説明

電動歯ブラシ

電動歯ブラシが提供される。電動歯ブラシは、ハンドル、キャリア及び長手方向軸線を有するヘッド、並びにハンドルとヘッドの間に配置されるネックを有する。モーターはハンドル内に配置される。シャフトはモーターに動作可能に接続される。シャフトは、動作可能にキャリアに接続され、第1動作でキャリアを作動駆動する。使用者の力を受けた時、キャリアは、第2動作で作動できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動歯ブラシ、特に複数の動作で作動するキャリアを有する電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
可動キャリアを利用した電動歯ブラシは、当該技術分野において既知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、複数の動作を有するキャリアを利用した電動歯ブラシの提供に継続する要望があり、それは、機械的に効率がよく、及び/又はより小型でよりコンパクトな装置である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
電動歯ブラシが提供される。電動歯ブラシは、ハンドル、キャリア及び長手方向軸線を有するヘッド、並びにハンドルとヘッドの間に配置されるネックを有してよい。モーターは、ハンドル内に配置されてよい。シャフトは、モーターに動作可能に接続されてよい。シャフトは、キャリアに動作可能に接続されてよく、第1動作でキャリアを駆動する。キャリアは、使用者の力を受けた時、第2動作で駆動してよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
ここで本発明の各種実施形態を参照し、その実施例を添付図面で説明するが、類似した番号は図全体にわたって同じ要素を表す。図1に関して、電動歯ブラシ20がここで説明される。電動歯ブラシ20は、ハンドル22、ネック24及びヘッド26を備えてよい。ネック24は、ハンドル22と一体的に形成されるか、又は別個の構成要素として供給されてもよい。ハンドル22は、ハンドル22の一部を螺合で係合するキャップ28を有してよい。電動モータ30は、電圧源と共にハンドル22内に配置されてよい。電圧源は、ハンドル22内に配置されるクレードル34に収納される1以上のバッテリ32の形態で設けられてよい。モーター30は、回転式出力軸及び回転式出力軸に取り付けられた出力歯車38を有してよい。出力歯車38は、被動歯車40を係合し、更には被動歯車40の偏心柱(eccentric post)37を係合する細長いスロット45を備える連結具44を有するシャフト42に動作可能に接続されてよい。スロット45は、シャフト42の長手方向軸線47に沿ってそろえられてよい。シャフトは、ハンドル22又はネック24により捕捉され得るブッシング46を含んでよい。ブッシング46は、ブッシング46の周りにシャフト42を旋回可能ないかなる可撓性材料で形成されもよい。好適な材料には、天然又は合成ゴムなどのエラストマーポリマーを挙げることができる。ブッシング46は、旋回軸のように機能し、その周りをシャフト42が回転する。ブッシング46の位置は、ヘッド26に隣接するシャフト42の末端部で所望の大きさの側方向動作を実現するため、シャフト42の全長に沿って変更されてよい。被動歯車40が回転すると、シャフト42は、ブッシング46の周りを側方向動作で旋回できる(図2参照)。シャフト42の側方向動作は、実質的に又は完全に1つの平面で起こってよい。
【0006】
更に、図1に示されるように、ヘッド26は、上部ハウジング70(図8参照)、中央部ハウジング72及び下部ハウジング74から作製されてよい。ヘッド26は、第1の自由端48、及びネック24を係合する第2の自由端50を有してよい。ヘッドは、1以上のキャリアを含んでよい。電動歯ブラシ20は、1つ又は複数のキャリアを備えてよい。第1キャリア52は、第1末端部48に隣接して配置されてよく、第2キャリア54は、第2末端部50に隣接して配置されてよい。図3に示すように、第1キャリアは、ヘッド26の長手方向軸線58に実質的に垂直である軸線56の周りを振動してよい。図4に示されるように、第2キャリア54(52)は、ヘッド26の長手方向軸線58に垂直な側方向に又は側方向動作で往復運動してよい。図4に示される側方向動作が、ヘッド26の長手方向軸線58に実質的に垂直である限りは、第2キャリア54(52)の他の側方向動作が付与され得ると予想される。例えば、第2キャリア54(52)は、ピン又はヒンジ53の周りを揺動又は旋回してもよい。図5に示されるように、ピン又はヒンジ53は、異なる種類の側方向動作を付与するため末端部又は中央部等の第2キャリア54(52)の他の位置に備えられてよい。
【0007】
図6及び7に示されるように、シャフト42の末端部66は、動作可能に第1キャリア52(54)のスロット68を係合し、軸線56周りの振動で第1キャリア52(54)を作動してよい。図8に示されるように、シャフト42は、第2キャリア54(52)のカムフォロア60を通過してよい。カムフォロア60は、シャフト42の部分を収容してよい。通常、スロット64が、側方向動作で第2キャリア54を誘導するよう、カムフォロア60は、ヘッド26のスロット64内に収容されてよい。
【0008】
スロット64の部分は、可撓性壁76により側面に位置されてよい。可撓性壁76は、ヘッド26の長手方向軸線58に対して横方向に向けられてよい。可撓性壁76は、第2キャリア54が使用者の力を受ける時、ヘッド26の長手方向軸線58に沿った動作で第2キャリア54の運動に備えてよい。すなわち、使用者が電動歯ブラシ20をオンにする時、第2キャリア54は、側方向に作動するだけでよい。だが、使用者が歯をブラシングする時、使用者は、側方向動作を越える方向と動作で第2キャリア54を操作する力をおそらく投入する。これらの力には、一般にヘッド26の長手方向軸線58に沿って第2キャリア54を作動する力がおそらく含まれる。可撓性壁76は、ヘッド26の長手方向軸線58に沿って第2キャリア54を多少移動できるであろう(図9参照)。使用者により操作される時の第2キャリア54の動作は、楕円形78、円等の動作であってよく、したがって標準的なブラシング動作と矛盾しない。第2キャリア54が第1動作に限られている時(例えば、ヘッドの長手方向軸線に対して側方向)、ブラシの電池電力は、通常保存される、というのは歯をブラッシング又はフロスする時、使用者の操作又はバイアスさせる力は、第1動作に対して作用するかわりに第2動作に移動されるからである(例えば、ヘッドの長手方向軸線に沿って又はヘッドの長手方向軸線と一直線となって)。ただ単に力を入れるだけで、かつて第1動作に対して作用した使用者の力が、今度は第2、第3、第4等の動作に使用される。
【0009】
可撓性壁76は、使用者の力が可撓性壁76に対して第2キャリア54を作動するまで第2キャリア54をバイアスできない。これは、第2キャリアが可撓性壁の間を自由に動きまわる空間が無くなるように可撓性壁76をすぐ隣接した第2キャリア54に向けることにより達成できる。又、第2キャリア54と可撓性壁76の間に所望の大きさの空間を残してもよい。更に、1つの可撓性壁76を使用し、使用者の力を受けた時に移動するための限定された経路を第2キャリア54に備えることがおそらく望ましいであろう。
【0010】
又、カムフォロア60が可撓性壁76で完全に取り囲まれ、その結果、更に、第2キャリア54の第1動作が使用者の力によって補完され、その結果、第2キャリア54の側方向動作が使用者の力で拡大され得ることが予想される。
【0011】
ヘッド26のハウジング(例えば、70,72、及び74)の構造の一部を可撓性にする代りに、少なくともカムフォロア60の部分を可撓性にすることにより同じ動的動作が実現されてよい。カムフォロア60は、天然又は合成ゴム等のエラストマーポリマーを包含する好適な材料を含んでよい。
【0012】
図10に示されるように、電動歯ブラシ20は、ヘッド26の長手方向軸線58に沿って往復運動する1つのキャリア80だけを備えてよい。ヘッド26は、その長手方向軸線58に沿って動く細長いスロット64を有する主ハウジング82を備えてよい。スロット64は、ネック24収容末端部88のタブ86を収容する溝84を有してよい。又、主ハウジング82は、ネック24開口部92に収容されるボールジョイント90を有してよい。キャリア80は、バネクリップ94に固着又は動作可能に接続されるアーム90を有してよい。
【0013】
キャリア80は、シャフト42’により細長いスロット64に沿って往復運動し、このようにしてヘッド26の長手方向軸線58に沿って又は長手方向軸線58と一直線となって往復運動してよい。キャリア80が、細長いスロット64に沿った動作で作動すると、バネクリップ94が、ネック24の左側壁96と右側壁98に沿ってまたがり、その結果、バネクリップ94の左足100と右足102が、左側壁96と右側壁98に対してバイアスされてよい。あるいは、バネクリップ94(64)は、左右側壁96及び98の間を自由に動きまわってもよい。
【0014】
バネクリップ94(64)は、キャリア80が使用者の力を受ける時、ヘッド26の長手方向軸線58を横切る動作でキャリアの運動に備えてよい。すなわち、使用者が電動歯ブラシ20をオンにする時、キャリア80は、ヘッド26の長手方向軸線58に沿って作動するだけでよい。だが、使用者が歯をブラシングする時、使用者は、一般にヘッド26の長手方向軸線58を横切るキャリア80の動作をおそらく操作し、従って、バネクリップ94(64)は、キャリア80をヘッド26の長手方向軸線58を横切って多少移動できる。従って、キャリア80が、ヘッド26の長手方向軸線58に沿って作動しているとき、それは、ヘッド26の長手方向軸線58を横切り作動されてもよい。キャリア80が使用者の力を受けている時、それは、アーム90の周りを旋回させてもよい。従って、図11及び12に示されるように、キャリア80の前側部分104がヘッド26の長手方向軸線58を横切って1つの方向に作動されているとき、キャリア80の後側部分106はヘッド26の長手方向軸線58を横切って反対方向に作動される。キャリア80は、キャリア80の長手方向軸線116が主ハウジング82(1)の長手方向軸線114から約5〜約50度、約15〜約30度、又は約20〜約25度であるように旋回されてよく、これに対してキャリア80が旋回されない時、その長手方向軸線116は、一般に主ハウジング82の長手方向軸線114と一直線となっており、従って、一般にシャフト42’の長手方向軸線47と一直線となる。
【0015】
バネクリップ94は、使用者の力が無い時、キャリア80をほんの僅かバイアスでき、いったんキャリア80が使用者の力に直面するとキャリア80をより大きくバイアスできる。あるいは、使用者の力が無い時、バネクリップ94は、バネクリップ94が使用者の力が在るまでキャリア80をバイアスしないようにネック24の側壁96及び98の間を自由に動きまわることができ、バネクリップ94をネック24の側壁96及び98に無理に逆らわせることで、キャリア80をバイアスする。
【0016】
図13及び14に示されるように、キャリア80は、着/脱可能な毛プレート108又は着/脱可能なフロスプレート110を収容してよい。プレート108及び110は、フック及びループ、スナップ嵌め、摩擦嵌め、ねじ止め(円形のプレート上)等により取り付けられてよい。更に、フロス112は、プレート108(2)の基盤の上面、キャリア80(θ3)の上面、又はフロス面108(θ4)の長手方向軸線118を基準にして約5〜約50度、約15〜約30度又は約20〜約25度の傾斜した向きにされてよい。
【0017】
毛120は、毛プレート110の上面122を基準にして傾斜した向きにされてよい。1以上の毛120又は毛の房は、天然又は合成エラストマー材から作られてよい。又、毛プレート110は、1以上のエラストマーフィンガー124を備えてよい。
【0018】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲内においては、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0019】
本発明の特定の実施形態を図示し説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多様な他の変更及び修正が可能であることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【0020】
本明細書は、本発明を対象とする特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付図面と併せた以下の説明から更に理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に従って作られた電動歯ブラシの組み立て分解斜視図。
【図2】図1の電動歯ブラシのシャフト、ブッシング及び被動歯車の平面図。
【図3】図1の歯ブラシのヘッドの側面図。
【図4】図3のヘッドの平面図。
【図5】図1の歯ブラシと共に使用するのに好適なヘッドの別の実施形態の平面図。
【図6】図1の歯ブラシの第1キャリアの側面図。
【図7】図6の第1キャリアの別の側面図。
【図8】図1の他の実施形態の組立て分解斜視図で、可撓性壁を有するヘッドを示す。
【図9】図8のヘッドの平面図。
【図10】図1の他の実施形態の組立て分解斜視図で、バネクリップを有するヘッドを示す。
【図11】図10のヘッドの平面図。
【図12】図10のヘッドの平面図。
【図13】着/脱可能なフロスプレートを備える図10のヘッドの組立て分解斜視図。
【図14】着/脱可能な毛プレートを備える図10のヘッドの組立て分解斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、
キャリアと長手方向軸線を含むヘッドと、
前記ハンドルと前記ヘッドの間に配置されるネックと、
前記ハンドル内に配置されるモーターと、
前記モーターに動作可能に接続されるシャフトと、を備える電動歯ブラシであって、
前記シャフトが前記キャリアに動作可能に接続され、第1動作で前記キャリアを作動駆動し、使用者の力を受けた時に第2動作で前記キャリアを駆動可能な電動歯ブラシ。
【請求項2】
前記ヘッドが、バネを備え、前記キャリアが、前記バネと動作的に接続している、請求項1に記載の電動歯ブラシ。
【請求項3】
前記バネは、前記キャリアが前記第1動作で作動している時に前記キャリアにバイアスをかけ、前記キャリアが前記第2動作で作動している時前記キャリアにバイアスをかける、請求項2に記載の電動歯ブラシ。
【請求項4】
前記キャリアに対する前記バネのバイアスが、前記第1動作の作動時よりも前記第2動作の作動時の方が大きい、請求項3に記載の電動歯ブラシ。
【請求項5】
前記バネが、バネクリップである、請求項2,3又は4に記載の電動歯ブラシ。
【請求項6】
前記バネは、前記キャリアが前記第1動作で作動している時に、実質的に前記キャリアにバイアスをかけず、及び前記バネは、前記キャリアが前記第2動作で作動している時に、前記キャリアにバイアスをかける、請求項3又は4に記載の電動歯ブラシ。
【請求項7】
前記バネが、1以上の可撓性壁である、請求項2,3又は4に記載の電動歯ブラシ。
【請求項8】
前記第1動作が、一般に前記ヘッドの前記長手方向軸線に沿う、請求項3,4又は6に記載の電動歯ブラシ。
【請求項9】
前記第1動作が、一般に前記ヘッドの前記長手方向軸線を横切る、請求項3,4又は6に記載の電動歯ブラシ。
【請求項10】
前記キャリアは、前記第1又は第2の動作が使用者の力で補完される可撓性カムを備える、請求項3,4又は6に記載の電動歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−522759(P2008−522759A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545661(P2007−545661)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/044604
【国際公開番号】WO2006/063226
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】