説明

電動歯ブラシ

【課題】従来技術の問題点を解決する。
【解決手段】歯ブラシのヘッド、例えば、電動歯ブラシ用のものが提供されている。歯ブラシのヘッドは、支持部、及び支持部から延びる複数の毛又は房であり、少なくともいくつかの毛又は房が異なる高さを有し、毛の高さが2つの対称面について非並進的な鏡像対称になるように配置されることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関する。より詳細には電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
電動歯ブラシはよく知られており、市場に何年も出回っている。通常の電動歯ブラシにおいては、ブラシヘッドの毛の房は、通常ヘッドの表面から垂直に延びている。ヘッドは振動し、回転及び/又は順番に平行移動し、促進された洗浄能力を提供する。
【0003】
多くの電動歯ブラシにおいて、ヘッドの上面は通常円形をしており、大きな歯を一本ずつ及び小さな歯を二本ずつ洗浄する寸法であり、通常、ほとんどの房がブラッシングの際、歯にあたっている。いくつかの電動歯ブラシにおいては、ヘッドは略楕円形をしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は従来技術の問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概して、本発明の特徴は、房及び/又は毛の房の特定のアレンジを有する電動歯ブラシ、そのようなヘッドを有する電動歯ブラシ、及びそのようなヘッド及び歯ブラシを使用する方法である。
【0006】
1つの特徴としては、本発明は、長い支持部を有する電動歯ブラシ用ヘッド、及び支持部から延びる複数の房であり、少なくともいくつかの房が異なる高さを有し、それらの高さが2つの対称面について非並進的な鏡像対称になるように配置されていることを特徴とする。
【0007】
もう1つの特徴としては、本発明は、長い支持部を有する電動歯ブラシ用ヘッド、及び支持部から延びる複数の房であり、毛の房が少なくとも3つの異なる高さを有しており、房は、その端が円形の輪郭を示すように配置されていることを特徴とする。
【0008】
これらのいくつかの特徴の実施には、1つ以上の以下の特徴を含む。房又は毛は、支持部の表面から測って、異なる長さを有することができる。あるいは、又は追加として、房又は毛は、支持部の上面から同じ長さ延びることができる。そして、上面は、房又は毛が、上面の最も低い部分を通して平行面で測った場合に異なる高さになるように成形される。対称の2面は、ブラシヘッドの中心軸に配置することができる。房は、整列して配置することができ、そして、房の先は、連続的な曲面を示す。対称の2面は、楕円形の支持部の中心付近で交差することも可能である。ヘッドは、振動回転する動きを有する電動歯ブラシに使用するために構成されていてもよい。毛の房は、少なくとも4つの異なる高さを有していてもよい。円形の輪郭は、ヘッドの回転付近で最も低くなっていてもよい。支持部の表面は、170から200mmの全体表面積を有していてもよい。ヘッドは、さらに、1つ以上の弾性素子を有していてもよい。房は、2面対称になるように高さが対称的に配置されてもよい。一番高さのある毛の長さは、一番短い毛の長さより20乃至50%長い。支持部の上面は、約14乃至19mm、例えば、約16乃至17mmの長さを有することができる。上面は、約12乃至15mm、例えば、約13乃至14mmの幅を有することができる。上面は、約1.2乃至1の縦横比(長さ/幅)を有することができる。上面は、楕円形、長円形、丸みを帯びたダイアモンド型、及び丸みを帯びた三角形を含むグループの中から選択した形を有していてもよい。
【0009】
さらなる特徴として、本発明は、ハンドル、ハンドルから延びた長い支持部を含むヘッド、及び支持部から延びる複数の毛、少なくともいくつかの毛が異なる高さを有し、毛が2つの対称面について非並進的な鏡像対称になるように配置されていること、を含む電動歯ブラシを特徴とする。
【0010】
しかしながら、もう1つの特徴として、本発明は、ハンドル、ハンドルから延びた長い支持部を含むヘッド、及び支持部から延びる複数の毛、毛の房が少なくとも3つの高さを有し、房は、その端が円形の輪郭を示すように配置されていること、を含む電動歯ブラシを特徴とする。
【0011】
これらのいくつかの特徴の実施には、1つ以上の上述の特徴を含むことが可能である。
【0012】
本発明はさらに、もう1つの特徴として、長い支持部及び支持部から延びる複数の毛、少なくともいくつかの毛が異なる高さを有し、毛の高さが、比較的全ての毛先を磨く際に歯群に順番にあたるようにする毛先の輪郭を提供できるよう選択されている電動歯ブラシ用ヘッドを特徴とする。
【0013】
もう1つの特徴として、本発明は、上述の電動歯ブラシの毛の1つによって歯と接触することを有する歯を磨く方法を特徴とする。
【0014】
いくつかの実施において、毛又は毛の房の輪郭は、歯ブラシのヘッドが使用者の1本以上の歯を磨いているとき、全て又は比較的全ての毛先が歯(歯の表面)に接触するよう可能にする。与えられた実施において、これが起こっているかは、例えば、高速ビデオカメラ撮影によって判断することができる。いくつかの場合において、毛が延びる支持面は、通常細長く、その輪郭が、ヘッドの末端にある毛先を含め、全ての毛先が歯に触れるのを可能にする。結果として、平らな面から突出している形又は同じ領域を有する平らなブラシと比較して、同時により長い面を磨くことができる。また、そのようなブラシヘッドは、通常、口の中で快適であり、非常にかさばる感じがない。通常の歯の曲面と一致する輪郭の歯ブラシは、支持面を歯とより一致した位置(すなわち、高さ及び角度)を有する。これによって、通常、届くのが困難な、歯の間及びその他の場所に届く的確な間隔の歯ブラシに丈が高い素子を組み込むことを可能にする。
【0015】
本発明の1つ以上の実施例の内容は、添付の図面及び下記の説明によって説明される。本発明のその他の特徴及び利点は、説明及び図面、並びに請求項によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の1つの実施例に従ったブラシヘッドの斜視図である。
【図1A】図1のブラシヘッドの側面図である。
【図1B】図1のブラシヘッドの横軸断面図である。
【図1C】図1に示されているブラシヘッドと似た図の斜視図であり、ただし、ヘッドが若干ハンドルに向かって傾けてあり、対称面が示されている図である。
【図1D】図1Cの側面図であり、対称面が示されている図である。
【図2】異なる実施例に従ったブラシヘッドの斜視図である。
【図3】もう1つの実施例に従ったブラシヘッドの斜視図である。
【図3A】図3の側面図である。
【図3B】回転機能を示すために一部が切り取られた図3のブラシを示している。
【図4】もう1つの異なる実施例に従ったブラシヘッドの横軸断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に関して、電動歯ブラシ10は、ヘッド12及びネック14を有する。当業者にとって周知であるように、ヘッド12は、ブラッシングの際に振動する。通常、ヘッド12は、通常ヘッドの中心から延びる回転軸について回転する方法で振動する。しかし、以下に説明するようにオフセットすることができる。電気モータ(図示せず)は、歯車装置、リンケージ、クランク、及び/又はその他周知の駆動装置を介してヘッドを振動させる。電力は、再充電可能な又は一次(使い捨て)電池によってモータに供給することができる。どのようにしてヘッドが振動するかについてのさらなる説明は与えない。なぜなら、このブラシの特徴は、本発明の焦点ではないからである。
【0018】
ヘッド12は、ヘッドの回転軸に対してほぼ垂直に取り付けられている略楕円形の支持部16、及び支持部16の上面17から延びている複数の毛の房18を含んでいる。以下に説明するように、上面17は、通常、回転軸に対して垂直であるが、いくつかの場合においては、回転軸に対して垂直にならないように傾けることができる。
【0019】
図面においては、各房18は、固体として示されているが、房は、多数のプラスチック製の毛から作られていてもよい。毛は、如何なる所望のポリマー、例えば、ナイロン6.12又は、6.10から作られていてもよく、さらに、如何なる所望の直径、例えば、4乃至8milを有していてもよい。房は、支持部によってふもとの部分で支持されており、そして、周知の如何なる所望の房を作る手法、例えば、インサート成形、又はステープル工程によって固定することができる。房は、支持部上を動くように取り付けることもできる。例えば、以下に図2及び3乃至3Bを参照しながら説明する旋回運動によって取り付けることができる。
【0020】
支持部は、通常楕円形である。すなわち、それは長い軸と短い軸を有している。長い軸は約14乃至19mmの長さを有していることが好ましく、短い軸は約12乃至15mmの長さを有していることが好ましい。楕円は、約1.2乃至1の縦横比(長い軸/短い軸)を有することができる。ヘッドの大きさは、約長さ16乃至17mm×幅13乃至14であることが最も好ましい。支持部の面17の全体表面積は、約170乃至200mm(0.270乃至0.305平方インチ)であることが好ましい。
【0021】
異なる毛の房との間に高さの違いがある。曲線状の長い歯間房18A、すなわち、支持部の各最も遠い端にある2つの房は、ヘッド12休止状態のとき、歯ブラシのネック14の長い軸に隣接し、最も高さがある。歯間房18Aの直ぐ内側の(各側面につき3つ)先の丸い房18Bが次に高さがあり、続いて、二組の先の丸い房18Bの間に支持部の端に沿って取り付けられている側面の房18D(各側面につき3つ)がある。最も短い房は内側の房18Cで、側面及び端の房の内側に環状に5つの房が配置されている。歯間房18Aは、例えば、約20乃至50%内側の房18Cより高くてもよく、例えば、高さにして約7乃至8.5mmである。端の房18Bは、約10乃至40%内側の房18Cより高くてもよく、例えば、高さにして約6乃至8mmである。そして、側面の房18Dは、例えば約0乃至25%内側の房より高くてもよく、例えば、高さにして5乃至7mmである。
【0022】
毛の房間のこの高さの違いによって作られた輪郭は、毛先が歯の形とぴったり一致することを可能にし、同時に複数の歯を磨く際に、ほぼ全て又は全ての毛が歯と触れるのを可能にする。図1Cに示したように、この輪郭は、2面対称のように対称的であり、例えば、楕円形支持部の長い軸を通しての面(P1)及び支持部の短い軸を通しての面(P2)である。両方の面は、支持部の上面17に対して垂直である。これら2面が交差する点(図1Dに示されている)に示されている線(L)は、ブラシヘッドの回転軸(A)と同一直線上にあってもなくてもよい。図1C及び1Dによって示されている実施例では、回転軸Aは、支持部の上面17の面(P4)と同平面又は平行にない面(P3)に対して垂直である。L及びAの間の角度(X)は、図1Dによって最も良く表されている、ブラシヘッドのハンドル方向へのわずかな傾きの結果である。その他の実施例では、(例えば、図1乃至1Bによって表されている実施例)回転軸Aは面P4に対して垂直である。
【0023】
面P1及びP2の輪郭の対称は、非並進的な鏡像対称である。すなわち、各四分円は、2つの隣接する四分円のミラー画像であるが、どちらの隣接する四分円とも「交換」することはできない。すなわち房によって示されている輪郭を変更することなく「並進」している。各四分円は、ヘッドの対称を変更することなく、P1及びP2の交差によって示された軸の対称について180度回転することができる。そして、各四分円は、隣接するミラー画像の鏡映である。如何なる四分円も、回転することなく、ヘッドの対称を変更することなく並進することはできない。
【0024】
図1Bに示しているように、図1乃至1Bによって示されている実施例では、支持部16の上面17は、通常、平面である。結果的に、高さの違いは、異なる長さの房を与えることによって作り出すことができる。
【0025】
ブラシヘッドは、回転する房を含んでいてもよい。例えば、図2に示されているブラシ50は、複数の固定された房52及び複数の回転する房54を有するヘッド51を含んでいる。房は、上記で説明した輪郭と似た輪郭を示すように配置されている。回転する房を提供する技術は、米国特許第6,553,604号に説明されており、その開示は参照として本願に組み込まれる。回転機能の一つのタイプは、弾性素子を回転させるという状況で図3によって示されている。
【0026】
ブラシヘッドは、さらに弾性素子を追加又は毛の房の代わりに有することができる。例えば、図3及び3Aに示しているように、歯ブラシ100は、弾性フィン102及び毛104を含んでおり、上記で説明した輪郭を示すように配置されている。弾性素子は、2003年3月14日出願の米国特許番号第10/389,448に説明されているように、隣接歯間領域を洗浄及びマッサージするために、隣接歯間挿入用にサイズされている。図3乃至3Bによって表されている実施例では、弾性フィンは、回転可能に取り付けられている。しかしながら、弾性素子は、所望される場合、固定されていてもよく、毛の房は、固定又は回転していてもよい。
【0027】
本発明のいくつかの実施例を説明してきた。
【0028】
しかしながら、本発明の精神及び範囲から離れることなく、様々な改良をすることができることを理解されたい。
【0029】
例えば、楕円形の支持部が示されており、説明されているが、説明した毛の輪郭は他の長い形、例えば、延長形、丸みを帯びたダイアモンド型、丸みを帯びた三角形を有する支持部によって使用されてもよい。
【0030】
上記で説明した実施例では、毛の高さの違いは、毛の長さによって決まっていたが、他の実施例では、毛の高さの違いは、支持部の上面の形状によって決めてもよい。例えば、図4に示されているように、ブラシヘッド200は、くぼんだ上面217を有する支持部216を含んでいる。この実施例では、毛の房218は、全て実質的には同じ長さであるが、面217のくぼみによって、それらの高さは、上記で説明した輪郭と見た輪郭を示す。
【0031】
さらに、4つの毛の高さを有するブラシヘッドが上記で説明されたが、他の数の毛の高さを使用することもできる。例えば、毛の房は3つの異なる高さ又は5つ以上でも良い。
【0032】
あるいは、毛は、房ではなく、均等な配列で配置されていてもよく、そして、それらの先の高さの違いは、連続的な曲面、例えば、茶碗型の面を示していてもよい。
【0033】
加えて、図1乃至1Aによって表されている輪郭は、支持部の中心面17で交差する2面対称であるが、支持部の中心でない点で対称を示すこともできる。
【0034】
複数の弾性素子を有する歯ブラシのヘッドが図面で示されており、上記で説明されているが、いくつかの歯ブラシのヘッドは、単一の弾性素子を有していてもよい。例えば、歯ブラシのヘッドは、2003年2月11に出願された米国出願番号第10/364,148号で説明されている弾性素子を含んでいてもよい。この開示は参照として本願に組み込まれる。
【0035】
従って、その他の実施例は、以下の請求項の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長い軸を有するネックと、頂面を有する支持部とを含む、電動歯ブラシヘッドであって、
前記支持部の最も遠い縁部に配置される、前記頂面から延びる湾曲房と、該湾曲房よりも短い、前記頂面から延びる端部房と、前記支持部の前記縁部に配置される、前記頂面から延びる側部房と、前記側部房及び前記端部房の内向きに配置される、前記頂面から延びる内側房とをさらに含み、前記湾曲房は、前記端部房よりも高く、前記端部房は、前記側部房よりも高いことを特徴とする、
電動歯ブラシヘッド。
【請求項2】
前記側部房は、前記内側房よりの高いことを特徴とする、請求項1に記載の電動歯ブラシヘッド。
【請求項3】
前記頂面は、前記湾曲房、前記端部房、前記側部房、及び、前記内側房のそれぞれが、前記頂面から同じ長さで延びるような輪郭とされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電動歯ブラシヘッド。
【請求項4】
前記房は、複数の毛を含み、該毛は、それらの先端が湾曲表面を定めるような配列に配置されることを特徴とする、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の電動歯ブラシヘッド。
【請求項5】
前記支持部の前記頂面は、卵形、楕円形、丸形、ダイアモンド形、及び、丸みを帯びた長方形から成る群から選択される形状を有することを特徴とする、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の電動歯ブラシヘッド。
【請求項6】
前記頂面は、凹状の形状を有することを特徴とする、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の電動歯ブラシヘッド。
【請求項7】
前記側部房は、前記内側房よりも高いことを特徴とする、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の電動歯ブラシヘッド。
【請求項8】
前記頂面は、前記湾曲房、前記端部房、前記側部房、及び、内側房のそれぞれが、前記頂面から同じ長さで延びるような輪郭とされることを特徴とする、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の電動歯ブラシヘッド。
【請求項9】
前記湾曲房は、前記ネックの前記長い軸に隣接して配置されることを特徴とする、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の電動歯ブラシヘッド。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−219903(P2009−219903A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159647(P2009−159647)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【分割の表示】特願2006−526951(P2006−526951)の分割
【原出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】