説明

電動式化粧用具

【課題】化粧料を顔面等に均等に付けることができ、また、顔面等への付きも良く、しかも、優れたマッサージ効果を有する電動式化粧用具を提供する。
【解決手段】柄部1と、この柄部1に固定され化粧用具3を保持する保持部2とを備えている。そして、上記柄部1および保持部2の少なくとも一方に電動式振動手段4を設け、この電動式振動手段4により上記保持部2を振動させるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パフ,コットン等の化粧用具を振動させながら使用することができる電動式化粧用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファンデーション等の各種化粧料を顔面等に塗布する場合に、パフ等がよく用いられているが、パフ等を直接に手指に持って塗布しているため、パフ等に付着した化粧料で手指が汚れるという問題がある。そこで、図8に示すように、細板状の柄31の先端に円形のクリップ32を一体に設け、このクリップ32に、円形のパフ33の背面に取り付けた帯状の添布34を着脱自在に挟着するようにしたパッティング用具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなパッティング用具では、柄31を手指で把持し、パフ33に付着させた化粧料を顔面等に塗布しているため、手指が汚れることがない。しかも、パッティングすることで、マッサージ効果もある。
【特許文献1】特開平10−323220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のパッティング用具では、柄31を手指で把持し、この柄31の先端のクリップ32に取り付けたパフ33で化粧料を顔面等に塗布しているうえ、板材からなるクリップ32がパフ33の背面にあるため、パフ33を顔面等の起伏等に沿わせて移動させることが難しく、化粧料を顔面等に均等に付けることができず、また、顔面等への付きも悪い。しかも、パッティングするだけでは、顔面等に適度の刺激を与えて血行を良くする等のマッサージ効果に劣る。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、化粧料を顔面等に均等に付けることができ、また、顔面等への付きも良く、しかも、優れたマッサージ効果を有する電動式化粧用具の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の電動式化粧用具は、柄部と、この柄部に固定され化粧用具を保持する保持部とを備え、上記柄部および保持部の少なくとも一方に電動式振動手段を設け、この電動式振動手段により上記保持部を振動させるように構成したという構成をとる。
【発明の効果】
【0006】
すなわち、本発明の電動式化粧用具は、柄部、およびこの柄部に固定され化粧用具を保持する保持部の少なくとも一方に電動式振動手段を設け、この電動式振動手段により上記保持部を振動させるようにしている。このように、本発明の電動式化粧用具では、上記電動式振動手段を作動させて保持部を振動させ、これに伴って、保持部に保持する化粧用具を振動させることができるため、使用時には、柄部を手指で把持しながら、振動する化粧用具で化粧料を顔面等に塗布等することができ、顔面等の起伏等に対応して化粧料を顔面等に均等に、満遍なく塗布等することができるうえ、顔面等への付きも良い。しかも、振動する化粧用具で顔面等に適度の強さ,時間で刺激を与えることができるため、血行を良くする等のマッサージ効果に優れる。なお、本発明において、「電動式振動手段」としては、各種の振動モータ(例えば、電動モータと、この電動モータの回転軸に取り付けたアンバランスウエイトとを備えた振動モータ)等、振動を発生させることができる各種の電動式振動手段が用いられる。また、「化粧用具」としては、パフ,コットン,爪やすり,フレンジングシート等のメイク落とし具,ヘアーブラシ,フェイスブラシ等、各種の化粧用具があげられる。
【0007】
また、上記電動式振動手段が、電動モータと、この電動モータの回転軸に取り付けたアンバランスウエイトとを備えた振動モータであると、構造が簡単であり、小形で安価なものを容易に入手することができ、便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0009】
図1および図2は本発明の電動式化粧用具の一実施の形態を示している。この実施の形態では、電動式化粧用具として、電動式パフが用いられている。これらの図において、1は柄部であり、2は化粧用具(この実施の形態では、パフ)3を保持する保持部であり、上記柄部1に電動式振動手段4(図3参照)を介して連結,固定されている。
【0010】
上記柄部1には、図3に示すように、その本体ケース11の内部に、アルカリ乾電池12を保持する乾電池保持部13が形成されているとともに、上記本体ケース11には、アルカリ乾電池12を出し入れするための開口部14が形成されており、この開口部14が蓋部15で開閉自在に蓋されている。また、上記本体ケース11にはオン・オフ用ボタン16が取り付られており、本体ケース11の内部に設けたスイッチ17をオン・オフする作用をする。図3において、18は上記本体ケース11の外周面に取り付けられたOリングで、19は上記本体ケース11の内部に固定された錘で、この錘19で柄部1を重くすることで、上記電動式振動手段4により発生する振動で上記本体ケース11が振動するのを抑える作用をする。20a〜20cは配線(図3では、配線20a,20bは本体ケース11外を通っているように図示されているが、実際は本体ケース11内に配設されている)である。
【0011】
上記保持部2は、図4および図5に示すように、筒状に形成された連結部21と、円形平板状に形成された取付部22とからなっており、一端部(図では、上端部)が上記取付部22の裏面に一体的に連結されている。また、上記連結部21の他端部(図では、下端部)の内周面には、その他端開口部から内側に延びる円筒形状の段部21aが形成されており、この段部21aが、後述する電動式振動手段4の筒状体27に抜け止め状に外嵌しており(図3参照)、これにより、上記連結部21の他端部が上記筒状体27に抜け止め状に連結,固定されている。
【0012】
5は装着具であり、上記化粧用具3と、この化粧用具3の裏面外周部に取り付けた弾性筒状具24とからなり、上記化粧用具3が上記取付部22の表面に配設された状態で、弾性筒状具24がその弾性を利用して取付部22の周側面および裏面に巻回状に保持されている。
【0013】
上記電動式振動手段4は、図3に示すように、電動モータ25と、この電動モータ25の回転軸25aに取り付けられたアンバランスウエイト26(図6参照)と、それ自体の内周面を上記電動モータ25の外周面に外嵌状に当接させた状態で上記電動モータ25を収容,保持する筒状体27とからなっており、この筒状体27の一端部(図面では、下端部)が、上記柄部1の本体ケース11の上端開口部内周面に形成された環状鍔部11aに抜け止め状に固定されている。また、上記筒状体27の他側部が、上記したように、上記保持部2の連結部21の段部21aに抜け止め状に固定されている。なお、この実施の形態では、上記柄部1と保持部2との間に所定の隙間を設けているが、この隙間に防振用弾性部材(図示せず)を配設するようにしてもよい。図3において、28は上記本体ケース11の外周面に取り付けられたOリングである。
【0014】
上記の構成において、使用時には、上記柄部1を把持し、オン・オフ用ボタン16を押してスイッチ17をオン作動させる。これにより、電動モータ25が作動し、この電動モータ25の回転軸25aが回転するとともに、この回転軸25aに取り付けられたアンバランスウエイト26も回転し、その遠心力により振動が発生し、この振動が筒状体27を介して上記保持部2の連結部21,取付部22に伝達され、この取付部22に取り付けられた化粧用具3を振動させる(図3の矢印参照)。そして、この振動する化粧用具3を顔面等に当接させながら、この化粧用具3に付着させたファンデーション等の各種化粧料を顔面等に塗布することを行う。
【0015】
上記のように、この実施の形態では、使用時には、柄部1を手指で把持しながら、振動する化粧用具3で化粧料を顔面等に塗布等することができ、顔面等の起伏等に対応して化粧料を顔面等に均等に、満遍なく塗布等することができるうえ、顔面等への付きも良い。しかも、振動する化粧用具3で顔面等に適度の強さ,時間で刺激を与えることができるため、血行を良くする等のマッサージ効果に優れる。
【0016】
図7は本発明の電動式化粧用具の他の実施の形態を示している。この実施の形態では、電動式化粧用具として、電動式コットンが用いられており、また、装着具5として、化粧用具3(この実施の形態では、コットンを用いている)を筒状に形成し、その一端開口部5aを閉塞したものが用いられている。そして、装着時には、上記保持部2の取付部22に装着具5をその他端開口部(図示せず)から被せたのち、この他端開口部を紐,輪ゴム等(図示せず)で縛って固定することを行う。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。この実施の形態でも、上記実施の形態と同様の作用・効果を奏する。しかも、化粧用具3としてコットンを用いているため、化粧水,美容液,乳液等を肌に染み込ませやすくなる。
【0017】
なお、上記両実施の形態では、柄部1と保持部2とを電動式振動手段4を介して連結,固定しているが、これに限定するものではなく、上記電動式振動手段4を柄部1,保持部2の一方にだけ設けるようにしてもよい。例えば、上記柄部1に電動式振動手段4を設けるとともに、この電動式振動手段4から延びる振動伝達棒等の振動伝達手段を上記保持部2もしくは化粧用具3に連結し、上記保持部2を振動させたり、上記化粧用具3を直接振動させたりしてもよい。また、上記保持部2の取付部22に電動式振動手段4を設け、取付部22を振動させたり、上記取付部22に設けた電動式振動手段4を化粧用具3に直接当接させて化粧用具3を直接振動させたりしてもよい。
【0018】
また、上記両実施の形態では、上記柄部1と保持部2とを抜け止め状に連結,固定し、この保持部2の連結部21に取付部22を一体的に固定しているが、上記柄部1に保持部2を着脱自在に連結,固定し、もしくは上記保持部2の連結部21と取付部22とを別体に作製して着脱自在に連結,固定してもよい。この場合には、上記取付部22の表面に装着具5(化粧用具3のみで構成されていてもよい)を接着等により一体的に固定することができる。
【0019】
また、図1〜図6に示す実施の形態において、装着具5を化粧用具3のみで構成し、保持部2の取付部22の裏面にクリップ等を設け、上記化粧用具3の裏面の帯状の添布(図8参照)を上記クリップ等に着脱自在に固定することにより、上記取付部22に化粧用具3を装着するようにしてもよい。また、図7に示す実施の形態においても、同様に、装着具5を化粧用具3のみで構成し、この化粧用具3を上記取付部22に紐,輪ゴム等(図示せず)で着脱自在に固定するようにしてもよい。
【0020】
また、図1〜図6に示す実施の形態において、上記保持部2の連結部21に、スポンジ等からなる化粧用具3を直接固定してもよい。この場合には、上記連結部21が保持部2を兼用している。また、図7に示す実施の形態においても、同様に、上記保持部2の連結部21に、コットン等からなる化粧用具3を直接固定してもよい。この場合にも、上記連結部21が保持部2を兼用している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の電動式化粧用具の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】上記電動式化粧用具の要部を示す斜視図である。
【図3】上記電動式化粧用具の要部を示す断面図である。
【図4】柄部および保持部を示す斜視図である。
【図5】上記柄部および保持部の要部を示す斜視図である。
【図6】アンバランスウエイトの説明図である。
【図7】本発明の電動式化粧用具の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図8】従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
1 柄部
2 保持部
3 化粧用具
4 電動式振動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄部と、この柄部に固定され化粧用具を保持する保持部とを備え、上記柄部および保持部の少なくとも一方に電動式振動手段を設け、この電動式振動手段により上記保持部を振動させるように構成したことを特徴とする電動式化粧用具。
【請求項2】
上記電動式振動手段が、電動モータと、この電動モータの回転軸に取り付けたアンバランスウエイトとを備えた振動モータである請求項1記載の電動式化粧用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−238998(P2006−238998A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−55934(P2005−55934)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)