説明

電動移動具及び電動移動方法

例示された個人用電動移動具は、電動ヒーリング装置、電動ヒールブラケット又は電動ホィールアッセンブリを含んでいる。電動ヒーリング装置は、ヒーリング装置と、該ヒーリング装置に隣接して配備された電気モータとを含んでおり、履物のかかと部に隣接する少なくとも1つのホィールに対して前進方向の回転を与えることにより、爪先部でウォーキング/ランニング、受動的ローリングへの移行、そして電動ローリングを行なうことができる。電動ヒールブラケットは、履物の中に配備され、使用者のかかと部の少なくとも一部分を支持するかかと部支持構造体と、ヒールブラケットに隣接して配置されたホィールと、支持構造体に隣接して配置され、ホィールに前進方向の回転を与えることができるように動作可能な電気モータとを具えている。電動ホィールアッセンブリは、モータの周りにホィールを有する電気モータを含んでおり、ケーシング又は外部ハウジングは回転して、ホィールアッセンブリに回転を与える。ホィールアッセンブリは、プラットフォームを移動させるほとんど全ての移動装置及び履物に用いられることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、電動移動の分野に関するもので、より具体的には、限定するものではないが、電動ヒーリング装置(motorized heeling apparatus)、電動履物(motorized footwear)、電動ヒールブラケット(motorized heel bracket)及び電動ホィールアッセンブリ(motorized wheel assembly)を含む電動移動具(motorized transportation apparatus)及び電動移動方法に関する。
【0002】
<関連出願の記載>
35U.S.C第119条(e)に基づいて、本願は、Roger R.Adams及びPatrick F.Hamnerにより2004年8月4日に出願された米国仮特許出願第60/599043号「電動靴(motorized Heelys)」の優先権を主張し、引用をもって、本願への記載加入とする。
【0003】
本願に関連のある米国特許出願及び特許には、Roger R.Adamsにより1999年4月1日に出願された米国仮特許出願第60/127459号「ヒーリング装置及び方法」、Roger R.Adamsにより2000年3月31日に出願された米国特許第6450509号「ヒーリング装置及び方法」、Roger R.Adamsにより2001年8月14日に出願された米国特許第6406038号「ヒーリング装置及び方法」、Roger R.Adamsにより2002年2月15日に出願された米国特許第6739602号「ヒーリング装置及び方法」、Roger R.Adamsにより2002年2月15日に出願された米国特許第6746026号「ヒーリング装置及び方法」、Roger R.Adamsにより2004年6月7日に出願された米国特許出願第10/863090号「ヒーリング装置及び方法」、Roger R.Adams及びMichael G. Staffaroniにより2003年2月3日に出願された米国特許第6698769号「マルチホィール型ヒーリング装置」、Roger R.Adamsにより2003年2月18日に出願された米国特許出願第10/369063号「外ホィール型ヒーリング装置及び方法」がある。これらの特許及び特許出願に関連するその他種々の特許及び特許出願が、世界各国で特許され、特許出願中である。この段落に記載した全ての特許及び特許出願は、引用をもって本願への記載加入とする。
【背景技術】
【0004】
かかと部の下部又はそれに隣接する位置に1又は複数のホィールを設けた履物は、登場以来、世界中で非常に大きな人気を博している。商標名「HEELYS」で販売されている商品は、ウォーキング又はランニング、そして次に、1又は複数のホィールを受動的ローリングに移行させることができるので、世界中の都市、地域及び文化で幅広く受け入れられている。
【0005】
人を移動させる電動機器の多くは、大きな(或いはかなり大きい)モータ及びそれに連繋されるギア、トランスミッション及び電源を支持するために、大きな枠体又は構造体を必要とする。しかしながら、このような機器は取扱いが困難で、多くの場合、費用が高くなる。また、電動移動装置の保管、パーキング及び維持に困難が生じる。電動移動装置を放置することは、困難であり、禁止されているか又は推奨されていないこともある。
【0006】
更に、モータ、特に大きなモータと、それに連繋される機器類のために、移動具としての性能が損なわれ、変化し、または制限されることがある。例えば、スケートボードの背部にガソリンエンジンがあると、スケートボードの重心が実質的に変化して、スケートボードの性能が実質的に異なってしまう。
【発明の開示】
【0007】
<発明の要旨>
前記説明から理解されるように、電動ヒーリング装置、電動ヒールブラケット、電動ホィールアッセンブリ及び電動履物を含む電動移動具及び電動移動方法が要請されている。また、それに関連する方法として、電動履物又は装置を使用し、ソールの爪先部でウォーキング又はランニング可能で、次に電気モータからの動力アシスト無しで受動的ローリングに移行し、都合良く配置された電気モータ及び電源を用いて電気駆動ローリングに移行することを含むことができる。本発明の電動移動具及び電動移動方法は、前記不都合及び問題の少なくとも1つを実質的に解消させることができる。
【0008】
本発明の一態様は、サーフェス(surface)上を前方向にウォーキング及びローリングする電動ヒーリング装置である。電動ヒーリング装置は、ホィール、車軸、電気モータ及び履物を含むことができる。ホィールはサーフェス上を前方向に転動し、車軸はホィールの開口部に配置される。電気モータは、電気が入ると車軸を前進方向に回転させて、車軸に前進方向の回転運動を与える。履物はソールにかかと部があり、ソールのかかと部に隣接してホィールが配置される。使用に際し、例えば、非ローリングモード(non-rolling mode)では、ソールの爪先部により、電動ヒーリング装置とサーフェスは主要な接触がもたらされ、受動的ローリングモード(passive rolling mode)では、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらすので、使用者は、ホィールが前進方向に回転した状態で、サーフェス上を前方向にローリングすることができる。モードの変更は、使用者の重心が、ソールの爪先部分からホィールへ移動することによって行われる。また、電気駆動ローリングモード(electric powered rolling mode)では、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらし、電気モータが車軸とホィールを前進方向に回転させるので、使用者は、サーフェス上を前方向にローリングすることができる。
【0009】
本発明の他の態様は、電動ヒーリング装置を、非ローリングモード、受動的ローリングモード及び電気駆動ローリングモードで使用し、サーフェス上を前方向に移動する方法を含んでいる。本発明の方法は、非ローリングモードのとき、電動ヒーリング装置の履物の爪先部分の底面を使用して、サーフェス上を前方向にウォーキングすること、使用者の重心を、爪先部から、電動ヒーリング装置の履物のかかと部に隣接して設けられたホィールに移動させることによって受動的ローリングモードに移行させ、該受動的ローリングモードにて、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらし、使用者は、ホィールが前進方向に回転した状態で、サーフェス上を前方向にローリングすること、電力を電動ヒーリング装置の電気モータへ供給することで電気駆動ローリングモードへ移行させ、ホィールに前進方向の回転力を与えることにより、ホィールはサーフェスとの主要な接触を続けるので、使用者は、ホィールが前進方向に回転した状態で、サーフェス上を前方向にローリングすることができる。
【0010】
本発明の他の態様は、サーフェス上を前方向にウォーキング及びローリングする電動ヒーリング装置を含んでおり、電動ヒーリング装置は、ホィール、電気モータ、カップリング、バッテリー、スロットル及び履物を含むことができる。ホィールは、ソールのかかと部に隣接して取り付けられ、使用に際し、非ローリングモードのとき、ソールの爪先部により、電動ヒーリング装置はサーフェスとの主要な接触がもたらされ、電気駆動ローリングモードのとき、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらし、使用者は、ホィールが電気モータにより前進方向に回転している状態で、サーフェスの上を前方向にローリングすることができる。モードの変更は、使用者の重心がソールの爪先部分からホィールへ移行することによって行われる。バッテリーは電力を電気モータへ供給し、スロットルは、電気モータへ供給される電力量を制御するのに用いられる。カップリングは、公知のあらゆるカップリング、ギア、トランスミッション、又は、ホィールを回転させるために電気モータのシャフトの回転機械エネルギーを伝達する他の機械的機構を含むことができる。
【0011】
本発明のさらに他の態様は、使用者がサーフェス上を前方向にウォーキング及びローリングできるように、使用者の履物を収容できるように形成された電動ヒールブラケットを含んでいる。電動ヒールブラケットは、ホィール、電気モータ、カップリング、スロットル及びヒールブラケットを含んでいる。履物は、ソールを有し、該ソールは、爪先部、土踏まず部及びかかと部を有し、かかと部は底面を有している。ホィールは、ヒールブラケットに隣接して配置され、履物の使用において、非ローリングモードでは、履物のソールの爪先部により、サーフェスと主要な接触がもたらされ、電気駆動ローリングモードでは、電気モータによってホィールが前進方向に回転した状態で、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらすことにより、使用者は、サーフェス上を前方にローリング可能であり、使用者が重心を履物のソールの爪先部からホィールへ移動させることによってモード変化が行われる、
【0012】
本発明のさらに他の態様は、電動ホィールアッセンブリを含んでいる。電動ホィールアッセンブリは、モータ巻線又はコイルの全部又は大部分を取り囲む回転可能なハウジングを有する電気モータと、回転可能なハウジングの周りに配置されたホィールを含むことができる。ホィールと回転可能なハウジングは、例えばバッテリーにより電気モータに電力が供給されると、サーフェス上を転動するローラとして機能するように動作可能である。電動ホィールアッセンブリは、履物を前進させるための動力を供給するために用いられ、電動履物において、履物の後部に1つのアッセンブリ、履物の前部に受動ローラを設けたり、複数のアッセンブリを履物に隣接して又は履物の下に設けることができる。バッテリーは、履物の上方の都合の良い適当な位置、例えばベルトの上とか、履物の土踏まず部分等に配置されることができる。必要に応じて、スロットル及びそれに連繋されるモータ制御回路を用いることもできる。好ましい実施例において、スロットルはワイヤレススロットルである。
【0013】
電動ホィールアッセンブリは、他の態様において、使用者をサーフェス上の第1の位置から第2の位置へ移動させる個人用電動移動具(motorized personal transportation apparatus)に用いられる。個人用電動移動具は、電動ホィールアッセンブリから動力が与えられ、使用者を第1の位置から第2の位置へ移動させるとき、サーフェス上の使用者を支持することができるプラットフォームその他の支持構造体を含んでいる。個人用電動移動具は、電動インラインスケート、電動クワッドスケート、電動スケートボード、電動ヒーリング装置、電動スクータ、電動車椅子、電動プラットフォーム、個人用電動移動装置、食料雑貨品店買物用電動カート、その他様々な装置及びシステムにおいて実装されることができる。
【0014】
本発明の様々な具体例及び実装例は、多くの技術的利点及び利益の可能性をもたらすものであり、それには以下の記載のうちの1又は複数を含んでいる。ホィールの技術的利点は、第1の位置から第2の位置へ、ウォーキングと電気アシストローリングとにより、大きな枠体又は扱い難い電気駆動装置(例えば、SEGWAYプラットフォーム、電気スクータ、電動自転車等)を用いることなく、都合良く、かつ、より簡単に移動できることである。なお、電気アシストローリングは、本明細書中で「アクティブローリング」又は「電気駆動ローリング」と称することもある。
【0015】
本発明の他の技術的利点は、分離された大きな電動移動装置を、格納するため又は安全に保管するために、移動先でパーキング又は保管のための場所を別に必要とすることなく、電力を使用して目的地まで都合良く移動できることである。
【0016】
本発明のさらなる技術的利点は、作動に不都合を生じさせたり、又は全体の性能を低下させる虞れのある重構造物の必要性をなくすことができるか、又は少なくできることである。
【0017】
本発明のさらなる技術的利点は、個人用移動具の初期購入費用及びランニングコストを低減させることである。
【0018】
本発明のさらなる技術的利点は、電気モータの動力を、ホィール付装置(例えば、スケートボード、インラインスケート、クワッドスケート、スクータ、車椅子、買物カート等)に対して、効果的にかつ都合良く供給できることである。動力を使用しない装置に重いモータやそれに関連する機器を取り付けることは、装置の機械的及び物理的特性を変えることになる。本発明の幾つかの実施例では、装置のホィールの内部に(又はホィールとして)電気モータを配置したり、又は装置の見やすい位置に小さなモータを配置することにより、装置の使用性能及び機械的性能に及ぼすあらゆる変化を可及的に小さくできる利点がある。
【0019】
本発明及びその利点をより完全に理解は、添付の図面及び以下の詳細な説明により得られ、当業者であれば、以下の詳細な説明、添付の図面及び請求の範囲の記載を参照することにより、他の技術的効果や利点を容易に理解し得るであろう。なお、同様な部品には同じ引用符号を使用している。
【0020】
<発明の詳細な説明>
最初に理解されるべきことは、以下に示す本発明の実施例では、現在知られているか又は存在しているあらゆる機構、装置、構造及び/又は技術を用いて実装されることができろことである。本発明は、以下に示され又は記載された具体的構造及び実装例を含め、例示した実施例、図面、及び技術に限定されるものではない。また、図面については、必ずしも縮尺とおりに描かれているとは限らない。
【0021】
図1乃至図21は、電動ヒーリング装置及び方法について様々な態様を例示したものであり、モータについては、その後の図面にて具体的な説明又は例示を行なう。本明細書全体で使用される「モータ」又は「電動(モータ付き)」という語は、dc(直流)、ac(交流)、ブラシ、ブラシレス、センサー又はセンサーレスの電気モータを含む全ての電気モータを含むものと理解されるべきである。モータは、例えば、ギア又は機械的リンク機構を通じて、ホィールの内部、又はホィールの外部に組み込まれてよいことは理解されるべきである。さらに、例えば電子速度コントローラ(又は電圧コントローラ/レギュレータ又はモータコントローラ)等のモータ制御器が配備され、例えば単独バッテリー又は一連のバッテリーの如きエネルギー源又は電力源から供給される電力量又はエネルギー量を制御するために、スロットル(例えば、レオスタット)と共に用いられる。スロットルは、スプリングを内蔵し、デッドマンスイッチを具えるものでもよいし、モータの速度又は回転数を制御できるように配線で接続されたものでよいし、ワイヤレス又はラジオ周波数(rf)スロットルであってよい。
【0022】
コントローラは、モータハウジング又はケーシングの内部又は外部にあってよい。さらに、モータの設置は、靴又は履物の片方のみでもよいし、履物の両方でもよいことは理解されるべきである。モータの取付は、永久的に固定でもよいし、取外し可能でもよい。1又は複数のホィールは、取外し可能でもよいし、永久的に固定及び/又は引込み可能でもよい。
【0023】
図1は、本発明の一実施例に係るスポーツシューズ(12))に実装された電動ヒーリング装置(10)の側面図である。電動ヒーリング装置(10)は、望ましくは履物のソールのかかと部の開口部に設けられたホィールアッセンブリを具えている。例えば、スポーツシューズ(12)は、ソール(14)のかかと部(18)の底面に開口部を具え、その穴の中にホィール(16)がソール(14)の底部の下に突出するように設けられている。このホィールアッセンブリは、望ましくは、車軸(図1に示されていない)に回転自在に装着されたホィール(16)のように、少なくとも1つのホィールを含んでいる。車軸に取り付けられたホィール(16)は、望ましくは、取付機構(図1には示されていない)を介してソール(14)の開口部に配置される。この取付構造は、ホィール(16)の一部がソール(14)のかかと部(18)の下方に延びるように、車軸を支持することができる。
【0024】
ソール(14)の底部から下側に突出するホィール(16)の一部分の量又は長さは、距離(24)で規定され、好ましくはホィール(16)の直径よりも小さい。しかしながら、この距離(24)は、ホイール(16)の直径より大きくても、小さくても、あるいは、ホイール(16)の直径と同じであってもよい。
【0025】
このスポーツシューズ(12)は、多くの履物と同様に、ソール(14)及び上側部(26)を有するものとして、一般的に表すことができる。上側部(26)は、皮革、プラスチック又はキャンバス地の如くあらゆる材料から構成されることができる。ソール(14)は、次の三つの部分を含むことができる:
[1]インナーソールあるいはインソール(図1には示されていない)
[2]ミッドソール(28)
[3]アウターソール又はアウトソール(30)
インソールには、クッションを追加することが可能であり、また、取外し可能であってもよいし、そうでなくてもよい。幾つかの実施例においては、インソールは、ドクター・ショールズ・インソール等の取外し可能な部分及びスポーツシューズ(12)に取り付けられた儘残される部分を含んでいてもよい。
アウトソール(30)は、好ましくは、ゴムなどの耐久性材料で作られ、また、摩擦力を付加するために、凹凸などのテクスチャー面を有していてもよい。ミッドソール(28)は、一般的には、柔らかい又はクッション性のある材料で作られ、一般的に、インソールやアウトソール(30)よりも厚い。しかしながら、幾つかの実施例において、ソール(14)は、ローファーのような皮製のソールのように、一つの部分で構成される。また、ソール(14)は、皮製のウイングチップ・ドレス・シューズのかかとのように、履物を持ち上げるために別途設けるヒールブロック又は塊を有していてもよい。このヒールブロック又は塊も、ソール(14)のかかと部(18)の一部と考えることができる。
本発明は、ソール(14)の構造の如何に拘わらず、事実上あらゆる履物に対して適用できることは理解されるべきである。履物の様々な形態及び履物を製造する方法が、当業者に知られている。例えば、米国特許第4245406号、第5319869号、第5384973号、第5396675号、第5572804号、第5595004号及び第5885500号は、引用をもって本明細書に含まれるものとし、それらは、各種履物及び履物製作方法に関する様々な背景情報を提供する。
【0026】
スポーツシューズ(12)を含む多くの履物において、ソール(14)についても、図1に示されるように、3つの部分又は領域に分割されることができる。
[1]かかと部(18)
[2]土踏まず部(20)
[3]爪先部(22)
ソール(14)のかかと部分(18)、土踏まず部(20)及び爪先部(22)は、それらの間の境界を正確に規定することが困難であり、且つ、そのような部分は、履物の種類によってそれぞれ異なることは理解されるべきである。従って、ソール(14)のかかと部(18)、土踏まず部分(20)及び爪先部(22)の位置、それらの間の境界及びサイズは、単なる目安に過ぎない。
【0027】
ソール(14)の底面の開口部の位置、即ちホィール(16)の位置は、ソール(14)のかかと部(18)に配置されるのが望ましいが、そのような開口部は、かかと部(18)と土踏まず部(20)の境界や、土踏まず部(20)、又はソール(14)の実質的にあらゆる他の位置に配置されてもよいことは理解されるべきである。ソール(14)の底面の開口部は、例えば、ソール(14)の全体、即ち、アウトソール、ミッドソール及びインソールに広がっていてもよく、あるいは、ソール(14)の一部、即ち、アウトソール及びミッドソールの一部または全体に広がっていてもよい。
【0028】
ホィール(16)は、ウレタン、プラスチック、ポリマー、金属、合金、木、ゴム、複合材料など、事実上既知の入手可能な材料で作ることができる。それには、例えば、アルミニウム、チタン、鋼及び樹脂が含まれる。他の実施例において、ホィールは、回転を与えるための電気モータに取り付けられることができる。好ましくは、この材料は、耐久性を備え、騒音を発生させにくく、且つ、ソフトでクッション性のある感覚を提供するものである。一実施例において、ホィール(16)は、ホィール(16)自体として機能する精密ベアリングのような1又は複数の精密ベアリングとして構成されることができる。
更に他の実施例において、ホィールアッセンブリは、例えば板バネ等のスプリングまたはサスペンションを含んでいてもよい。それによって、例えば、電動ヒーリング装置(10)を着用してウォーキングするときのように、ホィール(16)がサーフェスに接触して、スポーツシューズ(12)に対してサーフェスの方向に力が加えられたときに、更なるクッションまたはサスペンションがもたらされる。このスプリングは、好ましくは、ホィールアッセンブリの取付構造の一部として構成される。
更に他の実施例において、ホィール(16)は、内側コア(例えば、硬質の内側コア)が外側タイヤ(例えば、ウレタンタイヤ)によって取り囲まれたツーピース・ホイールとして構成される。
【0029】
要求される実施形態によっては、ホィール(16)と車軸をホィールアッセンブリから取外し可能にすることもできる。そのような場合、開口部にゴミや土が入らないように開口部を覆うために、取外し可能なカバーを、ソール(14)の開口部に設けることもできる。この取外し可能なカバーは、当業者が製作可能で、事実上入手可能なあらゆる形態のものが可能である。取外し可能なカバーの一実施例において、取外し可能なカバーの軸の部分は、ホイール(16)が装着される車軸がホィールアッセンブリの取付構造に嵌まるか又は接続されるのと同じあるいは同様なやり方で、取付構造に取り付けられ、及び/又は、接続される。車軸とホイール16の取外しを容易にするために、工具を用いることもできる。この工具は、電動ヒーリング装置(10)の起こり得る他の調整にも使用できるように、小型で多機能なもの(例えば、ネジ回し、レンチ等)が望ましい。電動ヒーリング装置(10)の他の実施例において、ホィール(16)は、ソール(14)の開口部の中に引込み可能な構成にすることができる。この方法では、ホィール(16)はソール(14)の中に引き込まれるため、ソール(14)の底部より下に突出しない。これにより、電動ヒーリング装置(10)を、スポーツシューズ(12)のような一般的な履物のように機能させることができる。
【0030】
本発明の一実施例では、ホィールアッセンブリは、車軸を含まず、それゆえ取付構造をも含まず、ホィール(16)を、球体(例えば、ステンレス鋼製ボール)として使用する。この球状ホイール(16)は、ソール(14)のかかと部(18)の底部の開口部の中に回転自在に配置される。図13は、その一実施例を示している。他の実施例において、ホィールアッセンブリは、ソール(14)のかかと部(18)の中に完全にまたは部分的に嵌まるように配置された車軸を具え、それによって、ソール(14)が車軸を支持し、ホイールがソール(14)の開口部の中の車軸に回転自在に装着されるようにする。このようにすれば、取付構造は不要とすることができる。
【0031】
使用の際、電動ヒーリング装置(10)を履いた者は、普通に歩くこともできるし、或いはソール(14)を持ち上げるか又は引き上げると、ホィール(16)のみ又は殆んどホィール(16)のみがサーフェスに接触するので、ホィール(16)上でローリングすることもできる。この操作は、「ヒーリング(HEELING)」又は「ヒール(HEEL)」と呼ばれる。ホィール(16)は、要求される本発明の実施形態に応じて、取り外してもよいし、あるいは、ホィール(16)がソール(14)の底部から下側に突出しないような位置に格納することもできる。一般的に、電動ヒーリング装置(10)は同類の履物のように使用されることになる。ホィール(16)が取り外され又は格納されているとき、開口部にゴミが入らないように、また、ホィールアッセンブリが損傷を受けないように、ソール(14)の底部の開口部の上に取外し可能なカバーを被せることもできる。
さらに他の実施例では、ウォーキングができるようにするために、ホィール(16)の一部がソール(14)の底部から下側に突出したままの状態で、取外し可能なカバーをホィール(16)の上に被せることもできる。図12は、その一つの例を示している
【0032】
しかしながら、上記のように、ホィール(16)が取り外されるか又は引き込まれていない場合でも、使用者は、ホィール(16)が突出したままの状態で、快適に歩いたり走ったりすることができることは理解されるべきである。これができるのは、出幅(distance)(24)を最小にできるためであり、ヒーリングに独特の秘匿性(stealth)又は隠蔽性(covert)がもたらされる。また、これによって、電動ヒーリング装置(10)のソール(14)の開口部あるいは穴の中でホイールが回転することにもなる。一実施例において、出幅(24)は、ホィール(16)の半径よりも小さく、これによって、ホィールの大部分がソール(14)の開口部の中に収容されることになる
【0033】
図2A及び2Bは、電動ヒーリング装置(10)のソール(14)の2つの実施例の底面図である。特に、図2Aにおいて、アウトソール(30)又はソール(14)の底部は、ソール(14)のかかと部(18)に開口部(40)が設けられている。図示の実施例では、開口部(40)は正方形又は矩形である。しかしながら、開口部(40)は、例えば、円形や楕円形などのように、事実上、あらゆる形状が可能である。
【0034】
前述したように、開口部(40)はソール(14)の一部又は全体に延びていてもよい。開口部(40)はかかと部分のブロック又は塊の中に設けることができる。また、開口部(40)は、かかと部分(18)、土踏まず部分(20)及び爪先部分(22)の近傍、又は、それら部分の全体の中に設けることもできる。
【0035】
図2Bは、開口部(40)の配置及び形状に関する第2実施例を示している。図示のアウトソール(30)は、ソール(14)のかかと部(18)に、開口部(40A)及び開口部(40B)が形成されている。このように、1又は複数の車軸を含む、1又は複数のホィールが、開口部(40A)(40B)の双方に配置されることができる。
【0036】
図3A及び3Bは、図2A及び2Bに示されたソール(14)の2つの実施例の底面図であって、ソールの開口部の夫々にホィールが配置されている。これは、図3Aの開口部(40)に配置されたホィール(42)と、図3Bの開口部(40A)(40B)に配置されたホィール(42A)(42B)とを含んでいる。
【0037】
ホィール(42)と、ホィール(42A)(42B)は、円筒形のホィールとして示されている。しかし、これらホィールは、使用可能であれば事実上いかなる形状であってもよい。更に、1又は複数のホィールを夫々の開口部に設けることもできる。
【0038】
図3Aには、ホィールアッセンブリの他の要素として、取付構造の第1部材(48)及び第2部材(54)が更に示されており、これら部材は、車軸(50)を取外し可能に接続するために用いられる。車軸(50)は、ホィール(42)を貫通して延びており、ホィール(42)は車軸(50)に回転可能に接続されるか又は装着される。車軸(50)は、精密ベアリング(例えば、高性能精密ベアリング)を用いることが好ましく、ホィール(42)の両側に設けられた凹部(例えば、環状凹部)の中に配置される。第1精密ベアリング(56)及び第2精密ベアリング(58)は、ABECグレードの精密ベアリングであってよく、それらは、破線で描かれており、ホィール(42)の第1凹部及び第2凹部の中に配置されている。他の実施例において、ルーズボールベアリングを使用することもできる。
【0039】
車軸(50)は、例えば強度や重量などの物理的特性が適当なものであれば、あらゆる材料から作ることができる。車軸(50)は、好ましくは、硬化処理された鋼で作られ、形は円筒状で、両端が丸められ、取付構造の第1部材(48)及び第2部材(54)にそれぞれ取外し可能に接続される。車輪(50)の各端部と、第1部材(48)及び第2部材(54)との間の取外し可能な接続は、既知のあるいは入手可能な機構のいずれを用いても達成することができる。望ましい実施例において、球体又はボール(好ましくは可動式スプリング及び/又はネジバイアスを使用するもの)を、取付構造の1又は複数の部材と車軸(50)との間で、接触させるため、及び側壁に力を及ぼすために用いられる。
【0040】
また、電動ヒーリング装置(10)の使用者の体重は、かなり大きな下向きの力を生じさせ、地面つまりサーフェスには同じ大きさの上向きの力を生じさせるので、車軸(50)、それゆえホィール(42)は、一般的に、所定位置に付勢される。かかと部がサーフェスから持ち上げられたときにのみ、車軸(50)を所定位置に維持するのに何らかの力又は摩擦が必要になる。このように、本発明は車軸(50)とホィール(42)の位置を保つために、側部方向の大きな力を必要としない。この事実の認識は、図示された例に対する本発明の一態様として考えることができる。この認識により、車軸(50)の各端部と、第1部材(48)及び第2部材(54)との間での取外し可能な接続を、最適な状態で行なうことができる。
【0041】
図3Aにはまた、本発明の電動ヒーリング装置(10)と共に用いられるグラインドプレート(44)(スライドプレート(44)とも称される)が示されている。一実施例において、バッテリー(図3Aに具体的に示されていない)は、履物の土踏まず部分に組み込まれるか又は格納される。この土踏まず部分は、電気モータ(図3Aには示されていない)へ電力を供給するのに都合が良い。グラインドプレート(44)は、使用者が、様々なサーフェス(例えば、手すり、縁石、階段、コーナ部等)の上を「グラインド(grind)」又は「スライド(slide)」することができるように、表面は滑らかであり、又は比較的滑らかである。グラインドプレート(44)は、いくらか薄く、プラスッチック又はポリマー材料で作られる。好ましい実施例において、グラインドプレート(44)は、ソール(14)のアウトソール(30)の土踏まず部(20)に取り外し可能に取り付けられる。このグラインドプレート(44)は、例えば、グラインドプレート(44)の周囲の様々な位置に示されている締結具(46)のような、既知の又は入手可能な締結具を用いて取り付けられることができる。
【0042】
また、図3Bに示される車軸(52)は、開口部(40A)(40B)の中で、各端部にホィール(42A)(42B)がそれぞれ接続されている。車軸(52)は、図3Bには描かれていないが、ホィール(42A)(42B)の双方の中に延び、ソール(14)の一部分を通っている。これは、ソール(14)がホィールアッセンブリの取付構造として用いられる例を示しており、ソール(14)は車軸(52)を支持する機能を有している。これにより、全体的な部品数を少なくすることができる。他の実施例では、金属又は他の適当な材料を、ソール(14)のかかと部(18)の中で用いられることができる。その場合、車軸(52)は、さらなる支持及び安定性が得られるように配置される。これは、取付構造が、事実上、ソール(14の中に組み込まれた例である。当業者であれば、本発明が様々な方法で実施できることは理解し得るであろう。
【0043】
図4は、車軸(62)に回転可能に取り付けられたホィール(60)の斜視図である。これはまた、ホィール/車軸アッセンブリとも称され、本発明の一実施例に係るホィールアッセンブリ又は電動ヒーリング装置の中で使用される。ホィール(60)と車軸(62)はまた、ホィール/車軸アッセンブリ(400)とも称される。この実施例において、車軸(62)は、ホィール(60)の中を通り、その両端部は丸められた形状又は弾丸型の形状である。図示の精密ベアリング(64)は、ホィール(60)の凹部(環状の凹部として示されている)の中に配置されており、車軸(62)の周りでのホィール(60)の回転を容易にする。回転をさらに容易にするために、第2凹部(図4には示されていない)の中に第2精密ベアリングを配置することが望ましい。
【0044】
スリップクリップ、スリップリング又はリングクリップ(66)が、精密ベアリング(64)の近傍で、車軸(62)の周囲又はほぼ周囲に取り付けられている。このクリップの作用により、精密ベアリング(64)はホィール(60)の凹部の適当位置に保持される。スリップクリップ又はリングクリップ(66)は、車軸(62)にある溝(例えば、放射状溝又は径方向の凹み)を介して、車軸(62)に取り付けられることが望ましい。しかしながら、当業者であれば、精密ベアリングを所定位置に保持するために、他の様々な構造を採用できるであろうことは理解されるべきである。他の実施例では、精密ベアリング(64)を使用せずに、ルーズベアリングを使用することもできる。
【0045】
車軸(62)に回転可能に取り付けられたホィール(60)は、他の実施例において、本発明のホィールアッセンブリのとして機能することができる。そのような場合、ホィール(60)がソールの開口部に回転可能に配置された状態で、車軸(62)の両端を、ソール(例えば、ミッドソールやかかと部)に取り付けることもできる。。この方法では、取付構造の必要性がなくなったと考えることができるし、又は、取付構造が履物のソールの中にに組み込まれたと考えることもできる。
【0046】
図5は、図4に示されるような、車軸に回転可能に取り付けられたホィールと共に用いられてホィールアッセンブリを形成する取付構造(70)の斜視図である。取付構造(70)は、一般的に、かかと調整板(72)、第1部材(74)及び第2部材(76)を含んでいる。他の実施例では、2つの部材がかかと調整板(72)と接する場所に、スプリング(例えば、板バネ)を設けることもできる。これにより、より大きなクッション及びサスペンションの効果がもたらされる。2つの部材は、車軸の端部を受けるための開口部(例えば、第1部材(74)の開口部(78))を有している。開口部は、上記部材を貫通するもの、或いは異なる位置に設けられるもの等、事実上あらゆる形状のものが可能であり、ホイール/車軸アッセンブリ(400)は、例えば、部材上の格納された位置及び突出した位置のように複数の位置に配置されることができる。
【0047】
第1部材(74)と第2部材(76)の開口部の中に配置される車軸は、取外し可能に接続されることが望ましい。これは、様々な構成及び形状によって達成されることができ、それらの全てが本発明の範囲内に含まれる。そのような構成の1つに、第1部材(74)に設けられたネジ/バネ/ボール装置(80)がある。この装置により、車軸が開口部(78)に挿入されたとき、車軸に対して調整可能な付勢力が与えられる。ネジは、使用者によって着脱及び調整が可能である。ネジを回転させると、バネが圧縮されて、開口部(78)の中にあるボール(ball bearing)に力が作用する。車軸が開口部(78)に挿入されたとき、ボールはある程度変位することが可能である。ネジ/バネ/ボール装置(80)は、側部方向の力を発生させて、取外し可能な車軸を保持することを可能にする。また、同様な構成を第2部材(76)に設けて、車軸(62)の他端に、摩擦嵌め又は接続することも可能である。
【0048】
図5のネジ/バネ/ボール装置(80)は、第1部材(74)に設けられた水平方向の開口部の中に設けられているが、部材の中に他の形態に形成された開口部の中に設けることもできる。例えば、ネジ/バネ/ボール装置(80)に対する張力又は圧力の調整は、斜めの開口部を介して行なってもよい。その場合、ネジ/バネ/ボール装置(80)の露出した端部(通常はネジの頭部)は、図5中、符号(74)の引出線が第1部材(74)に接する位置である。これにより、ホィールアッセンブリ(例えば、図6のホィールアッセンブリ(100))をソールの開口部の中に装着又は配置して電動ヒーリング装置を形成するとき、車軸(62)の張力及び摩擦嵌めを調節するためのアクセスがより簡単なものとなる。なお、本発明においては、様々な他の構成、形状、開口部の配置が考えられ、実施できることは勿論である。
【0049】
取付構造(70)は、例えば、剛性や強度等の要求される機械的特性に応じて、事実上、あらゆる材料で製作し、構成することができる。これらの材料には、例えば、プラスチック、ポリマー、金属、合金、木、ゴム、複合材料などが含まれる。また、アルミニウム、チタン、鋼及び樹脂も含まれる。一実施例において、取付構造(70)は、例えばアルマイト処理されたアルミニウムのような金属で作られ、その場合、取付構造(70)は、黒っぽい色合いとなる。
【0050】
図6は、図4に示される車軸(62)及び図5の取付構造(70)に回転可能に取り付けられたホィール(60)を具えるホィールアッセンブリ(100)の底面図である。第1部材(74)と第2部材(76)は、夫々が、例えば、ネジ/バネ/ボール装置(80)を用いて作られた付勢機構を介して、車軸(62)の両端部に取外し可能に接続される。図では、ボール(102)は、開口部(78)の中で車軸(62)の一方の端部に接している状態が示されている。さらに、ホィールの凹部に配置された精密ベアリングを保持するために、リングクリップ(66)のようなスリップクリップ又はリングクリップ(スナップリング又はスリップリングとも称される)が配備される。
【0051】
電動ヒーリング装置の他の実施例において、ホィールと車軸との間にスプラグクラッチ(sprag clutch)を使用するのが好ましい。例えば、精密ベアリング(64)をスプラグクラッチとして実装されることができる。スプラグクラッチは、車軸が回転しないとき、ホィールが車軸の周りを前進方向に自由に回転することができ、また、車軸を前進方向に回転させてホィールを車軸と共に回転させる一方向ベアリング(one-way-bearing)として考えることができる。このような構成では、車軸は、電気モータによって回転させられて、ホィールは前方向に回転するが、車軸が電気モータによって回転していないときも、ホィールは前方向へ自由に回転することができる。これにより、電気モータが作動していないときに受動的ローリングが可能となり、電気モータが作動しているときは電気駆動ローリングにより、車軸とホィールを回転させることができる。
【0052】
かかと調整板(72)は電動ヒーリング装置の使用者がさらなる制御を行なえるようにし、電動ヒーリング装置のさらなる性能向上を達成することを可能にする。
【0053】
図7は、開口部の上及び中に配置され、電動ヒーリング装置(120)を形成するホィールアッセンブリ(100)の側面図である。かかと調整板(72)は靴の中に配備されており、使用者は、所望の圧力をかかと調整板に作用させることにより、電動ヒーリング装置(120)の操作及び性能を向上させることができる。
【0054】
図8A、8B、8C、8Dは、様々のホィール(200)の態様を示す図であり、本発明の様々な実施例で使用されるホィールの外観形状を示している。図8Aに示されるホィール(202)は、平らで、四角い外観形状(204)である。図8Bに示されるホィール(206)は、表面が内向きに湾曲した形状(208)である。図8Cに示されるホィール(210)は、表面が丸い形状(212)である。図8Dに示されるホィール(214)は、鋭く湾曲した形状(216)である。本発明は、適用可能なあらゆる形状のホィールを用いることができる。
【0055】
図9は、電動ヒーリング装置のホィールアッセンブリに用いられる他の実施例の取付構造(500)の斜視図である。取付構造(500)は、車軸(502)を有し、この車軸(502)は、部材(50)を貫通して部材(50)に取り付けられた1つの車軸と考えることができる。或いは、車軸(502)が部材(506)に接続され、その反対側で、車軸(504)が部材(506)に接続されていると考えられる。取付構造(500)はまた、部材(506)に接続されたヒール調整プレート(508)を具えている。
【0056】
取付構造(500)には、2つのホィールが取り付けられ、ホィールアッセンブリが形成される。ホィールは、好ましくは精密ベアリングを用いて、車軸(502)に回転可能に取り付けられことができるし、好ましくは前述の精密ベアリングを用いて、車軸に回転可能に取り付けられることができる。。
【0057】
車軸(502)及び車軸(504)は、ネジ部を有しており、ナット(例えば、ロックナット(510))で、ホィールが各車軸に取り付けられる。他の実施例において、車軸の端部には雌ネジが形成され、例えば図10に示す六角ネジの如き外ネジが螺合される。車軸と上記部材との接続は、適用可能なものであれば事実上いかなるカップリングであってよいことは理解されるべきである。
【0058】
図10は、電動ヒーリング装置に使用するための更に他の実施例を使用するホィールアッセンブリ(520)の斜視図である。ホィールアッセンブリ(520)は、精密ベアリング(526)を用いて車軸(524)に回転可能に取り付られたホィール(522)、ネジ(例えば、六角ネジ(532))を介して車軸(524)の各端部に接続された第1部材(528)及び第2部材(530)を具えている。ホィールアッセンブリ(520)は、先に図6を用いて説明したホィールアッセンブリ(100)と同様な構造であるが、ホィール/車軸アッセンブリを容易に挿脱できない点が(100)のものと異なる。
【0059】
図11は、電動ヒーリング装置(600)の一実施例の側部の部分断面図で、ソール(604)に配備されたホィールアッセンブリ(602)を示しており、ソール(604)の開口部(606)はソール(604)の中の全体に広がっていない。それゆえ、取付構造(608)を、ソール(604)の中に配置又は組み込むことが可能であり、簡単に取外しができないようにしてもよい。図示のホィール(610)は、ソール(604)の底部から下方に部分的に突出しており、これにより、秘匿性(ステルス)のあるヒーリングがもたらされる。
【0060】
図12は、本発明の電動ヒーリング装置(620)の他の実施例の側部の部分断面図であり、取外し可能なホィールカバー(622)が、ホィール(624)とソール(628)の開口部(626)を覆うために設けられている。この取外し可能なホィールカバー(622)は、ホィールを突出させた状態、つまり、ソール(628)の底面より下方にした状態で、ホィールがサーフェスで回転させないことを可能にする。本発明の電動ヒーリング装置(620)は、ホィールが回転可能な状態のまま、使用者が歩いたり走ったりすることができるが、取外し可能なホィールカバー(622)を用いることにより、土やゴミの侵入が防止され、より大きな安定性がもたらされる。
【0061】
他の実施例において、ホィールストップ(図12中に明示的には示されていない)を、取外し可能なホィールカバー(622)の代わりに又はそれと共に、ホィール(624)の回転を止めるために用いることができる。一実施例において、ホィールストップは、スポンジ又は柔軟性の材料から作られることができる。この材料は、ホィール(624)と開口部(626)との間に嵌め込まれてホィール(624)の回転を停止又は抑制し、摩擦によって保持されるものであれば、事実上どんな材料であってもよい。
【0062】
ホィールカバー(622)の他の実施例では、ホィール(624)が電動ヒーリング装置(620)から取り外されたときに、ホィールカバーが取り付けられる。好ましい実施例において、このホィールカバーは、一般的にソール(628)の底部の残りの部分とほぼ同一の平面を形成するように構成され、必要な場合には通常の靴としての機能を果たすと共に、開口部を保護する。このホィールカバーは、あらゆる方法で取り付けることが可能であるが、好ましくは、ホィール/車軸アッセンブリを取付構造に接続するのと同じ又は同様の方法を用いて、ホィールアッセンブリに接続される。この取外し可能なホィールカバーは、様々な方法で、ホィールアッセンブリに装着され又は取り付けられる。
【0063】
図13は、電動ヒーリング装置(700)の他の実施例の底面図であり、ホィールとして機能する球形ボール(702)を有し、このボールは、ソール(706)のかかと部の開口部の取付構造(704)の中に収容されている。
【0064】
図14は、電動ヒーリング装置の一実施例を使用して“ヒール(heel)”する“ヒーラー(heeler)”(800)を示す斜視図である。ヒーリングは、様々なテクニックを用いて行なうことができ、一般的には、バランス、位置決め、柔軟性及び調整(coordination)の技能が要求される。
【0065】
サーフェス上で電動ヒーリング装置を使用する方法の一例は、電動ヒーリング装置のソールの爪先部をサーフェスに接触させて、サーフェス上でランニングすること(非ローリングモードとも称される)、次いで、電動ヒーリング装置のホィールをソールの開口部からソールの底部の下方に突出させ、電動ヒーリング装置のホィールをサーフェスに接触させて、サーフェス上をローリングすることを含んでいる。これは、「受動的ローリングモード」とも称されるが、それは、ローリングは行われるが、電気モータは作動しておらず、ホィールを前進させるのに用いられていないことによる。この方法は、サーフェス上でランニングを行なう(非ローリングモード)前に、電動ヒーリング装置を着用し、電動ヒーリング装置のホィールを電動ヒーリング装置のソール部分の底部よりも下方に突出させた状態で、サーフェス上でウォーキングすることを含むことができる。
【0066】
好ましくは、受動的ローリングモードの後、そして、かかと部の中の1又は複数のホィールで安定にローリングを行なっている間、使用者は、ホィールに接続されたスロットル(明示的に図示していない)を用いて電気モータを作動させることにより、ホィールに前進方向のさらなる回転を与えることもできる。スロットルは、ワイヤレススロットルが望ましいが、配線されたスロットルとして実装することもできる。スロットルは、モータへ送られる電力量の調節を行なうもので、モータの回転速度を制御して、ホィールの回転を調節することができる。
【0067】
また、ヒーリングの方法は、サーフェス上をウォーキングする前に、電動ヒーリング装置のホィールを、ソールの底部より下方に突出させて、ホィールを働かせることを含んでいる。この方法はまた、電動ヒーリング装置をつけて、電動ヒーリング装置のホィールを働かせる前に、ホィールが引き込まれた状態で、サーフェス上をウォーキングすることを含んでいる。この方法の他の変形として、サーフェス上でのローリングから、サーフェス上でのランニング又はウォーキングへ移行することを含み、又はサーフェス上でのローリングの直後に、電動ヒーリング装置のソールの爪先部分をサーフェスに接触させてサーフェス上をランニングしながらサーフェス上で停止することへ移行することを含んでいる。
【0068】
ヒーリングの際の望ましい位置が、図14のヒーラー(800)によって示されている。そこでは、サーフェス上でローリングする際、一方の電動ヒーリング装置(802)が、他方の電動ヒーリング装置(804)の前に置かれている。電動ヒーリング装置(804)の後部かかと部(806)から分かるように、後部かかと部(806)とサーフェスとの隙間が小さくなることがしばしばある。そのため、好ましい実施例において、後部かかと部は、減速又は停止のための様々なテクニックを実行することができる。例えば、電動ヒーリング装置のソールの爪先部分をサーフェスに接触させて摩擦を発生させることにより、ローリングを減速させ、次いでサーフェスからホィールを離すことができる。他の例として、電動ヒーリング装置のソールのかかと部をサーフェスに接触させることによって減速を行なうこともできる。
【0069】
図15は、伸縮式車軸(904)に回転可能に取り付けられたホィール(902)の斜視図であり、図4と同様、ホィール/車軸アッセンブリ(900)と称することもできる。伸縮式車軸(904)は、多くの方法で実装されることができ、例えば、図16に示されているのと同様なスプリングを内蔵したアジャスタブル車軸や、ネジ式の伸縮式車軸などがある。この構成は、ホィール/車軸アッセンブリ(900)を電動ヒーリング装置に実装されたときに、ホィール/車軸アッセンブリ(900)を、より簡単に取り外したり、及び/又は、ホィールが地面に接しない位置まで引き込むことを可能にする。
【0070】
図16は、スプリングが内蔵された伸縮式車軸として実装された図15のホィール/車軸アッセンブリ(900)の伸縮式車軸(904)の断面図である。図から分かるように、この伸縮式車軸(904)は、伸縮式車軸(904)の両端を内向きに圧縮することにより、内部のスプリングの力に抗して、調整又は短縮することができる。
【0071】
図17は、取付構造(920)の他の実施例の斜視図である。この取付構造は、図15のホィール/車軸アッセンブリ(900)及び図16の伸縮式車軸(904)と共に使用されて、ホィールアッセンブリを形成する。伸縮式車軸(904)が、第1の位置(926)で、第1部材(922)及び第2部材(924)に接続されると、ホィールは引き込まれた位置になる。また、伸縮式車軸(904)が、第2位置(928)で、第1部材(922)及び第2部材(924)に接続されると、ホィールは突出した位置になる。
【0072】
図18は、車軸(944)の一実施例で、ソール(942)の開口部に配置されたホィールアッセンブリ(940)の側部の部分断面図である。車軸(944)は、キングピン部材又は複式キングピン部材と呼ばれるアッセンブリを用いて、取付構造(946)に接続され、引込み可能なホィール(948)を構成している。これにより、引込み可能なホィール(948)は、必要に応じて上部位置又は下部位置に調整することで、格納された位置から突出した位置まで移動させることが可能となる。図示のキングピン(950)(ネジ又はボルトで構成することも可能である)は、取付構造(946)の部材の中のネジ付き開口部の中に螺合されている。キングピン(950)を、部材の開口部の中にさらにねじ込んでいくことにより、車軸(944)をさらに引き込ませることができる。キングピン(950)はまた、車軸(944)の他方側を高くするために、他方の部材に設けられることもできる。他の実施例において、図9の取付構造(500)のように、単一の部材の中に単一のキングピンが設けられ、部材と車軸を介して引込み可能なホィールを構成することができる。
【0073】
キングピンタイプのアッセンブリの一例が、David L.Landayらにより、1979年7月18日に出願され、1981年10月20日に特許された米国特許第4295655号に示されており、この特許は引用を以て本願へ組み込まれるものとする。この特許は、本発明の実施例で使用できキングピンタイプのアッセンブリを開示している。
【0074】
図19は、図18のホィールアッセンブリ(940)の底面図であり、取付構造(946)の部材を貫通する複式キングピン部材とキングピン(950)をさらに詳しく示している。
【0075】
図20は、取付構造(946)の1つの部材の側面図であり、図18と同様な複式キングピン部材を用いて、車軸(944)を取付構造(946)に結合することを示している。前述の如く、これにより、車軸(944)を、従ってそれに取り付けられたホィールを、任意のレベルに移行させたり、引っ込んだ位置から突出した位置へ移行させることができる。
【0076】
車軸は、利用可能な技術を用いて、且つ、様々な方法によって、取付構造の部材に接続してもよいことは理解されるべきである。例えば、車軸を、取付構造の第1部材と第2部材に接続して、スプリング部材により、格納位置から突出位置へ移動させることができる。同様に、車軸を、取付構造の第1部材と第2部材に接続して、ヒンジ部材により、格納位置から突出位置へ移動させることができる。
【0077】
他の多くの実施例も可能であり、例えば、Walter Schreyerらにより、1975年5月23日に出願され、1976年10月5日に特許された米国特許第3983643号は、本発明の一実施例に使用することができる引込み可能な機構が開示されており、この特許は、引用を以て本願への記載加入とする。Raymond J.Gallantにより、1997年6月20日に出願され、1998年7月28日に特許された米国特許第5785327号は、同時に引込み可能なホィールが示されており、この特許は引用を以て本願への記載加入とする。
【0078】
図21は、ツーピース・ホイール(970)の分解斜視図であり、該ツーピース・ホィールは、内側コア(972)、外側タイヤ(974)(例えば、ウレタン車輪)、車軸(976)、及び本発明に使用されるベアリング(978)を具えている。好ましい実施例において、ベアリング(978)は、外側タイヤ(974)の外径の半分よりも小さい。これにより、ソフトな乗り心地、良好な操作性、及び長寿命等の有意な利点をもたらされるが、それは、外側タイヤ(974)をより大きく、より厚くできるからである。他の実施例において、ベアリング(978)の外側直径は、外側タイヤ(974)の外径の半分よりも大きい。好ましい実施例において、ツーピースホィールの内側コア部は、より硬質の材料で作られ、ベアリング支持のための剛性を向上させる。これに対し、外側タイヤ部は、性能向上とより静かな乗り心地を得るために、より軟質の材料(例えば、軟質ウレタン)で作られる。これら種類の車輪は、いわゆる“デュアル・デュロメーター”タイプのホィールと呼ぶことができる。
【0079】
前述したように、電動移動具の実施例において、車軸(976)と、車輪又は外側タイヤ(974)とのカップリング又は取付部に“スプラグクラッチ”装置を配置することがは好ましい。
【0080】
図22は、本発明に使用される電動ヒーリング装置(1000)の斜視図である。電動ヒーリング装置は、バッテリー(1004)を有するベルト(1002)を具えており、配線されたスロットル(1006)により、履物(1010)のヒール開口部に配置された電動車輪アセンブリの制御が行われる。スロットル(1006)は通常、回路(例えば、速度コントローラ)を含んでおり、電動ホィールアセンブリ(1008)に供給される電力量又はエネルギー量が制御される。この方法では、使用者は、履物(1010)の爪先部(1012)でウォーキングを行ない、次に、例えば、身体の重心を履物(1010)のかかと部へ移動させて、電動ホィールアセンブリ(1008)のホィールで受動的ローリングを行ない、次に、電動ホィールアッセンブリ(1008)のモータに電力を供給して電気駆動によるローリングを行なう。
【0081】
図23は、電動ヒーリング装置(1020)の側部斜視図であり、後部に、本発明の一態様に係る直流モータ(1020)が取り付けられている。モータ(1022)の回転シャフトは、ベルト(1024)及び履物(1028)のかかと部の側部ホィール(1026)に結合され、ホィール(1026)は電気駆動によって回転する。他の実施例において、スプラグスイッチは、モータ(1022)の回転シャフトとベルト(1024)のカップリングに用いられ、モータが動いてないとき、ホィールは、モータ巻線の抵抗無しで、ホィールを自由に回転させることができる。電動ヒーリング装置(1020)はまた、スロットル(好ましくはワイヤレススロットル)と電源(例えば、バッテリー源)を具えている。
【0082】
図24は、図23の電動ヒーリング装置(1020)の側部斜視図であり、本発明の一態様として、受動的に作動する前ホィール(1040)を、電動履物(1050)に実装することができる。これにより、電動ホィールを有する履物を、数多くのサーフェス上で用いることができる。
【0083】
図25Aは、電動ヒーリング装置(1100)の後部斜視図であり、回転シャフト(1104)を有するモータ(1102)を具えており、該モータは、回転シャフト(1104)を有するモータ(1102)を含んでおり、回転シャフト(1104)のギア(1108)とシャフト(1112)のギア(1110)を具えるギア機構(1106)を介して、シャフト(1112)に回転エネルギーが供給される。このようにして、かかと部の2つの側部ホィール(1114)(1116)は、モータ(1102)によって駆動する。スプラグスイッチがホィール(1114)(1116)に用いられる場合、ホィールは、モータ(1102)に電力が供給されていないときは前進方向に回転し、電気モータに電力が供給されるときも、シャフト(1112)の回転により前進方向に回転する。
【0084】
図25Bは、側部に装着されたモータ(1150)を示す後部斜視図であり、履物のかかと部の開口部の中にある1つのホィール(1152)は、ギア(1154)(1156)を用いて回転させられる。ホィール(1152)は履物と共に電動ヒーリング装置を構成する。
【0085】
図25Cは、スプラグスイッチ(1202)と車軸(1204)からなるアッセンブリ(1200)を示しており、該アッセンブリは、電動履物及び電動移動具を含む電動ヒーリング装置の好ましい実施例に用いられることができる。
【0086】
図26は、履物のかかと部を受ける電動ヒールブラケット(1300)の側部斜視図であり、本発明のさらなる一態様に係るもので、後部の横方向に直流ブラシモータ(1302)が配備され、バンド又はベルト型カップリング(1304)により、かかと板(1310)に隣接する1つのホィール(1306)と、モータ(又はベルト)で駆動するホィール(1306)と反対側の受動ホィール(1308)とを回転させることができる。
【0087】
図27A乃至図27Cは、電動ヒールブラケット(1400)の各種実施例を示しており、前記ブラケットは、図27Cのワイヤレススロットル(1402)を具えており、これにはアンテナ(1404)と送信機が含まれている。本発明のさらに他の一形態において、電動ヒールブラケット(1400)は、かかと板(1406)の後部に配備されたモータ(1410)とトランスミッション(又はギア機構)(1420)を含んでおり、かかと板(1406)の各側部に配置された2つのホィール(1412)(1414)に対して動力が供給される。図には、モータに隣接して配備された一連のバッテリー(1430)と、足又は履物をヒールブラケットに取り付けるためのストラップ(1432)が示されている。他の実施例において、履物を電動ヒーリングブラケット(1400)に接続するのに、例えば、雄/雌コネクタ、摩擦嵌めコネクタ等のコネクタを用いられることができる。
【0088】
図28は、本発明の実施例で用いられることができるカップリング又はギア機構を示すブロック図である。回転シャフト(1504)のギア(1500)によってシャフト(1506)が回転し、これにより、図示の2つのホィールが回転する。
【0089】
図29は、図14と同様な図であり、両足に電動ヒールブラケットを用いた実施例の斜視図である(但し、望ましい実施例では、必要なのはただ1つの電動ヒールブラケットであり、他方の足は受動ローリングのために、例えばヒーリング装置等のあらゆるホィール付き履物を用いることができる)。図示のスケーター又はヒーラー(1600)は、“ヒーリング”位置であり、一方の足は他方の足の前にある。
【0090】
図30A乃至図30Cは、電動ホィールアセンブリ(1710)の斜視図であり、この実施例では、回転するモータケーシング又はハウジング(1720)の円筒部を含むブラシレス直流モータ(1720)と、モータハウジング(1720)の円筒部の周りに配備され、電動装置のホィールとして機能するホィール(1702)とを具えている。図30Cは、モータ(1700)の側面図であり、回転ハウジング(1720)の開口部から観察できる巻線(1704)の如く、様々なモータ巻線を示している。なお、図面中、モータの電力及び制御用配線(1730)が、ハウジングの非回転部(1750)にて、モータ(1700)から出ているのが示されている。ホィール(1702)は、ウレタンであるのが望ましいが、その他あらゆる材料を用いることはできる。
【0091】
電動ホィールアッセンブリ(1710)に使用可能なモータ(1700)の製造者の1つに、“MODEL MOTORS”があり、製造している直流電気モータはブラシレスであり、モータのコイルを取り囲むケーシング又はハウジングの部分は、ローラのような円筒形で、電力がモータへ供給されると回転する。
【0092】
この種の装置は、回転可能なモータハウジングをホィールとして使用する数多くの用途に適用される。
【0093】
図31A及び図31Bは、電動履物(1800)に使用される電動ホィールアッセンブリ(1804)の側部斜視図であり、2つの電動ホィールアッセンブリを用いた電動ホィールアッセンブリ(1806)と、ただ1つの電動ホィールアッセンブリ(1804)及び受動的ローラ又はホィール(1808)を用いた電動履物(1802)とを使用している。モータを1又は複数のホィールの中に組み込むことにより、前述した多くの利点がもたらされる。
【0094】
図32は、履物(2020)のかかと部の底面の開口部に電動ホィールアッセンブリ(2002)を配置した電動ヒーリング装置(2000)の斜視図である。本発明の一実施例において、バッテリー(2004)とスロットル回路(2006)は全て、片方の靴又はブーツの中に格納され、都合良くパッケージされている。
【0095】
図33は、図32の電動ヒーリング装置(2000)の底面図であり、履物(2020)のかかと部の底部が示されており、電動ホィールアッセンブリ(2002)が、ブーツ(2020)のソールのかかと部の底面の開口部に配置されている。
【0096】
図34A乃至図34Fは、個人用電動移動具の様々な実施例の斜視図であり、各々が電動ホィールアッセンブリ(3000)を使用している。
【0097】
このように、本発明は、電動ヒーリング装置を含む個人用電動移動具及び電動移動方法を提供するものであり、電動ヒーリング装置は、電動履物、電動ヒールブラケット及び電動ホィールアセンブリを含んでおり、前述した1又は複数の利点をもたらすことは明らかであろう。好ましい実施例を詳細に記載したが、前述した効果及び利点が全て存在しなくても、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更、置換及び修正を行なえることは理解されるべきである。例えば、図面に示され、明細書に記載された様々な実施例及び具体例は例示であって、明細書の中に明示的に示されているか否かに拘わらず、本発明の範囲内で数多くの異なる方法にて実施することは可能であろう。例えば、様々な部材又は構成要素を、他のシステムに結合し、又は組み込むことはできるであろうし、特性によっては実施されなくてもよいものもある。また、好ましい実施例において別個に記載及び図示した、技術、システム、サブシステム及び方法については、本発明の範囲から逸脱することなく、他のシステム、デザイン、技術又は方法に結合したり、組み込むことができるであろう。例えば、電気モータとそのバッテリーは、本明細書で具体的に記載されていない様々な位置に設けることができる。また、当業者であれば、その他の変更、置換及び修正について、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、成し得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施例に係り、スポーツシューズを用いて実現された電動ヒーリング装置の側面図である。
【図2A】ソールに開口部が設けられた電動ヒーリング装置のソールの一実施例の底面図である。
【図2B】ソールに開口部が設けられた電動ヒーリング装置のソールの一実施例の底面図である。
【図3A】図2Aに示されたソールの一実施例の底面図であって、ソールの各開口部にあるホイールを示している。
【図3B】図2Bに示されたソールの一実施例の底面図であって、ソールの各開口部にあるホイールを示している。
【図4】車軸に回転自在に装着されたホイールの斜視図であって、これはまた、本発明の一実施例によるホイールアッセンブリで使用するためのホイール/車軸装置と称されるものである。
【図5】車軸に回転自在に装着された図4のホィールを取る付けるのに用いられ、ホィールアッセンブリを形成する取付構造の斜視図である。
【図6】図4に示す車軸に回転可能に取り付けられたホィールと、図5の取付構造とを含むホィールアッセンブリを示す底面図である。
【図7】履物の開口部の上方及び内部に取り付けられ、電動ヒーリング装置を形成するホィールアッセンブリを示す側面図である。
【図8A】本発明の様々な実施例で使用可能なホィールの一実施例の表面形状を示す側面図である。
【図8B】本発明の様々な実施例で使用可能なホィールの一実施例の表面形状を示す側面図である。
【図8C】本発明の様々な実施例で使用可能なホィールの一実施例の表面形状を示す側面図である。
【図8D】本発明の様々な実施例で使用可能なホィールの一実施例の表面形状を示す側面図である。
【図9】電動ヒーリング装置のホィールアッセンブリに用いられる取付構造の他の実施例を示す斜視図である。
【図10】電動ヒーリング装置に用いられるホィールアッセンブリの他の実施例を示す斜視図である。
【図11】電動ヒーリング装置のソールに設けられたホィールアッセンブリと、ソールの中を完全には貫通していないソールの開口部とを示す電動ヒーリング装置の一実施例の側部の部分断面図である。
【図12】ソールのホイール及び開口部をカバーするように配置された取外し可能なホイールカバーを有する本発明の電動ヒーリング装置の他の実施例の側面図である。
【図13】ソールのかかと部分の開口部の中の取付構造の中に配置され、ホイールとして機能する球形ボールを有する本発明の他の実施例の底面図である。
【図14】本発明を使用して“ヒール(heel)”する“ヒーラー(heeler)”を示す斜視図である。
【図15】車軸に回転自在に装着されることができ、図4と同様にホイール/車軸装置とも称されるホィールの斜視図である
【図16】図15のホィール/車軸アッセンブリの伸縮式車軸の断面図であって、スプリング内蔵の伸縮式車軸として構成される例を示している。
【図17】図15及び図16に示されるホイール/車軸アッセンブリ及び伸縮式車軸と共に使用されてホイール・アセンブリを形成する取付構造の他の実施例を示す斜視図である。
【図18】ソールの開口部の中に配置されたホイールアッセンブリを示しており、キングピン部材と呼ばれるアッセンブリを用いて取付構造に接続され、引込み可能なホイールを実現する車軸の一実施例の側部断面図である。
【図19】図18のホィールアッセンブリにおける複式キングピン部材をさらに示す底面図である。
【図20】複式キングピン部材を用いて車軸に接続された取付構造の一部材を示す側面図である。
【図21】本発明で使用することができる内側コア及び外側タイヤを含むツーピース・ホイールの分解斜視図である。
【図22】本発明に使用されることができる電動ヒーリング装置を示す斜視図である。
【図23】本発明の一態様に係り、後面に直流モータが取り付けられた電動ヒーリング装置の側部斜視図である。
【図24】図23の電動ヒーリング装置において、本発明の一態様に係る電動履物を実現するための受動的前輪を有する実施例の側部斜視図である。
【図25A】履物のかかと部に隣接する2つのホィールを回転させる電動ヒーリング装置及びカップリング(歯車装置又はトランスミッションを含む)の他の実施例の後部斜視図である。
【図25B】1つのホィールを回転させるためモータが側部に取り付けられた実施例の後面図である。
【図25C】電動ヒーリング装置の望ましい実施例に使用されることができるスプラグクラッチ及び車軸装置又は車軸アッセンブリの斜視図である。
【図26】履物のかかと部を収容する電動ヒールブラケットであって、かかと板に隣接する1つのホィールを回転させるためのバンド又はベルトカップリングを有し、横方向後部に取り付けられたdcブラシモータと、モータ(又はベルト)駆動ホィールとは反対側の受動ホィールを含む本発明の他の一実施例の側部斜視図である。
【図27A】ワイヤレススロットルを含み、後部にモータ及びトランスミッション(又はギア装置)が取り付けられた電動ヒールブラケットの本発明の他の実施例の斜視図である。
【図27B】ワイヤレススロットルを含み、ヒールブラケットの夫々の側部に配置された2つのホィールに電力を供給するために、後部にモータ及びトランスミッション(又はギア装置)が取り付けられた電動ヒールブラケットの本発明の他の実施例を示す図である。
【図27C】ワイヤレススロットルの斜視図である。
【図28】本発明の実施例に用いられることができるカップリング又はギア装置のブロック図である。
【図29】図14と同様な図であって、両足に電動ヒールブラケットを用いた実施例の斜視図である(但し、望ましい実施例では、必要なのはただ1つの電動ヒールブラケットであり、他方の足は受動ローリングのためにあらゆるホィール付き履物を用いることができる)。
【図30A】回転するモータケーシング又はハウジングの円筒部を含むブラシレス直流モータと、モータハウジングの円筒部の周りに取り付けられ、電動器具のホィールとして機能するホィールとを具える電動ホィールアッセンブリの斜視図である。
【図30B】回転するモータケーシング又はハウジングの円筒部を含むブラシレス直流モータと、モータハウジングの円筒部の周りに取り付けられ、電動器具のホィールとして機能するホィールとを具える電動ホィールアッセンブリの斜視図である。
【図30C】回転するモータケーシング又はハウジングの円筒部を含むブラシレス直流モータと、モータハウジングの円筒部の周りに取り付けられ、電動器具のホィールとして機能するホィールとを具える電動ホィールアッセンブリの端面図である。
【図31A】電動履物に2つの電動ホィールアッセンブリを使用する例の側部斜視図である。
【図31B】電動履物に1つの電動ホィールアッセンブリを使用する例の側部斜視図である。
【図32】電動ホィールアッセンブリを用いた電動ヒーリング装置であって、バッテリー及びスロットル回路の全部を片方の靴又はブーツに含む本発明の一実施例の斜視図である。
【図33】図32の電動ヒーリング装置であって、ブーツのソールのかかと部底面の開口部にあるソール及びブーツのソールのかかと部を含む電動ヒール装置の底面図である。
【図34A】電動ホィールアッセンブリを用いた本発明の個人用電動移動具の一実施例を示す斜視図である。
【図34B】電動ホィールアッセンブリを用いた本発明の個人用電動移動具の一実施例を示す斜視図である。
【図34C】電動ホィールアッセンブリを用いた本発明の個人用電動移動具の一実施例を示す斜視図である。
【図34D】電動ホィールアッセンブリを用いた本発明の個人用電動移動具の一実施例を示す斜視図である。
【図34E】電動ホィールアッセンブリを用いた本発明の個人用電動移動具の一実施例を示す斜視図である。
【図34F】電動ホィールアッセンブリを用いた本発明の個人用電動移動具の一実施例を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーフェス上を前方向にウォーキング及びローリングすることのできる電動ヒーリング装置であって、
サーフェス上を前方向に転動可能なホィールと、
ホィールの開口部の中に設けられ、ホィールに回転可能に接続された車軸であって、車軸が回転していないとき、ホィールは車軸の周りを前進方向に回転可能であり、車軸が前進方向に回転するとき、車軸がホィールを前進方向に回転させることができるようにした、車軸と、
車軸を前進方向に回転させることができるように動作可能で、電気が入ると車軸を前進方向に回転させることができる電気モータと、
後部、内側部、外側部及びソールを含み、ソールは、爪先部、土踏まず部及びかかと部を含み、かかと部は底面を有する履物と、を具えており、
ホィールは、ソールのかかと部に隣接して配置され、使用時において、非ローリングモードでは、ソールの爪先部により、電動ヒーリング装置はサーフェスとの間で主要な接触がもたらされ、受動的ローリングモードでは、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらすことにより、ホィールが前進方向に回転した状態で、使用者は、サーフェス上を前方向にローリング可能であり、使用者が重心をソールの爪先部からホィールへ移動させることによってモード変化が行われ、電気駆動ローリングモードでは、電気モータが回転して車軸とホィールを前進方向に回転させることにより、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらして、使用者はサーフェス上を前方向にローリング可能である、電動ヒーリング装置。
【請求項2】
電気モータの速度を制御できるように動作可能で、車軸とホィールの前進方向への回転速度を制御するスロットルをさらに具えている請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項3】
スロットルは、使用者が片手で携行可能なワイヤレススロットルである請求項2の電動ヒーリング装置。
【請求項4】
車軸とホィールとの間に配置され、車軸が回転していないとき、ホィールを前進方向に回転することができるように動作可能で、車軸が前進方向に回転しているとき、車軸がホィールを前進方向に回転させることができるように動作可能なスプラグクラッチをさらに具えている請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項5】
電気モータは、履物に隣接して配置される請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項6】
電気モータは、履物の後部に沿って配置される請求項5の電動ヒーリング装置。
【請求項7】
電気モータは、履物の内側部に沿って配置される請求項5の電動ヒーリング装置。
【請求項8】
電気モータは、履物の外側部に沿って配置される請求項5の電動ヒーリング装置。
【請求項9】
ホィールは複数のホィールのうちの1つであり、受動的ローリングモード及び電気駆動ローリングモードのとき、複数のホィールは、サーフェスと主要な接触をもたらす、請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項10】
ホィールは、履物のソールのかかと部の底面の下に配置される請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項11】
開口部は、履物のソールのかかと部の底面に設けられ、ホィールの少なくとも一部分は開口部の中に配置される請求項10の電動ヒーリング装置。
【請求項12】
ホィールは、履物の内側部に沿って、履物のソールのかかと部に隣接して配置される請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項13】
ホィールは、履物の外側部に沿って、履物のソールのかかと部に隣接して配置される請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項14】
ホィールは、履物の後部に沿って、履物のソールのかかと部に隣接して配置される請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項15】
ホィールはかかと部の一方の側に隣接して配置され、第2のホィールがかかと部の他方の側に沿って配置され、前進方向に回転するように動作可能である請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項16】
電気モータに電力を供給するバッテリーをさらに具えている請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項17】
バッテリーはリチウム電池である請求項16の電動ヒーリング装置。
【請求項18】
バッテリーはモータに隣接して配置される請求項16の電動ヒーリング装置。
【請求項19】
バッテリーは、使用者が装着するベルトの上に配置される請求項16の電動ヒーリング装置。
【請求項20】
バッテリーは、履物の後部に隣接して配置される請求項16の電動ヒーリング装置。
【請求項21】
バッテリーは使用者の足に隣接して配置される請求項16の電動ヒーリング装置。
【請求項22】
電気モータは、カップリングを介して車軸を回転させるように動作可能である請求項1電動ヒーリング装置。
【請求項23】
カップリングはベルトを含んでいる請求項22の電動ヒーリング装置。
【請求項24】
カップリングはギアアッセンブリを含んでいる請求項22の電動ヒーリング装置。
【請求項25】
カップリングはトランスミッションを含んでいる請求項22の電動ヒーリング装置。
【請求項26】
電気モータはブラシレス直流モータである請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項27】
電気モータは直流モータである請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項28】
電気モータは、ハウジングに円筒部を具え、該ハウジングの円筒部の周りに外ホィールが配置されており、ハウジングの円筒部と外ホィールは回転可能であり、電動ヒーリング装置の車軸及びホィールとして機能する請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項29】
モータコントローラをさらに具えており、該モータコントローラは、スロットルと協同作用して、電気モータの動作を制御するように動作可能である請求項2の電動ヒーリング装置。
【請求項30】
電力を電気モータに供給することができるバッテリーをさらに備えており、前記バッテリーは、履物のソールの土ふまず部に隣接して配置される請求項1の電動ヒーリング装置。
【請求項31】
電動ヒーリング装置を、非ローリングモード、受動的ローリングモード及び電気駆動ローリングモードで使用して、電動ヒーリング装置をサーフェス上で前方向に移動させる方法であって、
非ローリングモードのとき、電動ヒーリング装置の履物の爪先部の底面を利用して、サーフェス上を前方向へウォーキングし、
使用者の重心を、爪先部から、電動ヒーリング装置の履物のかかと部に隣接して配置されたホィールへ移動させることによって受動的ローリングモードへ移行させ、ホィールが前進方向に回転した状態で、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらして、使用者がサーフェス上を前方向へローリングできるようにし、
電動ヒーリング装置の電気モータへ電力を供給して、ホィールに前進方向への回転力をもたらすことにより、電気駆動ローリングモードに移行させて、ホィールがサーフェスとの主要な接触を継続することにより、ホィールが前進方向に回転した状態で、使用者がサーフェス上を前方向へローリングできるようにする、方法。
【請求項32】
電気モータへの電力供給を停止することにより、電気駆動ローリングモードから受動的ローリングモードへ移行させ、
爪先部の少なくとも一部分をサーフェスと接触させることにより、サーフェス上で停止すること、をさらに含んでいる請求項31の方法。
【請求項33】
サーフェス上を前方向にウォーキング及びローリングすることのできる電動ヒーリング装置であって、
電動ヒーリング装置を前方向に進ませることができるように、前進方向に回転可能で、サーフェス上を転動可能なホィールと、
回転可能に構成され、電気が入るとホィールを前方向へ回転させることができるシャフトを有する電気モータと、
電気モータの回転シャフトをホィールに連結することが可能なカップリングと、
電力を電気モータに供給することができるバッテリーと、
電気モータの速度を制御できるように動作可能で、ホィールの前進方向への回転速度を制御するスロットルと、
後部、内側部、外側部及びソールを含み、ソールは、爪先部、土踏まず部及びかかと部を含み、かかと部は底面を有する履物と、を具えており、
ホィールは、ソールのかかと部に隣接して配置され、使用時において、非ローリングモードでは、ソールの爪先部により、電動ヒーリング装置はサーフェスとの間で主要な接触がもたらされ、電気駆動ローリングモードでは、ホィールが前進方向に回転した状態で、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらすことにより、使用者は、サーフェス上を前方にローリング可能であり、使用者が重心をソールの爪先部からホィールへ移動させることによってモード変化が行われる、電動ヒーリング装置。
【請求項34】
電気モータは履物に隣接して配置される請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項35】
ホィールは複数のホィールのうちの1つであり、電気駆動ローリングモードのとき、複数のホィールはサーフェスと主要な接触をもたらす、請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項36】
ホィールは、履物のソールのかかと部の底面の下に配置される請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項37】
開口部は、履物のソールのかかと部の底面に設けられ、ホィールの少なくとも一部分は開口部の中に配置される請求項36の電動ヒーリング装置。
【請求項38】
ホィールは、履物の内側部に沿って、履物のソールのかかと部に隣接して配置される請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項39】
ホィールは、履物の外側部に沿って、履物のソールのかかと部に隣接して配置される請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項40】
ホィールはかかと部の一方の側に隣接して配置され、第2のホィールがかかと部の他方の側に沿って配置され、前進方向に回転するように動作可能である請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項41】
カップリングはベルトを含んでいる請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項42】
カップリングはギアアッセンブリを含んでいる請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項43】
カップリングはトランスミッションを含んでいる請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項44】
使用者の他方の足に用いられる第2の電動ヒーリング装置をさらに含んでいる請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項45】
電気モータはブラシレス直流モータである請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項46】
電気モータは直流モータである請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項47】
電気モータは、ハウジングに円筒部を具え、該ハウジングの円筒部の周りに外ホィールが配置されており、ハウジングの円筒部と外ホィールは回転可能であり、電動ヒーリング装置の車軸及びホィールとして機能する請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項48】
モータコントローラをさらに具えており、該モータコントローラは、スロットルと協同作用して、電気モータの動作を制御するように動作可能である請求項33の電動ヒーリング装置。
【請求項49】
サーフェス上を前方向にウォーキング及びローリングすることのできる電動ヒーリング装置であって、
電動ヒーリング装置を前方向に進ませることができるように、前進方向に回転可能で、サーフェス上を前方向に転動可能なローリング手段と、
回転可能に構成され、電気が入るとローリング手段を前方向へ回転させることができるシャフトを有する電気モータと、
電気モータの回転シャフトをローリング手段に連結することが可能なカップリングと、
電力を電気モータに供給することができるバッテリーと、
電気モータの速度を制御できるように動作可能で、ローリング手段の前進方向への回転速度を制御するスロットルと、
後部、内側部、外側部及びソールを含み、ソールは、爪先部、土踏まず部及びかかと部を含み、かかと部は底面を有する履物と、を具えており、
ローリング手段は、ソールのかかと部に隣接して配置され、使用時において、非ローリングモードでは、ソールの爪先部により、電動ヒーリング装置はサーフェスとの間で主要な接触がもたらされ、電気駆動ローリングモードでは、ローリング手段がサーフェスと主要な接触をもたらすことにより、ローリング手段が前進方向に回転した状態で、使用者は、サーフェス上を前方向にローリング可能であり、使用者が重心をソールの爪先部からホィールへ移動させることによってモード変化が行われる、電動ヒーリング装置。
【請求項50】
使用者がサーフェス上を前方向にウォーキング及びローリングするために、使用者の履物を受けることができるように形成された電動ヒールブラケットであって、
電動ヒールブラケットが前方向に進むことができるように、前進方向に回転可能で、サーフェス上を前方向に転動可能なホィールと、
回転可能に構成され、電気が入るとホィールを前方向へ回転させることができるシャフトを有する電気モータと、
ホィールを回転させるために、電気モータの回転シャフトをホィールに連結することが可能なカップリングと、
電気モータの回転シャフトの速度を制御できるように動作可能で、ホィールの前進方向への回転速度を制御するスロットルと、
使用者の履物のかかと部を受けることができるように形成され、後部、右側部、左側部及びかかと板を有するヒールブラケットと、を具えており、
履物は、ソールを有し、該ソールは、爪先部、土踏まず部及びかかと部を有し、かかと部は底面を有しており、ホィールは、ヒールブラケットに隣接して配置され、履物の使用において、非ローリングモードでは、履物のソールの爪先部により、サーフェスと主要な接触がもたらされ、電気駆動ローリングモードでは、ホィールが前進方向に回転した状態で、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらすことにより、使用者は、サーフェス上を前方にローリング可能であり、使用者が重心をソールの爪先部からホィールへ移動させることによってモード変化が行われる、電動ヒールブラケット。
【請求項51】
電気モータに電力を供給するバッテリーをさらに具えている請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項52】
カップリングは、車軸を含んでおり、該車軸は、ホィールの開口部の中で、ホィールに回転可能に接続され、車軸が回転していないとき、ホィールは車軸の周りを前進方向に回転可能であり、車軸が前進方向に回転するとき、車軸はホィールを前進方向に回転させることができるようにしており、電気モータは、電気が入るとホィールを回転させることができるように動作可能で、車軸を前進方向に回転させることができる、請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項53】
カップリングは、車軸とホィールとの間に配置されたスプラグクラッチを更に具えており、スプラグクラッチは、車軸が回転していないとき、ホィールを前進方向に回転することができるように動作可能で、車軸が前進方向に回転しているとき、車軸がホィールを前進方向に回転させることができる請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項54】
カップリングは、スプラグクラッチを具えており、該スプラグクラッチは、電気モータが作動していないとき、ホィールを前進方向に回転させて受動的ローリングモードに変えることができるように動作可能であり、受動的ローリングモードでは、ホィールがサーフェスと主要な接触をもたらすことにより、ホィールが前進方向に回転した状態で、使用者は、サーフェス上を前方向にローリング可能であり、使用者が重心をソールの爪先部からホィールへ移動させることによってモード変化が行われ、電気駆動ローリングモードでは、電気モータが回転してホィールを前進方向に回転させることができる請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項55】
カップリングはベルトを含んでいる請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項56】
ベルトは、電気モータのシャフトとホィールとの間に配置される請求項55の電動ヒールブラケット。
【請求項57】
カップリングはギアアッセンブリを含んでいる請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項58】
カップリングはトランスミッションを含んでいる請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項59】
前記ホィールはヒールブラケットの右側に隣接して配置され、第2のホィールをさらに具え、第2のホィールはヒールブラケットの左側に隣接して配置され、前進方向に回転するように動作可能であり、トランスミッションは、電気モータの回転シャフトに連結するように動作可能で、前記ホィールと第2のホィールを回転させることができる請求項58の電動ヒールブラケット。
【請求項60】
前記ホィールはヒールブラケットの右側に隣接して配置され、第2のホィールをさらに具え、第2のホィールは、ヒールブラケットの左側に隣接して配置され、前進方向に回転するように動作可能である請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項61】
前記ホィールは、ヒールブラケットの下に配置される請求項50のヒールブラケット。
【請求項62】
開口部がヒールブラケットのかかと板の底面に設けられ、ホィールの少なくとも一部分は開口部の中に配置される請求項61の電動ヒールブラケット。
【請求項63】
前記ホィールは、ヒールブラケットの右側部に沿って配置される請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項64】
前記ホィールは、ヒールブラケットの左側部に沿って配置される請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項65】
前記ホィールは、ヒールブラケットの後部に沿って配置される請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項66】
前記ホィールは複数のホィールのうちの1つであり、電気駆動ローリングモードのとき、複数のホィールは、サーフェスと主要な接触をもたらす、請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項67】
電気モータは、ヒールブラケットの後部に沿って配置される請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項68】
電気モータは、ヒールブラケットの右側に沿って配置される請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項69】
電気モータは、ヒールブラケットの左側に沿って配置される請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項70】
ブラケットは、ヒールブラケットの中に履物を取り付けるためのコネクタを具えている請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項71】
ヒールブラケットのコネクタはストラップである請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項72】
ヒールブラケットは、履物のかかと部の中にあるコネクタ片と接続可能なコネクタ片を含んでいる請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項73】
履物は、摩擦嵌めによってヒールブラケットに接続される請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項74】
ヒールブラケットは履物の部品として一体に形成されて電動ヒーリング装置を形成する請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項75】
使用者の他方の足に用いられる第2の電動ヒールブラケットをさらに具えている請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項76】
電気モータは、ブラシレス直流モータである請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項77】
電気モータは直流モータである請求項50の電動ヒールブラケット。
【請求項78】
電動ホィールアッセンブリであって、
モータコイルを少なくとも部分的に取り囲むハウジングを有する電気モータであって、電力が供給されると、ほぼ円筒形に形成されたハウジングの少なくとも一部分をモータコイルの周りで前進方向に回転させることができるように動作可能な電気モータと、
ほぼ円筒形に形成されたハウジングの少なくとも一部分の周りに配置され、電気モータに電力が供給されると、ハウジングと共に前進方向に回転させることができるように動作可能なホィールと、を具えており、
ホィールとほぼ円筒形のハウジングは、電気モータに電力が供給されると、サーフェス上を転動するローラとして機能するように動作可能である、電動ホィールアッセンブリ。
【請求項79】
ホィールアッセンブリは、移動具のホィールとして用いられ、前記移動具は、インラインスケート、クワッドスケート、スケートボード、スクータ、ヒーリング装置及びモバイルプラットフォームからなる群から選択される請求項78の電動ホィールアッセンブリ。
【請求項80】
ホィールにはウレタンが入っている請求項78の電動ホィールアッセンブリ。
【請求項81】
ホィールにはプラスチックが入っている請求項78の電動ホィールアッセンブリ。
【請求項82】
ホィールにはゴムウレタンが入っている請求項78の電動ホィールアッセンブリ。
【請求項83】
電力を電気モータに供給することができる電力源をさらに具えている請求項78の電動ホィールアッセンブリ。
【請求項84】
電力を電気モータに供給することができるバッテリーをさらに具えている請求項78の電動ホィールアッセンブリ。
【請求項85】
電気モータはブラシレス直流モータであり、電気モータに供給される電力量を制御するように動作可能なコントローラをさらに具えている請求項84の電動ホィールアッセンブリ。
【請求項86】
使用者をサーフェス上の第1の位置から第2の位置へ移動させる個人用電動移動具であって、電動ホィールアッセンブリを具え、
該電動ホィールアッセンブリは、
モータコイルを少なくとも部分的に取り囲むハウジングを有する電気モータであって、電力が供給されると、ほぼ円筒形に形成されたハウジングの少なくとも一部分をモータコイルの周りで前進方向に回転させることができるように動作可能な電気モータと、
ほぼ円筒形に形成されたハウジングの少なくとも一部分の周りに配置され、電気モータに電力が供給されると、ハウジングと共に前進方向に回転させることができるように動作可能なホィールと、を具えており、
ホィールとほぼ円筒形のハウジングは、電気モータに電力が供給されると、サーフェス上を転動するローラとして機能するように動作可能であり、
使用者がサーフェス上の第1の位置から第2の位置へ移動するとき、使用者をサーフェス上で支持できるように構成された支持構造体を具えており、
前記電動ホィールアッセンブリは、支持構造体に隣接して配置され、ホィールとほぼ円筒形のハウジングは、電気モータに電力が供給されると、個人用電動移動具をサーフェス上で転動させるローラとして機能するように動作可能である、個人用電動移動具。
【請求項87】
支持構造体に隣接して配置され、サーフェス上で転動可能なローラをさらに具えている請求項86の個人用電動移動具。
【請求項88】
支持構造体に隣接して配置され、サーフェス上で転動可能な複数のローラをさらに具えている請求項86の個人用電動移動具。
【請求項89】
電力を電動ホィールアッセンブリの電気モータに供給することができるバッテリーをさらに具えている請求項86の個人用電動移動具。
【請求項90】
個人用電動移動具は電動インラインスケートを含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項91】
個人用電動移動具は電動クワッドスケートを含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項92】
個人用電動移動具は電動スケートボードを含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項93】
個人用電動移動具は電動ヒーリング装置を含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項94】
個人用電動移動具は電動履物を含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項95】
個人用電動移動具は電動スクータを具えている請求項86の個人用電動移動具。
【請求項96】
個人用電動移動具は電動プラットフォームを含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項97】
個人用電動移動具は電動車椅子を含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項98】
個人用電動移動具は個人用移動機器を含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項99】
個人用電動移動具は食料雑貨品店買物用カートを含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項100】
個人用電動移動具は手押し車を含んでいる請求項86の個人用電動移動具。
【請求項101】
電気モータはブラシレス直流モータである請求項86の個人用電動移動具。
【請求項102】
サーフェス上で使用される電動履物であって、
電動履物を前方向に進ませることができるように動作可能な電動ホィールアッセンブリであって、モータコイルを少なくとも部分的に取り囲むハウジングを有し、電力が供給されると、ほぼ円筒形に形成されたハウジングの少なくとも一部分をモータコイルの周りで前進方向に回転させることができるように動作可能な電気モータと、ほぼ円筒形に形成されたハウジングの少なくとも一部分の周りに配置され、電気モータに電力が供給されると、ハウジングと共に前進方向に回転させることができるように動作可能なホィールと、を具え、ホィールとほぼ円筒形のハウジングは、電気モータに電力が供給されると、サーフェス上を転動するローラとして機能するように動作可能な電動ホィールアッセンブリと、
電動ホィールアッセンブリの電気モータに電力を供給するバッテリーと、
電動ホィールアッセンブリの電気モータに供給される電力量を制御することにより、ローラの回転速度を制御するように動作可能なスロットルと、
爪先部、土踏まず部及びかかと部を有するソールを含み、かかと部は底面を有する履物と、を具えており、
ローラは、ソールに隣接して配置され、使用時において、電気駆動ローリングモードでは、ローラが前進方向に回転した状態で、ローラがサーフェスと接触して、使用者は、サーフェス上を前方向にローリング可能である、電動履物。
【請求項103】
受動的ローリングモードで、ローラはサーフェスと主要な接触をもたらし、使用者は、ローラが前進方向に回転した状態で、サーフェス上を前方向にローリング可能であり、電気モータが作動していない状態で、ローラを前方向に回転させることができる請求項102の電動履物。
【請求項104】
第2の電動ホィールアッセンブリをさらに具えており、該アッセンブリは、ほぼ円筒形の第2のモータハウジングの少なくとも一部の周りに配置された第2のホィールを含んでおり、第2のホィールは、第2の電気モータに電力が供給されると、第2のモータハウジングと共に前進方向に回転するように動作可能であり、第2のホィールと第2のモータハウジングは、サーフェス上を転動する第2のローラとして機能するように動作可能であり、
第2のローラは、ソールに隣接して配置され、使用時において、電気駆動ローリングモードでは、第2の電気モータが作動して第2のローラが前進方向に回転した状態で、第2のローラがサーフェスと接触して、使用者は、サーフェス上を前方にローリング可能である請求項102の電動履物。
【請求項105】
ローラは、履物のソールのかかと部に隣接して配置され、第2のローラが、履物のソールの爪先部に隣接して配置されており、第2のローラは、前進方向に回転するように動作可能であり、使用者は、サーフェス上を前方向にローリングすることができる請求項102の電動履物。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図27C】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32】
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【図33】
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【図34A】
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【図34B】
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【図34C】
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【図34D】
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【図34E】
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【図34F】
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【公表番号】特表2008−508953(P2008−508953A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525056(P2007−525056)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/028024
【国際公開番号】WO2006/017799
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(500547393)ヒーリング・スポーツ・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Heeling Sports Limited
【Fターム(参考)】