電動補助自転車
【課題】大容量のバッテリーケースを搭載する車体への従来のバッテリーケースの装着を可能とし、従来のバッテリーケースを使用する車体への大容量バッテリーケースの装着ができないようにする。
【解決手段】車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台21を設け、接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケース14を、端子台21に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、車体に、バッテリーケース14に係脱自在に係合してバッテリーケース14を固定するロック機構21を設け、バッテリーケース14に、ロック機構21に向かって突部17を形成すると共に、ロック機構21に、突部17の当接を回避する切欠部23を形成する。
【解決手段】車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台21を設け、接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケース14を、端子台21に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、車体に、バッテリーケース14に係脱自在に係合してバッテリーケース14を固定するロック機構21を設け、バッテリーケース14に、ロック機構21に向かって突部17を形成すると共に、ロック機構21に、突部17の当接を回避する切欠部23を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動補助自転車は、ペダルによる踏力を検出し、踏力に応じた電動駆動力を伝達して人力を補助するように構成されている。電動駆動力を出力する電力ユニットに電力を供給するためのバッテリーケースは、例えば、特許文献1に示されるように、車体のシートパイプと後車輪との間に着脱自在に装着されている。
【0003】
バッテリーケースは、下端を、車体に配置した電池ホルダーに引っ掛けた状態で、引っ掛かった部分を支点として揺動させ、バッテリーケースの上端側を車体に配置したロック機構に係止する構成となっている。
【0004】
近年、健康志向、環境意識の高まりなどから、電動補助自転車のニーズが高まる中、走行距離向上の要望が増加しており、バッテリー容量の増加が望まれている。
【0005】
今まで使用していた電動補助自転車からバッテリー容量の大きなバッテリーケースを搭載した電動補助自転車に買い換える使用者が現れることが想定されるが、この場合、従来使用していたバッテリーケースも使用できるようにする方が使用者にとって利便性を向上することができる。
【0006】
従来のバッテリーケースも使用可能にした場合、バッテリーケースの取付構造を共通化する必要があるが、大容量のバッテリーケースは内蔵するバッテリーパックを増量するために、従来のバッテリーケースに比較し、車幅方向の横幅が大きく形成する必要がある。バッテリーケースの横幅が大きくなると、ペダルを連結するクランクとバッテリーケースとの幅が狭くなり、クランクとバッテリーケースとの間に指等が挟まる危険性が生じるため、大容量のバッテリーケースは従来のバッテリーケースを使用する車体に装着できないようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−231493
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、大容量のバッテリーケースを搭載する車体への従来のバッテリーケースの装着を可能とし、従来のバッテリーケースを使用する車体への大容量バッテリーケースの装着ができないようにした電動補助自転車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車において、車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台を設け、前記接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケースを、前記端子台に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、前記車体に、バッテリーケースに係脱自在に係合してバッテリーケースを固定するロック機構を設け、前記バッテリーケースに、ロック機構に向かって突部を形成すると共に、前記ロック機構に、突部の当接を回避する切欠部を形成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車において、車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台を設け、前記接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケースを、前記端子台に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、前記車体に、バッテリーケース上部に形成した係合溝に係脱自在に係合してバッテリーケースを固定するロック機構を設け、前記バッテリーケース上部に取手を形成し、該取手から前記ロック機構に向かって突起を形成すると共に、前記ロック機構に、突部の当接を回避する切欠部を形成したことを特徴とする。
前記バッテリーケースの係合溝には、ロック機構側側面にリブを形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によフック、バッテリーケースに突部を形成し、ロック機構に突部を逃がすための切欠部を形成するだけの簡単な構成により、バッテリーケースを使用する車体への従来のバッテリーケースの使用を可能とし、従来のバッテリーケースを使用する車体へのバッテリーケースの装着を阻止することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の電動補助自転車を示す側面図である。
【図2】同バッテリーケースの車体に対する右側側面図である。
【図3】同バッテリーケースの後車輪側側面図である。
【図4】同バッテリーケースの車体に対する左側側面図である。
【図5】同バッテリーケースの上面図である。
【図6】同バッテリーケースとロック機構との係合状態を示す図である。
【図7】同バッテリーケースを車体に装着した状態を示す斜視図である。
【図8】同バッテリーケースを車体に装着した状態を示す要部拡大図である。
【図9】従来のバッテリーケースを使用する電動補助自転車を示す側面図である。
【図10】従来のバッテリーケースを使用する電動自転車に本実施形態のバッテリーケースを誤装着する状態を説明する図である。
【図11】本実施形態のバッテリーケース装着状態におけるバッテリーケースとロック機構との関係を示す図である。
【図12】本実施形態のバッテリーケースを従来のバッテリーケースを使用する車体に誤装着する際の状態を説明するバッテリーケースとロック機構との関係を説明する図である。
【図13】本実施形態のバッテリーケースを従来のバッテリーケースを使用する車体に誤装着する際の他の状態を説明するバッテリーケースとロック機構との関係を説明する図である。
【図14】図13の状態を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に示す電動補助自転車に基づいて以下に詳述する。
【0014】
図1において、電動補助自転車1は、前車輪2を支持する前フォーク3、ダウンチューブ4、シート5を支持するシートポスト6、後車輪7を支持するチェーンステー8、シートステー9、ペダル10を連結するクランク11などにより車体を構成している。前記前車輪2には、モータを内蔵するハブユニット13が配設され、前記シートポスト6と後車輪7との間にバッテリーケース14が搭載されている。前記ペダル10に加わる踏力が作用する適所に、ペダル10の負荷が一定値に達すると、ハブユニット13のモータ(図示せず)にバッテリーケース14から給電して電動駆動力を付与するセンサー(図示せず)が配備されている。
【0015】
前記バッテリーケース14を、図1から図8に基づいて詳述すると、バッテリーケース14は、内部にバッテリーセル(図示せず)を多数収納しており、バッテリーケース14のシートポスト6側側面と後車輪7側側面に突設した軸部15を後述する端子台21に形成した図示しない溝部に引っ掛けて位置決めし、この状態で車幅方向へ揺動可能にしている。
【0016】
前記バッテリーケース14の後車輪7側の上面には、車幅方向に略コ字状に上方へ突出する取手16が一体に形成されており、該取手16の前記シートポスト6側側面に、車幅方向略中央部分からシートポスト6側に向かって従来のバッテリーケースには形成されていなかった突起17が形成されている。また、前記バッテリーケース14の車体を正面から見て車体左側上面には、バッテリーケース14の車幅方向略中央部分に後述するロック機構23のフック24が係合する係合溝18が形成されている。前記係合溝18の取手16と離間する側の側面に、後述するように従来のバッテリーケースを使用する車体に本実施形態のバッテリーケース14を誤装着しようとした際に、ロック機構23のフック24が当接してフック24が係合溝18に侵入するのを阻止するリブ19が形成されている。
【0017】
20は前記バッテリーケース14の下部に形成された接続端子(図示せず)が配設された端子収納部で、前記軸部15が突出形成されている。
【0018】
21は前記シートポスト6後方のチェーンステー8上に固定される端子台で、端子台23上にバッテリーケース14が載置された状態で、バッテリーケース14の接続端子に接続される接続端子(図示せず)が配設されている。前記端子台14には、シートポスト6側と後車輪7側に側壁22が形成されており、該側壁22には、前記バッテリーケース14の軸部15を引っ掛けるための略U字状の溝部(図示せず)が形成されている。
【0019】
23は前記シートポスト6上部に固定されたロック機構で、前記バッテリーケース14の係合溝18に係合するフック24が下方に向かって突出している。前記フック24は、図示しないキーの操作により係合溝18から離脱するように構成されている。25は前記ロック機構23の後車輪7側上部に形成された切欠部で、前記バッテリーケース14を装着した際に、従来のバッテリーケースには形成されていなかった突部17がロック機構23に当接するのを回避してバッテリーケース14をロック機構23に固定するようになっている。
【0020】
前記バッテリーケース14は、従来のバッテリーケースより大容量に形成されており、従来のバッテリーケースより車幅方向の幅寸法を大きく形成されると共に、取手16に突部17が形成されている点のみが異なっている。
【0021】
また、前記ロック機構23は、バッテリーケース14の突部17を逃がすための切欠部25が形成されており、従来のバッテリーケースを固定するためのロック機構には切欠部が形成されていなかった点のみが異なっている。
【0022】
従来のバッテリーケースを使用する電動補助自転車の側面図を図9に、同要部拡大図を図10に示している。
【0023】
而して、バッテリーケース14を車体に装着する際には、バッテリーケース14を車体右側よりバッテリーケース14の軸部15を端子台21の溝部に引っ掛けて位置決めし、この状態で、軸部15を中心にバッテリーケース14を車体側に向けて揺動させる。バッテリーケース14の係合溝18にロック機構23のフック24が挿入され、係合溝18にフック24が係合してバッテリーケース14が車体に固定される。このバッテリーケース14の固定状態を図11に示している。
【0024】
従来のバッテリーケースを本実施形態の車体に装着する際も上述と同様に固定することができる。
【0025】
本実施形態のバッテリーケース14を従来のバッテリーケースを装着した車体に装着しようとした場合には、図12に示すごとく、バッテリーケース14の突部17が従来のロック機構23’側面に当接し、バッテリーケース14の装着が阻止される。使用者が突部14をロック機構23に当接しないように図14に示すように、バッテリーケース14を後車輪7側に傾けて装着しようとした際には、図13に示すように、バッテリーケース14の係合溝18に形成したリブ19がフック24に当接し、バッテリーケース14の係合溝18への係合を阻止する。
【0026】
以上のごとく、バッテリーケース14の取手16に突部17を形成し、ロック機構23に突部17を逃がすための切欠部24を形成するだけの簡単な構成により、バッテリーケース14を使用する車体への従来のバッテリーケースの使用を可能とし、従来のバッテリーケースを使用する車体へのバッテリーケース14の装着を阻止することが可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、バッテリーケースを着脱自在に装着する電動補助自転車に利用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 電動自転車
14 バッテリーケース
16 取手
17 突起
18 係合溝
19 リブ
23 ロック機構
24 フック
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電動補助自転車は、ペダルによる踏力を検出し、踏力に応じた電動駆動力を伝達して人力を補助するように構成されている。電動駆動力を出力する電力ユニットに電力を供給するためのバッテリーケースは、例えば、特許文献1に示されるように、車体のシートパイプと後車輪との間に着脱自在に装着されている。
【0003】
バッテリーケースは、下端を、車体に配置した電池ホルダーに引っ掛けた状態で、引っ掛かった部分を支点として揺動させ、バッテリーケースの上端側を車体に配置したロック機構に係止する構成となっている。
【0004】
近年、健康志向、環境意識の高まりなどから、電動補助自転車のニーズが高まる中、走行距離向上の要望が増加しており、バッテリー容量の増加が望まれている。
【0005】
今まで使用していた電動補助自転車からバッテリー容量の大きなバッテリーケースを搭載した電動補助自転車に買い換える使用者が現れることが想定されるが、この場合、従来使用していたバッテリーケースも使用できるようにする方が使用者にとって利便性を向上することができる。
【0006】
従来のバッテリーケースも使用可能にした場合、バッテリーケースの取付構造を共通化する必要があるが、大容量のバッテリーケースは内蔵するバッテリーパックを増量するために、従来のバッテリーケースに比較し、車幅方向の横幅が大きく形成する必要がある。バッテリーケースの横幅が大きくなると、ペダルを連結するクランクとバッテリーケースとの幅が狭くなり、クランクとバッテリーケースとの間に指等が挟まる危険性が生じるため、大容量のバッテリーケースは従来のバッテリーケースを使用する車体に装着できないようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−231493
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、大容量のバッテリーケースを搭載する車体への従来のバッテリーケースの装着を可能とし、従来のバッテリーケースを使用する車体への大容量バッテリーケースの装着ができないようにした電動補助自転車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車において、車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台を設け、前記接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケースを、前記端子台に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、前記車体に、バッテリーケースに係脱自在に係合してバッテリーケースを固定するロック機構を設け、前記バッテリーケースに、ロック機構に向かって突部を形成すると共に、前記ロック機構に、突部の当接を回避する切欠部を形成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車において、車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台を設け、前記接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケースを、前記端子台に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、前記車体に、バッテリーケース上部に形成した係合溝に係脱自在に係合してバッテリーケースを固定するロック機構を設け、前記バッテリーケース上部に取手を形成し、該取手から前記ロック機構に向かって突起を形成すると共に、前記ロック機構に、突部の当接を回避する切欠部を形成したことを特徴とする。
前記バッテリーケースの係合溝には、ロック機構側側面にリブを形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の構成によフック、バッテリーケースに突部を形成し、ロック機構に突部を逃がすための切欠部を形成するだけの簡単な構成により、バッテリーケースを使用する車体への従来のバッテリーケースの使用を可能とし、従来のバッテリーケースを使用する車体へのバッテリーケースの装着を阻止することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の電動補助自転車を示す側面図である。
【図2】同バッテリーケースの車体に対する右側側面図である。
【図3】同バッテリーケースの後車輪側側面図である。
【図4】同バッテリーケースの車体に対する左側側面図である。
【図5】同バッテリーケースの上面図である。
【図6】同バッテリーケースとロック機構との係合状態を示す図である。
【図7】同バッテリーケースを車体に装着した状態を示す斜視図である。
【図8】同バッテリーケースを車体に装着した状態を示す要部拡大図である。
【図9】従来のバッテリーケースを使用する電動補助自転車を示す側面図である。
【図10】従来のバッテリーケースを使用する電動自転車に本実施形態のバッテリーケースを誤装着する状態を説明する図である。
【図11】本実施形態のバッテリーケース装着状態におけるバッテリーケースとロック機構との関係を示す図である。
【図12】本実施形態のバッテリーケースを従来のバッテリーケースを使用する車体に誤装着する際の状態を説明するバッテリーケースとロック機構との関係を説明する図である。
【図13】本実施形態のバッテリーケースを従来のバッテリーケースを使用する車体に誤装着する際の他の状態を説明するバッテリーケースとロック機構との関係を説明する図である。
【図14】図13の状態を説明する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に示す電動補助自転車に基づいて以下に詳述する。
【0014】
図1において、電動補助自転車1は、前車輪2を支持する前フォーク3、ダウンチューブ4、シート5を支持するシートポスト6、後車輪7を支持するチェーンステー8、シートステー9、ペダル10を連結するクランク11などにより車体を構成している。前記前車輪2には、モータを内蔵するハブユニット13が配設され、前記シートポスト6と後車輪7との間にバッテリーケース14が搭載されている。前記ペダル10に加わる踏力が作用する適所に、ペダル10の負荷が一定値に達すると、ハブユニット13のモータ(図示せず)にバッテリーケース14から給電して電動駆動力を付与するセンサー(図示せず)が配備されている。
【0015】
前記バッテリーケース14を、図1から図8に基づいて詳述すると、バッテリーケース14は、内部にバッテリーセル(図示せず)を多数収納しており、バッテリーケース14のシートポスト6側側面と後車輪7側側面に突設した軸部15を後述する端子台21に形成した図示しない溝部に引っ掛けて位置決めし、この状態で車幅方向へ揺動可能にしている。
【0016】
前記バッテリーケース14の後車輪7側の上面には、車幅方向に略コ字状に上方へ突出する取手16が一体に形成されており、該取手16の前記シートポスト6側側面に、車幅方向略中央部分からシートポスト6側に向かって従来のバッテリーケースには形成されていなかった突起17が形成されている。また、前記バッテリーケース14の車体を正面から見て車体左側上面には、バッテリーケース14の車幅方向略中央部分に後述するロック機構23のフック24が係合する係合溝18が形成されている。前記係合溝18の取手16と離間する側の側面に、後述するように従来のバッテリーケースを使用する車体に本実施形態のバッテリーケース14を誤装着しようとした際に、ロック機構23のフック24が当接してフック24が係合溝18に侵入するのを阻止するリブ19が形成されている。
【0017】
20は前記バッテリーケース14の下部に形成された接続端子(図示せず)が配設された端子収納部で、前記軸部15が突出形成されている。
【0018】
21は前記シートポスト6後方のチェーンステー8上に固定される端子台で、端子台23上にバッテリーケース14が載置された状態で、バッテリーケース14の接続端子に接続される接続端子(図示せず)が配設されている。前記端子台14には、シートポスト6側と後車輪7側に側壁22が形成されており、該側壁22には、前記バッテリーケース14の軸部15を引っ掛けるための略U字状の溝部(図示せず)が形成されている。
【0019】
23は前記シートポスト6上部に固定されたロック機構で、前記バッテリーケース14の係合溝18に係合するフック24が下方に向かって突出している。前記フック24は、図示しないキーの操作により係合溝18から離脱するように構成されている。25は前記ロック機構23の後車輪7側上部に形成された切欠部で、前記バッテリーケース14を装着した際に、従来のバッテリーケースには形成されていなかった突部17がロック機構23に当接するのを回避してバッテリーケース14をロック機構23に固定するようになっている。
【0020】
前記バッテリーケース14は、従来のバッテリーケースより大容量に形成されており、従来のバッテリーケースより車幅方向の幅寸法を大きく形成されると共に、取手16に突部17が形成されている点のみが異なっている。
【0021】
また、前記ロック機構23は、バッテリーケース14の突部17を逃がすための切欠部25が形成されており、従来のバッテリーケースを固定するためのロック機構には切欠部が形成されていなかった点のみが異なっている。
【0022】
従来のバッテリーケースを使用する電動補助自転車の側面図を図9に、同要部拡大図を図10に示している。
【0023】
而して、バッテリーケース14を車体に装着する際には、バッテリーケース14を車体右側よりバッテリーケース14の軸部15を端子台21の溝部に引っ掛けて位置決めし、この状態で、軸部15を中心にバッテリーケース14を車体側に向けて揺動させる。バッテリーケース14の係合溝18にロック機構23のフック24が挿入され、係合溝18にフック24が係合してバッテリーケース14が車体に固定される。このバッテリーケース14の固定状態を図11に示している。
【0024】
従来のバッテリーケースを本実施形態の車体に装着する際も上述と同様に固定することができる。
【0025】
本実施形態のバッテリーケース14を従来のバッテリーケースを装着した車体に装着しようとした場合には、図12に示すごとく、バッテリーケース14の突部17が従来のロック機構23’側面に当接し、バッテリーケース14の装着が阻止される。使用者が突部14をロック機構23に当接しないように図14に示すように、バッテリーケース14を後車輪7側に傾けて装着しようとした際には、図13に示すように、バッテリーケース14の係合溝18に形成したリブ19がフック24に当接し、バッテリーケース14の係合溝18への係合を阻止する。
【0026】
以上のごとく、バッテリーケース14の取手16に突部17を形成し、ロック機構23に突部17を逃がすための切欠部24を形成するだけの簡単な構成により、バッテリーケース14を使用する車体への従来のバッテリーケースの使用を可能とし、従来のバッテリーケースを使用する車体へのバッテリーケース14の装着を阻止することが可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、バッテリーケースを着脱自在に装着する電動補助自転車に利用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 電動自転車
14 バッテリーケース
16 取手
17 突起
18 係合溝
19 リブ
23 ロック機構
24 フック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車において、
車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台を設け、前記接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケースを、前記端子台に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、前記車体に、バッテリーケースに係脱自在に係合してバッテリーケースを固定するロック機構を設け、
前記バッテリーケースに、ロック機構に向かって突部を形成すると共に、前記ロック機構に、突部の当接を回避する切欠部を形成したことを特徴とする電動補助自転車。
【請求項2】
ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車において、
車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台を設け、前記接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケースを、前記端子台に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、前記車体に、バッテリーケース上部に形成した係合溝に係脱自在に係合してバッテリーケースを固定するロック機構を設け、
前記バッテリーケース上部に取手を形成し、該取手から前記ロック機構に向かって突起を形成すると共に、前記ロック機構に、突部の当接を回避する切欠部を形成したことを特徴とする電動補助自転車。
【請求項3】
前記バッテリーケースの係合溝には、ロック機構側側面にリブを形成したことを特徴とする請求項2記載の電動補助自転車。
【請求項1】
ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車において、
車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台を設け、前記接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケースを、前記端子台に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、前記車体に、バッテリーケースに係脱自在に係合してバッテリーケースを固定するロック機構を設け、
前記バッテリーケースに、ロック機構に向かって突部を形成すると共に、前記ロック機構に、突部の当接を回避する切欠部を形成したことを特徴とする電動補助自転車。
【請求項2】
ペダルによる踏力を伝達する人力駆動系と、電動ユニットによる動力を伝達するモータ駆動系とを有する電動補助自転車において、
車体に電動ユニットに接続される接続端子を有する端子台を設け、前記接続端子に接続される接続端子を有するバッテリーケースを、前記端子台に支持した状態で揺動させて装着可能に形成し、前記車体に、バッテリーケース上部に形成した係合溝に係脱自在に係合してバッテリーケースを固定するロック機構を設け、
前記バッテリーケース上部に取手を形成し、該取手から前記ロック機構に向かって突起を形成すると共に、前記ロック機構に、突部の当接を回避する切欠部を形成したことを特徴とする電動補助自転車。
【請求項3】
前記バッテリーケースの係合溝には、ロック機構側側面にリブを形成したことを特徴とする請求項2記載の電動補助自転車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−178255(P2011−178255A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43744(P2010−43744)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
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