電動歯ブラシ
【課題】構造が簡素であり、動力の伝達効率が高く、更に使用感の優れた電動歯ブラシを提供する。
【解決手段】モータ軸3aを有するモータ3と、モータ軸3aと略一直線上に位置してその中央部に設けた支点9を中心に両端部5a,5bを揺動自在に支持されるレバー軸5と、レバー軸5に対してモータ軸3aと反対側に位置して該レバー軸5の軸方向と略直交方向に回転自在に支持されるブラシ体4と、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の端部5aの揺動運動に変換する第一運動変換機構51と、レバー軸5の端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する第二運動変換機構52とを備えて電動歯ブラシを構成する。
【解決手段】モータ軸3aを有するモータ3と、モータ軸3aと略一直線上に位置してその中央部に設けた支点9を中心に両端部5a,5bを揺動自在に支持されるレバー軸5と、レバー軸5に対してモータ軸3aと反対側に位置して該レバー軸5の軸方向と略直交方向に回転自在に支持されるブラシ体4と、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の端部5aの揺動運動に変換する第一運動変換機構51と、レバー軸5の端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する第二運動変換機構52とを備えて電動歯ブラシを構成する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動歯ブラシに関し、詳しくは、モータの回転運動をブラシ体の回転往復運動に変換する為の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動歯ブラシとしては、電動歯ブラシ本体部の先端から側方に円筒状のブラシ体を露出させて備えてあって、ブラシ体に立設したブラシを歯に当てながら、電動歯ブラシ本体部に内蔵したモータを駆動源として該ブラシ体を回転往復駆動して、ブラッシングを行うものが従来から知られている。上記のような電動歯ブラシにおいて、モータ軸の回転運動をブラシ体の回転往復運動に変換して伝達する運動変換機構としては、例えば以下の方式のものが用いられている。
【0003】
まず第一の方式として、モータ軸の回転運動によりシャフトを回転駆動するとともに該シャフトの回転をブラシ体においてクランク構造を用いて回転往復運動に変換する方式のものがある(特許文献1参照)。しかしながらこの方式においては、ブラシ体にクランク構造を設ける必要がある為に、ブラシ体自体を薄く形成することができないという問題がある。加えて、シャフトの軸受を精度良く設ける必要があって構造が簡素化できず、仮に軸受の精度が悪ければこれが動力の伝達効率低下や騒音発生の原因になることや、シャフトが直線形状に限られてブラシ近傍に角度を設けることが困難であるといった問題もある。
【0004】
他の方式としては、モータ軸の回転運動をギアとカムによりシャフトの回転往復運動に変換し、この回転往復運動をブラシ体においてマタイ歯車構造を介して回転往復運動に変換する方式のものがある(特許文献2参照)。また、更に他の方式としては、モータ軸の回転運動をギアとカムによりシャフトの軸方向の直線往復運動に変換し、この直線往復運動によりブラシ体を回転往復運動させる方式のものがある(特許文献3参照)。しかしながら、これらの方式においても、上記した第一の方式と同様の問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特表平11−505742号公報
【特許文献2】
特開平5−137615号公報
【特許文献3】
特開平6−121710号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ブラッシング時の使用感を向上させる為にブラシ体を薄型に形成したりブラシ近傍に角度を設けることが容易であり、構造が簡素化可能であるとともに、動力の伝達効率が高い電動歯ブラシを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る電動歯ブラシを、モータ軸3aを有するモータ3と、モータ軸3aと略一直線上に位置してその中央部に設けた支点9を中心に両端部5a,5bを揺動自在に支持されるレバー軸5と、レバー軸5に対してモータ軸3aと反対側に位置して該レバー軸5の軸方向と略直交方向に回転自在に支持されるブラシ体4と、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の一端部5aの揺動運動に変換する第一運動変換機構51と、レバー軸5の他端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する第二運動変換機構52とを備えていることを特徴とする電動歯ブラシとする。このようにすることで、レバー軸5においては支点9を精度良く設けるだけで動力の伝達効率低下や騒音の発生を有効に防止することができ、シンプル且つ安価な電動歯ブラシを提供することができる。また、レバー軸5が直線状に形成されていなくても支点9によりレバー軸5を確実に支持しておけば動力は問題なく伝達されるので、ブラシ体4近傍に適当な角度を設けることが容易となる。
【0008】
また、上記第一運動変換機構51を、モータ軸3aに連結されて該モータ軸3aの回転運動に伴い偏心回転運動を行う偏心部材6と、偏心部材6と摺動自在に連結して該偏心部材6の偏心回転運動をレバー軸5の揺動運動に変換するように該レバー軸5の一端部5a側に設けた受け部7により形成することも好ましく、このようにすることで、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になる。
【0009】
また、偏心部材6と受け部7との接触部分に、転がり部材25を設けることも好ましく、このようにすることで、摩耗の発生を抑制して第一運動変換機構51の寿命を向上させることができる。
【0010】
また、上記第一運動変換機構51が、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の一端部5aの直線往復運動に変換するスライダクランク機構54であることも好ましく、このようにすることで、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になる。
【0011】
また、上記第二運動変換機構52として、レバー軸5の他端部5bとブラシ体4のうち一方にピン部14を設けるとともに、他方にはピン部14と摺動自在に連結してレバー軸5の他端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する溝部13を設けることも好ましい。このようにすることで、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になるとともに、ブラシ体4を薄く形成することができて口内での使用感も向上する。また、レバー軸5に対してブラシ体4を任意に傾斜させても問題なく動力を伝達可能なので、ブラシ体4近傍に適当な角度を設けることが容易となる。
【0012】
また、レバー軸5を任意方向に屈曲形成することも好ましく、このようにすることで、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができる。
【0013】
また、第一運動変換機構51におけるモータ軸3aとレバー軸5との連結角度と、第二運動変換機構52におけるレバー軸5とブラシ体4との連結角度とを、任意角に設定することも好ましく、このようにすることで、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができる。
【0014】
また、複数のレバー軸35a,35b,…を、揺動運動を伝達するように軸方向に連結させて備え、これら複数のレバー軸35a,35b,…のうち、一端側のレバー軸を第一運動変換機構51を介してモータ軸3aに連結させ、他端側のレバー軸を第二運動変換機構52を介してブラシ体4に連結させることも好ましい。このようにすることで、隣接するレバー軸35a,35b,…を傾斜させて連結させることでブラシ体4近傍に適当な角度を設けることができ、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができる。
【0015】
また、レバー軸5の曲げ剛性を、ブラシ体4から第二運動変換機構52を介してレバー軸5に伝達される負荷の増大に応じて、レバー軸5のブラシ体4側の揺動範囲が減衰していくように設定することも好ましい。このようにすることで、ブラシの押付力が強いときはブラシ体4の回転角度が減衰することとなり、ブラッシング時の歯茎や歯面のエナメル質の破損を予防することができる。
【0016】
また、ブラシ体4の回転中心となる回転支持軸10を、三次元方向に回転自在に備えた保持部材18により支持させて設けることも好ましく、このようにすることで、歯に当てる角度によってブラシ体4が三次元方向に自在に回転することとなり、ブラシ面を歯面と合致させてスムーズで効率的なブラッシングを行うことができる。
【0017】
また、モータ3を備えるグリップ本体部40と、該グリップ本体部40に着脱自在であってレバー軸5とブラシ体4とを備えるブラシ部41とで電動歯ブラシ本体部1を形成することも好ましく、このようにすることで、ブラシ部40がアタッチメントとして交換可能になるとともに、グリップ本体部40側の構造をシンプルにすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施の形態に基づいて説明する。本発明の実施の形態における一例の電動歯ブラシは、図1等に示すように、電動歯ブラシ本体部1の外殻を成すケース2の内部に駆動源であるモータ3を備えるとともに、ケース2の先端部側面からは円筒形のブラシ体4を一部露出させて備えている。ブラシ体4の露出側の正面にはブラシ8を立設しており、また、ケース2内に位置するブラシ体4の下端部には回転中心軸10を設けていて、回転中心軸10を中心にブラシ体4とブラシ8は一体に回転自在となっている。この回転中心軸10は後述のレバー軸5の軸方向と略直交するものである。そして、ケース2内においてモータ3とブラシ体4との間には、その中央部に支点9を有して該支点9を中心に両端部5a,5bがシーソー状に揺動自在となるようにレバー軸5を設けている。
【0019】
モータ3にはレバー軸5側に向けてモータ軸3aを突設させており、モータ軸3aとレバー軸5を略一直線上に位置させている。また、モータ軸3aには図2、図3等にも示すような偏心部材6を圧入により連結させている。レバー軸5の両端部5a,5bのうちモータ軸3aと対向する側の端部5aには、前記偏心部材6を嵌入して連結させる為の受け部7を凹設している。偏心部材6のヘッド部6aはモータ軸3aの回転に伴い偏心回転運動を行うように該モータ軸3aとは偏心させたものであり、受け部7は、前記偏心部材6のヘッド部6aが行う偏心回転運動のうち所定方向の直線往復運動のみをレバー軸5側に伝達して、支点9を中心とした平面的な揺動運動を端部5aに行わせるように形成している。つまり、本例においては、上記の偏心部材6及び受け部7によって、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の一端部である端部5aの揺動運動に変換する第一運動変換機構51を形成している。
【0020】
なお、偏心部材6と受け部7との接触部分には、転がり部材25として図4に示すような回転リング体11を設けても良い。この場合、回転リング体11をリング固定軸12に回転自在に嵌合させてヘッド部6aを形成するとともに、リング固定軸12の一端側を偏心部材6のベース部6bに圧入することでヘッド部6aとベース部6bとを一体化させて偏心部材6を構成している。回転リング体11はリング固定軸12の圧入側と逆側で抜け止めされており、且つ、上記のように回転自在であるので、駆動時にはレバー軸5の受け部7と回転リング体11とが転がり摩擦することとなり、偏心部材6と受け部7との接触部分における摩耗が殆ど発生しなくなる。回転リング体11とリング固定軸12との間にはすべり摩擦が生じるが、これは線接触である為に摩耗は抑制される。これに対して回転リング体11を設けない場合は、偏心部材6と受け部7との接触部分において常に点接触で滑り摩擦することとなり、摩耗が急速に生じてしまう。つまり、上記のような転がり部材25を設けることで、第一運動変換機構51の寿命が向上するものである。
【0021】
図5には、レバー軸5の端部5aとは逆側の端部5bと、ブラシ体4とを示している。図示のように、レバー軸5の端部5bには、その先端が挟み形状となるように溝部13を凹設しており、ブラシ体4の下端部には回転中心軸10と平行に且つ該回転中心軸10とは偏心させて円柱形状のピン部14を設けている。溝部13はピン部14の軸方向に貫通して形成されているので、図6に示すようにレバー軸5の端部5bとブラシ体4とを対向させた状態で溝部13にピン部14を嵌入させると、端部5bの挟み形状の先端部分がピン部14を挟持した状態で溝部13とピン部14とが摺動自在に連結する。ピン部14は溝部13内においてレバー軸5の軸方向にスライド自在であって、レバー軸5が支点9を中心に揺動運動を行うと、溝部13及びピン部14を介してブラシ体4全体が回転中心軸10を中心とした回転往復運動を行う。
【0022】
このように、本例においては、ブラシ体4にピン部14を設けるとともに、レバー軸5の端部5bにピン部14と摺動自在に連結してレバー軸5の端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する溝部13を設けることで、レバー軸5の他端部である端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する第二運動変換機構52を形成しているが、上記構成に限らず、例えば図7に示すように、レバー軸5の端部5bにピン部14´を設けるとともに、ブラシ体4にピン部14´と摺動自在に連結してレバー軸5の端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する溝部13´を設けることでも、同様の第二運動変換機構52を形成することができる。
【0023】
そして、本例においては、上記の第一運動変換機構51、レバー軸5、第二運動変換機構52等を用いてモータ3からブラシ体4に動力を伝達する構成であることから、高効率での駆動力伝達を実現することができるとともに、ブラシ体4の構成も簡素でよくて薄く形成可能となる。加えて、レバー軸5には支点9を精度良く設けるだけで動力の伝達効率低下や騒音の発生を有効に防止することができ、シンプル且つ安価な電動歯ブラシとなるものである。
【0024】
また、本例においては、ブラシ8近傍に適当な角度を設けて効率的なブラッシングを可能にすることができる利点もある。具体的には、例えば図8に示すようにレバー軸5中に屈曲部15を設け、この屈曲部15を介してレバー軸5を任意方向に屈曲形成すれば良い。屈曲部15は第一運動変換機構51側の端部5aと支点9との間に設けても良いし、支点9と第二運動変換機構52との間に設けても良く、いずれの場合であっても、支点9によりレバー軸5を揺動自在に確実に支持しておけば第一及び第二運動変換機構51,52を介して同様の動力伝達を実現することができる。そして、上記構成によって、電動歯ブラシ本体1を構成するグリップ本体部40とブラシ部41とにおいて、使用者が把持して手動操作を行うグリップ本体部40の中心軸C1に対して、ブラシ体4を備えるブラシ部41の中心軸C2を、レバー軸5の屈曲角である角度αだけ傾斜させることができ、ブラシ8の先端を届き難い箇所にまで容易に当てることができて使用性が向上するとともに高効率での歯垢除去が可能となる。
【0025】
また、ブラシ8近傍に適当な角度を設ける為に、図9に示すように第一運動変換機構51においてモータ軸3aの中心軸C3に対してレバー軸5の中心軸C4を傾斜させて、モータ軸3aとレバー軸5の連結角度を任意角に設定しても良いし、第二運動変換機構52においてレバー軸5の中心軸C4に対してブラシ体4の回転中心軸10を通る中心軸C5を直行方向から傾斜させて、レバー軸5とブラシ体4の連結角度を任意角に設定しても良い。いずれの場合であっても、第一運動変換機構51、レバー軸5、第二運動変換機構52等を介して同様の動力伝達を実現することができるものである。
【0026】
また、ブラシ8近傍に適当な角度を設ける為に、図10に示すように、上記したレバー軸5と同様の構成を有する一対のレバー軸35a,35bを、レバー軸35aの溝部16にレバー軸35bのピン部17を嵌入して形成した連結機構53により揺動運動を伝達するように軸方向に連結させて備え、モータ軸3a側のレバー軸35aを同様の第一運動変換機構51を介してモータ軸3aに連結させるとともに、ブラシ体4側のレバー軸35bを同様の第二運動変換機構52を介してブラシ体4に連結させても良い。この場合、連結機構53においてレバー軸35aに対してレバー軸35bを傾斜させて接続しても問題なく揺動運動は伝達されるので、適当な傾斜角の設定によりブラシ8近傍に適当な角度を設定できるものである。なお、レバー軸35a,36bに加えて更に同様のレバー軸(図示せず)を軸方向に連結させて備えるとともに、これら複数のレバー軸35a,36b,…をそれぞれ傾斜させて接続することも好適である。
【0027】
また、更に効率的なブラッシングを実現する為には、図11に示すように、ブラシ体4の回転中心軸10を、側面18aが球形面である保持部材18により回転自在に支持させるとともに、保持部材18をケース2内に形成した臼状部19に球関節のように三次元方向に回動自在に嵌合させて保持することも好適である。この場合、ブラシ体4は回転中心軸10及び保持部材18と一体に三次元方向に自在に向きを変えることができて、使用時にブラシ8を歯に当てる角度に応じてブラシ体4が自在に傾斜して歯面とブラシ面とを合致させるので、スムーズで効率的なブラッシングが可能になるものである。なお、ブラシ体4が任意方向に傾斜しても第二運動変換機構52を介して動力は問題なく伝達される。
【0028】
また、ブラッシングの安全性を高める為に、ブラシ8を強く押し付けた場合にはブラシ体4の回転角度が小さくなるようにすることも好適である。具体的には、ブラシ体4から第二運動変換機構52を介してレバー軸5に伝達される負荷の増大に応じて、レバー軸5のブラシ体4側に位置する端部5bの揺動範囲が減衰していくように、レバー軸5の曲げ剛性を設定する。レバー軸5の曲げ剛性は、使用する材料強度と断面2次モーメントにより設定可能である。図12には、ブラシ回転角度とブラシ押付力との関係を示しているが、従来の電動歯ブラシの場合は図中の細線Aに示すように押付力が強くなると回転数は減少するものの回転角度は略一定に保持され、その為にブラシ8の移動距離が変わらず歯茎や歯面のエナメル質を破損してしまう恐れがあった。これに対して上記のようにレバー軸5の曲げ剛性を設定すると、図中の太線Bに示すように押付力の増加に応じて回転角度が減衰してブラシ8の移動距離が漸次減少するので、歯茎や歯面のエナメル質の破損が防止されて安全な電動歯ブラシとなるものである。
【0029】
そして、図8〜図12に基づいて既述した各構成を組み合わせて用いることも好適であり、いずれの組み合わせにおいても、第一運動変換機構51や第二運動変換機構52を介してモータ3側からブラシ体4側にまで問題なく動力を伝達することができるものである。
【0030】
図13には、電動歯ブラシ本体部1を構成するブラシ部41をグリップ本体部40から着脱自在に設けた場合を示しているが、この場合、モータ3と偏心部材6をグリップ本体部40に備え、ブラシ体4とレバー軸5をブラシ部41に備えるとともに、偏心部材6とレバー軸5の受け部7とがブラシ部41の取外し状態では連結せず、ブラシ部41の装着により偏心部材6と受け部7が連結して第一運動変換機構51を形成するように設けることで、グリップ本体部40側の構造をシンプルにすることができる。
【0031】
次に、本発明の実施の形態における他例の電動歯ブラシについて説明する。なお、他例の構成は第一運動変換機構51についてのみ異なるので、一例と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、特徴的な構成について異符号を付して以下に述べる。
【0032】
図14に示すように、他例のモータ軸3aにはリンク台20を固定させており、リンク台20においてモータ軸3aから径方向に距離L1だけ隔てた箇所には、モータ軸3aと平行な第一リンク軸21の一端21aを接続させるとともに、該第一リンク軸21の他端21bをレバー軸5側に向けて突設させている。レバー軸5の端部5aには、レバー軸5と平行な第二リンク軸22の一端22aを接続させるとともに、該第二リンク軸22の他端22bをモータ軸3a側に向けて突設させている。そして、第一リンク軸21の他端21bと第二リンク軸22の他端22b側とは、リンクアーム23を介して径方向に距離L2を隔てて連結させており、この際、L1<L2となるように設けている。また、レバー軸5の端部5aの周囲には、端部5aの運動方向を所定の直線方向に規制するレバー軸押え板24を設けている。
【0033】
上記構成により、図15に示すようにリンク台20がモータ軸3aと一体回転すると第一リンク軸21が半径L1の回転運動を行う。これに連動して第二リンク軸22はリンクアーム23を介して第一リンク21と距離L2を隔てた状態で運動を行うのだが、レバー軸押え板24により運動を規制されていることから、結果として第一リンク軸21の回転運動に連動して第二リンク軸22が所定方向の直線往復運動を行い、レバー軸5の端部5aに支点9を中心とした揺動運動を行わせるものである。
【0034】
このように、他例においては、第一リンク軸21がクランクの役を為して第二リンク軸22がスライダの役を為すことで、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の一端部である端部5aの直線往復運動に変換するスライダクランク機構54が形成されており、このスライダクランク機構54が他例の第一運動変換機構51となっている。
【0035】
【発明の効果】
上記のように請求項1記載の発明にあっては、レバー軸においては支点を精度良く設けるだけで動力の伝達効率低下や騒音の発生を有効に防止することができ、シンプル且つ安価な電動歯ブラシを提供することができ、また、レバー軸が直線状に形成されていなくても支点によりレバー軸を確実に支持しておけば動力は問題なく伝達されるので、ブラシ体近傍に適当な角度を容易に設けることができるという効果がある。
【0036】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になるという効果がある。
【0037】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項2記載の発明の効果に加えて、摩耗の発生を抑制して第一運動変換機構の寿命を向上させることができるという効果がある。
【0038】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になるという効果がある。
【0039】
また、請求項5記載の発明にあっては、請求項1〜4のいずれか記載の発明の効果に加えて、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になるとともに、ブラシ体を薄く形成することができて口内での使用感も向上し、更に、レバー軸に対してブラシ体を任意に傾斜させても問題なく動力を伝達可能なので、ブラシ体近傍に適当な角度を設けることが容易になるという効果がある。
【0040】
また、請求項6記載の発明にあっては、請求項1〜5のいずれか記載の発明の効果に加えて、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができるという効果がある。
【0041】
また、請求項7記載の発明にあっては、請求項1〜6のいずれか記載の発明の効果に加えて、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができるという効果がある。
【0042】
また、請求項8記載の発明にあっては、請求項1〜7のいずれか記載の発明の効果に加えて、隣接するレバー軸を傾斜させて連結させることでブラシ体近傍に適当な角度を設けることができ、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができるという効果がある。
【0043】
また、請求項9記載の発明にあっては、請求項1〜8のいずれか記載の発明の効果に加えて、ブラシの押付力が強いときはブラシ体の回転角度が減衰し、ブラッシング時の歯茎や歯面のエナメル質の破損を予防することができるという効果がある。
【0044】
また、請求項10記載の発明にあっては、請求項1〜9のいずれか記載の発明の効果に加えて、歯に当てる角度によってブラシ体が三次元方向に自在に回転することとなり、ブラシ面を歯面と合致させてスムーズで効率的なブラッシングを行うことができるという効果がある。
【0045】
また、請求項11記載の発明にあっては、請求項1〜10のいずれか記載の発明の効果に加えて、ブラシ部がアタッチメントとして交換可能になるとともに、グリップ本体部側の構造をシンプルにすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における一例の電動歯ブラシを示しており、(a)は主要部水平断面図、(b)はブラシ体近傍の縦断面図である。
【図2】同上の電動歯ブラシの内部構造を示す斜視図である。
【図3】同上の電動歯ブラシの一部分解斜視図である。
【図4】同上の第一運動変換機構に回転リング体を設けた場合の説明図であり、(a)組み立て前の状態、(b)は組み立て後の状態を示している。
【図5】同上の第二運動変換機構の構造を示す説明図であり、(a)はレバー軸側の構造、(b)はブラシ体側の構造である。
【図6】同上の第二運動変換機構の連結状態を示す説明図であり、(a)は連結前の状態、(b)は連結後の状態、(c)は動力伝達中の状態を示している。
【図7】同上の他の構造を用いた第二運動変換機構の連結状態を示す説明図であり、(a)は連結前の状態、(b)は連結後の状態、(c)は動力伝達中の状態を示している。
【図8】同上のレバー軸を屈曲させた場合の電動歯ブラシの説明図であり、(a)は電動歯ブラシ全体、(b)は内部構造、(c)は屈曲部を他の個所にした場合のレバー軸を示している。
【図9】同上のモータ軸とレバー軸に角度を設けた場合の電動歯ブラシを示す説明図である。
【図10】同上のレバー軸を複数設けて軸方向に連結させた場合の電動歯ブラシを示す説明図である。
【図11】同上のブラシ体を三次元方向に回転自在に支持した場合の電動歯ブラシを示す説明図である。
【図12】同上の安全性を考慮してレバー軸の曲げ剛性を設定した場合の電動歯ブラシと従来の電動歯ブラシとの対比を示す説明図である。
【図13】同上のブラシ部を着脱自在に設けた場合の電動歯ブラシを示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態における他例の電動歯ブラシを示しており、(a)は主要部水平断面図、(b)は(a)の主要部拡大図、(c)はブラシ体近傍の縦断面図である。
【図15】同上の第一運動伝達機構の運動形態を示す説明図であり、(a)は初期状態、(b)は第一リンク軸の90度回転状態、(c)は第一リンク軸の180度回転状態、(d)は第一リンク軸の270度回転状態を示している。
【符号の説明】
1 電動歯ブラシ本体部
3 モータ
3a モータ軸
4 ブラシ体
5 レバー軸
5a 端部
5b 端部
6 偏心部材
7 受け部
9 支点
10 回転中心軸
11 回転リング体
13 溝部
14 ピン部
15 屈曲部
18 保持部材
40 グリップ本体部
41 ブラシ部
51 第一運動変換機構
52 第二運動変換機構
54 スライダクランク機構
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動歯ブラシに関し、詳しくは、モータの回転運動をブラシ体の回転往復運動に変換する為の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動歯ブラシとしては、電動歯ブラシ本体部の先端から側方に円筒状のブラシ体を露出させて備えてあって、ブラシ体に立設したブラシを歯に当てながら、電動歯ブラシ本体部に内蔵したモータを駆動源として該ブラシ体を回転往復駆動して、ブラッシングを行うものが従来から知られている。上記のような電動歯ブラシにおいて、モータ軸の回転運動をブラシ体の回転往復運動に変換して伝達する運動変換機構としては、例えば以下の方式のものが用いられている。
【0003】
まず第一の方式として、モータ軸の回転運動によりシャフトを回転駆動するとともに該シャフトの回転をブラシ体においてクランク構造を用いて回転往復運動に変換する方式のものがある(特許文献1参照)。しかしながらこの方式においては、ブラシ体にクランク構造を設ける必要がある為に、ブラシ体自体を薄く形成することができないという問題がある。加えて、シャフトの軸受を精度良く設ける必要があって構造が簡素化できず、仮に軸受の精度が悪ければこれが動力の伝達効率低下や騒音発生の原因になることや、シャフトが直線形状に限られてブラシ近傍に角度を設けることが困難であるといった問題もある。
【0004】
他の方式としては、モータ軸の回転運動をギアとカムによりシャフトの回転往復運動に変換し、この回転往復運動をブラシ体においてマタイ歯車構造を介して回転往復運動に変換する方式のものがある(特許文献2参照)。また、更に他の方式としては、モータ軸の回転運動をギアとカムによりシャフトの軸方向の直線往復運動に変換し、この直線往復運動によりブラシ体を回転往復運動させる方式のものがある(特許文献3参照)。しかしながら、これらの方式においても、上記した第一の方式と同様の問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特表平11−505742号公報
【特許文献2】
特開平5−137615号公報
【特許文献3】
特開平6−121710号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ブラッシング時の使用感を向上させる為にブラシ体を薄型に形成したりブラシ近傍に角度を設けることが容易であり、構造が簡素化可能であるとともに、動力の伝達効率が高い電動歯ブラシを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る電動歯ブラシを、モータ軸3aを有するモータ3と、モータ軸3aと略一直線上に位置してその中央部に設けた支点9を中心に両端部5a,5bを揺動自在に支持されるレバー軸5と、レバー軸5に対してモータ軸3aと反対側に位置して該レバー軸5の軸方向と略直交方向に回転自在に支持されるブラシ体4と、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の一端部5aの揺動運動に変換する第一運動変換機構51と、レバー軸5の他端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する第二運動変換機構52とを備えていることを特徴とする電動歯ブラシとする。このようにすることで、レバー軸5においては支点9を精度良く設けるだけで動力の伝達効率低下や騒音の発生を有効に防止することができ、シンプル且つ安価な電動歯ブラシを提供することができる。また、レバー軸5が直線状に形成されていなくても支点9によりレバー軸5を確実に支持しておけば動力は問題なく伝達されるので、ブラシ体4近傍に適当な角度を設けることが容易となる。
【0008】
また、上記第一運動変換機構51を、モータ軸3aに連結されて該モータ軸3aの回転運動に伴い偏心回転運動を行う偏心部材6と、偏心部材6と摺動自在に連結して該偏心部材6の偏心回転運動をレバー軸5の揺動運動に変換するように該レバー軸5の一端部5a側に設けた受け部7により形成することも好ましく、このようにすることで、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になる。
【0009】
また、偏心部材6と受け部7との接触部分に、転がり部材25を設けることも好ましく、このようにすることで、摩耗の発生を抑制して第一運動変換機構51の寿命を向上させることができる。
【0010】
また、上記第一運動変換機構51が、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の一端部5aの直線往復運動に変換するスライダクランク機構54であることも好ましく、このようにすることで、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になる。
【0011】
また、上記第二運動変換機構52として、レバー軸5の他端部5bとブラシ体4のうち一方にピン部14を設けるとともに、他方にはピン部14と摺動自在に連結してレバー軸5の他端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する溝部13を設けることも好ましい。このようにすることで、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になるとともに、ブラシ体4を薄く形成することができて口内での使用感も向上する。また、レバー軸5に対してブラシ体4を任意に傾斜させても問題なく動力を伝達可能なので、ブラシ体4近傍に適当な角度を設けることが容易となる。
【0012】
また、レバー軸5を任意方向に屈曲形成することも好ましく、このようにすることで、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができる。
【0013】
また、第一運動変換機構51におけるモータ軸3aとレバー軸5との連結角度と、第二運動変換機構52におけるレバー軸5とブラシ体4との連結角度とを、任意角に設定することも好ましく、このようにすることで、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができる。
【0014】
また、複数のレバー軸35a,35b,…を、揺動運動を伝達するように軸方向に連結させて備え、これら複数のレバー軸35a,35b,…のうち、一端側のレバー軸を第一運動変換機構51を介してモータ軸3aに連結させ、他端側のレバー軸を第二運動変換機構52を介してブラシ体4に連結させることも好ましい。このようにすることで、隣接するレバー軸35a,35b,…を傾斜させて連結させることでブラシ体4近傍に適当な角度を設けることができ、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができる。
【0015】
また、レバー軸5の曲げ剛性を、ブラシ体4から第二運動変換機構52を介してレバー軸5に伝達される負荷の増大に応じて、レバー軸5のブラシ体4側の揺動範囲が減衰していくように設定することも好ましい。このようにすることで、ブラシの押付力が強いときはブラシ体4の回転角度が減衰することとなり、ブラッシング時の歯茎や歯面のエナメル質の破損を予防することができる。
【0016】
また、ブラシ体4の回転中心となる回転支持軸10を、三次元方向に回転自在に備えた保持部材18により支持させて設けることも好ましく、このようにすることで、歯に当てる角度によってブラシ体4が三次元方向に自在に回転することとなり、ブラシ面を歯面と合致させてスムーズで効率的なブラッシングを行うことができる。
【0017】
また、モータ3を備えるグリップ本体部40と、該グリップ本体部40に着脱自在であってレバー軸5とブラシ体4とを備えるブラシ部41とで電動歯ブラシ本体部1を形成することも好ましく、このようにすることで、ブラシ部40がアタッチメントとして交換可能になるとともに、グリップ本体部40側の構造をシンプルにすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施の形態に基づいて説明する。本発明の実施の形態における一例の電動歯ブラシは、図1等に示すように、電動歯ブラシ本体部1の外殻を成すケース2の内部に駆動源であるモータ3を備えるとともに、ケース2の先端部側面からは円筒形のブラシ体4を一部露出させて備えている。ブラシ体4の露出側の正面にはブラシ8を立設しており、また、ケース2内に位置するブラシ体4の下端部には回転中心軸10を設けていて、回転中心軸10を中心にブラシ体4とブラシ8は一体に回転自在となっている。この回転中心軸10は後述のレバー軸5の軸方向と略直交するものである。そして、ケース2内においてモータ3とブラシ体4との間には、その中央部に支点9を有して該支点9を中心に両端部5a,5bがシーソー状に揺動自在となるようにレバー軸5を設けている。
【0019】
モータ3にはレバー軸5側に向けてモータ軸3aを突設させており、モータ軸3aとレバー軸5を略一直線上に位置させている。また、モータ軸3aには図2、図3等にも示すような偏心部材6を圧入により連結させている。レバー軸5の両端部5a,5bのうちモータ軸3aと対向する側の端部5aには、前記偏心部材6を嵌入して連結させる為の受け部7を凹設している。偏心部材6のヘッド部6aはモータ軸3aの回転に伴い偏心回転運動を行うように該モータ軸3aとは偏心させたものであり、受け部7は、前記偏心部材6のヘッド部6aが行う偏心回転運動のうち所定方向の直線往復運動のみをレバー軸5側に伝達して、支点9を中心とした平面的な揺動運動を端部5aに行わせるように形成している。つまり、本例においては、上記の偏心部材6及び受け部7によって、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の一端部である端部5aの揺動運動に変換する第一運動変換機構51を形成している。
【0020】
なお、偏心部材6と受け部7との接触部分には、転がり部材25として図4に示すような回転リング体11を設けても良い。この場合、回転リング体11をリング固定軸12に回転自在に嵌合させてヘッド部6aを形成するとともに、リング固定軸12の一端側を偏心部材6のベース部6bに圧入することでヘッド部6aとベース部6bとを一体化させて偏心部材6を構成している。回転リング体11はリング固定軸12の圧入側と逆側で抜け止めされており、且つ、上記のように回転自在であるので、駆動時にはレバー軸5の受け部7と回転リング体11とが転がり摩擦することとなり、偏心部材6と受け部7との接触部分における摩耗が殆ど発生しなくなる。回転リング体11とリング固定軸12との間にはすべり摩擦が生じるが、これは線接触である為に摩耗は抑制される。これに対して回転リング体11を設けない場合は、偏心部材6と受け部7との接触部分において常に点接触で滑り摩擦することとなり、摩耗が急速に生じてしまう。つまり、上記のような転がり部材25を設けることで、第一運動変換機構51の寿命が向上するものである。
【0021】
図5には、レバー軸5の端部5aとは逆側の端部5bと、ブラシ体4とを示している。図示のように、レバー軸5の端部5bには、その先端が挟み形状となるように溝部13を凹設しており、ブラシ体4の下端部には回転中心軸10と平行に且つ該回転中心軸10とは偏心させて円柱形状のピン部14を設けている。溝部13はピン部14の軸方向に貫通して形成されているので、図6に示すようにレバー軸5の端部5bとブラシ体4とを対向させた状態で溝部13にピン部14を嵌入させると、端部5bの挟み形状の先端部分がピン部14を挟持した状態で溝部13とピン部14とが摺動自在に連結する。ピン部14は溝部13内においてレバー軸5の軸方向にスライド自在であって、レバー軸5が支点9を中心に揺動運動を行うと、溝部13及びピン部14を介してブラシ体4全体が回転中心軸10を中心とした回転往復運動を行う。
【0022】
このように、本例においては、ブラシ体4にピン部14を設けるとともに、レバー軸5の端部5bにピン部14と摺動自在に連結してレバー軸5の端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する溝部13を設けることで、レバー軸5の他端部である端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する第二運動変換機構52を形成しているが、上記構成に限らず、例えば図7に示すように、レバー軸5の端部5bにピン部14´を設けるとともに、ブラシ体4にピン部14´と摺動自在に連結してレバー軸5の端部5bの揺動運動をブラシ体4の回転往復運動に変換する溝部13´を設けることでも、同様の第二運動変換機構52を形成することができる。
【0023】
そして、本例においては、上記の第一運動変換機構51、レバー軸5、第二運動変換機構52等を用いてモータ3からブラシ体4に動力を伝達する構成であることから、高効率での駆動力伝達を実現することができるとともに、ブラシ体4の構成も簡素でよくて薄く形成可能となる。加えて、レバー軸5には支点9を精度良く設けるだけで動力の伝達効率低下や騒音の発生を有効に防止することができ、シンプル且つ安価な電動歯ブラシとなるものである。
【0024】
また、本例においては、ブラシ8近傍に適当な角度を設けて効率的なブラッシングを可能にすることができる利点もある。具体的には、例えば図8に示すようにレバー軸5中に屈曲部15を設け、この屈曲部15を介してレバー軸5を任意方向に屈曲形成すれば良い。屈曲部15は第一運動変換機構51側の端部5aと支点9との間に設けても良いし、支点9と第二運動変換機構52との間に設けても良く、いずれの場合であっても、支点9によりレバー軸5を揺動自在に確実に支持しておけば第一及び第二運動変換機構51,52を介して同様の動力伝達を実現することができる。そして、上記構成によって、電動歯ブラシ本体1を構成するグリップ本体部40とブラシ部41とにおいて、使用者が把持して手動操作を行うグリップ本体部40の中心軸C1に対して、ブラシ体4を備えるブラシ部41の中心軸C2を、レバー軸5の屈曲角である角度αだけ傾斜させることができ、ブラシ8の先端を届き難い箇所にまで容易に当てることができて使用性が向上するとともに高効率での歯垢除去が可能となる。
【0025】
また、ブラシ8近傍に適当な角度を設ける為に、図9に示すように第一運動変換機構51においてモータ軸3aの中心軸C3に対してレバー軸5の中心軸C4を傾斜させて、モータ軸3aとレバー軸5の連結角度を任意角に設定しても良いし、第二運動変換機構52においてレバー軸5の中心軸C4に対してブラシ体4の回転中心軸10を通る中心軸C5を直行方向から傾斜させて、レバー軸5とブラシ体4の連結角度を任意角に設定しても良い。いずれの場合であっても、第一運動変換機構51、レバー軸5、第二運動変換機構52等を介して同様の動力伝達を実現することができるものである。
【0026】
また、ブラシ8近傍に適当な角度を設ける為に、図10に示すように、上記したレバー軸5と同様の構成を有する一対のレバー軸35a,35bを、レバー軸35aの溝部16にレバー軸35bのピン部17を嵌入して形成した連結機構53により揺動運動を伝達するように軸方向に連結させて備え、モータ軸3a側のレバー軸35aを同様の第一運動変換機構51を介してモータ軸3aに連結させるとともに、ブラシ体4側のレバー軸35bを同様の第二運動変換機構52を介してブラシ体4に連結させても良い。この場合、連結機構53においてレバー軸35aに対してレバー軸35bを傾斜させて接続しても問題なく揺動運動は伝達されるので、適当な傾斜角の設定によりブラシ8近傍に適当な角度を設定できるものである。なお、レバー軸35a,36bに加えて更に同様のレバー軸(図示せず)を軸方向に連結させて備えるとともに、これら複数のレバー軸35a,36b,…をそれぞれ傾斜させて接続することも好適である。
【0027】
また、更に効率的なブラッシングを実現する為には、図11に示すように、ブラシ体4の回転中心軸10を、側面18aが球形面である保持部材18により回転自在に支持させるとともに、保持部材18をケース2内に形成した臼状部19に球関節のように三次元方向に回動自在に嵌合させて保持することも好適である。この場合、ブラシ体4は回転中心軸10及び保持部材18と一体に三次元方向に自在に向きを変えることができて、使用時にブラシ8を歯に当てる角度に応じてブラシ体4が自在に傾斜して歯面とブラシ面とを合致させるので、スムーズで効率的なブラッシングが可能になるものである。なお、ブラシ体4が任意方向に傾斜しても第二運動変換機構52を介して動力は問題なく伝達される。
【0028】
また、ブラッシングの安全性を高める為に、ブラシ8を強く押し付けた場合にはブラシ体4の回転角度が小さくなるようにすることも好適である。具体的には、ブラシ体4から第二運動変換機構52を介してレバー軸5に伝達される負荷の増大に応じて、レバー軸5のブラシ体4側に位置する端部5bの揺動範囲が減衰していくように、レバー軸5の曲げ剛性を設定する。レバー軸5の曲げ剛性は、使用する材料強度と断面2次モーメントにより設定可能である。図12には、ブラシ回転角度とブラシ押付力との関係を示しているが、従来の電動歯ブラシの場合は図中の細線Aに示すように押付力が強くなると回転数は減少するものの回転角度は略一定に保持され、その為にブラシ8の移動距離が変わらず歯茎や歯面のエナメル質を破損してしまう恐れがあった。これに対して上記のようにレバー軸5の曲げ剛性を設定すると、図中の太線Bに示すように押付力の増加に応じて回転角度が減衰してブラシ8の移動距離が漸次減少するので、歯茎や歯面のエナメル質の破損が防止されて安全な電動歯ブラシとなるものである。
【0029】
そして、図8〜図12に基づいて既述した各構成を組み合わせて用いることも好適であり、いずれの組み合わせにおいても、第一運動変換機構51や第二運動変換機構52を介してモータ3側からブラシ体4側にまで問題なく動力を伝達することができるものである。
【0030】
図13には、電動歯ブラシ本体部1を構成するブラシ部41をグリップ本体部40から着脱自在に設けた場合を示しているが、この場合、モータ3と偏心部材6をグリップ本体部40に備え、ブラシ体4とレバー軸5をブラシ部41に備えるとともに、偏心部材6とレバー軸5の受け部7とがブラシ部41の取外し状態では連結せず、ブラシ部41の装着により偏心部材6と受け部7が連結して第一運動変換機構51を形成するように設けることで、グリップ本体部40側の構造をシンプルにすることができる。
【0031】
次に、本発明の実施の形態における他例の電動歯ブラシについて説明する。なお、他例の構成は第一運動変換機構51についてのみ異なるので、一例と同様の構成については同一符号を付して説明を省略し、特徴的な構成について異符号を付して以下に述べる。
【0032】
図14に示すように、他例のモータ軸3aにはリンク台20を固定させており、リンク台20においてモータ軸3aから径方向に距離L1だけ隔てた箇所には、モータ軸3aと平行な第一リンク軸21の一端21aを接続させるとともに、該第一リンク軸21の他端21bをレバー軸5側に向けて突設させている。レバー軸5の端部5aには、レバー軸5と平行な第二リンク軸22の一端22aを接続させるとともに、該第二リンク軸22の他端22bをモータ軸3a側に向けて突設させている。そして、第一リンク軸21の他端21bと第二リンク軸22の他端22b側とは、リンクアーム23を介して径方向に距離L2を隔てて連結させており、この際、L1<L2となるように設けている。また、レバー軸5の端部5aの周囲には、端部5aの運動方向を所定の直線方向に規制するレバー軸押え板24を設けている。
【0033】
上記構成により、図15に示すようにリンク台20がモータ軸3aと一体回転すると第一リンク軸21が半径L1の回転運動を行う。これに連動して第二リンク軸22はリンクアーム23を介して第一リンク21と距離L2を隔てた状態で運動を行うのだが、レバー軸押え板24により運動を規制されていることから、結果として第一リンク軸21の回転運動に連動して第二リンク軸22が所定方向の直線往復運動を行い、レバー軸5の端部5aに支点9を中心とした揺動運動を行わせるものである。
【0034】
このように、他例においては、第一リンク軸21がクランクの役を為して第二リンク軸22がスライダの役を為すことで、モータ軸3aの回転運動をレバー軸5の一端部である端部5aの直線往復運動に変換するスライダクランク機構54が形成されており、このスライダクランク機構54が他例の第一運動変換機構51となっている。
【0035】
【発明の効果】
上記のように請求項1記載の発明にあっては、レバー軸においては支点を精度良く設けるだけで動力の伝達効率低下や騒音の発生を有効に防止することができ、シンプル且つ安価な電動歯ブラシを提供することができ、また、レバー軸が直線状に形成されていなくても支点によりレバー軸を確実に支持しておけば動力は問題なく伝達されるので、ブラシ体近傍に適当な角度を容易に設けることができるという効果がある。
【0036】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になるという効果がある。
【0037】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項2記載の発明の効果に加えて、摩耗の発生を抑制して第一運動変換機構の寿命を向上させることができるという効果がある。
【0038】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になるという効果がある。
【0039】
また、請求項5記載の発明にあっては、請求項1〜4のいずれか記載の発明の効果に加えて、簡単な構造により高効率での動力伝達が可能になるとともに、ブラシ体を薄く形成することができて口内での使用感も向上し、更に、レバー軸に対してブラシ体を任意に傾斜させても問題なく動力を伝達可能なので、ブラシ体近傍に適当な角度を設けることが容易になるという効果がある。
【0040】
また、請求項6記載の発明にあっては、請求項1〜5のいずれか記載の発明の効果に加えて、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができるという効果がある。
【0041】
また、請求項7記載の発明にあっては、請求項1〜6のいずれか記載の発明の効果に加えて、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができるという効果がある。
【0042】
また、請求項8記載の発明にあっては、請求項1〜7のいずれか記載の発明の効果に加えて、隣接するレバー軸を傾斜させて連結させることでブラシ体近傍に適当な角度を設けることができ、奥歯等のブラシ先端の届き難い箇所に当てることが更に容易になり、ブラッシング時の使用性が向上するとともに歯垢を高効率で除去することができるという効果がある。
【0043】
また、請求項9記載の発明にあっては、請求項1〜8のいずれか記載の発明の効果に加えて、ブラシの押付力が強いときはブラシ体の回転角度が減衰し、ブラッシング時の歯茎や歯面のエナメル質の破損を予防することができるという効果がある。
【0044】
また、請求項10記載の発明にあっては、請求項1〜9のいずれか記載の発明の効果に加えて、歯に当てる角度によってブラシ体が三次元方向に自在に回転することとなり、ブラシ面を歯面と合致させてスムーズで効率的なブラッシングを行うことができるという効果がある。
【0045】
また、請求項11記載の発明にあっては、請求項1〜10のいずれか記載の発明の効果に加えて、ブラシ部がアタッチメントとして交換可能になるとともに、グリップ本体部側の構造をシンプルにすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における一例の電動歯ブラシを示しており、(a)は主要部水平断面図、(b)はブラシ体近傍の縦断面図である。
【図2】同上の電動歯ブラシの内部構造を示す斜視図である。
【図3】同上の電動歯ブラシの一部分解斜視図である。
【図4】同上の第一運動変換機構に回転リング体を設けた場合の説明図であり、(a)組み立て前の状態、(b)は組み立て後の状態を示している。
【図5】同上の第二運動変換機構の構造を示す説明図であり、(a)はレバー軸側の構造、(b)はブラシ体側の構造である。
【図6】同上の第二運動変換機構の連結状態を示す説明図であり、(a)は連結前の状態、(b)は連結後の状態、(c)は動力伝達中の状態を示している。
【図7】同上の他の構造を用いた第二運動変換機構の連結状態を示す説明図であり、(a)は連結前の状態、(b)は連結後の状態、(c)は動力伝達中の状態を示している。
【図8】同上のレバー軸を屈曲させた場合の電動歯ブラシの説明図であり、(a)は電動歯ブラシ全体、(b)は内部構造、(c)は屈曲部を他の個所にした場合のレバー軸を示している。
【図9】同上のモータ軸とレバー軸に角度を設けた場合の電動歯ブラシを示す説明図である。
【図10】同上のレバー軸を複数設けて軸方向に連結させた場合の電動歯ブラシを示す説明図である。
【図11】同上のブラシ体を三次元方向に回転自在に支持した場合の電動歯ブラシを示す説明図である。
【図12】同上の安全性を考慮してレバー軸の曲げ剛性を設定した場合の電動歯ブラシと従来の電動歯ブラシとの対比を示す説明図である。
【図13】同上のブラシ部を着脱自在に設けた場合の電動歯ブラシを示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態における他例の電動歯ブラシを示しており、(a)は主要部水平断面図、(b)は(a)の主要部拡大図、(c)はブラシ体近傍の縦断面図である。
【図15】同上の第一運動伝達機構の運動形態を示す説明図であり、(a)は初期状態、(b)は第一リンク軸の90度回転状態、(c)は第一リンク軸の180度回転状態、(d)は第一リンク軸の270度回転状態を示している。
【符号の説明】
1 電動歯ブラシ本体部
3 モータ
3a モータ軸
4 ブラシ体
5 レバー軸
5a 端部
5b 端部
6 偏心部材
7 受け部
9 支点
10 回転中心軸
11 回転リング体
13 溝部
14 ピン部
15 屈曲部
18 保持部材
40 グリップ本体部
41 ブラシ部
51 第一運動変換機構
52 第二運動変換機構
54 スライダクランク機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ軸を有するモータと、モータ軸と略一直線上に位置してその中央部に設けた支点を中心に両端部を揺動自在に支持されるレバー軸と、レバー軸に対してモータ軸と反対側に位置して該レバー軸の軸方向と略直交方向に回転自在に支持されるブラシ体と、モータ軸の回転運動をレバー軸の一端部の揺動運動に変換する第一運動変換機構と、レバー軸の他端部の揺動運動をブラシ体の回転往復運動に変換する第二運動変換機構とを備えていることを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項2】
第一運動変換機構を、モータ軸に連結されて該モータ軸の回転運動に伴い偏心回転運動を行う偏心部材と、偏心部材と摺動自在に連結して該偏心部材の偏心回転運動をレバー軸の揺動運動に変換するように該レバー軸の一端部側に設けた受け部により形成することを特徴とする請求項1記載の電動歯ブラシ。
【請求項3】
偏心部材と受け部との接触部分に、転がり部材を設けていることを特徴とする請求項2記載の電動歯ブラシ。
【請求項4】
第一運動変換機構が、モータ軸の回転運動をレバー軸の一端部の直線往復運動に変換するスライダクランク機構であることを特徴とする請求項1記載の電動歯ブラシ。
【請求項5】
第二運動変換機構として、レバー軸の他端部とブラシ体のうち一方にピン部を設けるとともに、他方にはピン部と摺動自在に連結してレバー軸の他端部の揺動運動をブラシ体の回転往復運動に変換する溝部を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項6】
レバー軸を任意方向に屈曲形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項7】
第一運動変換機構におけるモータ軸とレバー軸との連結角度と、第二運動変換機構におけるレバー軸とブラシ体との連結角度とを、任意角に設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項8】
複数のレバー軸を、揺動運動を伝達するように軸方向に連結させて備え、これら複数のレバー軸のうち、一端部側のレバー軸を第一運動変換機構を介してモータ軸に連結させ、他端側のレバー軸を第二運動変換機構を介してブラシ体に連結させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項9】
レバー軸の曲げ剛性を、ブラシ体から第二運動変換機構を介してレバー軸に伝達される負荷の増大に応じて、レバー軸のブラシ体側の揺動範囲が減衰していくように設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項10】
ブラシ体の回転中心となる回転支持軸を、三次元方向に回転自在に備えた保持部材により支持させて設けることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項11】
モータを備えるグリップ本体部と、該グリップ本体部に着脱自在であってレバー軸とブラシ体とを備えるブラシ部とで電動歯ブラシ本体部を形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項1】
モータ軸を有するモータと、モータ軸と略一直線上に位置してその中央部に設けた支点を中心に両端部を揺動自在に支持されるレバー軸と、レバー軸に対してモータ軸と反対側に位置して該レバー軸の軸方向と略直交方向に回転自在に支持されるブラシ体と、モータ軸の回転運動をレバー軸の一端部の揺動運動に変換する第一運動変換機構と、レバー軸の他端部の揺動運動をブラシ体の回転往復運動に変換する第二運動変換機構とを備えていることを特徴とする電動歯ブラシ。
【請求項2】
第一運動変換機構を、モータ軸に連結されて該モータ軸の回転運動に伴い偏心回転運動を行う偏心部材と、偏心部材と摺動自在に連結して該偏心部材の偏心回転運動をレバー軸の揺動運動に変換するように該レバー軸の一端部側に設けた受け部により形成することを特徴とする請求項1記載の電動歯ブラシ。
【請求項3】
偏心部材と受け部との接触部分に、転がり部材を設けていることを特徴とする請求項2記載の電動歯ブラシ。
【請求項4】
第一運動変換機構が、モータ軸の回転運動をレバー軸の一端部の直線往復運動に変換するスライダクランク機構であることを特徴とする請求項1記載の電動歯ブラシ。
【請求項5】
第二運動変換機構として、レバー軸の他端部とブラシ体のうち一方にピン部を設けるとともに、他方にはピン部と摺動自在に連結してレバー軸の他端部の揺動運動をブラシ体の回転往復運動に変換する溝部を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項6】
レバー軸を任意方向に屈曲形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項7】
第一運動変換機構におけるモータ軸とレバー軸との連結角度と、第二運動変換機構におけるレバー軸とブラシ体との連結角度とを、任意角に設定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項8】
複数のレバー軸を、揺動運動を伝達するように軸方向に連結させて備え、これら複数のレバー軸のうち、一端部側のレバー軸を第一運動変換機構を介してモータ軸に連結させ、他端側のレバー軸を第二運動変換機構を介してブラシ体に連結させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項9】
レバー軸の曲げ剛性を、ブラシ体から第二運動変換機構を介してレバー軸に伝達される負荷の増大に応じて、レバー軸のブラシ体側の揺動範囲が減衰していくように設定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項10】
ブラシ体の回転中心となる回転支持軸を、三次元方向に回転自在に備えた保持部材により支持させて設けることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【請求項11】
モータを備えるグリップ本体部と、該グリップ本体部に着脱自在であってレバー軸とブラシ体とを備えるブラシ部とで電動歯ブラシ本体部を形成することを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載の電動歯ブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−55178(P2006−55178A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−330057(P2002−330057)
【出願日】平成14年11月13日(2002.11.13)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年11月13日(2002.11.13)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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