説明

電動舵取装置

【課題】舵取装置を油圧駆動でなく、電動とすることで船内への油漏れのリスクを回避し、かつ舵軸上部の構造を簡素化し、低コスト化すると共に、保守点検を容易にする。
【解決手段】舵軸12に異なる2方向に突設されたアーム部位18a、18bからなるアーム18を設け、アーム部位18a、18bの先端に、固定軸20a、20bに回動可能に遊嵌された4個の動滑車からなる動滑車群38、40を設けている。動滑車群38、40に対面して3個の固定滑車からなる固定滑車群44、48を設け、スチールワイヤを動滑車と固定滑車に交互に巻回している。スチールワイヤを電動モータ24の出力軸24aの設けられたドラム26で走行させ、アーム18を回動させる。動滑車群と固定滑車群とで減速機構を構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧駆動でなく、電動モータで駆動することで、油漏れをなくした電動舵取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の船舶用舵取装置は、油圧アクチュエータで駆動される油圧式が主流であり、油圧式はラプソンスライド型とロータリーベーン型の2つに分類される。ラプソンスライド型は、特許文献1に開示されているように、舵軸を旋回駆動するチラーに接続された油圧アクチュエータを駆動することで、舵軸を旋回させるものである。ロータリーベーン型は、特許文献2に開示されているように、舵軸を囲むハウジングの内部に舵軸と一体の可動ベーンを備え、ハウジングと舵軸との間に、可動ベーンで仕切られた複数の作動室を形成している。複数の作動室のひとつに作動油を供給して、舵軸を回動させるようにしている。
【0003】
また、特許文献3には、作動油を使用しない電動式舵取装置が開示されている。この舵取装置は、舵軸の上部に旋回環を装着し、該旋回環の外輪を大歯車に形成し、この大歯車にピニオンを噛合させ、このピニオンを電動モータで回転させるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2010/052777A1公報
【特許文献2】特開2011−73526号公報
【特許文献3】特開2007−8189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ラプソンスライド型及びロータリーベーン型は、共に油圧を駆動源としており、船内への油漏れのリスクを有している。また、これらの油圧式舵取装置は、400〜600t・mの大トルクを発生させる必要から、舵軸の上部に大型構造物を設ける必要があり、舵軸の上部に大きな設置スペースを必要とする。また、作動油をシールするシール部の保守点検を頻繁に行う必要がある。
【0006】
特許文献3に開示された電動式舵取装置は、舵軸の上部に大径歯車からなる減速機などの大型構造物を設ける必要があり、油圧式と同様に、舵軸上部に大きな設置スペースを必要とする。また、大容量の電動モータを必要とし、電力費が高価となり、現状、実用化が容易にではない。また、大径歯車とそれを駆動するピニオンとの芯出しが容易でないという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、舵取装置を油圧駆動でなく、電動とすることで船内への油漏れのリスクを回避し、かつ舵軸上部の構造を簡素化して、舵の取付けや駆動装置の取付け及び保守点検を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、本発明の電動舵取装置は、舵軸に対し交差角をもって互いに異なる方向へ突設された2本のアームと、これら2本のアームの夫々の先端領域に設けられた動滑車と、動滑車に巻回され、両端が固定部位に接続されるか又は両端が互いに結合されて無端状をなす動力伝達索と、動力伝達索を正逆両方向へ走行させる電動モータとを備え、電動モータで動力伝達索を走行させ、動力伝達索の走行に伴う動滑車の移動によってアームを舵軸の旋回方向に移動させるように構成したものである。
【0009】
電動モータを稼働して動力伝達索を一方向へ走行させると、2本のアームに舵軸の旋回方向に移動させる力が加わり、舵軸を旋回させることができる。電動モータは正逆両方向へ回転可能なモータか、あるいは一方向回転モータの場合、正逆両方向へ回転可能にする電気回路を設けるようにする。あるいは互いに逆方向へ回転する2個の電動モータを設けるようにしてもよい。動力伝達索は、例えばチェーンや歯付きベルトのように、電動モータの出力軸の回転力が十分伝達され、該回転力により走行可能なものを使用する。
【0010】
前記構成により、舵軸を電動モータで駆動し、作動油を使用しないので、油漏れのリスクを回避できる。また、電動モータは舵軸及びその周辺部から切り離して設置できるため、舵軸の取り付けが容易になると共に、舵軸上部に大きな設置スペースを必要としない。さらに、電動モータ、動滑車、動力伝達索等、保守点検を必要とする機器を小型化できるため、保守点検が容易になる。
【0011】
本発明において、前記構成に加えて、動滑車に対し対面して設けられた固定滑車を備え、動力伝達索を動滑車及び固定滑車に巻回するようにする。動力伝達索を動滑車及び固定滑車に巻回することで、減速機構を構成できる。この、減速機構により、動力伝達索の送り量(又は送り速度)に比べてアームの移動速度が小さくなり、その分電動モータの必要トルクを低減できる。そのため、電動モータを小型化できる。なお、固定滑車は、動滑車に対してアームの移動量以上に離して設置する必要がある。
【0012】
本発明において、複数の動滑車が単一の固定軸に回動可能に装着された動滑車群が2本のアームの先端領域に設けられると共に、複数の固定滑車が単一の固定軸に回動可能に装着された固定滑車群が動滑車群に対向する位置に設けられ、動力伝達索が動滑車群を構成する動滑車及び固定滑車群を構成する固定滑車に交互に巻回されているとよい。減速機構をかかる構成とすることで、減速効果をさらに向上でき、その分電動モータの必要トルクを大幅に低減できる。
【0013】
本発明において、電動モータを2本のアームで囲まれる領域の床面に配置するとよい。これによって、電動モータを舵軸及びその周辺部から切り離して設置できるため、舵軸の取り付けが容易になると共に、舵軸上部に大きな設置スペースを必要としなくなる。
【0014】
本発明において、電動モータが2本のアームに夫々固定され、電動モータで動滑車を回動させることで、動力伝達索を走行させるように構成するとよい。電動モータをアームに取り付けることで、舵軸の周辺に、電動モータの設置スペースを確保する必要がなくなる。また、動滑車を直接電動モータで駆動するので、動力伝達索の送りを確実に行うことができる。
【0015】
本発明において、前記構成に加えて、電動モータの出力軸に接続された回動軸に複数の動滑車が装着され、複数の動滑車のうち少なくとも1個の動滑車が該回動軸に固定され、他の動滑車が該回動軸に遊動可能に装着された動滑車群が2本のアームの先端領域に設けられると共に、複数の固定滑車が単一の固定軸に回動可能に装着された固定滑車群が動滑車群に対向する位置に設けられ、動力伝達索が動滑車群を構成する動滑車及び固定滑車群を構成する固定滑車に交互に巻回されているとよい。かかる構成では、動滑車群と固定滑車群と固定滑車群とで減速機構を構成することで、電動モータの必要トルクを大幅に低減でき、電動モータの小型化を可能とする。
【0016】
また、電動モータで1個の動滑車のみを回動させ、他の動滑車を電動モータで強制的に回動させず、動力伝達索の送りに追従させることで、動力伝達索にたるみや過大な負荷を発生させることなく、動力伝達索の送りを円滑に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、舵軸の駆動手段として電動モータを用い、電動モータの駆動力を動力伝達索及び動滑車を介して舵軸に固定されたアームに伝達するようにしたので、油漏れを回避できると共に、舵軸上部の構造物を簡素化し低コスト化できる。また、保守点検を必要とする機器が小型化されるので、保守点検が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明装置の第1実施形態に係る電動舵取装置の斜視図である。
【図2】第1実施形態の電動舵取装置を別方向から視た斜視図である。
【図3】本発明装置の第2実施形態に係る電動舵取装置の斜視図である。
【図4】本発明装置の第3実施形態に係る電動舵取装置の斜視図である。
【図5】本発明装置の第4実施形態に係る電動舵取装置の斜視図である。
【図6】本発明装置の第5実施形態に係る電動舵取装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
【0020】
(実施形態1)
本発明の第1実施形態に係る電動舵取装置10Aを図1及び図2に基づいて説明する。船体後部に上下方向に配置された舵軸12は、船体隔壁に設けられた軸受14によって旋回可能に支持されている。舵軸12の先端は船体外に突出し、該先端に舵16が取り付けられている。舵軸12には、船体内で互いにほぼ直角方向の交差角を有して舵軸12から2方向に突設されたアーム部位18a、18bからなるアーム18が固定されている。アーム部位18a、18bは上下2段に構成され、これらアーム部位の先端で固定軸20a、20bが上下のアーム部位間に架設され、固定軸20a、20bに夫々動滑車22a及び22bが回動可能に遊嵌されている。
【0021】
アーム部位18a及び18bで囲まれる領域に電動モータ24が配置され、電動モータ24は船体の床面25に固定されている。電動モータ24は正逆両方向に回転可能に構成されている。電動モータ24の出力軸24aにドラム26が取り付けられている。動滑車22a、22b及びドラム26にスチールワイヤ28が巻回され、動滑車22a、22bの外輪端面にはスチールワイヤ28を受ける凹溝23a、23bが設けられている。スチールワイヤ28は、動滑車22a、22bに対し、アーム18の移動方向を除く領域に巻回されている。これによって、スチールワイヤ28の走行によって、動滑車22a、22bがアーム18の移動方向へ移動可能になっている。スチールワイヤ28の両端は、電動モータ24の両側近傍で、床面25に止め金具30及び32で固定されている。
【0022】
ドラム26の両側には、ガイドローラ34及び36が設けられている。ガイドローラ34、36によってスチールワイヤ28のドラム26に対する巻回角を確保し、スチールワイヤ28とドラム26間の摩擦力を高め、ドラム26の回転によってスチールワイヤ28を走行可能にしている。
【0023】
かかる構成において、電動モータ24を船舶内の電力を用いて駆動する。これによって、スチールワイヤ28が矢印a方向又は矢印b方向に走行する。例えば、スチールワイヤ28が矢印a方向に走行したとき、動滑車22aが電動モータ24側へ移動することで、舵軸12が旋回し、舵16が転舵される。
【0024】
本実施形態によれば、舵軸12を電動モータ24で駆動し、作動油を使用しないので、油漏れのリスクを回避できる。また、電動モータ24は舵軸12から切り離して設置できるため、舵軸上部に大きな構造物を設ける必要がない。従って、舵軸12の取り付けが容易になる。さらに、電動モータ、動滑車、動力伝達索等、保守点検を必要とする機器を小型化できるため、保守点検が容易になる。また、スチールワイヤ28の両端を床面25に固定することで、スチールワイヤ28の走行によるアーム18の移動を確実に行うことができる。
【0025】
なお、スチールワイヤ28の両端を結合し、無端状にしてもよい。この場合、スチールワイヤ28と動滑車22a、22b間の摩擦力を増大させるか、あるいはスチールワイヤ28と動滑車22a、22bの外輪端面とが互いに係止可能な構造にして、スチールワイヤ28と動滑車22a、22bとの間に滑りが生じないようにする必要がある。例えば、滑車に歯車を用い、歯付きベルトと組み合わせることにより、滑りが生じない構造とする。また、動滑車と固定滑車とを組み合わせ、動滑車の数を増やすことで、電動モータ24の駆動トルクを低減できる。スチールワイヤ28の移動量は、電動モータ24の回転数を制御「することで調整できる。
【0026】
(実施形態2)
次に、本発明の第2実施形態に係る電動舵取装置10Bを図3により説明する。電動舵取装置10Bは、アーム部位18a間に架設された固定軸20aに、動滑車群38を構成する4個の動滑車38a〜dが互いに若干の間隔を空けて回動可能に遊嵌されている。また、電動モータ24の左隣りで動滑車群38に対向する位置の床面25に、固定軸42が立設されている。固定軸42には、固定滑車群44を構成する3個の固定滑車44a〜cが、互いに若干の間隔を空けて回動可能に遊嵌されている。
【0027】
同様に、アーム部位18b間に架設された固定軸20bには、動滑車群40を構成する4個の動滑車40a〜dが、互いに若干の間隔を空けて回動可能に遊嵌されている。また、電動モータ24の右隣りで動滑車群40に対向する位置の床面25に、固定軸46が立設されている。固定軸46には、固定滑車群48を構成する3個の固定滑車48a〜cが、互いに若干の間隔を空けて回動可能に遊嵌されている。
【0028】
スチールワイヤ28は、アーム部位18a及び18bの夫々において、動滑車群を構成する動滑車及び固定滑車群を構成する固定滑車に、上方から順番にかつ動滑車と固定滑車とに交互に巻回されている。なお、動滑車群と固定滑車群とは、アーム部位18a、18bの最大移動量を許容する距離だけ離れている。その他の構成は第1実施形態と同一であり、同一部材には同一の符号を付している。
【0029】
本実施形態では、動滑車群38及び固定滑車群44と、動滑車群40及び固定滑車群48とで、夫々減速機構を構成している。これによって、電動モータ24を駆動したとき、スチールワイヤ28の送り量(又は送り速度)に対して、アーム18の回動速度を、第1実施形態と比べて減速できる。逆に、減速した分だけ電動モータ24の必要トルクを低減できる。そのため、第1実施形態と比べて、電動モータ24を小型化できる。
【0030】
なお、動滑車群又は固定滑車群は、各滑車を固定軸に対して結合するようにしてもよい。この場合、スチールワイヤ28の送り量(又は送り速度)は各滑車で異なるので、滑車毎に、送り量(又は送り速度)に合わせた外径にする必要がある。また、動滑車群38、40の動滑車の個数を2個とし、固定滑車群44、48の固定滑車の数を1個としても、減速機構を構成できる。
【0031】
(実施形態3)
次に、本発明の第3実施形態に係る電動舵取装置10Cを図4により説明する。電動舵取装置10Cは、第2実施形態の固定滑車群44及び48をひとつの固定滑車群に統合した構成をもつ。この固定滑車群52は、電動モータ24の後ろ側の床面25に立設された固定軸50と、互いに若干の間隔を空けて遊嵌状態で装着された6個の固定滑車52a〜fとからなる。動滑車群38及び40の下端には、台車54a及び54bが設けられ、これらの台車で動滑車群38又は40の重量を支持しつつ、これら動滑車群の移動を容易にしている。
【0032】
また、固定滑車群52の後ろ側にガイドローラ56が設けられている。スチールワイヤ54は無端状になっている。図4に示すように、スチールワイヤ54は、上方の動滑車及び固定滑車から順々に下方に、かつ動滑車と固定滑車とに交互に巻回されている。また、固定滑車群52では、動滑車群38又は40に対して1段置きにスチールワイヤ54が巻回されている。動滑車群38及び40の下端に位置する動滑車38d及び40d間では、スチールワイヤ54が、固定滑車群52の後ろ側で床面25に設けられたガイドローラ56にガイドされている。
【0033】
本実施形態によれば、固定滑車群を1個の固定滑車群52に統合したので、固定滑車群の設置スペースを縮小できる。また、動滑車群38、40の下端に台車54a、54bを設けたので、動滑車群の重量を支持しつつ、動滑車群の移動を円滑に行うことができる。
【0034】
(実施形態4)
次に、本発明の第4実施形態に係る電動舵取装置10Dを図5により説明する。電動舵取装置10Dは、第1実施形態の構成に対して、電動モータ58a及び58bを夫々アーム部位18a及び18bの先端領域上面に設けている。そして、電動モータ58a、58bの出力軸60a、60bは、夫々動滑車22a、22bの固定軸20a、20bに結合されている。その他の構成は第1実施形態と同一である。
【0035】
本実施形態によれば、電動モータ58a、58bで動滑車22a、22bを回動させるので、スチールワイヤ28を確実に走行させ、アーム18を回動させることができる。また、電動モータ58a、58bをアーム18の上面に設けているので、床面25上の設置スペースを不要にできる。
【0036】
(実施形態5)
次に、本発明の第5実施形態に係る電動舵取装置10Eを図6により説明する。電動舵取装置10Eは、第4実施形態の構成に、第3実施形態の減速機構、即ち、動滑車群38、40及び固定滑車群52を組み込んだものである。即ち、電動モータ58a、58bの出力軸60a、60bを固定軸20a、20bに結合している。さらに、動滑車群38、40の上端にある動滑車38a、40aを固定軸20a、20bに固定し、その他の動滑車を固定軸20a、20bに対して遊嵌状態で装着している。
【0037】
本実施形態では、第3実施形態及び第4実施形態の両方の作用効果を得ることができる。即ち、固定滑車群を1個に統合し、かつ電動モータ58a、58bをアーム部位18a、18bに設けたことで、舵軸周辺の設置スペースを大幅に縮小できる。また、動滑車群38、40の下端に台車54a、54bを設けたので、これら台車で動滑車群の重量を支持しつつ、動滑車群の移動を円滑に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、舵取装置を電動とすることで船内への油漏れのリスクを回避し、かつ舵軸上部の構造を簡素化し、低コスト化すると共に、保守点検を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0039】
10A、10B、10C、10D、10E 電動舵取装置
12 舵軸
14 軸受
16 舵
18 アーム
18a、18b アーム部位
20a、20b、42、46、50 固定軸
22a、22b 動滑車
23a、23b 凹溝
24、58a、58b 電動モータ
24a、60a、60b 出力軸
25 床面
26 ドラム
28、54 スチールワイヤ
30,32 止め金具
34,36、56 ガイドローラ
38,40 動滑車群
38a〜d、40a〜d 動滑車
44、48、52 固定滑車群
44a〜c、44a〜c、52a〜f 固定滑車
54a、54b 台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
舵軸に対し交差角をもって互いに異なる方向へ突設された2本のアームと、
前記2本のアームの夫々の先端領域に設けられた動滑車と、
前記動滑車に巻回され、両端が固定部位に接続されるか又は両端が互いに結合されて無端状をなす動力伝達索と、
該動力伝達索を正逆両方向へ走行させる電動モータとを備え、
前記電動モータで前記動力伝達索を走行させ、該動力伝達索の走行に伴う前記動滑車の移動によって前記アームを舵軸の旋回方向に移動させるように構成したことを特徴とする電動舵取装置。
【請求項2】
前記動滑車に対し対面して設けられた固定滑車を備え、
前記動力伝達索が前記動滑車及び固定滑車に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の電動舵取装置。
【請求項3】
複数の動滑車が単一の固定軸に回動可能に装着された動滑車群が前記2本のアームの先端領域に設けられると共に、複数の固定滑車が単一の固定軸に回動可能に装着された固定滑車群が前記動滑車群に対向する位置に設けられ、
前記動力伝達索が前記動滑車群を構成する動滑車及び前記固定滑車群を構成する固定滑車に交互に巻回されていることを特徴とする請求項2に記載の電動舵取装置。
【請求項4】
前記電動モータが前記2本のアームで囲まれる領域の床面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動舵取装置。
【請求項5】
前記電動モータが前記2本のアームに夫々固定され、該電動モータで前記動滑車を回動させることで、前記動力伝達索を走行させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の電動舵取装置。
【請求項6】
前記電動モータの出力軸に接続された回動軸に複数の動滑車が装着され、複数の動滑車のうち少なくとも1個の動滑車が該回動軸に固定され、他の動滑車が該回動軸に遊動可能に装着された動滑車群が前記2本のアームの先端領域に設けられると共に、
複数の固定滑車が単一の固定軸に回動可能に装着された固定滑車群が前記動滑車群に対向する位置に設けられ、
前記動力伝達索が前記動滑車群を構成する動滑車及び前記固定滑車群を構成する固定滑車に交互に巻回されていることを特徴とする請求項5に記載の電動舵取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−112089(P2013−112089A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258467(P2011−258467)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)