説明

電動歯ブラシ用ハンドピース及び充電ユニット

本発明は、内部に駆動ユニットが受容されるハウジングを有する電動歯ブラシのハンドピースに関する。このハウジングは、前方ハウジング開口又は後方ハウジング開口を有し、いずれの開口も、好ましくは防湿及び防水方式でカバーにより密閉されるように適合されている。ハウジング及び/又はカバーには、カバーとハウジングにカバーをスナップで固定する為にスナップイン手段が備えられている。本発明は、カバーとハウジング間のスナップイン結合を解除する為にスナップインとネジ係合の組合せを提供することを目的とする。このため、ハウジングの長軸に対して上昇する少なくとも一つの抜き勾配テーパ部又は湾曲部が、ハウジング及び/又はカバー上に設けられている。カバーは、抜き勾配テーパ部を用いて、それをハウジングの長軸周りに捩ることにより軸方向に持ち上げられ、スナップイン手段が解除される。抜き勾配テーパ部又は湾曲部は、カバーをハウジングにネジ係合させ、スナップイン結合の解除、カバーの回転運動をカバーの軸方向運動に移行させることを有効にする。スナップイン手段は、カバーを捩ることにより、節電状態で解除可能になり、ネジ又は湾曲係合を有する拘束された案内により、強制的に固定が解除される。カバーとハウジングのスナップイン結合と、カバーを取り外す為にカバーを捩ることにより螺合又は湾曲係合を許容する抜き勾配テーパ部又は湾曲部とが、強い洗浄力を伝えるカバーとハウジング間で堅い結合を許容すると同時にスナップイン結合を節電状態で固定解除することを容易にする。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、駆動ユニットが受容されるハウジング部を有する電動歯ブラシのハンドピースに関し、前記ハウジングは、前方又は後方ハウジング開口を有し、これらは、好ましくは防湿及び防水方式でカバーにより密閉されるように適合され、スナップ作用でハウジング上にカバーを固定する為に戻り止め要素がハウジング及び/又はカバーに設けられている。また、本発明は、そのような電動歯ブラシのハンドピース用充電ユニットに関する。
【0002】
前述された従来技術の電動歯ブラシのハンドピースは、例えば、DE19940369C2から既知である。電動歯ブラシのハンドピースのハウジングに規則正しく収容されるのは、駆動ユニットの電気モータの他、この駆動ユニットに電力を供給する為の電池又は充電式電池であるが、これは、電池または充電式電池を取り外すか交換する為にハウジングが開放されなければならないことを意味する。そのため、歯ブラシヘッドから遠いハウジングの後端部にハウジング開口を備えることが知られているが、ハウジング開口は、ハウジングカバーにより密閉可能になっている。他方、ハウジングカバーを歯ブラシヘッドに近い前端部に設けることが既に提案されてきた。ここで、ハウジングカバーは、ハウジング開口を閉鎖し、ハウジング開口を通って駆動ユニットが上方からハウジングに挿入可能である。しかし、ハンドピースの上側でハウジングカバーは、ブラシ管を介して導入される洗浄力を吸収し、かつ、負荷がかかっている状態でハウジングの防湿及び防水閉鎖を確実にする為に、摩擦又は積極的な係合によりハウジングに安全に連結されなければならない。この装置において、ブラシ管は、ハウジングカバーに結合され、そのとき、駆動連鎖は、ハウジング内に収容された駆動ユニットから、ハウジングカバー及びブラシ管を通ってブラシヘッドまで延びる。そのため、導入される力を吸収可能とする為に、スナップ作用の戻り止め要素により、駆動連鎖領域で前端部ハウジングカバーをハウジングに安全に固定することが提案されてきた。しかし、そのようなスナップ嵌め込み接続では、カバーを再び解除することが難しくなり、例えば、駆動ユニット又はハウジング内に収容された電池や充電電池を取り外すことが難しくなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
【0003】
本発明は、この課題を解決することを意図する。本発明は、従来技術の欠点を避け、従来技術を都合の良い方式で更に開発し、電動歯ブラシの改良されたハンドピースと改良された充電ユニットを提供することを目的とする。好ましくは、ハウジングとカバーとの間に安定した硬い連結を確立するものであり、この連結は、意図することなく外されず、必要であれば簡単に外される。
【発明の概要】
【0004】
この目的は、請求項1に係るハンドピースによる本発明、請求項22による充電ユニットに関する本発明に従って達成される。本発明の好ましい実施形態は、従属形式請求項の対象になっている。
【0005】
カバーとハウジングとの間に、スナップ嵌め込みと、スナップ嵌め込み接続を解除する為にネジが切られた係合とを組み合わせることが提案されている。本発明によると、ハウジング及び/又はカバーに、ハウジングの長軸に対して上昇する抜き勾配湾曲部と少なくとも一つの抜き勾配テーパ部を備え、これにより、カバーは、それをハウジングの長軸周りに捩ることによりハウジングから軸方向に離脱状態にすることができ、戻り止め要素が、解除可能になる。抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部は、カバーとハウジングとの間で、ネジが切られた係合又はスナップ嵌め込み係合、スナップ嵌め込み係合を解除する効果、カバーの回転運動からネジ接合のような軸方向運動への移行を可能にする。戻り止め要素は、電気を使わないで、カバーを捩ることにより係合を解除することができ、ネジ−ネジ切り係合を有する拘束された案内により、固定が解除される。カバーとハウジングのスナップ嵌め込み係合、カバーを捩ることにより取り外す為の戻り止め要素の螺旋−ネジ切り係合を許容する抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部の組合せは、カバーとハウジング間で、安定した高い洗浄力を伝達する為の堅固な連結の確立を可能にし、同時に、電気を使わないで、スナップ嵌め込み接続の固定を解除することを可能にする。
【0006】
本発明の更なる実施態様において、上記抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部は、ハウジング開口を取り囲むハウジングエッジによりハウジング上に、ハウジングエッジ上に位置する設置面によりカバーエッジ上に都合良く形成される。特に、ハウジング開口を取り囲むハウジングエッジは、ハウジング長軸に対して傾斜された湾曲領域または平面で延びている。そのため、カバーにより閉鎖されるハウジングの前端部又は後端部は、例えば、面取りされており、所定の、実質的に円形のハウジング横断面、上部に位置するハウジングエッジ及びカバーエッジは、形状が楕円になっている。
【0007】
ハウジングエッジにより画成される平面や湾曲エリアの傾斜は、一方で必要な解除力を得る為に、他方で最大限に可能な軸方向の移動を得る為の選択により一般的に変化する。したがって、傾斜は、戻り止め要素の構造カバーとハウジング間の適合性、それらの材料、必要であれば更なるパラメータに適合可能である。本発明の有利な実施形態によると、ハウジングエッジにより画成される平面は、ハウジングの長軸に対して、例えば約65°から85°、好ましくは、約75°から80°で、傾斜可能である。
【0008】
長軸に対して傾斜されたハウジングエッジに対しカバーを捩ることにより、このカバーは取り外され、戻り止め要素は強制的に固定が解除され、カバーはハウジングから離れて軸方向に移動される。これは、ハウジングに対してカバーを僅かに傾けることにより、都合良く達成され、ハウジングの円周にわたり都合良く配置された戻り止め要素の為、係合の解除が簡単になっている。
【0009】
都合の良いことに、上記抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部は、同時に、カバーとハウジングとの間で軸方向及び/又は半径方向に密閉面を形成する。特に、ハウジング開口を取り囲むハウジングエッジと、その上に位置するカバー密閉面は、この二倍の機能を実現可能である。もし、前述した方式で、ハウジングの長軸に対して傾斜面でハウジングエッジが面取りされる場合、一方で、ハウジングはカバーで密閉可能であるが、他方で、カバーは簡単な方式でハウジングからネジが抜ける可能性がある。
【0010】
しかし、追加的又は代替的に、前述したタイプの抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部がハウジング内部に備えられることも可能である。都合の良いことに、カバーは、ハウジング内に挿入するのに適したツバ部(collar)を有してもよい。このツバ部及び/又はハウジングの隣接した内壁部に、ハウジング長軸周りに有利に螺旋状に広がる少なくとも一つの抜き勾配テーパ部を備えてもよい。この装置において、抜き勾配テーパ部は、遅くともカバーがハウジングに対して捻られるとき、カバーのツバ部及び/又は隣接した内壁部に係合する。
【0011】
有利なことに、ハウジング内部に位置するカバーは、戻り止め要素に少なくとも一つの抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部を有してもよく、これらの戻り止め要素は、ハウジング上にカバーを固定させるが、逆も可能である。特に、抜き勾配テーパ部は、対応した戻り止め突起と戻り止め凹部の底部エッジにより形成可能であるが、これらは、それぞれ、ハウジング開口から離れ上部に位置するカバーエッジに対面する。上記戻り止め突起と戻り止め用凹部の最上部エッジは、固定係合を有効にし、固定係合は、カバーをハウジング上の所定位置に保持し、上記戻り止め用突起と戻り止め用凹部の対向する底部エッジは、スナップ嵌め込み係合を解除する為の抜き勾配テーパ部として使用可能である。
【0012】
有利なことに、カバーは、それがハウジング上に取り付けられる為にハウジングに対して捻られる必要はない。本発明の他の態様において、戻り止め要素は、単なる軸方向運動によりスナップ嵌め込み係合を行うように構成される。カバーの設置係合(seating engagement)を簡単にするため、戻り止め用突起及び/又はハウジングの内壁は、戻り止め用突起がアンダーカット又はそれと協働する凹部に達する前に対応外形部にわたって簡単にスライドする為に、ハウジング開口を取り囲むハウジングエッジに入口面取り部を有してもよい。そのため、言及された抜き勾配テーパ部は、都合良く、たった一つの動作ネジ−ネジ切り係合を有効にする。カバーは、このテーパ部にわたってネジが抜ける可能性があるが、上部にネジ込まれる必要はない。
【0013】
スナップ嵌め込み係合の離脱を簡単にするため、対応する戻り止め突起及び戻り止め凹部又は、スナップ嵌め込み係合を有効にするアンダーカット上の戻り止めエッジは、ハウジング縦軸とカバーの周りで螺旋状または曲線状に延びてもよい。また、戻り止め要素は、全体で、好ましくは、ギザギザ状の螺旋ネジ山部を形成してもよい。
【0014】
本発明の好ましい更なる態様において、ハウジングは、前述した一つのハウジング開口を有し、この開口を通って駆動ユニット及び/又は駆動ユニット用電池又は充電池がハウジング内に挿入可能である。この単一ハウジング開口は、例えば、ブラシヘッドに近いハンドピースの前端部にある。それに応じて、単一ハウジングカバーは、ハウジングを駆動連鎖領域で閉鎖する。ハンドピースの上端部から駆動ユニットに挿入又は駆動ユニットを取り外すことを簡単にするため、ハウジングがハウジング開口に向かって広がるように、ハウジングは全体的に僅かに円錐状に構成されてもよい。
【0015】
ハウジングとカバーとの間の防湿密閉を有効にするため、技術的に知られた方法で、別個のシール、特に、ハウジングとカバー間のOリング形式シールを配置することが一般的に可能である。しかし、本発明の好ましい実施形態によると、ハウジング開口を取り囲むハウジングエッジは、カバーエッジがある少なくとも密閉用設置面を形成する軟質プラスチックから形成されてもよい。
【0016】
好ましくは、ハウジングは、2つのプラスチック部品、特に軟質プラスチック及び硬質プラスチックから、一体部分で射出成型されてもよい。当然ながら、ハウジングの単一部品構成、特に、硬質プラスチックからの単一部品構成が一般的に可能であり、この場合、従来のシールはOリングが好ましい。
【0017】
カバーとハウジング間に必要な密閉力を適用する為に、更に/又は、ハウジングでカバーのぐらつきの無い設置を確実にするため、戻り止め要素は、張力がカバー又は密閉用設置に作用するように構成されることが望ましい。スナップ嵌め込み状態において、戻り止め要素は、ハウジング開口を取り囲むハウジングエッジに圧入でカバーを保持する。
【0018】
交換可能なブラシ部をハンドピースに接続可能にするため、カバーは、そのような付属ブラシを結合する為に結合部材、特に、プラグイン結合部材を有してもよい。カバーを通して駆動連鎖を移すため、特にプラグイン結合部材の前端部に、駆動連鎖通過用スルーホールを有することも可能である。
【0019】
ハウジングカバーを道具なしで取り外す為に、本発明の他の態様は、歯ブラシのハンドピース用充電ユニットは、回転させずにカバーを充電ユニット上に固定する為の固定要素を有する。特に、固定要素は、充電ユニットハウジング内に凹部を備えてもよく、ここに、ハウジングカバーの前述されたブラシ管プラグイン結合部材が挿入されるので、回転に対し固定される。その結果、トング等が無くても、カバーのプラグイン結合部材を押すことにより、ハンドピースハウジングのカバーを取り外すことが可能であり、これは、ブラシ部を充電ユニットの相補的凹部に取り付けることに実際に役立つ。その後、カバーは、把持が良好な充電ユニットを使用してネジを外すことができる。
【0020】
これら及び他の特徴は、単一又は下位の組合せとして使用されるとき、本発明の主題を形成する場合があるが、請求項ばかりか好ましい実施形態の後の説明と添付される図面から明らかになる。
【発明の詳細な説明】
【0021】
図1に示された電動歯ブラシのハンドピース1は、電気モータを備えた技術的に知られたドライブユニットを収容する、ほぼ棒状または管状ハウジング2と、少なくとも一つのオン/オフ・スイッチを備えた制御ユニットと、電池又は充電電池形式の電源と、を備える。本発明の好ましい実施形態によると、ハウジング2は、2重部品射出成型プロセスにおいて硬質プラスチック及び軟質プラスチックから射出成型される。特に、把持領域3として機能するハウジング2の部分は、軟質プラスチック被覆で覆われてもよい。さらに、制御部4は、ハウジング2が当該領域に圧入可能とし下に配置されるオン/オフ・スイッチを起動するように、軟質プラスチックだけで射出成型されてもよい。
【0022】
図2,図3が示すように、ハウジング2は、取り付け可能な歯ブラシヘッドに近い前端部にある単一ハウジング開口5を有するが、ハウジング2の反対側の後端部、すなわち、ハウジング2の基部は、近くに構成することが可能である。駆動ユニット、付随する制御ユニット、電池又は充電電池は、ブラシヘッドに近い上記ハウジングの前端部のハウジング開口5を通ってハウジング2に挿入可能である。
【0023】
ハウジング開口5は、カバー6により密閉されるが、カバー6は、ハウジング開口5上に軸方向に置かれる。図1,図5が示すように、上記カバー6は、延長部を有し、この延長部は、付属ブラシのブラシ管を結合する為の結合部材7を形成する。図示された実施形態の結合部材7は、プラグイン結合部材として構成され、付属ブラシは、単に差し込まれればよい。結合部材において、全長開口(詳細に図示せず)が設けられ、そこから、駆動連鎖、特に駆動シャフトが、ハウジング2内に収容される駆動ユニットからブラシヘッドに移される。
【0024】
洗浄力及び洗浄トルクは、ブラシヘッドから、結合部材7と、それに固定されるブラシ管とを介して導入されることから、カバーは、十分かつ安全にハウジング2に連結されなければならないが、そのために、図示された実施形態において、カバー6とハウジング2との間の摩擦によって生じる確実な係合が設けられている。
【0025】
カバー6は、大雑把に述べると、円筒状のツバ部8を有し、ツバ部8は、滑り嵌めでハウジング2のハウジング開口5に挿入可能である。図4が示すように、ツバ部8は、終結部9に対して、円周部で僅かに切り下げられており、終結部9は、板で曲げられており、或いは僅かにレンズ形になっている(すなわち、カバー6は、ツバ部8を越えて僅かに突き出た周辺ショルダー部10を有し、それと共に、カバー6がツバ部8と共にハウジング5内に完全に押されるとき、カバー6は、ハウジング開口5を取り囲むハウジングエッジ11上にピッタリと位置する)。
【0026】
この形状において、カバー6は、スナップ作用でハウジング2に取り付けることができる。このため、ツバ部8には、半径方向外側に突き出た戻り止め突起12が、ほぼリブ形に構成され、図示された実施形態は、直径に沿って対向する2つの戻り止め突起12を備えている(図5参照)。
【0027】
戻り止め突起12の間に、ツバ部8は、対向する2つの周辺インデント部13を有し、ツバ部の半径方向内側の、戻り止め突起12を支える、はね反りが促進される。
【0028】
硬質プラスチックから形成されたハウジング2の壁部内でハウジング2の内壁14に設けられているのは、戻り止め突起12と協働する戻り止め凹部15である。都合の良いことに、上記戻り止め凹部15は、ハウジング2の硬質プラスチックシェル部を完全に通って延びているので、これらは、ハウジング2の外側軟質プラスチックシェル部により単独で外側から閉鎖される。戻り止め凹部15の位置が知られている場合、これは、スナップイン戻り止め突起12を外側から圧入可能にする。
【0029】
図3,図4が示すように、戻り止め突起12と戻り止め凹部15は、それぞれ、僅かにくさび形状の外形を有する。固定係合を有効にし、かつ、最上部と最上部エッジにより各々が形成されている戻り止め突起12の戻り止めエッジ16、17と、ハウジング開口5及びカバー最上部に対面する戻り止め凹部15とは、それぞれ、ハウジングの長軸18に対して僅かに上昇する経路をとる(すなわち、戻り止めエッジ16、17と戻り止め凹部15は、ハウジングの長軸18に対して直角に延びていない)。図3,図4が示すように、戻り止めエッジ16,17は、約65°から85°の範囲の角度、より正確には約75°から85°、とりわけ約80°で傾斜されている。底部エッジ(すなわち、戻り止め凹部15とハウジング開口5から離れて対面する戻り止め突起12のエッジは、比較すると傾斜しておらず、ハウジングの長軸18に対して直角に延びており、戻り止め突起12と戻り止め凹部15が、ほぼくさび形状の形をとっている。
【0030】
図5が示すように、戻り止め突起12の戻り止めエッジ16は、ツバ部8から直角に突き出ていないが、約5°から15°(図5参照)の範囲の角度で僅かに上昇するように構成されているので、戻り止め突起12は、これら自身を、戻り止め凹部15内で張力がかけられた状態で固定する。そのため、歯の力強い洗浄中、不必要に開くことが避けられる。
【0031】
戻り止め凹部15と戻り止め突起12は、ハウジングエッジ11から間隔を開けて各々が配置され、カバー6がスナップで固定されているとき、カバーがハウジング11上の僅かな圧入により引っ張られ、ハウジング2の緊密な閉鎖が得られるように、カバー6の周辺ショルダー部10が上部に横たわっている。都合の良いことに、ハウジングエッジ11は、軟質プラスチックで形成されているので、密閉効果は、ハウジングエッジ11上の周辺ショルダー部10の密閉係合を介して直接、取得可能である。別個の密閉リングは、必ずしも必要ない。
【0032】
図2から図4が示すように、ハウジングエッジ11と、その上部に位置するカバーエッジとは、ハウジング長軸18に対し直交する平面にはない。むしろ、ハウジングエッジ11と、上部に位置するカバー6の周辺ショルダー部10は、面取りされており(すなわち、ハウジング11と周辺ショルダー部10は、ハウジング長軸18に対して90°未満の鋭角で傾斜された平面に延在している。傾斜角度は、一般的に選択により異なるが、70°から85°であれば好都合である。図示された実施形態では、角度は79°になっている。
【0033】
傾斜されたハウジングエッジ11、対応して傾斜されたカバーエッジ又はカバー6の周辺ショルダー部10は組み合わされ、抜き勾配テーパ部19を形成するが、これにより、カバーとハウジングとの間のスナップ嵌め込み係合は、長軸18周りのハウジング2に対するネジ切り接合のように、カバー6を捩ることにより分離可能になる。そのようなスナップ嵌め込み係合の係合解除は、戻り止めエッジ16の前述した傾斜により容易になる。
【0034】
ハウジング2からカバー6のネジを外すことを容易にするため、電動歯ブラシ用充電ユニットを旋回ツールとして都合良く使用可能である。カバー6上の結合部材7は、トルク伝達に適した非円形の外形を都合良く有する。対応するように、充電ユニットのハウジングは、相補型凹部、特に止まり穴を含んでもよく、止まり穴の内形は、対応して非円形であり、トルク伝達に適している。カバー6上の結合部材7を備えるハンドピース1は、カバー6が充電ユニットでの回転に抗して固定されるように、凹部に挿入されることだけが必要である。カバーをハウジングから解除する為には、充電ユニットが安全に保持されてハウジング2が旋回されること、或いは逆に、ハウジング2が安全に保持されて充電ユニットが旋回されることだけが必要である。
【0035】
カバー6をハウジング2に固定する為に、カバーは、捩ることなく正しい向きで軸方向に取り付けられること、その後、カバー6のツバ部8の戻り止め突起12が戻り止め凹部15に嵌るまでハウジングに押されることだけが必要である。ハウジング開口5への押し込みを容易にするため、最初に半径方向に突き出た戻り止め突起12は、その底側入口に面取り部20(図5参照)を有し、この面取り部20により、戻り止め突起12を備えたツバ部8は、ハウジング2内に十分に押し込まれる。処理中は、戻り止め突起が戻り止め凹部に嵌るまで、半径方向内側に僅かなツバ部8の弾性変形、更に/又は半径方向外側に僅かなハウジング2の弾性変形が存在する。
【0036】
図6の斜視図に示されたカバーは、ハウジング上の追加の相補型戻り止め要素に嵌合するのに適した追加の戻り止め要素30を有する。この追加のスナップ嵌め込み係合は、ハウジングの長手方向で力を吸収することができる。この戻り止め要素は、反対方向というより最初の旋回方向に旋回させることにより、カバーがより簡単に解除されるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施形態に係る電動歯ブラシのハンドピースの分解斜視図であり、ハウジングの前端部と、前記開口から持ち上げられた関連カバーとを示す。
【図2】図2は、図1のハンドピースのハウジングを示す側面図である。
【図3】図3は、図2のハウジングを示す長手方向から示す断面図であり、ハウジング開口のハウジングエッジ、ハウジングの長軸に対して傾斜したハウジングエッジ、ハウジング内壁における戻り止め凹部を示す。
【図4】図4は、図1のハウジングカバーの側面図である。
【図5】図5は、図4と比較された、90°だけ回転させたハウジングカバーの、部分的に切断された側面図である。
【図6】図6は、追加の戻り止め要素を備えたカバーの斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1…ハンドピース、2…ハウジング、3…把持領域、4…制御部、5…ハウジング開口、6…カバー、7…結合部材、8…ツバ部、9…終結部、10…設置面、11…ハウジングエッジ、12…戻り止め要素(突起)、13…周辺インデント部、14…内壁、15…戻り止め要素(凹部)、16、17…戻り止めエッジ、18…ハウジング長軸、19…抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部、20…入口面取り部、30…追加の戻り止め要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に駆動ユニットを受容するハウジングを有する電動歯ブラシのハンドピースにおいて、前記ハウジング(2)は、前方又は後方ハウジング開口(5)を有し、いずれの開口(5)も、好ましくは防湿及び防水式でカバー(6)により密閉されるように適合されており、摩擦又は/及び積極的な係合固定要素(12,15)、特に、スナップ作用の戻り止め要素がハウジング及び/又はカバー(6)に備えられ、ハウジング(2)にカバー(6)が固定される、前記ハンドピースであって、
前記ハウジングの長軸に対して上昇する少なくとも一つの抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部(19)が前記ハウジング(2)及び/又はカバー(6)に備えられ、これにより、前記カバー(6)は、前記カバーを前記ハウジングの長軸(18)の周りに捩ることにより、前記ハウジング(2)から軸方向で離脱状態になり、前記固定要素(12,15)が解除可能になることを特徴とする、前記ハンドピース。
【請求項2】
前記抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部(19)は、前記ハウジング開口(5)を取り囲むハウジングエッジ(11)によりハウジング(2)上に、かつ、カバー設置面(10)、特に前記ハウジングエッジ(11)に載置されるカバー周縁ショルダー部によりカバー(6)上に形成される、請求項1に記載のハンドピース。
【請求項3】
前記抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部(19)は、同時に、前記カバー(6)と前記ハウジング(2)との間に密閉面を形成する、請求項1または2に記載のハンドピース。
【請求項4】
前記ハウジング開口(5)を取り囲むハウジングエッジ(11)は、前記ハウジング長軸(18)に対して傾斜された湾曲領域または平面で延びている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項5】
前記ハウジングエッジ(11)により画成された平面は、約65°から85°、好ましくは約75°から80°の角度で、前記ハウジングの長軸(18)に対して傾斜している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項6】
前記ハウジング(2)は、一つのハウジング開口(5)を有し、その開口(5)を通って前記駆動ユニットが前記ハウジング(2)内に挿入可能であり、更に/又は、前記カバー(6)が一つのハウジングカバーとなっている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項7】
前記ハウジング(2)は、前記ハウジング開口(5)に向かって僅かに円錐形状で全体に広がっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項8】
前記カバー(6)は、駆動連鎖用スルーホールを有し、そのスルーホールを通って前記駆動ユニットがブラシヘッドに連結可能である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項9】
前記カバー(6)は、付属ブラシを結合する為に結合部材(7)、特に、プラグイン結合部材を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項10】
前記スナップ作用の戻り止め要素(12,15)は、スナップ嵌め込み状態で、前記ハウジング開口(5)を取り囲むハウジングエッジ(11)上に前記カバーを圧入で保持する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項11】
前記ハウジング(2)は、少なくとも2つのプラスチック、特に、軟質プラスチック及び硬質プラスチックの部品から射出成型される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項12】
前記ハウジング開口(5)を取り囲むハウジングエッジ(11)は、軟質プラスチックから形成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項13】
前記戻り止め要素(12,15)は、単なる軸方向運動によりスナップ嵌め込みで係合させる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項14】
前記戻り止め要素を形成する戻り止め突起(12)及び/又は前記ハウジング(2)の内壁は、前記ハウジング開口(5)を取り囲む前記ハウジングエッジ(11)上に入口面取り部(20)を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項15】
戻り止め要素を形成するアンダーカット又は戻り止め突起(12)及び戻り止め凹部(15)は、戻り止めエッジ(16,17)を保有し、これらは、前記ハウジング(2)及び/又は前記カバー(6)の前記長軸(18)の周りで、ほぼ螺旋又は湾曲状に延びている、請求項1〜14のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項16】
前記カバー(6)は、前記カバー(6)の前記ハウジング(2)への挿入に適し、前記ハウジング(2)の内壁に係合するように適合されたツバ部(8)を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項17】
前記ツバ部(8)及び/又は前記ハウジング(2)の隣接した内壁部に、少なくとも一つの抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部が備えられ、前記抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部は、前記ハウジングの長軸の周りに好ましくは螺旋状に広がる、請求項1〜16のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項18】
前記カバーの前記戻り止め要素(12)は、前記ツバ部(8)上に備えられ、逆もまた同じである、請求項1〜17のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項19】
前記カバー及び前記ハウジングの間の前記戻り止め要素に、少なくとも一つの抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部が備えられ、前記抜き勾配テーパ部又は抜き勾配湾曲部は、前記戻り止め要素を形成する戻り止め凹部及び戻り止め突起の底部エッジにより特に形成され、これらのエッジは、前記ハウジング開口又は前記カバーエッジから離れて対面する、請求項1〜17のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項20】
前記戻り止め要素は、好ましくは、ギザギザ状ネジ山部を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載のハンドピース。
【請求項21】
請求項1〜20に従うハンドピースを備えた電動歯ブラシ。
【請求項22】
請求項1〜21に従う電動歯ブラシのハンドピース用充電ユニットであって、
前記ハンドピース(1)の前記ハウジング(2)の前記カバーを、回転させずに前記充電ユニットに固定させる為の固定要素を備える、前記充電ユニット。
【請求項23】
前記固定要素は、凹部を有し、前記凹部に前記カバー(6)のブラシ管プラグイン結合部材(7)が回転させずに挿入可能である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の充電ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−505704(P2009−505704A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527381(P2008−527381)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008230
【国際公開番号】WO2007/022949
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(596181730)ブラウン ゲーエムベーハー (75)
【Fターム(参考)】