説明

電動歯ブラシ及び電動歯ブラシ用のブラシヘッド

剛毛支持体に対して好ましくは垂直に配置された主軸を有する剛毛場を備える剛毛支持体と、突き出し軸線に沿った往復する突出し動作のための駆動及び/又は伝動手段と、ブラシヘッドを歯ブラシハンドピースに連結するための連結手段と、を備え、ブラシヘッドの長手軸線は、連結状態において、歯ブラシの長手軸線におおよそ平行に延びる、ブラシヘッド。剛毛場を有する剛毛支持体は、ブラシヘッドの長手軸線又は歯ブラシの長手軸線に対して傾いて配列され、これにより、剛毛場の主軸は、歯ブラシ及び/又はブラシヘッドの長手軸線への垂線に対して鋭角をなして傾斜するのに対し、剛毛場の作用面は、反対方向に傾き、これにより、前記作用面の上に位置する平面は、前記剛毛場の主軸への垂線に対して鋭角をなして傾斜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動歯ブラシ及びその電動歯ブラシ用のブラシヘッドに関し、そのブラシヘッドは、剛毛場を支持する好ましくはプレート形状の剛毛支持体を有し、剛毛場は、剛毛支持体に対して好ましくは垂直に延びる剛毛場の主軸を有し、前記剛毛場は複数の剛毛を含み、剛毛はそれらの自由端部で、清浄化される歯の上に置かれる平坦な又は凹状の作用面を画定し、ブラシヘッドは、突き出し軸線に沿った往復する突き出し動作を、また所望により、回転軸線を中心とした振動的な回転動作を用いて剛毛支持体を駆動するための駆動及び/又は伝動手段を更に備え、かつ、剛毛支持体を歯ブラシハンドピースに連結するための連結手段を備え、ブラシヘッドの長手軸線は、連結状態において、歯ブラシハンドピースの長手軸線に対して実質的に平行に延び、剛毛場の主軸を有する剛毛場は、ブラシヘッドの長手軸線に対して傾いて配列されており、これにより、剛毛場の主軸は、ブラシヘッドの長手軸線への垂線に対して、鋭角の傾斜をなして傾斜している。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシハンドピースの上記の長手軸線は、ハンドピースのグリップ区間を貫く中心の長手軸線を意味するが、これは、そのようなグリップ区間が歯ブラシの把持の方式を規定するからである。
【0003】
電動歯ブラシは通常、剛毛支持体を有し、剛毛支持体は、振動的な回転動作で駆動されるように適合され、かつ剛毛場をその上に載置されるものであるが、剛毛支持体の主軸は、歯ブラシハンドピースによって規定される歯ブラシの長手軸線に対して、おおよそ直角をなして延びる。使用中、ブラシヘッドの中央における、回転軸線を中心とする回転の結果、清浄化される歯それぞれの周りで、ブラシヘッドが自動的に調心されることになる。歯ブラシの長手方向に回転軸線から最も遠い剛毛タフトは、2本の歯の間の凹み、つまり歯間腔において前後に移動するが、一方で、剛毛場の中央にある回転軸線は、対応する歯面にて中心に向けられる。そのような調心効果は、特に、剛毛場の円周の剛毛の高さがより高いものである場合、あるいは、剛毛場がその中央に凹部を有する場合に生じる。そのような歯ブラシが、例えば欧州特許第0835081 B1号にて開示されている。
【0004】
特に歯間腔の洗浄を改善するために、また歯垢をより良好に除去するために、この状況において、剛毛場を、振動的な回転動作だけでなく、剛毛場の主軸に対して実質的に平行な、往復する突き出し動作においても駆動させることが知られている。そのような突き出し動作が、振動的な回転動作に加えて生じる場合、剛毛の先端が空間内を3次元すべてに移動するため、立体的に又は多次元的に駆動可能な剛毛場を意味する3D歯ブラシという用語が慣習的に用いられる。剛毛場のそのような組み合わされた立体的運動は、上述の自己調心効果を有し、洗浄能力に関してより効果的であることが判明している。
【0005】
しかしながら、剛毛場の主軸の方向におけるそのような突き出し動作は、実質的に、歯茎に対して直角をなす突き刺し動作の形態で実施されるため、この突き出し動作は、歯面及び歯茎に作用する比較的大きな力を発生させる傾向があり、これは時には不快に感じられるものである。この点に関し、不快な清浄の感覚を発生させないために、突き出し動作の振幅を制限し、事実上、振幅を非常に小さくすることが提案されてきた。しかしながら、これもまた、歯間腔への侵入の深さが依然として比較的限られるため、ブラッシングの効率を減じることになる。
【0006】
剛毛場の主軸に対して実質的に平行な突き出し動作を用いるそのようなブラシヘッドに代わるものとして、ブラシヘッド内の偏心駆動装置と傾斜したブラシヘッドとを有し、それによってブラシヘッドを、更には剛毛を、軌道、つまり楕円上に移動させる歯ブラシが提案されてきた。回転運動においてヘッドが振動する中心となる回転軸線が、ブラシヘッドの中央に存在しないため、そのような歯ブラシは、前述した自己調心効果を享受することがない。低い接触圧力の存在下においても既に、歯ブラシはあらゆる方向に歯の周りで跳ね回り、定置することが困難となる。より高い接触圧力においては、洗浄能力さえも、その駆動の結果として急激に低下し、手動式の歯ブラシと同様に前後移動を用いてブラシヘッドを歯全体にわたって移動させることが必要となる。明らかに、剛毛場の中央において回転軸線を通じてブラシヘッドが歯に対して調心することは、不可能となる。
【0007】
他方で、回転軸線を中心とする振動的な回転動作と、この回転軸線の方向における付加的な突き出し動作を用いる、前述したタイプの歯ブラシ又はブラシヘッドには、より「優しい」清浄の感覚を生じさせるために、より薄い剛毛を使用することが提案されており、それらの剛毛はより容易に曲がるものであり、その結果、歯肉に対して垂直な突き出し動作は、不快感のより小さなものと認識される。しかしながら、これらの剛毛が、通常通り、曲げ状態で歯面全体に案内される場合、このようにして剛毛の直径を減少させることにより、剛毛の洗浄効率は劇的に低下する。この限りにおいて、こうして直径を低減する手法は、前述のジレンマの解決をもたらすものではないが、これによれば、一方では、十分な清浄力の存在下で十分に振幅の大きい突き出し動作を用いると、良好な清浄効果が生じるはずであり、他方で、清浄過程は歯肉に対して穏やかなものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第0835081 B1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の内容に引き続き、本発明の目的は、冒頭で述べた先行技術にそれぞれが従う、改善された電動歯ブラシ及びその電動歯ブラシ用の改善されたブラシヘッドを提供することであり、それらの電動歯ブラシ及びブラシヘッドは、先行技術の欠点を防ぐと共に有利な方式で更に発展させるものである。好ましくは、歯間腔の中へ深く達する効果的な歯科清浄作用と同時に、穏やかな清浄の感覚が、剛毛場の運動の自己調心効果を犠牲にすることなく達成されることになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、本発明によれば、請求項1に記載の電動歯ブラシ用のブラシヘッドによって、また請求項15に記載のそのようなブラシヘッドを有する電動歯ブラシによって達成される。本発明の好ましい各実施形態は、独立請求項の主題である。
【0011】
したがって、少なくとも突き出し軸線に沿った往復する突き出し動作において、また所望により、立体的に回転軸線を中心とした振動的な回転動作においても駆動可能である、剛毛場を有する剛毛支持体を、突き出し動作の間、剛毛タフトが歯又は歯肉に厳密に直角に当たることがないが、それでいて、振動又は回転軸線を中心とした回転/旋回動作がもたらされるとき、剛毛場の自己調心を実現し得るような特別な方式で配置することが提案される。本発明によれば、剛毛場を有する剛毛支持体は、ブラシヘッドの長手軸線に対して傾い配列されており、これにより、剛毛場の主軸は、歯ブラシ及び/又はブラシヘッドの長手軸線への垂線に対して鋭角をなして傾斜するのに対し、作用面は、剛毛場の傾きに対して反対方向に傾斜し、これにより、作用面の上に位置する平面は、前記剛毛場の主軸に垂直な平面に対して鋭角をなして傾いている。
【0012】
剛毛支持体を、立体的に駆動可能な剛毛支持体で、すなわち振動的な回転動作及び突き出し動作において従来より用いられているような、その「真っ直ぐな」向きから(ここで、剛毛場の主軸は歯ブラシの長手軸線に対して直角をなして延びる)、わずかに傾いた「歪んだ」向きへと傾けることにより、主軸を有する剛毛場は、したがって剛毛の多数は、清浄化される表面に対してわずかに傾斜して配置されるため、剛毛場の突き出し動作にもかかわらず、歯肉上でさえも心地よいブラッシングの感覚が達成可能となる。これにより、座屈柱の状態が概ね回避されるが、座屈柱の状態では、突き出し動作の反力は、厳密に長手方向に剛毛の中へと伝えられ、対応する角度で傾斜している表面上にのみ生じ得る。しかしながら、ユーザーは通常、歯ブラシを歯に対して直角に配置するため、このことが生じるのは比較的希である。前記座屈柱の状態を回避するために、突き出し軸線もまた、ブラシヘッドの長手軸線に対して傾ける、すなわちブラシヘッドの長手軸線への垂線に対して鋭角をなして傾斜させると有用である。特に、突き出し軸線は、ブラシヘッドの長手軸線への前記垂線に対して平行に延びてもよい。それでもなお、清浄化される歯に対して歯ブラシがぴったりとかつ滑らかに当接するようにする振動的な回転動作がもたらされる場合、望ましい自己調心効果が達成可能である。剛毛場の主軸の傾きに対して反対方向に剛毛場の作用面が傾斜していることは、剛毛場の主軸が傾いているにもかかわらず、ユーザーが、作用面を歯の上に正確に置き、また、作用面を歯面にぴったりとフィットさせて接触させるのに役立つ。
【0013】
前記剛毛場の主軸は基本的に、すべての剛毛又は剛毛タフトが同じ方向に延びる場合、剛毛又は剛毛タフトの長手軸線に平行に延びる。それにもかかわらず、剛毛又は剛毛タフトの一部が他の剛毛タフトに対して傾斜して配置されている場合でも、依然として剛毛場の主軸が存在する。そのような場合、剛毛場は傾いた剛毛タフトを含むが、剛毛場の主軸は、多数の剛毛タフトの長手軸線と平行である。例えば、内側剛毛タフトが互いに平行に延びる一方で、一部の外側剛毛タフトが互いに発散するように傾斜している場合でも、剛毛場の主軸は依然として、内側タフトの長手軸線に平行である。更に、剛毛場が、傾斜の異なる複数の剛毛タフトを含む場合でも、すべての剛毛からの角度の偏差が最小となり、それ自体の長手軸線を有するように規定され、したがって長手方向の延びの一種の平均軸線を表す剛毛場の主軸が依然として存在する。この平均軸線は、例えば、隣接するタフトの各対の軸線を、前記隣接するタフトの各々に対して同じ角度で傾斜する置換軸線で置換し、この置換軸線との置換工程を、最後の1つの置換軸線が得られるまで繰り返すことによって、決定されることができる。
【0014】
作用面の上に存在し、前記剛毛場の主軸に対して傾き及び傾斜を持つ上記の平面は、剛毛場が平坦な作用面を有する場合、この作用面に一致する。作用面がわずかに凹状をなす場合、作用面の上に存在する前記平面は、凹状の作用面の縁部を形成する外側剛毛タフトによって画定され、そのため、上記の平面は一種の被覆平面となる。それに加えて、あるいはそれに代わって、作用面の上に存在する前記平面は、歯ブラシの長手軸線に対して垂直かつ上記の剛毛場の主軸に対して垂直な方向に剛毛場を見るとき、作用面の平均の傾きを表すように決定されることができる。特に、作用面の上に存在する平面は、その最深点にある凹状の作用面に接する平面に一致してもよい。
【0015】
本発明の更なる態様において、剛毛場をその上に配置された剛毛支持体は、歯ブラシ又はブラシヘッドの長手軸線に対して傾き、剛毛支持体の表面に対して直角をなしかつ/又は多数の剛毛タフトに対して平行に延びる剛毛場の主軸が、歯ブラシ又はブラシヘッドの長手軸線に引いた垂線に対して、約2.5°〜25°、特に3°〜17°の角度をなして傾いている。2.5°超、好ましくは3°超の比較的小さな角度でも既に、剛毛場の突き出し動作の間に座屈柱をなし、結果として突き出し力が強くなるという、問題を含んだ性質を相当に緩和することができ、それによって心地よいブラッシングの感覚が伝えられる。他方で、剛毛支持体が、あまり険しく傾いていない場合、望ましい調心動作が結果として生じるが、この動作は、17°、場合によっては25°を超える傾きの角度で急激に減少し、それにより、歯ブラシの取り扱いが困難となる。
【0016】
特に、歯ブラシ又はブラシヘッドの長手軸線への垂線に対する剛毛場の主軸の前記傾斜角は、8°±3°に達することがあり、それにより、一方ではブラッシングの感覚を穏やかにし、他方では高度なブラッシング性能で取り扱いを容易にすることについて、特に良好な折衷が達成される。
【0017】
通常は欠点となり得る突き出し動作の副作用、すなわち剛毛場の周りでの跳ね回りを減じるために、作用面は、前述したように、剛毛支持体が傾く方向に対して反対方向に傾斜している。これにより、剛毛場の主軸がより顕著な傾斜をなして、より顕著な傾きを剛毛支持体に設けることが可能となり、これは、歯面との剛毛場の載置係合(seating engagement)に関して、反対方向における、剛毛場の作用面の傾斜位置によって補償される。剛毛支持体の表面に対して平行でない斜面を作用面に設けることにより、剛毛場の作用面は、主軸を有する剛毛場がより顕著な傾きを呈する場合でも、引き続き歯面に対してしっかりと当接される。
【0018】
この構成において、剛毛場の作用面の斜面は一般に変動してもよいが、「斜面」とは必ずしも傾斜面を意味するものではない。むしろ、湾曲した作用面、特に溝形状に湾曲した作用面が設けられてよく、その場合、斜面という用語は、種々の側部に向かって高さが異なる溝形状を意味すると理解されるか、あるいは、斜面は、正割若しくは正接、又は近似によって表面形状を反映又は特徴付ける他の表面傾斜を意味すると理解される。
【0019】
本発明の好ましい更なる態様において、作用面の傾斜角は、該当する場合、剛毛場の主軸への垂線に対する湾曲表面の傾斜をも上述の方式で画定するが、歯ブラシ又はブラシヘッドの長手軸線への垂線に対する前記剛毛場の主軸がなす傾斜角よりも小さいものである。剛毛場を固定された剛毛支持体が、歯ブラシ又はブラシヘッドの長手軸線への垂線に対して剛毛場の主軸が8°±3°の角度で傾斜するようなに傾いている場合、本発明の有利な実施形態において、剛毛場の作用面の斜面は、剛毛場の主軸への垂線に対して1.5°〜4.5°、特に約3.5°±1°の傾斜角を有してもよい。それにより、一方では、非常に穏やかなブラッシングの感覚が達成され、それと同時に、他方では、高度な清浄性能が達成される。
【0020】
本発明の更なる態様において、剛毛場の主軸への垂線に対して剛毛場の作用面がなす傾斜角は、歯ブラシの長手軸線への垂線に対して前記剛毛場の主軸がなす傾斜角の約25%〜65%、好ましくは約40%に相当する。
【0021】
剛毛支持体は、全体として種々の側部へと傾いていてもよい。例えば、剛毛支持体を歯ブラシハンドピースに向けて傾け、それにより、歯ブラシハンドピースから見て、剛毛を備える剛毛支持体の表面が見えるようにすることが、一般に可能である。
【0022】
しかしながら、本発明の好ましい実施形態において、剛毛支持体は、歯ブラシハンドピースから離れて傾き、これにより、歯ブラシハンドピースに近い側で、剛毛場の主軸と歯ブラシ又はブラシヘッドの長手軸線の一区間との間に、鈍角が得られる。換言すれば、歯ブラシの長手軸線の水平方向の向きを鑑みると、歯ブラシハンドピースに近い側の剛毛支持体の端部又はそこに配置された剛毛場の一部分は、歯ブラシハンドピースから遠い側の剛毛支持体の端部又はそこに配置された剛毛場の一部分よりも高い位置にある。
【0023】
剛毛支持体及び/又は剛毛場は一般に、様々な外側輪郭線を有してもよく、剛毛支持体は、具体的には丸形の形状をなす。しかしながら、本発明の特に有利な更なる態様において、剛毛支持体は円形ではなく、円形から逸脱する形状のものである。具体的には、剛毛支持体は、卵形又は楕円形の形状のものであってもよく、あるいは同様の方式でわずかに平坦になっていてもよい。それに代わって、あるいはそれに加えて、少なくとも剛毛タフトの外側の列、つまり外側リングは、卵形又は楕円形に、あるいは同様の方式で平坦化されたリングに配置されてもよい。
【0024】
剛毛支持体の頂部から見て、剛毛タフトは有利にも、剛毛支持体の主軸に対して対称に、かつ/又は回転対称に配列され、特に、剛毛タフト又はそれらの剛毛支持体上への取付け点が、180度にわたる回転により一方と他方とで係合可能となるようなになっている。
【0025】
それに代わって、あるいはそれに加えて、しかしながら、剛毛場は、側面図で見ると、特に歯ブラシの長手軸線を横切る方向に、非対称的な輪郭線を有し、特に、高さの輪郭が、一方の側部に向かっては、他方の側部に向かうよりも急激に上昇し、そのため、剛毛の自由端部によって画定される剛毛場の作用面が斜面を呈し、剛毛支持体の表面に対して平行には延びない。
【0026】
本発明の更なる態様において、剛毛場は、剛毛タフトの自由端部によって画定される作用面に中央凹部を有しており、この中央凹部は有利にも、ある方向には曲線状であり、それに垂直な方向には実質的に直線状である溝形状の底部を有してもよい。剛毛場の中間部分又はその作用面にある、そのような実質的に一軸的に曲線をなす凹部により、歯磨き剤又は類似のゲル型の歯科洗浄剤のより良好な保持だけでなく、とりわけ、より心地よく穏やかな清浄の感覚を伴う、より良好な歯の清浄効果を達成することが可能である。作用面の輪郭線は、対向する円周側部へと隆起し、左右の歯面に対してより良好に寄り添い、左右の歯面は、言うなれば、ぴったりとフィットして包み込まれ、そのため特に、歯面のうちの歯間腔に隣接する区間がより良好に清浄化される。
【0027】
平面的な凹部を中央に有する剛毛場とは異なり、最も内方の、すなわち中央のタフトが最初に曲がる必要はない。むしろ、それらの剛毛タフトは、曲がることなく歯の左右の歯面に対してぴったりとフィットして当接する。加えて、中央領域においてもタフトの高さが変化するが故に、個々のタフトは、ブラシが歯面全体にわたって掃引するとき、連続して押しのけられ、ブラシヘッドは、いわばブラシヘッドが凹部に落ち込むことなく、言うなれば次の歯の側面の周りで凹部の湾曲表面に沿って押されるため、特にブラシヘッドをある歯から次の歯へと移動させるとき、清浄の感覚がより穏やかとなる。歯面を抱え込むタフトは、回転軸線からの距離が増加するにつれてより大きく曲がるため、特に剛毛場の回転駆動を用いると、穏やかなぬぐい動作が更に生じる。
【0028】
剛毛場表面の凹状をなす中央部分の溝形状の湾曲は、一般に多様な方式で達成されることができる。例えば、タフトは一様な長さのものであり、対応して曲線をなす剛毛支持体を設けることもできる。しかしながら、本発明の更なる態様において、タフト、特に内在するタフトは、自由端部で前記溝形状の湾曲を画定するように、長さが変動するものである。特に、内在するタフトの長さは、剛毛支持体の中心点からの距離の増加に伴って、自由端部によって画定される作用面の湾曲の方向に増加することができ、中央凹部の前記溝形状の湾曲を画定するようになっている。更に突出する剛毛は、それらの長さがより長いがために、より容易に曲がることが可能であるため、そのようにタフトの長さが変動することにより、穏やかな清浄の感覚、及び歯全体にわたる剛毛場の穏やかな移動を達成することが可能となる。
【0029】
中央凹部の表面の最も連続的な湾曲を得るために、凹部の領域に前記作用面を画定する内側タフトの自由端部は、剛毛支持体に対して平行に延びる端部表面を有しておらず、剛毛支持体の表面に対して鋭角をなして傾斜した端部表面を有し、種々の内側タフトは、様々に傾斜した端部表面を有し、これにより、様々に傾斜した端部表面は、中央凹部の前記溝形状の輪郭線の経路を相補的に画定する。特に、タフトの自由端部の端部表面の傾斜は、剛毛支持体の中心からのタフトの距離が増加するにつれて、次第により顕著なものとなることができ、したがって、溝形状の底部の壁は、剛毛場の円周縁部の方向に次第に険しいものとなる。
【0030】
一般に、タフトは自由端部にて平面を形成してもよい。この場合、内側タフトは、タフト間で段が増加する斜面を有する、言うなれば角形構造の形態で、前記溝形状の湾曲を画定する。
【0031】
しかしながら、本発明の好ましい更なる態様において、内側タフトの自由端部は、その自由端部に、平面的ではなく円弧状に湾曲した端部表面を有することができ、これにより、隣接するタフトの相補的な自由端部は、前述の溝形状の凹部を形成する、連続的に湾曲する包絡面を画定する。個々のタフトの湾曲した端部表面は、有利にも一軸的に湾曲しており、すなわち、それら自体で既に溝形状に湾曲しており、ある方向には直線をなして広がり、それに垂直な方向には湾曲を有するようになっている。
【0032】
剛毛場の作用面の中央領域にある溝形状の湾曲底部は一般に、対称的な形状をなすものとされることができ、すなわち実質的に放物線状に延びることができる。この場合、内側タフトは、自由端部により、実質的に等しい比率で剛毛場の対向する円周側部へと隆起する。有利な更なる態様において、溝形状の湾曲はまた、例えば10〜14mmの半径が溝形状の湾曲の形状を規定する円筒シェルの一部であってもよい。
【0033】
本発明の更なる態様において、有利にも、中央凹部の湾曲の非対称経路が剛毛場の作用面に設けられてもよく、この場合、特にバナナ形状の溝の湾曲が設けられ得る。この構成において、剛毛場の作用面に中央凹部を画定するタフトは、対向する円周側部へと不均等に隆起し、そのため、溝形状の凹部の一方の上縁部は、対向する縁部よりも高いものとなる。このことはとりわけ、例えば、ユーザーが、厳密には接線方向にではなくわずかにV字形状をなす向きに、ブラシヘッドを歯面に対して配置する傾向を補正するために用いられ得る。
【0034】
有利にも、前記非対称的な勾配は、剛毛支持体又は剛毛場の主軸の傾きと反対の方向に、上記の方式で向けられる。
【0035】
更に大幅に改善された隣接間隙の清浄効果を達成するために、本発明の更なる態様において、外側の長い、つまり高いタフトは、少なくとも1つの面取り部を自由端部表面に有する。特に、端部表面の側方縁部は、面取りの様式で面取りされることができる。一方で、前記長い外側タフトは、歯間腔の中により良好に侵入することができる。他方で、円周上の外側に存在するタフトの面取り部が、言うなれば楔形の傾斜面の様式で、次の歯面へと剛毛場を持ち上げるため、ブラシヘッドは、ある歯から次の歯へと、より容易にかつより穏やかに移動することができる。
【0036】
この構成において、外側の長いタフトは、内側と外側の両方に向かって全体的に面取りされることができる。しかしながら、本発明の有利な実施形態において、それぞれのタフトの側部の一方に面取り部が1つのみ設けられ、そのため、十分に幅が広く面取りされていない端部表面が残り、その結果、歯間腔内でも歯面上でも等しく清浄効果が達成される。
【0037】
本発明の特に有利な更なる態様において、タフトの自由端部の外側縁部、すなわち内側タフトの反対に向いた縁部が面取りされる。その結果、ブラシヘッドは、ある歯から次の歯へと特に穏やかに押されることができる。
【0038】
有利にも、外側タフトの内側平面は、溝形状の凹部を形成する内側タフトに対して、垂直方向に段差が付いており、それにより、中央凹部から縁部の長い剛毛へと高さが急増している。これにより、一方では高度な自己調心効果を達成し、他方では特に効果的な歯間清浄効果を成就することが可能となる。
【0039】
それに代わって、あるいはそれに加えて、前記外側の長いタフトの端部表面の内側縁部もまた、面取りされることができる。結果として、剛毛場の作用面は、丸形の歯面に対して特にぴったりとフィットして当接する。内側の面取り部は、剛毛場の作用面の中央にある溝形状の湾曲凹部を、いわば延長したものである。
【0040】
タフトの用途及び形状に応じて、円周の長いタフト上の面取り部は、様々に表されることができる。円周のタフトの前記面取り部が、面取りされていない前記タフトの端部表面に対して約20°〜60°の角度をなして傾斜するとき、歯の間と歯の表面の双方における良好な清浄効果が達成され得る。一般に、面取り部の深さは様々に選択され得るものであり、前記面取り部が、端部のタフトの幅の約25%〜75%にわたって延びる場合、歯間腔への容易な侵入と、歯面での存続する清浄化能力と間の有利な折衷が達成される。この状況において、「幅」は、長手軸線に対して垂直にかつ面取り部の長手方向に対して横方向に、タフトの寸法を意味すると理解される。
【0041】
前記タフトが、少なくともその外側を外周側に向けた状態で、好ましくは約1.5°〜15°、好ましくは3°〜10°の角度で、剛毛支持体への垂線に対して鋭角をなして傾斜する場合、特に前記面取り部と組み合わせた、円周の長い外側タフトが特に効果的となる。結果として、タフトは、ブラシヘッドの往復動作の間に一方向において座屈に関する耐性を減じられ、したがって歯間腔への挿入が良好となる。
【0042】
本発明の有利な更なる態様において、前記長い外側タフトは、自由端部に向かって大きくなる横断面積、及び/又は剛毛支持体から前進するにつれて広がる側面を有する。特に、前記円周上の外側タフトは、縦断面図で見ると、台形の形状をなし得るものであり、これにより、タフトの自由端部は、剛毛支持体上における基部よりも幅広となる。一方で、そのような台形の形状は、タフトの自由端部にて、より大きな作用面をタフトに与える。他方で、扇形の広がりにより、タフト内の剛毛は、より容易に互いに対して移動することが可能となり、その結果、全体として、歯の輪郭線により良好に適合し、清浄性能が改善されることになる。特に、タフトの自由端部の側方面取り部を用いると、前記タフトは、好都合な幾何学的比率を、より接触性のよい縁部で獲得し、この縁部は、歯の境界輪郭線に対してより良好に寄り添う。
【0043】
外側の長いタフトの台形形状は、有利にも、剛毛支持体への垂線に対して非対称的である。特に、内側タフトに面する前記タフトの内側面は、剛毛支持体の表面に対して実質的に垂直に延びることができ、一方で、内側タフトの反対に面する各タフトの外側は、剛毛支持体への垂線に対して鋭角をなして、外側に向かって傾斜している。したがって、外側面はある角度をなして外向きに離れて起立し、一方で、内側面は真っ直ぐに起立しており、つまり、剛毛支持体表面に対して実質的に垂直に整列されている。
【0044】
細長い剛毛タフト上で、タフトの自由端部上の前述した面取り部は、有利にも、タフトの細長い端部表面の長手軸線に対して平行にかつ/又は接触して延びている。
【0045】
本発明の有利な更なる態様において、長い外側タフトが、対向する円周側部上の対向する円周上の扇形にて外周に設けられ、それにより、剛毛場の作用面内の中央凹部は、対向する長い円周上のタフトの間に延びる。この構成において、長い外側タフトは有利にも、剛毛場の円周全体に沿って設けられるのではなく、好ましくは扇形の角度当たり60°未満の角度の限られた角張った扇形にのみ設けられるのに対し、高い外側タフトは、介在する扇形内に円周方向に配置され、これらの扇形において、中央領域内の溝形状の湾曲凹部は、深さが最も深くなる。溝形状の中央凹部は、言うなれば、剛毛場全体を横切って延びている。溝形状の凹部が最も深くなる前記扇形において、外周のタフトは、溝形状の凹部の輪郭線の形状に適合されているか、あるいはその一部を形成している。
【0046】
ブラシヘッドは一般に、多様な方式で駆動されることができる。種々の駆動の運動学が、歯ブラシの形状及びその駆動装置に応じて実現され得る。本発明の有利な更なる態様において、駆動動作は、剛毛支持体を通じて延びる回転軸線を中心とする振動的な回転動作を含む。本発明の有利な実施形態において、前記回転軸線は、剛毛支持体の中心点又は重心点を通じて、剛毛支持体の平面に対して垂直に延びることができる。
【0047】
しかしながら、本発明の別の有利な実施形態によれば、回転軸線を偏心させて配置して、種々の大きさの動作成分が、剛毛場の種々の円周側に生成されるようにすることも可能である。本発明の有利な更なる態様において、この偏心は、長い外側タフトに適用され、つまり、回転軸線は、対向する外側の長いタフトを貫く連結線に平行に変位される。剛毛場の形状に応じて、偏心は様々に表現されることができ、回転軸線が55%対45%から70%対30%の長さ比で剛毛支持体の直径線を分割するとき、一方では種々の円周側における望ましくも種々の大きさの清浄動作と、他方では依然として許容される振動動作との間の良好な折衷が達成される。
【0048】
それに代わって、あるいはそれに加えて、剛毛支持体の回転軸線を、前記支持体によって画定される平面に対して鋭角をなして傾斜させることが可能であり、傾斜角は、剛毛支持体の平面に対して、好ましくは89°〜65°、特に88°〜82°の範囲にある。結果として、剛毛場の溝形状の湾曲表面の外形と共に、突き出し動作を回転動作に重ね合わせることが可能となる。好ましくは、回転軸線は、剛毛場が歯ブラシのハンドピースから離れて傾くように傾けられる。
【0049】
剛毛場の回転振動を鑑みると、本発明の有利な更なる態様において、平面図では細長く見える、円周上の外側の長いタフトの端部表面は、回転軸線を中心とする弧、特に回転軸線を中心とする円弧をなして延びる。
【0050】
本発明の更なる態様において、長い外側タフトの外側端部上の前述した面取り部はそれでもなお、直線をなして、好ましくはタフトの円弧状に湾曲した細長い端部表面に実質的に接して延びることができる。一方では、これによりタフトの生産が簡潔となる。他方では、この結果として、面取り部の幅が、また、それに伴って面取りされていない端部表面の幅が円周に沿って変動し、これにより、楔の表面の様式で、対応するタフトを連続的に歯間腔の中に挿入し、かつ歯間腔から引き出すことが可能となる。
【0051】
しかしながら、本発明の別の有利な実施形態によれば、面取り部が回転軸線の周りに弓形の曲線をなして等しく延び、特に、面取り部、及び/又はタフトの残りの面取りされていない端部表面が、円周方向に一定な輪郭線及び幅を有するようにすることも可能である。結果として、タフトは歯面に特に穏やかに接触し、また歯間腔への侵入が好ましいものとなる。
【0052】
外側の長いタフトは、剛毛場又は剛毛支持体の円周の約25%〜75%を占める距離にわたって、内側タフトを囲んでいる。
【0053】
自由端部によって前記中央凹部を作用面に画定する内側タフトは、事実上、連続的な溝形状の凹部が生じるように、実質的に連続的な表面を自由端部によって形成することができる。一方では、このようにして、歯面の表面全体にわたる抱え込みを達成し、したがって広範囲に及ぶ清浄効果を達成することが可能である。他方では、歯磨き剤又は歯の清浄剤の定置に有益な効果が得られ、それらは、剛毛場の作用面上により良好に保持され、タフトの間で剛毛支持体へと容易に流れることがない。
【0054】
本発明の別の有利な更なる態様において、前記内側タフトは、別々の端部表面を自由端部で形成することができ、その結果、除去されたクズの放出がより良好に達成可能となる。
【0055】
歯肉に対する突き出し動作を更に減じ、特に心地よいブラッシングの感覚を生じさせるために、剛毛場に設けられた剛毛は、有利にはその一部のみが、散開した端部を有してもよい。結果として、剛毛の先端は、ほつれた複数の薄い端部を有し、それらの端部は、歯面に寄り添うための大きな面積をもたらす。適切な清浄作用を達成するために、そのような散開式の剛毛が、非散開式の剛毛と混合される。
【0056】
本発明の更なる態様において、対応する剛毛、つまり散開式の剛毛は、通常の清浄の間に剛毛に作用する清浄力が自由端部での剛毛の分裂を生じるような、自己散開式のタイプであってもよい。これにより、歯ブラシの製造のために、複雑な分裂プロセス、及び対応する分裂機械を用意する必要がなくなる。
【0057】
側方に突出する長手リブを有する散開式の剛毛は、有利にも、非自己散開式の剛毛を有する対応するタフトに集められ、これにより、散開式の剛毛と非散開式の剛毛の混合体が、対応するタフトに存在する。これにより、歯垢の除去に関する高度な清浄性能と相まって、歯面の周りに剛毛を良好に寄り添わせ、清浄剤を良好に分布させ、清浄の感覚を心地よくすることができる。また、タフトにおいて、したがってブラシヘッドの剛毛支持体において、剛毛の高密度化を達成することができる。
【0058】
特に有利な様式において、側方の長手リブを有する散開式の剛毛と長手リブのない通常の剛毛との双方を備える混合タフトが、ブラシヘッドの剛毛場の内側領域に配置され、非散開式の剛毛を備えるタフトは、剛毛場の外縁部に設けられるが、この構成において、前記外側タフトは有利にも、内在するタフトよりも大きな長さ及び/又は高さ及び/又は直径を有することができ、これにより、特に歯間腔の効果的な清浄化が、非散開式の剛毛で作られた前記外側タフトで達成され得るようになっている。同時に、剛毛場の内側領域内の散開式の剛毛は、歯面の効果的な清浄化を確実にする。
【0059】
本発明の有利な更なる態様において、コア部分を含む剛毛本体は、好ましい割れの点を持たないものであり、すなわち、有利にも、横断面全体にわたって、均一な材料構造と微細構造を有している。
【0060】
自己散開式の構造は、一般に多様な方式で達成され得る。本発明の有利な更なる態様において、剛毛は特別な形状に形作られる。特に、剛毛本体は、好適な形状の長手リブが側方に突出し、次いで清浄力の作用を受けて剛毛端部にて分裂するように形作られることができる。
【0061】
そのような剛毛の本体は一般に、様々な数の長手リブを有してよい。本発明の有利な実施形態において、特に3つ又は4つの長手リブが設けられる。
【0062】
ブラシ本体の長手リブは一般に、種々の幾何学的形状を有することができる。本発明の特に有利な実施形態において、剛毛本体の横断面は事実上、クローバ葉形状をなし、かつ/又は、長手リブは、ピッチ円筒に対応する外側輪郭線を有する。
【0063】
しかしながら、それに代わって、長手リブは、他の外側輪郭線を有することができる。例えば、外側輪郭線は、三角形の横断面、四角形の横断面、菱形の横断面、又は六角形の横断面を有するピッチ円筒に相当することができる。
【0064】
有利にも、すべての長手リブは、均一な散開を達成するために、互いに同一の外側輪郭線を有する。
【0065】
長手リブを有する前記剛毛は、一般に、様々な混合比で非散開式の通常の剛毛に加えることができる。用途に応じて、より多数の散開式の剛毛又はより多数の非散開式の剛毛を使用することが可能である。混合タフトに対して、一方では側方に突出する長手リブを有する自己散開式の剛毛を50%±10%、他方では非散開式の通常の剛毛を50%±10%で使用することにより、一方では歯垢の除去に、他方では歯面の抱え込み及び清浄剤の分布に関する良好な折衷が、本発明の更なる態様において達成される。
【0066】
一般に、非散開式の剛毛は、様々な横断面形状を有することができる。有利には、それらは長手リブを持たないものであり、四角形又は六角形などの基本的な幾何学的な横断面形状を有するものである。非散開式の剛毛として設けられる剛毛は、具体的には、丸形、特に円形の横断面を有する剛毛である。
【0067】
横断面積の大きいタフトが、剛毛場の外縁部及び/又は中央領域に集中し、横断面積の小さいタフトが、縁部の前記大面積のタフト間及びタフトの中間リングの中央に設けられる剛毛場において、前記散開式の剛毛を使用すると特に有利である。具体的に言えば、外側リング上の細長いタフト内には、細長いタフトの横断面よりも小さな横断面を有する複数のタフトが中間リング上に配置され、中間リング上のこれらの小さなタフト内には、中間リング上のタフトの横断面よりも大きな横断面を有する少なくとも1つのタフトが設けられる。このようにタフトの横断面が内側から外側へと規則的に移り変わることにより、高度な剛毛密度を達成し、締結手段の衝突を更に防止することが可能となる。更に、清浄効果に関しても利点が生じる。とりわけ、通常は剛毛場の中央に塗布される歯磨き剤が、作用面上により良好に保持される。
【0068】
有利にも、前記中間リングのタフト及び最も内方のタフトは、前記散開式の剛毛を備えている。
【0069】
本発明の更なる態様において、様々な横断面形状をなす剛毛タフトが、剛毛の少なくとも1つの中間リング上に配置される。特に、前記少なくとも1つの中間リング上に、おおよそ正方形のタフト横断面を有する剛毛タフトが設けられてよい。それに代わって、あるいはそれに加えて、前記中間リングはまた、丸形の横断面、特に円形の横断面を有する剛毛タフトを含んでもよい。角形、特に正方形の剛毛タフトと、丸形、特に円形の剛毛タフトの双方が前記中間リング上に配置される場合、それらは有利には、種々の扇形内にそれぞれ集中する。このようにするために、多様な選択肢が一般に存在する。本発明の有利な一実施形態によれば、丸形の剛毛タフトが、剛毛支持体の非偏向の中立位置において歯ブラシの長手軸線を含む対向する扇形内にて、中間リング上に配置される。対照的に、中間リングの角形の剛毛タフトは、有利には、剛毛支持体の中立位置において横軸に対して対称的に配置される、剛毛支持体の対向する扇形内に配置される。
【0070】
横断面形状が異なるにもかかわらず、中間リングの剛毛タフトは、少なくとも近似によればおおよそ同じ横断面積を有しており、その横断面積は好ましくは±25%未満の範囲で変化する。
【0071】
中間リングの剛毛タフトの横断面積と比較すると、外側リング上の細長い外側剛毛タフトは、別の実施形態によれば、剛毛場の中央の少なくとも1つの最も内方のタフトもまた、少なくとも2倍の横断面積を有している。
【0072】
この構成において、剛毛場の外側リング上に、有利にも、対向して存在する複数対の細長い剛毛タフトが配置されてもよい。剛毛場の種々の領域における種々の清浄作業に対する剛毛形状の適応性を改善するために、前記外側リングは、設計の異なる複数対の細長い剛毛タフトを含んでもよく、それらの剛毛タフトは、剛毛の長さ及び/又は高さ及び/又は横断面積に関して異なるものである。
【0073】
様々な形状が一般に、この状況において考えられる。本発明の有利な実施形態によれば、非偏向の中立位置において歯ブラシの長手軸線を含む、剛毛支持体の対向する扇形は、それに対して直角に歯ブラシの長手軸線に対して横方向に向いた扇形内のタフトと比べて、横断面積のより大きな、より長い剛毛タフト及び/又は細長い剛毛タフトを含む。
【0074】
細長い剛毛タフトに加えて、外側リングは有利にも、細長い輪郭をなさない剛毛タフトを更に設けてもよく、それらの剛毛タフトは有利にも、細長い剛毛タフトの横断面積よりも横断面積の小さい、おおよそ丸形又は正方形の横断面を有してもよい。
【0075】
本発明の有利な更なる態様において、剛毛場の中央領域は、等しく細長い2つの剛毛タフトを含み、それらの長手軸線、つまり細長い横断面の長手寸法は、剛毛支持体の主軸に対して平行に配置される。特に、前記最も内方の剛毛タフトは、長手軸線を、剛毛支持体の非偏向の中立位置において歯ブラシの長手軸線に対して平行に向けられ、かつ/又は、外側リング上にて最大高さ及び/又は最大横断面積を有する、外側リングの細長い剛毛タフトに向けられている。
【図面の簡単な説明】
【0076】
本発明のこれらの特徴及び更なる特徴は、単独で、あるいは特許請求の範囲における概要とは無関係な任意の組み合わせで用いられたときにも本発明の主題をなし得るものであるが、それらの特徴は、特許請求の範囲から明らかとなるだけでなく、以下の説明、及び本発明の好ましい実施形態を更に詳細に説明する添付の図面からも明らかとなろう。これらの図面では、
【図1】本発明の好ましい実施形態による回転駆動可能なブラシヘッドを有する電動歯ブラシの概略側面図。
【図2】図1の歯ブラシのブラシヘッドの頂平面図。
【図3】歯ブラシの長手軸線に平行な、図2の線B−Bに沿ったブラシヘッドの縦断面図。
【図4】図2の線A−Aに沿った、図2のブラシヘッドの縦断面図。
【図5】タフトの面取り角を拡大概略図で示した、図3の外側の長い剛毛タフトのうちの1つの拡大側面図。
【図6】側方に突出する3つの長手リブを有する、本発明の有利な実施形態による自己散開式の剛毛の概略横断面図。
【図7】側方に突出する4つの長手リブを有する、本発明の別の有利な実施形態による自己散開式の剛毛の概略横断面図。
【図8】先の図の歯ブラシの歯ブラシヘッドの断片的な概略図であり、剛毛支持体の傾き、並びに、その反対方向への剛毛場の作用面の傾斜を示しており、ブラシヘッドはブラッシングの間に歯に当て付けた位置で示されている。
【図9】剛毛の突き出し動作の間における、結果として生じる速度又は運動学的関係の概略図であり、部分図(a)は、歯面に対して直立する剛毛を示し、部分図(b)は、剛毛支持体が傾けられた結果として、斜めに配置された剛毛を示している。
【図10】歯面に当て付けて配置されたときの剛毛の撓み動作の概略図であり、部分図(a)及び(b)は、歯面に対して垂直に配置された剛毛を示し、部分図(c)及び(d)は、本発明に従って斜めに配置された剛毛を示しているが、剛毛は、座屈柱の状態となることなく曲がっている。
【図11】撓曲状態における剛毛の洗浄効果の概略図(view)であり、部分図(a)は、突き出し動作で駆動されない剛毛の洗浄効果を示し、部分図(b)は、突き出し動作で駆動される剛毛の洗浄効果を示している。
【図12】本発明の更なる実施形態による、図8に類似した歯ブラシの歯ブラシヘッドの断片的な概略図であり、剛毛支持体の傾きを示しているが、回転軸線は、部分図12(a)によれば剛毛場の主軸に対して偏心して配置されており、部分図12(b)によれば傾いている。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1に示す歯ブラシは、ハンドピース2と、そのハンドピース2に結合されるように適合されたブラシヘッド4とを備えている。より正確には、ブラシヘッド4は、好ましくは噛み合い係合式の連結要素によってハンドピース2に連結された歯ブラシ1のネック3に結合されるように適合されており、前記ネックは、中空のブラシ管の形態で構成されている。しかしながら、ブラシヘッド4が、前記ネック3を、あるいは少なくともその一部を備え、それを用いてハンドピース2に結合されるように適合されることも可能である。
【0078】
ハンドピース2は、その内部に、好ましくは充電式電池の形態のエネルギー源20、好ましくは電気モータの形態のモータ5、及び制御装置21を収容している。
【0079】
図示の実施形態において、モータ5の回転動作は、伝動装置22によって、ネック3を通じてブラシヘッド4へと延びる駆動シャフト23の振動的な回転動作へと変換される。歯ブラシ1は、ハンドピース2に載置されたスイッチ24で作動及び停止することができる。
【0080】
好適な伝動装置(図示の実施形態とは異なり傘歯車伝動装置25)を使用する既知の方式では、ブラシヘッド4は、駆動シャフト23の端部にて、回転軸線9を中心とした振動的な回転動作をなすように作られ、この回転軸線9は、実質的に歯ブラシの長手軸線26を横切る方向に延びている。このことが生じるがために、ブラシヘッド4の剛毛支持体7によって掃引される角度範囲は、有利にも約±35°±5°の範囲の値を有し、±10°〜±100°の範囲での振動もまた可能となっている。振動周波数は変動し得るものであり、例えば10Hz〜100Hzであり得る。図1に示す実施形態において、回転軸線9は、歯ブラシの長手軸線26と直角を形成している。加えて、実質的に(ブラシヘッドの更に傾けられる結果として、更なる空間的動作の成分が加えられるか否かに応じて、該当する場合、旋回位置に応じて)回転軸線若しくは振動軸線46の方向に又は剛毛が延びる方向に脈動動作させるためのブラシヘッド4の駆動が、第3の次元にもたらされる。ある特殊な例において、突き出し軸線48は、このように振動軸線46と同一であり、また他の例において、歯ブラシの長手軸線26に対して傾斜させて(鋭角に)あるいはおおよそ垂直に配置される。いずれの場合も、ブラシヘッドは、付加的な突き出し動作において歯に向かって駆動される。図1に示す実施形態において、図8を参照して以下で更に説明するように、ブラシヘッドはハンドピース2から離れるように傾けて配置されているため、回転軸線9は、歯ブラシの長手軸線26と鈍角を形成している。
【0081】
歯ブラシ1のブラシヘッド4の好ましい実施形態が、図2〜5に示されている。この実施形態において、剛毛支持体7は丸形であるが、有利には円形でなくわずかに卵形及び/又は楕円形であり、剛毛支持体7の中立位置における卵形又は楕円形の長軸は、歯ブラシの長手軸線26に対して平行に延び、卵形又は楕円形の短軸は、それを横切る方向に延びている。図2において、卵形又は楕円形の長軸は、線B−Bに対して平行である。
【0082】
剛毛支持体7に複数の剛毛タフトが配列されており、これらの剛毛タフトは、複数のリング12、14及び15をなして配列され、剛毛場10全体に広がっている。図2の実施形態における外側リング12に、8つのタフトが配置されており、それらのうちの4つは、細長い輪郭線を有しているが、他の4つは、大まかに言えば、丸形又は等辺の横断面の輪郭線を有している。より詳細に説明するように、前記外側リング12上のタフトの長さは変動しており、大まかに言えば、扇形29及び30内のタフトよりも長いタフトが、概して、対向する扇形27及び28内に設けられており、それらのタフトは、剛毛支持体7の初期位置において、歯ブラシの長手軸線26を含み、扇形29及び30は、扇形27及び28を横切る方向に向けられているか、あるいはそれらの間にある(図2を参照)。
【0083】
図2に示すように、それぞれ主軸B−B及びA−A上の外側リング12にあるタフト11及び31は、平面図において細長いものであるが、間にあるタフト32は、おおよそ等辺の輪郭線又はおおよそ立方体若しくは丸形の横断面を有している。前記細長いタフト11及び31は、回転軸線9の周りに円弧状の曲線をなして延びている(図2を参照)。
【0084】
この配列において、長い主軸B−B上に位置する外側タフト11は、約50°〜90°、好ましくは約70°の円周区間にわたって延びているが、一方で、短い主軸A−A上に位置する外側タフト31は、約20°〜45°、好ましくは約30°の円周区間にわたって延びている。
【0085】
外側から見てタフトの第2のリング15に、合計で10本のタフト13a及び13bが配置されており、それらのタフト13a及び13bのうちのいくつかは円形の横断面を有し、他は角形の横断面を有している。具体的には、円形の横断面を有するタフト13aが、図2に示すように、外側リング12の長い外側タフト11が存在する扇形27及び28に配置されており、一方で、角形のタフトが、第2のリング14上にて、剛毛支持体7の介在する扇形29及び30に設けられている。また、第2のリング14上のこれらのタフト13a及び13bの長さは、リング14の円周に沿ってタフト間で周期的に変化し、短い主軸上にある扇形29及び30内のタフトよりも長いタフトが前記扇形27及び28に設けられるようになっている。
【0086】
中間リング14の丸形の剛毛タフト13a並びに角形のおおよそ正方形の剛毛タフト13bは、それらの横断面の輪郭線が異なっているにもかかわらず、少なくともおおよそ同じ横断面積を有している。
【0087】
図2に示すように、剛毛タフトの固定に好適な空間的条件をもたらすために、本発明の更なる態様において、中間リング14の角形の剛毛タフト13bのうちの少なくとも一部は、剛毛支持体7の主軸A−A及びB−Bに対して、またそれらの剛毛タフト13bが配列されているリング14の環状の輪郭線に対して、鋭角をなして向きを変えられてもよい。特に、角形の剛毛タフトのうちの少なくとも1つ、好ましくは第2の角形の剛毛タフト13bのそれぞれは主軸37の向きを変えてもよく、剛毛タフトの横断面の主軸37が中間リング14への接線に対して鋭角をなして傾いている。これにより、対応するアンカープレートは、他のアンカープレートの衝突範囲外に向きを変えることになる。加えて、剛毛場の撓曲作用は、全体としてより均質なものとなり、特に方向への依存性がより小さなものとなり得る。
【0088】
最後に、最も内方の領域に、つまり外側から見たタフトの第3のリングに、2つの細長い剛毛タフト13cが設けられており、これらの剛毛タフト13cは、それらの長手軸線38が長い主軸B−Bに対して平行となる状態で延びている。
【0089】
最も内方の剛毛タフト13cは、中間リングの剛毛タフト13a及び13bと比べて相当に大きい横断面積を有している。図示の実施形態において、それらの横断面積は、中間リング14の剛毛タフト13a及び13bの横断面積の200%〜400%に相当する。
【0090】
この配列において、最も内方の剛毛タフト13cは細長い形状のものであり、そのため、それらの長手寸法38は、横方向の寸法の150%超、好ましくは約150%〜300%に相当する。図示の実施形態において、最も内方の剛毛タフト13cは有利にも、内方の輪郭線が直線的であるのに対して、凸状の形状に湾曲した外方の輪郭線を有しており、内方の輪郭線と外方の輪郭線は有利にも、丸形端部の輪郭線で連結されている。
【0091】
有利にも、最も内方の剛毛タフト13cは、長手軸線38を、剛毛支持体の主軸に対して平行に整列されており、剛毛支持体の主軸は、剛毛支持体7が非偏向の中立位置にあるとき、歯ブラシの長手軸線26、又はその長手軸線26を通る長手中心平面に対して平行に延びている。
【0092】
図3に示すように、剛毛場10のタフトは、タフトの自由端部によって画定される剛毛場10の作用面34が中央凹部16を有するように、タフトの自由端部を、その長さ及び/又は高さに関して互いに付形又は調整されており、その中央凹部16は、一方向には曲線状であり、それに垂直な方向には直線状である溝形状の底部17を有している。この湾曲は有利にも、剛毛支持体7が非偏向の中立位置にあるとき、長い主軸B−Bの方向に、あるいは歯ブラシの長手軸線26の方向に延びる。剛毛支持体7が非偏向の中立位置にあるときに剛毛支持体7の短い主軸A−Aに対して平行にかつ/又は歯ブラシの長手軸線26を横切って延びる、主軸A−Aに対して垂直な方向において、凹部16は、図3に示すような直線状の輪郭線を有する。
【0093】
中央の凹部16は、様々な深さとなるように構成され得る。本発明の有利な更なる態様において、凹部16の最深点は、剛毛場10の最高点よりも約1mm〜3mm、好ましくは約2mm深く設定される。凹部16の底部17の溝形状の輪郭線は、様々な曲率を有することができる。図3〜5に示す実施形態において、8mm〜17mm、好ましくは約11mm〜14mmの範囲の曲率半径を有する円弧形状の輪郭線が設けられているが、これは、剛毛場の寸法及び形状に応じて異なり得る。
【0094】
図3に示すように、内側タフト13a、13b及び13cの端部表面、並びに、それよりも短い外側タフト31の端部表面は、同様に結合して溝形状の底部17を画定するものであり、平面として構成されていないが、同様にそれら自体で溝形状に湾曲している。溝形状の湾曲した端部表面35は、互いに対をなしており、中央凹部16の底部17の前記溝形状の輪郭線を共に形成している。具体的に言えば、主軸B−Bに対して平行な方向における回転軸線9からの距離が増加すると、内側タフト13の端部表面の傾きが増加する(図3を参照)。換言すれば、横方向に延びる主軸A−A上に配列されたタフトは、それらの自由端部においてわずかに曲線状となっているが、それでいて剛毛支持体の表面に対して実質的に平行に整列されており、一方で、前記主軸A−Aからの距離が増加するにつれて、自由端部の傾きが増加している。
【0095】
また図3に示すように、扇形27及び28に外側リング12上に配列された外側タフト11は、他のタフトと比べて長く延びており、つまり、他のタフトを越えて突出するように高さのより高いものとなっている。この結果、中央凹部16に対して高さに段差が生じており(図3を参照)、つまり、図3に示す実施形態における中央凹部16は、前記外側タフト11の端部表面と平滑に結合していない。
【0096】
剛毛支持体が中立位置にあるときに歯ブラシの長手軸線26を含む、対向する扇形27及び28にある前記外側タフト11は、有利にも端部表面36を有し、端部表面36は、タフト11の長手軸線に対して実質的に垂直に整列された平坦区間19、並びに、前記端部表面36を外側に向かって面取りする面取り部18を備えている。
【0097】
図5に示すように、前記面取り部18は、約20°〜60°、好ましくは30°〜40°の範囲の角度γをなして延びている。斜面18は有利にも、非常に深くかつ幅が広いため、各タフト11の幅Wの約25%〜75%を占めている。この場合、幅Wは、タフトの自由端部の領域において面取り部18の長手軸線に垂直でかつ面取り部18の長手寸法方向に垂直な寸法であると理解される(図5を参照)。図5に示す実施形態において、面取り部はしたがって、幅Wの約1/4〜3/4にわたって延びている。
【0098】
前記長い外側タフト11は全体として、縦断面で分かるように、台形状の形状をなしている。タフト11の内在する側面は、剛毛支持体7によって画定される平面に対して実質的に垂直に延びているが、外在する側面は、阿吽食えこN約1.5°〜10°、好ましくは約3°〜5°の角度αをなして、剛毛支持体7の垂線に向かって傾斜しており、これにより、タフト11の横断面はその自由端部に向かって増加しており、つまりタフトはその自由端部に向かって幅広となっている。結果として、限られた寸法の剛毛支持体7で、より大きな作用面が取得可能となっている。加えて、面取り部18に対して、好ましい幾何学的比率が、タフト11の自由端部に得られる。
【0099】
可能な限り完全に歯面を囲むため、ブラッシング圧力を広範囲に分布させるため、また、歯磨き剤などを作用面34上に保持するために、タフトは、剛毛支持体7によって画定される領域のうちの、有利には少なくとも35%〜55%、好ましくは50%以上を、その自由端部によって占有している。図2に示すように、外側リング12上のタフトは、すべてのタフトの延びの範囲を互いに加えた場合、約200°〜300°の円周上の扇形にわたって延びることができる。外側から見たタフトの第2のリング14は、同様に、円周に沿ったすべてのタフトの延びの範囲を互いに加えた場合、全体で円周の約200°〜300°にわたって延びることができる。最も内方のタフトは、有利にも、全表面にわたって実質的に閉ざされた領域を、タフトの自由端部で覆うことができる。
【0100】
有利にも、中央凹部16を画定するタフトは、少なくとも部分的に、自己散開式の剛毛を備えており、それにより、特に、中間リング14の図2に示すタフト13a及び13b、並びに/又は最も内方のタフト13cは、そのような自己散開式の剛毛を備えることができる。
【0101】
図6は、そのような自己散開式の剛毛の好ましい実施形態を示しており、この自己散開式の剛毛が有する横断面は、図6に示すように、概してその全長にわたって一定であり、有利にもクローバー葉の形状をなすように構成されている。剛毛本体40は、側方に突出する3つの長手リブ41を備えており、これらの長手リブ41は、円周の外側に向かって星形の形状をなしてコア区間42から突出している。長手リブ41は、円周全体にわたって均一に広がっている。有利にも、長手リブ41は、円柱の区間に、あるいは他の何らかの丸形の本体におおよそ対応する外側の輪郭線を有している。
【0102】
図7は、剛毛の別の実施形態を示している。基本的な構想は、本質的に図6に対応しており、したがって、対応する参照符号が使用されている。3つの長手リブ41の代わりに、4つの長手リブ41が設けられているという点で、また、そのためにブラシ本体40が四つ葉のクローバーの横断面を有するという点で、図7は本質的に図6と異なっている。ここでも、長手リブ41は、円周全体にわたって均一に広がっており、ピッチ円筒に対応する外側の輪郭線を備えている。
【0103】
有利にも、中間リング14の前述したタフト及び最も内方のタフト13cにある、図6及び7に部分的に示す自己散開式の剛毛は、「通常の」、つまり非散開式の剛毛と組み合わされるが、これは有利には約50±10%〜50±10%の混合比でなされる。
【0104】
図8に最良に示されるように、剛毛支持体7は、特別な方式で歯ブラシの長手軸線に対して傾いており、剛毛場10、より正確に言えば、その作用面34(ここでは歯と接触して示されている)は、反対方向に傾きを設けられている。
【0105】
剛毛支持体7は、歯ブラシの長手軸線26に対して傾いており、この長手軸線26は、ブラシヘッド4が組み立てられた状態で、歯ブラシのハンドピース2から離れてブラシヘッドの長手軸線と一致するものであり、そのため、剛毛場の主軸46は、好ましくは約8°±3°の傾斜角Φで、歯ブラシの長手軸線26への垂線に対して傾いており、その結果、主軸46を有する剛毛場10は、歯ブラシのハンドピース2から「顔を背けて」いる。
【0106】
他方で、剛毛の自由端部によって画定される剛毛場10の作用面34は斜めに配列されており、つまり、作用面34は、剛毛支持体7の表面に対して平行に延びておらず、有利にも剛毛支持体の傾きに対して反対の方向に傾くようになっている。剛毛場の主軸46への垂線に対する前記作用面34の傾斜角θは、有利には約3.5°±1°である。前記作用面34は平面的ではなく、上記から識別される方式で、溝形状をなす曲線的な凹部を有しており、また縁部に配列された剛毛タフトは突出していることを鑑みれば、前記傾きは、作用面への近似によって当てはめられる平面の傾きであると理解され、この平面は、例えば、作用面上の最高点によって、かつ/又は傾いた区間を統計的に平均することによって規定されてもよい。
【0107】
図8に示すように、剛毛場の主軸46が角度Φだけ傾斜しており、作用面34が反対方向に傾斜角θだけ傾斜していることにより、一方では、処置される歯面に対して剛毛タフトの配置を傾斜させ、それによって座屈柱の状態が概ね回避され、他方では、剛毛場10の又はその作用面34の凹状の輪郭線が、ぴったりとフィットして歯面上に位置し、その結果、ブラシはそれ自体で自動的に中央に位置する。
【0108】
この状況において、図9は、結果として生じる速度又は運動学的関係を明確に示している。図9(a)は、垂直に起立する剛毛を示しており、突き出し動作の間、突き出し動作の速度ベクトルは、厳密にこの剛毛の長手方向に延びているが、一方で、部分図(b)は、斜めに配置された剛毛を示しており、突き出し動作は、歯面に対する垂直成分と、歯面に対して平行な成分とを有している。それによって、対応する反力が生成される。図9(a)に従う垂直の場合には、突き出し動作によって発生した反力は、剛毛の長手方向に、垂直に剛毛に伝えられ、図9(b)に従う傾いた場合には、剛毛の長手軸線におおよそ横切って延びる反力成分が伝えられる。
【0109】
この結果により、剛毛の種々の座屈又は曲げの状態が図10に示されている。図10(a)及び10(b)の垂直に起立する剛毛においては、剛毛は座屈柱と同様に出っ張っているが、部分図10(c)及び10(d)の斜めに配置された剛毛においては、剛毛は、自由端部から徐々に曲がっており、それにより、反力は相当に小さくなり、相当に穏やかな清浄の感覚がもたらされる。
【0110】
図11bに示す傾いた剛毛47は、往復する揺動及び突き出し動作で駆動されるものであるが、図11aに概略的に示す剛毛47と比べて、より効率的に歯垢49を歯50から除去しており、図11aに示す剛毛は、往復する揺動動作でのみ駆動されており、傾いている、
図12に示すように、振動又は回転の軸9はまた、剛毛場の主軸46に対して、偏心してかつ/又は鋭角をなして傾けられていてもよい。図12aによれば、非偏向の中立位置にあるとき、好ましくは、卵形の剛毛支持体7が長手方向に延びる方向に、あるいは歯ブラシの長手軸線の方向に、偏心度が設けられてもよく、この偏心度は、剛毛支持体7の最大直径に関して、好ましくは25%を超えるものではなく、具体的には約5%〜15%にあるものである。一方では、これにより、剛毛場の中央に、剛毛場と歯との間のより強い相対動作が、したがって、改善された清浄効果がそこに発生し、他方では、自己調心効果が依然として維持される。図12bによれば、剛毛場の主軸に対して回転軸線9を、好ましくは5°〜15°の範囲で傾けることも可能であり、それにより、空間成分のより大きな駆動動作が達成可能となる。好ましくは、空間動作の成分は、振動/回転成分と同じ周波数を有する(すべての動作が連成される)。
【0111】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるものではない。その代わりに、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0112】
明示的に除外されるか、あるいは限定されない限り、本願に引用するすべての文書は、相互参照する、又は関連するいかなる特許又は特許出願をも含めて、参照によってそれらのすべての内容が本願に組み込まれる。いかなる文書の引用も、それが、本願にて開示若しくは特許請求される発明に対する先行技術であること、又は、それが単独で、あるいは任意の他の参照文献との組み合わせで、そのようないかなる発明をも教示、暗示、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語の意味又は定義が、参照によって組み込まれる文書における同じ用語の意味又は定義と対立する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が優先されるものとする。
【0113】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、種々の他の変更及び修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされうることが、当業者には明らかとなろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲で網羅することとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動歯ブラシ用のブラシヘッドであって、剛毛場(10)を支持する好ましくはプレート形状の剛毛支持体(7)を有し、前記剛毛場(10)は、前記剛毛支持体(7)に対して好ましくは垂直に延びる剛毛場の主軸(46)を有し、前記剛毛場(10)は複数の剛毛を含み、前記剛毛はそれらの自由端部で、清浄化される歯の上に置かれる平坦な又は凹状の作用面(34)を画定し、前記ブラシヘッドは、突き出し軸線(48)に沿った往復する突き出し動作を、また所望により、回転軸線(9)を中心とした振動的な回転動作を用いて前記剛毛支持体(7)を駆動するための駆動及び/又は伝動手段を更に備え、かつ、前記剛毛支持体(7)を歯ブラシハンドピース(2)に連結するための連結手段を備え、ブラシヘッドの長手軸線は、連結状態において、歯ブラシハンドピースの長手軸線(26)に対して実質的に平行に延び、剛毛場の主軸(46)を有する前記剛毛場は、前記ブラシヘッドの長手軸線に対して傾いて配列されており、これにより、前記剛毛場の主軸(46)は、前記ブラシヘッドの長手軸線への垂線に対して、鋭角の傾斜(Φ)をなして傾斜し、前記作用面(34)は、前記剛毛場の主軸(46)の前記傾斜の反対方向に傾斜しており、これにより、前記作用面(34)の上に位置する平面は、前記剛毛場の主軸(46)に垂直な平面に対して、鋭角をなして傾いていることを特徴とする、電動歯ブラシ用のブラシヘッド。
【請求項2】
前記剛毛場の主軸(46)は、2.5°〜25°、好ましくは3°〜17°の範囲の角度(Φ)で、より好ましくは8°±3°の角度(Φ)で、前記ブラシヘッドの長手軸線への前記垂線に対して傾いている、請求項1に記載のブラシヘッド。
【請求項3】
前記剛毛場の主軸(46)への前記垂線に対する前記作用面(34)の前記傾斜角(θ)は、前記ブラシヘッドの長手軸線への前記垂線に対する前記剛毛場の主軸(46)の前記傾斜角(Φ)よりも小さいものであり、前記傾斜角(Φ)の具体的には約25%〜65%、好ましくは約40%に相当し、好ましくは、前記剛毛場の主軸(46)への前記垂線に対する前記作用面(34)の前記傾斜角(θ)は、約1.5°〜4.5°、具体的には3.5±1°の範囲にある、請求項1又は2に記載のブラシヘッド。
【請求項4】
前記剛毛支持体(7)は、目的の用途に応じた連結状態にある前記歯ブラシハンドピース(2)に面するブラシヘッド側面から離れて傾き、前記剛毛場の主軸(46)と、目的の用途に応じた前記歯ブラシハンドピースに面する前記ブラシヘッドの長手軸線の一部分との間に、鈍角(ξ)が設けられるようになっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項5】
前記剛毛支持体(7)は、円形とは異なる丸形のものであり、特に卵形又は楕円形の形状のものであり、好ましくは、前記剛毛タフト(11、13、31、32)は、前記剛毛支持体(7)の頂部から見て、前記剛毛支持体(7)の前記主軸に対して対称に、かつ/又は回転対称に配列され、前記剛毛支持体(7)上の前記剛毛タフトの取付け位置が、180度にわたる回転により一方と他方とで係合可能となるようになっている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項6】
前記剛毛場(10)の外側の縁部に、頂部から見て好ましくは細長いタフト(11)が設けられており、前記細長いタフト(11)は、前記剛毛タフトの前記自由端部によって画定される前記作用面(34)に中央凹部(16)を形成するように、前記剛毛場の更に内向きにある内側タフト(13)よりも高い高さを有し、好ましくは、階段形状をなす高さの上昇が、前記中央凹部(16)と、更に高い前記外側剛毛タフト(11)との間にもたらされており、好ましくは、前記中央凹部(16)は、ある方向には曲線状であり、それに垂直な方向には実質的に直線状である溝形状の底部を有し、好ましくは、前記中央凹部(16)の前記溝形状の底部(17)は、前記剛毛支持体(7)のある円周側に向かう方向には、それに対向する円周側に向かう方向よりも急激に隆起し、特に、おおよそバナナ形状の非対称的な曲線を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項7】
前記内側剛毛タフト(13)は、様々な高さのものであり、前記内側剛毛タフト(13)の前記高さは、前記剛毛タフトから前記剛毛支持体(7)の中心までの距離の増加に伴って増加し、前記中央凹部(16)の前記溝形状の底部(17)を形成するようになっており、前記内側剛毛タフト(13)の前記自由端部は、傾斜した端部表面を有し、種々の内側剛毛タフト(13)は、前記溝形状の底部(17)を形成するように、種々の傾斜を有する端部表面を有し、好ましくは、前記内側剛毛タフト(13)から前記剛毛支持体(7)の前記中心までの距離が増加するにつれて、前記内側剛毛タフト(13)の前記端部表面の前記傾斜が増加するようになっており、好ましくは、前記内側剛毛タフト(13)の前記自由端部は、平面的ではなく前記中央凹部(16)の連続的な底部の曲線を形成するように、曲線的となった端部表面を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項8】
前記剛毛場(10)の各リング(12、14)上の前記剛毛タフトの前記高さは、前記リングそれぞれの円周方向に見ると、周期的に増加及び減少し、特に第1の最小値から第2の最大値へと増加し、再び前記第1の最小値へと減少し、次いで再び前記第2の最大値へと増加し、最後に再び前記第1の最小値へと減少する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項9】
前記外側剛毛タフト(11)は、それらの自由端部に面取り部(18)を有し、前記面取り部(18)は好ましくは、前記剛毛タフト(11)の前記自由端部の平坦な区間(19)に対して角度γをなして傾斜しており、前記角度は、25°〜60°に相当し、かつ/又は前記剛毛タフト(11)それぞれの幅Wの25%〜75%を占め、前記幅Wは、前記剛毛タフトの長手軸線に垂直でかつ前記面取り部(18)それぞれの長手寸法方向を横切る、前記剛毛タフト(11)の寸法であると理解され、前記面取り部(18)は好ましくは、前記剛毛支持体(7)の外周側に近い側の、前記剛毛タフト(11)の前記自由端部の外在する縁部に設けられており、前記面取り部(18)の各々は、平面を画定するか、あるいは曲線状の経路に沿って延びる、請求項6〜8のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項10】
前記外側剛毛タフト(11)は、1.5°〜10°、好ましくは3°〜5°の範囲の鋭角αをなして、前記剛毛支持体(7)の外周側に向かって傾斜しており、好ましくは、前記外側剛毛タフトは、前記剛毛タフト(11)の縦断面図で見ると、台形状の形状をなしており、前記剛毛タフト(11)それぞれの前記自由端部は、それらの内側の端部よりも幅広であり、好ましくは、前記内側剛毛タフト(13)に面する、前記外側剛毛タフト(11)の内側の側面は、前記剛毛支持体(7)の表面に対して実質的に垂直に延び、前記外側剛毛タフト(7)の、少なくとも1つの外側の側面は、前記剛毛支持体への垂線に対して鋭角をなして、前記剛毛支持体(7)の前記外周側へ向かって傾斜しており、好ましくは、外側の細長い剛毛タフト(11)は、それらの自由端部で端部表面を形成し、前記端部表面は、曲線状の経路に沿って延びる長手軸線で、細長い輪郭線を画定し、前記曲線状の経路は、特に円弧状に、好ましくは円状に、前記剛毛支持体(7)の回転軸線(9)の周りに曲線をなし、好ましくは、前記外側の剛毛タフト(11)は、それらの端部表面に、曲線状の面取り部(18)を有し、前記面取り部(18)の長手軸線は、前記回転軸線(9)の周りに曲線をなし、特に前記回転軸線(9)の周りに円状に曲線をなす、請求項6〜9のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項11】
前記回転軸線(9)は、前記剛毛支持体(7)の中心に対して偏心して配置されており、かつ/又は、前記剛毛支持体(7)への垂線に対して鋭角をなして傾いている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項12】
多数の剛毛タフト(11、13a、13b、13c)が、複数の入れ子状のリング又は類似の輪郭線をなして前記剛毛支持体(7)上に配列されており、外側リング(12)は、その対向する側部に細長いタフト横断面を有する細長い剛毛タフト(11)を載置し、前記外側リング(12)内の中間リング(14)は、前記外側リング(12)の前記細長い剛毛タフト(11)の前記横断面と比べてそれぞれの横断面が小さい複数の剛毛タフト(13a、13b)を載置し、前記中間リング(14)内の中央領域に、前記中間リング(14)の前記剛毛タフト(13a、13b)の前記横断面よりも横断面が大きいかあるいは等しい、少なくとも1つの剛毛タフト(13c)が設けられている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項13】
散開式の端部を有する、少なくとも1つの剛毛タフト(13a、13b、13c)の剛毛が、好ましくはおおよそ丸形又は丸みのある形状の非散開式の剛毛、特に長手リブのない剛毛と混合されており、好ましくは、50%±10%の散開式の剛毛と、50%±10%の非散開式の剛毛の混合比が与えられており、好ましくは、散開式の剛毛を有する前記剛毛タフトは、内側及び/又は中央領域に設けられる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項14】
前記往復する突き出し動作の前記突き出し軸線(48)は、前記剛毛場の主軸(48)と平行に延び、前記ブラシヘッドの長手軸線への前記垂線に対して前記鋭角の傾斜角(Φ)をなして傾斜しており、前記作用面(34)の上に存在する前記平面は、前記突き出し軸線(48)への前記垂線に対して前記鋭角の傾斜角(θ)をなして傾いており、好ましくは、前記作用面(34)の上に存在する前記平面は、前記突き出し軸線(48)が傾いているにもかかわらず、前記ブラシヘッドの長手軸線と実質的に平行に延びる、請求項1〜13のいずれか一項に記載のブラシヘッド。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載のブラシヘッドを有する電動歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a)】
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【図9b)】
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【図10a)】
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【図10b)】
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【図10c)】
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【図10d)】
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【図11a)】
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【図11b)】
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【図12a)】
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【図12b)】
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【公表番号】特表2012−506754(P2012−506754A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533926(P2011−533926)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054904
【国際公開番号】WO2010/052658
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(596181730)ブラウン ゲーエムベーハー (75)
【Fターム(参考)】