の構造とほぼ同等であるが、リングギヤ77はクラッチ機構の構成部品とならないため、回転しないようにギヤケース71に固定される。
【0045】
図10は図9のC−C部の断面図である。C−C部の断面においては、ダイヤル75がハウジング2の胴体部2aの内周側で円周方向に所定角度(例えば約310度)回転可能である。本実施例ではギヤケース71の段差状の部分であって、下側に扇状の基板65が設けられ、そこに30度ずつ均等に離して3つのホールIC66(66a、66b、66c)が設けられる。尚、本実施例では非回転部分たるギヤケース71に基板65を設けるようにしたが、非回転部分であってダイヤル75に対面する位置であればその他の部分、例えばハウジング2の胴体部2a等に直接基板65を固定するようにしても良い。
【0046】
図11は図9のD−D部の断面図である。ダイヤル75の一部には溝部75a〜75cが形成され、そこに小型の磁石67a、67b、67cが取り付けられる。磁石67a、67b、67cは、電流の供給を受けることなく磁石としての性質を長期にわたって保持できる永久磁石で構成すると好ましく、フェライト磁石やネオジム磁石などを用いることができる。磁石67a、67b、67cは、例えば接着又は圧入等によりダイヤル75に取り付けることができる。磁石67a、67b、67cを取り付ける半径方向の位置及び円周方向の間隔は、ホールIC66a、66b、66cの取り付け位置及び間隔と同じにすれば、精度良く検出できるようになる。
【0047】
図12は、第2の実施例に係る電動工具の磁石67a〜67cとホールIC66a〜66cの位置関係を示す図である。本実施例においては、各磁石67a〜67cとホールIC66a〜66cの位置関係により、7段階のダイヤル75の位置を識別できる。図12の“位置1”では磁石67a〜67cとホールIC66a〜66cが対面しないので、ホールIC66a〜66cの出力はいずれもロー(LOW)になる。この位置からダイヤル75を回転角にして30度ほど回すと、“位置2”のような関係になり、磁石67aがホールIC66cと対面するために、ホールIC66cの出力がハイ(HIGH)になる。この際、ホールIC66a、66bの出力信号はロー(LOW)のままである。同様にして、ダイヤル75を回転させると“位置3”から“位置7”のような位置関係となる。この結果、3つの磁石と3つの永久磁石を用いて7つの制御モードを設定することが可能となる。尚、“位置1”と“位置7”は、いずれも磁石67a〜67cとホールIC66a〜66cが対面しないことで同じ関係にあるが、“位置1”に設定するには“位置2”を通過しないと設定できず、また、“位置7”に設定するには“位置6”を通過しないと設定できないことから、時系列的な動きを追跡することによってダイヤル75の位置が位置1”の状態にあるか“位置7”の状態にあるかを制御部が識別することが可能である。
【0048】
図13は、ダイヤル75の設定位置と各ホールIC65の出力とモータ3の出力モードの関係を示す図である。本図においては、ホールIC66a〜66cの出力を、ハイのときを“1”、ローの時を“0”と表現している。ダイヤル75の設定位置1〜7は、図12の“位置1”〜“位置7”に対応している。図示のようにホールIC66a〜66cの出力状態の組み合わせによって、モータ3の出力モードをAからGの7段階に設定して、ダイヤル75の設定位置に応じてモータ3の制御を変更するようにした。具体的には、モータへと印加するデューティの大きさを変化させるように制御した。この出力モードの一例を示すのが図14である。
【0049】
図14は、第2の実施例に係る電動工具のモータ3の出力特性を示す図である。横軸が電流I(単位A)であり、縦軸が出力トルクT(N・m)または回転数N(rpm)であり、点線が出力トルクTを、実線が回転数Nを示している。本実施例ではモータ3の出力軸のトルクが一定となるよう、モータ3の出力特性を変化させる。この設定は、例えば出力軸からのトルクToutを、
トルクTout=T×ギヤ比(n)+T(m,r,ω
により設定する。ここで、
T(m,r,ω)=モータ慣性力(m×r×ω
+減速部慣性力(m×r×ω
+出力軸部慣性力(m×r×ω
T:時間tのモータと減速部と出力軸部のトルク、
m:回転体の質量 r:回転半径 ω:角加速度
【0050】
出力モードGは、ダイヤル75の設定位置が7の時の制御であり、出力モードGにおいては、最大の出力トルクがTとなり一番大きい出力を取り出すことが可能である。出力モードGにおいては、モータの出力トルクがTに到達するとモータの回転数Nがほぼゼロとなるため、この時のスピンドル16の締め付けトルクが遮断トルクとなる。モータ3の回転が止まると、モータ3にいわゆるロック電流が流れるが、このロック電流が流れ続けるのを阻止するために、図示しないモータ3の制御部は、モータ3の回転制御用のホール素子(図示せず)の出力や、モータ3に流れる電流値を監視してモータ3の回転が停止したことを検出してモータ3への駆動電流の提供を停止させるようにしても良い。
【0051】
一方、出力モードAにおいては、最大の出力トルクがTとなって一番小さい出力となる。同様にしてモータの出力がTに到達するとモータの回転数Nがほぼゼロとなるため、この時にスピンドル16の締め付けトルクが電子クラッチによる遮断トルクとなる。尚、出力モードB〜Fは、出力モードAからGの間にあり、図では出力モードDだけを例示して出力モードB、C、E、Fの図示を省略している。このようにダイヤル75の設定位置に応じてモータ3の制御を変更することによりモータ出力を変更することができるので、慣性力の影響がより少なく、作業条件に左右されない適正なクラッチトルクを実現できる。また、設定されたトルク以上の出力を制御することで、無駄な消費を抑えることができると共に、機械的なクラッチ機構部を削除することで安価で軽量なクラッチ機能が実現できる。さらに、クラッチトルクを調整するダイヤル等の操作部は、クラッチトルク調整用のコイルスプリングを押圧する必要が無いため、操作力を低減でき使い勝手が向上する。
【0052】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、本実施例ではホールICと永久磁石により磁気的な誘導手段及び受動手段を用いてダイヤル5、75の設定位置を検出するようにしたが、磁気的な手段だけでなく、発光素子と光センサによる光学的な誘導手段及び受動手段で実現しても良い。この場合は、ハウジングやギヤケース等の非回転部分に発光素子と光センサを設け、ダイヤル側に反射板又は貫通穴のような誘導手段を設けるようにすればよい。さらにダイヤル側に突起等の誘導手段を設け、ハウジングやギヤケース等の非回転部分にプッシュスイッチ等の受動手段を設けて実現するようにしても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 ドライバドリル 2 ハウジング
2a (ハウジングの)胴体部 2b (ハウジングの)ハンドル部
2c (ハウジングの)バッテリ取付部
3 モータ 3a ロータ 3b マグネット 3c ステータ
3d ステータコイル 3e 回転軸 4 バッテリ
5 ダイヤル 5a〜5d 溝 6 インバータ回路基板
7 スイッチング素子 8 ネジ 9 制御回路基板
10 空気取入口 11 制御パネル 12 チャック
13 トリガスイッチ 13a トリガ操作部 14 正逆切替レバー
15 シフトノブ 16 スピンドル 17 冷却ファン
18 回転ロック機構 24 信号線 25 基板
26 ホールIC 27 磁石 28 板ばね 29 三角マーク
30 減速機構部 37 リングギヤ 38 キャリヤ
39 ロックリング 40 クラッチ機構部 41 ギヤケース
42 ピン 43 クラッチプレート 44 コイルスプリング
45 押圧部材 50 進角制御 51 ドリルマーク
52 目盛り数値 53 中間マーク 54 横線 55 出力信号
65 基板 66 ホールIC 67(67a〜67c) 磁石
64 信号線 71 ギヤケース 74 ベアリング
75 ダイヤル 75a〜75c 溝部 76 スピンドル
77 リングギヤ 78 キャリヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記モータの駆動力を伝達又は遮断する機械式のクラッチ機構と、
前記クラッチ機構の作動トルクを設定する設定手段と、
前記クラッチ機構の出力により回転される先端工具保持部を有する電動工具において、
前記設定手段によって設定された前記作動トルクに応じて前記モータの回転数を変更することを特徴とする電動工具。
【請求項2】
前記クラッチ機構によって前記モータの駆動力を遮断する複数の作動トルクを有するクラッチモードと、
前記クラッチ機構の動作を制限して前記駆動力を連続的に伝達するドリルモードを有することを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
前記クラッチモードと前記ドリルモードの切り替えを検出して、前記モータの回転数を変更することを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
前記ドリルモードにおける前記モータの回転数は、前記クラッチモードにおける前記モータの回転数よりも高くなるように設定することを特徴とする請求項3に記載の電動工具。
【請求項5】
前記設定手段は前記ハウジングにより回転可能に設けられるダイヤルであり、先端工具保持部は前記ダイヤルより前方に突出するように設けられ、
前記ダイヤルに誘導手段を設け、前記誘導手段と対応する前記ハウジングの位置に受動手段を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項6】
前記誘導手段は磁石であり、
前記受動手段は前記ハウジングに収容されるホール素子であることを特徴とする請求項5に記載の電動工具。
【請求項7】
前記ハウジングには複数のホール素子が固定され、前記ダイヤルには複数の磁石が固定されることを特徴とする請求項6に記載の電動工具。
【請求項8】
前記磁石と前記ホール素子が近接又は離間したことを検出して、前記モータの駆動制御を変更することを特徴とする請求項6又は7に記載の電動工具。
【請求項9】
前記モータの駆動制御は、前記モータへの供給電流の最大値を変更するものであることを特徴とする請求項6に記載の電動工具。
【請求項10】
モータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に設けられる設定手段と、
前記設定手段より前方の突出する先端工具保持部と、
前記設定手段に固定される誘導手段と、前記ハウジングに収容される受動手段とを有することを特徴とする電動工具。
【請求項11】
前記誘導手段は磁石であり、
前記受動手段は前記ハウジングに収容されるホール素子であり、前記ハウジングには複数のホール素子が固定されることを特徴とする請求項10に記載の電動工具。
【請求項12】
前記設定手段には複数の磁石が固定されることを特徴とする請求項11に記載の電動工具。
【請求項13】
前記磁石と前記ホール素子が近接又は離間したことを検出して、前記モータの駆動制御を変更することを特徴とする請求項11又は12に記載の電動工具。
【請求項14】
モータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に設けられるダイヤルと、
前記モータの回転により回転される先端工具保持部と、を有する電動工具であって、
前記ダイヤルによって、前記モータの制御を変更可能としたことを特徴とする電動工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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